以下に、本発明の実施の形態にかかる列車運行管理装置、列車運行管理方法、および列車運行管理プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる列車制御システム1の構成を示す図である。図1に示す列車制御システム1は、複数の車上装置2と、複数の無線装置3と、地上制御装置4と、連動制御装置5と、列車運行管理装置10とを備える。列車運行管理装置10は、路線の軌道上を走行する複数の列車9の運行を管理する装置である。
なお、図1に示す列車制御システム1は、無線制御システムであるが、無線制御システムに限定されない。また、列車制御システム1は、コンピュータシステムであり、列車制御システム1で取り扱う情報であるデータに基づいた処理を実行する。
複数の無線装置3および地上制御装置4は、ネットワーク7を介して互いに通信可能に接続され、地上制御装置4、連動制御装置5、および列車運行管理装置10は、ネットワーク8を介して互いに通信可能に接続される。ネットワーク7,8はイントラネットであるが、イントラネット以外のネットワークであってもよい。
各列車9には、車上装置2が搭載されており、車上装置2は、無線装置3と無線通信を行い、無線装置3を介して地上制御装置4とデータの送受信を行う。具体的には、車上装置2は、列車9の現在位置および速度を定期的に検出し、検出した現在位置および速度のデータを含む列車位置データを地上制御装置4へ無線装置3を介して送信する。
また、車上装置2は、地上制御装置4から無線装置3を介して列車制御データを受信する。列車制御データには、信号データ、経路データ、および停止位置データが含まれており、車上装置2は、信号データ、経路データ、および停止位置データを不図示の表示部に表示することができる。
地上制御装置4は、連動制御装置5から進路表示データを取得し、取得した進路表示データに基づいて、列車制御データを生成する。また、地上制御装置4は、車上装置2から列車位置データを取得し、取得した列車位置データと進路表示データとを列車運行管理装置10へ送信する。
連動制御装置5は、列車運行管理装置10から出力される各列車9の進路制御データに基づいて、不図示の転てつ器の鎖錠または解錠を行って各列車9の進路を形成する。また、連動制御装置5は、列車運行管理装置10から出力される各列車9の進路制御データに基づいて、各列車9の信号データを生成し、生成した信号データと停止位置データとを含む進路表示データを地上制御装置4へ出力する。
列車運行管理装置10は、地上制御装置4から各列車9の列車位置データおよび列車制御データを取得し、連動制御装置5から進路表示データを取得する。列車運行管理装置10は、列車位置データ、列車制御データ、進路表示データ、および実行ダイヤデータに基づいて、列車9が実行ダイヤデータに従った時間で実行ダイヤデータに従った進路を走行するように、各列車9の進路制御データを生成する。
進路制御データには、進路を特定するデータと進路へ進行させるか否かを示すデータとが含まれており、列車運行管理装置10は、生成した各列車9の進路制御データを連動制御装置5へ出力する。
列車運行管理装置10は、ダイヤの乱れがある場合に、変更ダイヤを作成し、かかる変更ダイヤを新たな実行ダイヤとして設定することができる。実行ダイヤは、実際に運用されるダイヤであり、変更ダイヤは、ダイヤの変更案である。
図2は、本発明の実施の形態1にかかる列車運行管理装置10の構成例を示す図である。図2に示すように、列車運行管理装置10は、通信部20と、表示部21と、入力部22と、記憶部23と、制御部24とを備える。なお、図2に示す例では、便宜上記憶部23を2つに分けて図示している。
通信部20は、ネットワーク7に接続されており、ネットワーク7を介して地上制御装置4および連動制御装置5との間でデータの送受信を行う。表示部21は、制御部24から出力される画面データに基づき、かかる画面データに応じた画面を表示する。入力部22は、列車運行管理装置10を操作する操作員からの入力を受け付ける。
記憶部23は、実行ダイヤデータ40と、状況データ41と、乗降履歴データ42と、予測ダイヤデータ43と、乗車率データ44と、変更ダイヤデータ45とを記憶する。なお、図2に示す例では、記憶部23に記憶されるデータを6つに分けて説明しているが、2つ以上のデータと同様の内容を含むデータを用いてもよく、また、1つのデータを複数に分けたデータを用いてもよい。
実行ダイヤデータ40は、日単位のダイヤデータである。実行ダイヤデータ40には、列車9毎のデータが含まれる。各列車9のデータには、列車9を特定する識別子である列車IDと、列車9のダイヤデータとが含まれる。列車9のダイヤデータは、列車9の列車種別、編成数、および各駅の発着時刻を示すデータが含まれる。なお、以下において、「時刻」は、8時10分20秒、8時10分21秒、および8時10分22秒といったように秒単位の時刻であるものとするが、「時刻」は、単位時間毎の間隔であればよい。
状況データ41には、各列車9の状況を示すデータおよび路線の状況を示すデータが含まれる。具体的には、状況データ41には、各列車9の現在の位置および速度を示すデータ、駅停車時分を示すデータ、各列車9の進路制御の状況を示すデータ、連動制御装置5による転てつ器の制御状況および各列車9への進路表示の状況を示すデータ、および各列車9の定員を示すデータが含まれる。
状況データ41は、制御部24によって地上制御装置4、および連動制御装置5を含む複数の装置から繰り返し取得されて更新されるデータである。なお、各列車9の定員を示すデータは、実行ダイヤに含まれる列車9の列車種別および編成数に基づいて制御部24によって算出されるデータであってもよい。
乗降履歴データ42には、各乗客の乗降履歴が含まれる。かかる乗降履歴は、乗客を特定する乗客IDと、改札から入場した時刻と、改札から出場した時刻と、乗客の行動パターンとを含む。各乗客の乗降履歴には、第1の行動パターンと第2の行動パターンとを含む複数の行動パターンのうち各乗客に合致する行動パターンが設定される。
第1の行動パターンは、乗り換えが多くても乗客が目的地に早く到着するように行動するパターンであり、第2の行動パターンは、乗換が少なくなるように乗客が行動するパターンである。制御部24は、乗客が改札から入場した時刻と改札から出場した時刻とから、各乗客の行動パターンを推定し、推定した各乗客の行動パターンを乗降履歴データ42に設定することができる。
予測ダイヤデータ43は、制御部24によって作成される後述の予測ダイヤのデータである。かかる予測ダイヤデータ43は、実行ダイヤデータ40と同様のデータ構成であり、列車IDとダイヤデータとが各々含まれる複数の列車9のデータを含む。
乗車率データ44は、ダイヤの乱れが発生した場合に、制御部24によって予測される各列車9の乗車率のデータである。乗車率データ44には、各列車9の乗車率データが含まれ、各列車9の乗車率データには、列車9を特定する列車IDと、列車9が停車する各駅間における乗車率のデータとが含まれる。
変更ダイヤデータ45は、ダイヤの乱れが発生した場合に、制御部24によって作成される変更ダイヤのデータである。かかる変更ダイヤデータ45は、実行ダイヤデータ40と同様のデータ構成であり、列車IDとダイヤデータを各々含む複数の列車9のデータを含む。
制御部24は、データ取得部30と、進路制御部31と、予測ダイヤ作成部32と、乗車率予測部33と、変更ダイヤ作成部34と、表示処理部35と、設定処理部36とを備える。図3は、制御部24の処理の一例を示すフローチャートであり、かかる処理は、繰り返し実行される。
図3に示すように、制御部24は、各種のデータを収集する(ステップS10)。かかるステップS10の処理は、データ取得部30が実行する処理である。データ取得部30は、ネットワーク7および通信部20を介して、地上制御装置4および連動制御装置5を含む複数の外部装置から、各種のデータを取得し、記憶部23に記憶した状況データ41を更新する。
また、制御部24は、ダイヤの乱れが発生したか否かを判定する(ステップS11)。かかるステップS11の処理において、制御部24は、実行ダイヤデータ40と状況データ41を記憶部23から読み出す。実行ダイヤデータ40には、現時点で実行中の実行ダイヤのデータと、状況データ41には、現時点の各列車9の在線位置のデータとが含まれる。制御部24は、現時点で実行中の実行ダイヤと、現時点の各列車9の在線位置とに基づき、各列車9の遅延を検出する。制御部24は、各列車9の遅延に基づき、ダイヤの乱れが発生したか否かを判定することができる。
制御部24は、ダイヤの乱れが発生したと判定した場合(ステップS11:Yes)、現時点の実行ダイヤにおける各列車9の遅延を予測して、予測ダイヤを作成する(ステップS12)。かかるステップS12の処理は、予測ダイヤ作成部32が実行する処理であり、後で詳述する。
つづいて、制御部24は、ステップS12で作成された予測ダイヤと、列車9毎の乗客の乗降履歴とに基づいて、予測ダイヤにおける列車9毎の乗車率を予測する(ステップS13)。かかるステップS13の処理は、乗車率予測部33が実行する処理であり、後で詳述する。
つづいて、制御部24は、ステップS13で予測された列車9毎の乗車率に基づいて、予測ダイヤにおける列車9の運休および列車9の増発の少なくとも一方を行って1以上の変更ダイヤを作成する(ステップS14)。かかるステップS14の処理は、変更ダイヤ作成部34が実行する処理であり、後で詳述する。
つづいて、制御部24は、ステップS14で作成された変更ダイヤを表示部21に表示する(ステップS15)。かかるステップS15の処理は、表示処理部35が実行する処理である。図4は、表示部21に表示される変更ダイヤの表示画面の一例を示す図である。図4に示す表示画面80は、変更ダイヤ表示領域81と、切り替えボタン82と、登録ボタン83とを含む。
変更ダイヤ表示領域81は、変更ダイヤが表示される。変更ダイヤ表示領域81においては、現在の実行ダイヤから変更していない部分は標準色で表示され、現在の実行ダイヤにおいて駅の発着時刻の変更対象となる部分は標準色とは異なる第1の色で表示される。現在の実行ダイヤから駅の発着時刻が変更されている部分は、標準色とは異なる第2の色で表示される。図4に示す例では、第1の色の部分を一点鎖線で示しており、第2の色の部分を太線で示している。
また、変更ダイヤ表示領域81においては、現在の実行ダイヤから運休になった部分は、運休の始点に標準色とは異なる第3の色で識別マークが表示され、現在の実行ダイヤから増発になった部分は、標準色とは異なる第4の色で表示される。図4に示す例では、E列車が運休になっており、E列車における運休の始点であるB駅の部分に識別マーク84が表示されている。なお、図4に示す例では、増発の部分は示されていない。
切り替えボタン82は、変更ダイヤを切り替えるための操作ボタンであり、運行管理を行う指令員は、入力部22を介して切り替えボタン82を操作することで、変更ダイヤ表示領域81に表示される変更ダイヤを他の変更ダイヤへ切り替えることができる。
登録ボタン83は、変更ダイヤを実行ダイヤとして登録するための操作ボタンであり、運行管理を行う指令員は、入力部22を介して登録ボタン83を操作することで、変更ダイヤ表示領域81に表示された変更ダイヤを新たな実行ダイヤとし登録することができる。
制御部24は、登録ボタン83が操作されたときに変更ダイヤ表示領域81に表示されている変更ダイヤを新たな実行ダイヤとして登録する(ステップS16)。ステップS16の処理は、設定処理部36によって実行される。設定処理部36は、表示部21に表示された1以上の変更ダイヤの中から新たな実行ダイヤとする変更ダイヤの選択を示す選択データとして、入力部22を介した登録ボタン83の操作を示すデータを取得する。設定処理部36は、選択データを取得した場合、選択データで特定される変更ダイヤのデータを実行ダイヤデータ40として記憶部23に記憶することによって変更ダイヤを実行ダイヤとして登録する。
その後、制御部24は、ステップS16で登録された新たな実行ダイヤに基づいて進路制御を行う(ステップS17)。ステップS17の処理は、進路制御部31によって実行される。進路制御部31は、記憶部23に記憶された新たな実行ダイヤデータ40に基づく進路制御を実行し、ステップS16で登録された新たな実行ダイヤに従って各列車9の進路を制御する。
このように、実施の形態1にかかる列車運行管理装置10は、ダイヤの乱れが発生した場合、予測される列車9毎の乗車率に基づき、列車9の運休および増発の少なくとも一方を行って変更ダイヤを作成する。これにより、列車運行管理装置10は、輸送力維持および乗り心地といった観点を考慮した変更ダイヤを作成できる。また、変更ダイヤを複数作成し、複数の変更ダイヤを指令員に提示することで、より適切な変更ダイヤを実行ダイヤとして登録することができる。以下、上述したステップS12の処理、ステップS13の処理、およびステップS14の処理について具体的に説明する。
まず、上述したステップS12の処理例について説明する。図5は、ステップS12の処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、予測ダイヤ作成部32は、実行ダイヤデータ40と状況データ41を記憶部23から読み出して取得する(ステップS20)。
実行ダイヤデータ40と状況データ41は、現時点で実行中の実行ダイヤデータと、現時点の各列車9の在線位置、速度、および駅停車時分、現時点の連動制御装置5のふるまい、および現時点の進路制御部31のふるまいを示すデータを含む。
連動制御装置5のふるまいとは、連動制御装置5による不図示の転てつ器の制御状況、および連動制御装置5から各列車9への進路表示の状況が含まれる。また、進路制御部31のふるまいには、進路制御部31による各列車9の進路制御の状況が含まれる。
予測ダイヤ作成部32は、ステップS20で取得したデータに基づき、実行ダイヤにおける各列車9の予測到着時刻と予測出発時刻を駅毎に算出し、実行ダイヤにおける各列車9の遅延を予測したダイヤである予測ダイヤを作成する(ステップS21)。
予測ダイヤは、現在の実行ダイヤにおける各列車9の遅延時間から予測される現時点以降の各列車9のダイヤである。なお、予測ダイヤ作成部32は、実行ダイヤにおける各列車9の遅延時間の合計が小さくなるように、列車9の運行順序、および列車9の発着線の変更を行って、予測ダイヤを作成することもできる。
予測ダイヤ作成部32は、ステップS21で作成した予測ダイヤを登録する(ステップS22)。ステップS22において、予測ダイヤ作成部32は、ステップS21で作成した予測ダイヤのデータである予測ダイヤデータ43を記憶部23に記憶する。
つづいて、上述したステップS13の処理例について説明する。図6は、ステップS13の処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すように、乗車率予測部33は、予測ダイヤデータ43、乗降履歴データ42、および状況データ41を記憶部23から読み出して取得する(ステップS30)。
乗車率予測部33は、ステップS30で取得した予測ダイヤデータ43に基づいて、予測ダイヤにおける現在以降に乗客が乗車する列車9を乗車率の予測対象列車として決定する(ステップS31)。
ステップS31の処理が終了した場合、乗車率予測部33は、ステップS30で取得した乗降履歴データ42に基づいて、各予測対象列車の乗客数を予測する(ステップS32)。乗降履歴データ42には、各乗客の乗降履歴が含まれており、かかる乗降履歴は、改札から入場した時刻と、改札から出場した時刻と、乗客の行動パターンとを含む。以下において、乗客が改札から入場した時刻を改札入場時刻と記載し、乗客が改札から出場した時刻を改札出場時刻と記載する。
ステップS32の処理において、乗車率予測部33は、各乗客の過去の改札入場時刻に基づき、現在以降に改札から入場する乗客の時刻毎の数を各駅について予測する。さらに、乗車率予測部33は、現在以降に改札から入場する乗客の時刻毎の数の予測結果に基づいて、列車9に乗車可能になった乗客の時刻毎の数を各駅について予測する。以下において、列車9に乗車可能になったと予測される乗客の数を乗車可能乗客数と記載する。
また、乗車率予測部33は、各乗客が過去に改札から出場した時刻に基づき、現在以降において改札から出場する乗客の時刻毎の数を各駅について予測する。さらに、乗車率予測部33は、各駅について現在以降に改札から出場する乗客の時刻毎の数の予測結果に基づいて、列車9から降車する乗客の時刻毎の数を各駅について予測する。以下において、列車9に降車すると予測される乗客の数を降車乗客数と記載する。
乗車率予測部33は、各駅における各時刻の乗車可能乗客数および降車乗客数と、各乗客の行動パターンと、予測対象列車の各駅における発着時刻とに基づいて、予測対象列車の駅間毎の乗客数を予測する。
乗客の行動パターンには、上述したように、第1の行動パターンと第2の行動パターンとがある。乗車率予測部33は、第1の行動パターンおよび第2の行動パターンに基づき、複数の予測対象列車のうち、各駅に入場した乗客が乗車する列車および乗り継ぎを行う列車を特定することができる。
なお、乗降履歴は、各乗客の改札入場時刻、改札出場時刻、および行動パターンを含むものであるが、乗降履歴は、さらに、乗降の際の外的状況を含むことができる。外的状況には、イベント、天候、気温、湿度、季節、時間帯、曜日、祝日の有無、および災害の少なくとも一つの状況が含まれる。なお、イベントの種別には、コンサート、スポーツイベント、フリーマーケット、ファッションショー、マラソン大会、祭り、およびその他のイベントが含まれる。
乗車率予測部33は、ステップS30で取得した乗降履歴データ42のうち、現在の外的状況と一致または類似する外的状況の下で記憶された乗降履歴のデータを抽出し、抽出した乗降履歴のデータに基づいて、各予測対象列車の乗客数を予測することができる。このように、乗車率予測部33は、外的状況を考慮することで、予測精度を向上させることができる。なお、乗車率予測部33は、現在の状況におけるイベントと、過去の状況におけるイベントとの比較において、イベントの種別、開催時間、および参加人数を比較対象にすることができる。
また、上述した例では、各乗客の乗降履歴に基づいて、各予測対象列車の乗客数を予測するが、乗車率予測部33は、各乗客の乗降履歴以外のデータに基づいて、各予測対象列車の乗客数を予測することもできる。乗車率予測部33は、ホームドアに設定された通過センサからの検出データ、または、列車9に設置された重量センサからの検出データに基づいて、各予測対象列車の乗客数を予測することもできる。通過センサは、ホームドアを通過する乗客数を検出し、重量センサは、列車9に乗車している乗客の総重量を検出する。
制御部24は、上記通過センサからの検出データまたは上記重量センサからの検出データを取得し、取得した検出データを乗降履歴データ42として記憶部23に記憶することができる。制御部24は、記憶部23に記憶した検出データを含む乗降履歴データ42と、過去の実行ダイヤとから、過去の実行ダイヤにおける各列車9の駅間毎の乗客数を判定して記憶部23に記憶することができる。乗車率予測部33は、判定した各列車9の駅間毎の乗客数に基づいて、各予測対象列車の駅間毎の乗客数を予測することができる。なお、上述した検出データは、データ取得部30がネットワーク7および通信部20を介して外部装置から取得することができる。
また、乗車率予測部33は、車両毎の乗車率を列車9毎に予測することもできる。乗車率予測部33は、各駅のホームドア毎の通過センサから出力された過去の乗客の通過数、または各列車9の車両毎に設置された重量センサから出力され過去の車両毎の乗客の総重量に基づいて、予測ダイヤにおける各列車9の車両毎の乗客数を予測する。
乗車率予測部33は、各乗客の乗降履歴と、上述した検出データとに基づいて、各列車9の車両毎の乗車率を予測することもできる。乗車率予測部33は、上述した検出データに基づいて、各列車9の車両間の乗客数のばらつきを予測し、各乗客の乗降履歴に基づいて、各列車9の乗客数を予測する。乗車率予測部33は、予測した車両間の乗客数のばらつきと各列車9の乗客数とに基づいて、予測ダイヤにおける各列車9の車両毎の乗客数を予測することができる。
また、乗車率予測部33は、現在の実行ダイヤと予測ダイヤとに基づき、現在の実行ダイヤからの各列車9の駅毎の遅延時間Tdを算出し、各列車9の駅毎の遅延時間を考慮して各予測対象列車の乗客数を予測することもできる。この場合、乗降履歴データ42には、遅延時間Tdに応じた乗客の移動パターンを記憶しておくことができる。
例えば、乗降履歴データ42には、遅延時間Tdに応じた乗客の移動パターンとして、Td<Tth1の場合の移動パターン、Tth1≦Td≦Tth2の場合の移動パターン、およびTth≦Tdの場合の移動パターンを含むことができる。乗車率予測部33は、遅延時間Tdに応じた移動パターンに基づいて、各予測対象列車の乗客数を予測することができる。
また、乗車率予測部33は、遅延時間Tdがない場合に予測される各列車9の乗客数に対して、遅延時間Tdが長くなるほど小さくなる係数を乗算することで、各予測対象列車の乗客数を予測することもできる。これにより、他の交通機関へ流れる乗客を考慮して各予測対象列車の乗客数を予測することができる。
このように、乗車率予測部33は、各乗客の過去の乗降状況に基づいて、各予測対象列車の駅間毎の乗客数を予測することができる。また、乗車率予測部33は、イベント、天候、曜日、気温、湿度、および季節といった乗降数に影響する外的状況と一致または類似する外的状況の下で記憶された乗降履歴に基づいて、各予測対象列車の駅間毎の乗客数を予測することができる。
なお、乗車率予測部33は、各乗客の乗降履歴に基づいて、各予測対象列車の駅間毎の乗客数を仮予測した後、仮予測した乗客数に対して現在の外的状況に基づく調整係数を乗算することで、各予測対象列車の駅間毎の乗客数を予測することもできる。
乗車率予測部33は、ステップS31の処理が終了した場合、ステップS30で取得した状況データ41と、ステップS32で予測した各予測対象列車の乗客数とに基づいて、各予測対象列車の乗車率を予測する(ステップS33)。
状況データ41には、各列車9の定員を示すデータが含まれている。乗車率予測部33は、各列車9の定員を示すデータに基づき、各予測対象列車の定員を判定する。乗車率予測部33は、予測対象列車毎に、ステップS32で予測した予測対象列車の乗客数を予測対象列車の定員で除算することで、各予測対象列車の乗車率を予測することができる。なお、各列車9の定員を示すデータは、状況データ41ではなく、予測ダイヤデータ43に含まれていてもよい。
乗車率予測部33は、ステップS33の処理が終了した場合、ステップS33で予測した各予測対象列車の乗車率データを乗車率データ44として記憶部23に記憶することによって、各予測対象列車の乗車率を登録する(ステップS34)。このように、乗車率予測部33は、予測ダイヤにおける列車9毎の乗車率を予測することができる。
つづいて、上述したステップS14の処理例について説明する。図7は、ステップS14の処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すように、変更ダイヤ作成部34は、予測ダイヤデータ43、および乗車率データ44を記憶部23から読み出して取得する(ステップS40)。
変更ダイヤ作成部34は、ステップS40で取得した予測ダイヤデータ43、および乗車率データ44に基づき、列車9の運休および列車9の増発の少なくとも一方を行って、複数の変更ダイヤを作成する(ステップS41)。
変更ダイヤ作成部34は、複数の変更ダイヤとして、輸送力を維持しつつダイヤの乱れを早期に回復する第1の変更ダイヤ、乗車率の偏りを少なくする第2の変更ダイヤ、および乗り心地改善と輸送力維持を図る第3の変更ダイヤを作成することができる。以下において、ステップS33で予測された各予測対象列車の乗車率を予測乗車率Rfと記載する。また、以下においては、変更ダイヤを作成するために予測乗車率Rfと比較する閾値Rthとして、第1〜第7の閾値Rth1〜Rth7を例にして説明するが、閾値Rthは、第1〜第7の閾値Rth1〜Rth7に限定されない。
まず、第1の変更ダイヤの作成について説明する。変更ダイヤ作成部34は、予測ダイヤにおける各列車9の予測乗車率に基づいて、予測ダイヤにおける複数の列車9のうち1以上の列車9を運休させることで、第1の変更ダイヤを作成することができる。
ここで、予測ダイヤにおける複数の列車9のうち、予測乗車率Rfが第1の閾値Rth1以下の列車9が、3列車以上続いているとする。第1の閾値Rth1は、80%とすることができるが、輸送力を維持しつつダイヤの乱れを早期に回復することができる値に設定されていればよく、80%に限定されない。変更ダイヤ作成部34は、予測乗車率Rfが第1の閾値Rth1以下の列車9のうち最も乗車率が低い列車9を運休とすることで第1の変更ダイヤを作成することができる。
また、変更ダイヤ作成部34は、予測乗車率Rfが第1の閾値Rth1以下の連続する3以上の列車9のうち、先頭と最後尾を除く中間の列車9、または前後の列車9と運行間隔が最も狭い列車9を運休とすることで第1の変更ダイヤを作成することもできる。なお、変更ダイヤ作成部34は、予測ダイヤにおける各列車9の予測到着時刻と予測出発時刻から運行間隔を求めることができる。運行間隔は、駅への到着時刻の間隔、および駅への発車時刻の間隔のうち少なくとも一方であり、発着間隔と呼ばれることもある。
第1の変更ダイヤを作成する処理は、上述した例に限定されない。変更ダイヤ作成部34は、予測乗車率Rfが第1の閾値Rth1以下の連続する3以上の列車9がない場合であっても、予測乗車率Rfが第2の閾値Rth2以下の列車9を運休することで第1の変更ダイヤを作成することもできる。第2の閾値Rth2は、第1の閾値Rth1よりも小さい値である。
つづいて、第2の変更ダイヤの作成について説明する。変更ダイヤ作成部34は、予測ダイヤにおける各列車9の予測乗車率Rfに基づいて、列車9間の運行間隔を調整することで第2の変更ダイヤを作成する。これにより、列車9間において乗り心地の偏りを小さくした第2の変更ダイヤを作成することができる。
ここで、予測乗車率Rfが第3の閾値Rth3以上かつ第4の閾値Rth4以下である列車9が3列車以上続いているとする。第3の閾値Rth3を80%にし、第4の閾値Rth4を200%とすることができるが、第3の閾値Rth3および第4の閾値Rth4は、乗車率の偏りを少なくする値に設定されていればよく、80%および200%に限定されない。
変更ダイヤ作成部34は、予測乗車率Rfが第3の閾値Rth3以上かつ第4の閾値Rth4以下である3以上の列車9について、列車9間の運行間隔が等間隔になるように変更することで第2の変更ダイヤを作成することができる。
また、変更ダイヤ作成部34は、予測乗車率Rfが第3の閾値Rth3以上かつ第4の閾値Rth4以下である3以上の列車9について、列車9間の運行間隔が予測乗車率Rfに反比例する間隔になるように変更することで第2の変更ダイヤを作成することができる。すなわち、変更ダイヤ作成部34は、先行する列車9につづく後続の列車9の先行する列車9との運行間隔を、後続の列車9の予測乗車率Rfが大きいほど小さくすることで第2の変更ダイヤを作成することができる。
第2の変更ダイヤを作成する処理は、上述した例に限定されない。変更ダイヤ作成部34は、予測乗車率Rfが第3の閾値Rth3以上かつ第4の閾値Rth4以下の連続する3以上の列車9がない場合であっても、予測乗車率Rfに反比例する運行間隔で第2の変更ダイヤを作成することもできる。
つづいて、第3の変更ダイヤの作成について説明する。変更ダイヤ作成部34は、予測ダイヤにおける各列車9の予測乗車率Rfに基づいて、1以上の列車9を増発させることで、第3の変更ダイヤを作成することができる。
ここで、予測乗車率Rfが第5の閾値Rth5以上である列車9が3列車以上続いているとする。第5の閾値Rth5は、200%とすることができるが、第5の閾値Rth5は、乗り心地改善および輸送力維持の少なくとも一方を実現する値に設定されていればよく、200%に限定されない。
変更ダイヤ作成部34は、主要駅にのみ停車する種別の列車9を増発することで第3の変更ダイヤを作成することができる。主要駅にのみ停車する種別の列車9は、快速列車、急行列車、または特急列車であり、普通列車以外の列車9である。
また、変更ダイヤ作成部34は、各駅に停車する種別の列車9を増発することで第3の変更ダイヤを作成することができる。なお、変更ダイヤ作成部34は、主要駅にのみ停車する種別の列車9と各駅に停車する種別の列車9を増発させることで、第3の変更ダイヤを作成することもできる。
変更ダイヤ作成部34は、予測乗車率Rfが第5の閾値Rth5以上である連続する3以上の列車9のうち先頭の列車9と最後尾の列車9との間に1以上の列車9を加えることで、列車9の増発を行うことができる。
第3の変更ダイヤを作成する処理は、上述した例に限定されない。変更ダイヤ作成部34は、予測乗車率Rfが第5の閾値Rth5以上である連続する3以上の列車9がない場合であっても、予測乗車率Rfが第6の閾値Rth6以上である連続する2以上の列車9がある場合に、1以上の列車9を増発させることができる。第6の閾値Rth6は、第5の閾値Rth5よりも高い値である。
また、変更ダイヤ作成部34は、予測乗車率Rfが第6の閾値Rth6よりも高い第7の閾値Rth7以上である列車9がある場合に、1以上の列車9を増発させることで第3の変更ダイヤを作成することができる。
上述した例では、第1〜第3の変更ダイヤを作成する例を説明したが、変更ダイヤ作成部34が作成する変更ダイヤは、第1〜第3の変更ダイヤに限定されない。変更ダイヤ作成部34は、乗り心地改善および輸送力維持を図りつつ、列車9間において乗り心地の偏りを少なくする第4の変更ダイヤを作成することができる。
変更ダイヤ作成部34は、予測乗車率Rfが第5の閾値Rth5以上である連続する3以上の列車9の運行間隔を小さくした後、最後尾の列車9の後に1以上の列車9を加える増発を行うことで第4の変更ダイヤを作成することができる。この場合も、変更ダイヤ作成部34は、予測乗車率Rfに反比例するように運行間隔を調整することができる。
変更ダイヤ作成部34は、ステップS41の処理が終了した場合、ステップS41で作成した変更ダイヤのデータを変更ダイヤデータ45として記憶部23に記憶して、変更ダイヤを登録する(ステップS42)。
なお、上述した例では、表示部21に表示された複数の変更ダイヤの中から実行ダイヤとする変更ダイヤを指令員に選択させたが、実行ダイヤとする変更ダイヤは、自動的にされてもよい。設定処理部36は、複数の変更ダイヤの中から適切な変更ダイヤを選択し、選択した変更ダイヤを実行ダイヤとして設定することもできる。この場合、設定処理部36は、上記第1〜第3の変更ダイヤのうち選択する変更ダイヤを外的状況に基づいて選択することができる。ここでの外的状況には、イベント、天候、気温、湿度、季節、時間帯、曜日、祝日の有無、および災害の少なくとも一つの状況が含まれる。具体的には、設定処理部36は、現在の的状況が第1の状況である場合、第1の変更ダイヤを選択し、現在の的状況が第2の状況である場合、第2の変更ダイヤを選択し、現在の的状況が第3の状況である場合、第3の変更ダイヤを選択することができる。
また、変更ダイヤ作成部34が1つの変更ダイヤのみを作成する場合、設定処理部36は、変更ダイヤ作成部34が作成した1つの変更ダイヤを実行ダイヤとして設定することもできる。
また、変更ダイヤ作成部34は、乗車率予測部33によって予測された各列車9の車両単位の乗車率に基づいて、予測ダイヤにおける列車9の運休および増発の少なくとも一方を行って1以上の変更ダイヤを作成することができる。この場合、変更ダイヤ作成部34は、列車9単位の乗車率に代えて、列車9を構成する複数の車両の乗車率のうち各列車9において最も高い乗車率を、上記閾値Rthと比較することで変更ダイヤを作成することができる。
また、変更ダイヤ作成部34は、各列車9の乗車率に代えて、各列車9を構成する複数の車両の乗車率のうち各列車9において高い乗車率から順に所定数の乗車率を判定し、判定した所定数の乗車率の平均値を、上記閾値Rthと比較することで変更ダイヤを作成することができる。
さらに、変更ダイヤ作成部34は、乗車率予測部33によって予測された各列車9の車両毎の乗車率に基づいて、各列車9において車両間の乗車率の偏りが少なくなるように、車両毎の込み具合を示す混雑状況情報を列車9毎に生成することもできる。変更ダイヤ作成部34は、駅に設置された電光掲示板またはデジタルサイネージへ混雑状況情報を送信することで、車両毎の混雑状況を電光掲示板またはデジタルサイネージに表示させ、車両間の乗車率の偏りが少なくように乗客に対して移動を促すことができる。この場合、変更ダイヤ作成部34は、乗車率予測部33によって予測された列車9毎の乗車率に基づいて、変更ダイヤを作成することができる。
図8は、実施の形態1にかかる列車運行管理装置10のハードウェア構成例を示す図である。図8に示すように、列車運行管理装置10は、インタフェース回路101と、ディスプレイ102と、入力部103と、メモリ104と、プロセッサ105とを備える。インタフェース回路101、ディスプレイ102、入力部103、メモリ104、およびプロセッサ105は、バス106によって互いにデータの送受信が可能である。列車運行管理装置10において、通信部20は、インタフェース回路101によって実現され、表示部21は、ディスプレイ102によって実現され、入力部22は、入力部103によって実現され、記憶部23はメモリ104によって実現される。
プロセッサ105は、メモリ104に記憶されたダイヤ管理プログラムを読み出して実行することによって、データ取得部30、進路制御部31、予測ダイヤ作成部32、乗車率予測部33、変更ダイヤ作成部34、表示処理部35、および設定処理部36の機能を実行する。プロセッサ105は、処理回路の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processer)、およびシステムLSI(Large Scale Integration)のうち1以上を含む。メモリ104は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Enable Program Read Only Memory)をはじめとした不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルメモリ、光ディスク、コンパクトディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)のうち1以上を含む。
以上のように、実施の形態1にかかる列車運行管理装置10は、記憶部23と、予測ダイヤ作成部32と、乗車率予測部33と、変更ダイヤ作成部34と、設定処理部36とを備える。記憶部23は、列車9毎の乗客の乗降履歴を記憶する。予測ダイヤ作成部32は、実行ダイヤにおいてダイヤの乱れが生じた場合に、各列車9の遅延を予測したダイヤである予測ダイヤを作成する。乗車率予測部33は、予測ダイヤ作成部32によって作成された予測ダイヤと記憶部23に記憶された乗降履歴とに基づいて、予測ダイヤにおける列車9毎の乗車率を予測する。変更ダイヤ作成部34は、乗車率予測部33によって予測された列車9毎の乗車率に基づいて、予測ダイヤにおける列車9の運休および増発の少なくとも一方を行って1以上の変更ダイヤを作成する。設定処理部36は、変更ダイヤ作成部34によって作成された1以上の変更ダイヤの中から新たな実行ダイヤを設定する。このように、実施の形態1にかかる列車運行管理装置10は、ダイヤの乱れが発生した場合、列車9毎の乗車率に基づいて列車9の運休および増発の少なくとも一方を行って変更ダイヤを作成し、作成した変更ダイヤを実行ダイヤとして設定するため、輸送力維持および乗り心地のうち少なくとも一方を考慮した実行ダイヤを用いることができる。
また、実施の形態1にかかる列車運行管理装置10は、変更ダイヤ作成部34によって作成された1以上の変更ダイヤを表示部21に表示する表示処理部35を備える。したがって、運行管理を行う指令員は、変更ダイヤを容易に把握することができる。
また、設定処理部36は、表示部21に表示された1以上の変更ダイヤの中から新たな実行ダイヤとする変更ダイヤの選択を示す選択データを取得し、取得した選択データに基づいて新たな実行ダイヤを設定する。これにより、指令員は、表示部21に表示された複数の変更ダイヤの中から実行ダイヤとする変更ダイヤを選択することができ、指令員は現場の状況を確認しながら変更ダイヤを実行ダイヤとして選択することができる。なお、選択データは選択情報の一例である。
また、変更ダイヤ作成部34は、乗車率予測部33によって予測された列車9毎の乗車率に基づいて、予測ダイヤにおける列車9間の運行間隔を調整することができる。これにより、変更ダイヤにおける列車9間で乗車率の偏りを少なくすることができ、乗客の乗り心地の偏りを少なくすることができる。
また、乗車率予測部33は、予測ダイヤおよび乗降履歴と、各列車9の遅延時間とに基づいて、予測ダイヤにおける列車毎の乗車率を予測することができる。これにより、予測ダイヤにおける列車毎の乗車率をより精度よく予測することができる。
また、乗車率予測部33は、予測ダイヤにおける各列車9の車両毎の乗車率を予測することができる。また、変更ダイヤ作成部34は、乗車率予測部33によって予測された各列車9の車両毎の乗車率に基づいて、予測ダイヤにおける列車9の運休および増発の少なくとも一方を行って1以上の変更ダイヤを作成することができる。そのため、列車9の車両毎の乗車率を考慮した変更ダイヤを作成することができる。
実施の形態2.
実施の形態2にかかる列車運行管理装置は、変更ダイヤを作成する際に乗員の勤務制約および車両の運用制約を考慮する点で実施の形態1にかかる列車運行管理装置10と異なる。以下においては、実施の形態1における列車運行管理装置10と同様の構成については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1における列車運行管理装置10と異なる構成について主に説明するものとする。
図9は、実施の形態2にかかる列車運行管理装置10Aの構成の一例を示す図である。図9に示すように、列車運行管理装置10Aは、通信部20と、表示部21と、入力部22と、記憶部23Aと、制御部24Aとを備える。なお、図9に示す例では、図2と同様に、便宜上記憶部23Aを2つに分けて図示している。
記憶部23Aは、記憶部23に記憶されるデータに加え、さらに、運用データ47を記憶する。運用データ47は、乗員運用データ、および車両運用データを含む。なお、乗員運用データは、乗員の勤務制約を示すデータであり、各乗員の勤務可能時間、待機時間、待機場所、および列車9への乗車計画のデータが含まれる。また、車両運用データは、列車9の運用制約を示すデータである。車両運用データには、車庫に格納されている列車9毎に、車両数のデータと走行可能な路線および時間のデータとが含まれる。
制御部24Aは、データ取得部30と、進路制御部31と、予測ダイヤ作成部32と、乗車率予測部33と、変更ダイヤ作成部34Aと、表示処理部35と、設定処理部36とを備える。変更ダイヤ作成部34Aは、変更ダイヤを作成する際に乗員の勤務制約および車両の運用制約を考慮する点で、変更ダイヤ作成部34と異なる。以下、変更ダイヤ作成部34Aの処理について説明する。
図10は、変更ダイヤ作成部34Aによって実行される変更ダイヤの作成処理の流れを示すフローチャートであり、図3に示すステップS14に対応する処理である。図10に示すステップS50,S54の処理は、図7に示すS40,S42の処理と同じである。
図10に示すように、変更ダイヤ作成部34Aは、ステップS51において、運用データ47を記憶部23Aから読み出して取得する(ステップS51)。変更ダイヤ作成部34Aは、ステップS51で取得した運用データ47に基づいて、列車9の運休および増発が可能な時間帯、区間、および列車9の数を判定する(ステップS52)。なお、区間とは、列車9が走行する路線の区間である。
ステップS52の処理において、変更ダイヤ作成部34Aは、12時から14時までの時間帯かつA駅からB駅までの区間で、増発可能な列車9が2つあり、運休可能な列車が3つあるといったような判定を行うことができる。変更ダイヤ作成部34Aは、増発に対して乗員および車両が確保できる時間帯および区間を検出することができ、運休により乗員および車両に支障がでない時間帯および区間を検出することができる。
具体的には、変更ダイヤ作成部34Aは、乗員運用データから、各乗員が乗車計画の列車9以外の列車9に乗車可能な区間および時間帯を検出する。また、変更ダイヤ作成部34Aは、車両運用データから、増発可能な列車9の区間および時間帯を検出する。そして、変更ダイヤ作成部34Aは、乗車可能な区間および時間帯と、増発可能な列車9の区間および時間帯とに基づき、列車9の増発が可能な時間帯を判定することができる。
また、変更ダイヤ作成部34Aは、乗員運用データから、列車9が運休した場合に運休した列車9の乗員が予測ダイヤにおける次に乗車予定の列車9に間に合う区間および時間帯を検出する。また、変更ダイヤ作成部34Aは、車両運用データから、列車9が運休した場合に運休した列車9を車庫に格納できる区間および時間帯を検出する。そして、変更ダイヤ作成部34Aは、次に乗車予定の列車9に間に合う区間および時間帯と、運休した列車9を車庫に格納できる区間および時間帯とに基づき、列車9の運休が可能な時間帯および区間を判定することができる。
なお、列車9の増発および運休が可能な時間帯および区間の検出は、上述した検出方法に限定されず、乗員および車両が確保できかつ乗員および車両に支障がでない時間帯および区間を検出することができればよい。また、変更ダイヤ作成部34Aは、乗員および車両を共に考慮して列車9の増発および運休が可能な時間帯および区間を検出するが、乗員および車両の一方を考慮して列車9の増発および運休が可能な時間帯および区間を検出することもできる。
変更ダイヤ作成部34Aは、ステップS52で判定した列車9の運休および増発が可能な時間帯、区間、および列車9の数に基づいて、変更ダイヤを作成することができる(ステップS53)。ステップS53の処理において、変更ダイヤ作成部34Aは、列車9の増発が可能な時間帯および区間で列車9の増発を決定し、列車9の運休が可能な時間帯および区間で列車9の運休を決定する。
なお、実施の形態2にかかる列車運行管理装置10Aのハードウェア構成例は、図8に示す列車運行管理装置10と同じである。プロセッサ105は、記憶部23Aとして機能するメモリ104に記憶されたダイヤ管理プログラムを読み出して実行することによって、変更ダイヤ作成部34Aの機能を実行することができる。
以上のように、記憶部23Aは、乗員の勤務制約を示す乗員運用データおよび列車の運用制約を示す車両運用データのうち少なくとも一方のデータを含む。変更ダイヤ作成部34Aは、乗員運用データおよび車両運用データのうち少なくとも一方のデータと、予測ダイヤデータ43および乗降履歴データ42とに基づいて、予測ダイヤにおける列車9の運休および増発の少なくとも一方を決定する。これにより、乗員の運用および車両の運用の少なくとも一方が考慮された変更ダイヤを生成することができ、指令員は乗員および列車9の割振りを検討する時間を省くことができ、ダイヤの乱れを早期に回復することができる。
実施の形態3.
実施の形態1にかかる列車運行管理装置10は、固定の閾値で変更ダイヤを作成するが、実施の形態3にかかる列車運行管理装置では、変更ダイヤを作成する際に用いる閾値を指令員が決定できる点で実施の形態1と異なる。以下においては、実施の形態1における列車運行管理装置10と同様の構成については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1における列車運行管理装置10と異なる構成について主に説明するものとする。
図11は、実施の形態3にかかる列車運行管理装置10Bの構成の一例を示す図である。図11に示すように、列車運行管理装置10Bは、通信部20と、表示部21と、入力部22と、記憶部23Bと、制御部24Bとを備える。なお、図11に示す例では、図2と同様に、便宜上記憶部23Bを2つに分けて図示している。
記憶部23Bは、記憶部23に記憶されるデータに加え、さらに、指令員によって決定された条件設定データ48を記憶することができる。条件設定データ48には、上述した第1〜第7の閾値Rth1〜Rth7を含む複数の閾値Rthが含まれる。
制御部24Bは、データ取得部30と、進路制御部31と、予測ダイヤ作成部32と、乗車率予測部33と、変更ダイヤ作成部34と、表示処理部35Bと、設定処理部36Bとを備える。表示処理部35Bは、閾値設定用画面を表示部21に表示する。図12は、表示部21に表示される閾値設定用画面の一例を示す図である。
図12に示す閾値設定用画面90は、第1〜第7の閾値Rth1〜Rth7を入力するための入力枠91〜97と、設定ボタン98とが設けられている。かかる入力枠91〜97には、記憶部23Bに記憶された条件設定データ48に含まれる第1〜第7の閾値Rth1〜Rth7が表示される。
列車運行管理装置10Bを使用する指令員は、入力部22への操作によって入力枠91〜97の値を変更した後、入力部22を介して設定ボタン98を操作することで、第1〜第7の閾値Rth1〜Rth7を変更することができる。
設定処理部36Bは、設定ボタン98が操作されると、入力枠91〜97の値が第1〜第7の閾値Rth1〜Rth7になるように記憶部23Bに記憶されている条件設定データ48を更新する。このように、設定処理部36Bは、表示部21に表示された閾値設定用画面90に基づく指令員による操作入力があった場合に、指令員による操作入力に基づいて乗車率の閾値を記憶部23Bに設定することができる。
変更ダイヤ作成部34は、記憶部23Bに記憶されている条件設定データ48を用いて、変更ダイヤを作成することができる。したがって、実施の形態3にかかる列車運行管理装置10Bでは、指令員の意向に沿った変更ダイヤを作成することが可能となる。
なお、実施の形態3にかかる列車運行管理装置10Bのハードウェア構成例は、図8に示す列車運行管理装置10と同じである。プロセッサ105は、記憶部23Bとして機能するメモリ104に記憶されたダイヤ管理プログラムを読み出して実行することによって、表示処理部35B、および設定処理部36Bの機能を実行することができる。
以上のように、実施の形態3にかかる設定処理部36Bは、表示部21に表示された閾値設定用画面90に基づく指令員による操作入力があった場合に、指令員による操作入力に基づいて乗車率の閾値を記憶部23Bに設定することができる。これにより、指令員の意向に沿った変更ダイヤを作成することが可能となる。
実施の形態4.
実施の形態3にかかる列車運行管理装置10Bでは、変更ダイヤを作成する際に用いる閾値は指令員に決定されるが、実施の形態4にかかる列車運行管理装置では、過去に指令員が閾値を決定したときの状況のうち現在の状況と一致または類似する状況で決定した過去の閾値を動的に用いる点で実施の形態3と異なる。
図13は、実施の形態4にかかる列車運行管理装置10Cの構成の一例を示す図である。図13に示すように、列車運行管理装置10Cは、通信部20と、表示部21と、入力部22と、記憶部23Cと、制御部24Cとを備える。
記憶部23Cは、記憶部23Bに記憶されるデータに加え、さらに、変更履歴データ49を記憶する。変更履歴データ49には、制御部24Cによって設定された条件設定データ48毎に、条件設定データ48の設定日時のデータと、条件設定データ48に含まれる閾値Rthのデータ、条件設定データ48が設定されたときの状況を示す状況データを含む履歴データが含まれる。
図14は、変更履歴データ49の一例を示す図である。図14に示すように、変更履歴データ49には、日時のデータと、閾値Rthのデータと、状況を示すデータとが含まれる。図14に示す例では、2020年2月1日の16時5分に、第1の閾値Sth1が80%に設定され、第2の閾値Sth2が20%に設定され、2020年2月1日の16時5分の天候が晴れで曜日が土曜日であることを示している。
図14に示す例では、条件設定データ48が設定されたときの状況として、天候と曜日とが示されているが、条件設定データ48が設定されたときの状況は、イベント、天候、気温、湿度、季節、時間帯、曜日、祝日の有無、災害、予測ダイヤ、および指令員の識別IDの少なくとも一つの状況が含まれる。
制御部24Cは、データ取得部30と、進路制御部31と、予測ダイヤ作成部32と、乗車率予測部33と、変更ダイヤ作成部34と、表示処理部35と、設定処理部36と、閾値設定部37と、閾値設定部37とを備える。
閾値設定部37は、設定処理部36によって条件設定データ48が記憶部23に設定される毎に、変更履歴データ49を更新する。具体的には、閾値設定部37は、設定処理部36Bによって条件設定データ48が記憶部23に設定される毎に、設定された条件設定データ48に含まれる閾値Rthのデータと、条件設定データ48が設定されたときの外的状況を示す過去の状況データとを関連付けて履歴データを生成し、生成した履歴データを変更履歴データ49に追加して、変更履歴データ49を更新する。以下において、過去の状況データを過去状況データと記載する。
図15は、列車運行管理装置10Cの制御部24Cの処理の一例を示すフローチャートである。なお、図15に示すステップS60〜S63およびS65〜S68の処理は、図3に示すステップS10〜S17の処理と同じである。
図15に示すように、制御部24Cは、予測ダイヤにおける各列車9の乗車率を予測するステップS63の処理を行った後、ステップS64において変更ダイヤの作成に用いる乗車率の閾値Rthを設定する(ステップS64)。制御部24Cは、ステップS64で設定した閾値Rthを用いて変更ダイヤを作成する(ステップS65)。
図16は、図15に示すステップS64に示す処理の流れを示すフローチャートである。図16に示すように、閾値設定部37は、状況データ41と、予測ダイヤデータ43とを取得する(ステップS71)。
かかるステップS71の処理において、閾値設定部37が取得する状況データ41および予測ダイヤデータ43は、現在の状況を示すデータであり、変更履歴データ49に含まれる過去状況データと同様に、イベント、天候、気温、湿度、季節、時間帯、曜日、祝日の有無、災害、予測ダイヤ、および指令員の識別IDの少なくとも一つの状況が含まれる。
閾値設定部37は、ステップS71で取得した現在の外部状況を示すデータに基づいて、過去にダイヤの乱れが発生したときの状況のうち現在の状況と一致または類似した状況で設定された閾値Sthを抽出する(ステップS72)。閾値設定部37は、抽出した閾値Sthを条件設定データ48として記憶部23Cに記憶し、条件設定データ48を更新する(ステップS73)。
具体的には、閾値設定部37は、変更履歴データ49に含まれる状況を示す過去状況データのうち、現在の状況を示すデータと一致または類似する過去状況データを判定する。ここで、現在の天候、曜日、および時間帯が晴れ、土曜日、および10時〜11時であると仮定する。この場合、閾値設定部37は、過去状況データのうち、天候、曜日、および時間帯が晴れ、土曜日、および10時〜11時の間である状況を示すデータを含む過去状況データを、変更履歴データ49に含まれる外部状況を示す状過去況データの中から抽出する。
閾値設定部37は、現在の外部状況を示すデータと一致または類似する過去の外部状況を示す過去状況データに関連付けられた閾値Rthを記憶部23Cから取得し、取得した閾値Rthを条件設定データ48として記憶部23Cに記憶して、条件設定データ48を更新する。
なお、閾値設定部37は、変更履歴データ49に含まれる状況を示す過去状況データのうち、現在の状況を示すデータと類似する過去状況データが複数ある場合には、最も類似する過去状況データに関連付けられた閾値Rthを条件設定データ48として記憶部23に記憶することができる。
また、閾値設定部37は、変更履歴データ49に含まれる状況を示す過去状況データのうち、現在の状況を示すデータと一致または類似する過去状況データが複数ある場合には、これら複数の過去状況データに関連付けられた各閾値Rthを平均化し、平均化後の閾値Rthを条件設定データ48として記憶部23Cに記憶することができる。
また、閾値設定部37は、変更履歴データ49に含まれる状況を示す過去状況データのうち、現在の状況を示すデータと一致または類似する過去状況データが複数ある場合には、最も新しい過去状況データに関連付けられた閾値Rthを条件設定データ48として記憶部23に記憶することができる。
なお、実施の形態4にかかる列車運行管理装置10Cのハードウェア構成例は、図8に示す列車運行管理装置10と同じである。プロセッサ105は、記憶部23Cとして機能するメモリ104に記憶されたダイヤ管理プログラムを読み出して実行することによって、表示処理部35、設定処理部36、および閾値設定部37の機能を実行することができる。
以上のように、実施の形態4にかかる列車運行管理装置10Cの記憶部23Cは、閾値設定部37によって変更された閾値Rthの履歴である閾値履歴を示す変更履歴データ49を記憶する。変更ダイヤ作成部34は、変更履歴データ49から抽出された閾値Rthと乗車率予測部33によって予測された列車9毎の乗車率とに基づいて、予測ダイヤにおける列車9の運休および増発の少なくとも一方を行って1以上の変更ダイヤを作成する。このように、過去に設定された閾値Rthを用いることができ、指令員が過去に設定された閾値Rthを用いて変更ダイヤを生成することができ、指令員の利便性を向上させることができる。なお、表示処理部35Cは、変更履歴データ49に含まれる閾値履歴を示す閾値履歴表示画面を表示部21に表示することができる。変更ダイヤ作成部34は、閾値履歴表示画面に含まれる閾値履歴のうち入力部22への指令員の入力操作によって選択された閾値Rthを用いて変更ダイヤを作成することもできる。
また、実施の形態4にかかる列車運行管理装置10Cは、ダイヤの乱れが生じた現在の状況に一致または類似する状況で設定された閾値Rthを変更履歴データ49から抽出し、抽出した閾値を記憶部23Cに設定する閾値設定部37を備える。これにより、同様の状況下で設定された閾値Rthを変更ダイヤの作成に用いることができ、指令員の利便性をさらに向上させることができる。
実施の形態5.
実施の形態5にかかる列車運行管理装置では、乗客の不満度を予測して表示することができる点で実施の形態1の列車運行管理装置10と異なる。
図17は、実施の形態5にかかる列車運行管理装置10Dの構成の一例を示す図である。図17に示すように、列車運行管理装置10Dは、通信部20と、表示部21と、入力部22と、記憶部23Dと、制御部24Dとを備える。なお、図17に示す例では、図2と同様に、便宜上記憶部23Dを2つに分けて図示している。
記憶部23Dは、記憶部23に記憶されるデータに加え、さらに、不満度データ60を記憶することができる。不満度データ60には、変更ダイヤにおける各列車9への乗客の不満度を示すデータが含まれる。また、記憶部23Dに記憶される変更ダイヤデータ45Dに含まれる各列車9のデータには、列車9の列車IDおよび列車9のダイヤデータに加え、列車9の駅間毎の乗車率のデータが含まれる点で、記憶部23に記憶される変更ダイヤデータ45と異なる。
制御部24Dは、データ取得部30と、進路制御部31と、予測ダイヤ作成部32と、乗車率予測部33と、変更ダイヤ作成部34Dと、表示処理部35Dと、設定処理部36と、不満度予測部38とを備える。
図18は、列車運行管理装置10Dの制御部24Dの処理の一例を示すフローチャートである。なお、図18に示すステップS80〜S83およびS86〜S88の処理は、図3に示すステップS10〜S13およびS15〜S17の処理と同じである。
変更ダイヤ作成部34Dは、図18に示すステップS84において、変更ダイヤを作成した後、記憶部23Dから乗降履歴データ42を読み出し、変更ダイヤと乗降履歴データ42とに基づいて、変更ダイヤにおける列車9の駅間毎の乗車率を演算する。変更ダイヤ作成部34Dは、変更ダイヤにおける列車9の駅間毎の乗車率のデータを加えた変更ダイヤデータ45Dを記憶部23Dに記憶する。なお、変更ダイヤにおける列車9の駅間毎の乗車率の演算処理は、予測ダイヤにおける列車9の駅間毎の乗車率の演算処理と同様の処理である。
ステップS85において、不満度予測部38は、記憶部23Dから変更ダイヤデータ45Dを記憶部23Dから読み出し、変更ダイヤデータ45Dに基づき、変更ダイヤにおける各列車9への乗客の不満度を予測する。かかる不満度は、乗車率が高いほど大きくなる。不満度予測部38は、変更ダイヤにおける各列車9への予測される乗客の不満度を示すデータを不満度データ60として記憶部23Dに記憶する。以下において、列車9への予測される乗客の不満度を予測不満度と記載する。
ステップS86において、表示処理部35Dは、記憶部23Dに記憶された変更ダイヤデータ45Dおよび不満度データ60に基づいて、変更ダイヤおよび予測不満度を含む表示画面データを生成し、表示部21に表示させる。図19は、表示部21に表示される変更ダイヤの表示画面の一例を示す図である。
図19に示す表示画面80Dは、変更ダイヤ表示領域81と、切り替えボタン82と、登録ボタン83と、不満度表示領域85とを含む。図19に示す変更ダイヤ表示領域81、切り替えボタン82、および登録ボタン83は、図4に示す変更ダイヤ表示領域81、切り替えボタン82、および登録ボタン83と同じである。
不満度表示領域85には、B列車からF列車までの複数の列車9への予測される乗客の不満度を示す情報が含まれる。図19に示す例では、B列車の予測不満度が「0.6」であり、C列車の予測不満度が「0.8」である。また、D列車の予測不満度が「0.6」であり、E列車の予測不満度が「0.6」であり、F列車の予測不満度が「0.9」であり、G列車の予測不満度が「0.7」である。
このように、表示部21に表示される表示画面80Dには、変更ダイヤにおける各列車9の予測不満度が含まれているため、指令員は、各変更ダイヤにおける各列車9の予測不満度を考慮して、変更ダイヤの変更を行うことができる。
なお、図19に示す例では、変更ダイヤにおける各列車9の予測不満度が示されているが、不満度予測部38は、変更ダイヤにおける各列車9の予測不満度を積算した予測不満度の合計値を演算し、変更ダイヤ単位の予測不満度として不満度データ60に含めて記憶部23Dに記憶することができる。表示処理部35Dは、記憶部23Dに記憶された不満度データ60に基づき、表示画面80Dに変更ダイヤ単位の予測不満度を表示することができる。
なお、実施の形態5にかかる列車運行管理装置10Dのハードウェア構成例は、図10に示す列車運行管理装置10と同じである。プロセッサ105は、記憶部23Dとして機能するメモリ104に記憶されたダイヤ管理プログラムを読み出して実行することによって、変更ダイヤ作成部34D、表示処理部35D、および不満度予測部38の機能を実行することができる。
また、上述した例では、実施の形態1にかかる列車運行管理装置10からの変更点を説明したが、実施の形態2〜4にかかる列車運行管理装置10A〜10Cへ上述した乗客の不満度を予測して表示する機能を適用することもできる。
また、不満度予測部38は、列車9単位または変更ダイヤ単位で乗客の不満度を予測したが、駅単位で乗客の不満度を予測することもできる。また、表示処理部35Dは、駅単位で予測された乗客の不満度を表示部21に表示することができる。
以上のように、実施の形態5にかかる列車運行管理装置10Dは、変更ダイヤにおける列車9毎の乗車率に基づいて、変更ダイヤにおける各列車9への乗客の不満度を予測する不満度予測部38を備える。表示処理部35Dは、変更ダイヤに加え、不満度予測部38によって予測された不満度の情報を表示部21に表示する。このように、変更ダイヤに加え、変更ダイヤにおける各列車9への予測される乗客の不満度を表示することができるため、指令員は、乗客の乗り心地を容易に把握でき、乗客にとって快適な変更ダイヤを選択することができる。
また、変更ダイヤ作成部34Dは、変更ダイヤと記憶部23Dに記憶された乗降履歴データ42に基づいて、変更ダイヤにおける列車9毎の乗車率を予測する。表示処理部35Dは、変更ダイヤに加え、変更ダイヤにおける列車9毎の乗車率を表示部21に表示する。このように、変更ダイヤに加え、変更ダイヤにおける各列車9の予測される乗車率を表示することができるため、指令員は、乗客の乗り心地を容易に把握でき、乗客にとって快適な変更ダイヤを選択することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。実施の形態3,4にかかる列車運行管理装置10B,10Cにおいて、実施の形態2と同様に、乗員の勤務制約および車両の運用制約を考慮して変更ダイヤを作成する構成を含むことができる。