JP2018007374A - インバータトレイ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インバータトレイ5には、インバータ4と冷媒流路5Aが設けられる。このインバータトレイ5において、インバータ4が取り付けられるトレイ基礎部51と、冷媒流路5Aを形成する冷媒流路部52と、を備える。トレイ基礎部51は、強度・剛性を持つ金属材で形成される。冷媒流路部52は、変形性を持ち金属材とは異なる樹脂材で形成される。
【選択図】図4
Description
トレイ基礎部は、強度・剛性を持つ金属材で形成される。
冷媒流路部は、変形性を持ち金属とは異なる樹脂材で形成される。
実施例1におけるインバータトレイ及びその製造方法は、電気自動車において走行用駆動源として搭載されるモータ/ジェネレータのインバータに適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体構成」と、[インバータトレイの詳細構成]と、「インバータトレイの製造方法」に分けて説明する。
図1は、実施例1のインバータトレイが適用された機電一体駆動ユニットの分解斜視図を示す。図2は、実施例1のインバータトレイが適用されたインバータの詳細構成の斜視図を示す。図3は、実施例1におけるインバータトレイとパワーモジュールの断面図を示す。以下、図1〜図3に基づいて、実施例1の機電一体駆動ユニットの全体構成を説明する。
ここで、「圧入嵌合状態」とは、焼嵌めや圧入等の手段を用いて、モータハウジング部21の内径21R(図1参照)を拡大する状態のことである。
図4、実施例1におけるインバータトレイの表面の斜視図を示し、図5は、実施例1におけるインバータトレイの裏面の斜視図を示す。図6は、実施例1におけるインバータトレイのトレイ基礎部の斜視図を示す。図7は、実施例1におけるインバータトレイのトレイ基礎部と流路基礎部の断面図を示す。図8は、実施例1におけるインバータトレイの第1冷媒流路部の拡大断面図を示す。図9は、実施例1におけるインバータトレイの第2冷媒流路部の拡大断面図を示す。図10は、実施例1におけるインバータトレイの凹み流路形状部の斜視図を示す。図11は、実施例1におけるインバータトレイのトレイ基礎部と位置決めピンの概略断面図と概略平面図を示す。以下、図3〜図11に基づいて、実施例1のインバータトレイの詳細構成を説明する。
図6は、トレイ基礎部形成工程を示し、図7は、流路基礎部成形工程を示し、図10は、流路形状部成形工程を示し、図11は、位置決めピンを成形する流路基礎部成形工程を示し、図12は、冷媒流路部形成工程を示す。以下、図4〜図12に基づいて、実施例1におけるインバータトレイの製造方法を構成する各工程を説明する。
実施例1のインバータトレイ及びその製造方法における作用を、「冷却水の流れ作用」と、「機電一体駆動ユニットの基本特徴作用」と、「インバータトレイ及びその製造方法の特徴作用」と、に分けて説明する。
以下、冷却水の流れについて説明する。
冷却水は、共通ハウジング2の外部から冷媒流入口へ流入される。次いで、冷媒流入口から流入された冷却水は、第1連通流路部71の一端を介して、連通流路(第1連通流路部71)へ流入される。次いで、連通流路へ流入された冷却水は、図2に示すように、第1連通流路部71の他端と第1冷媒流路口Aを介して、第1冷媒流路5A1(第1冷媒流路部521)へ流入される。次いで、第1冷媒流路5A1へ流入された冷却水は、図3に示すように、第2冷媒流路口BとOリングとPM冷媒流入口413aを介して、PM冷媒流路(PM冷媒流路部413)へ流入される。次いで、PM冷媒流路へ流入された冷却水は、図3に示すように、PM冷媒連通流路部413bとPM冷媒流出口413cとOリングと第3冷媒流路口Cを介して、第2冷媒流路5A2(第2冷媒流路部531)へ流入される。つまり、PM冷媒流路へ冷却水が流入される。これにより、パワーモジュール41が冷却される。
例えば、モータとインバータを機電一体構造とした電動車両においては、モータの製造工程にてインバータを組み立てる必要があり、製造ラインのクリーン化や静電対策を講じる必要があった。また、モータ、インバータを通して製造を行わなければならず、製造ラインが長大化してしまう、という問題がある。
これに対し、実施例1では、インバータ4部分をインバータトレイ5に組み付けるモジュール構造とした。また、インバータトレイ5には冷媒流路部52を設けることにより、冷却が必要となるインバータ4部分を冷却できる構造とした。
このため、インバータトレイ5を用いたインバータモジュールをモータ製造工程にてサブアセンブリとして組み付けることにより、製造ラインが長大化することを抑制すること(生産工程における組立てメインライン工程の短縮)ができる。加えて、インバータ4の構造をモジュール構造とすることにより、複数のサプライヤーからの供給を受けることができ、商品力が向上するメリットがある。
例えば、トレイが無い機電一体型のユニットでは、モータハウジングは、インバータ設計に合わせて形状を設計する。しかし、インバータが有するパワーモジュールやコンデンサ等の部品は、技術進歩が速く、小型化などの形状変更が生じやすい。このため、その都度、インバータに合わせたモータハウジングを用意する必要がある。
これに対し、実施例1では、インバータトレイ5を有する機電一体型のユニットであるので、モータハウジング部21の種類を増やさずに、インバータ4の変更が可能となる。
例えば、インバータ一体型モータを備えた電動車両を比較例とする。この比較例の車両によれば、インバータ部とモータ部は一つのアウターハウジングを共有することで、一体化されている。また、そのモータ部の内側には、モータのステータコイルが備わっている。さらに、インバータ部では、インバータが直方体形状のインバータトレイに取り付けられている。そのインバータトレイは、モータ部と一体の取付部に取り付けられている。
即ち、トレイ基礎部51と冷媒流路部52を異種材料にて構成することにより、金属材で形成されるトレイ基礎部51において、製品強度・剛性が確保される。また、トレイ基礎部51と冷媒流路部52を異種材料にて構成することにより、樹脂材で形成される冷媒流路部52において、トレイ基礎部51の金属材では成形が困難である複雑な形状成形ができる。
この結果、トレイ基礎部51の強度・剛性が確保されつつ、冷媒流路部52の複雑な形状成形が実現される。
これに対し、実施例1のインバータトレイ5では、トレイ基礎部51を金属材で形成し、冷媒流路部52を樹脂材で形成する。即ち、冷媒流路部52は樹脂材で形成されるので、トレイ基礎部51は溶接による熱変形がなくなる。このため、インバータトレイ5が、精度良く形成される(精密形状)。
即ち、トレイ基礎部51と冷媒流路部52を異種材料にて製造することにより、金属材で形成されるトレイ基礎部51において、製品強度・剛性が確保される。また、トレイ基礎部51と冷媒流路部52を異種材料にて製造することにより、樹脂材で形成される冷媒流路部52において、トレイ基礎部51の金属材では成形が困難である複雑な形状成形ができる。
この結果、トレイ基礎部51の剛性が確保されつつ、冷媒流路部52の複雑な形状成形が実現される。
即ち、1つの流路基礎部成形工程で、トレイ基礎部51に流路基礎部522,532が一体にアウトサート成形される。言い換えれば、流路基礎部522,532を、別部品として成形した後、別工程にて、トレイ基礎部51と流路基礎部522,532を機械的に組み立てる必要がない。
従って、流路基礎部522,532を別部品として機械的に組み立てるよりも、工程が簡略化される。加えて、機械的に組み立てるよりも、寸法精度を出しやすい。
即ち、1つの流路基礎部成形工程で、トレイ基礎部51に流路基礎部522,532と位置決めピン54が成形される。言い換えれば、位置決めピン54を、別部品として成形した後、別工程にて、トレイ基礎部51と位置決めピン54を機械的に組み立てる必要がない。または、第1金型とは別の金型を用いて、別工程にて、トレイ基礎部51と一体に成形する必要がない。これにより、1つの流路基礎部成形工程において、流路基礎部522,532の他に、位置決めピン54を取り込める。
従って、位置決めピン54を別部品として機械的に組み立てるよりも、工程が簡略化される。加えて、機械的に組み立てるよりも、寸法精度を出しやすい。さらに、流路基礎部522,532と同時に別の構造部材を取り込めるため、取り込まない場合よりもコストを低減することができる。
実施例1のインバータトレイ5及びその製造方法にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
このインバータトレイ5において、インバータ4が取り付けられるトレイ基礎部51と、冷媒流路5A(第1冷媒流路5A1と第2冷媒流路5A2)を形成する冷媒流路部52(第1冷媒流路部521と第2冷媒流路部531)と、を備える。
トレイ基礎部51は、強度・剛性を持つ金属材で形成される(図4と図5)。
冷媒流路部52(第1冷媒流路部521と第2冷媒流路部531)は、変形性を持ち金属材とは異なる樹脂材で形成される(図4と図5)。
このため、トレイ基礎部51の強度・剛性を確保しつつ、冷媒流路部52(第1冷媒流路部521と第2冷媒流路部531)の複雑な形状成形を実現するインバータトレイ5を提供することができる。
このインバータトレイ5の製造方法において、トレイ基礎部形成工程(図6)と、流路基礎部成形工程(図7)と、凹み流路形状部成形工程(図10)と、冷媒流路部形成工程(図12)と、を有する。
トレイ基礎部形成工程(図6)は、インバータ4が取り付けられるトレイ基礎部51を、強度・剛性を持つ金属材で形成する。
流路基礎部成形工程(図7)は、トレイ基礎部形成工程に続き、トレイ基礎部51を構成する金属材に対して、第1金型を使用して、変形性を持ち金属材とは異なる樹脂材で、冷媒流路5A(第1冷媒流路5A1と第2冷媒流路5A2)の一部である流路基礎部(第1流路基礎部522と第2流路基礎部532)を成形する。
凹み流路形状部成形工程(図10)は、流路基礎部成形工程とは別に、第2金型を使用して、樹脂材で冷媒流路(第1冷媒流路5A1と第2冷媒流路5A2)の残りの部分である凹み流路形状部(第1凹み流路形状部523と第2凹み流路形状部533)を成形する。
冷媒流路部形成工程(図12)は、流路基礎部成形工程及び凹み流路形状部成形工程の後、流路基礎部(第1流路基礎部522と第2流路基礎部532)に凹み流路形状部(第1凹み流路形状部523と第2凹み流路形状部533)を固定して、冷媒流路5A(第1冷媒流路5A1と第2冷媒流路5A2)を有する冷媒流路部52(第1冷媒流路部521と第2冷媒流路部531)を形成する。
このため、トレイ基礎部51の強度・剛性を確保しつつ、冷媒流路部52(第1冷媒流路部521と第2冷媒流路部531)の複雑な形状成形を実現するインバータトレイ5の製造方法を提供することができる。
流路基礎部成形工程は、第1金型を使用して、開口部(第1開口部511と第2開口部512)に流路基礎部(第1流路基礎部522と第2流路基礎部532)を成形するとき、内側フランジ(第1内側フランジ511bと第2内側フランジ512b)を樹脂材で挟み込んで、トレイ基礎部51に流路基礎部(第1流路基礎部522と第2流路基礎部532)を一体にアウトサート成形する(図7)。
このため、(2)の効果に加え、流路基礎部(第1流路基礎部522と第2流路基礎部532)を別部品として機械的に組み立てるよりも、工程を簡略化することができる。
このため、(2)または(3)の効果に加え、構造部材(位置決めピン54)を別部品として機械的に組み立てるよりも、工程を簡略化することができる。
2 共通ハウジング
21 モータハウジング部
22 インバータハウジング部
3 モータ
4 インバータ
5 インバータトレイ(基礎部品)
5A 冷媒流路
5A1 第1冷媒流路(冷媒流路)
5A2 第2冷媒流路(冷媒流路)
51 トレイ基礎部
511 第1開口部(開口部)
511a (第1開口部の)内面
511b 第1内側フランジ(内側フランジ)
512 第2開口部(開口部)
512a (第2開口部の)内面
512b 第2内側フランジ(内側フランジ)
52 冷媒流路部
521 第1冷媒流路部(冷媒流路部)
522 第1流路基礎部(流路基礎部)
523 第1凹み流路形状部(凹み流路形状部)
531 第2冷媒流路部(冷媒流路部)
532 第2流路基礎部(流路基礎部)
533 第2凹み流路形状部(凹み流路形状部)
54 位置決めピン(構造部材)
Claims (4)
- インバータと冷媒流路が設けられたインバータトレイにおいて、
前記インバータが取り付けられるトレイ基礎部と、
前記冷媒流路を形成する冷媒流路部と、を備え、
前記トレイ基礎部は、強度・剛性を持つ金属材で形成され、
前記冷媒流路部は、変形性を持ち前記金属材とは異なる樹脂材で形成される
ことを特徴とするインバータトレイ。 - インバータと冷媒流路が設けられたインバータトレイの製造方法において、
前記インバータが取り付けられるトレイ基礎部を、強度・剛性を持つ金属材で形成するトレイ基礎部形成工程と、
前記トレイ基礎部形成工程に続き、前記トレイ基礎部を構成する前記金属材に対して、第1金型を使用して、変形性を持ち前記金属材とは異なる樹脂材で、前記冷媒流路の一部である流路基礎部を成形する流路基礎部成形工程と、
前記流路基礎部成形工程とは別に、第2金型を使用して、前記樹脂材で前記冷媒流路の残りの部分である凹み流路形状部を成形する凹み流路形状部成形工程と、
前記流路基礎部成形工程及び凹み流路形状部成形工程の後、前記流路基礎部に前記凹み流路形状部を固定して、前記冷媒流路を有する冷媒流路部を形成する冷媒流路部形成工程と、
を有することを特徴とするインバータトレイの製造方法。 - 請求項2に記載されたインバータトレイの製造方法において、
トレイ基礎部形成工程は、前記トレイ基礎部を形成するとき、前記トレイ基礎部に開口部を形成すると共に、前記開口部の内面から内側に突出する内側フランジを形成し、
前記流路基礎部成形工程は、第1金型を使用して、前記開口部に流路基礎部を成形するとき、前記内側フランジを樹脂材で挟み込んで、前記トレイ基礎部に前記流路基礎部を一体にアウトサート成形する
ことを特徴とするインバータトレイの製造方法。 - 請求項2または請求項3に記載されたインバータトレイの製造方法において、
前記流路基礎部成形工程は、前記流路基礎部を成形すると同時に、前記トレイ基礎部を構成する金属材に対して、前記第1金型を使用して、単数又は複数の構造部材を成形する
ことを特徴とするインバータトレイの製造方法。
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