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JP2018016991A - 下枠および建具 - Google Patents

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JP2018016991A JP2016147133A JP2016147133A JP2018016991A JP 2018016991 A JP2018016991 A JP 2018016991A JP 2016147133 A JP2016147133 A JP 2016147133A JP 2016147133 A JP2016147133 A JP 2016147133A JP 2018016991 A JP2018016991 A JP 2018016991A
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Abstract

【課題】下枠の垂れ下がりを防止でき、躯体側への漏水も防止できる下枠および建具の提供。【解決手段】下枠20は、合成樹脂製であり、上面部23、下面部24、屋外面部25、屋内面部26で囲まれた中空部200を有する。中空部200内に、上面部23に沿って配置された第1補強材60と、支点部247を介して屋外側端部711が上下方向に揺動可能に支持された第2補強材70とを配置する。第1補強材60には、上面部23に形成された穴231Bから調整ネジ85がねじ込まれている。調整ネジ85の先端は、第2補強材70の支点部247よりも屋内側の部分に当接している。第2補強材70の支点部247よりも屋外側の部分は、第1補強材60の下面に当接し、第1補強材60は、上面部23に当接している。【選択図】図3

Description

本発明は、合成樹脂製の下枠およびこの下枠を用いた建具に関する。
建具枠に障子を開閉可能に設けた引違い窓等の建具において、建具枠の一部が躯体よりも室外側に配置された半外付けタイプの建具が知られている。
このような建具において、断熱性能を向上させるために、建具枠の各枠を合成樹脂材で形成した場合に、下枠が障子の重量によって垂れ下がることがある。このため、下枠の中空部内に、金属製の補強材を配置したものが知られている(例えば特許文献1の図3)。
特許文献1の図3には、合成樹脂製の下枠が開示され、外レールおよび内レール間に設けられた中空部に金属製の補強材が配置されている。補強材は、下枠の左右両端の開口から中空部内に挿入するため、中空部よりも一回り小さく形成され、中空部内に配置しただけでは、補強材と中空部との間にクリアランス(隙間)が生じる。クリアランスが生じると、クリアランス分だけ下枠が下がってしまう。
このため、特許文献1の図3の構造では、下枠の下面側からネジをねじ込み、補強材の屋内側を下方に引き込み、屋外側を上方に移動して中空部の上面に当接させることで、クリアランスの発生を防止することができる。
ところで、引違い窓では、外レールおよび内レール間には雨水が吹き込むため、レール間から下枠内を通して下枠外に排水する排水経路を設ける必要がある。この際、特許文献1では、下枠の下面側からネジをねじ込んでいるため、補強材が配置された中空部内に水が浸入すると、ネジ部分から躯体側に水が漏水する虞がある。また、ネジ部分からの漏水を防止するために止水処理を行うと、施工作業が煩雑になる。
このため、特許文献1では、補強材が配置される中空部の屋外面部を、外レールよりも屋内側に配置し、屋外面部の外側に排水経路を形成できる構造としていた。
特開2015−10411号公報
しかしながら、特許文献1の図3の構造では、補強材が外レールの下方に配置されていないため、外レールに加わる外障子の荷重を補強材で支持することができず、下枠の垂れ下がりを十分に防止できないという課題がある。
本発明は、下枠の垂れ下がりを防止でき、躯体側への漏水も防止できる下枠および建具を提供することにある。
本発明は、合成樹脂製の下枠であって、上面部、下面部、屋外面部、屋内面部で囲まれた中空部を有し、前記中空部内には、前記上面部に沿って配置された第1補強材と、前記第1補強材の下方に配置された第2補強材とが設けられ、前記第2補強材は、支点部を介して屋外側端部が上下方向に揺動可能に支持されており、前記第1補強材には、前記上面部に形成された穴から調整ネジがねじ込まれており、前記調整ネジの先端は、前記第2補強材の前記支点部よりも屋内側の部分に当接され、前記第2補強材の前記支点部よりも屋外側の部分は、前記第1補強材の下面に当接され、前記第1補強材は、前記上面部に当接されていることを特徴とする。
本発明によれば、第2補強材は支点部によって揺動自在に支持されているため、第2補強材の支点部よりも屋内側の位置に調整ネジの先端を当接させて、第2補強材の屋内側端部を下方に移動すると、第2補強材の屋外側端部は上方に移動し、第1補強材の下面に当接する。このため、第1補強材は、下枠の中空部の上面部側に押し付けられる。したがって、上面部および第1補強材はクリアランス無く当接し、第1補強材および第2補強材はクリアランス無く当接し、第2補強材および下面部は支点部においてクリアランス無く当接する。したがって、下枠の中空部内で、下枠、第1補強材、第2補強材の間にはクリアランスが生じないため、クリアランスが存在することによる下枠の垂れ下がりを防止できる。
また、調整ネジは、中空部の上面部から第1補強材にねじ込まれており、下面部を貫通するネジは設けられていないため、中空部を排水経路とした場合に躯体側に漏水が生じることがなく、止水処理を行う必要もないため、施工作業も容易になる。さらに、中空部を排水経路に利用できるため、引違い窓の下枠のように外レールおよび内レールを設けた場合に外レールの位置から内レールの位置まで中空部を形成して第1補強材を配置することができ、各レールに加わる障子の荷重を、第1補強材、第2補強材を介して支持できる。
本発明の下枠において、前記下面部は、前記下枠が取り付けられる躯体の上面に載置される載置部を有し、前記支点部は、前記載置部に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、支点部が形成された載置部は、躯体の上面に載置されているので、支点部に加わる荷重を、載置部を介して躯体で支持することができる。このため、支点部が躯体よりも屋外側に設けられている場合に比べて、下枠自体で支持する荷重が小さくなり、下枠の変形等を防止できる。
本発明の下枠において、前記第1補強材は、前記上面部からねじ込まれた固定ネジによって前記上面部に当接されていることが好ましい。
本発明によれば、固定ネジで第1補強材を上面部側に引き寄せることができるので、中空部内に第2補強材を配置する際に、第1補強材が障害となることがなく、第2補強材を容易に配置することができる。また、固定ネジによって第1補強材が下枠の中空部内を移動することも規制でき、中空部内に第2補強材を配置する際に、作業者が第1補強材の移動を規制する必要もない。したがって、下枠の組立作業性を向上できる。
本発明の下枠において、前記屋外面部および前記屋内面部には、前記中空部内に突出されたガイド片がそれぞれ形成され、前記第1補強材の屋外側端部および屋内側端部は、前記上面部と前記ガイド片との間の凹部に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、下枠の上面部とガイド片との間の凹部に第1補強材の屋内外の端部を配置しているので、固定ネジを用いずに、第1補強材を上面部に沿って配置することができる。また、固定ネジを用いる場合も、予め第1補強材を上面部に沿って配置された状態からねじ込むことができ、作業性を向上できる。
本発明の下枠において、前記上面部には、障子を案内する外レールおよび内レールが設けられ、前記支点部の見込み方向の位置は、前記外レールと前記内レールとの間であることが好ましい。
本発明によれば、外レールに加わる外障子の荷重は、第1補強材を介して、第2補強材の支点部よりも屋外側の部分に加わる。内レールに加わる内障子の荷重は、第1補強材から調整ネジを介して、第2補強材の支点部よりも屋内側の部分に加わる。このため、外障子によって第1補強材から第2補強材に加わる荷重と、内障子によって第1補強材から調整ネジを介して第2補強材に加わる荷重とを対抗させることができ、調整ネジが浮き上がることもなく、下枠の垂れ下がりを確実に防止できる。
本発明の建具は、前記下枠と、上枠と、左右の縦枠とを備えた建具枠と、前記建具枠内に設けられた障子とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、前記下枠を備えているので、半外付けの建具においても、下枠の垂れ下がりを防止でき、躯体側への漏水を防止できる。
本発明の下枠および建具によれば、下枠の垂れ下がりを防止でき、躯体側への漏水も防止できる。
本発明の実施形態に係る引違い窓の内観姿図。 前記引違い窓の縦断面図。 前記引違い窓の下枠の縦断面図。 前記引違い窓の下枠の垂れ下がり調整前の状態を示す縦断面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態は、図1、2に示すように、引違い窓1を樹脂製建具として構成したものである。引違い窓1は、建具枠である窓枠2と、外障子3および内障子4とを備えて構成されている。なお、図2においては、図を見やすくするためにハッチングを省略している。
窓枠2は、上枠10、下枠20および左右の縦枠30,40を備えて構成される。窓枠2は、建物の開口部に配置されて建物の躯体6に固定されている。
なお、以下の説明において、引違い窓1の屋内外方向を見込み方向とし、図1における引違い窓1の左右方向(外障子3、内障子4の移動方向)を、上枠10、下枠20の長手方向とする。
上枠10、下枠20、縦枠30、40は、合成樹脂製の押出形材で構成された樹脂枠である。
上枠10および下枠20には、屋外側の外障子3を案内する外レール11、21と、屋内側の内障子4を案内する内レール12、22とが形成されている。
外障子3、内障子4は、合成樹脂製の框材を枠組みして複層ガラスを保持した公知の障子であるため、説明を省略する。
[下枠]
次に、本発明の特徴である下枠20について、図2および下枠20を拡大した図3、4を参照して説明する。なお、図3、4では、断面部分をハッチングで示している。また、図3は、下枠20の垂れ下がりの調整後の状態を示し、図4はその調整前の状態を示す。
下枠20は、外レール21と、内レール22と、上面部23と、下面部24と、屋外面部25と、屋内面部26と、屋外見付け面部27と、屋内見付け面部28と、取付片部29とを備えて構成されている。
下枠20には、前記上面部23と、屋外面部25と、下面部24と、屋内面部26とで囲まれた中空部200が形成されている。
外レール21、内レール22は、上面部23から上方に突設されており、それぞれ屋外面部211、221と、屋内面部212、222と、連結片部213、223とを備えている。
屋外面部211、221と、屋内面部212、222の上端側は、連結片部213、223よりも上方に延長されている。屋外面部211、221の上端部は、屋内側に突出し、屋内面部212、222の上端部は、屋外側に突出している。このため、外レール21および内レール22の上部には、上面側が開口する溝部214、224が形成されている。溝部214、224には、金属製のレール部材215、225が嵌合されている。
上面部23は、外レール21の屋内面部212と、内レール22の屋外面部221間に設けられた第1上面部231と、外レール21の屋外面部211および屋内面部212間に設けられた第2上面部232と、内レール22の屋外面部221および屋内面部222間に設けられた第3上面部233と、外レール21の屋外面部211と屋外見付け面部27との間に設けられた第4上面部234と、内レール22の屋内面部222と屋内見付け面部28との間に設けられた第5上面部235とを備えている。
第1上面部231および第4上面部234は、屋外側に向かって低くなるように傾斜されて所定の水勾配が設定されている。
第2上面部232および第3上面部233の厚さ寸法は、第1上面部231、第4上面部234、第5上面部235の厚さ寸法よりも小さくされている。
屋外面部25および屋内面部26は、上面部23および下面部24間に設けられている。屋外面部25は、外レール21の屋外面部211の下方の位置から連続して形成され、屋内面部26は、内レール22の屋内面部222の下方の位置から連続して形成されている。すなわち、下枠20の見込み方向において、屋外面部211と屋外面部25とは同じ位置に配置され、屋内面部222と屋内面部26とは同じ位置に配置されている。
屋外面部25の屋内面には、ガイド片251が中空部200側(屋内側)に突設されている。屋内面部26の屋外面には、ガイド片261が中空部200側(屋外側)に突設されている。
屋外見付け面部27は、上面部23および下面部24の屋外側端部間を連結しており、さらに、上面部23よりも上方に突出した網戸レール部271を備えている。
取付片部29は、下面部24において、見込み方向の位置が外レール21および内レール22間となる中間位置から下方に突設されている。取付片部29は、図2に示すように、躯体6の屋外面に当接されてネジ51で躯体6に固定されている。
下面部24は、図3に示すように、屋外面部25と取付片部29との間に設けられた第1下面部241と、第1下面部241の屋内端部から上方に突出された第2下面部242と、第2下面部242の上端と屋内面部26との間に設けられた第3下面部243と、屋外面部25と屋外見付け面部27との間に設けられた第4下面部244と、屋内面部26と屋内見付け面部28との間に設けられた第5下面部245とを備えている。
第3下面部243の屋外側端部近傍には、上方に突出し、下枠20の長手方向の全長に渡って形成された突条部からなる支点部247が設けられている。支点部247の見込み方向の位置は、外レール21および内レール22の間に設定されている。
図2に示すように、第3下面部243および第5下面部245は、躯体6の上面に載置されているため、載置部を構成する。
屋内見付け面部28は、図3に示すように、上面部23および下面部24の屋内側端部間を連結する連結片部281と、上面部23の屋内側端部から上方に突出する第1突出片282と、第1突出片282の屋外側に平行に配置された第2突出片283と、第2突出片283および第1突出片282の上端間を連結し、さらに屋内側に突出された被覆部284と、連結片部281の下端部から屋内側に突出された取付片部285とを備えている。
取付片部285には、図2、3に示すように、躯体6にねじ込まれるネジ52が挿通され、被覆部284には、額縁7にねじ込まれるネジ53が挿通されている。
中空部200内には、第1補強材60と第2補強材70とが配置されている。
第1補強材60は、金属製の板材であり、下枠20の長手方向の略全長に渡って配置されている。第1補強材60は、第1上面部231、第2上面部232、第3上面部233の下面に沿って配置され、その屋外側端部61は、ガイド片251と第2上面部232との間の凹部に配置され、屋内側端部62は、ガイド片261と第3上面部233との間の凹部に配置されている。
また、第1補強材60には、第1上面部231に形成された穴231Aに対応する位置にネジ孔が形成されており、このネジ孔に固定ネジ81がねじ込まれている。固定ネジ81は、下枠20の長手方向の複数箇所で第1補強材60にねじ込まれている。例えば、固定ネジ81は、第1補強材60の左右両端部(縦枠30,40の近傍)の2箇所で第1補強材60にねじ込まれている。
固定ネジ81を第1補強材60にねじ込むことで、第1補強材60は、上面部23側に引き寄せられて、第1上面部231に密着している。さらに、第1補強材60の長手方向の位置も、固定ネジ81によって固定され、第1補強材60が長手方向に移動することも防止している。
第1補強材60には、さらに、第1上面部231に形成された穴231Bから調整ネジ85がねじ込まれている。穴231Bは、調整ネジ85の雄ネジ外径よりも大きく、調整ネジ85の頭部の外径よりも小さな直径とされている。
穴231Bに挿入された調整ネジ85は、第1補強材60に予め形成されたネジ孔に螺合され、その先端は第1補強材60を貫通して下方に突出している。このため、第1補強材60に対して調整ネジ85をねじ込むと、調整ネジ85の先端(下端)が下方に移動し、調整ネジ85を緩めると、調整ネジ85の先端は上方に移動する。調整ネジ85の数および配置位置は、第1補強材60の長手寸法、つまり下枠20の長手方向の寸法に応じて設定され、本実施形態では、下枠20および第1補強材60の各端部近傍の2箇所と、長手方向の中央位置の1箇所と、中央位置および各端部間の中間位置の2箇所との計5箇所に調整ネジ85を配置している。下枠20の長さ寸法が本実施形態よりも短い場合は、調整ネジ85の本数を少なくすればよく、長さ寸法が長くなれば本数を多くすればよい。
第2補強材70は、金属製の板材を折曲して形成されており、第1補強材60と同様に、下枠20の全長に渡って配置されている。第2補強材70は、板状の当接部71と、当接部71の屋外側端部から下方に折曲された折曲部72と、折曲部72の下端部から屋内側に折り返された折返し部73とを備えており、板材をプレス加工などで折り曲げることで形成されたものである。
当接部71の見込み寸法は、屋外面部25および屋内面部26間の見込み寸法よりも短くされ、かつ、第1下面部241の見込み寸法よりも長くされている。このため、当接部71は、見込み方向において、第1下面部241および第3下面部243に跨がって配置されている。
また、折曲部72の高さ寸法、具体的には当接部71の下面から折返し部73の下面までの高さ寸法は、第1下面部241の上面から支点部247の上面までの高さ寸法と略同じ寸法とされている。
さらに、折返し部73の見込み寸法は、第1下面部241の見込み寸法よりも短くされ、折返し部73は、屋外面部25および第2下面部242間に配置されている。
したがって、第2補強材70は、中空部200の断面形状に合わせて形成されており、図4に示すように、第1補強材60が上面部23側に引き寄せられた状態であれば、中空部200の端面開口から容易に挿入できる。例えば、第2補強材70は、当接部71を支点部247上に当接させ、折返し部73を第1下面部241に当接させた状態で、中空部200内をスムーズにスライド移動させることができる。
第2補強材70の当接部71の下面は、支点部247に当接している。図4に示すように、当接部71が水平状態で配置されている場合には、支点部247よりも屋外側の部分(当接部71の屋外側端部711)は第1補強材60の下方に離れて配置され、支点部247よりも屋内側の部分(当接部71の屋内側端部712)は第3下面部243の上方に離れて配置されている。したがって、第2補強材70は、支点部247によって、屋外側端部711が上下方向に揺動可能に支持されている。
そして、図3に示すように、調整ネジ85をねじ込んで下方に移動すると、調整ネジ85の先端が第2補強材70の支点部247よりも屋内側の部分に当接し、屋内側端部712を下方(第3下面部243側)に移動する。すると、第2補強材70の屋外側端部711は上方(第1補強材60側)に移動して第1補強材60の下面に当接する。すなわち、第2補強材70は、支点部247を支点に、屋外側端部711が上方、屋内側端部712が下方に回転する。
このため、第1補強材60は上面部23側に押され、上面部23および第1補強材60はクリアランス無しで当接し、第1補強材60および第2補強材70はクリアランス無しで当接し、第2補強材70および支点部247はクリアランス無しで当接している。
したがって、外障子3、内障子4を設置した際に、外レール21に加わる外障子3の荷重は、上面部23、第1補強材60、第2補強材70、支点部247および第3下面部243を介して躯体6に支持される。
下枠20の上面部23と、第1補強材60と、第2補強材70と、下面部24とは、クリアランス無しで当接しているので、下枠20の屋外側が、外障子3の荷重によって、クリアランス分だけ下方に下がることが防止されている。
また、外障子3から外レール21に加わる荷重は、第2補強材70の屋外側端部711を下方に押す方向に加わり、屋内側端部712は上方に移動しようとする。この屋内側端部712の上方への移動は、第2補強材70に当接している調整ネジ85で規制される。
さらに、内障子4から内レール22にも荷重が加わり、この荷重は第1補強材60の屋内側端部を下方に押す方向に加わり、内レール22の近傍で第1補強材60に螺合されている調整ネジ85も下方に移動しようとする。したがって、外障子3、内障子4を設置すれば、外障子3の荷重によって第2補強材70の屋内側端部712を上方に回転させる力と、内障子4の荷重によって調整ネジ85を下方に移動させる力とが均衡し、外障子3の荷重による下枠20の屋外側の下がりを防止できる。
なお、第2補強材70が第1補強材60に当接した際に、第2補強材70の屋内側端部712が上面部23に当接していない場合は、調整ネジ85を更にねじ込むことで、屋外側端部711を上方に移動できる。したがって、屋外側端部711の上方への移動量は、屋内側端部712が上面部23に当接した時点で最大となる。
したがって、外障子3、内障子4を設置した状態では、第2補強材70が第1補強材60に当接した位置から、第2補強材70が第3下面部243に当接した位置までの範囲で調整ネジ85を移動させることで、下枠20の屋外側の垂れ下がりに対する調整量を設定できる。
なお、図2〜4では、外レール21および内レール22間には、固定ネジ81、調整ネジ85が露出しているが、屋外面部221の屋外面に形成された突起などを用いてカバー部材を着脱自在に取り付けて、固定ネジ81、調整ネジ85を被覆してもよい。
[本実施形態の効果]
(1)下枠20の中空部200内に、第1補強材60、第2補強材70の2つの補強材を配置し、第1補強材60は上面部23に当接させ、第2補強材70は支点部247で支持し、調整ネジ85で第2補強材70を回転させて第1補強材60に当接させているので、中空部200内で第1補強材60、第2補強材70と、上面部23、下面部24との間にクリアランスが生じない。このため、クリアランス分だけ下枠20が下がることもなく、下枠20の下がりを防止できる。
(2)調整ネジ85や固定ネジ81は、上面部23を貫通して第1補強材60にねじ込まれており、下面部24に穴を設ける必要が無い。このため、第1上面部231に流れ込んだ雨水を、中空部200を介して屋外側に排水する場合に、中空部200から躯体6側に漏水することがない。したがって、止水処理を行う必要もなく、下枠20の施工作業も容易になる。
また、第1補強材60、第2補強材70を配置するための中空部200と、排水経路用の中空部とを別々に区画する必要が無い。このため、中空部200を外レール21の下方の位置まで設けることができ、第1補強材60、第2補強材70も外レール21の下方の位置に配置でき、外レール21に加わる外障子3の荷重を、第1補強材60、第2補強材70で支持できる。
(3)第1補強材60は板状に形成されており、下枠20の上面部23に広い面積で当接するため、外障子3の荷重も第1補強材60全体の面で受けることができる。このため、下枠20の上面部23において一部分に荷重が集中して上面部23の一部が凹むなどの変形が生じることを防止できる。
なお、第1補強材60と第2補強材70とは線接触であるが、金属材同士の接触であるため、変形なども防止できる。
(4)第2補強材70が当接する支点部247は、躯体6の上面に載置される載置部である第3下面部243に形成されているので、支点部247に加わる力は、第3下面部243を介して躯体6で支持できる。したがって、支点部が躯体6の屋外側に設けられる場合は、下枠20の躯体6よりも屋外側を下げる方向に力が加わり、取付片部29のネジ51に剪断力が加わるため、取付片部29やネジ51の剛性を向上させるなどの対策が必要となる。これに対し、本実施形態では、支点部247に加わる力を躯体6で支持でき、ネジ51には伝達されないので、取付片部29やネジ51の剛性向上が不要にできる。
また、第2補強材70から支点部247に力が加わった場合、支点部247は圧縮されるため、突条に形成されていても変形することがなく、荷重を支持できる。
(5)外障子3によって第1補強材60から第2補強材70に加わる荷重と、内障子4によって第1補強材60から調整ネジ85を介して第2補強材70に加わる荷重とを対抗させることができるため、調整ネジ85が浮き上がることもなく、下枠20の下がりを確実に防止できる。
(6)固定ネジ81を設けているので、第1補強材60を確実に上面部23側に引き寄せることができ、かつ、下枠20に対する第1補強材60の長手方向の位置を固定できる。したがって、ガイド片251、261や、第1補強材60の寸法誤差によって、第1補強材60をガイド片251やガイド片261で保持できない場合でも、固定ネジ81によって第1補強材60を確実に保持できる。
そして、第1補強材60を上面部23側に引き寄せることができるため、中空部200内に第2補強材70を配置する際に、第1補強材60が障害となることがなく、第2補強材70を容易に配置することができる。
また、固定ネジ81によって第1補強材60が中空部200内をスライド移動することも規制できるため、第2補強材70を中空部200内に配置する際に、第1補強材60の移動を作業者が規制する必要がない。したがって、下枠20の組立作業性を向上できる。
(7)第2補強材70は、当接部71、折曲部72、折返し部73を備えて折曲されているため、第2補強材70を平板状に形成した場合に比べて、剛性を向上することができる。このため、第2補強材70の厚さ寸法を小さくでき、軽量化することもできる。
(8)調整ネジ85のねじ込み量によって、第2補強材70の回転量、つまり屋外側端部711の上下方向の移動量を調整できるので、下枠20の下がり量に対して容易に調整することができる。さらに、調整ネジ85の頭部が上面部23の上に露出するため、調整ネジ85のねじ込み操作も容易に行うことができ、仮に施工後に下枠20の下がりが生じた場合でも、調整ネジ85を再度調整することで、下枠20の下がりを簡単な作業で直すことができる。
(9)外レール21、内レール22の下方に屋外面部25および屋内面部26が設けられているので、各レール21,22に加わる荷重を屋外面部25、屋内面部26を介しても支持できる。
[変形例]
なお、本発明は以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、固定ネジ81を設けていたが、固定ネジ81は必ずしも設けなくてもよい。すなわち、第1補強材60はガイド片251、261等で上面部23側に保持でき、調整ネジ85を第1補強材60にねじ込むことで、第1補強材60の下枠20に対する長手方向の位置も規制できるためである。この場合、調整ネジ85をねじ込んで第2補強材70に当接させ、第2補強材70の屋内側端部712が第3下面部243に当接している状態でさらに調整ネジ85をねじ込めば、第1補強材60を上面部23側に引き寄せて当接させることができる。
前記実施形態では、第2補強材70が当接する支点部247を、躯体6の上方位置、つまり下枠20の見込み方向において、躯体6の屋外面よりも屋内側の位置に形成していたが、例えば、第2下面部242の上端等の躯体6よりも屋外側に形成してもよい。
また、支点部247は、下枠20に形成していたが、第2補強材70側に形成してもよい。すなわち、第2補強材70の当接部71の下面に突起を設けて支点部とすればよい。
さらに、下枠20および第2補強材70の間に、支点部が形成された別体の支点部材を設けてもよい。支点部材としては、例えば、第3下面部243の上面に載置される金属製プレートで構成し、金属製プレートの上面に突条の支点部を形成しておけばよい。なお、金属製プレートの屋内側端部を上方に折り曲げて立ち上がり部を形成し、この立ち上がり部を、当接部71の屋内側端部712と屋内面部26との間に配置することなどで、支点部材が見込み方向に移動しないように設置することが好ましい。
前記実施形態では、固定ネジ81や調整ネジ85は、第1上面部231に配置されていたが、例えば、下枠20の中空部200を屋内見付け面部28まで延長し、第1補強材60や第2補強材70の見込み寸法を、第5上面部235の下方位置に達する長さとし、第5上面部235の位置で、固定ネジ81や調整ネジ85をねじ込むようにしてもよい。
この場合、支点部247から調整ネジ85が当接する力点を離すことができ、力点に加える力を小さくできる。
第2補強材70は、前記実施形態に限定されず、例えば、当接部71および折曲部72で構成された断面L字状の不等辺アングル材で構成してもよいし、第1補強材60と同様に平板プレートで構成してもよい。
また、第1補強材60および第2補強材70は、下枠20の長手方向の寸法と同程度の長さ寸法を有するものに限定されず、例えば、下枠20の長手寸法の約1/2のものを2つずつ用意し、中空部200の左右両端の開口からそれぞれ挿入してもよい。なお、第1補強材60は、外レール21、内レール22に加わる外障子3、内障子4の荷重を支持するため、設置枚数に関わらず、下枠20の長手方向のほぼ全長に渡って配置されていることが好ましい。
また、第2補強材70は、第1補強材60と同様に、下枠20の長手方向のほぼ全長に渡って配置されていることが好ましいが、下枠20の長手方向に沿って間隔を空けて複数配置してもよい。
前記実施形態では、屋外面部25および屋内面部26にガイド片251、261を形成し、第1補強材60の屋外側端部61、屋内側端部62を保持していたが、固定ネジ81で第1補強材60を上面部23側に引き寄せることができる場合には、一対のガイド片251、261を形成しなくてもよい。
本発明の下枠を用いる建具としては、引違い窓に限定されず、片引き窓、FIX窓、引違いテラス戸等の各種建具に利用でき、特に、半外付けの建具であって、下枠の屋外側が障子の荷重などで下がる可能性がある建具に適している。
1…引違い窓(建具)、2…窓枠(建具枠)、3…外障子、4…内障子、6…躯体、10…上枠、11…外レール、12…内レール、20…下枠、21…外レール、22…内レール、23…上面部、24…下面部、25…屋外面部、26…屋内面部、30、40…縦枠、60…第1補強材、61…屋外側端部、62…屋内側端部、70…第2補強材、81…固定ネジ、85…調整ネジ、200…中空部、231…第1上面部、231B…穴、241…第1下面部、243…第3下面部、247…支点部、251、261…ガイド片。

Claims (6)

  1. 合成樹脂製の下枠であって、
    上面部、下面部、屋外面部、屋内面部で囲まれた中空部を有し、
    前記中空部内には、前記上面部に沿って配置された第1補強材と、前記第1補強材の下方に配置された第2補強材とが設けられ、
    前記第2補強材は、支点部を介して屋外側端部が上下方向に揺動可能に支持されており、
    前記第1補強材には、前記上面部に形成された穴から調整ネジがねじ込まれており、
    前記調整ネジの先端は、前記第2補強材の前記支点部よりも屋内側の部分に当接され、
    前記第2補強材の前記支点部よりも屋外側の部分は、前記第1補強材の下面に当接され、
    前記第1補強材は、前記上面部に当接されている
    ことを特徴とする下枠。
  2. 請求項1に記載の下枠において、
    前記下面部は、前記下枠が取り付けられる躯体の上面に載置される載置部を有し、
    前記支点部は、前記載置部に設けられていることを特徴とする下枠。
  3. 請求項1または請求項2に記載の下枠において、
    前記第1補強材は、前記上面部からねじ込まれた固定ネジによって前記上面部側に引き寄せられて前記上面部に当接されていることを特徴とする下枠。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の下枠において、
    前記屋外面部および前記屋内面部には、前記中空部内に突出されたガイド片がそれぞれ形成され、
    前記第1補強材の屋外側端部および屋内側端部は、前記上面部と前記ガイド片との間の凹部に配置されていることを特徴とする下枠。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の下枠において、
    前記上面部には、障子を案内する外レールおよび内レールが設けられ、
    前記支点部の見込み方向の位置は、前記外レールと前記内レールとの間であることを特徴とする下枠。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の下枠と、上枠と、左右の縦枠とを備えた建具枠と、
    前記建具枠内に設けられた障子とを備えることを特徴とする建具。
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