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JP2018035208A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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JP2018035208A JP2016166720A JP2016166720A JP2018035208A JP 2018035208 A JP2018035208 A JP 2018035208A JP 2016166720 A JP2016166720 A JP 2016166720A JP 2016166720 A JP2016166720 A JP 2016166720A JP 2018035208 A JP2018035208 A JP 2018035208A
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Katsuyori Yashiki
勝頼 屋敷
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Abstract

【課題】難燃性及び溶融時の流動性に優れ、機械特性及び外観(特に色調)が非常に良好な成形品を与えることができる難燃性樹脂組成物を提供することにある。【解決手段】熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、下記一般式(1):(式中、m、k、R1、R2及び星印は、明細書及び特許請求の範囲に記載のとおりである。)で表される繰り返し単位を含む臭素含有ポリエーテル重合体(B)を1〜300質量部を含む難燃性樹脂組成物に関する。【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂と臭素含有ポリエーテル重合体を難燃剤として配合した難燃性樹脂組成物に関するものである。
熱可塑性樹脂はその優れた機械特性、電気特性及び成形性などを生かし、建築材料分野、自動車分野、電気電子分野などで幅広く使用されている。
一方で熱可塑性樹脂は燃えやすく、安全上の観点から熱可塑性樹脂に難燃剤を用いた難燃化検討が行われてきた。熱可塑性樹脂の難燃剤には主に臭素系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難燃剤などが使用されている。難燃剤は添加量も比較的多く、樹脂組成物の特性に大きい影響がある添加剤の一つである。
とりわけ臭素系難燃剤では、モノマー、オリゴマー又はポリマータイプ難燃剤が使用されている。最近では分子量がより大きいオリゴマー又はポリマータイプ難燃剤がより環境や人体への安全性が高いと考えられており、さらに種々の特性(例えば、ノンブルーミング性や機械特性)においてモノマータイプの難燃剤よりも優れると報告されている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。
オリゴマー又はポリマータイプ難燃剤として主に臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ベンジルアクリレートポリマー、臭素化ポリカーボネートオリゴマー、臭素化エポキシ等が挙げられるが、これらのオリゴマー又はポリマータイプ臭素系難燃剤は、全てのプラスチックに適用できるわけではなく、それぞれ特有の問題点を有している(例えば、特許文献2参照)。
そして、最近ではスイッチ、コネクタ、リレーといった電子部品の小型化、薄肉化に伴い樹脂に要求される特性も厳しくなりつつあり、優れた機械的特性、電気的特性だけでなく、薄肉化と狭ピッチ化の要求に対応するために、高い流動性(薄肉流動性)を持つ樹脂組成物が要求されている(例えば、特許文献3参照)。熱可塑性樹脂組成物に流動性を付与するために、溶融粘度低下剤を添加することが報告されているが、溶融流動性を向上させると、機械特性が低下するといった問題がある(例えば、特許文献4参照)。
特表2010−525153号公報 特表2001−517256号公報 特開平05−230348号公報 特開2013−221095号公報
難燃剤の最適処方と燃焼試験、技術情報協会2011年、79-80頁
本発明の目的は、熱可塑性樹脂成形品の機械特性を損なわず、その難燃性及び溶融時の流動性を改善した難燃性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下の通りである。
熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、下記一般式(1):
Figure 2018035208

(式中、
mは1〜5の整数であり、
kは5−mであり、
は酸素原子、NH基又は硫黄原子であり、
は水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ビニル基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、スルホ基、スルホンアミド基、又はカルボキシル基もしくはそのエステル基であり、kが2以上の場合、Rは同一であっても異なっていてもよく、星印は、重合末端又は他の構造単位との結合点を表す)
で表される繰り返し単位を含む臭素含有ポリエーテル重合体(B)を1〜300質量部を含む難燃性樹脂組成物に関する。
本発明によれば、難燃剤として特定の臭素含有ポリエーテル重合体(B)を用いることによって、難燃性及び溶融時の流動性に優れ、かつ良好な機械特性及び外観に優れる成形品を与える難燃性樹脂組成物が提供される。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明で用いる臭素含有ポリエーテル重合体(B)とは下記一般式(1):
Figure 2018035208

(式中、
mは1〜5の整数であり、
kは5−mであり、
は酸素原子、NH基又は硫黄原子であり、
は水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ビニル基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、スルホ基、スルホンアミド基、又はカルボキシル基もしくはそのエステル基であり、kが2以上の場合、Rは同一であっても異なっていてもよく、星印は、重合末端又は他の構造単位との結合点を表す)で表される繰り返し単位を含む。
ここで、用語「炭素数1〜4のアルキル基」は、炭素数1〜4の、直鎖状又は分岐状の脂肪族飽和炭化水素の一価の基を意味し、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等を例示することができる。
用語「炭素数1〜4のアルコキシ基」は、基RO−(ここで、Rは、炭素数1〜4のアルキル基である)を意味し、メトキシ基、エトキシ基、プロピポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基等を例示することができる。
用語「炭素数1〜4のアルキルチオ基」は、基R′S−(ここで、R′は、炭素数1〜4のアルキル基である)を意味し、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基等を例示することができる。
用語「炭素数1〜4のハロアルキル基」は、1個以上のハロゲン原子で置換された炭素数1〜4のアルキル基を意味し、ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、3−ブロモプロピル基、4−ブロモブチル基、ヨードメチル基、2−ヨードエチル基、3−ヨードプロピル基、4−ヨードブチル基、フルオロメチル基、2−フルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、トリブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基等を例示することができる。
用語「炭素数1〜4のハロアルコキシ基」は、1個以上のハロゲン原子で置換された炭素数1〜4のアルコキシ基を意味し、ブロモメトキシ基、2−ブロモエトキシ基、3−ブロモプロピルオキシ基、4−ブロモブチルオキシ基、ヨードメトキシ基、2−ヨードエトキシ基、3−ヨードプロピルオキシ基、4−ヨードブチルオキシ基、フルオロメトキシ基、2−フルオロエトキシ基、3−フルオロプロピルオキシ基、4−フルオロブチルオキシ基、トリブロモメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等を例示することができる。
用語「ハロゲン原子」又は「ハロ」は、互換可能であり、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、又はフッ素原子を意味する。
用語「カルボキシル基もしくはそのエステル基」は、基:−COOHもしくはそのエステル基(すなわち、基:−COOR″)を意味する。ここで、R″は、炭素数1〜4のアルキル基を意味する。
前記一般式(1)においてRは、化合物の入手容易性、合成容易性に応じて適宜選択すればよいが、酸素原子又はNH基が好ましく、酸素原子がより好ましい。
前記一般式(1)においてRは、化合物の入手容易性、合成容易性に応じて適宜選択すればよいが、臭素含量をより高くできる点において水素原子を1置換以上含むことが好ましく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、全て水素原子であることが特に好ましい。
前記一般式(1)において臭素原子の置換数mは、1〜5であり、臭素含量の観点から2〜5が好ましい。
臭素含有ポリエーテル重合体(B)に含まれる繰り返し単位の好適な例としては、下記式(2)〜(5)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2018035208

Figure 2018035208

Figure 2018035208

Figure 2018035208
臭素含有ポリエーテル重合体(B)の臭素含量は、難燃性付与のための添加量を少なくする観点から45〜80質量%が好ましく、50〜80質量%がより好ましく、60〜80質量%さらに好ましい。なお、本発明において、臭素含量は、JIS K 7229(フラスコ燃焼法)に準じる方法の測定値を意味する。
臭素含有ポリエーテル重合体(B)は、前記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を含むのであれば特に限定されない。本発明の重合体は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の2種以上を含んでいても差支えがないが、合成容易性等の観点から、1又は2種を含むのが好ましく、1種を含むのがより好ましい。また本発明の重合体は、目的、用途に応じて適宜前記一般式(1)で表わされる繰り返し単位以外の単位を含んでもよい。そのような単位を誘導する共重合成分の具体例として、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、フェニルグリシジルエーテル等の分子内に一つ以上の三員環環状エーテルを有するオキシラン化合物;オキセタン、2−メチルオキセタン、2−クロロメチルオキセタン、3−メチル−3−クロロメチルオキセタン等の分子内に一つ以上の四員環環状エーテルを有するオキセタン化合物;テトラヒドロフラン、3,4−ジメチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、2−クロロメチルテトラヒドロフラン等の分子内に一つ以上の五員環環状エーテルを有するテトラヒドロフラン化合物;α−アセトラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、3,4−ジヒドロクマリン等の環状エステル;フタル酸無水物、テトラブロモフタル酸無水物、マレイン酸無水物、コハク酸無水物等の環状酸無水物;一酸化炭素、二酸化炭素、二酸化硫黄などが挙げられる。なかでも共重合の容易性からオキシラン化合物、オキセタン化合物が好ましい。また重合体中の臭素含有量の観点から、本発明の重合体は、好ましくは前記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を30モル%以上含み、より好ましくは50モル%以上含み、さらに好ましくは80モル%以上含み、最も好ましくは前記一般式(1)で表わされる繰り返し単位のみで構成される重合体である。
臭素含有ポリエーテル重合体(B)の分子量は、目的、用途に応じて適宜設定すればよいが、良好な熱安定性や加工性を得るためにはポリスチレン換算の重量平均分子量で好ましくは1,000〜500,000、より好ましくは1,000〜100,000、さらに好ましくは1,000〜50,000である。
臭素含有ポリエーテル重合体(B)の分子鎖構造は、目的、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。好ましくは鎖状体、分岐体、環状体、星形体、ハイパーブランチ体、デンドリマー体、はしご状体であり、より好ましくは鎖状体、分岐体、環状体、星形体である。
臭素含有ポリエーテル重合体(B)は、加工温度での安定性が求められるため、熱重量分析(TGA)における5%重量減少温度が200〜450℃であることが好ましく、250〜450℃であることがより好ましい。
このような臭素含有ポリエーテル重合体(B)は、公知の方法に従い、例えば、国際公開第2015/115611号に記載の方法に従い、合成することができる。
本発明の難燃性樹脂組成物において、臭素含有ポリエーテル重合体(B)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、1〜300質量部であるのが好ましく、1〜100質量部であるのがより好ましく、10〜100質量部であるのがさらに好ましい。また、本発明の難燃性樹脂組成物において、臭素含有ポリエーテル重合体(B)の含有量は、組成物中の所望の臭素含有量から定めてもよい。本発明の難燃性樹脂組成物中の臭素含有量は、0.1〜30質量%であるのが好ましく、1〜25質量%であるのがより好ましく、5〜20質量%であるのがさらに好ましい。
本発明で用いる熱可塑性樹脂(A)は、熱による可塑化が可能な樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂又はポリアセタール系樹脂のホモポリマー又はコポリマーが挙げられ、それらを単独で又はそれらの組み合わせによるポリマーアロイ等として用いることができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンの単独重合体、あるいは前記α―オレフィン同士のランダム又はブロック共重合体の単体及び混合物等の樹脂、さらに前記α―オレフィンと酢酸ビニル、無水マレイン酸等が共重合した樹脂等のポリオレフィン系樹脂を好適に使用することができる。より具体的には、プロピレン単独重合体(PP樹脂)、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体等のようなポリプロピレン系樹脂、低密度エチレン単独重合体、高密度エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリエチレン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ポリスチレン系樹脂としては、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のようなスチレン系単量体の単独重合体又は共重合体や、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸等のα,β−モノオレフィン性不飽和カルボン酸もしくはそのエステル又は酸無水物等のビニル単量体とスチレン系単量体との共重合体や、スチレン系グラフト共重合体、スチレン系ブロック共重合体等が挙げられる。好ましくは、ポリスチレン(GPPS)、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、ゴム成分にスチレン系単量体が重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリスチレン系グラフト又はブロック共重合体等が例示される。ポリスチレン系グラフト共重合体としては、ゴム成分に少なくともスチレン系単量体及び共重合性単量体がグラフト重合した共重合体、例えば、ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合したABS樹脂、アクリルゴムにスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合したAAS樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体にスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合した重合体、エチレン−プロピレンゴムにスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合した重合体、ポリブタジエンにスチレンとメタクリル酸メチルをグラフト重合したMBS樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムにスチレン及びアクリロニトリルがグラフト重合した樹脂等が例示される。ブロック共重合体としては、例えばポリスチレンブロックとジエン又はオレフィンブロックとで構成された共重合体(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)ブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレン−スチレン(SEPS)ブロック共重合体)等が挙げられる。これらのスチレン系樹脂は、1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ポリビニル系樹脂としては、例えばビニル系単量体(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、クロトン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル);塩素含有ビニル単量体(例えば、塩化ビニル、クロロプレン);フッ素含有ビニル単量体(例えば、フルオロエチレン等);メチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等のビニルアミン類等)の単独又は共重合体、あるいは他の共重合可能なモノマーとの共重合体等が含まれる。前記ビニル系樹脂の誘導体(例えばポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等)も使用できる。これらのビニル系樹脂は、1種で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
ポリアミド系樹脂としては、例えばε−カプロラクタム、ウンデカンラクタム、ラウリルラクタム等の開環重合体(ω−アミノカルボン酸重合体)や、ジアミンとジカルボン酸との共重縮合体等を挙げることができる。より具体的には、ポリアミド3、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミドMXD6、変性ポリアミド4T、変性ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミド10T等が例示される。これらのポリアミド系樹脂は、1種で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ポリエステル系樹脂としては、例えばアルキレンテレフタレート、アルキレンナフタレート等のアルキレンアリレート単位を主成分とする単独重合体又は共重合体等が挙げられる。より具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等の単独重合体のほか、アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンナフタレートを主成分として含有する共重合体のうち、高度に結晶化されていないものが例示される。また、ポリアルキレンレテフタレートの構成成分となるアルキレングリコールの一定含量を1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)に置き換えた重合体であるグリコール変性ポリエステル(PETG)も好適な例として挙げることができる。これらのポリエステル系樹脂は、1種又は2種以上組み合わせて使用できる。
ポリエーテル系樹脂としては、例えばアルキレンエーテルの単独重合体又はスチレン系化合物をグラフト共重合せしめたポリアルキレンエーテル、あるいはポリアルキレンエーテルとスチレン系重合体を混合したもの等が挙げられる。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリアルキレンエーテルの単独重合体、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン等のスチレン系化合物をグラフト共重合せしめたポリフェニレンエーテルが例示できる。好ましくは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル及びポリスチレンをグラフト共重合せしめたポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル[変性ポリフェニレンエーテル]等を例示することができる。ポリフェニレンオキシド系樹脂は、1種又は2種以上組み合わせて使用できる。
ポリカーボネート系樹脂には、例えばジヒドロキシ化合物と、ホスゲン又はジフェニルカーボネート等の炭酸エステルとの反応により得られる重合体が挙げられる。ジヒドロキシ化合物は、脂環族化合物等であっても良いが、好ましくはビスフェノール化合物である。ビスフェノール化合物としては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン等のビス(ヒドロキシアリール)C1−6アルカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)C4−10シクロアルカン;4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル;4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン;4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド;4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトン等が挙げられる。好ましいポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノールA型ポリカーボネートが含まれる。ポリカーボネート系樹脂は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
アクリル系樹脂には、例えば、(メタ)アクリル系単量体((メタ)アクリル酸又はそのエステル等)の単独又は共重合体のほか、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等が含まれる。
また、本発明における熱可塑性樹脂(A)には上述の各系の樹脂類のほかに、2種又はそれ以上の樹脂成分を適当な相溶化剤の共存下又は非共存下に混練して製造されたアロイ樹脂も含まれる。アロイ樹脂としては、例えばポリプロピレン/ポリアミド、ポリプロピレン/ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体/ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体/ポリアミド、ポリカーボネート/アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリカーボネート/ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート/ポリアミド、ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート/ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
さらに、前記した熱可塑性樹脂(A)の変性物も使用することができる。例えば、前記合成樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のような不飽和カルボン酸類やシロキサン等によりグラフトさせて得られる変性物も用いることができる。
本発明の難燃性樹脂組成物には、難燃助剤(C)を配合してもよい。難燃助剤(C)としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、酸化ナトリウム、酸化スズ、スズ酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ホウ酸亜鉛、カオリンクレー、炭酸カルシウムなどを挙げることができ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。これらの難燃助剤(C)はシランカップラー、チタンカップラーなどで処理されていてもよい。これらのなかでも、三酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、スズ酸亜鉛及びホウ酸亜鉛を用いるのが好ましい。難燃助剤(C)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜150質量部であるのが好ましく、1〜30質量部であるのがより好ましい。これらの難燃助剤を配合することにより、少量の難燃剤で難燃性に優れた難燃性樹脂組成物が得られる。
本発明の難燃性樹脂組成物には、必要に応じて、さらに繊維状、粉末状、クロス状などの各種形態を有する充填剤を配合することができる。
繊維状の充填剤としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維、ポリメタフェニレンテレフタルアミド繊維、ポリパラフェニレンイソフタルアミド繊維、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維、ジアミノジフェニルエーテルとテレフタル酸又はイソフタル酸の縮合物から得られる繊維等の全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族液晶ポリエステル繊維などの有機系の繊維状充填剤;ガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維等の無機系の繊維状充填剤などが挙げられる。このような繊維状の充填剤を配合すると、得られる成形品の力学的強度が向上するだけでなく、寸法安定性、低吸水性などがより向上する。上記の繊維状の充填剤の平均長は、0.05〜50mmの範囲内であるのが好ましく、難燃性樹脂組成物の成形性をより良好にし、得られる成形品の摺動特性、耐熱性、機械的特性をより向上させる観点から、1〜10mmの範囲内であるのがより好ましい。これらの繊維状充填剤はクロス状などに二次加工されていてもよい。
粉末状の充填剤としては、例えば、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、窒化ホウ素、タルク、マイカ、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、硫酸マグネシウム、ホウ酸アルミニウム、アスベスト、ガラスビーズ、カーボンブラック、グラファイト、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。これらの粉末状の充填剤の平均粒径は、0.1〜200μmの範囲内であるのが好ましく、1〜100μmの範囲内であるのがより好ましい。これらの粉末状の充填剤を配合すると、得られる成形品の寸法安定性、機械特性、耐熱特性、化学的物理的特性、摺動特性などがより向上する。
上記の充填剤は、1種又は2種以上の組合せで用いることができる。これらの充填剤の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜200質量部であるのが好ましく、0.1〜150質量部であるのがより好ましく、0.5〜100質量部であるのがさらに好ましい。充填剤の配合量が上記の範囲内にあると、成形性、力学的特性のいずれにも優れる難燃性樹脂組成物が得られる。さらに、これらの充填剤の表面は、熱可塑性樹脂中への分散性を高める目的で、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、その他の高分子又は低分子の表面処理剤で表面処理されているのが好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物には、必要に応じて、ハイドロタルサイト等の酸キャッチャー;着色剤;紫外線吸収剤;光安定化剤;ヒンダードフェノール系、チオ系、リン系、アミン系等の酸化防止剤;帯電防止剤;結晶核剤;可塑剤;離型剤;滑剤などを配合することもできる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、前記の熱可塑性樹脂(A)、臭素含有ポリエーテル重合体(B)、難燃助剤(C)及び必要に応じて充填剤や他の成分を、所望の方法で混合することにより製造することができる。例えば、樹脂の混合に通常用いられるような縦型又は水平型の混合機を用いて、前記の熱可塑性樹脂(A)、臭素含有ポリエーテル重合体(B)、難燃助剤(C)及び必要に応じて充填剤や他の成分を所定の割合で混合した後、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等の溶融混練機を使用して溶融混練することにより製造することができる。
本発明の難燃性樹脂組成物を用いて、一般に、熱可塑性樹脂組成物に対して用いられている、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダー成形、流延成形などの種々の成形方法や成形装置を使用して、各種形状の成形品を製造することができる。例えば、本発明の難燃性樹脂組成物を、シリンダー温度が、熱可塑性樹脂の融点以上、分解温度以下の範囲内に調整された射出成形機のシリンダー内で溶融させ、所定の形状の金型内に導入(射出)することにより、所定の形状をした成形品を製造することができる。また、シリンダー温度が上記の範囲内に調整された押出機内で難燃性組成物を溶融させ、口金ノズルより紡出することにより、繊維状の成形品を製造することができる。さらに、シリンダー温度が上記の範囲内に調整された押出機内で難燃性樹脂組成物を溶融させ、Tダイから押し出すことにより、フィルムやシート状の成形品を製造することができる。この様な方法で製造された成形品を、さらに、その表面に塗料、金属、他種ポリマー等からなる被覆層を形成した状態で使用することもできる。
本発明の難燃性樹脂組成物を用いると、難燃性、溶融時の流動性に優れ、機械特性及び外観が良好な成形品が得られるので、例えば、コネクタ、スイッチ、リレー、プリント配線板等の電気・電子部品、種々の機械部品、種々の装飾部品、あるいは、フィルム、シート、繊維などの難燃性が要求される用途に好適に用いることができる。
以下に、本発明を具体的な実施例により示すが、本発明は実施例の内容に制限されるものではない。
[参考例1]
臭素含有ポリエーテル重合体の調製
コンデンサー及び温度計を備えた5L4つ口フラスコに、ジクロロメタン400mL、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体(ステラケミファ(株)社製)8.91g(0.064モル)及び1,4−ブタンジオール(和光純薬工業(株)社製)2.74g(0.030モル)を加えた。撹拌を始めて国際公開第2015/115611号の合成例1に従って合成した2,4,6−トリブロモフェニルグリシジルエーテル1450g(3.75モル)を3400mLのジクロロメタンで溶解したジクロロメタン溶液を内温40〜42℃で8時間かけて滴下した。滴下終了後さらに内温40〜42℃で3時間撹拌した。反応終了後、水1Lを注入して水層が中性になるまで25%水酸化ナトリウム水溶液で中和した。水層を除去した後、さらに水1Lを加え、静置分液後、水層を除去した後、有機層を常圧下で濃縮し、酢酸エチルで再沈殿させた。液相をデカンテーションにより除去することで沈殿した粘稠物を得た。得られた粘稠物を140℃減圧下で恒量となるまで乾燥に付すことによって目的物をガラス状固体として得た。(収量1.2kg、収率85%、臭素含量62質量%、ガラス転移温度54℃、5%重量減少温度355℃、重量平均分子量5,500(Mw/Mn=1.8))。
難燃性樹脂組成物の調製
実施例及び比較例の難燃性樹脂組成物を構成する成分は、下記に示す原材料(A、B,C及びD成分)を使用した。参考例1で得られた臭素含有ポリエーテル重合体は、B成分(FR−1)として使用した。この下記成分を表1、3及び5に記載の配合及び条件で溶融混合して押出混練し、ペレット状難燃性樹脂組成物を得た。押出混練状態を以下の指標で評価した。
(押出混練状態)
○:混練吐出物の状態は安定しており問題なく押出できた。
×:ストランドを引くことができず、サンプリング不可能であった。
(A成分:熱可塑性樹脂)
PP樹脂:ポリプロピレン((株)プライムポリマー製「J106」)
PA66樹脂:30質量%ガラス繊維強化PA66樹脂(東レ(株)製「アミラン(登録商標)CM−3001G−30」) *70質量%のポリアミド66成分を含む
PBT樹脂:30質量%ガラス繊維強化PBT樹脂 (東レ(株)製「トレコン(登録商標)1101G−30」) *70質量%のポリブチレンテレフタラート(PBT)成分を含む
(B成分:難燃剤)
FR−1:参考例1で得た2,4,6−トリブロモフェニルグリシジルエーテル重合体(臭素含量62質量%、ガラス転移温度54℃)
FR−2:ポリ臭素化ベンジルアクリレート(臭素含量71質量%、ガラス転移温度162℃;ICL−IP社製「FR−1025」)
FR−3:臭素化エポキシ(臭素含量51質量%、軟化点120℃、エポキシ当量約1000)
FR−4:臭素化ポリスチレン(臭素含量68質量%、ガラス転移温度183℃;アルベマール社製「SAYTEX(登録商標)7010G」)
FR−5:デカブロモジフェニルエーテル(臭素含量83質量%、東ソー(株)製「フレームカット(登録商標)110R」)
FR−6:デカブロモジフェニルエタン(臭素含量82質量%;アルベマール社製「SAYTEX(登録商標)8010」)
(C成分:難燃助剤)
難燃助剤:三酸化アンチモン((株)鈴裕化学製「ファイアカットAT−3CN」)
(D成分:充填剤又は強化剤)
ガラス繊維:チョップドストランド(日東紡績(株)製「CS3G−225S」、平均繊維長:3mm)
タルク:60質量%タルク入りPP樹脂(信和プラスチックス(株)製 タルクMB 「STM−60T」) *40質量%のポリプロピレン(PP)成分を含む
難燃性樹脂組成物の成型品の各種物性評価
評価方法は、具体的には以下の方法により実施した。
(1)難燃性(UL94垂直燃焼試験法)
試験方法:UL94V準拠
状態調節:23±2℃・50±5%RH×48時間
試験環境:20℃〜23℃・54%RH〜62%RH
(2)難燃性(酸素指数測定)
試験方法:JIS K 7201−2準拠
試験片寸法:I形;80mm×10mm×4mm
測定条件:上端点火
酸素濃度増減量;0.2%
状態調節:23℃・50%RH×48時間
試験環境:22〜23℃・65%RH〜67%RH
測定装置:キャンドル燃焼試験機AC2型((株)東洋精機製作所製)
(3)引張試験
試験方法:ISO527(JIS K 7161)準拠
試験片形状:多目的試験片
測定条件:試験温度;23℃
引張速度;1mm/min(弾性率)、5mm/min(強さ・伸び)
標線間距離;50mm(接触式伸び計使用)
チャック間;115mm
測定数;n=5
測定装置:万能材料試験機 5582型(インストロン社製)
(4)曲げ試験
試験方法:ISO178準拠
試験片形状:多目的試験片中央部
測定条件:試験温度;23℃
試験速度;2mm/min
支点間距離;64mm
先端R;5.0/5.0
測定数;n=5
測定装置:万能材料試験機 5582型(インストロン社製)
(5)シャルピー衝撃試験
試験方法:ISO179準拠
試験片形状:80mm×10mm×4mm Aノッチ、単刃加工
測定条件:試験温度;23℃
公称振子エネルギー;0.5J(PP)、2.0J(PBT、PA66)
打撃方向;エッジワイス
測定数;n=10
測定装置:デジタル衝撃試験機DG−UB型((株)東洋精機製作所製)
(6)荷重たわみ温度
試験方法:ISO75−2準拠
試験片形状:80mm×10mm×4mm
測定条件:試験片の置き方;フラットワイズ
支点間距離;64mm
試験応力;0.45MPa(PP)、1.80MPa(PBT、PA66)
昇温速度;120℃/h
熱媒体;シリコーンオイル
測定数;n=2
測定装置:ヒートデストーションテスターNo.148−HD−PC((株)安田精機製作所製)
(7)溶融流動性(キャピログラフ)
測定項目:見かけ溶融粘度
試験方法:JIS K 7199準拠
測定装置:キャピログラフ 1D((株)東洋精機製作所製)
キャピラリー:L=10、D=φ1.0
予備乾燥:70℃×1晩(真空乾燥)
試験温度:280℃
予熱:試料をシリンダーに充填後、5分30秒予熱
せん断速度:500、1000、3000、5000、7300(s−1
(8)溶融流動性(メルトフローレート)
試験項目
試験方法:JIS K 7210 準拠
測定装置:メルトインデクサーP−111((株)東洋精機製作所製)
試験温度: 190℃(PP)、 235℃(PBT)
荷重:2.16kgf(PP、PBT)
(9)耐トラッキング性(CTI)
試験方法:IEC60112準拠
試験片:20mm×20mm×3mm
試験電極:白金(先端刃先角30°)
電極配置:4.0mm±0.1mm(対向角度60°)
電解液:溶液A(NHCl 0.1%±0.002%、抵抗率3.95Ω・m±0.05Ω・m)
試験条件:50滴確認n=3
状態調節:23℃±2℃、50%RH±5%RH×48時間
試験環境:23℃±2℃、50%RH±5%RH
測定装置:耐トラッキング性試験機 HAT−112−3(ヤマヨ試験器(有)製)
(10)体積抵抗率測定
試験方法:IEC60093準拠
試験片:80mm×80mm×3mm
測定条件:印加電圧;DC500V×1分
電極寸法;主電極径φ50mm
環状電極内径φ70mm
対電極内径φ85mm
電極材質;導電性銀ペイント
測定数;n=2
試験環境;23±1℃・50±5%RH
状態調節;23±1℃・50±5%RH×48時間以上
測定装置:ハイレジスタンスメーター4339B(アジレント・テクノロジー社製)
(11)黄色度 YI
色彩色差計(コニカミノルタ(株)製 CR−300)を用いて測定したXYZ表色系の数値から下記の計算式を用いて算出した。
YI(黄色度)=100 (1.2769X−1.0592Z)/Y
[実施例1〜2、比較例1〜2]
PBT(A成分)100質量部に対して、表1に記載してある質量部となるように各成分を配合し、表1に記載の条件下で、25mmφ二軸押出機((株)パーカーコーポレーション製、HK-25D)を用いて溶融混合して押出混練し、ストランドをカットしてペレット状難燃性樹脂組成物を得た。混練温度及び混練性の評価も表1に示す。
Figure 2018035208
サンプリング不可能であった比較例2を除き、得られたペレット状難燃性樹脂組成物を130℃の熱風乾燥で10時間乾燥を行った後、射出成形法により試験片を作製した。射出成形は、日精樹脂工業(株)製射出成形機PNX60を使用した。シリンダー温度250℃、金型温度80℃の条件で成形し、各種試験片を得た。難燃性評価結果、溶融流動性評価結果及び各種物性評価結果を表2に示す。
Figure 2018035208
[実施例3〜4、比較例3〜4]
PA66(A成分)100質量部に対して、表3に記載してある質量部となるように各成分を配合し、表3に記載の条件下で、25mmφ二軸押出機((株)パーカーコーポレーション製、HK-25D)を用いて溶融混合して押出混練し、ストランドをカットしてペレット状難燃性樹脂組成物を得た。混練温度及び混練性の評価も表3に示す。
Figure 2018035208
サンプリング不可能であった比較例4を除き、得られたペレット状難燃性樹脂組成物を80℃の真空乾燥機にて10時間乾燥を行った後、射出成形法により試験片を作製した。射出成形は、日精樹脂工業(株)製射出成形機PNX60を使用した。シリンダー温度270℃、金型温度80℃の条件で成形し、各種試験片を得た。難燃性評価結果、溶融流動性評価結果及び各種物性評価結果を表4に示す。
Figure 2018035208
[実施例5、比較例5]
表5の各成分を表記載の配合比でドライブレンドし、25mmφ二軸押出機((株)パーカーコーポレーション製、HK-25D)にてシリンダー温度180℃の条件で溶融混練し、ペレット化することで難燃性樹脂組成物を得た。混練温度及び混練性の評価も表5に示す。
Figure 2018035208
該ペレット状難燃性樹脂組成物を80℃の熱風乾燥で10時間乾燥を行った後、射出成形法により試験片を作製した。射出成形は、日精樹脂工業(株)製射出成形機PNX60を使用した。シリンダー温度190℃、金型温度40℃の条件で成形し、各種試験片を得た。難燃性評価結果、溶融流動性評価結果及び各種物性評価結果を表6に示す。
Figure 2018035208
本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃剤として特定の臭素含有ポリエーテル重合体(B)を用いることによって、熱可塑性樹脂(A)を含む樹脂組成物に、優れた難燃性及び改善された溶融時の流動性を付与することができ、かつその成形品の外観(特に色調)及び機械特性を損なうことがない。したがって、本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃性及び溶融時の流動性に優れ、外観(特に色調)、機械特性が良好な成形品を与えることができ、家電製品部品、電気・電子部品、自動車部品等の種々の成形品を成形する材料として好適であり、工業的に極めて有用である。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、下記一般式(1):
    Figure 2018035208

    (式中、
    mは1〜5の整数であり、
    kは5−mであり、
    は酸素原子、NH基又は硫黄原子であり、
    は水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ビニル基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、スルホ基、スルホンアミド基、又はカルボキシル基もしくはそのエステル基であり、kが2以上の場合、Rは同一であっても異なっていてもよく、星印は、重合末端又は他の構造単位との結合点を表す)
    で表される繰り返し単位を含む臭素含有ポリエーテル重合体(B)を1〜300質量部を含む難燃性樹脂組成物。
  2. 熱可塑性樹脂(A)が、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂である、請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜150質量部の難燃助剤(C)を含む、請求項1又は2記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 難燃助剤(C)が、三酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、スズ酸亜鉛及びホウ酸亜鉛からなる群より選ばれる1種以上の化合物である、請求項3記載の難燃性樹脂組成物。
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