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JP6692351B2 - 被検体の知覚能力を判定する方法 - Google Patents

被検体の知覚能力を判定する方法 Download PDF

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Description

本発明は、ブレインコンピュータインタフェースによって、被検体特に人間の知覚能力または知覚品質を判定する方法に関する。
従来技術から、被検体の知覚能力または知覚品質を判定するための多数の様々な方法が知られている。それらの方法はすべて、被検体に種々の形式の刺激を加え、脳波の形態として得られた被検体の反応によって、該当する被検体がその刺激に基づき適切な知的活動を示したか否かが検査される。
従来技術において生じている問題点とは特に、被検体の反応の評価が多くの場合には難しいこと、また、被検体の知覚能力または知覚品質が検査中、時々上がったり下がったりすることであり、特に昏睡状態の患者の場合には、該当する患者または被検体が目下、眠っているのか否かが明確でない、という問題が発生する。このことに関連して、被検体はトレーニングフェーズ中は目覚めているが、トレーニングフェーズ後、被検体が眠り込んでしまい、基本的には被検体は十分に知覚能力があるのに、作成されたテストでは被検体の知覚能力が著しく悪い結果を示すものとなってしまう可能性がある。そのために知的状態が誤って判定されてしまい、この種のテストはごくたまにしか実施されないことからなおさら、該当する患者または被検体にとって時として重大な事態を招くおそれがある。
本発明によればこれらの問題点は、冒頭で述べた形式の方法において、請求項1記載の特徴によって解消される。
本発明は、ブレインコンピュータインタフェースによって、被検体の知覚能力または知覚品質を判定する方法に関し、以下のステップを含む。すなわち、
a)少なくとも2つの互いに区別可能な形式の、被検体に印加可能な刺激を、特に音響的、機械的、電気的、または光学的な刺激を、予め設定し、被検体に対し特に、特定の刺激が発生したときに特定の思考活動を実施するよう指示し、好ましくは計数するよう指示する。
b)時間的に相前後して続く多数の刺激を被検体に加え、被検体に加えられる刺激を、ブロックとしてまとめ、
・これらのブロックは、被検体に加えられた時間的に相前後して続く所定数の刺激を含み、これらのブロック内において、このブロックの予め定められたポジションに、それぞれ1つの第1形式の刺激が配置されており、このブロックの残りのポジションに、1つまたは複数の別の形式の刺激が配置されており、
・刺激各々が加えられた後、被検体の反応を検出し、この反応の検出において、刺激によって引き起こされる、または刺激と時間的に関係する、被検体のEEGデータを求め、これらのEEGデータを、該当するポジションにおける個々の刺激と個々のブロックとに対応づける。
c)このようにして求められたEEGデータから較正データを作成し、この較正データの作成において、求められた所定数のEEGデータと、これらのEEGデータに対応づけられた所定数の刺激とを、較正ブロックとしてまとめ、個々の較正ブロック各々において、1つの個所にそれぞれ、第1の刺激が加えられたときの被検体のEEGデータを対応づけ、残りの個所に、別の刺激が加えられたときの被検体のEEGデータを対応づけ、
・求められた較正ブロックに基づき、分類分析によって分類関数を求め、この分類関数は、複数の刺激から成る1つのブロックのEEGデータに基づき、個々の較正ブロック内のいずれのポジションに、第1形式の刺激が存在するのかを表す。
d)ブロックから選択された所定数のテストブロックのEEGデータに対し、求められた分類関数を適用して分類結果を求める。個々のテストブロック内で第1形式の刺激が存在するポジションが、分類結果と一致しているか否かを調べる。一致していると識別されたテストブロックの個数を、被検体の知覚能力に対する尺度として、別のEEGデータを記録する時点で使用する。
これに関連して特に有利であるのは、個々のEEGデータが求められた時点は、知覚能力または知覚品質の判定という状況では、副次的な役割を果たすものにすぎない、ということである。
それぞれ異なる時点で記録された個々のEEGデータを高度に混ぜ合わせることのできる、本発明の特に有利な変形実施形態によれば、以下のように構成されている。すなわち、
求められた同じブロックに基づき、ステップc)およびd)を何度も実施する。この場合、ステップc)およびd)を個々に実施するたびにそのつど、
・ステップc)において、個々のブロックを、特にランダムな基準に従い、較正ブロックとして選択し、この選択は特に、ブロックの少なくとも50%を含むものであり、
・ステップd)において、求められた残りのブロックのうち、特にすべての残りのブロックに対し、テストブロックとして分類関数を適用し、
・ステップc)およびd)を実施するたびに、知覚能力または知覚品質に対するそれぞれ別個の尺度を求め、
個々の実施において得られた別個の尺度の平均値形成または合計によって、知覚能力または知覚品質に対するさらに別の尺度を求める。
該当する知覚尺度を継続的に整合できるようにし、完全に知覚能力のある患者の場合には、規定された最大値に基づき結果が示されるようにした、有利な態様によれば、以下のように構成されている。すなわち、
ステップb)に従い、継続的にブロックを求め、1つまたは複数のブロックの記録後、それまでに求められたブロックにそれぞれ基づき、ステップc)およびd)を実施し、
ステップc)およびd)を個々に実施するたびにそのつど、
・ステップc)において、個々のブロックを、特にランダムな基準に従い、較正ブロックとして選択し、この選択は特に、ブロックの少なくとも50%を含むものであり、
・ステップd)において、求められた残りのブロックのうち、特にすべての残りのブロックに対し、テストブロックとして分類関数を適用し、
・ステップc)およびd)を実施するたびに、知覚能力または知覚品質に対するそれぞれ別個の尺度を求め、
いくつのブロックを記録した後で、知覚能力または知覚品質に対する別個の尺度が、予め定められた閾値を超過したのかを調べ、ブロックの個数を、知覚能力または知覚品質に対する別の尺度として求め、および/または、個々の別個の尺度の平均値または中央値を、知覚能力または知覚品質に対するさらに別の尺度として求める。
記録中に得られたすべてのEEGデータをできるかぎり完全に評価できるようにする目的で、以下のように構成することができる。すなわち、
・ステップc)において、個々のブロックを、特にランダムな基準に従い、較正ブロックとして選択し、この選択は特に、ブロックの少なくとも50%を含むものであり、
・ステップd)において、求められた残りのブロックのうち、特にすべてのブロックに対し、または残りのブロックの少なくとも10%に対し、テストブロックとして分類関数を適用し、個々のブロック内で第1形式の刺激が存在するポジションが、分類結果と一致しているか否かを調べる。
個々の被検体における知覚能力の判定を、あとから簡単に、かつ迅速に、改めて行うことができるようにする目的で、以下のように構成することができる。すなわち、
分類関数の形成後、相前後して続く所定数の別の刺激を被検体に加え、これらの刺激をステップb)に従い、別のブロックとしてまとめ、
これらの別のブロックに対しそれぞれ個別に、第1形式の刺激が個々の別のブロック内で存在しているポジションが、分類結果と一致しているか否かを調べ、一致していると識別された別のブロックの個数を、被検体の知覚能力に対する尺度として、別のEEGデータを記録する時点で使用する。
被検体の知覚能力の尺度を、付加的に以下のようにして高めることができる。すなわち、
・複数の刺激のうち少なくとも1つの刺激を、特にすべての刺激を、または少なくとも第1形式の刺激を、振動触覚刺激として被検体に加え、
・閾値を超過した分類結果が生じたときに、活性化刺激を被検体に加える。
この場合、本発明の1つの好ましい実施形態によれば、特に以下のように構成することができる。すなわち、被検体に加えられる活性化刺激は、被検体の体の1つの領域における機能的電気刺激の印加または矯正器、人工機能補完装置もしくはロボットによるものであり、この活性化刺激により、被検体の体を所定の個所で刺激し、またはこの活性化刺激により、被検体の体のうち、振動触覚刺激が加えられた部位を操作する。
視力のない多くの患者の場合でも実施可能な、本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、以下のように構成されている。すなわち、
・刺激の形式の集合を、それぞれ異なる音により、特に持続時間、周波数および音量がそれぞれ異なる音により、人間の可聴周波数で予め設定し、個々の音を被検体に聴かせ、または、
・刺激の形式の集合は、それぞれ異なる体部に対する振動の印加、および/または、強度および/または持続時間がそれぞれ異なる振動の印加を含み、この振動を振動ユニットによって被検体に加える。
また、聴力のない多くの患者の場合でも実施可能な、本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、以下のように構成されている。すなわち、
・刺激の形式の集合は、片眼または両眼に対する視覚刺激、および/または、強度および/または持続時間がそれぞれ異なる視覚刺激を含み、この視覚刺激をディスプレイまたは発光手段により被検体に加え、または、
・刺激の形式の集合は、それぞれ異なる体部に対する電気刺激、および/または、強度および/または持続時間がそれぞれ異なる電気刺激を含み、この電気刺激を電気刺激器により被検体に加える。
以下のようにすれば、EEGデータの特に良好な認識性を達成することができる。すなわち、刺激の個々の形式に応じて被検体に対し、以下の思考活動すなわち、
・数える、または計算する、
・体部の運動を思い浮かべる、特に右半身または左半身の肢体の運動、好ましくは腕または手の運動を思い浮かべる、
のうちの1つを指示する。
EEGデータの特に有利な分析を、以下のようにして達成することができる。すなわち、分類分析を、
・判別分析、特に線形判別分析、
・サポートベクターマシン、
・ニューラルネットワーク、
によって実施する。
被検体の知覚能力および知覚品質と、外部の影響との依存性を判定する目的で、以下のように構成することができる。すなわち、
知覚能力または知覚品質の判定後、被検体を、体または体の一部分の冷却または加熱によって、および/または投薬によって、種々の状態におき、あるいは、被検体の領域において酸素分圧を変化させ、
知覚能力または知覚品質を同じ基準に従って繰り返し、知覚能力または知覚品質に対する新たな尺度を求め、この新たな尺度と上述の尺度とを互いに比較する。
同じ目的で、有利には以下のように構成することができる。すなわち、分類関数の形成後、
・被検体を、体または体の一部分の冷却または加熱によって、および/または投薬によって、種々の状態におき、あるいは、被検体の領域において酸素分圧を変化させ、
・相前後して続く所定数の別の刺激を被検体に加え、これらの刺激をステップb)に従い、別のブロックとしてまとめ、これらの別のブロックに対しそれぞれ個別に、第1形式の刺激が個々の別のブロック内で存在しているポジションが、分類結果と一致しているか否かを調べ、一致していると識別された別のブロックの個数を、被検体の知覚能力に対する新たな尺度として、別のEEGデータを記録する時点で使用し、
・この新たな尺度と上述の尺度とを互いに比較する。
被検体への有利なフィードバックを、以下のようにして達成することができる。すなわち、記録されたEEGデータを、事前に実施された分類分析によって分類し、この分類から求められた結果が生じたならば、この結果に対応づけられた活性化刺激を被検体に加える。
次に、以下で挙げる図面を参照しながら、本発明の好ましい実施例について説明する。
被検体1をベッドに横たわった状態で示す図 EEG電極によって検出された電圧信号を示す図 EEGデータを測定して後続処理する装置を概略的に示す図 被検体に加えられる刺激の時間的推移を示す図 1つの刺激に対応づけられたEEGデータを示す図 本発明による方法の1つの実施形態における手法を概略的に示す図 本発明による方法の1つの好ましい実施形態における手法を概略的に示す図
図1には、被検体1がベッドに横たわった状態で描かれている。被検体1の頭部には多数のEEG電極21〜24が設けられており、これらはすべてEEG処理装置2に接続されている。EEG処理装置2は、被検体1から送出された個々の脳波を評価し、それらの脳波からEEGデータU,U,U,Uを作成する。その際に、様々な準備処理方法およびフィルタリング方法を適用することができる。最終的にEEGデータU,U,U,Uは、測定電圧信号系列として供給され、それらの電圧信号は各々、多数の時点についてそれぞれ1つの電圧値を表している(図2)。個々のEEG電極21〜24およびEEG測定ユニット2を含むこの装置は、ブレインコンピュータインタフェース20を成している。このブレインコンピュータインタフェース20は、テストおよび制御ユニット30(図3)と接続されており、本実施例の場合には、このユニット30によってスピーカ40が制御される。このスピーカ40をたとえば、被検体1にかぶせられたヘッドセット内に配置されたスピーカ40とすることができる。
本実施例によれば、個々の刺激S,Sが、互いに予め定められた間隔で、ブロックB,B,B,Bの個々の開始時点に存在している(図4)。特に有利であるのは、ある1つのブロックB,B,B,Bが終了して、次のブロックB,B,B,Bが開始したのがいつであるのかを、被検体1が識別できないように、すべての刺激S,Sがそのつど後続の刺激S,Sに対して同じ時間間隔を有することである。
有利には被検体1に対し、ある特定の刺激が発生したときに、特定の思考活動を実施するよう指示することもでき、特に、数える、計算する、体の部位の特定の運動を思い浮かべるよう、特に四肢の運動を思い浮かべるよう、指示することもできる。被検体1が行ったこの種の思考を、ブレインコンピュータインタフェース20によって記録し、テストおよび制御ユニット30において分析することができる。
本実施例では、時間的に相前後して続く多数の刺激S,Sが被検体1に加えられる(図4)。被検体1に加えられる刺激S,Sは、ブロックB,B,B,Bとしてまとめられる。この場合、ブロックB,B,B,B各々には、具体的な個数の、この事例では8個に設定された、相前後して被検体1に続けて加えられる刺激S,Sが含まれており、さらにその際、ブロックB,B,B,B各々には、これら個々のブロックB,B,B,Bに関して特定のポジションに、それぞれ1つの第1形式の刺激Sが存在している。その他の個所には、各ブロックの第2形式の刺激Sが存在している。
本実施例では、第1形式の刺激Sは、被検体1に聴かせる高い音であり、第2形式の刺激は被検体1に聴かせるそれよりも低い音である。本実施例の場合、各ブロックB,B,B,Bには、それぞれ1つの高音Sと7つの低音Sが含まれている。個々の音各々について、図5に示した手法を詳しく説明する。刺激S,S各々の発生後、被検体1の反応がEEGデータU,U,U,Uの形態で検出され、この検出にあたり、個々の刺激Sによって引き起こされた、またはそれと時間的に関係する、被検体1のEEGデータU,U,U,Uが求められる。これらのEEGデータU,U,U,Uは、該当するポジションにおける個々の刺激S,Sと個々のブロックB,B,B,Bとに対応づけられる。本実施例の場合、刺激S,Sの各々について、刺激S,Sの発生後、−100から+700msの期間内に記録されたEEGデータU,U,U,Uが使用され、該当する刺激S,Sに対応づけられる。場合によっては、刺激S,S送出前の特定の期間内に記録されたEEGデータU,U,U,Uを使用してもよい。
それぞれ対応づけられた刺激S,Sを有するこのようにして得られたEEGデータU,U,U,U全体から、較正データが作成され、その際、1つの刺激S,Sに対応づけられたEEGデータU,U,U,Uが、個々の刺激S,Sと共にまとめられて、較正ブロックKB,KB,KB,KBが形成される(図6)。各ブロックに従い、個々の較正ブロックKB,KB,KB,KBがそれぞれ以下のようにまとめられる。すなわち、それぞれ1つの個所において、第1の刺激Sが加えられたときの被検体1のEEGデータU,U,U,Uが対応づけられ、残りの個所において、別の刺激Sが加えられたときのEEGデータに対応づけられる。なお、較正ブロックKB,KB,KB,KBは、任意の手法でまとめることができるので、特に、被検体1に加えられる個々のブロックB,B,B,Bをすべて、較正ブロックKB,KB,KB,KBとして選択する必要がない。較正ブロックKB,KB,KB,KBの作成を、以下のようにして行うこともできる。すなわち、EEGデータU,U,U,Uと個々の刺激を、ランダムな基準に従って選択し、それらを新たにまとめて較正ブロックKB,KB,KB,KBを形成し、その際、刺激S,SのポジションpとEEGデータU,U,U,Uを変化させることができる。
較正ブロックKB,KB,KB,KBを作成するために、使用可能なEEGデータU,U,U,Uのたとえば80%を用いることができ、または使用可能な記録されたブロックB,B,B,Bの80%を用いることができる。次のステップにおいて、個々のEEGデータU,U,U,Uに対し分類分析Kが実施される。これによれば、求められた較正ブロックKB,KB,KB,KBに基づいて分類関数fが求められ、この関数fKは、1つのブロックB,B,B,BのEEGデータU,U,U,UまたはEEGデータU,U,U,Uの較正ブロックKB,KB,KB,KBに基づき、個々のブロックまたは較正ブロックのどのポジションpに第1形式の刺激Sが存在しているのか、を表す。
この場合、有利には、較正ブロックKB,KB,KB,KBに対する分類分析を、以下に示す分類方法の1つによって実施することができる。すなわち、
・判別分析、特に線形判別分析、
・サポートベクターマシン、
・ニューラルネットワーク、
である。
上述の方法すべてにおいて、ブロックB,B,B,Bの記録により求められたEEGデータU,U,U,Uから、個々のブロックB,B,B,B内のどのポジションpに第1形式の刺激Sが存在しているのか、に関する情報を表すことができる。
求められた残りのブロックBT,BT,BT,BTに対し、特に残りのブロックBT,BT,BT,BTの少なくとも10%に対し、または残りのEEGデータU,U,U,Uに対し、テストブロックとして、求められた分類関数fKが適用される。それによって分類結果Kが求められ、これは個々のテストブロックBT,BT,BT,BT内に第1形式の刺激Sが存在しているポジションpが、分類結果Kと一致しているか否かを表す。一致していると識別されたテストブロックBT,BT,BT,BTの個数nが、EEGデータU,U,U,Uの記録時点における被検体1の知覚能力または知覚品質の尺度Mとして用いられる。
本発明の1つの有利な実施形態によれば、分類関数fKを形成するステップ、および個々の分類関数fKをテストブロックBT,BT,BT,BTに適用するステップを、何回も実施することができる。その際、これらのステップを個々に実施するたびに、被検体1の知覚能力または知覚品質に対し、それぞれ1つの別個の尺度M〜Mが求められる。これらの個々の尺度M〜Mから、知覚能力または知覚品質に対するさらに別の尺度M*を求めることができ、これはたとえば、求められた個々の別個の尺度M〜Mの平均値形成または合計によって求めることができる。
本発明の1つの好ましい実施形態によるさらに別の方法によれば、求められるもしくは記録されるブロックB,B,B,Bの量を連続的に増加させながら、それらにアクセスすることができる(図7)、という利点が得られる。この場合、EEGデータU,U,U,Uのブロックが継続的に求められ、1つまたは複数のブロックB,B,B,Bが記録された後、それまでに求められたブロックB,B,B,Bに基づき、それぞれ別個に較正関数fKが求められ、求められた残りのブロックB,B,B,Bまたは求められた残りのブロックB,B,B,Bの一部に対し、分類関数fKが適用される。このようにして、連続的に増加していく個数のブロックB,B,B,Bが記録された後、被検体1の知覚能力または知覚品質に対して、それぞれ別個の尺度MM〜MMが求められる。ついで、知覚能力または知覚品質に対する尺度MM〜MMが予め定められた閾値Tを超えるまでに、どれだけの個数nのブロックを記録する必要があるのかが調べられる。
求められる尺度MM〜MMが閾値Tを超えるために必要とされるブロックの個数nを、被検体1の知覚能力または知覚品質に対する別の尺度M**とみなすことができる。求められた個々の尺度の平均値または中央値も、被検体1の知覚能力または知覚品質に対するさらに別の尺度M***とみなすことができる。有利には、閾値Tを以下のように設定することができる。すなわち、被検体1が90%よりも多くのブロック、特に95%よりも多くのブロックB,B,B,Bに適正に対応づけるように、もしくはそれらのブロックB,B,B,Bについて、個々のブロック内の第1形式の刺激Sのポジションを適正に検出するように、設定することができる。
本発明の既述のすべての変形実施形態と組み合わせ可能な、本発明の1つの好ましい実施形態によれば、被検体1に対し実施されるテストが、予め定められた期間後に改めて実施される。この態様において特に有利であるのは、該当する被検体に対しすでに分類関数fKが存在しており、同じ被検体1は同じ刺激S,Sを加えたときにおそらく同じ結果を生じさせるであろうと予期でき、したがって手間のかかる分類関数fKの算出が不要になることである。この態様は、分類関数fを求めてからの期間が短いときに、特に有利である。
上述のテストを改めて実施する際、記録されたEEGデータU,U,U,Uと刺激S,Sが新たに対応づけられて、さらに別のブロックB’,B’,B’,B’としてまとめられ、これら別のブロックB’,B’,B’,B’は、較正ブロックKB,KB,KB,KBおよび較正中に求められたブロックB,B,B,Bと同じ構造を有している。これら別のブロックB’,B’,B’,B’各々について、個々の別のブロックB’,B’,B’,B’内で第1形式の刺激Sが存在するポジションが、分類結果Kと一致しているか、すなわち別のブロックB’,B’,B’,B’に分類関数fKを適用した結果と一致しているか、についてそれぞれ個別に調べられる。一致していると識別された別のブロックB’,B’,B’,B’の個数が求められ、これは別のEEGデータU’,U’,U’,U’を記録する時点での被検体の知覚能力に対する尺度M*として用いられる。
本発明の既述のすべての実施形態において、それぞれ異なる高さの音ではなく、持続時間または音量がそれぞれ異なる音を、人間の可聴周波数で予め設定することもできる。別の選択肢として、該当する被検体1の異なる体部に振動を加えることもできる。この場合、振動の強度および持続時間がそれぞれ異なっており、第1の刺激と別の刺激S,Sとを、振動を加える強度または持続時間がそれぞれ異なることから、区別することができる。
さらに別の選択肢として、刺激S,Sの形式の集合に、片眼または両眼に対する視覚刺激、および/または、強度および/または持続時間がそれぞれ異なる視覚刺激、を含めることもでき、このような刺激は被検体1に対し、ディスプレイまたは発光手段によって加えられる。さらに別の選択肢として、刺激S,Sの形式の集合に、それぞれ異なる体部に加えられる電気刺激、および/または、それぞれ異なる強度および/または持続時間で加えられる電気刺激を含めることもできる。
被検体1に振動触覚刺激S,Sが加えられた場合であれば、本発明の1つの好ましい実施形態によれば、以下のようにすることができる。すなわち、閾値を超えた知覚能力または知覚品質の検出に成功した後、被検体1に対し、被検体1の体の1つの領域に機能的電気刺激を加えることができ、または、矯正器、人工機能補完装具もしくはロボットを用いることができ、の刺激によって被検体1の体が所定の個所において刺激され、または被検体1の体のうち振動触覚刺激が加えられた部位が操作される。
このような措置によって、被検体にフィードバックを与えることができる。この場合、記録されたEEGデータが、事前に実施された分類分析によって分類される。分類に基づき求められた結果が生じたならば、被検体に対し、その結果に対応づけられた活性化刺激が加えられる。
いくつかの事例において、被検体が特定の作用に晒されているときに、既述の手法を反復すると、有利になる可能性がある。このような作用として挙げられるのはたとえば、
・被検体の体または体の一部の冷却または加熱
・投薬
・被検体の領域における酸素分圧の変化
などである。
これらの作用のもとで、テストが新たに実施される。これによって、被検体1の知覚能力と外部の個々の作用との関係を突き止めることができる。
この場合、外部の影響が存在していても分類関数を新たに形成する必要はない。むしろ既述のように、分類関数をそのまま維持することができる。外部の影響が存在するときに新たに求められた別のブロックに対してのみ、分類関数が適用される。このようにして、知覚能力および知覚品質に対する新たな尺度が形成され、この新たな尺度が、知覚能力および知覚品質に対しこれまでに求められた尺度と比較される。

Claims (14)

  1. ブレインコンピュータインタフェース(20)によって、被検体(1)の知覚能力を判定する方法であって、
    a)少なくとも2つの互いに区別可能な形式の、被検体(1)に印加可能な刺激(S,S)を、予め設定し、前記被検体(1)に対し、特定の刺激(S,S)が発生したときに特定の思考活動を実施するよう指示し
    )時間的に相前後して続く複数の刺激(S,S)を前記被検体(1)に加え、被検体(1)に加えられる前記刺激(S,S)を、ブロック(B,B,B,B)としてまとめ、
    ・前記ブロック(B,B,B,B)は、前記被検体(1)に加えられた時間的に相前後して続く所定数の刺激(S,S)を含み、前記ブロック(B,B,B,B)内において、前記ブロック(B,B,B,B)の予め定められたポジション(p)に、それぞれ1つの第1形式の刺激(S)が配置されており、前記ブロック(B,B,B,B)の残りのポジションに、1つまたは複数の別の形式の刺激(S)が配置されており、
    ・前記刺激(S,S)各々が加えられた後、前記被検体(1)の反応を検出し、前記反応の検出において、前記刺激(S,S)によって引き起こされる、または、前記刺激(S,S)と時間的に関係する、前記被検体(1)のEEGデータ(U,U,U,U)を求め、前記EEGデータ(U,U,U,U)を、該当するポジション(p)における個々の前記刺激(S,S)と個々の前記ブロックとに対応づけ、
    c)このようにして求められた前記EEGデータ(U)から較正データを作成し、前記較正データの作成において、求められた所定数の前記EEGデータ(U,U,U,U)と、前記EEGデータ(U,U,U,U)に対応づけられた所定数の刺激(S,S)と、を、較正ブロック(KB,KB,KB,KB)としてまとめ、個々の較正ブロック(KB,KB,KB,KB)各々において、1つの個所にそれぞれ、第1の刺激(S,S)が加えられたときの前記被検体(1)のEEGデータ(U,U,U,U)を対応づけ、残りの個所に、別の刺激(S,S)が加えられたときの前記被検体(1)のEEGデータ(U,U,U,U)を対応づけ、
    ・求められた前記較正ブロック(KB,KB,KB,KB)に基づき、分類分析によって分類関数(f)を求め、前記分類関数(f)は、複数の刺激(S,S)から成る1つのブロック(B,B,B,B)のEEGデータに基づき、個々の前記較正ブロック(KB,KB,KB,KB)内のいずれのポジション(p)に、前記第1形式の刺激(S,S)が存在するのかを表し、
    d)前記ブロックから選択された所定数のテストブロック(BT,BT,BT,BT)のEEGデータ(U,U,U,U)に対し、求められた前記分類関数(f)を適用して分類結果(K)を求め、個々の前記テストブロック(BT,BT,BT,BT)内で前記第1形式の刺激(S)が存在するポジション(p)が、前記分類結果(K)と一致しているか否かを調べ、一致していると識別された前記テストブロック(BT,BT,BT,BT)の個数を、被検体(1)の知覚能力に対する尺度(M)として、別のEEGデータ(U,U,U,U)を記録する時点で使用する、
    方法。
  2. 求められた同じブロック(B,B,B,B)に基づき、前記ステップc)およびd)を複数回実施し、
    前記ステップc)およびd)を個々に実施するたびにそれぞれ、
    ・前記ステップc)において、個々のブロック(B,B,B,B)を、ランダムな基準に従い、較正ブロック(KB,KB,KB,KB)として選択し、前記選択は、前記ブロック(B,B,B,B)の少なくとも50%を含むものであり、
    ・前記ステップd)において、求められた残りのブロックのうち、すべての残りのブロックに対し、テストブロック(BT,BT,BT,BT)として前記分類関数(f)を適用し、
    ・前記ステップc)およびd)を実施するたびに、知覚能力に対するそれぞれ別個の尺度を求め、
    個々の実施において得られた前記別個の尺度(M,M,M,M)の平均値形成または合計によって、知覚能力に対するさらに別の尺度(M’)を求める、
    請求項1記載の方法。
  3. 前記ステップb)に従い、継続的にブロック(B,B,B,B)を求め、1つまたは複数のブロック(B,B,B,B)の記録後、それまでに求められたブロック(B,B,B,B)にそれぞれ基づき、前記ステップc)およびd)を実施し、
    前記ステップc)およびd)を個々に実施するたびにそれぞれ、
    ・前記ステップc)において、個々のブロック(B,B,B,B)を、ランダムな基準に従い、較正ブロック(KB,KB,KB,KB)として選択し、前記選択は、前記ブロック(B,B,B,B)の少なくとも50%を含むものであり、
    ・前記ステップd)において、求められた残りのブロック(B,B,B,B)のうち、すべての残りのブロック(B,B,B,B)に対し、テストブロック(BT,BT,BT,BT)として前記分類関数(f)を適用し、
    ・前記ステップc)およびd)を実施するたびに、知覚能力に対するそれぞれ別個の尺度(MM〜MM)を求め、
    いくつのブロック(B,B,B,B)を記録した後で、知覚能力に対する前記別個の尺度(MM〜MM)が、予め定められた閾値(T)を超過したのかを調べ、前記ブロック(B,B,B,B)の個数を、知覚能力に対する別の尺度(M**)として求め、および/または、個々の前記別個の尺度(MM〜MM)の平均値または中央値を、知覚能力に対するさらに別の尺度(M***)として求める、
    請求項1または2記載の方法。
  4. ・前記ステップc)において、個々のブロック(B,B,B,B)を、ランダムな基準に従い、較正ブロック(KB,KB,KB,KB)として選択し、前記選択は、前記ブロック(B,B,B,B)の少なくとも50%を含むものであり、
    ・前記ステップd)において、求められた残りのブロック(B,B,B,B)のうち、すべてのブロック(B,B,B,B)に対し、または、前記残りのブロック(B,B,B,B)の少なくとも10%に対し、テストブロック(BT,BT,BT,BT)として前記分類関数(f)を適用し、個々のブロック内で前記第1形式の刺激(S)が存在するポジション(p)が、前記分類結果と一致しているか否かを調べる、
    請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記分類関数(f)の形成後、相前後して続く所定数の別の刺激(S,S)を前記被検体(1)に加え、前記刺激(S,S)を前記ステップb)に従い、別のブロック(B’,B’,B’,B’)としてまとめ、
    前記別のブロックに対しそれぞれ個別に、前記第1形式の刺激(S)が個々の前記別のブロック内で存在しているポジション(p)が、前記分類結果(K)と一致しているか否かを調べ、一致していると識別された前記別のブロック(B’,B’,B’,B’)の個数を、被検体(1)の知覚能力に対する尺度として、別のEEGデータ(U’,U’,U’,U’)を記録する時点で使用する、
    請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. ・前記刺激(S,S)のうち少なくとも1つの刺激を、または、すべての刺激(S,S)を、または、少なくとも前記第1形式の刺激(S)を、振動触覚刺激として前記被検体(1)に加え、
    ・閾値を超過した分類結果が生じたときに、活性化刺激を前記被検体(1)に加える、
    請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記被検体(1)に加えられる前記活性化刺激は、前記被検体(1)の体の1つの領域における機能的電気刺激の印加または矯正器、人工機能補完装置もしくはロボットによるものであり、前記活性化刺激により、前記被検体(1)の体を所定の個所で刺激し、または、前記活性化刺激により、前記被検体(1)の体のうち、振動触覚刺激が加えられた部位を操作する、
    請求項6記載の方法。
  8. ・刺激(S,S)の形式の集合を、持続時間、周波数および音量がそれぞれ異なる音により、人間の可聴周波数で予め設定し、個々の音を前記被検体(1)に聴かせ、または、
    ・刺激(S,S)の形式の集合は、それぞれ異なる体部に対する振動の印加、および/または、強度および/または持続時間がそれぞれ異なる振動の印加を含み、前記振動を振動ユニットによって前記被検体(1)に加える、
    請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  9. 刺激(S,S)の形式の集合は、片眼または両眼に対する視覚刺激、および/または、強度および/または持続時間がそれぞれ異なる視覚刺激を含み、前記視覚刺激をディスプレイまたは発光手段により前記被検体(1)に加え、または、
    刺激(S,S)の形式の集合は、それぞれ異なる体部に対する電気刺激、および/または、強度および/または持続時間がそれぞれ異なる電気刺激を含み、前記電気刺激を電気刺激器により前記被検体(1)に加える、
    請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 前記被検体(1)に対し、刺激(S,S)の個々の形式に応じて、以下の思考活動のうちの1つを指示する、すなわち、
    ・数える、または、計算する、
    ・体部の運動を思い浮かべる
    うに指示する、
    請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. 前記分類分析を、
    ・判別分析
    サポートベクターマシン、
    ・ニューラルネットワーク、
    によって実施する、
    請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 知覚能力の判定後、前記被検体を、体または体の一部分の冷却または加熱によって、および/または、投薬によって、種々の状態におき、あるいは、被検体の領域において酸素分圧を変化させ、
    知覚能力を同じ基準に従って繰り返し、知覚能力に対する新たな尺度を求め、前記新たな尺度と前記尺度とを互いに比較する、
    請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 前記分類関数(f)の形成後、
    ・前記被検体を、体または体の一部分の冷却または加熱によって、および/または、投薬によって、種々の状態におき、あるいは、被検体の領域において酸素分圧を変化させ、
    ・相前後して続く所定数の別の刺激(S,S)を前記被検体(1)に加え、前記刺激(S,S)を前記ステップb)に従い、別のブロック(B’,B’,B’,B’)としてまとめ、前記別のブロックに対しそれぞれ個別に、前記第1形式の刺激(S)が個々の前記別のブロック内で存在しているポジション(p)が、前記分類結果(K)と一致しているか否かを調べ、一致していると識別された前記別のブロック(B’,B’,B’,B’)の個数を、被検体(1)の知覚能力に対する新たな尺度として、別のEEGデータ(U’,U’,U’,U’)を記録する時点で使用し、
    ・前記新たな尺度と前記尺度とを互いに比較する、
    請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 記録された前記EEGデータを、事前に実施された分類分析によって分類し、
    前記分類から求められた結果が生じたならば、前記結果に対応づけられた活性化刺激を前記被検体に加える、
    請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
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