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JP2018096407A - 半割軸受 - Google Patents

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保文 森
Yasubumi Mori
保文 森
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Abstract

【課題】内周面側に溝を備える半割軸受において、潤滑油の漏れ量を抑える。
【解決手段】半割軸受10は、半円筒形状に成形されており、上側の半割軸受と突き合せて円筒状のすべり軸受を形成し、回転軸を回転可能に支持する。半割軸受10は、面取り部113、面取り部114、溝111および溝112を有する。面取り部113と面取り部114は、半割軸受10が支持する回転軸方向の縁の内周面12側を面取り加工して形成された部分である。溝111は、内周面12の周方向に沿った溝であり、面取り部113の領域内に形成されている。溝112は、内周面12の周方向に沿った溝であり、面取り部114の領域内に形成されている。面取り部113、面取り部114、溝111および溝112により、半割軸受10から漏れるあるいは漏れようとする潤滑油が再び半割軸受に吸い戻される。
【選択図】図1

Description

本発明は、半割軸受に関する。
内燃機関では、クランク軸(主軸)やコネクティングロッド軸などを回転可能に支持するために、一対の半円筒形の軸受(半割軸受という)を突き合せたすべり軸受が用いられている。この軸受においては、潤滑油が回転軸と軸受の間に供給され、回転軸の回転に伴って油膜が形成されて回転軸が軸受から離れ、回転軸が油膜で支持されて回転する。
軸受からは潤滑油が漏れるが、潤滑油の漏れを抑制するために様々な発明がされている。例えば、特許文献1には、下側の半割軸受であって、軸方向の端部において、内周面の周方向に沿った溝を回転軸の回転方向下流側に形成した半割軸受が開示されている。
特開2014−181811号公報
特許文献1には、内周面側において、潤滑油の漏れを抑える半割軸受が開示されているが、潤滑油の漏れを抑えるために、溝の位置について改善の余地があった。
本発明は、内周面側に溝を備える半割軸受において、潤滑油の漏れ量を抑えることを目的とする。
本発明は、半円筒形状であって軸が摺動する内周面を有する半割軸受であって、軸方向の少なくとも一端の前記内周面側に形成された面取り部と、前記面取り部に形成され、前記内周面の周方向に延びる溝と、を備える半割軸受を提供する。
本発明においては、前記溝を前記軸方向に切断したときの前記溝の断面の形状がU字形状である構成としてもよい。
また、本発明においては、前記溝を前記軸方向に切断したときの前記溝の断面の形状がV字形状である構成としてもよい。
また、本発明においては、前記軸方向における前記溝の開口部中心は、前記軸方向における前記面取り部の中心よりも前記軸方向における前記内周面の中心側にある構成としてもよい。
また、本発明においては、前記面取り部および前記溝は、前記内周面の周方向の一部に設けられている構成としてもよい。
また、本発明においては、前記面取り部および前記溝は、前記内周面の周方向の中央より前記軸の回転方向下流側に設けられている構成としてもよい。
また、本発明においては、前記面取り部の一部に前記溝が設けられている構成としてもよい。
本発明によれば、内周面側に溝を備える半割軸受において、潤滑油の漏れ量を抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る半割軸受10の平面図。 図1のA−A線断面図。 図1のB−B線断面図。 図2のC−C線断面図。 半割軸受20を半割軸受10側から見た図。
以下、本発明の一実施形態に係る半割軸受10について図を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る半割軸受10の平面図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。また、図3は、図1のB−B線断面図である。図面においては、半割軸受10の外周面の中心(中心軸)を原点とし、半割軸受10の合せ面の内周面側の端と原点とを結ぶ線を始線とし、すべり軸受が支持する回転軸の中心軸(内周面の軸方向)の方向をz軸とする極座標を用いて説明する。この座標系においては、図2の紙面手前側から奥側に向かい、z成分が増加する方向を+z方向とし、反対にz成分が減少する方向を−z方向と定義する。なお、説明の便宜上、すべり軸受が支持する回転軸の中心軸方向を前後方向とし、図1の表から裏に向かう方向を前方向、図1の裏から表に向かう方向を後方向とする。また、前後方向と直交する図1の左右の方向を左右方向とし、前後方向と直交する図2の上下の方向を上下方向として方向を説明する場合がある。
半割軸受10は、半円筒形状に成形されており、対となる後述する上側の半割軸受20と突き合せて円筒状のすべり軸受を形成し、回転軸を回転可能に支持する。つまり、半割軸受10は、すべり軸受の下側となる半割軸受であり、本発明に係る半割軸受の一例である。なお、半割軸受10に支持される回転軸は、z軸方向(前後方向)に沿って支持され、図2においては時計方向に回転する。本実施形態においては、支持される回転軸の径は、例えばφ30〜150mmであり、すべり軸受は、支持する回転軸の径に合わせた内径を有する。
半割軸受10は、半円筒形状の外面となる外周面11と、軸を支持する内周面12を有する。半割軸受10は、外周面11側から内周面12側に向かって裏金、ライニング層およびオーバレイ層の3層構造となっている。裏金は、ライニング層の機械的強度を補強するための層である。裏金は、例えば、鋼で形成される。
本実施形態においては、半割軸受10の肉厚は均一ではなく、図1の左右方向の中心部ほど厚く、中心部から端部(合せ面)に向かうにつれ薄くなっている。これは、内径仕上円(内周面12の描く円)の中心が、外径円(外周面11が描く円)の中心から外側に偏心している(ずれている)ためである。この偏心により、いわゆるオイルリリーフが形成される。オイルリリーフとは、内径仕上円と、原点を外径円と同じとして外径円より半径が短い円である内径基準円との隙間をいう。オイルリリーフの深さ(量)は、合せ面から所定の高さ(例えば6〜13mm)を基準として測定され、例えば、0.005〜0.025mmである。オイルリリーフは、合せ面付近のオイルクリアランスを拡大し、くさび膜圧力の形成を助ける。また、さらに、オイルリリーフは、油膜の形成を助け、油量を増加させ軸受を冷却させる。
ライニング層は、軸受としての特性、例えば、摩擦特性、耐焼付性、耐摩耗性、なじみ性、異物埋収性(異物ロバスト性)、および耐腐食性等の特性を与えるための層である。ライニング層は、軸受合金で形成されている。ライニング層は、軸との凝着を防ぐため、軸と同じ材料系は避け、軸とは別の材料系が用いられる。例えば、鋼で形成された軸の軸受として半割軸受10が用いられる場合、アルミニウム合金が軸受合金として用いられる。なおアルミニウム合金以外にも、銅合金など、アルミニウム以外の金属をベースにした合金が用いられてもよい。
オーバレイ層は、軸を支持する内周面を形成し、ライニング層の摩擦係数、なじみ性、耐腐食性、および異物埋収性(異物ロバスト性)等の特性を改善するための層である。オーバレイ層は、例えば、少なくともバインダー樹脂を含む。バインダー樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂が用いられる。具体的には、バインダー樹脂は、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルケーテルケトン樹脂、およびポリフェニレンサルファイド樹脂のうち少なくとも一種を含む。オーバレイ層は、さらに固体潤滑材を含んでもよい。固体潤滑材は、摩擦特性を改善するために添加される。固体潤滑剤は、例えば、MoS2、WS2、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、グラファイト、h−BN、およびSB23のうち少なくとも一種を含む。例えばMoS2は、良好な潤滑性を与える。また、PTFEは分子間凝集力が小さいので、摩擦係数を低減する効果がある。さらに、グラファイトは濡れ性を向上させ、初期なじみ性を向上させる。初期なじみ性とは、摺動開始後に相手材と摺接する際、摺動面が摩耗して平滑になり、摺動性を向上させる性質である。初期なじみ性の発現により摺動性が向上すると、摺動層全体としての摩耗量が低減される。なお、本実施形態においては、半割軸受10は、オーバレイ層を備える構成であるが、オーバレイ層を備えず裏金とライニング層の2層構造であってもよい。
半割軸受10は、クラッシリリーフ13、クラッシリリーフ14、合せ面15、合せ面16、溝111、溝112、面取り部113および面取り部114を有する。合せ面15は、上側の半割軸受20の合せ面に突き合される面であって、半割軸受10が支える回転軸の回転方向上流側の合せ面であり、合せ面16は、上側の半割軸受20の合せ面に突き合される面であって、半割軸受10が支える回転軸の回転方向下流側の合せ面である。
クラッシリリーフ13は、軸の回転方向上流側のクラッシリリーフであり、合せ面15に接している。クラッシリリーフ14は、軸の回転方向下流側のクラッシリリーフであり、合せ面16に接している。クラッシリリーフとは、半割軸受10の内面側において、合せ面に接して半割軸受10のz軸方向(前後方向)に設けた、幅の広い逃がしである。クラッシリリーフは、すべり軸受をハウジングに組み付け、合せ面近傍の内周面12の軸側への倒れ込みが発生したときに、回転軸との接触を防ぐためのものである。また、クラッシリリーフは、潤滑作用を果たした潤滑油を合せ面近傍において排出して軸受を冷却する効果や、内周面12側に侵入した異物を排出する効果を奏する。
面取り部113は、半割軸受10の−z方向(半割軸受10が支持する回転軸方向)の縁の内周面12側を面取り加工して形成された部分である。面取り部113においては、前後方向の中央側から−z方向の縁へ向かうにつれて径方向の厚みが薄くなっている。面取り部114は、半割軸受10の+z方向(半割軸受10が支持する回転軸方向)の縁の内周面12側を面取り加工して形成された部分である。面取り部114においては、前後方向の中央側から+z方向の縁へ向かうにつれて径方向の厚みが薄くなっている。
溝111と溝112は、内周面12側に設けられた溝である。本実施形態においては、内周面側に設けられる溝は、溝111と溝112の2つのみとなっている。溝111は、内周面12の周方向に沿った溝であり、面取り部113の領域内に形成されている。溝112は、内周面12の周方向に沿った溝であり、面取り部114の領域内に形成されている。溝111の深さは、周方向の端部において、端部に近づくにつれて浅くなっている。溝112の深さも、周方向の端部において、端部に近づくにつれて浅くなっている。溝111と溝112は、回転軸の回転に伴って回転軸の回転方向への流れる潤滑油を、回転軸の回転方向とは逆方向へ戻す機能を有する。
次に、内周面12の周方向における溝111の位置について見ると、図2に示したように、溝111の周方向の端のうち、回転軸の回転方向下流側の端(クラッシリリーフ14側の端)の位置は、クラッシリリーフ14に係らないようにクラッシリリーフ14から離れている。具体的には、クラッシリリーフ14から溝111のクラッシリリーフ14側の端までの距離は、溝111の周方向の長さより短くなっている。また、溝111の周方向の端のうち、回転軸の回転方向上流側の端(クラッシリリーフ13側の端)の位置は、合せ面16の内周面側の端と外周面11の原点A1とを結ぶ仮想線L1を極座標の始線としたとき、原点A1から偏角θ1で引いた線L2と内周面12が交わる位置(点P2の位置)となっている。なお、本実施形態においては、偏角θ1は90°未満の値となっている。偏角θ1は、30°〜60°の範囲内であるのが好ましい。
また、内周面12の周方向における溝112の位置について見ると、図3に示したように、溝112の周方向の端のうち、回転軸の回転方向下流側の端(クラッシリリーフ14側の端)の位置は、クラッシリリーフ14に係らないようにクラッシリリーフ14から離れている。具体的には、クラッシリリーフ14から溝112のクラッシリリーフ14側の端までの距離は、溝112の周方向の長さより短くなっている。また、溝112の周方向の端のうち、回転軸の回転方向上流側の端(クラッシリリーフ13側の端)の位置は、合せ面16の内周面側の端と外周面11の原点A1とを結ぶ仮想線L1を極座標の始線としたとき、原点A1から偏角θ2で引いた仮想線L3と内周面12が交わる位置(点P3の位置)となっている。なお、本実施形態においては、偏角θ2は90°未満の値となっており、偏角θ1=偏角θ2となっている。偏角θ2も30°〜60°の範囲内であるのが好ましい。
図4は、図2のC−C線断面図である。なお、図4においては、図面が煩雑になるのを防ぐため、裏金、ライニング層およびオーバレイ層を区別した図示を省略している。図4に示したように、内周面12側から外周面11側へ切断したときの断面を見ると、溝111の底と溝112の底は曲面(本実施形態ではU字形状)となっている。
また、溝111の開口部の中心から面取り部113の−z方向の縁までの距離w2は、溝111の中心から面取り部113の+z方向の縁までの距離w1より長くなっている。また、溝112の中心から面取り部114の+z方向の縁までの距離w4は、溝112の中心から面取り部114の−z方向の縁までの距離w3より長くなっている。即ち、溝111は、面取り部113の中央より前後方向の中央側に偏って形成されており、溝112は、面取り部114の中央より前後方向の中央側に偏って形成されている。
なお、溝111の開口部の前後方向の中央位置と面取り部113の前後方向の中央位置が一致し、溝112の開口部の前後方向の中央位置と面取り部114の前後方向の中央位置が一致している構成でもよい。また、溝111は、面取り部113の中央より−z方向に偏って形成されており、溝112は、面取り部114の中央より+z方向に偏って形成されている構成であってもよい。なお、本発明においては、溝111の開口部の全てが面取り部113の領域内にあり、溝112の開口部の全てが面取り部114の領域内にあるのが好ましい。
また、面取り部113の前後方向の幅w5は、本実施形態では2mmとなっており、面取り部113の前後方向の幅w6は、本実施形態では2mmとなっている。幅w5と幅w6は、2mmから3mmの範囲内であるのが好ましいが、この範囲外であってもよい。
次に、面取り部113と面取り部114の角度について説明する。内周面12と面取り部113の表面とが成す角度θ3は、本実施形態においては、160°であり、内周面12と面取り部114の表面とが成す角度θ4は、本実施形態においては、160°となっている。θ3およびθ4は、160°から150°の範囲内であるのが好ましいが、この範囲外の角度であってもよい。
半割軸受10を製造する際には、まず、半円筒形状とする前の板状の部材に対して切削加工を行うことにより、溝111と溝112を形成する。次に、板状の部材は、曲げ加工が行われて半円筒形状に成形される。半円筒形状に成形された後にプレス加工を行うことにより面取り部113と面取り部114が形成され、溝111の底と溝112の底が曲面となる。そして、面取り部113と面取り部114が形成された後、パッド印刷を行うことによりオーバレイ層が形成される。これにより、溝111と溝112の部分にはオーバレイ層がなく、ライニング層が露出している。なお、溝111と溝112の部分にもオーバレイ層があるようにしてもよい。
本実施形態によれば、溝111と内周面12との間に面取り部113があり、溝112と内周面12との間に面取り部114があるため、半割軸受10から漏れるあるいは漏れようとする潤滑油を再び半割軸受に吸い戻す効果を高めることができる。また、本実施形態においては、切削加工により溝が形成された後、溝111がある部分と溝112がある部分にプレス加工を行うため、切削加工により生じたバリを落とすことができる。
図5は、半割軸受10と対となる上側の半割軸受20を半割軸受10側から見た図である。半割軸受20も、半円筒形状に成形されている。半割軸受20は、半割軸受10と同様に肉厚は均一ではなく、周方向の中心部ほど厚く、中心部から端部(合せ面)に向かうにつれて薄くなっており、オイルリリーフが形成されている。
半割軸受20は、クラッシリリーフ23、クラッシリリーフ24、合せ面25、合せ面26、孔27および溝211を有する。孔27は、半割軸受20の外周面から内周面まで貫通した孔である。半割軸受20の外周面に供給される潤滑油は、孔27を介して内周面22側へ供給される。合せ面15は、合せ面15に突き合される面であり、合せ面26は、合せ面16に突き合される面である。クラッシリリーフ13は、合せ面25に接したクラッシリリーフであり、クラッシリリーフ24は、合せ面16に接したクラッシリリーフである。
溝211は、合せ面25から合せ面26まで半割軸受20の周方向の全長に渡って形成されている。溝211の幅(合せ面に垂直な方向から半割軸受20を見たときの溝の軸方向の長さ。以下「溝幅」という)は均一ではなく、クラッシリリーフ内では相対的に細く(狭く)、クラッシリリーフ以外の部分では相対的に太く(広く)なっている。以下、溝211のうち相対的に太い部分を太溝2111といい、相対的に細い部分を細溝2112という。太溝2111および細溝2112は、いずれも溝111より太く(広く)、且つ溝112より太い(広い)構成となっている。太溝2111から細溝2112に至る溝幅は連続的に(すなわち徐々に)変化するのではなく、急激に狭くなっている。なお、太溝2111の溝幅は、細溝2112との境界部近傍を除けば均一であり、細溝2112の溝幅は均一である。なお、溝幅が均一であるとは、溝幅のばらつきが一定範囲内、例えば溝幅の1/10以下、好ましくは1/100以下であることをいう。
また、溝211の深さも均一ではなく、クラッシリリーフ内では相対的に浅く、クラッシリリーフ以外の部分は相対的に深い。すなわち、太溝2111は相対的に深く、細溝2112は相対的に浅い。太溝2111から細溝2112に至る溝の深さは連続的に(すなわち徐々に)変化するのではなく、急激に浅くなっている。なお、太溝2111の深さは均一であり、細溝2112の深さは均一である。なお、深さが均一であるとは、深さのばらつきが一定範囲内、例えば溝の深さの1/10以下、好ましくは1/100以下であることをいう。ただし、厳密には、半割軸受20の溝の底から外周面までの厚さが均一となるように製造される場合があり、この場合、オイルリリーフおよびクラッシリリーフに相当する分、溝の深さは変動する。
例えば、太溝2111の溝幅は、2〜5mmであり、太溝2111の深さは、溝幅より小さく、例えば、0.5〜1.5mmである。細溝2112の溝幅は太溝の溝幅よりも狭く、かつ細溝2112の深さは太溝の深さよりも浅い。
このように、クラッシリリーフ以外の部分における溝211が相対的に太く、深くなっていることにより、溝211の体積を十分に確保すること、すなわち摺動面に供給される潤滑油の量を十分に確保することができる。その上で、クラッシリリーフ内の部分における溝が相対的に細く、浅くなっていることにより、溝の幅および深さが均一な場合と比較して合せ面25および合せ面26からの漏れ油量を低減することができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態および以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。
本発明においては、溝111の壁面と溝112の壁面は、半割軸受10の径方向に沿った方向となっているが、半割軸受10の径方向に対して斜めの構成、即ち、溝の底から開口部に向かうにつれて溝の幅が広がっている構成であってもよい。
上述した実施形態においては、図4に示したように、溝111の底と溝112の底の形状は曲面(U字形状)となっているが、溝111の底と溝112の底の形状は鋭角(V字形状)であってもよい。また、溝111の底と溝112の底の形状は、溝の壁面と底が直角に交わる構成(凹字形状)であってもよい。また、本発明においては、溝111および溝112の周方向の端の面と溝の底が直角に交わる構成であってもよい。
本発明に係る半割軸受10については、面取り部113と面取り部114については、半円筒形状に曲げる前に形成してもよい。
また、本発明に係る半割軸受10については、溝111と溝112をプレス加工により形成してもよい。また、面取り部113と面取り部114については、切削加工により形成してもよく、曲げ加工で半円筒形状に成形するときに同時に形成するようにしてもよい。
上述した実施形態においては、半割軸受10は、クラッシリリーフ13とクラッシリリーフ14を備えているが、クラッシリリーフ13とクラッシリリーフ14を備えていない構成であってもよい。
上述した実施形態においては、面取り部113と面取り部114は、半割軸受10の周方向の全体に亘って設けられているが、周方向の全体に亘って設けられていなくてもよい。例えば、面取り部113の周方向の長さについて、溝111の周方向の長さ+所定の長さとしてもよい。
本発明においては、溝111と溝112の周方向の長さは、図に示した長さだけでなく、他の長さであってもよい。例えば、上述した偏角θ1および偏角θ2が90°以上となる構成であってもよく、また、図に示した角度以下の角度であってもよい。
上述した実施形態においては、溝111と溝112は、半割軸受10の左右方向の中央部より左側(中央部より回転方向下流側)に設けられているが、半割軸受10の左右方向の中央部より右側(中央部より回転方向上流側)に設けられている構成であってもよい。
また、溝111と溝112は、半割軸受10の左右方向の中央部を跨ぐ構成であってもよい。
本発明においては、半割軸受10は、溝111と面取り部113を有し、溝112と面取り部114を有していない構成、または溝111と面取り部113を有しておらず、溝112と面取り部114を有している構成であってもよい。
上述した実施形態においては、溝111は、面取り部113から半割軸受10の径方向に凹み、溝112は、面取り部114から半割軸受10の径方向に凹んでいるが、径方向から−z方向又は+z方向へ傾いて凹んだ構成であってもよい。
10…半割軸受
11…外周面
12…内周面
13…クラッシリリーフ
14…クラッシリリーフ
15…合せ面
16…合せ面
111…溝
112…溝
113…面取り部
114…面取り部
20…半割軸受
22…内周面
23…クラッシリリーフ
24…クラッシリリーフ
25…合せ面
26…合せ面
27…孔
211…溝
2111…太溝
2112…細溝

Claims (7)

  1. 半円筒形状であって軸が摺動する内周面を有する半割軸受であって、
    軸方向の少なくとも一端の前記内周面側に形成された面取り部と、
    前記面取り部に形成され、前記内周面の周方向に延びる溝と、
    を備える半割軸受。
  2. 前記溝を前記軸方向に切断したときの前記溝の断面の形状がU字形状である
    請求項1に記載の半割軸受。
  3. 前記溝を前記軸方向に切断したときの前記溝の断面の形状がV字形状である
    請求項1に記載の半割軸受。
  4. 前記軸方向における前記溝の開口部中心は、前記軸方向における前記面取り部の中心よりも前記軸方向における前記内周面の中心側にある
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半割軸受。
  5. 前記面取り部および前記溝は、前内周面の記周方向の一部に設けられている
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半割軸受。
  6. 前記面取り部および前記溝は、前記周内周面の方向の中央より前記軸の回転方向下流側に設けられている
    請求項5に記載の半割軸受。
  7. 前記面取り部の一部に前記溝が設けられている
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の半割軸受。
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