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JP2017170968A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2017170968A
JP2017170968A JP2016056396A JP2016056396A JP2017170968A JP 2017170968 A JP2017170968 A JP 2017170968A JP 2016056396 A JP2016056396 A JP 2016056396A JP 2016056396 A JP2016056396 A JP 2016056396A JP 2017170968 A JP2017170968 A JP 2017170968A
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達矢 佐々木
Tatsuya Sasaki
達矢 佐々木
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

【課題】操縦安定性及び転がり抵抗への影響を抑えつつ、ロードノイズの低減が達成された空気入りタイヤ2の提供。【解決手段】このタイヤ2では、カーカス14は、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されている。ベルト16は、トレッド4の半径方向内側においてカーカス14と積層されている。フィラー24は、カーカス14に積層されており、ベルト16の端44からこのカーカス14に沿って半径方向略内向きに延びている。フィラー24は、フィラーコードを含んでいる。このフィラーコードは、略半径方向に延在している。【選択図】図4

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明は、乗用車のための空気入りタイヤに関する。
タイヤは、トレッドにおいて路面と接触する。車輌の走行状態では、路面からの加振によって生じる音、すなわち、ロードノイズが、タイヤ及びサスペンションを経て車体に伝達される。車輌の静粛性の観点から、このロードノイズの低減が求められている。
ロードノイズのうち315Hz帯域のノイズは、ベルトの振動が関与していると言われている。このベルトの振動は、断面二次共振である。そこで、バンドによるベルトの拘束、ベルト幅のワイド化等によって、この断面二次共振の共振周波数を高めて、ロードノイズを低減することが検討されている。この検討の例が、特開2008−279841公報及び特開2007−168761公報に開示されている。
特開2008−279841公報 特開2007−168761公報
ロードノイズの低減のために、バンドによるベルトの拘束、ベルト幅のワイド化等の手法によって断面二次共振の共振周波数を高めると、転がり抵抗が増大してしまう。大きな転がり抵抗は、車輌の燃費性能に影響する。この手法は、接地面の形状や接地圧分布にも影響する。この手法でロードノイズの低減を図った場合、操縦安定性等の性能が低下する恐れもある。
本発明の目的は、操縦安定性及び転がり抵抗への影響を抑えつつ、ロードノイズの低減が達成された空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド、一対のサイドウォール、一対のビード、カーカス、ベルト及び一対のフィラーを備えている。それぞれのサイドウォールは、上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びている。それぞれのビードは、上記サイドウォールよりも半径方向内側に位置している。上記カーカスは、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されている。上記ベルトは、上記トレッドの半径方向内側において上記カーカスと積層されている。それぞれのフィラーは、上記カーカスに積層されており、上記ベルトの端からこのカーカスに沿って半径方向略内向きに延びている。上記フィラーは、フィラーコードを含んでいる。このフィラーコードは、略半径方向に延在している。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記フィラーコードが半径方向に対してなす角度の絶対値は5°以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記フィラーコードは有機繊維からなる。上記有機繊維は、ポリエステル繊維又はアラミド繊維である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記フィラーはトッピングゴムをさらに含んでいる。上記トッピングゴムの複素弾性率は4.0MPa以上5.0MPa以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記トッピングゴムの損失正接は0.15以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記フィラーの端は上記ベルトと上記カーカスとの間に位置している。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記フィラーの端から上記ベルトの端までの距離は5mm以上15mm以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記フィラーの長さは20mm以上80mm以下である。
本発明に係る空気入りタイヤでは、ベルトの端からカーカスに沿って半径方向略内向きに延びるフィラーが設けられている。このフィラーは、略半径方向に延在するフィラーコードを含んでいる。
このタイヤでは、フィラーはベルト端の振動を効果的に抑制する。特に、このフィラーは、断面二次共振の共振周波数を変化させることなく、その振幅を低減させる。このタイヤでは、転がり抵抗の増加を抑えつつ、ロードノイズが減少する。
しかもこのタイヤでは、フィラーが接地面の形状や接地圧分布に与える影響は小さい。このタイヤでは、良好な操縦安定性も適切に維持される。
本発明によれば、操縦安定性及び転がり抵抗への影響を抑えつつ、ロードノイズの低減が達成された空気入りタイヤが得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、カーカスプライに含まれるカーカスコード、及びフィラーに含まれるフィラーコードの配列の様子が示された模式図である。 図3は、インパクト加振による振幅の計測結果が示されたグラフである。 図4は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。この図1において、符号PEは赤道面がこのタイヤ2の外面と交差する位置を表している。この位置PEは、赤道とも称される。図1において、タイヤ2はリムRに組み込まれている。このリムRは、正規リムである。
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、特に言及のない限り、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。タイヤ2が乗用車用である場合は、特に言及のない限り、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
本明細書において正規荷重とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
図1において、符号PBはタイヤ2の外面上の特定の位置を表している。タイヤ2がリムRに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態において、タイヤ2はリムRと接触する。位置PBは、このタイヤ2に荷重がかけらない状態で得られる、この接触面の半径方向外側端に対応している。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のウィング8、一対のクリンチ10、一対のビード12、カーカス14、ベルト16、バンド18、インナーライナー20、一対のチェーファー22、及び一対のフィラー24を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、乗用車に装着される。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面26を形成する。トレッド4には、溝28が刻まれている。この溝28により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4は、ベース層30とキャップ層32とを有している。キャップ層32は、ベース層30の半径方向外側に位置している。キャップ層32は、ベース層30に積層されている。ベース層30は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層30の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。キャップ層32は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6の半径方向外側部分は、トレッド4と接合されている。このサイドウォール6の半径方向内側部分は、クリンチ10と接合されている。このサイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。このサイドウォール6は、カーカス14の損傷を防止する。
それぞれのウィング8は、トレッド4とサイドウォール6との間に位置している。ウィング8は、トレッド4及びサイドウォール6のそれぞれと接合している。ウィング8は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。
それぞれのクリンチ10は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。クリンチ10は、軸方向において、ビード12及びカーカス14よりも外側に位置している。クリンチ10は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。クリンチ10はリムRのフランジFと当接する。
それぞれのビード12は、クリンチ10の軸方向内側に位置している。このビード12は、サイドウォール6よりも半径方向内側に位置している。ビード12は、コア34と、このコア34から半径方向外向きに延びるエイペックス36とを備えている。コア34はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス36は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス36は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス14は、カーカスプライ38を備えている。このタイヤ2のカーカス14は、1枚のカーカスプライ38からなる。このカーカス14が2枚以上のカーカスプライ38で構成されてもよい。
このタイヤ2では、カーカスプライ38は、両側のビード12の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。カーカスプライ38は、それぞれのコア34の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ38には、主部38aと一対の折り返し部38bとが形成されている。カーカスプライ38は、主部38aと一対の折り返し部38bとを備えている。
カーカスプライ38は、並列された多数のカーカスコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのカーカスコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス14はラジアル構造を有する。カーカスコードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト16は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト16は、カーカス14と積層されている。ベルト16は、カーカス14を補強する。ベルト16は、内側層40及び外側層42からなる。図1から明らかなように、軸方向において、内側層40の幅は外側層42の幅よりも若干大きい。ベルト16の軸方向幅は、タイヤ2の断面幅(JATMA参照)の0.65倍以上が好ましく、0.85倍以下が好ましい。ベルト16が、3以上の層を備えてもよい。
図示されていないが、内側層40及び外側層42のそれぞれは、並列された多数のベルトコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのベルトコードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の一般的な絶対値は、10°以上35°以下である。内側層40のベルトコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層42のベルトコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。ベルトコードの好ましい材質は、スチールである。ベルトコードに、有機繊維が用いられてもよい。この場合、この有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
バンド18は、ベルト16の半径方向外側に位置している。軸方向において、バンド18の幅はベルト16の幅よりも大きい。
図示されていないが、このバンド18は、バンドコードとトッピングゴムとからなる。バンドコードは、螺旋状に巻かれている。このバンド18は、いわゆるジョイントレス構造を有する。バンドコードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するバンドコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このバンドコードによりベルト16が拘束されるので、ベルト16のリフティングが抑制される。バンドコードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト16及びバンド18は、補強層を構成している。このタイヤ2では、ベルト16のみから、この補強層が構成されてもよい。
インナーライナー20は、カーカス14の内側に位置している。インナーライナー20は、カーカス14の内面に接合されている。インナーライナー20は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー20の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー20は、タイヤ2の内圧を保持する。
それぞれのチェーファー22は、ビード12の近傍に位置している。タイヤ2がリムRに組み込まれると、このチェーファー22がリムRと当接する。この当接により、ビード12の近傍が保護される。この実施形態では、チェーファー22は、布とこの布に含浸したゴムとからなる。このチェーファー22がクリンチ10と一体とされてもよい。この場合、チェーファー22の材質はクリンチ10の材質と同じとされる。
それぞれのフィラー24は、このタイヤ2のトレッド4とサイドウォール6との境界部分、言い換えれば、バットレスに位置している。このバットレスにおいて、フィラー24はカーカス14と積層されている。図1に示されているように、フィラー24はベルト16の端44からカーカス14に沿って半径方向略内向きに延びている。このフィラー24は、フィラーコードを含んでいる。
図2には、フィラー24に含まれるフィラーコード46の配列の様子が、カーカスプライ38に含まれるカーカスコード48の配列の様子とともに、模式的に示されている。この図2において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の周方向である。この紙面の表側がタイヤ2の外側であり、この紙面の裏側がこのタイヤ2の内側である。この図2は、フィラー24の半径方向内側端50(以下、単に、内端と称する。)付近を、タイヤ2の外側から見た様子に相当する。
このタイヤ2では、フィラー24は、多数のフィラーコード46とトッピングゴム52とからなる。この図2においては、一のフィラーコード46と、この一のフィラーコード46の隣に位置する他のフィラーコード46との間に、トッピングゴム52が位置するように、このフィラー24が表されているが、このフィラー24においては、フィラーコード46がトッピングゴム52で覆われているのは言うまでもない。カーカスプライ38においても、この点は同じである。
図2に示されているように、このタイヤ2では、フィラー24に含まれる多数のフィラーコード46は、周方向に並列されている。それぞれのフィラーコード46は、略半径方向に延在している。この図2に示されているように、このタイヤ2のカーカスコード48も略半径方向に延在している。このタイヤ2では、フィラーコード46とカーカスコード48とは、ほぼ同じ方向に延在している。
図3には、タイヤ2の赤道の部分(図1において、符号PEで示された部分)をインパクト加振して得られる、タイヤ2の各位置における伝達関数の振幅の計測結果(実施例)が、従来のタイヤ(従来例)のそれと対比して示されている。この従来タイヤは、フィラー24が設けられていないだけで、フィラー24以外については、図1に示されたタイヤ2の構成と同等の構成を有している。この計測は、インパクトハンマーを内蔵した、タイヤの振動試験機(図示されず)を用いて実施されている。なお、この計測の詳細については、例えば、酒井秀雄著「タイヤ工学」グランプリ出版の321頁から323頁を参照されたい。
図3において、縦軸は振幅を表している。この振幅は、指数で表されている。横軸に示された1から16の数字は、振幅の計測位置を表している。これらの計測位置はタイヤ2を正規リムに組み込み、正規内圧となるようにこのタイヤ2に空気を充填し、このタイヤ2に荷重がかけられない状態で得られるタイヤ2の外面のプロファイルにより特定される。より詳細には、この状態において、赤道PEから位置PBまでのゾーンに、16箇所の計測位置が等間隔に設定されている。位置1が赤道PEに最も近く、位置16が位置PBに最も近い。位置6が、ベルト16の端44に対応している。
図3に示されているように、このタイヤ2では、従来タイヤに比べて、ベルト16の端44の位置に対応する位置6の近辺において、振幅が低下している。さらに従来タイヤにおいて、その最大幅付近に相当する、位置10において確認された節が、このタイヤ2では、半径方向内側に移動している。この結果から、本発明のフィラー24がベルト16の端44の振動、すなわち、断面二次共振を効果的に抑制しているのは明らかである。しかも、図示されていないが、このタイヤ2の共振周波数は、従来タイヤにおいて確認される共振周波数の位置と略同様の位置で確認されている。具体的には、このタイヤ2における最大の振幅は321Hzで、従来タイヤにおける最大の振幅は320Hzで確認されている。つまり、このタイヤ2のフィラー24は、従来のロードノイズ低減のための手法とは異なり、断面二次共振の共振周波数にはほとんど影響しない。
このタイヤ2では、フィラー24がベルト16の端44の振動を効果的に抑制する。特に、このフィラー24は、断面二次共振の共振周波数を変化させることなく、その振幅を低減させる。このタイヤ2では、転がり抵抗を増加させることなく、ロードノイズが減少する。
さらにこのタイヤ2では、このフィラー24が設けられていない、前述の従来タイヤと同様の、接地面の形状及び接地圧分布が得られることも確認されている。このタイヤ2では、フィラー24が接地面の形状や接地圧分布に与える影響は小さい。このタイヤ2では、良好な操縦安定性が適切に維持される。
なお、本発明においては、従来タイヤと同様の、接地面の形状及び接地圧分布が得られているかは、計測により得た、接地面の形状及び接地圧分布を対比することにより、判断される。具体的には、対比の対象である2つの接地面において、接地面の輪郭のずれが2mm以内であれば、この2つの接地面の形状は、同様であると判断される。接地圧分布については、各計測圧の等圧線のずれが2mm以内であれば、この2つの接地面の接地圧分布は、同様であると判断される。
このように、このタイヤ2では、ベルト16の端44からこのカーカス14に沿って半径方向略内向きに延び、半径方向に延在するフィラーコード46を含むフィラー24が、操縦安定性及び転がり抵抗への影響を抑えつつ、ロードノイズの低減に効果的に寄与する。本発明によれば、操縦安定性及び転がり抵抗への影響を抑えつつ、ロードノイズの低減が達成された空気入りタイヤ2が得られる。
図2において、符号αはフィラーコード46が半径方向に対してなす角度(以下、フィラーコード46の角度とも称される。)を表している。この角度αは、このフィラー24の内端50から、この内端50から10mm離れた位置(図示されず)までのゾーンにおける、フィラー24の延在方向に基づいて、特定される。
前述したように、このタイヤ2では、略半径方向に延在するフィラーコード46を含むフィラー24は、操縦安定性及び転がり抵抗への影響を抑えつつ、ロードノイズの低減に効果的に寄与する。この観点から、このタイヤ2では、フィラーコード46は実質的に半径方向に延在しているのが好ましい。具体的には、フィラーコード46の角度αの絶対値は5°以下が好ましく、2°以下がより好ましい。なお、本発明においては、この角度αの絶対値が45°以下である場合が、フィラーコード46が略半径方向に延在している場合である。
このタイヤ2では、フィラーコード46の材質に特に制限はない。タイヤ2の質量への影響の観点から、このフィラーコード46には、その材質がスチールとされたコードよりも、有機繊維からなるコードが好ましい。この場合、この有機繊維としては、特に制限はないが、適度な剛性を有し、操縦安定性及び転がり抵抗への影響を抑えつつ、ロードノイズの低減により効果的に寄与するフィラー24が得られるとの観点から、ポリエステル繊維又はアラミド繊維がより好ましい。特に好ましい有機繊維は、アラミド繊維である。
このタイヤ2では、フィラー24に含まれるフィラーコード46の密度は、20エンズ/5cm以上が好ましく、60エンズ/5cm以下が好ましい。この密度が20エンズ/5cm以上に設定されることにより、フィラー24が適度な剛性を有する。このフィラー24は、操縦安定性及び転がり抵抗への影響を抑えつつ、ロードノイズの低減に寄与する。この密度が60エンズ/5cm以下に設定されることにより、フィラー24の剛性が適切に維持される。このタイヤ2では、このフィラー24による乗り心地等への影響が効果的に抑えられている。
本明細書においては、フィラーコード46の密度は、フィラー24におけるフィラーコード46の長さ方向に垂直な断面において、このフィラー24の5cm幅あたりに存在するフィラーコード46の断面の数(エンズ)を計測することにより得られる。
このタイヤ2では、フィラー24は、多数のフィラーコード46以外に、トッピングゴム52を含んでいる。このタイヤ2では、適度な剛性を有し、操縦安定性及び転がり抵抗への影響を抑えつつ、ロードノイズの低減により効果的に寄与するフィラー24が得られるとの観点から、このトッピングゴム52の複素弾性率E*は4.0MPa以上が好ましい。フィラー24の剛性が適切に維持され、このフィラー24による乗り心地等への影響が効果的に抑えられるとの観点から、このトッピングゴム52の複素弾性率E*は5.0MPa以下が好ましい。
本発明においては、複素弾性率E*及び後述する損失正接(tanδ)は、「JIS K 6394」の規定に準拠して測定される。この測定のための条件は、以下の通りである。
粘弾性スペクトロメーター:岩本製作所の「VESF−3」
初期歪み:10%
動歪み:±1%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
このタイヤ2では、フィラー24に含まれるトッピングゴム52の損失正接LTは、0.15以下が好ましい。この損失正接LTが0.15以下に設定されることにより、フィラー24のトッピングゴム52における発熱が抑えられる。このフィラー24は、転がり抵抗の低減により効果的に寄与する。この観点から、この損失正接LTは0.13以下がより好ましく、0.11以下がさらに好ましい。転がり抵抗の観点においては、損失正接LTは低いほど好ましいので、この損失正接LTの好ましい下限は設定されない。
図4には、このタイヤ2のバットレスの部分が示されている。この図4において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。
このタイヤ2では、フィラー24の半径方向外側端54(以下、単に、外端と称する。)は、軸方向において、ベルト16の端44よりも内側に位置している。言い換えれば、このフィラー24の外端54は、ベルト16とカーカス14との間に位置している。このタイヤ2では、フィラー24の外端54の部分はベルト16及びカーカス14で拘束されている。この拘束は、バットレスにしなやかな撓みを招来する。このため、このタイヤ2では、フィラー24が、操縦安定性及び転がり抵抗への影響を抑えつつ、ロードノイズの低減に、より効果的に寄与する。言い換えれば、このタイヤ2では、操縦安定性及び転がり抵抗への影響を抑えつつ、ロードノイズの低減が達成されるとの観点から、フィラー24の外端54は、ベルト16とカーカス14との間に位置しているのが好ましい。
図4において、両矢印Dは、フィラー24の外端54からベルト16の端44までの距離である。この距離Dは、フィラー24とベルト16との重複長さでもある。両矢印Lは、フィラー24の外端54からその内端50までの長さである。この長さLは、フィラー24の長さである。
このタイヤ2では、距離Dは5mm以上が好ましく、15mm以下が好ましい。この距離Dが5mm以上に設定されることにより、フィラー24が、操縦安定性及び転がり抵抗への影響を抑えつつ、ロードノイズの低減に効果的に寄与する。この観点から、この距離Dは7mm以上がより好ましい。この距離Dが15mm以下に設定されることにより、このフィラー24による、接地面の形状及び接地圧分布への影響が効果的に抑えられる。このタイヤ2では、良好な操縦安定性が適切に維持される。この観点から、この距離Dは13mm以下がより好ましい。
このタイヤ2では、長さLは20mm以上が好ましく、80mm以下が好ましい。この長さLが20mm以上に設定されることにより、フィラー24が、操縦安定性及び転がり抵抗への影響を抑えつつ、ロードノイズの低減に効果的に寄与する。この観点から、この長さLは30mm以上がより好ましい。この長さLが80mm以下に設定されることにより、このフィラー24による、このタイヤ2の質量への影響が効果的に抑えられる。このタイヤ2では、転がり抵抗が適切に維持される。この観点から、この距離Dは60mm以下がより好ましく、50mm以下がさらに好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示されたタイヤを製作した。このタイヤのサイズは、195/65R15である。この実施例1の諸元は、下記の表1に示された通りである。すなわち、この実施例1では、フィラーの長さLは30mmであった。フィラーの端(詳細には、外端)からベルトの端までの距離Dは、5mmであった。フィラーコードには、アラミド繊維からなるコードが採用された。このフィラーコードの構成は、1670dtex/2であった。フィラーコードの角度αの絶対値は2°であった。フィラーにおけるトッピングゴムの複素弾性率E*は、4.5MPaであった。このトッピングゴムの損失正接LTは、0.101であった。フィラーにおけるフィラーコードの密度は30エンズ/5mmであった。なお、図3に示された実施例の計測結果は、この実施例1のタイヤによるものである。
この実施例1では、ベルトの幅はタイヤの断面幅の0.73倍であった。この実施例1のベルトの幅としては、標準的である。このことが、表1のベルトの幅の欄に「S」で示されている。
[比較例1]
フィラーを設けなかった他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。この比較例1は、従来のタイヤである。なお、図3に示された従来例の計測結果は、この比較例1のタイヤによるものである。
[比較例2]
ベルトの幅を比較例1のそれよりも拡げた他はこの比較例1と同様にして、比較例2のタイヤを得た。この比較例2では、比較例1に比べて、ベルトの幅が左右それぞれ8mmずつ、計16mm拡げられている。このことが、表1のベルトの幅の欄に「W」で示されている。
[実施例2]
長さL、複素弾性率E*及び損失正接LTを下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2のタイヤを得た。
[実施例3−4及び比較例3]
角度αの絶対値を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例3−4及び比較例3のタイヤを得た。比較例3では、フィラーコードは周方向に延在している。
[実施例5−6]
距離Dを下記の表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例5−6のタイヤを得た。
[実施例7−9]
長さLを下記の表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例7−9のタイヤを得た。
[ロードノイズ]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに空気を充填して、内圧を調整した(フロントタイヤ=230kPa、リアタイヤ=220kPa)。内圧調整後のタイヤを、市販のハイブリッドタイプの乗用車(排気量=2000cc相当)に装着した。ドライバーに、この乗用車をアスファルト製路面の上で、100km/hの速度で走行させた。この走行時の運転席(運転者の右耳の位置)における騒音レベル(dB)を集音マイクで計測した。この計測値と比較例1の計測値との差を算出し、この結果が指数で下記の表1−2に示されている。数値が小さいほど、ロードノイズの低減量が大きく好ましい。比較例1を基準としていることが、この表1において「B」で表されている。
[転がり抵抗係数]
転がり抵抗試験機を用い、下記の測定条件で転がり抵抗係数(RRC)を測定した。
使用リム:15×6−J(アルミニウム合金製)
内圧:220kPa
荷重:4.6kN
速度:80km/h
この結果が、指数で、下記の表1−2に示されている。数値が小さいほど好ましい。
[接地面の状態]
接地圧分布測定装置を用い、下記の測定条件で接地面の形状及び接地圧分布の確認を行った。
使用リム:15×6−J(アルミニウム合金製)
内圧:220kPa
荷重:4.6kN
キャンバー角:0°
スリップ角:0°
比較例1のタイヤの接地面の形状及び接地圧分布と目視で官能的に比較して、接地面の形状及び接地圧分布に変化が認められなかった場合が「N」で、この変化が認められた場合が「Y」で、下記の表1−2に示されている。比較例1を基準としていることが、表1において「B」で表されている。
Figure 2017170968
Figure 2017170968
表1−2に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたフィラーに関する技術は、種々のタイヤにも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
10・・・クリンチ
12・・・ビード
14・・・カーカス
16・・・ベルト
24・・・フィラー
38・・・カーカスプライ
40・・・内側層
42・・・外側層
44・・・ベルト16の端
46・・・フィラーコード
48・・・カーカスコード
50・・・フィラー24の半径方向内側端(フィラー24の内端)
52・・・フィラー24のトッピングゴム
54・・・フィラー24の半径方向外側端(フィラー24の外端)
56・・・カーカスプライ38のトッピングゴム

Claims (8)

  1. トレッド、一対のサイドウォール、一対のビード、カーカス、ベルト及び一対のフィラーを備えており、
    それぞれのサイドウォールが、上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びており、
    それぞれのビードが、上記サイドウォールよりも半径方向内側に位置しており、
    上記カーカスが、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されており、
    上記ベルトが、上記トレッドの半径方向内側において上記カーカスと積層されており、 それぞれのフィラーが、上記カーカスに積層されており、上記ベルトの端からこのカーカスに沿って半径方向略内向きに延びており、
    上記フィラーがフィラーコードを含んでおり、このフィラーコードが略半径方向に延在している、空気入りタイヤ。
  2. 上記フィラーコードが半径方向に対してなす角度の絶対値が5°以下である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 上記フィラーコードが有機繊維からなり、
    上記有機繊維が、ポリエステル繊維又はアラミド繊維である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記フィラーがトッピングゴムをさらに含んでおり、
    上記トッピングゴムの複素弾性率が4.0MPa以上5.0MPa以下である、請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 上記トッピングゴムの損失正接が0.15以下である、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 上記フィラーの端が上記ベルトと上記カーカスとの間に位置している、請求項1から5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 上記フィラーの端から上記ベルトの端までの距離が5mm以上15mm以下である、請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 上記フィラーの長さが20mm以上80mm以下である、請求項1から7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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