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JP2018023971A - 流路材および分離膜エレメント - Google Patents

流路材および分離膜エレメント Download PDF

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JP2018023971A JP2017143470A JP2017143470A JP2018023971A JP 2018023971 A JP2018023971 A JP 2018023971A JP 2017143470 A JP2017143470 A JP 2017143470A JP 2017143470 A JP2017143470 A JP 2017143470A JP 2018023971 A JP2018023971 A JP 2018023971A
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剛士 誉田
Takeshi Konda
剛士 誉田
高木 健太朗
Kentaro Takagi
健太朗 高木
洋帆 広沢
Hiroho Hirozawa
洋帆 広沢
祐太郎 鈴木
Yutaro Suzuki
祐太郎 鈴木
山田 博之
Hiroyuki Yamada
博之 山田
惠太 和田
Keita Wada
惠太 和田
聡子 森岡
Satoko Morioka
聡子 森岡
箕浦 潔
Kiyoshi Minoura
潔 箕浦
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Abstract

【課題】高い流体通過速度を実現する流路材および分離膜エレメントを提供する。【解決手段】分離膜エレメント1は、集水管6と、集水管6の周囲に巻回された分離膜本体3とを備える。また、分離膜エレメント1は供給側流路材2および端板等の部材をさらに備える。また、透過側流路材4は、分離膜本体3の透過側面に対向するように配置され、かつ分離膜本体3と共に集水管6の周囲に巻きつけられる。この時、透過側流路材4が、静的水接触角が125度以上であることが望ましく、125度以上の表面積が全表面積の80%以上を占めることが望ましく、その上、表面の構成元素としてフッ素が存在することが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、液体、気体等の流体の通過流路を形成する流路材および流路材を用いた分離膜エレメントに関する。
液体、気体等の流体に含まれる成分を高効率で分離する技術は、工業的に注目を浴びている。特に海水およびかん水などに含まれるイオン性物質を除くための技術においては、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして、分離膜エレメントによる分離法の利用が拡大している。分離膜エレメントによる分離法に使用される分離膜本体は、その孔径や分離機能の点から、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、正浸透膜に分類される。これらの膜は、例えば海水、かん水および有害物を含んだ水などからの飲料水の製造、工業用超純水の製造、並びに排水処理および有価物の回収などに用いられており、目的とする分離成分および分離性能によって使い分けられている。
分離膜エレメントとしては様々な形態があるが、分離膜本体の一方の面に供給水を供給し、他方の面から透過水を得る点では共通している。分離膜エレメントは、束ねられた多数の分離膜本体を備えることで、1個の分離膜エレメントあたりの膜面積が大きくなるように、つまり1個の分離膜エレメントあたりに得られる透過水の量が大きくなるように形成されている。分離膜エレメントとしては、用途や目的にあわせて、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型、平膜集積型などの各種の形状が提案されている。
例えば、逆浸透ろ過には、スパイラル型分離膜エレメントが広く用いられる。スパイラル型分離膜エレメントは、中心管と、中心管の周囲に巻き付けられた積層体とを備える。積層体は、供給水(つまり被処理水)を分離膜本体の表面へ供給する供給側流路材、供給水に含まれる成分を分離する分離膜本体、および分離膜本体を透過し供給水から分離された透過水を中心管へと導くための透過側流路材が積層されることで形成される。スパイラル型分離膜エレメントは、供給水に圧力を付与することができるので、透過水を多く取り出すことができる点で好ましく用いられている。
スパイラル型分離膜エレメントでは、一般的に、供給側水の流路を形成させるために、供給側流路材として、主に高分子製のネットが使用される。また、分離膜本体として、積層型の分離膜本体が用いられる。積層型の分離膜本体は、供給側から透過側に積層された、ポリアミドなどの架橋高分子からなる分離機能層(多孔性支持層)、ポリスルホンなどの高分子からなる多孔性樹脂層、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子からなる不織布の基材を備えている。また、透過側流路材としては、分離膜本体の落ち込みを防き、かつ透過側の流路を形成させる目的で、供給側流路材よりも間隔の細かいトリコットと呼ばれる編み物部材が使用される。
近年、造水コストの低減への要求の高まりから、分離膜エレメントの高性能化が求められている。例えば、分離膜エレメントの分離性能の向上、および単位時間あたりの透過水量の増大のために、各流路部材等の分離膜エレメント部材の性能向上が提案されている。
具体的には、特許文献1では、凹凸賦形された透過側流路材が提案されている。特許文献2では、連通孔の距離を制御した中心管が提案されている。また、特許文献3では、横糸を細くし、縦糸を蛇行する構造にし、融着法によって成形された供給側流路材が提案されている。
特開2006−247453号公報 特開2014−140840号公報 特許第4688140号公報
上述した種々の提案にもかかわらず、流路材は、流体通過速度の点では十分とは言えず、改善の余地があった。そこで、本発明は、高い流体通過速度を実現する流路材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、次の(1)〜(8)の構成からなる。
(1)静的水接触角が125度以上の表面を持つ流路材。
(2)静的水接触角が125度以上の表面が全表面積の80%以上を占める、
上記(1)に記載の流路材。
(3)表面の構成元素としてフッ素が存在していることを特徴とした、
上記(1)または(2)に記載の流路材。
(4)分離膜エレメントに用いられる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の流路材。
(5)上記分離膜エレメントがスパイラル型である上記(4)に記載の流路材。
(6)集水管と、供給側の面と透過側の面とを備える分離膜本体と、供給側流路材と、透過側流路材とを備える分離膜エレメントであって、
上記(1)〜(3)のいずれかに記載の流路材を上記供給側流路材および上記透過側流路材の少なくともいずれかに用いた分離膜エレメント。
(7)上記分離膜本体の上記透過側の面に対向するように設けられ、シートおよび上記シート上に固着された複数の突起物を有する透過側流路材を備える、
上記(6)に記載の分離膜エレメント。
(8)上記突起物は、集水管の長手方向に対して垂直方向に連続していることを特徴とする、
上記(6)または(7)に記載の分離膜エレメント。
(9)上記透過側流路材は、厚み方向への貫通孔による開孔領域と、それ以外の非開孔領域を含み、上記非開孔領域は微細突起を複数含む、
上記(6)に記載の分離膜エレメント。
(10)上記微細突起は厚み5μm以下であり、かつ数密度が20個/mm以上1000個/mm以下である、
上記(9)に記載の分離膜エレメント。
本発明によって、流体の流動抵抗を抑えた流路を形成することができ、高い流体通過速度を実現する流路材を得ることができる。
この流路材を分離膜エレメントに適用することで、かん水や海水の淡水化にあたり、透過水量の多い運転の継続が期待される。
分離膜エレメントの概要を示す一部展開斜視図。 本発明の実施の一形態である、供給側流路材の一例を示す平面図。 本発明の実施の一形態である、透過側流路材の一例を示す断面図。 透過側流路材の他の例を示す断面図。 透過側流路材のさらに他の例を示す断面図。 透過側流路材のさらに他の例を示す平面図。 透過側流路材のさらに他の例を示す平面図。 分離膜本体の一例を示す断面図。 分離膜本体の他の例を示す断面図。
以下、本発明の実施の一形態について、詳細に説明する。
〔1.流路材〕
流路材とは、液体や気体などの流体の流路を形成する部材のことである。例として、上・下水道などに用いられる送水管や、油、薬品、食品の輸送や工場設備などに用いられる産業用ホースなどが挙げられるが、好ましくは分離膜エレメントに用いられる。流路材サンプル150mm×150mmに対し、水接触角測定を任意の独立した20箇所に関して実施した際、静的水接触角が125度以上である箇所が16箇所以上であることが本書の目的のために好ましく、18箇所以上がさらに好ましい。水接触角測定装置として協和界面科学株式会社製の全自動接触角計DM−901が例として挙げられ、任意の多点測定を全自動で実施することが可能である。本書の後述部分では流路材の用途として水処理に使用する分離膜エレメントを例に挙げているが、これに限らない。
〔2.分離膜エレメント〕
(2−1)概要
分離膜エレメントの形態としては、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型、平膜集積型などが挙げられるが、特にスパイラル型エレメントは、分離膜エレメントに対する流路材の体積分率が他の形態のエレメントに比べて大きいため、本発明の形態として好ましい。以下では分離膜エレメントの形態としてスパイラル型を例に挙げているが、これに限らない。図1に示すように、分離膜エレメント1は、集水管6と、集水管6の周囲に巻回された分離膜本体(以降、単に「分離膜」と記載)3とを備える。また、分離膜エレメントは、供給側流路材2および端板等の部材をさらに備える。
分離膜3は、透過側の面を内側に向けた矩形状の封筒状膜5を形成する。封筒状膜5は、透過水が集水管6に流れるように、その一辺のみにおいて開口し、他の三辺においては封止される。透過水はこの封筒状膜によって供給水から隔離される。
供給側流路材2は、封筒状膜5の間、つまり分離膜3の供給側の面の間に配置される。供給側流路材2および複数の封筒状膜5は、重なった状態で、集水管6の周囲に巻き付けられる。
透過側流路材4は、分離膜3の透過側面に対向するように配置され、かつ分離膜3と共に集水管6の周囲に巻き付けられる。透過側流路材4としては、具体的には、トリコット、または樹脂などで形成された複数の突起を有するシートなどを用いることができる。
上記シートとしては、不織布、織物、フィルム等が挙げられる。
上記供給側流路材および上記透過側流路材のうち少なくとも1つ以上に本発明の流路材が適用されればよい。
分離膜エレメント1の長手方向における一端から供給された供給水7は、供給側流路材2によって形成された流路を通って、分離膜3に供給される。
分離膜3を透過した水(図中に「透過水8」として示す。)は、透過側流路材4によって形成された流路を通って集水管6に流れこむ。こうして、透過水8は、集水管6の一端から回収される。
一方、分離膜3を透過しなかった水(図中に「濃縮水9」として示す)は、分離膜エレメント1の他端から回収される。
図1に示す分離膜エレメント1は、集水管と、集水管の周囲に巻回された分離膜とを備えるスパイラル型分離膜エレメントの構成の一例であり、本発明はこの形態に限定されるものではない。
(2−2)供給側流路材
(2−2−1)概要
供給側流路材として従来広く用いられているネットは、図2に示すように繊維状物21と22をそれぞれほぼ平行に配列して形成される。供給側流路材は隣り合う2枚の分離膜の供給側の面の間に配置され、封筒状膜の外側、つまり向かい合う分離膜の供給側の面の間には、供給側流路が形成される。
(2−2−2)供給側流路材の構成成分
表面に露出していない部分としては特に限定されないが、樹脂が好ましく用いられる。溶融成形の容易さから、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンやオレフィン共重合体や、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステルなどのポリマーが選択でき、これらを単独もしくは2種類以上からなる混合物として用いることができる。
表面に露出している部分は、水接触角測定を任意の独立した20箇所に関して実施した際、静的水接触角が125度以上である箇所が16箇所以上であることが本書の目的のために好ましく、18箇所以上がさらに好ましい。なお、ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系ポリマーは静的水接触角が100度以上(120度以下)を示すが、その高耐熱特性のために溶融成形が極めて困難であるため、流路材への適用が現実的ではない。それに対し、本書のように流路材表面のみが改質されることで、静的水接触角が125度以上である流路材を実現することが可能となる。
(2−2−3)供給側流路材の形態
分離膜エレメント1は、向かい合う分離膜の供給側の面の間に、分離膜3に対する投影面積比が0を超えて1未満となる流路材を備える(図示せず)。供給側流路材の投影面積比は0.03以上0.50以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.10以上0.40以下、特に好ましくは、0.15以上0.35以下である。投影面積比が0.03以上0.50以下であることで、流動抵抗が比較的小さく抑えられる。なお、投影面積比とは、分離膜と供給側流路材を5cm×5cmで切り出し、供給側流路材を分離膜の面方向に平行な平面に投影した時に得られる投影面積を切り出し面積で割った値である。
供給側流路の流動抵抗は、供給側流路材が設ける流路の長さに比例するため、上記長さが長いほうが本発明による造水量向上効果を受けやすい。具体的には、上記長さは250mm以上が好ましく、500mm以上がさらに好ましい。
供給側流路材の高さは、後述するように各性能のバランスや運転コストを考慮すると0.5mmを超えて2.0mm以下が好ましく、0.6mm以上1.0mm以下がさらに好ましい。
供給側流路材の形状は特に限定されず、連続形状を有していてもよいし、不連続な形状を有していてもよい。連続形状を有する流路材としては、フィルムおよびネットといった部材が挙げられる。ここで、連続形状とは、実質的に流路材の全範囲において連続であることを意味する。連続形状には、造水量が低下するなどの不具合が生じない程度に、流路材の一部が不連続となる箇所が含まれていても良い。「不連続」とは、複合分離膜の面に対する投影像が不連続である形状を指す。つまり、不連続部材は、複数の部分に分かれており、つまり複数の部材の集合物であり、それぞれの部材は、互いに分離可能である。また、不連続とは、部材の間を流体が流れることができる程度に、隣り合う部材の距離が離れていることである、とも言い換えられる。
(2−2−4)供給側流路材の効果
供給側流路材の表面に露出している部分は、静的水接触角が125度以上であることが好ましい。このような極めて高い撥水性を示す供給側流路表面特性により、供給水の流路に対する動摩擦係数が減り、供給側流動抵抗を抑制することができる。供給側流路の流動抵抗減は供給水の流速向上、つまりエレメント造水量の向上に繋がる。
また、供給側流路表面の低摩擦特性により、供給側流路材が接触している分離膜面に対する擦過損傷を極力減らすことが可能となる。さらに、供給水中に含まれる無機物や有機物等のファウラントが流路材に付着することを抑制することができる。エレメントを製造するために流路材と分離膜を積層して巻囲を行なう際、分離膜にシワが入りにくくなり、巻囲速度を向上させることも可能である。
(2−3)透過側流路材
(2−3−1)概要
透過側流路材として従来広く用いられているトリコットは編み物であり、立体的に交差した糸で構成されている。その他、図6や図7に示すように、シートと、上記シートに固着した複数の突起物とを有する流路材や凹凸成形したフィルムや不織布も透過側流路材として用いることが可能であり、この場合、流路材の高さと同じ厚みを有するトリコットが適用された場合よりも、流路は広くなるため、流動抵抗はより小さくなる。更に、流路表面の静的水接触角が125度以上であると、水が通過する際の動摩擦係数が小さくなり、流動抵抗は更に小さくなる。上記シートとしては、不織布、織物、フィルム等が挙げられる。透過側流路材は隣り合う2枚の分離膜の透過側の面の間に配置され、封筒状膜の内側、つまり向かい合う分離膜の透過側の面の間には、透過側流路が形成される。
(2−3−2)透過側流路材の構成成分
(2−2−2)で述べた供給側流路材の構成成分と同様である。
(2−3−3)透過側流路材の形態
本発明のスパイラル型分離膜エレメントには、分離膜の透過側面に透過側流路材が配置される。透過側流路材は、透過側流路の流動抵抗を低減し、かつ加圧ろ過下においても流路を安定に形成させる点では、透過側流路材の横断面積比が0.4以上0.9以下である。本範囲の横断面積比を有する透過側流路材であればその種類は限定されず、従来のトリコットを流路が広がるように厚くした緯編物や繊維の目付量を低減した緯編物、不織布のような多孔性シートに突起物を配置したり、フィルムや不織布を凹凸加工した凹凸シートを用いることができる。
ここで、透過側流路材の横断面積比について説明する。透過側流路材をスパイラル型分離膜エレメントに装填した際、集水管の長手方向と平行な方向に沿って透過側流路材の凸部を通るように切断し、その断面について、凸部の中心と隣接する凸部の中心の距離(ピッチとも言う)と透過側流路材の高さの積に対する、凸部の中心と隣接する凸部の中心との間に占める透過側流路材の横断面積との比が横断面積比である。
透過側流路材の厚みは、0.1mm以上1mmであることが好ましい。厚みの測定は、電磁式、超音波式、磁力式、光透過式等さまざまな方式のフィルム膜厚測定器が市販されているが、非接触のものであればいずれの方式でもよい。ランダムに10箇所で測定を行いその平均値で評価する。0.1mm以上であることで透過側流路材としての強度を備え、応力が負荷されても透過側流路材の潰れや破れを引き起こすこと無く取り扱うことができる。また、厚みが1mm以下で集水管への巻囲性を損なうことなく、エレメント内に挿入できる分離膜や流路材数を増加させることができる。
シートと、上記シートに固着した複数の突起物とを有する流路材の突起物の形状としては、例えば、半球状、錐状(円錐状、角錐状を含む)、柱状(円柱状、角柱状等を含む)、または壁状等が挙げられる。すなわち、突起物の平面形状(シート本体の面方向に平行な方向の形状)としては、具体的には、円形状(楕円および真円を含む)、線状が挙げられる。また、シートの厚み方向における突起物の断面形状としては、半球状、矩形状等が挙げられる。1枚のシート上に設けられた、線状または壁状の複数の流路材は、互いに交差しないように配置されていればよく、例えば、互いに平行に配置されてもよい。
また、フィルムを、エンボス加工やインプリント加工により凹凸成形したシートを透過側流路材としてもよい。この場合、凹凸成形したシートの表面に、ロータス効果を発現するように5μm以下の厚みを持つ微細突起を数密度が20個/mm以上1000個/mm以下になるように配置することで、凹凸シート状物に撥水性を付与できる。
微細突起の厚みとは、ある1つの凸部分に着目した際、隣接する凹部分の一番深い箇所を基準とした、上記凸部分の高さのことを表わす。
微細突起の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)、TEMトモグラフィー、集束イオンビーム/走査型電子顕微鏡(FIB/SEM)等の観察手法を用いて凹凸シート状物サンプルをCDに切断し、その断面観察により測定できる。例えば走査型電子顕微鏡で観察するのであれば、サンプルに白金または白金−パラジウムまたは四酸化ルテニウム、好ましくは四酸化ルテニウムを薄くコーティングして3〜6kVの加速電圧で高分解能電界放射型走査電子顕微鏡(UHR−FE−SEM)を用いて観察する。高分解能電界放射型走査電子顕微鏡は、日立製S−900型電子顕微鏡などが使用できる。観察倍率は200〜2,000倍が好ましく、得られた電子顕微鏡写真から観察倍率を考慮して微細突起の厚みをスケールなどで直接測定することができる。なお、凹凸シート状物の微細突起の形状は、特に限定されない。
上記数密度は、シート平面を上から見た際、任意の1mm当たりに存在する、厚みが5μm以下の微細突起数を測定することによって得られる。
凹凸シート状物は、透過側流路材として隣り合う2枚の分離膜の透過側の面の間に配置されるが、フィルム自体に透水性は無いため、2枚の分離膜からの透過水を透過側流路へと導くには、フィルムに貫通孔を設ける必要がある。キーエンス製3次元レーザマーカなどを用いて、凹凸インプリントシートの非凹凸面から、凹凸における凹部対してレーザ加工することで貫通孔を得ることができる。凹凸シート状物に貫通孔が設けられる位置は、本発明の効果が発現するように調整できる。これは、分離膜エレメントの大きさや運転条件により、処理される水量が異なるためであり、処理される水が多いほど貫通孔は多く必要となる。ただし、貫通孔は凹凸シート状物の全面に均等に設ける必要はない。
貫通孔のパターンの目安としては、凹凸シート状物を装填した分離膜エレメントを運転させる条件において、凹凸シート状物の平面方向における圧力損失を算出または測定し、例えばハーゲン・ポアズイユ式により算出される貫通孔の圧力損失が10kPa以下となるように貫通孔の平面形状における径やピッチを決定することができる。
例として、図3〜図5に示す透過側流路材41〜43はいずれも断面形状が異なる。すなわち、図3の突起物401の断面は、上部が丸く、下部が矩形である。図4の突起物402の断面は台形である。図5の突起物403の断面は長方形である。
図6および図7に示す透過側流路材44および45は、それぞれ、円形のドット状の突起物404、壁状の突起物405を備える。図3〜図5の断面は、図6および図7の形態のいずれに適用されてもよい。
シートと、上記シートに固着した複数の突起物とを有する流路材は圧力が付与されたときでも、透過側流路を安定に形成できるだけでなく、従来のトリコットよりも流動抵抗が少なく、高効率な流路を形成することができる。
また、シートと、上記シートに固着した複数の突起物とを有する流路材の突起物は、少なくともエレメントの幅方向に不連続であることが好ましい。長さ方向に関しては不連続でも連続でもよいが、連続の場合は加圧ろ過時の複合分離膜の膜落込みを抑制できるため好ましい。また、「不連続」の定義については、供給側の流路材について説明したとおりである。
透過側流路の流動抵抗は、透過側流路材が設ける流路の長さに比例するため、上記長さが長いほうが本発明による造水量向上効果を受けやすい。具体的には、上記長さは500mm以上が好ましく、1000mm以上がさらに好ましい。
(2−3−4)透過側流路材の効果
透過側流路材の表面に露出している部分は、静的水接触角が125度以上である。このような極めて高い撥水性を示す透過側流路表面特性により、透過水の透過側流路に対する動摩擦係数が減り、透過側流動抵抗を抑制することができる。透過側流路の流動抵抗減は透過水の流速向上、つまりエレメント造水量の向上に繋がる。また、流路表面の低摩擦特性により、エレメントを製造するために流路材と分離膜を積層して巻囲を行なう際、分離膜にシワが入りにくくなり、巻囲速度を向上させることが可能となる。
〔3.分離膜〕
(3−1)概要
分離膜とは、分離膜表面に供給される流体中の成分を分離し、分離膜を透過した透過流体を得ることができる膜である。
このような分離膜の一例を図8に示す。図8に示すように、分離膜31は供給側の面17と透過側の面18とを備えている。
本発明において、分離膜の「供給側の面」とは、分離膜の2つの面のうち、被処理水が供給される側の表面を意味する。「透過側の面」とは、その逆側の面を意味する。分離膜が、図9に示すように、分離機能層15および基材16を備える場合は、一般的に、分離機能層側の面が供給側の面であり基材側の面が透過側の面である。
(3−2)分離機能層
分離機能層の厚さは具体的な数値に限定されないが、分離性能と透過性能の点で5nm以上3000nm以下であることが好ましい。特に逆浸透膜、正浸透膜、ナノろ過膜では5nm以上300nm以下であることが好ましい。
分離機能層の厚さは、通常の分離膜の膜厚測定法に準ずることができる。例えば、分離膜を樹脂により包埋し、それを切断することで超薄切片を作製し、得られた切片に染色などの処理を行う。その後、透過型電子顕微鏡により観察することで、厚さの測定が可能である。また、分離機能層がひだ構造を有する場合、多孔性支持層より上に位置するひだ構造の断面長さ方向に50nm間隔で測定し、ひだの数を20個測定し、その平均から求めることができる。
分離機能層は、分離機能および支持機能の両方を有する層であってもよいし、分離機能のみを備えていてもよい。なお、「分離機能層」とは、少なくとも分離機能を備える層を指す。
分離機能層が分離機能および支持機能の両方を有する場合、分離機能層としては、セルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルホン、またはポリスルホンを主成分として含有する層が好ましく適用される。
なお、本明細書において、「XがYを主成分として含有する」とは、XにおけるYの含有率が、50質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、または95質量%以上である場合を意味する。また、Yに該当する複数の成分が存在する場合は、それら複数の成分の合計量が、上述の範囲を満たせばよい。
一方、多孔性支持層で支持される分離機能層としては、孔径制御が容易であり、かつ耐久性に優れるという点で架橋高分子が好ましく使用される。特に、供給水中の成分の分離性能に優れるという点で、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合させてなるポリアミド分離機能層、有機無機ハイブリッド機能層などが好適に用いられる。これらの分離機能層は、多孔性支持層上でモノマーを重縮合することによって形成可能である。
例えば、分離機能層は、ポリアミドを主成分として含有することができる。このような分離膜は、公知の方法により、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを界面重縮合することで形成される。例えば、多孔性支持層に多官能アミン水溶液を塗布し、余分なアミン水溶液をエアーナイフなどで除去し、その後、多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液を塗布することで、ポリアミド分離機能層が得られる。
また、分離機能層は、Si元素などを有する有機−無機ハイブリッド構造を有してもよい。有機無機ハイブリッド構造を有する分離機能層は、例えば、以下の化合物(A)、(B)を含有することができる:
(A)エチレン性不飽和基を有する反応性基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合したケイ素化合物、ならびに
(B)上記化合物(A)以外の化合物であってエチレン性不飽和基を有する化合物。
具体的には、分離機能層は、化合物(A)の加水分解性基の縮合物ならびに化合物(A)および/または(B)のエチレン性不飽和基の重合物を含有してもよい。すなわち、分離機能層は、
・化合物(A)のみが縮合および/または重合することで形成された重合物、
・化合物(B)のみが重合して形成された重合物、並びに
・化合物(A)と化合物(B)との共重合物
のうちの少なくとも1種の重合物を含有することができる。なお、重合物には縮合物が含まれる。また、化合物(A)と化合物(B)との共重合物中で、化合物(A)は加水分解性基を介して縮合していてもよい。
ハイブリッド構造は、公知の方法で形成可能である。ハイブリッド構造の形成方法の一例は次のとおりである。化合物(A)および化合物(B)を含有する反応液を多孔性支持層に塗布する。余分な反応液を除去した後、加水分解性基を縮合させるためには、加熱処理すればよい。化合物(A)および化合物(B)のエチレン性不飽和基の重合方法としては、熱処理、電磁波照射、電子線照射、プラズマ照射を行えばよい。重合速度を速める目的で分離機能層形成の際に重合開始剤、重合促進剤等を添加することができる。
なお、いずれの分離機能層についても、使用前に、例えばアルコール含有水溶液、アルカリ水溶液によって分離膜の表面を親水化させてもよい。
(3−3)多孔性支持層
多孔性支持層は、分離機能層を支持する層であり、多孔性樹脂層とも言い換えられる。
多孔性支持層に使用される材料やその形状は特に限定されないが、例えば、多孔性樹脂によって基板上に形成されてもよい。多孔性支持層としては、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂あるいはそれらを混合、積層したものが使用され、化学的、機械的、熱的に安定性が高く、孔径が制御しやすいポリスルホンを使用することが好ましい。
多孔性支持層は、分離膜に機械的強度を与え、かつイオン等の分子サイズの小さな成分に対して分離機能層のような分離性能を有さない。多孔性支持層の有する孔のサイズおよび孔の分布は特に限定されないが、例えば、多孔性支持層は、均一で微細な孔を有してもよいし、あるいは分離機能層が形成される側の表面からもう一方の面にかけて径が徐々に大きくなるような孔径の分布を有してもよい。また、いずれの場合でも、分離機能層が形成される側の表面で原子間力顕微鏡または電子顕微鏡などを用いて測定された細孔の投影面積円相当径は、1nm以上100nm以下であることが好ましい。特に界面重合反応性および分離機能層の保持性の点で、多孔性支持層において分離機能層が形成される側の表面における孔は、3nm以上50nm以下の投影面積円相当径を有することが好ましい。
多孔性支持層の厚さは特に限定されないが、分離膜に強度を与えるため等の理由から、20μm以上500μm以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは30μm以上300μm以下である。
多孔性支持層の形態は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡により観察できる。例えば走査型電子顕微鏡で観察するのであれば、基材から多孔性支持層を剥がした後、これを凍結割断法で切断して断面観察のサンプルとする。このサンプルに白金、白金−パラジウムまたは四塩化ルテニウム、好ましくは四塩化ルテニウムを薄くコーティングして3kV〜6kVの加速電圧で、高分解能電界放射型走査電子顕微鏡(UHR−FE−SEM)で観察する。高分解能電界放射型走査電子顕微鏡は、日立製S−900型電子顕微鏡などが使用できる。得られた電子顕微鏡写真に基づいて、多孔性支持層の膜厚、表面の投影面積円相当径を測定することができる。
多孔性支持層の厚さおよび孔径は、平均値であり、多孔性支持層の厚さは、断面観察で厚さ方向に直交する方向に20μm間隔で測定し、20点測定の平均値である。また、孔径は、200個の孔について測定された、各投影面積円相当径の平均値である。
次に、多孔性支持層の形成方法について説明する。多孔性支持層は、例えば、上記ポリスルホンのN,N−ジメチルホルムアミド(以降、「DMF」と記載)溶液を、後述する基材、例えば密に織ったポリエステル布あるいは不織布の上に一定の厚さに注型し、それを水中で湿式凝固させることによって、製造することができる。
多孔性支持層は、”オフィス・オブ・セイリーン・ウォーター・リサーチ・アンド・ディベロップメント・プログレス・レポート”No.359(1968)に記載された方法に従って形成することができる。なお、所望の形態を得るために、ポリマー濃度、溶媒の温度、貧溶媒は調整可能である。
例えば、所定量のポリスルホンをDMFに溶解し、所定濃度のポリスルホン樹脂溶液を調製する。次いで、このポリスルホン樹脂溶液をポリエステル布あるいは不織布からなる基材上に略一定の厚さに塗布した後、一定時間空気中で表面の溶媒を除去した後、凝固液中でポリスルホンを凝固させることによって多孔性支持層得ることができる。
(3−4)基材
分離膜の強度、寸法安定性等の観点から、分離膜は基材を有することができる。基材としては、強度、凹凸形成能および流体透過性の点で繊維状基材を用いることが好ましい。
基材としては、長繊維不織布および短繊維不織布のいずれも好ましく用いることができる。特に、長繊維不織布は、優れた製膜性を有するので、高分子重合体の溶液を流延した際に、その溶液が過浸透により裏抜けすること、多孔性支持層が剥離すること、さらには基材の毛羽立ち等により分離膜が不均一化すること、およびピンホール等の欠点が生じることを抑制できる。また、基材が熱可塑性連続フィラメントより構成される長繊維不織布からなることにより、短繊維不織布と比べて、高分子溶液流延時に繊維の毛羽立ちによって起きる膜の不均一化および膜欠点の発生を抑制することができる。さらに、分離膜は、連続製膜されるときに、製膜方向に対し張力がかけられるので、寸法安定性に優れる長繊維不織布を基材として用いることが好ましい。
長繊維不織布は、成形性、強度の点で、多孔性支持層とは反対側の表層における繊維が、多孔性支持層側の表層の繊維よりも縦配向であることが好ましい。そのような構造によれば、強度を保つことで膜破れ等を防ぐ高い効果が実現される。
より具体的には、長繊維不織布の、多孔性支持層とは反対側の表層における繊維配向度は、0°以上25°以下であることが好ましく、また、多孔性支持層側表層における繊維配向度との配向度差が10°以上90°以下であることが好ましい。
分離膜の製造工程や分離膜エレメントの製造工程においては加熱する工程が含まれるが、加熱により多孔性支持層または分離機能層が収縮する現象が起きる。特に連続製膜において張力が付与されていない幅方向において、収縮は顕著である。収縮することにより、寸法安定性等に問題が生じるため、基材としては熱寸法変化率が小さいものが望まれる。不織布において多孔性支持層とは反対側の表層における繊維配向度と多孔性支持層側表層における繊維配向度との差が10°以上90°以下であると、熱による幅方向の変化を抑制することもでき、好ましい。
ここで、繊維配向度とは、多孔性支持層を構成する不織布基材の繊維の向きを示す指標である。具体的には、繊維配向度とは、連続製膜を行う際の製膜方向、つまり不織布基材の長手方向と、不織布基材を構成する繊維の長手方向との間の角度の平均値である。つまり、繊維の長手方向が製膜方向と平行であれば、繊維配向度は0°である。また、繊維の長手方向が製膜方向に直角であれば、すなわち不織布基材の幅方向に平行であれば、その繊維の配向度は90°である。よって、繊維配向度が0°に近いほど縦配向であり、90°に近いほど横配向であることを示す。
繊維配向度は以下のように測定される。まず、不織布からランダムに小片サンプル10個を採取する。次に、そのサンプルの表面を走査型電子顕微鏡で100〜1000倍で撮影する。撮影像の中で、各サンプルあたり10本の繊維を選び、不織布の長手方向を0°としたときの、繊維の長手方向の角度を測定する。ここで、不織布の長手方向とは、不織布製造時の“Machine direction”を指す。
こうして、1枚の不織布あたり計100本の繊維について、角度の測定が行われる。こうして測定された100本の繊維について、長手方向の角度から平均値を算出する。得られた平均値の小数点以下第一位を四捨五入して得られる値が、繊維配向度である。
基材の厚さは、基材と多孔性支持層との厚さの合計は、30μm以上300μm以下の範囲内、または50μm以上250μm以下の範囲内にあるように、基材の厚さが選択されることが好ましい。
〔4.分離膜エレメントの製造方法〕
分離膜エレメントの製造には、従来のエレメント製作装置を用いることができる。また、エレメント作製方法としては、参考文献(特公昭44−14216、特公平4−11928、特開平11−226366)に記載される方法を用いることができる。詳細には以下の通りである。
(4−1)流路材の表面処理
流路材の表面高撥水化には、参考文献(特開昭63−35632)に記載される低温プラズマ処理法を用いることができる。詳細には以下の通りである。
シート状の流路材を一定真空度まで排気した真空系内に、フッ素系ガス(例えば、テトラフルオロエチレン(TFE、C)、ヘキサフルオロプロペン(HFP、C)、ペルフルオロ−(2−トリフルオロメチル−)ペンテン、ペルフルオロ−(2−メチルペント−2−エン)またはそのトリマー)1種以上を1分間以上導入し、真空度を0.01〜5.0Torr、放電出力を0.5〜10W/cm、処理時間を5〜600秒として放電を行ない、かつ被処理構造物が放電電極の一方に接触して移動することで、本書の目的の流路材が得られる。
(4−2)透過側流路材の製造
シートと、上記シートに固着した複数の突起物とを有する流路材を製造する場合、例えば、柔らかな材料をシート上に配置する工程と、それを硬化する工程とを備える。突起物の配置には、紫外線硬化樹脂、化学重合、ホットメルト、乾燥等が利用される。特に、ホットメルトは好ましく用いられ、具体的には、熱により樹脂等の材料を軟化する(つまり熱溶融する)工程、軟化した材料をシート上に配置する工程、この材料を冷却により硬化することでシート上に固着させる工程を含む。
突起物を配置する方法としては、例えば、塗布、印刷、噴霧等が挙げられる。また、使用される機材としては、ノズル型のホットメルトアプリケーター、スプレー型のホットメルトアプリケーター、フラットノズル型のホットメルトアプリケーター、ロール型コーター、押出型コーター、印刷機、噴霧器などが挙げられる。また、凹凸を有するシートの場合は、(2−3−3)に記載したようにフィルムや不織布をエンボス加工やインプリント加工により得ることができる。
流路材の表面高撥水化は(4−1)に記載の方法で実施する。
(4−3)分離膜の製造
分離膜の製造方法については上述したが、簡単にまとめると以下のとおりである。
良溶媒に樹脂を溶解し、得られた樹脂溶液を基材にキャストして純水中に浸漬して多孔性支持層と基材を複合させる。その後、上述したように、多孔性支持層上に分離機能層を形成する。さらに、必要に応じて分離性能、透過性能を高めるべく、塩素、酸、アルカリ、亜硝酸などの化学処理を施し、さらにモノマー等を洗浄し分離膜の連続シートを作製する。
(4−4)流路の形成
供給側流路材が、ネット等の連続的に形成された部材である場合は、分離膜と供給側流路材とを重ね合わせることで、供給側流路を形成することができる。同様に、分離膜と透過側流路材とを重ね合わせることで、透過側流路を形成することができる。
(4−5)膜リーフの形成
膜リーフは、供給側の面が内側を向くように分離膜を折りたたむことで形成することされてもよいし、別々の2枚の分離膜を、供給側の面が向かい合うように貼り合わせることで形成されてもよい。
分離膜エレメントの製造方法は、分離膜の巻回方向における内側端部を、供給側の面において封止する工程を備えることが好ましい。封止する工程においては、2枚の分離膜を、互いの供給側の面が向かい合うように重ねる。さらに、重ねられた分離膜の巻回方向における内側端部を封止する。
「封止」する方法としては、接着剤またはホットメルトなどによる接着、加熱またはレーザなどによる融着、およびゴム製シートを挟みこむ方法が挙げられる。接着による封止は、最も簡便で効果が高いために特に好ましい。
このとき、重ねられた分離膜の内側に、分離膜とは別に形成された供給側流路材を配置する。
供給側の面の封止と透過側の面の封止(封筒状膜の形成)とは、どちらかが先に行われてもよいし、分離膜を重ねながら、供給側の面の封止と透過側の面の封止とを並行して行ってもよい。ただし、巻回時における分離膜でのシワの発生を抑制するためには、隣り合う分離膜が巻回によって長さ方向にずれることを許容するように、幅方向端部における接着剤またはホットメルトの固化等、つまり封筒状膜を形成するための固化等を、巻回の終了後に完了させることが好ましい。
(4−6)封筒状膜の形成
1枚の分離膜を透過側面が内側を向くように折り畳んで貼り合わせることで、または2枚の分離膜を透過側面が内側を向くように重ねて貼り合わせることで、封筒状膜を形成することができる。長方形状の封筒状膜においては、長さ方向の一端のみが開口するように、他の3辺を封止する。封止は、接着剤またはホットメルト等による接着、熱またはレーザによる融着等により実行できる。
封筒状膜の形成に用いられる接着剤は、粘度が40P以上150P以下の範囲内であることが好ましく、さらに50P以上120P以下がより好ましい。接着剤粘度が高すぎる場合には、積層した膜リーフを集水管に巻囲するときに、しわが発生し易くなる。しわは、分離膜エレメントの性能を損なうことがある。逆に、接着剤粘度が低すぎる場合には、膜リーフの端部から接着剤が流出して装置を汚すことがある。また、接着すべき部分以外に接着剤が付着すると、分離膜エレメントの性能が損なわれると共に、流出した接着剤の処理作業により作業効率が著しく低下する。
接着剤の塗布量は、膜リーフを集水管に巻囲した後に、接着剤が塗布される部分の幅が10mm以上100mm以下であるような量であることが好ましい。これによって、分離膜が確実に接着されるので、供給水の透過側への流入が抑制される。また、分離膜エレメントの有効膜面積も比較的大きく確保することができる。
接着剤としてはウレタン系接着剤が好ましく、粘度を40P以上150P以下の範囲とするには、主剤のイソシアネートと硬化剤のポリオールとを、イソシアネート/ポリオールの質量比率が1/5以上1以下となるように混合したものが好ましい。接着剤の粘度は、予め主剤、硬化剤単体、および配合割合を規定した混合物の粘度をB型粘度計(JIS K 6833)で測定したものである。
(4−7)分離膜の巻回
分離膜エレメントの製造には、従来のエレメント製作装置を用いることができる。また、エレメント作製方法としては、参考文献(日本国特公昭44−14216号公報、日本国特公平4−11928号公報、日本国特開平11−226366号公報)に記載される方法を用いることができる。詳細には以下の通りである。
集水管の周囲に分離膜を巻回するときは、分離膜を、膜リーフの閉じられた端部、つまり封筒状膜の閉口部分が集水管を向くように配置する。このような配置で集水管の周囲に分離膜を巻きつけることで、分離膜をスパイラル状に巻回する。
集水管にトリコットや基材のようなスペーサーを巻回しておくと、エレメント巻囲時に集水管へ塗布した接着剤が流動し難く、リークの抑制につながり、さらには集水管周辺の流路が安定に確保される。なお、スペーサーは集水管の円周より長く巻回しておけばよい。
(4−8)その他の工程
分離膜エレメントの製造方法は、上述のように形成された分離膜の巻回体の外側に、フィルムおよびフィラメント等をさらに巻きつけることを含んでいてもよいし、集水管の長手方向における分離膜の端を切りそろえるエッジカット、端板の取り付け等のさらなる工程を含んでいてもよい。
〔5.分離膜エレメントの利用〕
分離膜エレメントは、さらに、直列または並列に接続して圧力容器に収納されることで、分離膜モジュールとして使用されてもよい。
また、上記の分離膜エレメント、分離膜モジュールは、それらに流体を供給するポンプや、その流体を前処理する装置などと組み合わせて、流体分離装置を構成することができる。この分離装置を用いることにより、例えば供給水を飲料水などの透過水と分離膜を透過しなかった濃縮水とに分離して、目的にあった水を得ることができる。
流体分離装置の操作圧力は高い方が除去率は向上するが、運転に必要なエネルギーも増加すること、また、分離膜エレメントの供給流路、透過流路の保持性を考慮すると、膜モジュールに被処理水を透過する際の操作圧力は、0.5MPa以上10MPa以下が好ましい。供給水温度が高くなると塩除去率が低下するが、低くなるにしたがい膜透過流束も減少するので、5℃以上45℃以下が好ましい。また、供給水のpHが中性領域にある場合、供給水が海水などの高塩濃度の液体であっても、マグネシウムなどのスケールの発生が抑制され、また、分離膜の劣化も抑制される。
分離膜エレメントによって処理される流体は特に限定されないが、水処理に使用する場合、供給水としては、海水、かん水、排水等の500mg/L以上100g/L以下のTDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形分)を含有する液状混合物が挙げられる。一般に、TDSは総溶解固形分量を指し、「質量÷体積」で表されるが、1Lを1kgと見なして「質量比」で表されることもある。定義によれば、0.45μmのフィルターで濾過した溶液を39.5℃以上40.5℃以下の温度で蒸発させ残留物の重さから算出できるが、より簡便には実用塩分(S)から換算する。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(流路材の静的水接触角)
流路材を150mm×150mmの大きさに切り出し、協和界面科学株式会社製の全自動接触角計DM−901に切り出したサンプルを測定箇所が水平になるように設置した。温度25℃の雰囲気下、1.3μLの水滴を任意の20箇所に滴下し、それぞれの箇所において流路材の静的水接触角を測定した。
(緯編物による透過側流路材トリコットの作製)
緯編物は、ポリエチレンテレフタレートフィラメント(融点:255℃)にポリエチレンテレフタレート系低融点ポリエステルフィラメント(融点:235℃)を混繊してなるマルチフィラメント糸(48フィラメント、110デシテックス)を編糸として、天竺編の緯編組織(ゲージ(編機の単位長間にあるニードルの本数))を編成し、それを245℃で熱セット処理した後にカレンダ加工を施して透過側流路材トリコットを作製した。
なお、表中には本透過側流路材の形態を、Aと示した。
(不織布上に突起物を有する透過側流路材の作製)
スリット幅0.5mm、ピッチ0.9mmの櫛形シムを装填したアプリケーターを用いて、バックアップロールを20℃に温度調節しながら、スパイラル型分離膜エレメントとした場合に集水管の長手方向に対して垂直かつ封筒状膜とした場合に巻回方向の内側端部から外側端部まで集水管の長手方向に対して垂直になるよう直線状もしくは不連続状に、高結晶性PP(MFR1000g/10分、融点161℃)60質量%と低結晶性α−オレフィン系ポリマー(出光興産株式会社製;低立体規則性ポリプロピレン「L−MODU・S400」(商品名))40質量%からなる組成物ペレットを樹脂温度205℃、走行速度10m/minで直線状に不織布上に塗布した。不織布は厚み0.07mm、目付量が35g/m、エンボス柄(φ1mmの円形、ピッチ5mmの格子状)であった。
なお、表中には本透過側流路材の形態を、Bと示した。
(貫通孔を有するフィルムによる透過側流路材の作製)
無延伸ポリプロピレンフィルム(東レ製 トレファン)にインプリント加工およびCO2レーザ加工を施し、貫通孔を有する透過側流路材を得た。具体的には、互いに平行配置された溝(幅0.5mm、ピッチ0.9mm)を持ち、5μm以下の微細突起の数密度が100個/mmになるように切削加工した金属金型で無延伸ポリプロピレンフィルムを挟み込み、140℃/2分間/15MPaで保圧し、40℃で冷却後に金型から取り出した。
続いて、3D−Axis CO2レーザマーカ MLZ9500を用いて、凹凸インプリントシートの非凹凸面から、凹凸における凹部対してレーザ加工し貫通孔を得た。なお、貫通孔を各溝にピッチ2mmで設けた。
なお、表中には本透過側流路材の形態を、Cと示した。
(造水量)
作製した分離膜エレメントについて、温度25℃、pH7.0に調整した塩化ナトリウム水溶液(TDS濃度約200ppm)を操作圧力0.41MPaで供給して膜ろ過処理を30分行なった後に10分間のサンプリングを行い、1日あたりの透水量(立方メートル)を造水量(m/日)として表した。
(脱塩率(TDS除去率))
造水量の測定における10分間の運転で用いた供給水およびサンプリングした透過水について、TDS濃度を伝導率測定により求め、下記式からTDS除去率を算出した。
TDS除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/供給水中のTDS濃度)}
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布(繊度:1デシテックス、厚み:約90μm、通気度:1cc/cm/sec、密度0.80g/cm)上にポリスルホンの17.0質量%のDMF溶液を180μmの厚みで室温(25℃)にてキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置し、80℃の温水で1分間浸漬することによって繊維補強ポリスルホン支持膜からなる、多孔性支持層(厚さ130μm)ロールを作製した。
その後、多孔性支持層のポリスルホンからなる層の表面をm−PDAの2.2質量%水溶液中に2分間浸漬してから、垂直方向にゆっくりと引き上げた。さらに、エアーノズルから窒素を吹き付けることで、支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた。
その後、トリメシン酸クロリド0.08質量%を含むn−デカン溶液を、膜の表面が完全に濡れるように塗布してから、1分間静置した。その後、膜から余分な溶液をエアブローで除去し、80℃の熱水で1分間洗浄して、複合分離膜ロールを得た。
また、ポリプロピレン製ネット(厚み:700μm、ピッチ:3mm×3mm、繊維径:0.35mm、投影面積比:0.18)に対し、一定真空度まで排気した真空系内に、テトラフルオロエチレン(TFE、C)を1分間導入し、真空度を2.0Torr、放電出力を5W/cm、処理時間を500秒として放電を行なうプラズマ処理を施して供給側流路材を得た。
透過側流路材B(厚み:280μm、溝幅:400μm、畝幅:390μm、溝深さ:230μm)に対し、上記プラズマ処理を施した。
上記複合分離膜を、エレメントでの有効面積が0.45mになるように折り畳み断裁加工し、上記供給側流路材を挟み込み、次いで上記透過側流路材を積層して、254mmの幅を有する2枚の膜リーフを作製した。
こうして得られた膜リーフを集水管にスパイラル状に巻き付け、巻囲体を得た。巻囲体の外周にフィルムを巻き付け、テープで固定した後に、エッジカットおよび端板取りつけを行うことで、2インチエレメントを作製した。
このようにして得られた複合分離膜エレメントを圧力容器に入れて、25℃の純水を用いて運転圧力0.41MPa、ワンパス方式にて30分間通水することで複合分離膜エレメントの洗浄を行った。その後、200mg/L食塩水を用い、運転圧力0.41MPa、運転温度25.0℃、pH7で運転(回収率30%)したところ、造水量および脱塩率は0.43m3/dayおよび96.6%であった。
以下、特に言及しない条件については、実施例1と同様にして分離膜エレメントを作製した。
(実施例2)
膜リーフ数を1枚に変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(実施例3)
透過側流路材を上記プラズマ処理を施したトリコット(厚み:260μm、溝幅:200μm、畦幅:300μm、溝深さ:105μm)に変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(実施例4)
供給側流路材を上記プラズマ処理を施していないネットに変更し、透過側流路材に上記プラズマ処理を施したトリコットに変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(実施例5)
供給側流路材を上記プラズマ処理を施していないネットに変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(実施例6)
透過側流路材を上記プラズマ処理を施していないトリコットに変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(実施例7)
透過側流路材をポリプロピレン製突起物がポリエチレンテレフタレート製不織布上に固着された透過側流路材(上記プラズマ処理は施されていない)に変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(実施例8)
透過側流路材をポリプロピレン製突起物がポリエチレンテレフタレート製不織布上に固着された透過側流路材(上記プラズマ処理は施されていない)に変更し、膜リーフ数を1枚に変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(実施例9)
供給側流路材を上記プラズマ処理を施していないネットに変更し、透過側流路材をインプリント加工した凹凸シートに変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(実施例10)
透過側流路材をインプリント加工した凹凸シートに変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(実施例11)
供給側流路材と透過側流路材のプラズマ処理時間を600秒に変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(比較例1)
供給側流路材を上記プラズマ処理を施していないネットに変更し、透過側流路材を上記プラズマ処理を施していないトリコットに変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(比較例2)
供給側流路材を上記プラズマ処理を施していないネットに変更し、透過側流路材をポリプロピレン製突起物がポリエチレンテレフタレート製不織布上に固着された透過側流路材(上記プラズマ処理は施されていない)に変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(比較例3)
供給側流路材を上記プラズマ処理時間を50秒間施したネットに変更し、透過側流路材を上記プラズマ処理を施していないトリコットに変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(比較例4)
供給側流路材を上記プラズマ処理時間を50秒間施したネットに変更し、透過側流路材をポリプロピレン製突起物がポリエチレンテレフタレート製不織布上に固着された透過側流路材(上記プラズマ処理は施されていない)に変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(比較例5)
供給側流路材を上記プラズマ処理を施していないネットに変更し、透過側流路材を上記プラズマ処理を50秒間施したトリコットに変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(比較例6)
供給側流路材を上記プラズマ処理を施していないネットに変更し、透過側流路材を上記プラズマ処理を50秒間施した、ポリプロピレン製突起物がポリエチレンテレフタレート製不織布上に固着された透過側流路材に変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
(比較例7)
供給側流路材を上記プラズマ処理を施していないネットに変更し、透過側流路材をポリプロピレン製突起物がポリエチレンテレフタレート製不織布上に固着された透過側流路材(上記プラズマ処理は施されていない)に変更し、膜リーフ数を1枚に変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。分離膜エレメントを圧力容器に入れて、造水量、TDS除去率を評価したところ表1に示す値であった。
Figure 2018023971
本発明の膜エレメントは、特に、かん水や海水の脱塩に好適に用いることができる。
1 分離膜エレメント
2 供給側流路材
21、22 繊維状物
3、31、32 分離膜
4、41〜45 透過側流路材
40 透過側流路材に用いられるシート
401〜405 透過側流路材に設けられた突起物
5 封筒状膜
6 集水管
7 供給水(被処理水)
8 透過水
9 濃縮水
11、15 分離機能層
12 多孔性支持層
13、16 基材
17 供給側の面
18 透過側の面

Claims (10)

  1. 静的水接触角が125度以上の表面を持つ流路材。
  2. 静的水接触角が125度以上の表面が全表面積の80%以上を占める、
    請求項1または2に記載の流路材。
  3. 表面の構成元素としてフッ素が存在していることを特徴とした、
    請求項1に記載の流路材。
  4. 分離膜エレメントに用いられる請求項1〜3のいずれかに記載の流路材。
  5. 前記分離膜エレメントがスパイラル型である請求項4に記載の流路材。
  6. 集水管と、供給側の面と透過側の面とを備える分離膜本体と、供給側流路材と、透過側流路材とを備える分離膜エレメントであって、
    請求項1〜3のいずれかに記載の流路材を前記供給側流路材および前記透過側流路材の少なくともいずれかに用いた分離膜エレメント。
  7. 前記分離膜本体の前記透過側の面に対向するように設けられ、シートおよび前記シート上に固着された複数の突起物を有する透過側流路材を備える、
    請求項6に記載の分離膜エレメント。
  8. 前記突起物は、集水管の長手方向に対して垂直方向に連続していることを特徴とする、
    請求項6または7に記載の分離膜エレメント。
  9. 前記透過側流路材は、厚み方向への貫通孔による開孔領域と、それ以外の非開孔領域を含み、前記非開孔領域は微細突起を複数含む、
    請求項6に記載の分離膜エレメント。
  10. 前記微細突起は厚み5μm以下であり、かつ数密度が20個/mm以上1000個/mm以下である、
    請求項9に記載の分離膜エレメント。
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