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JP2018063516A - 医薬品在庫管理システム及び、医薬品の在庫管理方法 - Google Patents

医薬品在庫管理システム及び、医薬品の在庫管理方法 Download PDF

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JP2018063516A JP2016200702A JP2016200702A JP2018063516A JP 2018063516 A JP2018063516 A JP 2018063516A JP 2016200702 A JP2016200702 A JP 2016200702A JP 2016200702 A JP2016200702 A JP 2016200702A JP 2018063516 A JP2018063516 A JP 2018063516A
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Abstract

【課題】運搬中や保管中における医薬品の環境条件を遠隔的に把握・記録する医薬品在庫管理システムにおいて、医療機関等における医薬品の消費態様等に応じて、医薬品の流通単位を最適化し、医療機関等のキャッシュフローの改善、適性在庫保有及び、治療効率の向上、調製業務コストの低減、医療安全の向上を実現する。【解決手段】医薬品を環境条件を維持しつつ保管する環境維持保管手段と、環境維持保管手段における環境条件の情報を取得する保管環境検知手段と、医薬品の環境維持保管手段による保管を検知する保管状態検知手段と、医薬品を環境条件を維持しつつ運搬する環境維持運搬手段と、環境維持運搬手段における環境条件の情報を取得する運搬環境検知手段と、医薬品の環境維持運搬手段による運搬を検知する運搬状態検知手段と、医薬品の包装単位を医療機関等における消費態様等に応じて変更するための変更情報を提供する変更情報提供手段と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、医薬品の在庫管理システム及び、医薬品の在庫管理方法に関する。
近年、抗がん剤、血友病治療剤、バイオ製剤、血漿分画製剤、ワクチン製剤、コンパニオン診断薬、希少疾病用製剤、再生医療等製品といった、スペシャリティ領域の医薬品と呼ばれる医薬品の取扱量が増加している。これらのスペシャリティ領域の医薬品は、例えば2〜8℃、15〜25℃、0℃以下といった厳格な温度管理を含む周囲環境管理や、高度なトレーサビリティが求められる場合が多い。一方で、これらの医薬品は、需要予測が困難である、使用期限が短いといった特性を有する傾向があるため、医療機関や保険薬局(以下、これらをまとめて医療機関等ともいう。)においてこれらの医薬品が予定どおりに消費されないことも多い。また、これらの医薬品は製品単価が高額である傾向がある。
このような事情により、医療機関等において上記のような医薬品の在庫管理やトレーサビリティ管理業務負荷の増大、不動・廃棄在庫の増加によるキャッシュフローの悪化が問題となっており、流通業者においては医療機関等からの至急の配達要請への対応や、在庫管理に関するコスト増加などが課題となっている。また、流通業者や保険薬局において、医療機関等で不動もしくは余剰となった医薬品を受け入れる場合、医療機関等において当該医薬品の適切な管理(温度管理等)がなされていたかを判別する明確な根拠がなく、特にスペシャリティ領域の医薬品に関しては、医療機関等の間においても不動もしくは余剰医薬品の処理が円滑に進まない状況がある。
しかしながら、医薬品のメーカーや流通業者においては、医療機関、保険薬局、患者の居宅や居住する施設及び移動中における上記のような医薬品の周囲環境をリアルタイムに把握・記録し、その結果を物流・受発注・返品・請求システムと連動させるシステムや方法が充分に確立されているとは言えないのが現状である。
上記医薬品の多くは、流通段階では1バイアル、1アンプル、1キット等といった規格単位がそのまま包装単位になっていることが多い。しかし、この包装単位においては、中には複数の規格で構成される包装単位が存在し、医療機関等では包装単位のパッケージを開封後、消費しなかった包装単位のバラ製品が残り、不動、廃棄につながるという課題も存在している。
また、上記医薬品においては、単剤で使用されるケースもあるが、疾患毎の治療計画(レジメン等)に基づき、患者毎に複数種類の医薬品を組合せて使用されるケースも多く見られる。これらの医薬品調製では、医療機関等の施設内の無菌調剤室等において、複数の注射剤や輸液などの薬剤を混合するミキシング業務を薬剤師や看護師等の医療従事者が実施しているが、本業務は高度な作業を要するため調製ミス等による廃棄リスクが存在するとともに、上記医薬品の増加に伴い、作業コストが増加している。加えて、患者への医療事故の防止のみならず、作業者自身の被ばくリスクや細菌感染、注射器具の共有によるウイルス感染等の防止も含めた、さらなる安全管理体制の向上が求められている。
しかしながら、医療機関等と流通業者間、加えて患者の居宅も含めた医薬品の在庫状況ならびに消費情報を統合し、医薬品の包装単位によってはそのパッケージをばらし、1アンプル、1バイアル等にリパッケージした形態で医薬品を符号化・管理するシステム、さらにはその情報をもとに患者の居宅等における治療実態を把握し、医療サービスの向上を図るシステムは、高額、温度管理を含めた厳格な品質管理やトレーサビリティが求められ
るスペシャリティ領域の医薬品においては、現在存在しないのが実情である。
また、流通段階から患者毎、またはレジメン単位でミキシング業務を完了した形態で上記医薬品をリパッケージし、医療機関等や患者の居宅に供給することで、医療機関等における調製業務コストの低減と、安全管理体制の強化を図るシステムも、現在存在しないのが実情である。
特許第3639408号公報 特表2016−503206号公報 特許第4316129号公報 特開2006−48500号公報 特開2003−242223号公報
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、運搬中や保管中における医薬品の環境条件を遠隔的に把握・記録する医薬品在庫管理システムにおいて、医療機関等における医薬品の消費態様等に応じて、医薬品の流通段階における包装単位を最適化し、医療機関等のキャッシュフローの改善、適性在庫保有及び、治療効率の向上、調製業務コストの低減と、医療安全の向上を実現することである。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ保管する環境維持保管手段と、
前記環境維持保管手段における前記環境条件に関する情報を取得する保管環境検知手段と、
前記医薬品が前記環境維持保管手段によって保管されていることを検知する保管状態検知手段と、
前記医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ運搬することが可能な環境維持運搬手段と
前記環境維持運搬手段における前記環境条件に関する情報を取得する運搬環境検知手段と、
前記医薬品が前記環境維持運搬手段によって運搬されていることを検知する運搬状態検知手段と、を備え、前記医薬品が医療機関等に設置された前記環境維持保管手段から出庫されるまでの前記医薬品の運搬及び保管状態の履歴情報及び、環境条件の履歴情報を取得する医薬品在庫管理システムであって、
前記医薬品は、該医薬品を製造する医薬品メーカーからの出荷時においては、所定数の規格単位の前記医薬品が集合して運搬及び保管の単位である包装単位とされており、
前記医薬品の包装単位を、前記医療機関等における消費態様等に応じて変更するための変更情報を提供する変更情報提供手段をさらに備えることを特徴とする、医薬品在庫管理システムである。
ここで前述のように、スペシャリティ領域の医薬品においては、厳格な周囲環境管理が求められている。そして、その医薬品について求められる環境条件から外れた環境に晒された医薬品については、品質保証が困難となるので、医療機関等における使用が困難となる場合がある。
それに対し、本発明に係る医薬品在庫管理システムは、医薬品を所定の環境条件を維持
しつつ保管する環境維持保管手段と、環境維持保管手段における前記環境条件に関する情報を取得する保管環境検知手段と、医薬品が環境維持保管手段によって保管されていることを検知する保管状態検知手段と、医薬品を所定の環境条件を維持しつつ運搬する環境維持運搬手段と、環境維持運搬手段における前記環境条件に関する情報を取得する運搬環境検知手段と、医薬品が環境維持運搬手段によって運搬されていることを検知する運搬状態検知手段と、を備えている。
すなわち、医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ保管する環境維持保管手段に保管することが前提となっている。そして、環境維持保管手段における環境条件に関する情報を取得する保管環境検知手段と、医薬品が環境維持保管手段によって保管されていることを検知する保管状態検知手段からの情報によって、医薬品が求められる環境条件から外れた環境に晒された時間と、求められる環境条件から外れた程度についての情報を取得し、これらの情報に基づいて、医薬品の使用の可否を判断する。
また、本発明では、医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ運搬する環境維持運搬手段によって運搬することが前提となっている。そして、環境維持運搬手段における環境条件に関する情報を取得する運搬環境検知手段と、医薬品が環境維持運搬手段によって運搬されていることを検知する運搬状態検知手段からの情報によって、医薬品が求められる環境条件から外れた環境に晒された時間と、求められる環境条件から外れた程度についての情報を取得し、これらの情報も考慮の上で、医薬品の使用の可否を判断する。
これらの構成により、医薬品の品質の劣化を、明確なデータに基づいて客観的に評価することが可能となり、品質保持の観点からの正確な根拠に基づいて医薬品の使用または返品等の可否を判断することが可能となる。なお、本発明において、環境条件としては、例えば、周囲の温度、湿度、照度、気圧、衝撃、振動などが挙げられる。
また、本発明においては、前記医薬品は、該医薬品を製造する医薬品メーカーからの出荷時においては、所定数の規格単位の前記医薬品が集合して運搬及び保管の単位である包装単位とされている。ここで規格単位とは、例えば、1バイアル、1アンプル、1キット等の単位を示す。すなわち、本発明においては、医薬品は、医薬品メーカーから出荷された際には、所定数のバイアルやアンプル、キットが集合して包装単位としてパッケージングされている。
通常は、上記の包装単位(すなわち、パッケージ)に基づいて医薬品が運搬及び保管され、医療機関等において各包装単位のパッケージが開封され、バイアルやアンブルなどの規格単位に分けられた上で医薬品が使用される。しかしながら、医療機関等における医薬品の使用態様(消費量も含む)やレジメン等によっては、医療機関等として、医薬品メーカーからの出荷時における包装単位のまま納品されることが望ましくない場合があった。
これに対し、本発明では、前記包装単位に係る前記医薬品を、前記医療機関等における消費態様等に応じて変更するための変更情報を提供する変更情報提供手段を備える。すなわち、医療機関等における前記医薬品の消費態様等の情報と、医薬品メーカー出荷時における規格単位および/または包装単位の情報から、最適な新たな規格単位数および/または包装単位数を導出して、その変更情報を提供する。これにより、例えば流通業者においては、変更情報に基づいて、医薬品メーカー出荷時における医薬品の規格単位および/または包装単位から変更し、最適数の規格単位および/または包装単位の医薬品が含まれるように変更することができる。その結果、医療機関等の消費態様等に応じてより適切な量の医薬品を供給することが可能となる。
また、本実施例によれば、前記包装単位に係る前記医薬品を、前記医療機関等における
消費態様等に応じて変更する際に、変更情報提供手段による、医療機関等における前記医薬品の消費態様等の情報や、医薬品メーカー出荷時における規格単位および/または包装単位の情報と併せて、保管環境検知手段、保管状態検知手段、運搬環境検知手段及び、運搬状態検知手段からの検知情報を用いて、医薬品の包装単位の変更を行うことができる。そうすると、規格単位および/または包装単位の変更後に係る医薬品の品質保証をより確実に行うことが可能である。
また、本発明においては、前記変更情報提供手段は、前記医薬品の包装単位を、前記医療機関等における消費態様等に応じて分割するための分割情報を提供するようにしてもよい。ここで、医療機関等における医薬品の使用態様(消費量も含む)やレジメンによっては、医療機関として、医薬品メーカーからの出荷時における包装単位のまま供給されたとしても、供給された医薬品の全てを必要としない場合がある。このような場合には、残りの医薬品は医療機関等の環境維持保管手段において長期間保管され、結果として使用期限が経過し廃棄してしまうなどの無駄が生じる場合があった。
これに対し、本発明では、前記変更情報提供手段は、前記包装単位に係る前記医薬品を、前記医療機関等における消費態様に応じてより少ない数の規格単位を含む包装単位に分割するための分割情報を提供する。すなわち、医療機関等における前記医薬品の消費態様等の情報と、医薬品メーカー出荷時における包装単位の情報から、最適な新たな包装単位数を導出して、その分割情報を提供する。これにより、例えば流通業者においては、分割情報に基づいて、医薬品メーカー出荷時における医薬品の包装単位を分割し、最適数の規格単位の医薬品が含まれるように変更することができる。その結果、医薬品が医療機関等において無駄に廃棄されるような不都合を防止できる。なお、上記における分割情報は本発明の変更情報の一例と言える。
また、本発明においては、前記変更情報提供手段は、前記医療機関等における消費態様等に応じて、複数種類の前記医薬品における前記規格単位を適切数組合せて前記包装単位を変更するための組合せ情報を提供するようにしてもよい。
ここで、医療機関等において、特定の疾病、例えば癌の治療の際には、レジメンと呼ばれる医療ガイドラインに沿って、特定の医薬品を組合せて投薬する場合がある。このような場合には、医療機関等としては、一種類の医薬品のパッケージが供給されるよりも、上記したような複数種類の医薬品がセット(ミキシングにより予め調製済の輸液などの医薬品を含む)となって供給される方が、費用及び治療効率、また医療安全の観点から望ましい場合がある。このような場合を想定し、本発明においては、前記変更情報提供手段は、前記医療機関等における消費態様等に応じて、複数種類の前記医薬品における前記規格単位を適切数組合せて前記包装単位を変更するための組合せ情報を提供するようにした。
これにより、レジメンに沿って医療機関等において使用される態様により近い形で医薬品セットを提供することができ、医療機関等における調製業務コストの低減や治療効率の向上および医療安全の向上を図ることができるとともに、医薬品のいくつかの規格単位が余剰してしまい、無駄に廃棄されることを防止できる。なお、ここにおける組合せ情報は本発明の変更情報の一例と言える。
また、この場合には、複数種類の前記医薬品における前記規格単位を適切数組合せて前記包装単位を変更する際に、変更情報提供手段による組合せ情報と併せて、保管環境検知手段、保管状態検知手段、運搬環境検知手段及び、運搬状態検知手段からの検知情報を用いて、医薬品を組合わすことができる。そうすると、例えば、組合わされる医薬品の、消費期限までの期間を合わせてセットとしての消費期限を最適化することが可能である。また、医薬品を組合せる際に、環境条件から外れた保管状態にあった医薬品については組合
せ対象から外し、他のロットの医薬品と組合せるといった、医薬品のセットとしての品質保証をより簡単、確実に行うことが可能となる。
また、本発明においては、前記保管状態検知手段及び前記運搬状態検知手段は、前記医薬品に付された識別素子と、該識別素子から所定の信号を読取る読取りセンサを含み、
前記識別素子は、前記変更された包装単位の医薬品に対して付されるようにしてもよい。すなわち、医薬品の流通過程において、医薬品の包装単位が変更された場合、例えば、医薬品の包装単位が分割された場合や規格単位が組合わされた場合には、識別素子を新たな包装単位に付すこととする。これにより、変更後の包装単位の医薬品について一括して、運搬、保管の履歴管理や、環境条件の管理を行うことが可能となる。
これによれば、医療機関等にとってより望ましい態様の医薬品または医薬品セットに関し、要求される環境条件が維持されているか否かを判定可能とし、医療機関等における当該医薬品または医薬品セットの使用可否判断を容易にすることが可能となる。
なお、上記においては、本発明を、医薬品の包装単位の変更のための情報を提供する手段を有する医薬品在庫管理システムとして特定した。しかしながら、本発明は、上記の医薬品在庫管理システムを用いた医薬品の在庫管理方法として特定しても構わない。
すなわち、本発明は、医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ保管する環境維持保管手段と、
前記環境維持保管手段における前記環境条件に関する情報を取得する保管環境検知手段と、
前記医薬品が前記環境維持保管手段によって保管されていることを検知する保管状態検知手段と、
前記医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ運搬することが可能な環境維持運搬手段と
前記環境維持運搬手段における前記環境条件に関する情報を取得する運搬環境検知手段と、
前記医薬品が前記環境維持運搬手段によって運搬されていることを検知する運搬状態検知手段と、を備え、前記医薬品が医療機関等に設置された前記環境維持保管手段から出庫されるまでの前記医薬品の運搬及び保管状態の履歴情報及び、環境条件の履歴情報を取得する医薬品在庫管理システムを用いた医薬品在庫管理方法であって、
前記医薬品は、該医薬品を製造する医薬品メーカーからの出荷時においては、所定数の規格単位の前記医薬品が集合して運搬及び保管の単位である包装単位とされており、
前記医薬品の包装単位を、前記医療機関等における消費態様等に応じて変更することを特徴とする、医薬品在庫管理方法であってもよい。
また、本発明は、前記医薬品の包装単位を、前記医療機関等における消費態様等に応じて分割することを特徴とする、上記の医薬品在庫管理方法であってもよい。
また、本発明は、前記医薬品の包装単位を、前記医療機関等における消費態様等に応じて、複数種類の前記医薬品における前記規格単位を適切数組合せて変更することを特徴とする、上記の医薬品在庫管理方法であってもよい。
また、本発明は、前記保管状態検知手段及び前記運搬状態検知手段は、前記医薬品に付された識別素子と、該識別素子から所定の信号を読取る読取りセンサを含み、前記識別素子は、前記変更された包装単位の医薬品に対して付されることを特徴とする、上記の医薬品在庫管理方法であってもよい。
なお、本発明においては、できる限り上記の各手段を組合せて使用することが可能である。
本発明によれば、運搬中や保管中における医薬品の環境条件を遠隔的に把握・記録する医薬品在庫管理システムにおいて、医療機関等における医薬品の消費態様等に応じて、医薬品の包装単位を最適化し、医療機関等のキャッシュフローの改善、適性在庫保有、調製業務コストの低減、治療効率および医療安全の向上を実現することが可能である。
従来の医薬品の流通の態様を示す図である。 本発明の実施例の前提となる医薬品在庫管理システムのシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施例における基幹サーバのハードウェア構成の概略を示す図である。 本発明の実施例の前提となる返品可否判定の処理の前半部を示す流れ図である。 本発明の実施例の前提となる返品可否判定の処理の後半部を示す流れ図である。 本発明の実施例における医薬品と情報の流通態様の概略を示す図である。 本発明の実施例における変更情報提供ルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施例における医薬品在庫管理システムの機能ブロック図である。 本発明の実施例における医薬品と情報の第2の流通態様の概略を示す図である。
図1は従来の医薬品の流通及び請求の態様について示した図である。図1においてブロック1は医薬品メーカー、ブロック2は流通業者、ブロック3は病院、診療所または保険薬局といった医療機関等を示す。また、ブロック4は医療機関等3において治療や投薬を受ける患者(及びその居宅)を示す。なお、図1における流通業者とは、卸業者や運搬業者等、医薬品メーカー1と医療機関等3の間に介入する業者の全てが含まれ得る。なお、医薬品メーカー1や保険薬局が自ら流通業者2としての役割を担うことがあってもよい。
従来より、医薬品メーカー1が生産したスペシャリティ領域の医薬品5については、厳しい温度管理が求められるため、移動中の温度管理が可能な保冷コンテナ6に収納された状態で流通業者2に仕入れられていた。また、流通業者2によって販売されるまでの期間は、医薬品5は冷蔵保管庫7にて温度管理がなされた状態で、流通業者2において保管される。そして、販売先の医療機関等3が決まれば、医薬品5は冷蔵保管庫7から出庫され、再び保冷コンテナ16に収納された状態で医療機関等3まで運搬される。
そして、医療機関等3においては、医薬品5は保冷コンテナ16から取り出されて冷蔵保管庫17に入庫・保管される。さらに、患者に投薬される際には冷蔵保管庫17から出庫されて投薬される。また、医薬品5が患者に渡され、患者の居宅等4において患者自らによって投薬される場合には、医薬品5は医療機関等3の冷蔵保管庫17から出庫され、保冷コンテナ36に収納された状態で患者の居宅等4まで運搬される。そして、患者の居宅等4においては、医薬品5は保冷コンテナ36から取り出されて冷蔵保管庫37に入庫・保管される。その後、必要に応じて患者自身によって医薬品5が冷蔵保管庫37から出庫され投薬される。
図1で示した従来の医薬品の流通の態様では、例えば医薬品メーカー1は、流通業者2や医療機関等3、患者の居宅等4において、あるいは、医療品メーカー1から流通業者2への流通経路、流通業者2から医療機関等3への流通経路、または医療機関等3から患者の居宅等4への流通経路において、医薬品5の温度管理が適切に行われていたか否かが不明であった。同様に、流通業者2は、医療機関等3や患者の居宅等4において、あるいは、流通業者2から医療機関等3への流通経路、医療機関等3から患者の居宅等4への流通経路において、医薬品5の温度管理が適切に行われていたか否かが不明であった。
そのため、医療機関等3または患者の居宅等4における医薬品5の品質の保証をすることが困難であった。また、例えば、患者の転院、体調の急変、死亡等の理由で医療機関等3において医薬品5が余剰となり、返品の要求が生じたとしても、医薬品メーカー1及び流通業者2は、返品された医薬品5が使用可能なものか否か判断できないため、返品要求に応じたり、再販売することができない場合があった。
図2には、上記のような不都合を改善するための、本実施例に係る医薬品在庫管理システムにおける医薬品5の流通の態様を示す。図2において医薬品5の実際の流通経路は実線矢印で、情報の経路は破線矢印で示されている。本実施例においては、医薬品5(医薬品自体若しくは医薬品の梱包)にその医薬品5のIDが記録された識別素子5aを取り付ける。また、識別素子5aによる医薬品5の識別情報を検知可能な読取センサ6a及び内部の温度履歴情報の取得が可能な温度センサ6bを、環境維持運搬手段としての保冷コンテナ6に取り付ける。そして、読取センサ6a及び温度センサ6bの出力信号は、無線通信により情報管理装置8に送信され、必要に応じ記録される。これにより、所定のIDを有する医薬品5が、保冷コンテナ6内に収納されているか否かの情報と、保冷コンテナ6内の温度履歴情報がリアルタイムに記録可能となっている。
その結果、医薬品メーカー1から流通業者2への医薬品の移動中に医薬品5が保冷コンテナ6内に確実に収納されていることが検知可能となり、また、保冷コンテナ6内の温度履歴が検知可能となっている。同様に、読取センサ16a、36a及び温度センサ16b、36bにより、流通業者2と医療機関等3との間または、医療機関等3と患者の居宅等4との間の医薬品5の移動中に、医薬品5が保冷コンテナ16、36内に確実に収納されていることが検知可能となり、また、保冷コンテナ16、36内の温度履歴が検知可能となっている。
また、図2に示す医薬品在庫管理システムでは、流通業者2、医療機関等3及び患者の居宅等4に備えられている冷蔵保管庫7、17、37にも識別素子5aによる医薬品5の識別情報を検知可能な読取センサ7a、17a,37a及び温度履歴情報の取得が可能な温度センサ7b、17b、37bが取り付けられる。そして、読取センサ7a、17a,37a及び温度センサ7b、17b、37bの出力信号は、無線通信により情報管理装置8にリアルタイムに送信・記録される。これにより、所定のIDを有する医薬品5が、冷蔵保管庫7、17、27内に保管されているか否かの情報と、冷蔵保管庫7、17、37内の温度履歴情報がリアルタイムに記録可能となっている。
なお、上記において識別素子5aと読取センサ7a、17a、37aとは、保管状態検知手段を構成する。識別素子5aと読取センサ6a、16a,36aとは、運搬状態検知手段を構成する。また、温度センサ6b、16b、36bは、運搬環境検知手段に相当する。また、温度センサ7b、17b、37bは、保管環境検知手段に相当する。本実施例における冷蔵保管庫7、17、37は、箱型タイプに限定されず、例えば保冷室などの部屋単位もしくはフロア単位とするようにしてもよい。
ここで、識別素子5aは、例えばICタグやRFIDタグ(アクティブ方式及びパッシ
ブ方式の双方を含む)であってもよく、この場合には読取センサ6a、16a、36a、7a、17a,37aはRFIDリーダーであってもよい。また、識別素子5a及び、読取センサ6a、16a、36a、7a、17a、37aは、互いにブルートゥース(登録商標)等の近距離ワイヤレス通信が可能な機器で構成してもよい。また、識別素子5aは、医薬品5のIDが識別可能な磁界や光を発信するデバイスであってもよく、この場合には読取センサ6a、16a、36a、7a、17a、37aは磁気センサや光センサであってもよい。さらに、識別素子5aはアクティブに電磁界や光等の信号を発信するものでなくても良く、例えば、バーコードやQRコード(登録商標)が印刷されたラベル等でもよい。この場合には読取センサ6a、16a、36a、7a、17a,37aはバーコードリーダーやQRコード(登録商標)リーダーであってもよい。
また、前述のように、読取センサ6a、16a、36a、7a、17a、37a及び温度センサ6b、16b、36b、7b、17b、37bには通信機能を付け、情報管理装置8に医薬品5のID及び所在に関する情報と温度履歴情報とをリアルタイムに送信し、情報管理装置8において各情報を受信、記録してもよいが、読取センサ6a、16a、36a、7a、17a、37a及び温度センサ6b、16b、36b、7b、17b、37b自体、保冷コンテナ6、16、36または冷蔵保管庫7、17、37に記憶機能を備えて各情報を独立に記録、蓄積するようにしてもよい。
本実施例においては上記の構成により、医薬品5が医薬品メーカー1により製造、保管、出荷(流通業者2より仕入)された後の、医療品メーカー1から流通業者2までの流通過程、流通業者2における保管過程、流通業者2から医療機関等3までの流通過程、医療機関等3における保管過程、医療機関等3から患者の居宅等4までの流通過程、患者の居宅等4における保管過程において、医薬品5が確実に、保冷コンテナ6、16、36か冷蔵保管庫7、17、37に保管され、適切な温度管理がなされていたか否かが確認可能となる。
なお、上記において、患者が患者の居宅等4において自ら投薬する場合の例としては、がんや自己免疫疾患、血友病、関節リウマチ、骨粗しょう症、成長ホルモン分泌不全性低身長症やその他希少疾病や特定疾患等における自己注射のように、在宅で患者自身またはその家族が直接医薬品5を自ら投与、管理する場合を想定している。この場合には、医薬品5は、後述のように、より小単位に小分けされたものであってもよく、一枚、一錠または一本(バイアル、アンプル、シリンジ等の場合)等、または小分けされた複数種類の医薬品が複数個セットでパッケージになった形態であってもよい。
また、この場合、識別素子5aは、例えば小分けされた医薬品毎あるいは、小分けされたケース毎に取り付けられても良い。また、本実施例における保冷コンテナ36は、保冷コンテナ6、16と比較して、より小型のものであってもよい。また、保冷コンテナ36内に、小型ケース(不図示)を収納し、当該ケース内に小分けされた医薬品毎あるいは、小分けされたケースに医薬品5をさらに収納することとし、読取センサ36aは当該小型ケースに設けることとしてもよい。
また、患者の居宅等4における冷蔵保管庫37は、冷蔵保管庫7、17と比較してより小型のものであってもよい。また、冷蔵保管庫37内に、小型ケース(不図示)を収納し、当該ケース内に小分けされた薬剤毎あるいは、小分けされたケース毎に医薬品5をさらに収納することとし、読取センサ37aは当該小型ケースに設けることとしてもよい。さらに、読取センサ37aは、小分けされた医薬品5の袋に設けてもよい。
ここで、図2の情報管理装置8には、流通業者2における医薬品5の流通に関する情報を管理するサーバとして基幹サーバ8aと中間サーバ8bが備えられている。基幹サーバ
8aは、流通業者2による医療機関等3からの医薬品5の受注から医療機関等3への医薬品5の納品までの処理に関する情報、流通業者2の在庫に関する情報、包装変更やリコールに関する情報、請求処理に関する情報を管理するサーバである。また、医療機関3からの返品に際する自動補充、払出し請求等に関する情報も管理する。
一方、中間サーバ8bは、流通業者2の基幹サーバ8aから得られる情報である販売情報(販売価格、顧客情報、取引条件等)の他、後述する保冷コンテナサーバ8c、冷蔵保管庫サーバ8dからの情報を管理するサーバである。中間サーバ8bは、保冷コンテナサーバ8c、冷蔵保管庫サーバ8dからの、医薬品5のID、所在または存否(運搬中の位置情報や冷蔵保管庫7における入庫、払出しによる在庫情報も含む)等に関する情報及び温度履歴情報と、本実施例における医薬品5の返品・再販売の処理に関わる情報の処理が行われ、基幹サーバ8aとの間で販売情報等の授受が行われる。
さらに、中間サーバ8bは、医薬品メーカー1に対して、必要に応じて情報提供を行う。例えば、保冷コンテナサーバ8c、冷蔵保管庫サーバ8dからの、医薬品5のID、所在または存否(運搬中の位置情報や冷蔵保管庫7における入庫、払出しによる在庫情報も含む)等に関する情報及び温度履歴情報が中間サーバ8bと医薬品メーカー1との間で共有される。従って、医薬品5の使用の可否判断において医薬品メーカー1による判断、助言、追加情報等の提供を受けることが可能となる。その結果、使用可否の判断の精度を向上し、判断に要する期間を短縮化することができる。
また、保冷コンテナサーバ8cは、保冷コンテナ6、16、36からの情報を収集するサーバであって、読取センサ6a、16a、36a及び、温度センサ6b、16b、36bからの出力信号をリアルタイムで受信・記憶する。例えば、本実施例の、流通業者2から医療機関等3までの間の医薬品5の流通経路において、より具体的には、保冷コンテナ16から保冷コンテナサーバ8cに対して、コンテナID、商品識別子ID、時刻情報、位置情報、温度履歴情報が送信される。さらに、衝撃、ネットワーク情報等が送信されるようにしてもよい。これらの情報は、保冷コンテナサーバ8cから流通業者が保有する中間サーバ8bに送信される。
一方、冷蔵保管庫サーバ8dは、冷蔵保管庫7、17、37からの情報を収集するサーバであって、読取センサ7a、17a,37a及び、温度センサ7b、17b、37bからの出力信号をリアルタイムで受信・記憶する。例えば、本実施例においては、医療機関等3の冷蔵保管庫17の読取センサ17aから、冷蔵保管庫サーバ8dに対して、保管庫ID、商品識別子ID、時刻情報、位置情報、温度、ネットワーク情報、入庫、消費情報が送信される。そして、冷蔵保管庫サーバ8dから流通業者が保有する中間サーバ8bには、同様の情報が送信される。
なお、情報管理装置8における各サーバが設置される場所については特に限定されない。例えば、全てのサーバ8a〜8dが流通業者2の施設内に設置されてもよいし、図2に示すように、基幹サーバ8a及び中間サーバ8bは流通業者2の施設内に設置され、保冷コンテナサーバ8cは、保冷コンテナ6、16の管理会社の施設内に設置され、冷蔵保管庫サーバ8dは、冷蔵保管庫7、17の管理会社に設置されるようにしてもよい。また、情報管理装置8における各々のサーバは、医療機関等が使用しているシステム(電子カルテ、オーダリングシステム、レセプト処理システム、電子薬歴、電子お薬手帳等)と同じ回線、もしくは独自回線で接続されてもよいし、その手段はインターネット回線、電話回線で接続されてもよい。また、全てまたは一部のサーバをクラウド上に設置するようにしてもよい。
なお、上記の医薬品在庫管理システムにおいては、医薬品メーカー1と流通業者2、流
通業者2と医療機関等3の間の医薬品5の移動時には、保冷コンテナ6、16を用いて医薬品5の温度管理を行うこととしたが、本発明における環境維持運搬手段はこれに限られない。例えば、冷蔵車の冷蔵庫、冷凍車の冷凍庫、保冷専用車両または航空機または船舶の荷台等に直接、医薬品5を収納して運搬しても構わない。しかしながら、この場合には、冷蔵車、冷凍車と、冷蔵保管庫7、17の間の医薬品5の移換え時間、温度を管理し、記録可能としておくことが望ましい。また、医療機関等3が購入し、且つ所有権を持つ医薬品5の流通業者2または医薬品メーカー1への返品、または保険薬局から保険薬局間への医薬品5の移動等における運搬等は、上記の設備やシステムを備える道路運送法や貨物自動車運送事業法に基づく貨物自動車運送事業者が実施することが望ましい。なお、識別素子5aの医薬品5への取付け場所については、医薬品メーカー1の製造工場や保管施設であってもよく、その国については特に限定されない。
図3は、基幹サーバ8aのハードウェア構成を示す概略構成図である。基幹サーバ8aは、図3に示すように、Central Processing Unit(CPU)80a、Random Access Memory(RAM)80b、Hard Disk Drive(HDD)80c、例えばNetwork Interface Card(NIC)80d等のネットワークインターフェース機器を備える。HDD80cにOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェアのプログラムが格納されており、CPU80aがこれらのプログラムを実行することで、本明細書で説明する機能が提供される。なお、基幹サーバ8aは1台のコンピュータによって構成される必要はなく、複数台のコンピュータがネットワークを介して連携することで基幹サーバ8aが実現されて
もよい。中間サーバ8b、保冷コンテナサーバ8c、冷蔵保管庫サーバ8dも基本的には同様のハードウェア構成を有する。
次に、流通業者2と医療機関等3との間の流通を中心に本実施例における医薬品5及び情報、処理の流れについて説明する。なお、以下の説明において流通業者2は、オペレーションセンター2aと流通センター2bに分けて説明される。
<受注〜納品業務>
まず、医療機関等3による医薬品5の受注から流通業者2による納品までの流れについて簡単に説明する。医療機関等3において、様々な医療品5に関する在庫数(設定数および発注点)が設定され、リストの形で流通業者2の流通センター2aに送付される。この情報は、基幹サーバ8a及び中間サーバ8bに送信される。これにより医療機関等3における在庫数の目標値が決定される。本リストの提供手段については電話、メール、FAXなど、特に限定されない。
そして、医療機関等3の冷蔵保管庫7から医薬品5が取り出された場合には、その情報が冷蔵保管庫サーバ8dに送信される。さらにその情報は冷蔵保管庫サーバ8dから基幹サーバ8a及び中間サーバ8bに送付される。そうすると、中間サーバ8bにおいて、在庫設定情報に基づき発注数が計算され、医療機関等3に受注連絡がなされるとともに、中間サーバ8bから基幹サーバ8aを経由し、流通センター2bにおいて出庫処理が行われる。出庫処理された医薬品5は、保冷コンテナ16に収納され医療機関等3に発送される。その際、識別素子5aに医薬品5のIDに関する情報等が入力された後、当該識別素子5aが医薬品5に取付けられる。
また、保冷コンテナ16に収納された際に、医薬品5のID等に関する情報が保冷コンテナ16の読取センサ16aに読み取られて保冷コンテナサーバ8cに送信される。さらに、保冷コンテナ16内の温度履歴情報の、温度センサ16aから保冷コンテナサーバ8cへの送信が開始される。これらの情報は、保冷コンテナサーバ8cから中間サーバ8bにも送信される。これにより、医療機関等3に納品すべき数と種類の医薬品5が確実に保冷コンテナ16に収納されていることと、保冷コンテナ16内の温度が上記ID情報に含まれる適正な温度範囲に維持されていることが確認される。
そして、保冷コンテナ16が医療機関等3に到着すると、医薬品5が保冷コンテナ16から冷蔵保管庫17に移される。この情報は冷蔵保管庫17の読取センサ17aから冷蔵保管庫サーバ8dに送信され、保管庫サーバ8dから中間サーバ8b、基幹サーバ8aにも送信される。この際に、中間サーバ8bにおける医療機関等3の在庫数が更新される。その後も、冷蔵保管庫17内の温度履歴情報が温度センサ17aから冷蔵保管庫サーバ8dに送信され、さらに中間サーバ8bにも送信される。これにより、医療機関等3による在庫設定数に応じた数と種類の医薬品5が確実に冷蔵保管庫17に収納されていることと、冷蔵保管庫17内の温度が上記ID情報に含まれる適正な温度範囲に維持されていることが中間サーバ8bにリアルタイムに送信され記録される。
<使用〜請求>
医療機関等3において医薬品5が患者に投与される際には、冷蔵保管庫17に設けられた入力装置によって取り出し者および処理区分、患者ID情報が入力されるとともに医薬品5が取り出される。そうすると、その情報は冷蔵保管庫サーバ8d及び中間サーバ8bに送信される。その際に中間サーバ8bにおいては、医薬品5が使用された情報が記録されるとともに在庫数が更新される。さらに医薬品5が使用された情報は基幹サーバ8aに送信され、各医療機関等の請求締日単位での請求書の発行処理がなされる。
次に、本システム例における返品処理の流れについて図4及び図5を用いて詳細に説明する。図4及び図5は、本実施例における返品処理の流れを示す流れ図である。横軸は処理の順番を示す。縦軸は各処理の主体を示している。返品処理においては、まず、医療機関等3において、冷蔵保管庫17中で保管している医薬品5についての返品の要望が発生した時点(図中のステップS1)において、医療機関等3から流通業者2のオペレーションセンター2aに返品依頼の連絡がなされる。この返品依頼は、流通業者2から医療機関等3への能動的返品提案通知から開始されるものでもよく、その手段については電話、メール、FAXなど、特に限定されない。また、流通業者2のオペレーションセンター2aから、医療機関等3に電話、メール、FAXなどの手段を用いて、返品候補品リストをあらかじめ提供してもよい。
流通業者2のオペレーションセンター2aにおいて返品依頼を受ける(ステップS2)と、ステップS3に示すように流通業者2のオペレーションセンター2aから流通センター2bに連絡され、流通センター2bにおいて当該医薬品5について自動補充に関わる発注点/設定数の修正が行われる。すなわち、このステップでは医療機関等3により返品の要求があった場合に、医薬品5が冷蔵保管庫17から出されたことを検知して、補充のため発注が自動的に行われないようにしている。これにより、ステップS4に示すようにBOXID(医薬品5のパッケージ毎のID)、設定数、発注点、商品コード等の情報が中間サーバ8bに送信され記録される。
次に、ステップS5に示すように、流通業者2の流通センター2bに所属する担当者が、保冷コンテナ16を携えて医療機関等3に向かう。そして、ステップS6に示すように、医療機関等3に設置されている冷蔵保管庫17の入力装置によって返品についての入力が行われる。なお、この入力はステップS7に示すように医療機関等3によって行われてもよい。そして、流通業者2の流通センター2bに所属する担当者によって、ステップS8に示すように冷蔵保管庫17から医薬品が取り出され保冷コンテナ16に移される。
そうすると、ステップS9に示すように冷蔵保管庫サーバ8dには、冷蔵保管庫17から取り出された医薬品5のBOXID、処理区分、商品コードの他、時刻情報及び識別素子データが冷蔵保管庫17の読取センサ17aより送信される。その際、冷蔵保管庫サーバ8dにおいてはステップS10に示すように返品登録がなされる。
また、ステップS11に示すように冷蔵保管庫サーバ8dから中間サーバ8bにも、BOXID、処理区分、商品コード、時刻情報、識別素子データが送信され、中間サーバ8bにおいては、ステップS12に示すように返品データが実績情報メモリに書き込まれるとともに、ステップS13に示すように在庫数メモリにおける在庫数が更新される。
次に、医薬品5は冷蔵保管庫17から保冷コンテナ16に移され収納された状態で流通業者2の流通センター2bまで移動する。ここで、その移動中にも、保冷コンテナ16の読取センサ16a、温度センサ16bからの情報は保冷コンテナサーバ8c及び、中間サーバ8bに送信及び記録され続ける。そして、流通業者2の流通センター2bにおいて、ステップS14に示すように、保冷コンテナ16のIDが入力される。そうすると、ステップS15に示すように、保冷コンテナサーバ8cには、医療機関等3から流通業者2の流通センター2bまでの配送時における温度履歴情報の他、BOXID、時刻情報、識別素子データ等が送信される。
次に、流通業者2のオペレーションセンター2aにおいて、ステップS16に示すように温度履歴情報のチェックが行われる。その際、ステップS17に示すように保冷コンテナサーバ8cにおいて受信されている情報と紐づけられるとともに、温度履歴情報が実績情報メモリに記憶される。
次に、図5におけるステップS18に示すように、流通センター2bにおいて返品(入帳)可否判断が行われる。ここでは、温度履歴情報の他、使用期限情報や流通情報等を基に返品の可否が判断される。例えば、温度履歴情報において医薬品5の周囲温度がそのID情報で定められた温度範囲(例えば2〜8℃)から外れた時間が4時間以下で、外れた際の温度が25℃以下(この場合、外れた程度は17℃以下ということになる)であった場合であって、且つ、使用期限までの残存期間が6カ月以上であって、且つ、包装変更やリコール対象の医薬品でない場合に、返品を可としてもよい。
具体的な数値はこの数値に限定されないが、定められた温度範囲から外れた時間、外れた程度及び、使用期限までの残存期間の少なくとも一の条件に基づいて、返品の可否を判断してもよい。例えば、温度履歴情報において医薬品5の周囲温度がそのID情報で定められた温度範囲(例えば2〜8℃、1〜30℃、15〜25℃等)から外れた時間がある場合には、他の条件に関わらず返品不可としても構わない。なお、上記における返品の可否判断の条件は、医薬品5の添付文書(仕様)やGDP(Good Distribution Practice)に
基づいて定めることが望ましい。
また、ステップS18における返品の可否判断は、中間サーバ8bにおいて自動的に行われるようにし、可否の結果が自動的に表示されるようにしてもよい。この判断に必要な情報は全て、保冷コンテナサーバ8c及び、冷蔵保管庫サーバ8dから送信されているので、送信された情報と、別途記憶された閾値とを比較することで返品の可否判断を行ってもよい。その場合には、中間サーバ8bが本発明における判定手段に相当する。
ここで、ステップS18において返品不可と判断された場合には、再度、医薬品5はステップS19において保冷コンテナ16に収納され医療機関等3の冷蔵保管庫17に戻される。そして、ステップS20に示すように冷蔵保管庫サーバ8dには、医薬品5のBOXID、処理区分、商品コードの他、時刻情報及び識別素子データが入庫情報として送信され、ステップS21に示すように返品処理が取り消される。
さらに、ステップS22に示すように冷蔵保管庫サーバ8dから中間サーバ8bにも、医薬品5のBOXID、処理区分、商品コードの他、時刻情報及び識別素子データが入庫
情報として送信される。そうするとステップS23に示すように、中間サーバ8bにおいて実績情報メモリに入庫データが書き込まれるとともに、ステップS24に示すように、在庫数メモリにおける在庫数が更新される。
一方、ステップS18において返品可と判断された場合には、ステップS25に示すように流通業者2のオペレーションセンター2aによって返品対応がなされ、ステップS26に示すように流通業者2の流通センター2bにおいて返品完了の入力がなされる。これにより、ステップS27に示すように医療機関等3から流通業者2の流通センター2bまでの配送時における温度情報の他、BOXID、時刻情報、識別素子データ等が中間サーバ8bに送信される。そして、ステップS28に示すように操作実績ログが記録される。
以上、説明したように、本発明の前提となる医薬品在庫管理システムによれば、スペシャリティ領域の医薬品について医療機関等3から返品要請があった場合にも、品質維持の観点による明確な根拠をもって、返品の可否を判断することが可能である。これにより、医療機関等3の返品要請に答えることができ、流通業者2及び、医療機関等3における医薬品5の廃棄による無駄を低減することができ、経済的に大きな効果を生じるとともに、全国民が負担する社会保障資源の節約を実現することが可能となる。
また、上記の医薬品在庫管理システムにおいて中間サーバ8bは、保冷コンテナサーバ8c、冷蔵保管庫サーバ8dからの、医薬品5のID、所在等に関する情報及び温度履歴情報を医薬品メーカー1との間で共有する。従って、医薬品5の返品の可否判断において医薬品メーカー1による判断、助言、追加情報等の提供を受けることが可能となる。その結果、返品可否の判断の精度を向上し、判断に要する期間を短縮化することができる。本実施例においては、返品可否の判断の処理(ステップS18)を、医薬品メーカー1に委託してもよいし、医薬品メーカー1のサーバシステムと連動させ、当該システムからの自動回答の提供を受けることとしてもよい。
なお、上記の医薬品在庫管理システムにおいては、医薬品メーカー1と流通業者2、流通業者2と医療機関等3の間の医薬品5の移動時には、保冷コンテナ6、16を用いて医薬品5の温度管理を行うこととしたが、本発明における環境維持運搬手段はこれに限られない。例えば、冷蔵車の冷蔵庫、冷凍車の冷凍庫、保冷専用車両または航空機または船舶の荷台等に直接、医薬品5を収納して運搬しても構わない。しかしながら、この場合には、冷蔵車、冷凍車と、冷蔵保管庫7、17の間の医薬品5の移換え時間、温度を管理し、記録可能としておくことが望ましい。また、医療機関等3が購入し、且つ所有権を持つ医薬品5の流通業者2または医薬品メーカー1への返品、または保険薬局から保険薬局間への医薬品5の移動等における運搬等は、上記の設備やシステムを備える道路運送法や貨物自動車運送事業法に基づく貨物自動車運送事業者が実施することが望ましい。
次に、上述した医薬品在庫管理システムにおける医薬品5の流通段階における包装単位の変更について説明する。図6には、本実施例における医薬品5の流通の態様について示されている。ここで、本発明の前提となる、図2に示した医薬品在庫管理システムでは、医薬品メーカー1から出荷された医薬品5は、例えば1バイアル、1アンブル、1ケース等の規格単位で構成されており、この規格単位の医薬品5が所定数(例えば10個)集合された形で箱にパッケージングされ、箱に対して識別素子5が貼付けられ包装単位となっている。医療機関等3の施設特性(規模、診療科、専門性等)や医薬品5の製品特性(患者数、用法用量、類似薬の有無等)によっては、このようなパッケージに係る医薬品5は消費しきれない場合がある。
このような場合に、1パッケージの医薬品5を医療機関等3に納入したとしても、余剰の医薬品5は冷蔵保管庫17に長期間に亘り保管され、有効に返品されない場合には、そ
のまま消費期限を迎えてしまい、医薬品5の無駄が発生する場合があった。このような医薬品5の無駄は、特に高価且つ貴重なスペシャリティ領域の医薬品5の場合には、医療機関等3の収益性に影響を及ぼすとともに、社会的な損失でもあった。
これに対し、本実施例においては、例えば流通業者2において、医薬品メーカー1から出荷された状態での包装単位である医薬品5のパッケージが開封され、その中に含まれる規格単位を分割し、より少数の規格単位を含んだパッケージである医薬品50、51、52とされる。そして、分割され規格単位が変更された医薬品50、51、52には、識別素子50a、51a、52aが各々取り付けられる。例えば、医薬品メーカー1から出荷
された際の医薬品5に、10バイアルの規格単位が包装単位に含まれていたとすると、この10バイアルを、各々3バイアル、3バイアル、4バイアルに分割し、医薬品50、51、52としてパッケージングし新たな包装単位とする。
そして、本実施例においては、分割された医薬品50及び、51は、保冷コンテナ46に収納されて医療機関等3に納品され、冷蔵保管庫17に保管される。一方、分割された医薬品52は、保冷コンテナ56に収納されて、患者の居宅等4に直接運搬され、冷蔵保管庫37に保管される。
その際、中間サーバ8bは、医療機関等3における過去の医薬品5の消費動向や発注内容、レジメンに基づく将来的な消費計画や患者数と、医薬品メーカー1から出荷される医薬品5の包装単位(パッケージ)の内容の情報から、10個のバイアルを含んだ医薬品5を、各々3個、3個、4個のバイアルを含んだ3つの医薬品50、51、52に分割すべきという情報を、流通業者2における担当者端末に表示する。なお、この分割すべきという情報は本発明の分割情報及び変更情報に相当する。流通業者2における担当者は、当該表示を見ながら、医薬品5の包装単位を分割し、医薬品50、51、52とする。これにより、流通業者2においては、より効率的に、医薬品5の包装単位の変更を行うことが可能である。
なお、図6に示す例では、医薬品50及び医薬品51は、同じ保冷コンテナ46に収納され、医療機関等3に納品される。医療機関等3においては、他の医薬品5とともに冷蔵保管庫17に保管される。一方、医薬品52は、保冷コンテナ56に収納され、患者の居宅等4に直接運搬され、患者の居宅等4における冷蔵保管庫37に保管される。
図7には、本実施例における変更情報提供ルーチンのフローチャートを示す。本ルーチンは中間サーバ8b内に設けられたHDD80cに記憶されたプログラムであり、中間サーバ8b内のCPU80aにおいて所定時間毎に実行される。本プログラムが実行されると、先ず、ステップS101において、流通業者2の担当者によって、医療機関等3の変更情報提供の要求があるか否かが判定される。より具体的には、担当者の使用する端末から、変更情報である、納品態様情報の提供のコマンドが入力されているか否かが判定される。そして、納品態様情報提供の要求があるまで、S101の処理が繰り返され入力待ち状態が維持される。そして、納品態様情報提供の要求があったと判定された場合には、ステップS102の処理に進む。
ステップS102においては、医療機関等3のサーバにアクセスされ、医療機関等3において要求している納品態様についての情報が取得される。ステップS102の処理が終了すると、ステップS103の処理に進む。
次に、ステップS103においては、流通業者2における担当者の端末に、医療機関等3において要求している納品態様が変更情報として表示される。ステップS103終了すると本ルーチンを一旦終了する。
このように、本実施例においては、医療機関等3における納品態様の要望に関する情報をリアルタイムに提供可能とする。そして、流通業者2においては、この情報に沿って、医薬品メーカー1から出荷された状態の医薬品5の包装単位を分割して、さらに、識別素子を取り付け直して新たにIDを付与する。これによって、より確実に、医療機関等3によって要望された納品態様に沿った形で、医薬品5の包装単位を変更することが可能となる。
図8には、本実施例にかかる医薬品在庫管理システムの機能ブロック図を示す。医薬品在庫管理システム10は、上述したように、医薬品5を環境条件を維持しつつ保管する環境維持保管手段と、環境維持保管手段における環境条件に関する情報を取得する保管環境検知手段と、医薬品5が環境維持保管手段によって保管されていることを検知する保管状態検知手段と、医薬品5を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ運搬することが可能な環境維持運搬手段と、環境維持運搬手段における環境条件に関する情報を取得する運搬環境検知手段と、医薬品5が前記環境維持運搬手段によって運搬されていることを検知する運搬状態検知手段とを備える。加えて、前記保管環境検知手段、保管状態検知手段、運搬環境検知手段及び、運搬状態検知手段等からの検知情報と、医療機関等3のサーバである医療機関等サーバ3aからの情報に基づいて、医薬品5の流通単位の変更に係る変更情報を提供し、流通業者2の表示端末2aに表示する変更情報提供手段を備えている。
そして、前述したように、環境維持保管手段は、一例として冷蔵保管庫7、17、37によって実現される。保管環境検知手段は、一例として温度センサ7b、17b、37bによって実現される。保管状態検知手段は、一例として読取センサ7a、17a、37aと識別素子5aとによって実現される。環境維持運搬手段は、一例として保冷コンテナ6、16、36によって実現される。運搬環境検知手段は、一例として温度センサ6b、16b、36bによって実現される。運搬状態検知手段は、一例として読取センサ6a、16a、36aと識別素子5aとによって実現される。さらに、変更情報提供手段は、情報管理装置8の中間サーバ8bのCPU80a等を含んで実現される。なお、変更情報提供手段が提供する変更情報には、上記の分割情報の他、後述する組合せ情報が含まれる。
次に、図9を用いて、本実施例に係る医薬品在庫管理システムにおいて、医薬品5のパッケージを分割するだけでなく、分割後の小包装の医薬品を組合せてセットとして新たな包装単位とする場合について説明する。本実施例においては、医薬品メーカー1から医薬品5、15、25の異なる3種類の医薬品が出荷された場合について説明する。なお、図9には、簡単のため、流通業者2の前後における医薬品の流通態様についてのみ示されている。
この場合、図9に示すように、医薬品メーカー1から出荷された医薬品5、15、25には各々、識別素子5a、15a、25aが取り付けられ、保冷コンテナ6によって流通業者2まで運搬される。流通業者2では医薬品5は、医薬品50、51、52に分割される。同様に、医薬品15は医薬品150、151、152に分割される。また、医薬品25は医薬品250、251、252に分割される。
そして、本実施例においては、変更情報提供手段によって提供された組合せ情報に基づいて、医薬品5から分割された医薬品50と、医薬品15から分割された医薬品151と、医薬品25から分割された医薬品252とを組合せてセットとし、新たに医薬品35として流通させる。この医薬品50、151,252の組合せに係る医薬品35には、独自の識別素子35aが取り付けられ、商品コードを含めた医療機関等3および患者の居宅までのトレーサビリティが確保できるようにされている。そして、この医薬品35は、保冷コンテナ16に収納されて医療機関等3まで運搬される。
この場合、分割された医薬品50〜52、医薬品150〜152、医薬品250〜252の何れを組合せて、医薬品35にするかは、図7と同様、医療機関等3のサーバから、医療機関等3において要望されているセットとしての納入態様の情報(すなわち、組合せ情報)を取得し、流通業者における担当者が確認可能な表示装置に装置する。
これによれば、特定の疾病に対して、複数の医薬品の組合せによって治療する場合に、医療機関等3における使用態様等に、より即した形態で、医薬品5の組合せを納品することができ、医療機関等3における各医薬品の組合せ作業を不要にし、医療行為の効率と医療安全を向上させることが可能である。また、本実施例によれば、変更情報提供手段による変更情報とともに、各医薬品についての、運搬及び保管に関する履歴情報及び、環境条件に関する情報を併用して、流通業者2における組合せ作業を行うことができるので、例えば、組合わされる医薬品の、消費期限までの期間を合わせて、セットとしての消費期限を最適化することが可能である。また、医薬品を組合せる際に、環境条件から外れた保管状態にあった医薬品については組合せ対象から外し、他のロットの医薬品と組合せるといった、医薬品のセットとしての品質保証をより簡単、確実に行うことが可能となる。
なお、本発明の実施においては、流通業者2は卸売業者や物流会社等だけではなく、医薬品製造業の企業や、医薬品医療機器等法に基づく保険薬局などの企業が自らその役割を担うこととしてもよい。
また、上記のフローチャートにも示したように、本実施例においては、変更情報提供手段は、流通業者2において情報提供の要望があった際に、医療機関等3のサーバにアクセスすることとしたが、本発明において、変更情報提供手段による変更情報(分割情報及び組合せ情報を含む)の取得方法はこれに限られない。例えば、医療機関等3において、新たな納品態様が生じ、あるいは、既存の納品態様に変更が生じた場合には、リアルタイムにあるいは、所定時間毎に情報を送付し、この情報を中間サーバ8bのHDD80cに記憶しておいてもよい。
この場合には、変更情報提供ルーチンを実行する際には、S102において、医療機関等3のサーバにアクセスするのではなく、中間サーバ8dのHDD80cにアクセスするようにする。なお、この場合の変更情報(分割情報および組合せ情報を含む)の取得については、医療機関等3の医療機関等サーバ3aへアクセスする方法の他、医療機関等3から、電子メールや郵送によって情報を取得するようにしても構わない。
また、上記の実施例においては、変更情報提供手段は、医薬品5の包装単位を分割し、または分割後組合せることで変更する例について説明したが、医薬品5の包装単位の変更の態様はこれに限られない。例えば、異なる種類の医薬品5の包装単位を分割せずに組合せたり、同じ種類の医薬品5を組合せたり、または医薬品以外の医療機器や材料、検査試薬およびその付属物と組合せたりするなどの変更の態様を選択しても構わない。
なお、上記の実施例においては、医薬品5の管理に求められている環境条件が、医薬品5の周囲温度である例について説明したが、本発明は、医薬品5の管理に求められている環境条件が他の条件である場合に適用されてもよい。例えば、湿度、照度、衝撃、振動、気圧または、これらに温度を含めた条件の組合せを、医薬品5の管理に求められている環境条件とした場合に対し本発明を適用しても構わない。
また、上記の実施例における処理は、可能な限り、予め定められたプログラムに基づいて、上記した各サーバによってシステム的に自動処理されるようにしてもよいが、本発明は、上記の実施例に係る処理の一部を人的資源によってマニュアルで実行する、方法とし
ての発明をも含む趣旨である。
また、本明細書の説明においては、医薬品5が、抗がん剤、血友病治療剤、バイオ製剤、血漿分画製剤、ワクチン製剤、コンパニオン診断薬、希少疾病用製剤、再生医療等製品といった、スペシャリティ領域の医薬品である前提で説明を行ったが、本発明が適用される対象は、スペシャリティ領域以外の医薬品、医療材料、医療機器、検査試薬、治験薬に適用されてもよい。
1・・・医薬品メーカー
2・・・流通業者
3・・・医療機関等
4・・・患者の居宅等
5、15、25、35・・・医薬品
5a・・・識別素子
6、16、36・・・保冷コンテナ
6a、16a、36a・・・読取センサ
6b、16b、36b・・・温度センサ
7、17、37・・・冷蔵保管庫
7a、17a、37a・・・読取センサ
7b、17b、37b・・・温度センサ
8・・・情報管理装置
8a・・・基幹サーバ
8b・・・中間サーバ
8c・・・保冷コンテナサーバ
8d・・・冷蔵保管庫サーバ
50、51、52、150、151、152、250、251、252・・・分割された医薬品
80a・・・CPU
80b・・・RAM
80c・・・HDD
80d・・・NIC

Claims (8)

  1. 医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ保管する環境維持保管手段と、
    前記環境維持保管手段における前記環境条件に関する情報を取得する保管環境検知手段と、
    前記医薬品が前記環境維持保管手段によって保管されていることを検知する保管状態検知手段と、
    前記医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ運搬することが可能な環境維持運搬手段と
    前記環境維持運搬手段における前記環境条件に関する情報を取得する運搬環境検知手段と、
    前記医薬品が前記環境維持運搬手段によって運搬されていることを検知する運搬状態検知手段と、を備え、前記医薬品が医療機関等に設置された前記環境維持保管手段から出庫されるまでの前記医薬品の運搬及び保管状態の履歴情報及び、環境条件の履歴情報を取得する医薬品在庫管理システムであって、
    前記医薬品は、該医薬品を製造する医薬品メーカーからの出荷時においては、所定数の規格単位の前記医薬品が集合して運搬及び保管の単位である包装単位とされており、
    前記医薬品の流通単位を、前記医療機関等における消費態様等に応じて変更するための変更情報を提供する変更情報提供手段をさらに備えることを特徴とする、医薬品在庫管理システム。
  2. 前記変更情報提供手段は、前記医薬品の流通単位を、前記医療機関等における消費態様等に応じて分割するための分割情報を提供することを特徴とする、請求項1に記載の医薬品在庫管理システム。
  3. 前記変更情報提供手段は、前記医療機関等における消費態様等に応じて、複数種類の前記医薬品における前記規格単位を適切数組合せて前記包装単位を変更するための組合せ情報を提供することを特徴とする、請求項1に記載の医薬品在庫管理システム。
  4. 前記保管状態検知手段及び前記運搬状態検知手段は、前記医薬品に付された識別素子と、該識別素子から所定の信号を読取る読取りセンサを含み、
    前記識別素子は、前記変更された包装単位の医薬品に対して付されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬品在庫管理システム。
  5. 医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ保管する環境維持保管手段と、
    前記環境維持保管手段における前記環境条件に関する情報を取得する保管環境検知手段と、
    前記医薬品が前記環境維持保管手段によって保管されていることを検知する保管状態検知手段と、
    前記医薬品を該医薬品に応じた環境条件を維持しつつ運搬することが可能な環境維持運搬手段と
    前記環境維持運搬手段における前記環境条件に関する情報を取得する運搬環境検知手段と、
    前記医薬品が前記環境維持運搬手段によって運搬されていることを検知する運搬状態検知手段と、を備え、前記医薬品が医療機関等に設置された前記環境維持保管手段から出庫されるまでの前記医薬品の運搬及び保管状態の履歴情報及び、環境条件の履歴情報を取得する医薬品在庫管理システムを用いた医薬品在庫管理方法であって、
    前記医薬品は、該医薬品を製造する医薬品メーカーからの出荷時においては、所定数の規格単位の前記医薬品が集合して運搬及び保管の単位である包装単位とされており、
    前記医薬品の包装単位を、前記医療機関等における消費態様等に応じて変更することを
    特徴とする、医薬品在庫管理方法。
  6. 前記医薬品の包装単位を、前記医療機関等における消費態様等に応じて分割することを特徴とする、請求項5に記載の医薬品在庫管理方法。
  7. 前記医薬品の包装単位を、前記医療機関等における消費態様等に応じて、複数種類の前記医薬品における前記規格単位を適切数組合せて変更することを特徴とする、請求項5に記載の医薬品在庫管理方法。
  8. 前記保管状態検知手段及び前記運搬状態検知手段は、前記医薬品に付された識別素子と、該識別素子から所定の信号を読取る読取りセンサを含み、
    前記識別素子は、前記変更された包装単位の医薬品に対して付されることを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載の医薬品在庫管理方法。
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