以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成や形状等は単なる説明例であり、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
本発明の装置の好適な一実施形態として、電源装置に適用した例に基づいて説明する。本実施形態の電源装置10は、電池1と、回路部2と、それらを収納する筐体3を備える。この電源装置10は、電気機器・電子機器等の電源装置10の外にある機器に接続し、筐体3内に内蔵した電池1から当該機器に電力を供給可能とするものである。電力を供給可能は、例えば当該機器の電源がONの場合、電源装置10が電池1等から当該機器に対して電力供給することである。
電池1は、例えば充電可能な二次電池である。本実施形態では、二次電池は、ニッケル水素電池を用いており、図34以降に示すように、例えば円筒形の単電池4を複数用い、それら単電池4を径方向に横に単列に並べたS配列の集合体を、熱収縮チューブ5でパックした組電池とする。S配列としたため、扁平な形状となる。さらに、後述するように、本実施形態の電源装置10により電力供給する対象の機器は、例えば、車載機器としている。車両のバッテリーの出力電圧の12Vにあわせ、1.2Vの単電池4を12個用い、電池1の端子間電圧は、フル充電時で12Vとしている。また、電池1は、電源コード6を有し、その電源コード6の先端には第一コネクタ7を備える。第一コネクタ7には、電池1の端子電圧が出現する。また第一コネクタ7は、雄型コネクタとしている。
回路部2は、例えば、二次電池である電池1を充電する充電回路や、電池1の電圧を監視する電圧監視回路や、外部の機器に電力を供給する電力出力回路等がある。充電回路は、例えばマネージメントICを用いて構成するとよい。マネージメントICは、電池1の電圧を監視し、電圧が低下したら充電する機能を有する。また、マネージメントICは、電池1の電圧が基準値以下になると、電池1の存在を認識できず、充電可能な電圧が外部から印加されても充電処理を実行しない。電圧監視回路は、例えばマイコンを備え、電池1の端子間電圧を抵抗でバイアスし、当該マイコンで検出可能な5V以下にして検知する。また、このようにマイコンを使用することから、マイコン駆動用の電源電圧(例えば5V)を作成し、供給する回路を備える。係るマイコンの電源電圧用の回路は、例えば5Vのレギュレータを備え、安定して5Vを出力するようにする。機器の電源がOFFで、当該機器に電力供給をしない状態でも、マネージメントICや5Vのレギュレータにおけるリーク電流や、電圧監視のためのバイアス抵抗に流れる電流が発生しており、それらの電流により電力消費し、電池1の残容量が徐々に低下する。
筐体3は、電池1の外形状に応じた扁平な形状となる。筐体3は、ケース本体11と、前ケース12と、後ケース13を備える。ケース本体11は、筒状に形成され、電源装置10を設置した状態での前面11aと後面11bは、それぞれ開口している(図20,図31等参照)。前ケース12は、ケース本体11の前面11a側に装着し、前面11aの開口を塞く。後ケース13は、ケース本体11の後面11b側に装着し、後面11bの開口を塞く。
ケース本体11内の前方側と、前ケース12で囲まれる空間が、回路部2を実装する回路実装部15を構成する。また、ケース本体11の後方側と、後ケース13で囲まれる空間が、電池を収納する収納部16を構成する(図32,図33等参照)。
前ケース12の長手方向の一端側には、カバー部材17が設けられる。そのカバー部材17が設けられる一端側は、本実施形態では左側である。カバー部材17は、前ケース12と一体に形成され、ヒンジ部18を中心に正逆回転して開閉する。
カバー部材17が、筐体3に設けた開口部3aを覆う。開口部3aは、カバー部材17を開いたときに開口・開放される部分であり、本実施形態では、電源装置の設置状態における前面と、上面と、下面と、左側面側というように複数の面に形成され、立体的な開口部3aとなる。
第一コネクタ7は、カバー部材17を閉じたときの当該カバー部材17で囲まれる内部空間に存在する。図1(b)等に示すように、カバー部材17を開いた状態では、第一コネクタ7はその開かれた空間に存在し、外部に露出するように構成する。閉じた状態のカバー部材17で囲まれる内部空間内には、第一コネクタ7と着脱自在な第二コネクタ8を配置する。
そしてカバー部材17を開いた状態では、カバー部材17で囲まれていた立体的な開口部3a内に、第一コネクタ7と第二コネクタ8が存在し、その開口部3aがオープンとなり、ユーザ等は当該開口部3a内に指を挿入配置可能に構成し、第一コネクタ7と第二コネクタ8の着脱が行えるように構成する。
回路部2は、第二コネクタ8と導通している。よって、図1(d)に示すように、第一コネクタ7と第二コネクタ8を接続した状態では、機器の電源がOFFの場合でも電池1からの電流が回路部2に流れる状態となり、回路部2にて電力消費がされる。よって、係る状態が電池1に対して充電の行われない状況下で継続すると、電池1の残容量は低下し、電池1の端子間電圧は電圧降下する。その結果、次に機器を使用するまでの時間が長くなると、機器を使用する際に電池1の残容量が足りず正常な動作ができなくなってしまうおそれがある。正常な動作ができなくなるとは、ここでは例えば、電圧降下が大きく機器を動作するのに必要な電圧が得られず、機器を駆動できなくなることである。また、本実施形態は、電池1を二次電池であるため、正常な動作ができなくなるとは、ここでは例えば、電池1の端子間電圧が基準値以下になり、マネージメントICが、電池1の存在を認識できず、充電できなくなることである。
一方、図1(c)に示すように、第一コネクタ7と第二コネクタ8を外した状態にすると、電池1から回路部2への電流の通電が遮断される。よって、例えば電源装置に接続される機器を使用しない場合、カバー部材17を開いて第一コネクタ7と第二コネクタ8を外しておくと、機器を使用しない間に回路部2に電流が流れて電池1の容量が減少してしまう量を低減する。よって、次に機器を使用しようとした場合に電池1の残容量が足りず正常な動作ができなくなってしまうおそれを可及的に抑制する。よって、ユーザは、例えば機器の使用をしない状態が継続すると予測できる場合、カバー部材17を開けて、第一コネクタ7と第二コネクタ8を外す作業を行うとよい。そのようにすると、電池1の消耗を可及的に抑制し、次に機器を使用するに際し、電池1の電圧が低下して正常な動作ができなくなることを抑制できる。
本実施形態では、カバー部材17で開口部3aを覆った状態では、第一コネクタ7と第二コネクタ8が筐体の外に出ないように構成している。カバー部材で覆うことで、例えば接続状態にある第一コネクタ7と第二コネクタ8が、電源装置10の使用時に筐体3の外に出てくるのを抑止し、ユーザが誤って第一コネクタ7や第二コネクタ8に触れて外れてしまうのを抑止する。
本実施形態では、カバー部材17が開口部3aの全部を覆うようにしたため、例えば筐体3内に塵・埃その他の異物が進入するのを防止したり、開口部3aが綺麗に塞がれることで見た目がよくなったりするので良い。
本実施形態では、開口部3aが隣接する複数の面に形成し、カバー部材17を開いた状態では、開口部3aの空間内に人の指が入り、第一コネクタ7と第二コネクタ8の着脱の操作が、例えば特別な治具・工具等を使用することなく、第一コネクタ7と第二コネクタ8の着脱を行えることができるようにした。よって、例えば、ある程度長時間・長期間にわたり装置を使用しない予定の時等において、ユーザは、簡単・気軽に第一コネクタ7と第二コネクタ8を外すことができ、電源装置10を使用しないときの電池1の消耗を可及的に抑制できるので良い。
電源装置10は、前ケース12の前面に、入力端子部20と出力端子部21を備える。入力端子部20は、車両のバッテリーと連係して電力供給を受ける。出力端子部21は、機器に連係し、当該機器に対して電力供給をする。回路部2の充電回路は、車両のバッテリーからの電力供給を受け、電池1を充電する。回路部2の電力出力回路は、例えば車両のバッテリーから電力供給を受けているときは、そのまま当該バッテリーの電力を機器に対して供給し、バッテリーからの電力供給が受けていないときは電池1の電力を機器に対して供給する。
[具体的な構成]
上述したように、本実施形態の電源装置10は、第一コネクタ7と第二コネクタ8を外すことで、電池1から回路部2へ電流が流れる経路を遮断し、電池1の残容量が低下するのを抑制する機能を備えている。係る機能を備えた電源装置10のより具体的な構成は、以下のようになっている。
[電池1の具体的な構成]
上述したように、電池1は、S配列の組電池から構成し、全体形状は扁平となる。そして、組電池の周囲は熱収縮チューブ5でパックされているので、電池1の外形状は、全体的に平板状で左右の両側面1aが円弧状となる。また、電源コード6の電池1に連係する一端側は、熱収縮チューブ5で覆われており、熱収縮チューブ5の切れ間5aから外部に引き出される。外表面に位置する熱収縮チューブ5は、例えば電池1の電極が配置させる前後方向を周回するように配置すると、収縮した熱収縮チューブ5の開放する両端は、電池1の円弧状の左右の両側面1aになり、熱収縮チューブ5の長さを適宜に設定することで、電池1の両側面1aの周縁に熱収縮チューブ5の両端縁がかかった状態となり、電池1の両側面1aの中央部分は熱収縮チューブ5が存在しない状態となる。なお、例えば外表面に位置する熱収縮チューブ5の内側に、周回させる方向を変えた熱収縮チューブ5を配置すると、外表面に位置する熱収縮チューブ5が存在しない電池1の左右の両側面1aの部分にも当該内側の熱収縮チューブ5が存在し、単電池が露出しないので好ましい。
外表面に位置する熱収縮チューブ5の両端縁が、切れ間5aとなり、その切れ間5aから電源コード6が外部に引き出される。本実施形態では、電源コード6は、熱収縮チューブ5の内側にて電池1の前後方向の一方の端面1bに沿って配置され、一方(例えば左側)の側面1aに至ると、熱収縮チューブ5の端縁の切れ間5aから外部に引き出される。熱収縮チューブ5は、熱収縮時に電池1の表面形状に沿うように収縮し、電池1の一方の端面1bと、それに隣接する側面1aの境界部分では両面を巻き込むような形状に収縮する。よって、当該境界部分に位置する電源コード6の部分は、熱収縮チューブ5の熱収縮に伴い、側面1a側に曲げられる。
熱収縮チューブ5の外に引き出された電源コード6は、電池1の一方の側面1aに沿うように配置され、第一コネクタ7は、電池1の前後方向の他方の端面1cよりも先に突出する。そして電池1が収納部16内に実装された状態では、電池1の前後方向の他方の端面1cを、前ケース12側に位置するようにし、電源コード6は、電池1の側面1aと、その側面1aに対向する筐体3の内側面の間の空間内に配置される(図32等)。
本実施形態では、電池1は例えば定格出力が12Vであって、容量も4000mAhと大きいため、電源コード6も例えばリード線を用いて構成し、そのリード線も例えば比較的太くて硬く、曲げにくいものを用いている。係る電源コード6は、上述したように熱収縮チューブ5によりやや前後方向の他方の端面1c側に向けて引き出されて案内される状態になる。電源コード6を、電池1の側面1aに沿って配置した状態でも、折り曲げられた部分に過大な負荷がかかることはなく、当該部分が損傷等することがないのでよい。また、電源コード6は、熱収縮チューブ5によって電池1の前後方向の他方の端面1c側にやや折り曲げられるため、そのまま側面1aに接近した状態で沿わすことができる。
これに対し、例えば収納部16内の電池1の前後の向きを逆にし、電池1の前後方向の一方の端面1b側を前ケース側に位置すると、電源コード6の熱収縮チューブ5から外部に引き出される部位も前ケース12側になるので両者間の距離は短くなり、電源コード6のコード長を短くできる可能性がある。しかし、上述したように電源コード6は、他方の端面1c側に向けて引き出されることから、電源コード6はその引き出し方向と180度反対側に折り返す。そして、本実施形態では、電源コード6が比較的硬いので、折り返しのために外側に膨らむループ状に引き回す必要があり、電池1の側面1aと、それに対向する筐体3・ケース本体11の内側面との間の間隔を大きく開ける必要があり、寸法形状が大きくなってしまうので、本実施形態のように配置するのが好ましい。また、180度反対側に折り返すと、電源コード6に過度な負荷がかかり経年劣化を早めるおそれもあるので、係る点に鑑みても本実施形態のように配置するのが好ましい。
また、第一コネクタ7を第二コネクタ8に装着する場合、電源コード6はある程度長い方が作業はしやすい。しかし、カバー部材17を閉じた状態で電源コード6は筐体3内に収納される必要があり、電源コード6が長いと、カバー部材17を閉じた空間内に収まらなくなる。そこで、実施形態のように、開口部3a側に電源コード6が少し出て、第一コネクタ7が第二コネクタ8に届く程度の長さとすると良い。
[筐体3の具体的構成]
*電池の収納構造等
筐体3の外形状は、電池1の外形状に対応させ、扁平形状で矩形体の左右の側面が円弧状としている。そして、筐体3内の電池1を収納する収納部16には、電源コード6や電池1の電力を出力するための部材以外の回路基板等を配置しないようにしている。収納部に回路基板を配置しないようにすることで、収納部16内での発熱源を無くし、熱による電池1の性能低下を抑制することができる。
また、収納部16に電池以外の部材の配置をできるだけなくすことで、収納部16の空間をすっきりさせることができる。例えば、筐体3に外部からの振動・加速度がかかった場合、その振動等が大きくて電池1が筐体3に対して相対的にずれることがあっても、回路基板に接触して損傷することがなくなるのでよい。
筐体3内の電池1の収納部16と、回路部2を収納する空間を分けるため、図32,図33等に示すように、ケース本体11の内部に、仕切壁14を備える。仕切壁14は、ケース本体11内の前面11a側に設けており、仕切壁14より後面11b側に大きい空間が形成される。ケース本体11の仕切壁14の前方側と、前ケース12で囲まれる空間が、回路部2を実装する回路実装部15を構成する。また、ケース本体11の仕切壁14の後方側と、後ケース13で囲まれる空間が、電池を収納する収納部16を構成する。
仕切壁14の左側端部には、連通孔14aが形成される。仕切壁14を挟んで形成される前後の空間が繋がり、電源コード6は連通孔14a内を貫通するように配置し、第一コネクタ7が仕切壁14の前側に位置する。
本実施形態では、電池1の収納部16と、回路部2が実装される空間とが仕切壁14にて区分けされる。上述したように電池1は例えば周囲の温度上昇に伴い出力が低下するものがあり、回路部2には通電により発熱する素子・部品等を備えた構成とするものもある。例えば、電源装置10の使用時に電池1からの電流が回路部2に流れて発熱し、回路部2の周囲の空間の温度が上昇しても、当該空間と電池1の収納部16は仕切壁14で区分けされているため、収納部16側にはすぐに伝わらず温度上昇を抑制し、電池の能力低下を抑制できる。仕切壁14は、必要最小限に電源コード6を通すための連通孔14aは開けているが、他は閉じるようにした。電池1側にも保護回路があり、温度が高くなると充電しなくなるので、仕切壁14を設けることで係る事態の発生を抑制する。
筐体3内の電池1を収納する収納部16の内形状は、電池1の外形状に応じた寸法形状としている。そして収納部16の内周面の少なくとも一部が電池1に接触して抑えるようにしている。本実施形態では、図29等に示すように、収納部16の上面16aと下面16bで電池1と接触する。上面16aは弾性材であるクッション22を介して電池1と接触し、下面16bは直接電池1と接触する。図30等に示すように、クッション22は、収納部16の上面16aに接着剤・両面接着テープ等で取り付けられる。図30に示すように、電池1が収納されていない状態では、クッション22は所定の厚みを持っており、図29等に示すように、電池1を収納部16に収納した状態では、クッション22は弾性変形して押しつぶされ、弾性復元力により元の形状に戻ろうとする力が働くため、よりしっかり電池1を抑え込むことができるので良い。例えば、外部から振動等が電池1に加わっても、電池1の収納部16内での相対移動をより確実に抑止できるので良い。さらにクッション22を上側に配置することで、電源装置10を設置した状態において電池1の自重がクッション22に加わらず、長期の使用に対してクッション22がへたることを抑止でき、長期にわたって保持することができるので良い。
本実施形態では、収納部16すなわちケース本体11により電池1を抑えることができ、電池1を固定する特別な留め具など不要となり、簡単な構成で電池1を保持できる。 さらに、筐体3を構成する少なくともケース本体11は、撓んだり、また、弾力性を有する材料で構成すると良い。このようにすると、例えば、電池1の外形寸法が多少大きくても、ケース本体11が撓んで電池1の収納を許容することができ、より確実に電池1を保持することができるので良い。係る材料は、例えばプラスチックや樹脂等であり、例えば、PP(ポリプロピレン)を用いるとよい。
さらに収納部16には回路基板がなく電池1以外の部材の配置を可及的になくすことで、例えば、収納部16の内形状を電池1の外形状とほぼ等しくするようにした。特に、ケース本体11の上下面で電池1を抑える構成としたため、ケース本体11の高さは、電池1の高さとほぼ等しく、高さを抑えるようにした。後述するように、前ケース12と後ケース13の高さも、ケース本体11の高さに合わせている。よって、電源装置10の設置状態における上下方向の高さは、電池1の高さにケース本体11の板厚を加えたものとなり、電源装置10の外形状は、扁平で薄型となる。上述したように、本実施形態の電源装置10は、例えば車載機器に対して電力供給をする装置であり、設置場所は、運転者や同乗者の邪魔にならない場所とすると良い。邪魔にならない場所は、例えば、運転席等の下の空間などとすると良い。係る運転席等の下の空間は、高さがあまりないが、本実施形態の電源装置10は、扁平で薄型となっているので、上下方向に狭い空間に設置するのにも適した形状となる。
また、収納部16の左右の幅方向の長さは、電池1の長さよりも長くし、電池1の左右の側面1aと収納部16の内面との間に空間26が確保される(図29,図32等参照)。左右のうちの一方の空間26は、仕切壁14に設けた連通孔14aと繋がっている。そして、この空間26を利用して、電源コード6を配置し、電源コード6に取り付けた第一コネクタ7を仕切壁14より前側の空間に位置させる。本実施形態では、空間26は、電源コード6を配置するためのものであるので、例えば、電源コード6の配置を含め電池1の着脱作業が行えれば、狭くすることができ、そのように空間26を狭くすると、ケース本体11ひいては筐体3の左右の幅も電池1の横幅と同等程度にし、よりコンパクトにできるのでよい。運転席等の下の空間等のように狭い箇所に設置するのも容易に行えるようになるので好ましい。また、上下の高さに加え、横幅も電池1の外形寸法に応じて小さくすることで、狭い空間にも挿入設置できて設置可能な場所が広がるので良い。
上述したように、座席の下は限られた空間しかなく、電源装置10を係る空間に実装しようとすると、厚さ・高さをあまりとれない。そして、本実施形態では、電池1を薄型のリチウム電池ではなく、ニッケル水素電池を用いたので、電池1自体の厚みを薄くするのにも限度がある。そのため、電池1の上に回路部2を配置するのは好ましくないので、本実施形態では、電池1の収納部16の前側に回路部2の収納部を配置するレイアウトとした。さらに、例えば電池1の上方等に回路基板を配置する構成では、電池1の上面全面に基板を配置するほど当該基板が大きくなることはないので、基板・回路部品が存在しない無駄な空間が広がる。これに対し本実施形態のように、電池1と回路部2を前後に配置することで、全体の寸法形状も小さくでき、コンパクトになり、電池の寸法形状に少し長くした感じにすることができる。
また、このように電源装置10の設置場所を座席の下にしたので、例えばダッシュボード上などに比べると高温にならない。よって、係るダッシュボード上に設置する場合の温度対策は不要である。本実施形態では、筐体3をPPから構成しているので、係るPPが持つ耐熱性で対応できる。
*ケース本体11の前面11a側の構造等
上述したように、ケース本体11内には仕切壁14を設けている。仕切壁14は、ケース本体11の前面11a側の先端から奥まった位置に形成される。ケース本体11の前面11a側の筒状の周壁部11iと、仕切壁14で囲まれる先端側空間が、回路部2を構成する基板が実装される空間の回路実装部15となる。周壁部11iの前端には、肉薄の先端周壁部11jが形成される。先端周壁部11jは、内周面は周壁部11iと面一で連続している。先端周壁部11jの外周面は、周壁部11iの外周面から一段低くなっている。先端周壁部11jは、前ケース12の周壁部12bの内周面と符合し、前ケース12をケース本体11に装着した際に、位置ずれ等を生じないようにする。
先端周壁部11jは、周壁部11iに沿ってほぼ全周に渡り形成している。カバー部材17を装着する側に切欠部11kを設け、当該部分では先端周壁部11jを設けないようにしている。これにより、カバー部材17を開き、開口部3aを露出させ、第一コネクタ7と第二コネクタ8を着脱する際に、切欠部11k内に指等を挿入することができ、ユーザの着脱作業がより容易に行えるようにしている。
また、先端周壁部11jのカバー部材17の配置領域内の外面所定位置に、カバー部材17を止める係止凹部11hを設けている。先端周壁部11jの長手方向の中央付近の外面に、前ケース12を仮止めする係止突起11mを設けている。
ケース本体11の前面11a側には、先端周壁部11jの先端からさらに前方に向けて突出する板部材36を設ける。この板部材36の設ける位置は、上面・下面の平面部分であって、カバー部材17を設ける側の円弧状の部分の近くである。
仕切壁14の前面側にボス34を設ける。このボス34は、長手方向の左右の両側に、前方に向けて起立配置する。ボス34の先端には、雌ねじ部34aを設ける。仕切壁14の前面の左右のボス34間の領域に、シート状の第一ヒートシンク42を配置する。この第一ヒートシンク42は、例えば接着剤や両面接着テープ等で仕切壁14に固定する。この第一ヒートシンク42は、例えばアルミシートなどで構成する。また、第一ヒートシンク42は、2カ所に凹状切欠部42aを設け、アルミシートが存在しない領域を形成する。この凹状切欠部42aの部分にはサーマルシート43を配置する。サーマルシート43は、その一部が第一ヒートシンク42と接触し、熱的に接続している。このサーマルシート43は、接着剤或いは両面接着テープなどで仕切壁14や第一ヒートシンク42に固定する。
第一ヒートシンク42の位置に合わせ、第一ヒートシンク42の周縁に設けた突片を、ケース本体11に設けた溝24の孔部23に差し込んで固定する。孔部23は、放熱用と固定用の両方の機能を兼務している。溝24に設けた孔部23と、ヒートシンクの位置が合っているので、固定用の突片がない部分でも、放熱用孔部として機能する。
*前ケース12の構造等
上述したように、ケース本体11の前面の開口は、前ケース12により閉塞される。係る閉塞する前ケース12は、有底の筒状であり、前後方向の後面が開放している。前ケース12は、前壁部12aと、その前壁部12aの周縁から後方に延びるように形成される周壁部12bを備える。前壁部12aは、細長な矩形状領域と、その矩形状領域の左右両側に連なる円弧状領域を有する。一方の円弧状領域は、カバー部材17の天板17aとなる。周壁部12bは、前壁部12a側から後方に向けて緩やかに広がる傾斜面・テーパ面となり、徐々に寸法形状を大きくしている。
前ケース12の前壁部12aには、適宜位置に外部とのインタフェースのための開口が設けられる。本実施形態では、カバー部材17側から順に入力端子部20用の第一開口12c,出力端子部21用の第二開口12d,設定スイッチ27用の第三開口12eを備える。第三開口12eの上方には、発光部用の第四開口12fを備える。第四開口12fは、6個の小円を一列に並べた配置としている。第一開口12c,第二開口12d,第三開口12eは、開放した状態のままとし、第四開口12fは、半透明なシール37を貼り付けて閉塞する。第一開口12c,第二開口12d,第三開口12eを開放した状態のままにすることで、各開口に配置する入力端子部20、出力端子部21,設定スイッチ27の操作を、前ケース12の前側から操作可能となる。外部とのインタフェースが同じ面に配置されることから、ユーザの使い勝手が向上する。
前壁部12aの第一開口12cの形成領域は、底浅の凹部12gが形成され、その凹部12g内に第一開口12cを設ける。第一開口12cは、前壁部12aの外表面を基準位置として、当該基準位置から一段奥に下がり、ケース本体11側に近づいた位置に形成している。これは、入力端子部20と出力端子部21の高さの相違に基づくものである。後述するように、本実施形態では入力端子部20と出力端子部21を同じ基板の上に実装し、前壁部12aに対向させるようにした。これにより、入力端子部20と出力端子部21は、基板表面からの先端高さ位置が異なる。係る位置の相違にあわせて、第一開口12cと第二開口12dの形成位置をずらすことで、入力端子部20と出力端子部21の先端が、ともに第一開口12cと第二開口12dに位置する。
前壁部12aの第三開口12eの形成領域は、凹部12hが形成され、その凹部12h内に第三開口12eを設ける。凹部12hは、凹部12gよりも深くする。設定スイッチ27の操作面が、基準位置である前壁部12aの表面よりもケース本体11側に奥まった位置となるので、ユーザ等が誤って設定スイッチ27に触れて、設定が変更されてしまうのを可及的に抑制する。
凹部12hは、周壁部12bの上面側を開放した開口部位12h′を有する。ユーザは、設定スイッチ27の操作のために、例えば、指先は設定スイッチ27の操作面付近に位置させた状態で、指は開口部位12h′から前ケース12の外に逃がすように位置することができ、設定操作が容易に行える。さらに、開口部位12h′は、筐体3を置いた状態で上側になる周壁部12bの上面側に形成したので、ユーザは筐体3を置いた状態のまま設定操作を行えるので良い。
また、この凹部12h内に、第四開口12fを設けた。これにより、発光部の位置も前壁部12aの基準位置から奥まった位置になり、前ケース12の内部に配置したLED等の発光源に近づく。本実施形態の発光部は、発光源から放射される光を当該発光部に導き、外部に放射することで、ユーザは外部から視認可能にする構成を採っており、発光源から発光部に光を導く導光路を短くすることができるので良い。導光路は、第四開口12fの配置ピッチにあわせて形成したリブ38により構成する。リブ38は、平板状で、隣接する2辺が、それぞれ前壁部12aと、開口部位12h′を設けた側の周壁部12bの内面の繋がるようにする。前ケース12をケース本体11に装着した状態では、前壁部12aと反対側のリブ38の辺が、LED等の発光源を実装した基板表面に接触或いは近接するように構成すると、隣接するLEDからの光の回り込みを抑制できるのでよい。また、凹部12hを設け、第四開口12fと発光源を近づけることで、リブ38の寸法を短くすることができ、より高精度な寸法だしを行えるので良い。本実施形態の視認可能な構成は、第四開口12fを半透明なシール37を貼り付け、発光源から出射した光は導光路を経由して第四開口12fに至り、その第四開口12fに至った光がシール37を通過して筐体3,前ケース12の前方外側に放射される構成とする。
さらに前壁部12aと反対側のリブ38の辺の周壁部12bとの接続側で凹部38aを設けている。前ケース12をケース本体11に装着した状態では、ケース本体11の先端周壁部11jの先端が、凹部38aに入り込み、ケース本体11と前ケース12の接続をより強固にしている。
前ケース12の内部のカバー部材17側には、第一内壁31と第二内壁32を設けている。第一内壁31は前ケース12の前壁部12aと周壁部12bの内面に繋がっていて、前ケースの前壁部12aと周壁部12bと第一内壁31により囲まれた空間が形成される。この空間が、回路部2を収納する空間を構成する。これにより、カバー部材17の開閉状態に関係なく、埃・異物等が基板の収納する空間内に入るのを抑制する。第一内壁31は、ヒンジ部18から少し内側に入った位置に形成される。さらに前壁部12aと反対側の第一内壁31の辺の周壁部12bとの接続側で凹部31aを設けている。前ケース12をケース本体11に装着した状態では、ケース本体11の先端周壁部11jの先端が、凹部31aに入り込み、ケース本体11と前ケース12の接続をより強固にしている。
第二内壁32は、第一内壁31の外側に配置され、ヒンジ部18の直近のカバー部材17側の端とほぼ同じ位置に形成する。例えば図9等に示すようにカバー部材17を開いた状態で、第二内壁32により、前ケース12の内部が隠れる。見た目も綺麗で、回路部2に指等が触れることもなくなる。第二内壁32は、前ケース12の前壁部12aと繋がり、周壁部12bとの間には隙間35が形成される。この隙間35内に、ケース本体11の前面11a側に起立配置した板部材36が入り込み塞ぐ。
前ケース12の前壁部12aの内面の長手方向両側には、後方に向けて延びるボス33を設ける。ボス33は、両端が開口した円筒状で、前壁部12aと反対側の先端に、中心が開口する底部33aを備えた構成となる。前壁部12a側に開口する部分から固定ネジ39を挿入すると、固定ネジ39の頭が底部33aに接触してとどまる。前ケース12をケース本体11に装着した状態では、このボス33はケース本体11に設けたボス34と対向するように位置が設定される。その状態で固定ネジ39を締めると、固定ネジの雄ねじ部がボス34の雌ねじ部34aと締結し、固定される。
カバー部材17側のボス33は、第一内壁31に接するようにし、カバー部材17との境界付近で固定するようにした。カバー部材17の開閉を繰り返しても、前ケース12をケース本体11にしっかり固定した状態を保持でき、ヒンジ部18の近くで固定することでカバー部材17の開閉も安定して行えるようになる。また、カバー部材17と反対側のボス33は、円弧状領域の半円の中心付近に形成した。本実施形態では、電池1の外形状にあわせて筐体3の左右を円弧状にしたため、その部分に素子・部品を配置しにくくなる。その配置しにくいデッドスペースを有効利用するようにした。
周壁部12bの内面には、前後方向に延びる細長な帯板状のリブ40を備える。リブ40は、隣接する2辺が前壁部12aと周壁部12bに繋がり、前ケース12をケース本体11に装着した状態では、前壁部12aと反対側のリブ40の辺が、基板の表面に接触するように構成した。リブ40は、補強用のリブであり、周壁部12bが膨らんだりへこんだりしないようになる。さらに前壁部12aと反対側のリブ40の辺の周壁部12bとの接続側で凹部40aを設けている。前ケース12をケース本体11に装着した状態では、ケース本体11の先端周壁部11jの先端が、凹部40aに入り込み、ケース本体11と前ケース12の接続をより強固にしている。
さらに周壁部12bの内面には、係止凹部12iを備える。係止凹部12iは、本実施形態では、上面側と下面側のそれぞれに1個ずつ設けている。この係止凹部12iは、前ケース12をケース本体11に装着する際に、係止突起11mに符合し仮固定するのに利用すると良い。
*カバー部材17の構造等
上述したように、前ケース12の左右の一方の側面(例えば左側)側に、筐体3の開口部3aを設け、その開口部を覆うカバー部材17を、前ケース12と一体に形成している。本実施形態では、前ケース12の一方の側面がカバー部材17を構成する。カバー部材17は、半円状の天板17aと、その天板17aの外周縁に連続して後方に延びる円弧状の周壁17bを備える。周壁17bは、前ケース12の周壁部12bと同じである。上述したように天板17aと前ケース12の前壁部12aは、ヒンジ部18を介して連結される。カバー部材17を閉じた状態では、周壁17bの両端縁17b′と、前ケース12の周壁部12bとの間に隙間Sが形成される。この隙間Sの裏側には、板部材36が位置しており、カバー部材17を閉じた状態では、板部材36が目隠しとして機能し、隙間Sから内部が見えることがなく、見た目が良くなり、埃等の異物の進入も阻止するので良い。
また、周壁17bの外周面の自由端側(天板17aから離れた側・後面側)の中央部分に、外側に突出する取手部17fを設ける。さらに、周壁17bの内周面の自由端側の適宜位置には、係止突起17gを設ける。本実施形態では、取手部17fは、周壁17bの中央から左右に所定距離ずらした位置に2個設けている。
カバー部材17を閉じた状態では、係止突起17gとケース本体11の先端周壁部11jに設けた係止凹部11hが嵌まり合い、カバー部材17を閉じた状態を保持するように構成している。
これにより、図1(a)等に示すようにカバー部材17が閉じた状態にあるとき、ユーザは、指を取手部17fに掛けて天板17a側に付勢すると、係止突起17gが係止凹部11hから離脱して開口部3aが開放される(図1(b)等参照)。一方、そのように開口部3aが開放された状態にあるとき、ユーザはカバー部材17の適宜位置を押してカバー部材17を閉じ、開口部3aを塞ぐ。すると、係止突起17gが係止凹部11hに嵌まり、閉じた状態が保持される。この嵌まるとき、例えば、「カチッ」というような音が鳴り、ユーザが嵌まったことを確認できるようにすると良い。
[回路部2の具体的構成等]
*回路部
本実施形態では、回路部2は、プリント配線基板により構成する。図22から図25などに示すように、2枚の基板を用いて形成する。回路部2は、第一基板51と第二基板52の間にスペーサ部材53を介在させ、それらを重ねた状態でネジ止めして固定する。第一基板51とスペーサ部材53をネジ54にて締結し、第二基板52とスペーサ部材53をネジ55にて締結する。
第一基板51には、その表面側に入力端子部20、出力端子部21、設定スイッチ27、LED56、マイコン57、第二コネクタ8等を配置する。第一基板51の裏面側には第一接続コネクタ58、各種回路を構成する電子部品等を配置する。第二基板52の表面側(仕切壁14に対向する側)には、コイル素子59、IC60、各種回路を構成する電子部品等を配置する。第二基板52の裏面側(第一基板51と対向する面側)には第二接続コネクタ61、各種回路を構成する電子部品等を配置する。第一接続コネクタ58と第二接続コネクタ61は、電源ラインと通信ラインを有し、第一基板51の回路と第二基板52の回路との間で電力供給並びデータの送受等を行う。
スペーサ部材は、熱伝導性の良好な部材を用いて構成し、本実施形態では、アルミ板を用いた。第一基板51と第二基板52は、スペーサ部材53を介在することで所望の間隔を保って重ねて配置することができ、さらに、スペーサ部材53は放熱したり、熱拡散して部分的に高熱になるのを抑制したりする機能を備えるので、回路部2で発生した熱を逃がし、電池1の収納部16側に高熱が伝わるのを抑制する。
第二基板52の表面側には、第二ヒートシンク63を配置する。第二ヒートシンク63は、アルミプレートを用いて構成し、第二基板52の表面から所定距離を置いた状態で第二基板52を覆うようにしている。第二ヒートシンク63は、ネジ55にて第二基板52とスペーサ部材53に固定する。
IC60の上面にはサーマルシート65を接着し、第二ヒートシンク63を装着した状態では、サーマルシート65の表面が第二ヒートシンク63に接触する構成とした。これにより、IC60で発生した熱は、サーマルシート65経由で第二ヒートシンク63に伝わり、放熱される。
第二ヒートシンク63は、コイル素子59の上には設けないようにした。また、第二基板52を前ケース12内に実装した状態では、コイル素子59は、第一ヒートシンク42の凹状切欠部42aに対向する。これによりコイル素子59の頭(基板への取付面と反対側の面)には、第一ヒートシンク42並びに第二ヒートシンク63が位置しない構成としている。本実施形態に用いるコイル素子59は、その頭が磁界の出入りする面となるので、係る頭にアルミ等の金属を配置するとコイル特性が低下してしまう。本実施形態では、当該頭は、アルミ等の金属で覆われないので、コイル素子59が目的とする特性・効果を得ることができる。そして、コイル素子59の頭は、仕切壁14に設けたサーマルシート43と接触し、サーマルシート43を経由して第一ヒートシンク42側に熱拡散して放熱される。さらにコイル素子59に隣接する位置にはクッション66を設置した。このクッション66は、サーマルシート43と第一ヒートシンク42との接続部分に対応する位置に設け、クッション66の弾性復元力を利用してサーマルシート43を所定の圧力で第一ヒートシンク42に接触させるようにしている。これにより、サーマルシート43と第一ヒートシンク42はしっかりと面接触し、放熱効率を向上させる。
さらに、本実施形態では、コイル素子59からの発熱は第一ヒートシンク42を利用して放熱し、コイル素子59以外のIC60その他の部品からの発熱は第二ヒートシンク63を利用した放熱する。コイル素子59と他の部品とでは発熱のレベルが違うため、例えばコイル素子59からの発熱も第二ヒートシンク63に流すと、その高い熱がIC60その他の部品に伝わり、適切に放熱できなくなるという課題が生じる。そこで本実施形態では別々に放熱するようにし、それぞれから発生した熱を効率よく放熱するようにした。
スペーサ部材53が接触する基板の表面には、絶縁フィルム67を塗布している。これにより、配線パターンがスペーサ部材53を介して短絡するのを抑止する。絶縁フィルム67は、熱抵抗になってしまう。そこで好ましくは、スペーサ部材53は、アースパターンに対向させるようにし、そのアースパターンがむき出しのところに直接接触させ、放熱・熱伝導効率を高くすると良い。また、アースパターンではなく通常の配線パターンと対向する部分は、スペーサ部材53の表面を加工し非接触になるようにすると良い。しかし加工が煩雑であるので、上述したアースパターンに接触させるのが好ましい。
さらに本実施形態では、第一基板51と第二基板52のように二枚を重ねた構造としている。これにより、例えば熱を発生する要素を複数の基板に分散配置することで、効率よく放熱することができる。
上述したように、仕切壁14は、ケース本体11の前面11a側の先端から奥まった位置に形成され、仕切壁14とケース本体11の周壁部11iで囲まれる先端側空間内に、回路部2を構成するスペーサ部材53を介在させた第一基板51,第二基板52が実装される。そして、係る実装した状態では、第一基板51の表面が、周壁部11iの先端付近に位置するようにした。このようにすると、ケース本体11内に第一基板51並びに第二基板52を収納することができ、基板はケース本体11の先端側空間内に収まっているのでよい。
また第一基板51の表面が、周壁部11iの先端付近に位置しており、先端から奥まって位置にならないので、例えば第一基板51の表面と、前ケース12の前壁部12aとの距離を近づけることができる。すると、基板の表面に各種の外部とのインタフェースを実装した場合、インタフェースの高さが低い部材を用いた場合でも、当該インタフェースを第一ケースの収納部に対向する面の付近に位置させることができるのでよい。
*第二コネクタの配置構造等
上述したように、本実施形態では、第一基板51の長手方向の一方端側に、第二コネクタ8を直接取付けている。第一コネクタ7の第二コネクタ8に対する抜き差し方向は、第一基板51に沿うようにし、電源装置10を設置した際に上側から下方に向けて抜き差しをする。第二コネクタ8の端子ピン8aはL字型に曲げられ、端子ピン8aの先端が第一基板51の回路部2と導通する配線パターンに接続する。
このようにすると、第二コネクタ8が第一基板51に固定されているので、第二コネクタ8を抑えなくてもよく、ユーザは第一コネクタ7を持って抜き差ししやすくなる。すると例えばユーザは気軽に第一コネクタ7と第二コネクタ8を取り外し、電池1の保護を図れるので良い。また第二コネクタ8が基板に固定されることで、第二コネクタの向きが特定される。本実施形態では、カバー部材17を開くと、第二コネクタ8の差し込む方向も開放するので、コネクタの着脱作業が容易に行え、ユーザは、例えば、装置の不使用時に気軽に第一コネクタ7と第二コネクタ8を外すことが習慣化できるのでよい。
さらに、第一コネクタ7の抜き差しの方向が、第一基板51の表面に沿った方向であるので、コネクタの着脱に際し第一コネクタ7を第一基板51に沿って移動すれば良いので操作性が向上するので好ましい。
また本実施形態では、ケース本体11の先端周壁部11jの先端と、第一基板51の表面はほぼ同じで、第一基板51を少し下げた位置し、第一コネクタ7を第一基板51に接触した状態で移動して、第二コネクタ8と着脱するように構成している。ユーザは、例えば第一コネクタ7を第一基板51に押しつけながら基板上を移動させることでコネクタの着脱操作が行えるのでよい。本実施形態では、筐体3の開口部3aを立体的に設けているため、異なる方向から指等を入れることができ、作業性が向上する。また、カバー部材17を開けると、ヒンジ部18を中心に天板17aが回転し、第一基板51に対向する面が開口し、第一コネクタ7を基板に押しつける際の作業性、例えば指の移動空間の確保等が行えるので好ましい。
また本実施形態では、第二コネクタ8を第一基板51に直接取り付けたため、収納するための空間が小さくなり、第一コネクタ7と第二コネクタ8がカバー部材17の空間内に収まる。これは、例えば第二コネクタ8を第一基板51に配線コードを介して第二コネクタ8を接続するようにすると、まず第二コネクタ8として利用できるコネクタサイズが本実施形態のオンボードタイプに比べて大きくなってしまう。また、配線コードは電池容量に対応し、電源コードと同様に太くて曲げ難いものとなり、配線コードをコネクタにカシメ付け、また配線コードを引き回す大きな空間が必要となる。そのため、本実施形態のカバー部材17の空間内に収まらない可能性がある。これに対し、本実施形態のようにオンボードだと、端子ピンを折り曲げた状態で第一基板51に直接半田付けで接続でき、配線コードの引き回しの空間も不要となり、コネクタサイズも小さくてすむので、収納のための空間が小さくなりよい。
配線パターン以外の回路部は、カバー部材17側に配置せず、カバー部材17を開けても開口部3aから露出しないように構成している。配線パターン以外の回路部は、前ケース12の前壁部12a,周壁部12b並びに第一内壁31で囲まれる空間内に位置させる。このようにすると、第一コネクタ7と第二コネクタ8の着脱作業を行う際に、ユーザが誤って回路部2の部品・素子等に触ったり、異物が混入したりするのを可及的に抑制できるので良い。
[ケース本体11と後ケース13の着脱構造等]
図28〜図31等に示すように、ケース本体11の後面11bは、左右の側面の下方は矩形状にしている。上述したように、ケース本体11の左右の両側は、電池1の側面形状に対応して円弧状にしており、係る円弧状は、前後方向のほぼ全長にわたって形成している。そして、後面11b付近の側面下方をR取りせずに、ほぼストレートに形成する。これにより、当該後面11b付近のケース本体11の外形状は、下側半分は矩形状となり、上側半分は他の部分と同様に両側面が弧状となる。
ストレートに形成された平坦部分11cは、他の側面よりも肉厚にしている。平坦部分11cには、ケース本体11の内外を貫通する貫通孔11dが形成される。また、平坦部分11cの外面側には、貫通孔11dと同心上で内径の大きい凹部11eが形成される。貫通孔11dには、図示省略するボルトのネジ部が貫通状態となり、凹部11e内には当該ボルトの頭部が位置する状態になる。
また、ケース本体11の後面11bの上辺と下辺には、それぞれ後方に向けて突出する突片11fが形成される。突片11fの肉厚は、ケース本体11の上辺,下辺の肉厚より薄く、例えば半分程度とし、内周面側に位置させる。ケース本体11の内周面と突片11fの内面側は面一に形成する。これに伴い、ケース本体11の外表面より一段低い位置に突片11fの外面側が位置する。
一方、後ケース13は、その本体部分13aは、有底の筒状であり、前後方向の前面13bが開口し、後面13cが閉塞している。本体部分13aは、ケース本体11に装着した状態で外に露出する部分である。さらに、本体部分13aの前面13bは、その下方の左右両端に、前面13bと平行な方向に突出する略三角形状の突部13dを設ける。突部13dは、ケース本体11の平坦部分11cに対向し、この突部13dを設けることで、当該突部13dの外周縁を含む本体部分13aの前面13bの外周縁は、ケース本体11の平坦部分11cを含む後面11bと同様の形状をとり、後ケース13の本体部分13aの前面13bとケース本体11の後面11bとを突き当てた状態で接触すると、外周面は段差なくスムーズにつながる。
また、本体部分13aの前面13bには、外形状が本体部分13aより一回り小さい周壁部13eが前方に突出するように形成される。周壁部13eの内周面は、本体部分13aの内周面と面一につながっており、周壁部13eの外周面は、ケース本体11の内周面に符合する寸法形状にしている。ケース本体11の後面11bに後ケース13を装着する際、周壁部13eをケース本体11内に挿入する。これにより、周壁部13eがケース本体11内に嵌まり、ケース本体11の後面11bと平行な面内で後ケース13が移動するのが規制される。
さらに、本体部分13aの前面13bの端面には、周壁部13eの外周面との境界部分に凹溝13hを備える。凹溝13hは、突片11fに対向する位置に形成され、後ケース13をケース本体11に装着した状態では、凹溝13h内に突片11fが挿入されるように設定している。突片11fが凹溝13hに入り込むことで、ケース本体11の後面11b側が上下方向に撓むのを抑止する。ケース本体11の上下方向の幅が規制され、電池1を上下からしっかり挟み込むことができる。
周壁部13eの側面の下方には、ナット収納部13fを備える。ナット収納部13fは、ケース本体11の後面11b側に設けた平坦部分11cに対向する位置に設置される。ナット収納部13fは、ナット25を収納する。ナット収納部13fには、その側面に貫通孔13gが形成される。ナット収納部13f内に収納されたナット25の雌ねじは、貫通孔13gと同心上に位置し、貫通孔13gは、後ケース13をケース本体11に装着した状態では、平坦部分11cに形成した貫通孔11dと対向し、同心上に位置する。この状態で、筐体3の外側から貫通孔11d,貫通孔13g内にボルトを挿入し、当該ボルトと、ナット収納部13fに収納されたナット25とを締結する状態にする。これにより、ケース本体11と後ケース13を連結する。このように本実施形態では、筐体3の横から固定しているので、連結・固定構造を小さいスペースで構成できるので良い。筐体3の左右の側面は、その全長に渡し円弧状にしており、当該ボルト・ナットで固定する領域のみ、円弧状の側面から外側に突出させているが、円弧状の側面に外接する矩形状内に納めており、大きく突出しないようにしている。また、当該ボルト・ナットで固定する領域は、円弧状の側面の最も外側の位置よりも外側には突出しないように構成したので、当該領域が目立たず、デザイン的にも電池の外形に沿った円弧状の側面が目立つので好ましい。
本実施形態では、後ケース13の固定を、筐体3の横からボルト・ナットを締結して行うようにしたので、仮に大きな振動があった場合でも、後ケース13が外れ、電池1が飛び出ることを防止する。このように横からの締結構造としたのは、例えば後ケース13の後面側からネジ止めをしようとした場合、仕切壁14を前面11a側に位置したため、仕切壁14の後面側から後方に向けて延びる長いボスを配置しなければならないことと、収納部16内にはほぼ全体に電池1が存在しているため、当該長いボスを形成することが難しい。また、例えば、ケース本体11と後ケース13のそれぞれの接合端面に外周に向けて突出するフランジを形成し、そのフランジを付き合わせた状態でフランジを挟み込むようにしてボルト・ナットで固定することで、前後方向で固定するようにしても良いが、係る構成を採ると、フランジの強度も確保することからフランジの部分が大きく突出することになりデザイン的に好ましくない。これに対し本実施形態では、側面を円弧状にすることで使われなくなったデッドスペースを利用して、ボルト・ナットを配置する部分の角を残し、横からボルトを装着する構成を採ったので、フランジなどを設けずに固定できるのでデザイン的にも好ましく、コンパクトに形成できるので、狭い空間に設置するのにも適するので良い。
なお、上述したように、前ケース12とケース本体11との接続は、前ケース12の前壁部12a側からネジを装着することで行っている。この前ケース12の固定も、後ケース13と同様に横から止めるようにしてもよいが、片側にはカバー部材17があるので後ケース13と同様に左右両側に横から固定する構造は採りにくいこと、ケース本体11と同じ円弧状の側面を前ケース12側まで全長に渡り形成することでデザイン的にも好ましいので、本実施形態のように前側からの固定とした。また、前側からの固定を採ることで、第一基板51・第二基板52に対する固定も同時に行えるのでより好ましい。さらに、仕切壁14をケース本体11の前面11a側に形成しているため、ネジ止めするためのボス33,34も短いもので良くなるので、製造上の問題も無い。
さらに本実施形態では、ナット収納部13fは、ナット25をセットするために前面13i側が開口し、さらに、下面にも凹部13jが形成される。このナット収納部13fに対向するケース本体11の内周面には、下面側から上方に向けて突出するリブ11gが形成される。後ケース13をケース本体11に装着すると、このリブ11gが、ナット収納部13fの前面13i側からナット収納部13f内に入り込み、凹部13jと符合する。これにより、このリブ11gと凹部13jとの嵌め合いによっても、ケース本体11と後ケース13を強固に連結する。
ケース本体11の上面並びに下面には、その外表面に左右方向に延びる多数の溝24を形成する。多数の溝24の内の何本かの溝24内の所定位置に、内外を貫通する孔部23を設ける。収納部16に対応する領域では、1つの溝24内には、左右両端側に1個ずつの合計2個の孔部23を設ける。この孔部23は、放熱口を構成し、自然対流・自然放熱により収納部16内が高温になるのを抑制する。また、仕切壁14よりも前側の回路部2を収納する空間に対応する領域に位置する溝24内にも孔部23を形成する。この回路部2を収納する空間に対応する領域に設ける孔部23は、収納部16側よりも高密度に形成する。高密度に形成する構成は、例えば、1本の溝24に形成する孔部23の数を多くしたり、孔部23を形成する溝24の配置ピッチを小さくし前後方向の単位長さ当たりの孔部23付きの溝24の数を増やしたりするものがある。本実施形態では、両方とも採用し、1本の溝24に6個の孔部23を形成し、全ての溝24に孔部23を形成した。回路部2側の方がより発熱するため、孔部23を高密度に配置し、より放熱効果を高め、回路部2側で発生した熱が、電池1へ伝わるのを可及的に抑制するようにしている。
また、溝24内に孔部23を形成したので、孔部23が形成されていることがわかりにくくなり、ユーザが孔部23の存在に気づかないか、気づいたとしても溝24の奥であるのであまり気にならなくなるので良い。
[電源装置10の固定構造]
ケース本体11の下面側に面ファスナー74を貼り付け、その面ファスナー74を介して着脱自在に固定設置すると良い。本実施形態では、車載機器の外部電源として使用し、その設置場所を運転席等の下側の空間にしている。係る運転席の下側空間は、カーペットが存在する車両が多くある。本実施形態の面ファスナー74は、カーペットに貼り付けられる性質・構造を持つ特別なものとしている。面ファスナー74は、係るカーペットに貼り付けるためにフック側の面ファスナー74としている。面ファスナー74は、ケース本体11の材料であるPPに貼り付く両面テープを用いて貼り付ける。この面ファスナー74を用いて、車両のカーペットに直接接続して固定するとよい。カーペットが無い場所では、車両側にも面ファスナー74にくっつくループ側の面ファスナーを貼り付け、その車両側の面ファスナーに対して着脱自在に固定すると良い。
さらに本実施形態では、ケース本体11の左右側面の下側に、それぞれ前後2カ所に側方に突出する突片70を形成し、その突片70に上下に貫通する貫通孔71を設ける。この突片70・貫通孔71を利用して設置場所に固定する機能も備えている。例えば、貫通孔71にボルトを挿入し、ボルト・ナットを利用して固定するとよい。このようにすると、よりしっかりと電源装置10を固定できるので、例えば振動が大きい場所で使用する場合でも電源装置10を設置場所に保持できるので良い。また、係る貫通孔71を利用してタイラップなどで固定してもよい。タイラップを用いることで、簡単に固定設置できるのでよい。
ケース本体11の突片70に隣接する側面には上下方向に延びる窪み部72を設けている。この窪み部72は、ボルトを締める際に使用するレンチの逃げのための空間を確保している。
本実施形態では、車載機器に対する電源供給を行うようにしており、係る利用対象であれば、電源装置10に加わる振動も最大で3G程度であるので、面ファスナー74の固定で良い。よって、車載専用であれば、突片70等を設けず、前後方向の全長に渡り円弧状にしたすっきりとした統一感のあるデザインにできるので良い。一方、本実施形態のように突片70を備え、複数の異なる固定構造を備えることで、より大きな振動が発生する場所にも設置対応可能になるのでよい。
より大きな振動が発生する場所での使用は、例えば、監視カメラ・工場(例えば、新規設置の工作機械の動作確認(例えばNG品を作成した場合の動作を、監視カメラで撮影し・記録する)ものに使用するものがある。NGの発生原因を検証するため、工作機械のそばにカメラを設置し、記録する。それらの設置現場は、振動も大きい(例えば10G程度)ので、ボルト・ナットでしっかりと固定する。また、車両に設置する場合も、例えばフォークリフトのように大きな振動を発生するものに適用する場合も突片70の貫通孔71を利用した固定構造を採る。フォークリフトでの使用は、360度の全周囲を撮影し、その場で回転する等の作業時の状況や、通常の車両と同様に走行中の周囲を撮影するドライブレコーダーに電力供給するものにもちいるとよい。
[電池交換]
上述したように、ケース本体11と後ケース13で形成される空間が電池1の収納部16となる。ケース本体11の後面が開口しており、当該開口部分が電池1の取出口となり、後ケース13を取り外すと、ケース本体11の後面11bが開口し、電池1の一端側が外部に突出する(図28,図29等参照)。そして、第一コネクタ7と第二コネクタ8を外すことで、ケース本体11の後面11b側から収納部16に電池1を着脱可能となる。このように、本実施形態では、電池1を交換可能としている。
また、本実施形態では、電池1の交換を、後ケース13を取り外して開口するケース本体11の後面11b側から行うため、当該交換の際に、回路部2を取り外したりする必要が無く、ユーザが自分で交換作業を行うことができる。
本実施形態では、ケース本体11の左右を円弧状にしている。この円弧状の側面を利用し、電源コード6を前ケース12側に導きやすくする機能を発する。すなわち、ケース本体11の電池1を収納する収納部16は、電池1の寸法に近く余裕がないので、空間26も狭い。ユーザは、第一コネクタ7を先頭にして電源コード6を収納部16に挿入し、第一コネクタ7の位置を確認することができない状態のままさらに電源コード6を電池1とともに押し込む。この押し込む際し、第一コネクタ7を円弧状の内側面に当てるようにして押し込めば、円弧状の先端すなわち、左右方向では左端に自然と導かれ、仕切壁14に設けた連通孔14aから外に出すことができる。連通孔14aは、円弧状の内周面に連続して開口するようにしたので、第一コネクタ7をスムーズに外に出すことができる。
本実施形態では、筐体3の側面は、電池1の外形状に合わせ円弧状にしている。円弧状となると、角が無く、回路基板の配線パターンや素子を起きにくくデッドスペースがでてくる。このデッドスペースを利用し、電源コード6の配線領域に利用したりしたり、第一コネクタ7と第二コネクタ8の収納空間に利用したりするようにした。
本実施形態では、上述したようにコネクタの着脱で電池1から回路部2への電流の通電/遮断の切り替えを行うようにし、電池1から回路部2への通電を遮断するためのメカ的な電源ON/OFスイッチを設けていない。筐体3から取り出し可能な電池1の場合、取り出す際に、筐体3内の回路部2との接続を解除する必要があり、当該接続の解除を簡単に行うため、電源コードにコネクタが接続された形態の電池を用いるとよく、本実施形態では、当該電池を採用し、電源コード6に第一コネクタ7を備えた電池1を採用した。このように、係る目的のために元々必要なコネクタを、機器への電力供給を行わないときに電池1から回路部2に流れる電流を遮断するための第一コネクタ7として兼用することで、上記のメカ的な電源ON/OFFスイッチを設けないようにし、簡単な構成で小型化を図るようにした。特に、本実施形態では、車載機器に電力供給することもあり、車両のバッテリー電圧に合わせて電池1の端子電圧は12Vとし、充電電流は例えば2A程度となると、それに対応するメカ的なスイッチも大きなものが必要となるので、当該スイッチを設けないことによるスペースの削減効果は大きくなる。
さらに、本実施形態の電源装置10は、例えば座席の下など隠れたところにおくようにすると、そもそも操作がしにくい場所にあり、スイッチを設けたとしても、操作性はあまり向上しない。よって、カバー部材17を開きコネクタを外す操作もスイッチ操作とあまり変わりが無く、スペース削減の効果の方が顕著に効くので好ましい。
[電源装置の使用状態・電力供給される機器の一例]
本実施形態の電源装置により電力供給する対象の機器は、例えば、車載機器とするとよい。車載機器は、例えば車両のバッテリーが電源供給を受けて動作するものがある。車両のバッテリーの保護のため、車両のバッテリーからの車載機器への電力供給は車両の走行中やアイドリング中のようにエンジン等がONの時に行い、エンジン等がOFFになると車載機器の電源をOFFにするものがある。本実施形態の電源装置10は、例えば、エンジン等がOFFで車両の駐停車中の状態で車載機器へ電力供給をし、車載機器が動作できるようにするのに使用すると良い。このように車両が駐停車中の時に動作する車載機器は、例えば、ドライブレコーダーとするとよい。ドライブレコーダーは、走行中の周囲を録画したり、事故発生時等の衝撃の発生を契機とし、前後一定期間を録画したりする機能を有する。そこで、車両の駐停車中に、電源装置10からドライブレコーダーに電力供給を継続し、車両の周囲を録画し、また、例えば衝撃の発生を契機とし、前後一定期間を録画したりする。これにより駐停車中の監視カメラとして利用できる。
図38は、車載機器に対する電源供給を行う場合の外部との接続形態の一例を示している。電源ケーブル75の一端に取り付けたコネクタ76を入力端子部20に装着し、電源ケーブル75の他端を車両のバッテリーに接続する。車載機器の接続ケーブル77の一端に取り付けたコネクタ78を出力端子部21に接続し、接続ケーブル77の他端を車載機器に接続する。また、上述したように、車載機器は、例えばドライブレコーダーであり、電源供給に加え、接続ケーブル77を利用してドライブレコーダーとデータ通信を行う機能を備えるものもある。
設定スイッチ27は、例えばエンジン等がOFFになった後の録画時間を設定するスイッチである。録画時間は、例えば最大12時間で、あらかじめ設定されたいくつかの時間を設定スイッチ27で指定する。電源装置10は、この設定スイッチ27により設定された時間だけ電力供給をし、その後出力をOFFにする。
上記の電力供給のON/OFFの制御や通信の制御は、マイコン57が行う。また、マイコン57は、内蔵する電池1の電圧を監視し、設定された録画時間に達しなくても電圧が低下すると出力をOFFする機能も備える。上述したように、例えば充電回路は、電池1の電圧が基準値以下になると充電しなくなるので、係る事態が発生しないようにするため基準値によりマージンを設けた一定の電圧(たとえは10V)になったら動作を停止するようにしている。
また、ドライブレコーダーとの通信は、例えば、録画時間の設定をドライブレコーダー側から行うのに使用するとよい。設定スイッチ27の操作は、煩雑であるが、ドライブレコーダー側から録画時間の変更を行うようにすると、駐車場所その他の状況に応じて録画時間を変更でき、不必要に長時間録画し、電池1が消耗することを抑制できるので良い。設定スイッチ27は、接続するドライレコーダーが通信機能を備えているか否かの設定も行い、通信機能がないものは、設定スイッチで録画時間を設定する。
また、ドライブレコーダーの通信は、例えば、自宅のガレージなど駐停車中でも録画しないキャンセルエリアが設定できる場合、キャンセルエリアにあると電力供給が不要の旨を電源装置10に通知する。これにより、電源装置10は、エンジン等がOFFになり設定された録画時間内であっても出力を停止する。
ドライブレコーダーは、電池1からの電力供給で動いているか、車両バッテリーからの電力供給で動いているかを認識し、それに応じて録画のフレームレートを変えたりするとよい。このようにすると、エンジン等がOFFで、電池1により駆動している場合、例えばフレームレートを落としたり、コマ送り状態で録画したりすることで、電池1の消耗・電圧降下を低減することができるのでよい。
本実施形態の電源装置は、特に、たまにしか運転しない人を対象とするとよい。「たまにしか運転しない」は、例えば1週間や1ヶ月乗らないことである。そして、エンジン等がOFFで降車後にドライブレコーダーを稼働させるので、コネクタを外すのは少なくともドライブレコーダーの動作停止後になる。ユーザは、例えば、夜に自宅車庫に停車し、夜間ドライブレコーダーで周囲を撮影した場合、運転をしない翌朝等にコネクタを外すような処理を行う。
また、電池1の充電は、例えば3時間走行すると満充電になる。例えば夏場は、温度が高くなるので3時間でも満充電にならないことはあるので、コネクタを外して電池1の電圧降下を抑制するとよい。
[基板に取り付ける第二コネクタの変形例]
上述した実施形態では、第二コネクタ8は、コネクタの抜き差し方向が第一基板51に沿った方向で、上側から装着するようにしたが、本発明はこれに限ることは無く、例えば、第二内壁32と反対側の左から抜き差しするように配置しても良い。カバー部材17も前ケース12の左端端部が立体的に開放されるので、左側から抜き差しした方が作業性は良いが、電源コード6が硬く曲げにくいので、左側から抜き差しすると電源コード6が左横に大きく出てしまい、大きな収納空間が必要となってしまう。そこで実施形態のように、基板に沿って上側から抜き差しする構成を採るのが良い。
また、上述した実施形態では、第一基板51に第二コネクタ8を装着したが、本発明はこれに限ることは無く、第一基板51・第二基板52とは別の基板を設け、その基板に取り付けても良い。このようにすると、第一基板51の高さと異なる位置に配置できるので、例えば第二コネクタを取り付ける基板は、実施形態と同様の位置にし、第一基板51は少し奥まった位置にすることで、前ケース12の前後方向の長さを短くしてコンパクトに配置することできるので良い。実施形態のように、第一基板51上に第二コネクタ8を取り付けるようにした方が、第二コネクタ8と第一基板51側の回路との導通が配線パターンで行えるとともに、第二内壁32・周壁部12bで囲まれる内部空間で基板を固定することで、第二コネクタ8を取り付ける基板を固定できるのでよい。
また、例えば第二内壁32の外側に第一基板51を設けず、第二基板52の上に第二コネクタ8を取り付けるようにしても良い。その場合、コネクタの抜き差し方向を第二基板52の基板表面と直交する方向にするとよい。
[カバー部材の変形例]
また、実施形態では、カバー部材17は、筐体と一体に形成されているが、別部材として形成され筐体に着脱するものでもよい。実施形態のように筐体と一体の方が、カバー部材17が紛失することが無いので好ましい。例えば、カバー部材が別部材とすると、ユーザが、コネクタの着脱作業を行うためにカバー部材を筐体から取り外した状態でコネクタの着脱を行い、その後取り外したカバー部材を開口部に装着するが、取り外して周囲に置いておいた際に無くなる・見失う可能性がある。特に、カバー部材は、開口部の寸法形状に応じた大きさとするとよく、このようにすれば、小さくて紛失しやすい傾向がある。また、実施形態のように、装置は車載用とすると良く、そのように車載用の装置の設置位置として例えば、車室内の床などの下方に配置すると良い。そのように装置の設置場所が下方のようにコネクタの着脱操作がしにくい場所の場合、ユーザは、当該コネクタの着脱に神経が集中することで、一時的に周囲その他の場所に置いたカバー部材を見つけられなくなるおそれがある。また、例えば、開口部の大きさに伴い、カバー部材の大きさも小さくなると、別部材のカバー部材の筐体の着脱作業も繁雑となるので、係る点に鑑みても筐体と一体にカバー部材を構成するのが好ましい。
また、上述した実施形態では、カバー部材17は、開口部3aの全体を覆うようにしたが、一部を覆うようにしても良い。そのように一部を覆うものは、別部材で構成したものも同様である。
また、カバー部材17が開口部3aの一部を覆う構成とした場合、一部を覆った状態では、第一コネクタ7と第二コネクタ8が筐体3の外に出ない構成とするとよい。筐体3の外に出ないようにする構成は、例えば、開口部3aのうちのカバー部材17で覆われておらず開口した状態の領域が、接続された状態の第一コネクタ7と第二コネクタ8が通過できない幅・寸法とするとよい。カバー部材17で覆うことで、例えば接続状態にある第一コネクタ7と第二コネクタ8が、電源装置10の使用時に筐体3の外に出てくるのを抑止し、ユーザが誤って第一コネクタ7と第二コネクタ8に触れて外れてしまうのを抑止できる。
また、カバー部材17で開口部3aを覆わない状態で、第一コネクタ7と第二コネクタ8が筐体3の外に出ないようにしてもよいが、当該覆わない状態では第一コネクタ7と第二コネクタ8の少なくとも一方が筐体3の外に位置させることが可能にすると良い。このようにすると、カバー部材17を開口部3aから外し、開口部3aを覆わない状態では少なくとも一方のコネクタを筐体3の外に位置させることができ、例えば、着脱の作業が容易になるので良い。筐体3の外に位置させることが可能な構成として、例えば、電源コード等のコネクタに接続される配線パターン以外の線の長さを長くし、第一コネクタ7や第二コネクタ8を筐体3の外に位置させるとよい。このようにすれば、例えばユーザは、第一コネクタ7や第二コネクタ8を筐体3の外に位置させた状態で着脱の作業を容易に行え、当該着脱の作業の後は第一コネクタ7と第二コネクタ8を筐体3内に収納することができるのでよい。
[カバー部材なし]
上述した実施形態では、カバー部材17を設けたが、カバー部材は必ずしも設けなくてもよい。カバー部材がなく、コネクタが露出した状態は、見た目も良くないし、筐体3内に埃等も入るので、本実施形態のようにカバー部材17を設けるものがよい。また、カバー部材17を設け、コネクタの接続状況にかかわらずカバー部材17を閉じた状態で、第一コネクタ7と第二コネクタ8をカバー部材17の内部に収納された状態にするとよい。
また、上述した実施形態では、第二コネクタ8を基板に直接取り付けるようにしたが、本発明では必ずしも基板に直接取り付けず、コードを介して接続するようにしても良い。係る場合、コードを長くし、第一コネクタと第二コネクタを筐体から取り出した状態で着脱を行った後、筐体内に押し込んで収納するとよい。このようにすると、筐体外部の広い空間で着脱作業が行えるので良い。しかし、係る構成ではコードの長さが長くなり、筐体内に収納する際に長いコードの収納空間が必要となるので、実施形態のように基板に著説接続するのが良い。
[磁気遮蔽機能]
上述した実施形態では、スペーサ部材53に放熱機能も兼用させたが、本発明はこれに限ることは無く、放熱機能に換えて、或いは放熱機能に加えて磁気遮蔽機能を備えるようにすると良い。
例えば、複数枚の基板の対向する面の少なくとも一方の面に、コイル素子等の磁界発生源を配置し、その磁界発生源の周囲を囲むようにスペーサ部材53を配置する。例えば図23等に示すように、スペーサ部材53に孔部53aが形成されていると、その孔部53a内に磁界発生源が位置するように第一基板51或いは第二基板52の対向する裏面に配置する。そしてスペーサ部材は、磁性体を用いて構成されるようにすると、磁界発生源の周囲を囲むスペーサ部材53によって閉磁路が構成され、スペーサ部材53の側面から外部に磁界が漏れ出ないので良い。周囲は、四方の全周囲とすると良いが、特に側面の周りを囲むようにするとたとえば実施形態のように孔部53aを有する単一部材からなるスペーサ部材53で構成できるので良い。
[USB端子]
上述した実施形態では、出力端子部21として12Vの電圧を出力し車載機器に電力供給するものとしたが、USB端子部を備え、5V出力の機能も備えると良い。USB端子を設けると、出力時に大きな熱を発生するため、電池の性能の低下を来すため実施形態のようにUSB端子を設けない構成とすると良い。
[出荷時はコネクタ非接続状態]
上述した実施形態では、ユーザが長期間使用しない場合にコネクタを外す例を説明したが、出荷時に第一コネクタ7と第二コネクタ8を外した状態とすると好ましい。このように出荷時に両コネクタを外すことで、ユーザの手元に行くまでの間も電池の電力消費を抑制できるので良い。例えば、長期在庫になると暗電流の影響が無視できなくなり、例えば電池の電圧が充電できない状態まで降下してし、初期不良となるおそれがある。出荷時に外しておくことで、係る事態の発生を抑制できるのでよい。このように出荷時にコネクタを外した状態で販売すると、ユーザは、使用に際し、まずコネクタを接続し、ドライブレコーダー等の機器に電力供給可能な状態にする。
[その他の構成]
カバー部材17は、コネクタを外した状態でも、カバー部材は閉じることができるようにするとよい。カバー部材17で閉じられる空間が、外した状態の第一コネクタ7と第二コネクタ8が収納されるスペースを有する。カバー部材を開けた状態にしておくと筐体3内に埃が入るおそれがあり、また、開いたカバー部材に何かが引っかかるおそれがあり、その引っかかった際に負荷がかかりヒンジが破損するおそれもある。そこで、コネクタを外した状態でもカバー部材を閉じることができるように構成すると、コネクタの着脱作業以外はカバー部材を閉じるようにすることで、係る問題が生じないので良い。
また、上述した実施形態では、電池1の収納部16に設けるクッション22は、上面側に設けたが、設置箇所並びに設置数は任意であり各種の対応がとれる。例えば、車載機器用で振動が最大で3G程度であれば十分対応できるので、構成が簡単で長期使用に伴うへたりも出にくい実施形態の構成が好ましい。一方、例えば7G程度或いはそれ以上の振動が大きい場所で使用する場合、上面側に一枚は位置しただけでは保持力が十分ではなく、電池1が筐体3の内部で移動し、電池1の熱収縮チューブ5が破けるおそれがあるので、移動を抑制するためにはクッションの大きさを大きくしたり、下側などにも設けたりするとよい。
メインケース11と後ケース12の連結を、横方向からナット14とボルトの締結により強固に結合したので、例えば、7G以上の大きな振動が生じる場所に設置しても離脱しない。一方、例えば車載等の3G程度の振動が生じる場所での設置の場合、係るボルト・ナットを用いずに、例えば爪片などの突起部と凹部の嵌め合いによる結合でも良い。係る構成にすると、構造が簡単で着脱も容易になる。但し本実施形態のように、横からのボルト・ナットで固定するようにすると、装置を大型化すること無く、大きな振動発生箇所の設置にも兼用・対応できるので好ましい。
上述した実施形態では、発光部21は、第一基板51に設けたLED56からの光が導光路を経由して前ケース12に設けた第四開口12fに至り、そこで発光するようにしたが、例えばLED56等の発光源を第四開口12f付近に配置し、第四開口12fの部分で発光するようにしても良い。
上述した実施形態では、回路部2は、充電回路や電圧監視回路等の複数の回路を備えたが、一つでもよい。複数とする場合、第一コネクタ7と第二コネクタ8を外したことにより電池1からの電流が流れなくなる対象は、複数の内の一部の回路部でも良いが、実施形態のように、全ての回路部とすると電池1の残容量が低下するのをより効果的に抑制できるので好ましい。
上述した実施形態では、ケース本体11を筒状とし、電池1の全周を囲む部分が一体のものとした。これにより、電池1をしっかり収納・保持することができるので好ましい。このように筒状のもので形成するのが好ましいが、ケース本体の構成はこれに限るものでは無く、例えば、上下分割等の複数のパーツで電池を挟み込むように構成したものとしても良い。電源装置10が、例えば振動が大きい箇所で使用する構成とした場合、電池1をしっかりと収納・保持する実施形態のものが好ましい。
上述した実施形態では、電池1として二次電池を用いたが、一次電池としても良い。二次電池とすると、充電できるので良く、特に実施形態のように車両のバッテリから電力供給を受けて電池1に充電するように構成すると良い。実施形態のようにすると、例えば車両の走行中などにおいて電池1を充電できるので良い。
また、本発明の装置は、電源装置としたが、電源装置に限ることは無く、例えば自己に内蔵した電池の電力を利用して動作する電気機器・電子機器等の装置も含む。この種の電気機器・電子機器等の装置においても、当該装置の電源がOFFのときも内蔵した電池からの電流が流れ、電力消費をする回路部を備える構成のものには好ましく適用できる。
上述したように本実施形態の電源装置10は、車両のバッテリーからの電力供給を受け、内部の電池1を充電する充電回路や、車両のバッテリーからの電力供給に基づいて外部の機器に電力供給する電力出力回路等を備える。電力出力回路は、第一コネクタ7と第二コネクタ8の接続状況にかかわらず車両のバッテリーからの電力供給に基づき外部の機器へ電力供給する構成にするとよい。このようにすると第一コネクタと第二コネクタを外したのを忘れても、エンジン等をONにして通常の走行中では、車載機器に電力供給し駆動することができるので良い。
以上、本発明の様々な側面を実施形態並びに変形例を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。
また、図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としても良いし、その部材の部分としても良い。