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JP7579185B2 - 盛土構造物の構築方法 - Google Patents

盛土構造物の構築方法 Download PDF

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JP7579185B2 JP2021040424A JP2021040424A JP7579185B2 JP 7579185 B2 JP7579185 B2 JP 7579185B2 JP 2021040424 A JP2021040424 A JP 2021040424A JP 2021040424 A JP2021040424 A JP 2021040424A JP 7579185 B2 JP7579185 B2 JP 7579185B2
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Description

本発明は、発泡材などの軽量部材からなるブロック部材を用いた盛土構造物の構築方法に関する。
従来、軟弱地盤などの土木工事において、土砂などにより盛土を形成する際に、発泡スチロールや発泡ポリスチレンなどの合成樹脂発泡体からなる軽量材を用いて盛土を構築することが知られている。
このような盛土構造物の構築方法に用いられるブロック部材は種々の形態が知られており、例えば、以下の特許文献に記載された盛土構造物構築用盛土ブロックなどが知られている。
特許文献1に記載された盛土構造物構築用ブロックは、地盤上に複数段積み重ねられて盛土構造物を構築する、発泡スチロール製の盛土ブロックであり、内部に水を侵入させる空洞部が形成され、この空洞部に連続して水を空洞部へ流入させる流入口及び空洞部から水を排出させる流出口が端面まで設けられている。
このような盛土楮物構築用盛土ブロックによれば、内部に水を侵入させる空洞部を設けたことで、発泡スチロールブロックの本来の特性である超軽量性という利点を活かしながら浮力を大幅に軽減することができ、その結果浮力対策としての盛土の量が低減され、経済的な盛土構造物を構築することができる。
特許文献2に記載された盛土用発泡樹脂ブロックは、発泡樹脂ブロックの上下面が正方形の盛土用発泡樹脂ブロックであって、上記発泡樹脂ブロックの上下面を貫通する同じ大きさのn2個(nは自然数)の貫通孔を有し、上記発泡樹脂ブロックの4側面には、それぞれ該ブロックの上下面を貫通して、上記貫通孔の半分の形状を有するn個(nは上記に同じ)の側面貫通凹部を有し、また、上記発泡樹脂ブロックの4隅には、それぞれ該ブロックの上下面を貫通して、上記貫通孔の4分の1の形状を有する4隅貫通凹部を有し、さらに、それぞれの貫通孔、側面貫通凹部および4隅貫通凹部は一定間隔で配置され、かつ上記発泡樹脂ブロックの下面部に開口部を有する横溝によって連通され、上記発泡樹脂ブロックの上面部には前記横溝に対応する位置に突起が設けられている。
このような盛土用発泡樹脂ブロックは、発泡樹脂ブロックの上下面が正方形の盛土用発泡樹脂ブロックであって、上記発泡樹脂ブロックの上下面を貫通する同じ大きさのn2個(nは自然数)の貫通孔を有し、上記発泡樹脂ブロックの4側面には、それぞれ該ブロックの上下面を貫通して、上記貫通孔の半分の形状を有するn個(nは上記に同じ)の側面貫通凹部を有し、また、上記発泡樹脂ブロックの4隅には、それぞれ該ブロックの上下面を貫通して、上記貫通孔の4分の1の形状を有する4隅貫通凹部を有し、さらに、それぞれの貫通孔、側面貫通凹部および4隅貫通凹部は一定間隔で配置され、かつ上記発泡樹脂ブロックの下面部に開口部を有する横溝によって連通され、上記発泡樹脂ブロックの上面部には前記横溝に対応する位置に突起が設けられていることを特徴とする盛土用発泡樹脂ブロックとしたので、空隙部が効率よく排水路として機能し、地下水の水位が上昇しても盛土用発泡樹脂ブロックが浮き上がらず、また水位が下がっても本来の盛土用発泡樹脂ブロックとしての機能を保持でき、さらに構造が簡単で施工が容易な盛土用発泡樹脂ブロックが得られる。しかも、金型コストも低減することができる。
特許文献3に記載の盛土用発泡樹脂ブロックは、互いを反転組み合わせて盛土用発泡樹脂ブロックを構成する発泡樹脂ブロック体であって、発泡樹脂板に一定の配列で複数の支柱部を突出させて設け、この支柱部が設けられない前記発泡樹脂板部分に一定配列で複数の貫通部を設けている。
このような盛土用発泡樹脂ブロックは、発泡樹脂板に一定の配列で突出させて設けた複数の支柱部同士を突き合わせてブロックとしたので、荷重を均一に支持して圧縮強度を高めることができる。また、浮力に対して発泡樹脂板の一方側では、支柱部の側方を水の注排水路とし、他方側では、発泡樹脂板に一定配列で複数設けた貫通部を水の注排水路としたので、急激な水位上昇や冠水にも対しても円滑に水を注排水することができ、浮力を極力抑えることができる。
特開昭63-251521号公報 特開2001-271353号公報 特開2006-183287号公報
しかし、特許文献1に記載された盛土構造物構築用盛土ブロックは、浮力に対する対策が十分ではなく、依然として浮力を抑える押え荷重が必要であるという問題があった。また、特許文献2や3に記載された盛土用発泡樹脂ブロックは、形状が複雑であることから、盛土用発泡樹脂ブロックの製造コストを抑えることが難しく、施工に手間がかかることから、施工コストの抑制も難しいという問題があった。
また、特許文献2や3に記載された盛土用発泡樹脂ブロックは、複雑な形状であるために、運搬時の容積が大きくなり、輸送コストを抑えることが難しいという問題があった。
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、より安価かつ簡便な構成で盛土を構築することができる盛土構造物の構築方法を提供することを目的とする。
本発明に係る盛土構造物の構築方法は、少なくとも鉛直方向に貫通する貫通孔を有するポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンのいずれかの発泡材からなるブロック部材を準備する第1の工程と、前記ブロック部材を前記貫通孔が互いに連通するように配置すると共に、所定の範囲及び所定の高さに積み上げる第2の工程と、前記貫通孔の一部に砕石を充填する第3の工程と、を備え、前記第3の工程は、前記砕石が充填されていない他の前記貫通孔に、重量物を載置した場合の基礎とすることができる杭部材を打設する第6の工程を有することを特徴とする。
また、本発明に係る盛土構造物の構築方法において、前記貫通孔は、鉛直方向と交差する方向に互いに連通して伸びる横貫通孔を有し、前記横貫通孔と鉛直方向の貫通孔との交点には、前記鉛直方向の貫通孔に充填された砕石が前記横貫通孔に流れるのを防止する砕石抑止手段を有すると好適である。
また、本発明に係る盛土構造物の構築方法において、前記第2の工程は、積み上げた前記ブロック部材の間に砕石層を形成する第4の工程を有すると好適である。
また、本発明に係る盛土構造物の構築方法において、前記第4の工程は、前記ブロック部材と前記砕石層の間に前記砕石の流出を防止する砕石抑制手段を設ける第5の工程を有すると好適である。
また、本発明に係る盛土構造物の構築方法において、前記砕石は、スラグ骨材で構成されると好適である。
また、本発明に係る盛土構造物の構築方法において、前記砕石は、生分解性材が混合されると好適である。
また、本発明に係る盛土構造物の構築方法において、前記ブロック部材は、鉛直方向の断面において、水平方向の少なくとも一端が段部を有すると好適である。
また、本発明に係る盛土構造物の構築方法において、前記ブロック部材は、鉛直方向の断面において、水平方向の少なくとも一端に斜面が形成されていると好適である。
また、本発明に係る盛土構造物の建築方法は、少なくとも鉛直方向に貫通する貫通孔を有するポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンのいずれかの発泡材からなるブロック部材を準備する第1の工程と、予め杭部材を打設する工程と、前記ブロック部材を前記貫通孔が互いに連通するように配置して前記貫通孔の一部に前記杭部材を挿入すると共に、所定の範囲及び所定の高さに積み上げる第2の工程と、前記杭部材が挿入されていない他の貫通孔に砕石を充填する第3の工程と、を備え、前記杭部材は、盛土構造物に重量物を載置した場合の基礎とすることができることを特徴とする。
上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
本発明に係る盛土構造物の構築方法は、少なくとも鉛直方向に貫通する貫通孔を有する軽量材からなるブロック部材を準備する第1の工程と、前記ブロック部材を所定の範囲及び所定の高さに積み上げる第2の工程と、前記貫通孔に砕石を充填する第3の工程と、を有するので、従来の盛土用発泡ブロックのように複雑な構造を有さない簡素な構造でブロック部材を構成することができると共に、貫通孔に砕石を充填する第3の工程を有しているので、貫通孔をドレーンとすることができ、当該砕石の充填によって、盛土部全体の重量を増加させて浮力対策を行うことができる。
また、本発明に係る盛土構造物の構築方法は、鉛直方向に延びる貫通孔及び水平方向に延びる横貫通孔を有し、鉛直方向の貫通孔と横貫通孔との交点には、鉛直方向の貫通孔に充填された砕石が横貫通孔に流れるのを防止する砕石抑制手段を有しているので、横貫通孔に砕石が流れることで、鉛直方向に延びる貫通孔に充填される砕石の充填率が下がることを防止することができる。
さらに、本発明に係る盛土構造物の構築方法によれば、砕石に密度の大きなスラグ骨材を用いることで、砕石層の体積を調整することができ、貫通孔に充填する砕石に生分解性材を混合することで、経年使用による砕石層の目詰まりを防止することができる。
本実施形態に係る盛土構造物の概要図。 本実施形態に係る盛土構造物の第1の変形例を示す概要図。 本実施形態に係る盛土構造物の第2の変形例を示す概要図。 本実施形態に係る盛土構造物を用いた盛土の概要図。 本実施形態に係る盛土構造物に用いるブロック部材の構成を説明するための図であり、(a)は、平面図、(b)は正面図。 本実施形態に係る盛土構造物に用いるブロック部材の第1の変形例の構成を説明するための図であり、(a)は、平面図、(b)は正面図。 本実施形態に係る盛土構造物に用いるブロック部材の第2の変形例の構成を説明するための図であり、(a)は、平面図、(b)は正面図。 本実施形態に係る盛土構造物の構築方法のフロー図。 本実施形態に係る盛土構造物の第2の工程のフロー図。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る盛土構造物の概要図であり、図2は、本実施形態に係る盛土構造物の第1の変形例を示す概要図であり、図3は、本実施形態に係る盛土構造物の第2の変形例を示す概要図であり、図4は、本実施形態に係る盛土構造物を用いた盛土の概要図であり、図5は、本実施形態に係る盛土構造物に用いるブロック部材の構成を説明するための図であり、(a)は、平面図、(b)は正面図であり、図6は、本実施形態に係る盛土構造物に用いるブロック部材の第1の変形例の構成を説明するための図であり、(a)は、平面図、(b)は正面図であり、図7は、本実施形態に係る盛土構造物に用いるブロック部材の第2の変形例の構成を説明するための図であり、(a)は、平面図、(b)は正面図であり、図8は、本実施形態に係る盛土構造物の構築方法のフロー図であり、図9は、本実施形態に係る盛土構造物の第2の工程のフロー図である。
<盛土構造物の構成>
図1に示すように、本実施形態に係る盛土構造物1は、概略矩形体のブロック部材10を所定の範囲(図1の横方向)及び所定の高さ(図1の縦方向)に積み上げられて構成されている。ブロック部材10は、鉛直方向に貫通する貫通孔11が形成された矩形状の部材であり、軽量材で構成されている。より具体的には、軽量材は、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどの発泡材が好適に用いられる。
ブロック部材10は、高さ方向に貫通する貫通孔11が複数形成されており、当該貫通孔11は、高さ方向に重なり合うブロック部材10の貫通孔11同士が連絡するように配置され、内部に砕石20が充填されている。なお、互いに重なり合うブロック部材10の貫通孔11同士の位置合わせは、ブロック部材10を積み重ねる際に目視で行っても構わないし、貫通孔11に棒状の治具を挿通させてブロック部材10を重ね合わせた後に当該治具を引き抜いても構わない。また、ブロック部材10の貫通孔11の縁部を互いに凹凸係合可能なように凹部又は凸部を有するように形成しても構わない。
砕石20は、密度の大きなスラグ骨材で構成されると好適であるが、盛土部全体の重量を増加させることができれば、これに限らず、種々の砕石を用いることができる。また、砕石20には、生分解性材や発泡スチロールビーズを混合しても構わない。このような部材を混合することで、貫通孔11をドレーンDとして用いることができると共に、目詰まりなどを防止することができる。
また、貫通孔11に砕石20を充填することに替えて、一部の貫通孔11に杭部材を打設しても構わない。このように貫通孔11に図示しない杭部材を打設することで、盛土構造物1の剛性を高めると共に、盛土構造物1に重量物を載置した場合の基礎とすることができる。
また、図2に示すように、貫通孔11は、鉛直方向のみならず、鉛直方向と交差する方向に延びる横貫通孔12を形成しても構わない。このとき、鉛直方向の貫通孔11と横貫通孔12とが交差する交点部分には、鉛直方向の貫通孔11に充填された砕石20が横貫通孔12へ流れるのを防止する砕石抑止手段13が設けられている。砕石抑止手段13は、砕石20よりも目の細かいジオテキスタイルやステンレスメッシュで構成されると好適である。横貫通孔12は、砕石20が充填された貫通孔11と共に、盛土構造物1のドレーンDを構成しており、孔の数や寸法を調整することで、透水性を調整することができる。
また、図3に示すように、互いに重なり合うブロック部材10の間に砕石層14を形成しても構わない。砕石層14は、ブロック部材10の間に貫通孔11に充填する砕石20と同様の部材を用い、砕石層14とブロック部材10の間には、砕石抑制手段15が介在している。砕石抑制手段15は、上述した砕石抑止手段13と同様に砕石20よりも目の細かいジオテキスタイルやステンレスメッシュで構成されると好適である。
このように、ブロック部材10の間に砕石層14を形成することで、盛土部全体の重量を増加させることができ、砕石層14が横方向に延びるドレーンDとして機能させることができ排水性を向上させることができる。
このように構成された盛土構造物1は、図4に示すように、盛土30の量を低減することができるので、土圧が小さくなり、擁壁31の厚みを小さくすることができる。また、貫通孔11に充填した砕石20やブロック部材10間に形成した砕石層14の重量によって浮力対策がなされ、これらの砕石20や砕石層14がドレーンDとして機能するので、透水性を向上させることができる。
次に、本実施形態に係る盛土構造物1に用いるブロック部材10について説明を行う。図5(a)に示すように、ブロック部材10は、上面から下面に貫通する貫通孔11が複数形成されている。図5(a)では、上面に横方向に4つの貫通孔11が2列、合計8つ形成されている。また、図5(b)に示すように、ブロック部材10の厚みは扁平形状としても構わない。
このように、扁平形状とすることでブロック部材10を運搬する際に荷台やコンテナ等に積載する場合、できる限り空隙を有さずに運搬することができることから、運搬効率を向上させ、盛土構造物1の施工コストを抑制することができる。
また、図6(b)に示すように、ブロック部材10aの水平方向の一端に段部16を形成しても構わない。この場合、図6(a)及び(b)に示すように、互いに段部16同士を重ね合わせるように組み合わせることで、できる限り空隙を有さずに運搬することができることから、運搬効率を向上させ、盛土構造物1の施工コストを抑制することができる。また、段部16を盛土構造物1の端部に配置することで、盛土構造物1の外形段差を細かくすることができ、盛土の量を削減することのできる盛土構造物1とすることができる。
さらに、図7(b)に示すように、ブロック部材10bの少なくとも一端に斜面17を形成しても構わない。この場合、上述した段部16を形成した場合と同様に、互いに斜面17同士を重ね合わせるように組み合わせることで、できる限り空隙を有さずに運搬することができることから、運搬効率を向上させ、盛土構造物1の施工コストを抑制することができる。また、斜面17を盛土構造物1の端部に配置することで、盛土構造物1の外形形状に斜面を形成することができ、盛土の量を削減することのできる盛土構造物1とすることができる。
<盛土構造物の構築方法>
次に、図8及び図9を参照して本実施形態に係る盛土構造物の構築方法について説明する。図8に示すように、本実施形態に係る盛土構造物の構築方法は、少なくとも鉛直方向に貫通する貫通孔を有する軽量材からなるブロック部材10を準備する第1の工程(S101)と、ブロック部材10を所定の範囲及び所定の高さに積み上げる第2の工程(S102)と、貫通孔11に砕石20を充填する第3の工程(S103)と、を有している。
第1の工程(S101)は、上述したブロック部材10を本実施形態に係る盛土構造物1の構築場所に運搬して準備する。なお、ブロック部材10に横貫通孔12が形成されている場合には、ブロック部材10の貫通孔11に横貫通孔12へ砕石20が流れ出ないように、砕石抑止手段13を取り付ける。
第2の工程(S102)は、ブロック部材10を盛土構造物1の構築場所の所定の範囲及び所定の高さに積み上げる。具体的には、図9に示すように、まず、ブロック部材10を所定の範囲に並べる(S201)。次に、並べたブロック部材10の上面に砕石抑制手段15を配置する第5の工程(S202)を行う。その後、砕石抑制手段15上に砕石20を配置して砕石層14を形成する第4の工程(S203)を行う。この第2の工程を繰り返すことで、互いに重なりあうブロック部材10の間に砕石層14を形成するとともに、ブロック部材10砕石層14との間に砕石抑制手段15を形成することができる。
また、ブロック部材10の貫通孔11は、ブロック部材10を積み上げる際に互いに重なり合うブロック部材10の貫通孔11が連通するように、位置合わせがなされる。なお、砕石層14を有さない図1や図2のような盛土構造物1,1aを構築する場合には、第4の工程(S203)及び第5の工程(S202)を省略することができる。
第3の工程(S103)は、互いに連通するように配置された貫通孔11に砕石20を充填する。この際、全ての貫通孔11に砕石20を充填せず、所定の貫通孔11に杭部材を打設する第6の工程を有しても構わない。このように、砕石20に替えて杭部材を打設することで、盛土構造物1の剛性を高めると共に、盛土構造物1に重量物を載置した場合の基礎とすることができる。
このように、本実施形態に係る盛土構造物1の構築方法によれば、貫通孔11が形成されたブロック部材10を単に重ねていくだけで、鉛直方向に連通する貫通孔を形成することができ、当該貫通孔11に砕石20を充填することでドレーンとすることで盛土構造物1の排水性能を安価に向上させることができる。また、砕石20を充填することで、砕石20の重量によって盛土構造物1の浮力対策も可能となる。
また、本発明に係る盛土構造物の構築方法は、軟弱地盤上の盛土、急傾斜地盛土、構造物の裏込、直立壁及び盛土の拡幅などの荷重軽減および土圧低減を図る必要のある場合であっても、盛土構造物1を安価に構築することができる。
なお、上述した本実施形態に係る盛土構造物1は、ブロック部材10に8つの貫通孔11を形成した場合について説明を行なったが、貫通孔11の数はこれに限らず、適宜増減することができる。また、杭部材を打設する際に、貫通孔11に杭部材を打設する方法について説明を行なったが、予め打設された杭部材に貫通孔11を挿入するように積み上げても構わない。また、貫通孔11は、予めブロック部材10に貫通孔11を形成した場合について説明を行なったが、貫通孔11の形成されていないブロック部材を所定の高さまで積み上げたのち、貫通孔11を形成しても構わない。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 盛土構造物, 10,10a,10b ブロック部材, 11 貫通孔, 12 横貫通孔, 13 砕石抑止手段, 14 砕石層, 15 砕石抑制手段, 16 段部, 17 斜面, 20 砕石, 30 盛土, 31 擁壁, D ドレーン。

Claims (9)

  1. 少なくとも鉛直方向に貫通する貫通孔を有するポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンのいずれかの発泡材からなるブロック部材を準備する第1の工程と、
    前記ブロック部材を前記貫通孔が互いに連通するように配置すると共に、所定の範囲及び所定の高さに積み上げる第2の工程と、
    前記貫通孔の一部に砕石を充填する第3の工程と、を備え、
    前記第3の工程は、前記砕石が充填されていない他の前記貫通孔に、重量物を載置した場合の基礎とすることができる杭部材を打設する第6の工程を有することを特徴とする盛土構造物の構築方法。
  2. 前記貫通孔は、鉛直方向と交差する方向に互いに連通して伸びる横貫通孔を有し、
    前記横貫通孔と鉛直方向の貫通孔との交点には、前記鉛直方向の貫通孔に充填された砕石が前記横貫通孔に流れるのを防止する砕石抑止手段を有することを特徴とする請求項1に記載の盛土構造物の構築方法。
  3. 前記第2の工程は、積み上げた前記ブロック部材の間に砕石層を形成する第4の工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載の盛土構造物の構築方法。
  4. 前記第4の工程は、前記ブロック部材と前記砕石層の間に前記砕石の流出を防止する砕石抑制手段を設ける第5の工程を有することを特徴とする請求項3に記載の盛土構造物の構築方法。
  5. 前記砕石は、スラグ骨材で構成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の盛土構造物の構築方法。
  6. 前記砕石は、生分解性材が混合されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の盛土構造物の構築方法。
  7. 前記ブロック部材は、鉛直方向の断面において、水平方向の少なくとも一端が段部を有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の盛土構造物の構築方法。
  8. 前記ブロック部材は、鉛直方向の断面において、水平方向の少なくとも一端に斜面が形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の盛土構造物の構築方法。
  9. 少なくとも鉛直方向に貫通する貫通孔を有するポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンのいずれかの発泡材からなるブロック部材を準備する第1の工程と、
    予め杭部材を打設する工程と、
    前記ブロック部材を前記貫通孔が互いに連通するように配置して前記貫通孔の一部に前記杭部材を挿入すると共に、所定の範囲及び所定の高さに積み上げる第2の工程と、
    前記杭部材が挿入されていない他の貫通孔に砕石を充填する第3の工程と、を備え、
    前記杭部材は、盛土構造物に重量物を載置した場合の基礎とすることができることを特徴とする盛土構造物の構築方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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