JP2017108776A - 知覚感度評価装置、その方法及びプログラム - Google Patents
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- Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
Abstract
【解決手段】知覚感度評価装置は、一定のリズムである第一リズムに合わせて所定の動作を行おうとする対象者の運動情報の時系列を取得する入力情報取得部と、第一リズムに合わせて所定の動作を行っている対象者に対して第一リズムとは異なるリズムである第二リズムで音刺激が呈示されるものとし、第二リズムで音刺激が呈示される前後における、対象者が所定の動作を行った時刻の間隔に基づいて妨害効果を測定し、妨害効果が生じている場合には音刺激を知覚していると判断する妨害効果測定部とを含む。
【選択図】図4
Description
本実施形態では、非特許文献1と同様に、音と光を一定のリズムで呈示する。なお、リズムとは、ある対象物(例えば、音や光)の時間的な変化を意味する。本実施形態では、音の有無と光の点滅によってリズムを呈示する。ただし、光は、リズムの目安となるように呈示するものであって、必ずしも必要ではない。
図1を参照して評価実験に用いられる光刺激と音刺激とについて説明する。図1は、妨害効果の評価実験で対象者に呈示される光刺激と音刺激との構成例を説明する図である。まず、光刺激5と音刺激6を用意する。図1に示される複数の光刺激5は、符号5に枝数字−1,2,3,…を付して区別した。同様に図1に示される複数の音刺激6は、符号6に枝数字−1,2,3,…を付して区別した。
以下、上述の原理を利用して、音刺激の動作(タップ)に対する妨害効果を測定する知覚感度評価装置について説明する。
記憶部11には、光刺激5や音刺激6を後述する光呈示部16や音呈示部13で呈示するための情報が記憶される。光刺激5はタップする際に合わせる対象となる光であり、音刺激6は妨害効果の評価の対象となる音(例えば、感覚レベルの異なる音や周波数の異なる正弦波)である。光刺激5として光呈示部16(例えばディスプレイ)で画像等を呈示する場合には、画像表示に必要な情報が記憶される。また、光刺激5として光呈示部16(例えばLED)でLED光等を呈示する場合には、後述する制御部12から制御信号が出力される構成とし、記憶部11には光呈示部16で呈示するための情報が記憶されなくともよい。例えば、光刺激5は、音刺激6の種類が異なっても、これに関係なく予め用意された同じ光刺激を使用するものとする。なお、光刺激5、音刺激6は予め記憶部11に記憶されていなくてもよく、たとえば外部から入力されても良い。この場合、記憶部11は省略可能である。
制御部12は、所定時間に渡り、時間間隔を空けた複数個の光刺激5から構成される光刺激の列を後述する光呈示部16で呈示するための情報(以下、光刺激列情報ともいう)と、時間間隔を空けた複数個の音刺激6から構成される音刺激の列を後述する音呈示部13で呈示するための情報(以下、音刺激列情報ともいう)とを生成する。このとき、制御部12は、光刺激5と音刺激6との繰り返し回数の制御を実行し、対象者の予期できないタイミングで音のリズム、タイミングをずらすように音刺激6の呈示時刻を制御する。例えば、音刺激の開始時刻の間隔IOIaを変更することで、対象者の予期できないタイミングで音のリズム、タイミングをずらす。言い換えると、制御部12は、対象者の予期できないタイミングで音のリズム、タイミングをずらすように、音刺激列情報を生成する(S12)。より詳細には、制御部12は、所定の時間区間(例えば60s)の間、光呈示部16において呈示する光刺激の列(所定の時間長(例えば100ms)の複数個の光刺激5とこれらの間に挿入される時間間隔(例えば400ms)との規則的な組み合わせからなる光刺激の列)と、音呈示部13において呈示する音刺激6の列(所定の時間長(例えば100ms)の複数個の音刺激6とこれらの間に挿入される時間間隔との組み合わせ(例えば400msの時間間隔を3回以上続け、その後、予期できないタイミングで300msの時間間隔とする)からなる音刺激の列)とが、所定のタイミングで呈示されるように光刺激列情報及び音刺激列情報を生成する。例えば、音刺激の呈示方法としては以下のようなバリエーションが考えられる。ただし、以下のバリエーションに限らず、対象者の予期できないタイミングで音のリズム、タイミングをずらすことができればどのような呈示方法であってもよい。
音呈示部13は、音刺激列情報を受け取り、再生し、時間的に変化する音刺激を対象者に呈示する(S13)。言い換えれば、音呈示部13は、時間間隔を空けた複数個の音刺激から構成される音刺激の列を呈示する。音呈示部13は、例えばアンプとスピーカ又はアンプとイヤホンにより構成される。また、既存のオージオメータに備わる音刺激呈示部を用いてもよい。
光呈示部16は、光刺激列情報を受け取り、光刺激列情報に対応する光を放射し、時間的に変化する光刺激を対象者に呈示する(S16)。言い換えれば、光呈示部16は、時間間隔を空けた複数個の光刺激から構成される光刺激の列を呈示する。光呈示部16は、例えばLEDやディスプレイにより構成される。
入力情報取得部14は、呈示される音刺激を聴きながら、一定のリズム(本実施形態では光刺激の変化)に合わせて意図的に所定の動作(タップ)を行おうとする対象者の運動情報の時系列を取得する(S14)。例えば、実験条件のように、対象者には、呈示される光刺激5に同期するように指で、押しボタンを押すように指示する。ディスプレイ上をクリックするように、または、タッチパネルをタップするように表示してもよい。そして、入力情報取得部14は、呈示される音刺激の列を聴きながら、呈示される光刺激の列に合わせて拍を打つ人(対象者)の、拍情報の時系列を取得する。拍情報は押しボタンを押した時刻(例えば開始時刻)、ディスプレイをクリックした時刻、タップした時刻などからなり、運動情報に相当する。
妨害効果測定部15は、制御部12から音刺激の変化の時系列(例えば、間隔IOIaの時系列)を受け取り、入力情報取得部14から運動情報の時系列(例えばタップ時刻の時系列)を受け取る。上述の制御部12で説明した通り、光刺激のリズムに合わせて所定の動作(タップ)を行っている対象者に対して光刺激のリズムとは異なるリズムで音刺激が呈示されるものとする。
このような構成により、対象者の回答に依存せず、対光音遅延の値を必要とせず、さらに、光刺激の呈示を必ずしも必要とせずに対象者がある刺激を知覚しているか否かを評価することができる。音が聞こえないときはこの妨害効果が生じず、聞こえるときには妨害効果が生じる。よって、妨害効果の有無は、「聞こえる・聞こえない」の指標となる。なお、従来の聴力検査は、対象者は音が「聞こえる・聞こえない」をボタンで回答していた。つまり、対象者の回答に依存した自覚的聴力検査であった。自覚的聴力検査では、意図的に誤った回答をする(詐聴、要は「聞こえる」のに「聞こえない」ふりをする)対象者や、何らかの心理的な要因による難聴(機能性難聴)をもつ対象者の場合、正しく聴力を評価することが難しかった。詐聴を防ぐための他覚的検査(聴性脳幹反応等)も存在するが、脳幹等の機能を評価するのみで、対象者に実際に聞こえているか否かを判断することはできなかった。本実施形態の構成であれば、受検者の直接的な回答に依存しない心理検査を実施することができる。対象者は聞こえないふりをするためには、一定のリズム(本実施形態で呈示される光刺激のリズム、あるいは、受検者独自が設定する一定リズム)に合わせてタッピングし続けなければならないが、音が聞こえている場合には音刺激の妨害効果により一定のリズムでタッピングし続けることはできない。よって、詐聴を防ぐことができる。同様に機能性難聴をもつ対象者に対しても正しく聴力を評価することができる。また、他覚的検査(聴性脳幹反応等)とともに使用して、データを蓄積することで、障害部位の推定のための診断ツールとしても機能しうる。
視覚刺激の種類は、光の点滅に限らず、リズムを刻みやすい特徴的な変化(時間的な変化)が繰り返されるものであればよい。また、刺激長Dvは、タップしやすい長さ(数十〜数百ms程度)、もしくはリズムを刻みやすい特徴的な変化がわかるような長さであればよい。刺激間隔IOIvはタップしやすい間隔(250〜2000ms程度)であればよい。なお、視覚刺激は、対象者の自発的なリズム運動を補助する目的で呈示される。このため、対象者がリズムを刻めるのであれば、呈示しなくてもよい。また、視覚刺激に限らず、対象者がリズムを刻みやすいように、目安となる刺激であれば、視覚刺激以外の刺激(例えば、振動等による触覚刺激)であってもよい。
(参考文献1)Repp, B. H. (2001a). "Phase correction, phase resetting, and phase shifts after subliminal timing perturbations in sensorimotor synchronization", Journal of Experimental Psychology: Human Perception & Performance, 27, p.600-621, 2001.
第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の制御部22は、光刺激列情報及び音刺激列情報とを生成すると同時に、音圧レベル制御を実行する(S22)。具体的には、制御部22は、妨害効果測定部25から妨害効果の有無を示す情報を取得し、妨害効果がある場合(言い換えいるとΔTm,jがIOIa,jに依存している場合)に音刺激の音圧レベルを小さくし、妨害効果がない場合(ΔTm,jがIOIa,jに依存していない場合)に音刺激の音圧レベルを大きくする。例えば制御部22は、妨害効果測定部25から、妨害効果がない(ΔTm,jがIOIa,jに依存していない)ことを示す情報が入力された場合は音刺激6の音圧レベルを現在の音圧レベルよりも高く(大きく)制御し、妨害効果がある(ΔTm,jがIOIa,jに依存している)ことを示す情報が入力された場合は音刺激6の音圧レベルを現在の音圧レベルよりも低く(小さく)制御する。なお、妨害効果測定部25における妨害効果の判定方法は第一実施形態と同様である。例えば、タップの間隔ΔTm,jから変数Aを求め、変数Aと所定の閾値との大小関係に基づき、妨害効果があるか否かを判定する。音呈示部13は、所定の時間区間の間、制御部22が音圧レベルを制御して生成した音刺激情報列を再生し、時間的に変化する音刺激を対象者に呈示する(S13)。
妨害効果測定部25は、制御部22から音刺激の変化の時系列(例えば、間隔IOIaの時系列)と音刺激6の音圧レベルとを受け取り、入力情報取得部14から運動情報の時系列を受け取る。妨害効果測定部25は、間隔IOIaが変化する前後における、対象者が所定の動作を行った時刻の間隔に基づいてに基づいて妨害効果を測定し(S25)、知覚感度評価装置2の出力値として出力する。本実施形態では、妨害効果の測定値として、妨害効果があると判定された際の音圧レベルの中で最小の値を用いる。妨害効果測定部25は、所定の条件を満たすか否かを判定し(S26)、所定の条件を満たした際に、妨害効果があると判定された音圧レベルの中で最小の値を妨害効果の測定値として出力する。妨害効果測定部25は、所定の条件を満たさない場合には、制御部22に妨害効果の有無を示す情報を送信する。制御部22では、妨害効果がある場合に音圧レベルが小さくなるように制御し、妨害効果がない場合に音圧レベルが大きくなるように制御するので、最小可聴値と妨害効果のレベルが一致する場合、音圧レベルは図12のように制御される。そこで、音圧レベルがある程度収束したときの値を妨害効果の測定値としたい。よって、所定の条件とは、音圧レベルが収束したか否かを判定するための条件である。例えば、所定の条件として、以下のような条件が考えられる。
(1)妨害効果の判定回数が一定の回数を超えた場合
(2)妨害効果がないと判定されたときの音圧レベルと、妨害効果があると判定されたときの音圧レベルとの差分が、所定の閾値よりも小さくなった場合
また、これらの組合せ(or条件、and条件)を所定の条件として用いてもよい。
このような構成によって、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。本実施形態では、妨害効果が得られる最小の音圧レベルを測定することができる。得られる最小の音圧レベルは、最小可聴値に対応するため、このような構成により、知覚感度評価装置を聴力測定装置として機能させることができる。よって、妨害効果測定部25において、妨害効果があると判定した際の音刺激の音圧レベルに基づき聴力を測定しているともいえる。なお、本実施形態と第一実施形態及びその変形例とを組合せてもよい。例えば、第一実施形態の制御部で同様の制御を行い、妨害効果測定部では所定の条件を満たしたときの変数A及び変数Aに対応する値を出力する構成としてもよい。
本実施形態では、制御部22が音圧レベル制御を実行しているが、妨害効果の有無を示す情報(例えば変数Aや変数Aに対応する値)をディスプレイ等に表示し、医師などの操作者がその情報に基づき判定を行い、音呈示部13における音量を上げるか下げるかを実行してもよい。
また、上記の実施形態及び変形例で説明した各装置における各種の処理機能をコンピュータによって実現してもよい。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記各装置における各種の処理機能がコンピュータ上で実現される。
Claims (8)
- 一定のリズムである第一リズムに合わせて所定の動作を行おうとする対象者の運動情報の時系列を取得する入力情報取得部と、
前記第一リズムに合わせて前記所定の動作を行っている前記対象者に対して前記第一リズムとは異なるリズムである第二リズムで音刺激が呈示されるものとし、前記第二リズムで音刺激が呈示される前後における、前記対象者が前記所定の動作を行った時刻の間隔に基づいて妨害効果を測定し、妨害効果が生じている場合には音刺激を知覚していると判断する妨害効果測定部とを含む、
知覚感度評価装置。 - 請求項1の知覚感度評価装置であって、
まず、前記対象者に対して前記第一リズムで音刺激が呈示され、次に、呈示される音刺激を聴きながら前記第一リズムに合わせて前記所定の動作を行っている前記対象者に対して前記第二リズムで音刺激が呈示されるものとする、
知覚感度評価装置。 - 請求項1または2の知覚感度評価装置であって、
前記妨害効果測定部において、妨害効果があると判定した際の前記音刺激の音圧レベルに基づき聴力を測定する、
知覚感度評価装置。 - 一定のリズムである第一リズムに合わせて所定の動作を行おうとする対象者の運動情報の時系列を取得する入力情報取得部と、
前記第一リズムに合わせて前記所定の動作を行っている前記対象者に対して前記第一リズムとは異なるリズムである第二リズムで第一の刺激が呈示されるものとし、前記第二リズムで第一の刺激が呈示される前後における、前記対象者が前記所定の動作を行った時刻の間隔に基づいて妨害効果を測定し、妨害効果が生じている場合には第一の刺激を知覚していると判断する妨害効果測定部とを含む、
知覚感度評価装置。 - 請求項4の知覚感度評価装置であって、
前記第一の刺激をヒトが知覚可能な範囲の下限値の近傍で変化させることで、前記第一の刺激に対する前記対象者の知覚閾値を求める、
知覚感度評価装置。 - 入力情報取得部が、一定のリズムである第一リズムに合わせて所定の動作を行おうとする対象者の運動情報の時系列を取得する入力情報取得ステップと、
前記第一リズムに合わせて前記所定の動作を行っている前記対象者に対して前記第一リズムとは異なるリズムである第二リズムで音刺激が呈示されるものとし、妨害効果測定部が、前記第二リズムで音刺激が呈示される前後における、前記対象者が前記所定の動作を行った時刻の間隔に基づいて妨害効果を測定し、妨害効果が生じている場合には音刺激を知覚していると判断する妨害効果測定ステップとを含む、
知覚感度評価方法。 - 入力情報取得部が、一定のリズムである第一リズムに合わせて所定の動作を行おうとする対象者の運動情報の時系列を取得する入力情報取得ステップと、
前記第一リズムに合わせて前記所定の動作を行っている前記対象者に対して前記第一リズムとは異なるリズムである第二リズムで第一の刺激が呈示されるものとし、妨害効果測定部が、前記第二リズムで第一の刺激が呈示される前後における、前記対象者が前記所定の動作を行った時刻の間隔に基づいて妨害効果を測定し、妨害効果が生じている場合には第一の刺激を知覚していると判断する妨害効果測定ステップとを含む、
知覚感度評価方法。 - 請求項1から請求項5の何れかの知覚感度評価装置として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
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