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JP2018091047A - 人工地盤及びその構築方法 - Google Patents

人工地盤及びその構築方法 Download PDF

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JP2018091047A
JP2018091047A JP2016235484A JP2016235484A JP2018091047A JP 2018091047 A JP2018091047 A JP 2018091047A JP 2016235484 A JP2016235484 A JP 2016235484A JP 2016235484 A JP2016235484 A JP 2016235484A JP 2018091047 A JP2018091047 A JP 2018091047A
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糸井 元保
Motoyasu Itoi
元保 糸井
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Abstract

【課題】発泡樹脂ブロックによる反発のエネルギーや浮力も利用し、沈下抑制効果及び安定性の高い人工地盤を構築する。【解決手段】人工地盤は、ブロック上面に逆錘形凹部2を有し逆錘形凹部2の底に杭挿通孔3を有する、現地地盤15に敷設された発泡樹脂ブロック1と、杭挿通孔3を通して現地地盤15に打ち込まれ、上部を逆錘形凹部2に残した杭4と、逆錘形凹部2に打設されて杭4の上部と接合した逆錐状部8と発泡樹脂ブロック1の上に打設されて逆錐状部8と一体化した版状部9とからなる現場打ちコンクリート7と、版状部9に埋設された補強鉄筋10とを含む。【選択図】図5

Description

本発明は、軟弱地盤の上に土木建造物や建物等の構造物を構築する際に、構造物の荷重による地盤沈下を抑制するために構築する人工地盤に関するものである。
従来、次のような人工地盤が知られている。
(1)セメント系固化材を使用した人工地盤
・現地土壌にセメント系固化材を混合し半コンクリート化した版状とした人工地盤である(特許文献1)。我が国では多く採用されており、正しい知見に基づき施工管理を行えば、耐震性や排水性が高く安定した土留工法であるが、次のような問題がある。
・環境面で難題があり、住宅地では使用が限定される。また、土質によって固化材の適切な選択を必要とする。
・現地で土壌とセメント系固化材の混合作業が何らかの理由でできない場合は、他所へ現地の土壌の運搬を行い、他所で混合したうえで現地に運搬し施工することになり、相当な経費を計上する必要が生じる。
・かなりの厚さの版を構築しないと、均等した沈下を得ることが難しく、不等沈下が生じることが多い。
・構築する版の厚さによっては、版の背面側の土壌地下水の排水ができなくなるため、排水層を設ける必要がある。排水層は、永年の排水作用で閉塞することも想定した対策が必要になり、費用が増える。
・半コンクリート化した版には、将来、排水管や下水管等を設置することができない。
(2)コンクリートブロックを使用した人工地盤
円板部と円錐部と軸脚部とからなるコマ(独楽)型コンクリートブロックをその軸脚部を現地地中に挿して自立させるとともに、コマ型コンクリートブロック同士を鉄筋で連結して、円錐部の下方に生じた空間、円板部間の開口部から中詰め砕石(40−0mmを使用)を投入し充填機で締固めて、版状とした人工地盤である(特許文献2)。現場での施工が容易である等の利点があるが、次のような問題がある。
・コマ型コンクリートブロックは重量が大きいため、人力での施工は困難であり、施工には重機が必要となる。狭所での作業は非常に困難になるため、施工費の増大が避けれない。
・砕石を投入する開口部は小さく、空間は下方へ45°に広がっているため、十分な締固めを行うことができない。そのため、完成した版に荷重が加わる初期に、少し下がることがある。
・地下水の上昇や、大雨による地下水増加により、充填された中詰め砕石内の細粒分が流動化し、コマ型コンクリートブロックと中詰め砕石層の摩擦が失われると、地盤全体の沈下が生じて空洞ができたり、地震時の揺れ等による中詰め材の沈下や縮小により不等沈下が生じやすくなったりして、版として機能しなくなるおそれがある。
(3)樹脂の中に砕石を詰め樹脂と砕石の摩擦によって版状とする人口地盤
厚さ150mm程度の亀甲形状の樹脂体に砕石を詰めて、樹脂体と砕石の摩擦によって版状化し、これを積層して地盤とする工法である。この工法も、地下水の高い個所では砕石内の細粒分の流動化で強度が落ち、版状部としての一体感が失われる。
特開昭51−139117号公報 特開昭61−122328号公報
また、多くの人工地盤製品は、構築後に構造物の荷重が作用すると、人工地盤の沈下がある程度生じて、地面との摩擦により沈下は一時的に収まるが、地震による揺れや、大雨、長雨による土壌の含水比の増加により、流動化して沈下が進むことがある。
そこで、本発明の目的は、沈下抑制効果及び安定性の高い人工地盤を構築することにある。
なお、本発明は、植物のオオオニバス(大鬼蓮)が空気層を多くもつ構造を有しており、大きいものであれば人が乗っても水中に沈まないことにヒントを得て、同じく空気層を多くもつ発泡樹脂を特定形状のブロックにして、特定構造の現場打ちコンクリートを打設できるようにすることを着想し、さらに鋭意検討のうえ完成したものである。
[1]人工地盤
ブロック上面に逆錘形凹部を有し、逆錘形凹部の底に杭挿通孔を有する、現地地盤に敷設された発泡樹脂ブロックと、
杭挿通孔を通して現地地盤に打ち込まれ、上部を逆錘形凹部に残した杭と、
逆錘形凹部に打設されて杭の上部と接合した逆錐状部と、発泡樹脂ブロックの上に打設されて逆錐状部と一体化した版状部とからなる現場打ちコンクリートと、
版状部に埋設された補強鉄筋とを含むことを特徴とする人工地盤である。
現場打ちコンクリートの上に積まれた砕石と、
砕石の上に敷設された第2の同様の発泡樹脂ブロックと、
該発泡樹脂ブロックの杭挿通孔を通して砕石間に打ち込まれ、上部を該発泡樹脂ブロックの逆錘形凹部に残した第2の杭と、
該逆錘形凹部に打設されて杭の上部と接合した逆錐状部と、該発泡樹脂ブロックの上に打設されて逆錐状部と一体化した版状部とからなる第2の現場打ちコンクリートと、
該版状部に埋設された補強鉄筋とを、さらに含む人工地盤とすることもできる。
発泡樹脂ブロックと現場打ちコンクリートとの間に樹脂マットが介在されてもよい。
樹脂マットは、逆錘形凹部と逆錐状部との間に介在された錘形板と、錘形板の上端から横に延びて発泡樹脂ブロックの上面と版状部との間に介在された横板とを備える態様を例示できる。
樹脂マットは、横板の周縁から立つ縦板をさらに備え、縦板に補強鉄筋が嵌入する切欠が設けられた態様とすることもできる。
[2]人工地盤の構築方法
ブロック上面に逆錘形凹部を有し、逆錘形凹部の底に杭挿通孔を有する発泡樹脂ブロックを、現地地盤に敷設するステップと、
杭を杭挿通孔を通して現地地盤に打ち込み、杭の上部を逆錘形凹部に残すステップと、
発泡樹脂ブロックの上方に補強鉄筋を配設するステップと、
逆錘形凹部に打設されて杭の上部と接合した逆錐状部と、発泡樹脂ブロックの上に補強鉄筋を埋設するように打設されて逆錐状部と一体化した版状部とからなる現場打ちコンクリートを形成するステップとを含むことを特徴とする人工地盤の構築方法である。
現場打ちコンクリートの上に砕石を積むステップと、
砕石の上に第2の同様の発泡樹脂ブロックを敷設するステップと、
第2の杭を該発泡樹脂ブロックの杭挿通孔を通して砕石間に打ち込み、杭の上部を該発泡樹脂ブロックの逆錘形凹部に残すステップと、
該発泡樹脂ブロックの上方に第2の補強鉄筋を配設するステップと、
該逆錘形凹部に打設されて杭の上部と接合した逆錐状部と、該発泡樹脂ブロックの上に打設されて逆錐状部と一体化した版状部とからなる第2の現場打ちコンクリートを形成するステップとを、さらに含む人工地盤の構築方法とすることもできる。
発泡樹脂ブロックの上に樹脂マットを載せて接着し、発泡樹脂ブロックと現場打ちコンクリートとの間に樹脂マットを介在させることもできる。
[3]人工地盤用の発泡樹脂ブロック
ブロック上面に逆錘形凹部を有し、逆錘形凹部の底に杭挿通孔を有する人工地盤用の発泡樹脂ブロックである。
本発明によれば、上に構築する構造物の荷重を土中に適切に分散させることができるとともに、発泡樹脂ブロックの収縮による反発のエネルギーも荷重に対する反力にでき、水位が高い場合は発泡樹脂ブロックに発生する浮力も荷重に対する反力にでき、もって沈下抑制効果及び安定性の高い人工地盤を構築することができる。
実施例1に係る具体例1の発泡樹脂ブロックの(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は断面図であり、(d)は杭の斜視図である。 同じく具体例2に係る発泡樹脂ブロックの(a)は平面図、(b)は断面図である。 同じく具体例3に係る発泡樹脂ブロックの(a)は斜視図、(b)は断面図である。 具体例1の発泡樹脂ブロックを現地地盤に敷設して人工地盤を構築する途中の(a)は平面図、(b)は断面図である。 現場打ちコンクリートを形成して構築した同人工地盤の断面図である。 同発泡樹脂ブロック及び現場打ちコンクリートを2層に設けて構築した人工地盤の断面図である。 具体例2の発泡樹脂ブロックを現地地盤に敷設して人工地盤を構築する途中の断面図である。 現場打ちコンクリートを形成して構築した同人工地盤の断面図である。 同発泡樹脂ブロック及び現場打ちコンクリートを2層に設けて構築した人工地盤の断面図である。 実施例2に係る介在マットを併用した発泡樹脂ブロックの(a)は分解斜視図、(b)は断面図である。 同介在マット及び発泡樹脂ブロックを現地地盤に敷設し、現場打ちコンクリートを形成して構築した人工地盤の一部を示す断面図である。
(1)発泡樹脂ブロック
発泡樹脂ブロックの樹脂は、特に限定されないが、ポリスチレン(スチロール)、ポリウレタン、ポリオレフィン等を例示できる。特に、独立気泡を内蔵した発泡樹脂粒の集合体である発泡樹脂ブロックは、長期間水浸状態であってもその気泡内に水が浸入しないため、好ましい。
発泡樹脂ブロックの物性は、特に限定されないが、次の特性(いずれもJIS A9511に準拠)を例示できる。
・密度12〜35kg/m3 (好ましくは16〜30kg/m3 、より好ましくは20〜30kg/m3
・許容圧縮応力20〜200kN/m2 以上(好ましくは35〜140kN/m2 、より好ましくは50〜100kN/m2
発泡樹脂ブロックの形状は、特に限定されないが、直方体、円柱体、多角柱体(六角柱体等)等を例示できる。発泡樹脂ブロック間に実質的に隙間ができないように現地地盤に敷設できる点で、平面視正方形の直方体が好ましい。
発泡樹脂ブロックの寸法は、特に限定されないが、平面視寸法は平面正方形の場合は一辺500〜2500mmが好ましく、厚さ(高さ)は200〜1200mmが好ましい。これらの範囲より小さいと、浮力性が弱くなり、これらの範囲より大きいと、取扱性が低下する。
逆錘形凹部の逆錘形は、特に限定されないが、逆円錘形、逆多角錘形(逆四角錘形等)等を例示できる。
逆錘形の水平に対する傾斜角は、特に限定されないが、30〜60度が好ましく、40〜50度がより好ましい。また、逆錘形の断面ラインは、直線に限定されず、内へ凸の曲線や、内へ凹の曲線を含んでもよい。
逆錘形凹部の寸法は、特に限定されないが、平面視寸法は円形の場合は直径400〜2400mmが好ましく、深さ(高さ)は150〜1150mmが好ましい。これらの範囲より小さいと、逆錘形凹部に打設する現場打ちコンクリートの逆錐状部が小さくなって、逆錐状部が負担する荷重が小さくなり、これらの範囲より大きいと杭に集中する荷重が大きくなる。
杭挿通孔の形状は、特に限定されないが、杭の形状に合致したものが好ましく、円柱形状の杭に対しては円形孔が好ましい。
(2)杭
杭の材料は、特に限定されないが、樹脂、コンクリート、鋼等を例示でき、軽量性の点で樹脂が好ましい。
杭の太さは、特に限定されないが、50〜200mmが好ましい。この範囲より小さいと、土との摩擦抵抗力が小さくなり、この範囲より大きいと、取扱性が低下する。
杭の現地地盤への打ち込み長さは、特に限定されないが、200〜1500mmが好ましい。この範囲より小さいと、抵抗力が小さくなり、この範囲より大きいと、取扱性が低下する。
杭の砕石間への打ち込み長さは、特に限定されないが、100〜300mmが好ましい。この範囲より小さいと、拘束力が小さくなり、この範囲より大きいと、取扱性が低下する。
逆錘形凹部に残す杭の上部の長さは、特に限定されないが、50〜1000mm(但し、逆錘形凹部の深さを超えない。)が好ましい。この範囲より小さいと、杭の上部と逆錐状部との接合力が小さくなる。
(3)樹脂マット
樹脂マットの樹脂は、特に限定されないが、発泡樹脂ブロックのと接着性の良い樹脂が好ましい。
(4)構造物
人工地盤の上に構築する構造物としては、特に限定されないが、土木構造物(例えば、ボックスカルバート、水路、擁壁等)や建築物(例えば、住宅、工場、倉庫等)等を例示できる。
以下に挙げる実施例の各部の形状・寸法は例示であり、適宜変更できる。
図1〜図3に、実施例1に係る3種(寸法又は一部形状が異なる具体例1〜3)の発泡樹脂ブロック1を示す。いずれの発泡樹脂ブロック1も、平面視が正方形である直方体をなし、ブロック上面に逆錘形凹部2を有し、逆錘形凹部2の底に貫通した杭挿通孔3を有する。発泡樹脂としては、例えば、アキレス株式会社のビーズ法ポリスチレンフォーム製品である商品名「アキレススチレンブロック」を用いることができる。
図1(具体例1)の発泡樹脂ブロック1は、直方体の高さが300mm、平面視正方形の一辺が700mmである。逆錘形凹部2は、下端で内直径100mm、上端で内直径600mmの逆円錐形であり、断面ラインは傾斜角45度の直線である。杭挿通孔3は、内径100mm、縦長さ50mmの丸孔である。
図2(具体例2)の発泡樹脂ブロック1は、直方体の高さが400mm、平面視正方形の一辺が1000mmである。逆錘形凹部2は、下端で内直径100mm、上端で内直径800mmの逆円錐形であり、断面ラインは傾斜角45度の直線である。杭挿通孔3は具体例1と同じである。
図3(具体例3)の発泡樹脂ブロック1は、直方体の高さが400mm、平面視正方形の一辺が1000mmである。逆錘形凹部2は、下端で内直径100mm、上端で内直径1000mmの逆円錐形であり、断面ラインは上部で内に凸の曲線、下部で傾斜角45度の直線である。杭挿通孔3は具体例1と同じである。
図1(d)に杭4を示す。杭4は、樹脂製の直径95mmの円柱杭であり、上端に直径120mmのフランジ部5を有し、下端に先細部6を有する。杭4は種々の長さ、例えば350mm、400mm、700mm、800mmのものが用いられる。
次に、図4及び図5に示す施工例は、図1(具体例1)の発泡樹脂ブロック1を使用して、軟弱性が比較的軽度である現地地盤15の上に構築した人工地盤である。この人工地盤は、その上に均しコンクリート16を介してボックスカルバート17を構築することを想定したものであり、次の要素から構成されている。
軟弱性が比較的軽度である現地地盤15の上には、複数の発泡樹脂ブロック1が、平面視で互いに近接して縦横に配列するように、横並びに敷設されている。
杭4が、発泡樹脂ブロック1の杭挿通孔3を通して現地地盤15に打ち込まれ、杭4の上部(例えば長さ50〜150mm分)は逆錘形凹部2に残されている。端部の発泡樹脂ブロック1には長さ700mmの杭4が打ち込まれ、その発泡樹脂ブロック1には長さ400mmの杭4が打ち込まれている。
逆錘形凹部2に打設されて杭4の上部と接合した逆錐状部8と、発泡樹脂ブロック1の上に打設されて逆錐状部8と連結一体化した厚さ100mmの版状部9とからなる現場打ちコンクリート7が形成されている。逆錐状部8は杭4のフランジ部5を巻き込むため、杭4と強く結合する。
版状部9には、縦筋11と横筋12とが平面視格子状に連結されてなり複数の発泡樹脂ブロック1にまたがる補強鉄筋10が埋設されている。
この人工地盤は、次のステップからなる方法で構築される。
(1)図4に示すように、複数の発泡樹脂ブロック1を、現地地盤15に敷設する。
(2)杭4を杭挿通孔3を通して現地地盤15に打ち込み、杭4の上部を逆錘形凹部2の内側に残す。
(3)図5に示すように、発泡樹脂ブロック1の上方に補強鉄筋10を配設する。
(4)コンクリートを逆錘形凹部2と発泡樹脂ブロック1の上に打設し、杭4の上部と接合した逆錐状部8と、補強鉄筋10を埋設し逆錐状部8と一体化した版状部9とからなる現場打ちコンクリート7を形成する。
続いて、図6に示す施工例は、軟弱性が比較的重度である現地地盤15の上に構築した2層構造の人工地盤である。この人工地盤は、図5の人工地盤の上にさらに次の要素を含んで構成されている。
現場打ちコンクリート7の上に、砕石13が例えば150〜200mmの高さの層状に積まれている。砕石13としては、現地地盤15の水位が低い又は無い場合には、安価な40−0mm砕石を用いればよく、現地地盤15の水位が高い場合には、砕石内の細粒分の流動化の問題がない単粒度砕石を用いることが好ましい。
砕石13の上に第2の同様の発泡樹脂ブロック1が同様に敷設されている。
第2の同様の杭4(但し長さ250〜400mm)が該発泡樹脂ブロック1の杭挿通孔3を通して砕石13間に打ち込まれ(打ち込み長さはほぼ砕石13の層高さ)、杭4の上部(例えば長さ50〜150mm分)は同様に逆錘形凹部2に残されている。
該発泡樹脂ブロック1の逆錘形凹部2に打設されて杭4の上部と接合した逆錐状部8と、該発泡樹脂ブロック1の上に打設されて逆錐状部8と一体化した版状部9とからなる第2の現場打ちコンクリート7が形成されている。
該版状部9には、第2の同様の補強鉄筋10が埋設されている。
この2層構造の人工地盤は、図5の例のステップ(1)〜(4)に加え、さらに次のステップを含む方法で構築される。
(5)現場打ちコンクリート7の上に砕石13を積む。
(6)砕石13の上に第2の同様の発泡樹脂ブロック1を敷設する。
(7)第2の杭4を該発泡樹脂ブロック1の杭挿通孔3を通して砕石13間に打ち込み、杭4の上部を逆錘形凹部2の内側に残す。
(8)該発泡樹脂ブロック1の上方に補強鉄筋10を配設する。
(9)コンクリートを逆錘形凹部2と該発泡樹脂ブロック1の上に打設し、杭4の上部と接合した逆錐状部8と、補強鉄筋10を埋設し逆錐状部8と一体化した版状部9とからなる第2の現場打ちコンクリート7を形成する。
次に、図7及び図8に示す施工例は、図2(具体例2)の発泡樹脂ブロック1を使用して、軟弱性が比較的軽度である現地地盤15の上に構築した人工地盤である。この人工地盤は、その上に1戸建て住宅19及びその基礎18を構築することを想定したものであり、図5の施工例と同様の要素から構成され、同様の方法で構築される(重複説明は避ける)。
続いて、図9に示す施工例は、軟弱性が比較的重度である現地地盤15の上に構築した2層構造の人工地盤である。この人工地盤は、図8の人工地盤の上にさらに次の要素を含んで、図6に示す施工例と同様の要素から構成され、同様の方法で構築される(重複説明は避ける)。但し、下層にはすべて長さ800mmの杭4が用いられている。
以上のように構成された本実施例の人工地盤によれば、次の作用効果が得られる。
(ア)現場打ちコンクリート7の逆錐状部8に構造物(16,18,19)の荷重の負担を持たせた構造であり、逆錐状部8と土中に打ち込んだ杭4は接合して一体化しているため、杭4にほとんどの荷重を集中させる。土中に食い込んだ杭4には大きな抵抗力が働き、杭4の抵抗力は逆錐状部8から版状部9の全体に伝わり、沈下抑制効果を高め、人工地盤を安定化させる。
(イ)端部分の杭4をそれ以外の通常の杭4より長くするのは、人工地盤を構成する地中内の拘束度合いを高め、地盤強度を高めて抵抗を増加させる効果があるからである。
(ウ)杭4は土中に食い込むことで、荷重を分散し、横ずれも防止する。横ずれの防止効果は特に地震時に発揮され、人工地盤の安定化に効果が大きい。
(エ)荷重は逆錐状部8の下面から発泡樹脂ブロック1にも分散するが、特に杭4に掛かる荷重が限界を超すと、発泡樹脂ブロック1に分散する荷重が増加する。発泡樹脂ブロック1に分散した荷重は、発泡樹脂ブロック1をわずかに収縮させ、収縮は反発のエネルギーとして働く。その反発エネルギーは、上部からの荷重に対して内在した反力として常に存在する。水位が高い場所などにおいては、発泡樹脂ブロック1に浮力が発生して、荷重に対する抵抗力(反発力)となり、沈下抑制効果と安定感を高める。よって、軟弱で水位が高い現場に向いている。
(オ)図6、図9に示した2層構造の人工地盤によれば、さらに沈下抑制効果を高め、人工地盤を安定化させることができるので、軟弱性が比較的重度である現地地盤15に適する。
(カ)従来のセメント系固化材を使用した人工地盤と比べると、本実施例の人工地盤は、環境面で問題がなく、セメント系固化材の混合作業が不要であり、現場打ちコンクリート7をさほど厚くしなくても済み、排水層の必要性が減少し、排水管や下水管等も設置しやすい。
(キ)従来のコマ型コンクリートブロックを使用した人工地盤と比べると、本実施例の人工地盤は、重力物であるコマ型コンクリートブロックの運搬・施工が不要であり、ブロック下方への中詰め砕石の充填・締固めも不要であり、よって中詰め砕石内の細粒分の問題もない。
(ク)次に述べる実施例2と比べると、介在シートを使用せず、よって介在シートを発泡樹脂ブロック1に接着する手間も要らないため、非常に安価であり、施工も早く簡易にできる。
図10及び図11に示す実施例2は、発泡樹脂ブロック1と現場打ちコンクリート7との間に樹脂マット20が介在された点において実施例1と相違し、その他は実施例1と共通である。
樹脂マット20は、逆錘形凹部2と逆錐状部8との間に介在された錘形板21と、錘形板21の上端から横に延びて発泡樹脂ブロック1の上面と版状部9との間に介在された横板22と、横板22の周縁から立つ縦板23とを備え、縦板23に補強鉄筋10が嵌入する切欠24が設けられている。
本実施例では、実施例1のステップ(1)(6)で又はその前に、発泡樹脂ブロック1の上に樹脂マット20を載せて接着剤により接着する。また、実施例1のステップ(3)(8)で、補強鉄筋10を樹脂マット20の切欠24に嵌合させる。そして、実施例1のステップ(4)(6)で、コンクリートを樹脂マット20の錘形板21及び横板22の上に打設すると、発泡樹脂ブロック1と現場打ちコンクリート7との間に樹脂マット20が介在される。
本実施例によれば、実施例1の(ア)〜(キ)と同様の作用効果が得られる。また、(ク)の安価性・施工性の効果はやや低くなる反面、樹脂マット20が現場打ちコンクリート7の受け材となり、発泡樹脂ブロック1の強度を補うので、比較的強度の低い発泡樹脂ブロック1を用いることもできる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して具体化することもできる。
1 発泡樹脂ブロック
2 逆錘形凹部
3 杭挿通孔
4 杭
5 フランジ部
6 先細部
7 現場打ちコンクリート
8 逆錐状部
9 版状部
10 補強鉄筋
11 縦筋
12 横筋
13 砕石
15 現地地盤
16 均しコンクリート
17 ボックスカルバート
18 基礎
19 住宅
20 樹脂マット
21 錘形板
22 横板
23 縦板
24 切欠

Claims (9)

  1. ブロック上面に逆錘形凹部(2)を有し、逆錘形凹部(2)の底に杭挿通孔(3)を有する、現地地盤(15)に敷設された発泡樹脂ブロック(1)と、
    杭挿通孔(3)を通して現地地盤(15)に打ち込まれ、上部を逆錘形凹部(2)に残した杭(4)と、
    逆錘形凹部(2)に打設されて杭(4)の上部と接合した逆錐状部(8)と、発泡樹脂ブロック(1)の上に打設されて逆錐状部(8)と一体化した版状部(9)とからなる現場打ちコンクリート(7)と、
    版状部(9)に埋設された補強鉄筋(10)とを含むことを特徴とする人工地盤。
  2. 現場打ちコンクリート(7)の上に積まれた砕石(13)と、
    砕石(13)の上に敷設された第2の同様の発泡樹脂ブロック(1)と、
    該発泡樹脂ブロック(1)の杭挿通孔(3)を通して砕石(13)間に打ち込まれ、上部を該発泡樹脂ブロック(1)の逆錘形凹部(2)に残した第2の杭(4)と、
    該逆錘形凹部(2)に打設されて杭(4)の上部と接合した逆錐状部(8)と、該発泡樹脂ブロック(1)の上に打設されて逆錐状部(8)と一体化した版状部(9)とからなる第2の現場打ちコンクリート(7)と、
    該版状部(9)に埋設された補強鉄筋(10)とを、さらに含む請求項1記載の人工地盤。
  3. 発泡樹脂ブロック(1)と現場打ちコンクリート(7)との間に樹脂マット(20)が介在された請求項1又は2記載の人工地盤。
  4. 樹脂マット(20)は、逆錘形凹部(2)と逆錐状部(8)との間に介在された錘形板(21)と、錘形板(21)の上端から横に延びて発泡樹脂ブロック(1)の上面と版状部(9)との間に介在された横板(22)とを備える請求項3記載の人工地盤。
  5. 樹脂マット(20)は、横板(22)の周縁から立つ縦板(23)をさらに備え、縦板(23)に補強鉄筋(10)が嵌入する切欠(24)が設けられた請求項4記載の人工地盤。
  6. ブロック上面に逆錘形凹部(2)を有し、逆錘形凹部(2)の底に杭挿通孔(3)を有する発泡樹脂ブロック(1)を、現地地盤(15)に敷設するステップと、
    杭(4)を杭挿通孔(3)を通して現地地盤(15)に打ち込み、杭(4)の上部を逆錘形凹部(2)に残すステップと、
    発泡樹脂ブロック(1)の上方に補強鉄筋(10)を配設するステップと、
    逆錘形凹部(2)に打設されて杭(4)の上部と接合した逆錐状部(8)と、発泡樹脂ブロック(1)の上に補強鉄筋(10)を埋設するように打設されて逆錐状部(8)と一体化した版状部(9)とからなる現場打ちコンクリート(7)を形成するステップとを含むことを特徴とする人工地盤の構築方法。
  7. 現場打ちコンクリート(15)の上に砕石(13)を積むステップと、
    砕石(13)の上に第2の同様の発泡樹脂ブロック(1)を敷設するステップと、
    第2の杭(4)を該発泡樹脂ブロック(1)の杭挿通孔(3)を通して砕石(13)間に打ち込み、該杭(4)の上部を該発泡樹脂ブロック(1)の逆錘形凹部(2)に残すステップと、
    該発泡樹脂ブロック(1)の上方に第2の補強鉄筋(10)を配設するステップと、
    該逆錘形凹部(2)に打設されて杭(4)の上部と接合した逆錐状部(8)と、該発泡樹脂ブロック(1)の上に打設されて逆錐状部(8)と一体化した版状部(9)とからなる第2の現場打ちコンクリート(7)を形成するステップとを、さらに含む請求項6記載の人工地盤の構築方法。
  8. 発泡樹脂ブロック(1)の上に樹脂マット(20)を載せて接着し、発泡樹脂ブロック(1)と現場打ちコンクリート(7)との間に樹脂マット(20)を介在させる請求項6又は7記載の人工地盤の構築方法。
  9. ブロック上面に逆錘形凹部(2)を有し、逆錘形凹部(2)の底に杭挿通孔(3)を有する人工地盤用の発泡樹脂ブロック。
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