JP2017165724A - アルキルセルロースを含む固形製剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、近年では、錠剤は服用しやすいように小型化され、結合剤等の添加量を抑える傾向にある。このため、少ない添加量で錠剤の硬度を高める結合剤が望まれている。また、バイオアベイラビリティーの面から、服用した錠剤は速やかに崩壊することが望ましい。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、少ない添加量で成形性に優れ、更には崩壊性にも優れるアルキルセルロースを含む固形製剤及びその製造方法を提供する。
本発明の一つの態様では、BET法で測定した比表面積が0.5〜10.0m2/gであり、かつ溶解開始温度が5〜27℃であるアルキルセルロースを少なくとも含む固形製剤が提供される。
本発明の別の態様では、セルロースパルプと第一のアルカリ金属水酸化物溶液を撹拌混合してアルカリセルロースを得る工程と、前記アルカリセルロースとアルキル化剤を反応して第一の反応混合物を得る工程と、前記第一の反応混合物に、更にアルキル化剤を配合することなく、第二のアルカリ金属水酸化物溶液を配合して撹拌混合により第二の反応混合物を得る工程と、前記第二の反応混合物を精製してアルキルセルロースを得る工程と、前記アルキルセルロースを粉砕して粉砕アルキルセルロースを得る工程と、前記粉砕アルキルセルロースを解重合して低重合度アルキルセルロースを得る工程と、前記低重合度アルキルセルロースを粉砕して粉砕低重合度アルキルセルロースを得る工程と、前記粉砕低重合度アルキルセルロースと薬物を少なくとも含む混合物又は造粒物を、乾式直接打錠法又は乾式造粒打錠法を用いて打錠する工程とを少なくとも含み、前記第一のアルカリ金属水酸化物溶液中の第一のアルカリ金属水酸化物と、前記第二のアルカリ金属水酸化物溶液中の第二のアルカリ金属水酸化物との合計質量に対する前記第一のアルカリ金属水酸化物の質量の割合が、50〜86%である固形製剤の製造方法が提供される。
アルキルセルロースは、BET法(BET多点法)により測定した比表面積が、0.5〜10.0m2/g、好ましくは0.8〜10.0m2/g、より好ましくは1.4〜8.0m2/g、更に好ましくは1.8〜7.0m2/gである。比表面積が0.5m2/g未満では所望の成形性が得られない一方で、比表面積が10.0m2/gを超えると、錠剤を製造する際に薬物との混合性や流動性が低下する。
比表面積の分析は、試料の粉体粒子表面に吸着占有面積の判った分子を液体窒素の温度で吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法であり、不活性気体の低温低湿物理吸着によるBET法(BET多点法)を用いることができる。例えば、第16改正日本薬局方に記載の一般試験法の比表面積測定法の第2法:容量法に準じて測定可能で、自動比表面積/細孔分布測定装置 TriStarII3020(micromeritics社製)を用いて測定できる。
アルキルセルロースの溶解開始温度の測定は、具体的には以下のようにして行う。レオメーターの試料測定部に、CC27測定カップ(CC27/T200/AL、直径29mm及び高さ68mmのアルミ製の円筒状容器)をセットし80℃に温調しておき、アルキルセルロース4.8g(20℃、2質量%における粘度が7.3mPa・s未満のアルキルセルロースの場合)を薬包紙に正確に秤量する。温調された測定カップを一旦装置から取り外し、秤量されたアルキルセルロースを入れ、熱水(98℃)35.2g(20℃、2質量%における粘度が7.3mPa・s未満のアルキルセルロースの場合)を加えて40.0gとする。羽根型測定治具(ST24−2D/2V/2V−30)を用いて良く撹拌混合し、アルキルセルロースを熱水中に完全に分散する。測定カップ及び羽根型測定治具を装置にセットし、分散液を80℃で温調しつつ、400rpmで5分間撹拌した後、400rpmで撹拌しながら試料測定部を毎分1℃ずつ1℃までペルチェ温度制御にて冷却する。80℃から1℃までのトルクを毎分1点収集して、トルクの上昇を温度の関数として得る。下記の式を用いて、得られたデータを正規化する。
Mnorm(%)=(M−Mi)/(Mmax−Mi)×100
式中、Mnormは正規化されたトルクを表し、Mは各温度での測定されたトルクを表し、Miは初期の温度(80℃)でのトルクを表し、Mmaxは得られたトルクのうち最大値を表す。横軸が温度、縦軸がMnormであるグラフを作成し、5点以上のデータ(5℃の温度範囲)から得られる線形回帰線を作成する。そして、最大の傾斜及び十分な相関係数(R2=0.99以上)の線形回帰線とX軸(温度軸)との交点を溶解開始温度と定義する。図1はアルキルセルロースの溶解開始温度を決定する方法を示し、この例では溶解開始温度はTAとなる。
一般的に、DS(degree of substitution)は置換度を表し、セルロースの無水グルコース環単位当たりのメトキシ基又はエトキシ基で置換された水酸基の平均個数を示す。また、アルキルセルロースのアルキル基の置換度は、例えばアルキルセルロースがメチルセルロースの場合のメトキシ基置換度の測定方法は、第16改正日本薬局方のメチルセルロースの項における定量法により測定した値から算出することができる。
一般にアルキルセルロースは、原料のセルロースパルプとアルカリ金属水酸化物溶液を接触させてアルカリセルロースを得た後、エーテル化剤と反応させることにより得られる。しかし、本発明では、アルカリ金属水酸化物溶液を複数の段階に分けて配合し、アルキル化剤は1段で添加し反応することにより、低い溶解開始温度を有するアルキルセルロースが得られる。
具体的には、セルロースパルプと第一のアルカリ金属水酸化物溶液を撹拌混合してアルカリセルロースを得る工程と、前記アルカリセルロースとアルキル化剤を反応して第一の反応混合物を得る工程と、前記第一の反応混合物に、更にアルキル化剤を配合することなく、第二のアルカリ金属水酸化物溶液を配合して撹拌混合により第二の反応混合物を得る工程と、前記第二の反応混合物を精製してアルキルセルロースを得る工程とを少なくとも含み、前記第一のアルカリ金属水酸化物溶液中の第一のアルカリ金属水酸化物と、前記第二のアルカリ金属水酸化物溶液中の第二のアルカリ金属水酸化物との合計質量に対する第一のアルカリ金属水酸化物の質量割合が、50〜86%である製造方法により、目的のアルキルセルロースが得られる。
セルロースパルプ中には、セルロース及び水分が含まれ、本明細書において「セルロースパルプ中のセルロース」の量は、JIS P8203:1998のパルプ−絶乾率の試験方法により求められた絶乾率より計算できる。絶乾率(dry matter content)は、試料を105±2℃で乾燥し、恒量に達したときの質量と乾燥前の質量の比率であり、%で表示する。
アルカリ金属水酸化物溶液は、第一のアルカリ金属水酸化物溶液及び第二のアルカリ金属水酸化物溶液のように二段階に分割して配合する。ここで、アルカリ金属水酸化物溶液に特に制限はなく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の溶液が挙げられるが、経済的な観点から水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。第一のアルカリ金属水酸化物溶液中の第一のアルカリ金属水酸化物と、第二のアルカリ金属水酸化物溶液中の第二のアルカリ金属水酸化物は、例えばいずれも水酸化ナトリウムを用いるように同一種類とすることが好ましいが、例えば前者として水酸化ナトリウムを用い後者として水酸化カリウムを用いるように異なる種類の組合せとすることも可能である。
また、第一のアルカリ金属水酸化物溶液とセルロースパルプを撹拌混合する以前に、反応機内の酸素を真空ポンプ等で除去し、不活性ガス、好ましくは窒素で置換することで、アルカリ金属水酸化物と酸素が存在下で生じる解重合を抑制することが好ましい。
アルキル化剤としては、例えば塩化メチル、硫酸ジメチル、ヨウ化メチル等のメチル化剤、塩化エチル、硫酸ジエチル、ヨウ化エチル等のエチル化剤が挙げられ、低い溶解開始温度を有するアルキルセルロースを得る観点及び経済的な観点から、塩化メチルが好ましい。
アルキル化剤の配合モル量は、第一及び第二のアルカリ金属水酸化物の合計モル量に対するアルキル化剤のモル比(アルキル化剤/合計アルカリ金属水酸化物)として、好ましくは0.8〜1.5であり、より好ましくは1.0〜1.3である。当該モル比(アルキル化剤/合計アルカリ金属水酸化物)が0.8未満であると、アルキル基が必要量置換されない場合がある。一方、1.5を超えて過剰にアルキル化剤を配合することは経済的に不利となる場合がある。
アルキル化剤の配合方法は、好ましくはアルキル化剤をアルカリセルロースに添加する。アルキル化剤の添加時間は、反応制御及び生産性の観点から、好ましくは30〜120分間、より好ましくは40〜90分間である。
第一の反応混合物に第二のアルカリ金属水酸化物溶液を配合するとき、すなわち第二のアルカリ金属水酸化物溶液の配合を開始する時期は、好ましくは配合するアルキル化剤の全量の80質量%以上の添加が完了した後、より好ましくはアルキル化剤の添加が完了した後である。第二のアルカリ金属水酸化物溶液の添加を開始する時期が、配合するアルキル化剤の全体の80質量%添加が完了する前である場合、低い溶解開始温度を有するアルキルセルロースが製造できない場合がある。
第二のアルカリ金属水酸化物溶液を配合した後、エーテル化反応を完了させるために、撹拌混合を続けることが好ましい。
第二のアルカリ金属水酸化物溶液を配合後の撹拌混合時間は、生産性の点から、好ましくは10〜60分間、より好ましくは20〜40分間である。
精製後、必要に応じて乾燥してもよい。乾燥方法及び乾燥に用いる装置は、特に制限されることはないが、乾燥時のアルキルセルロース温度は40〜80℃であることが好ましい。
粉砕方法や粉砕に用いられる装置は、特に制限されないが、高い比表面積を得るためには、例えばターボミル(ターボ工業社製)、PPSR(パルマン社製)、ビクトリーミル(ホソカワミクロン社製)、ジェットミル(日本ニューマチック社製)、ミクロンジェットQ型(ホソカワミクロン社製)、ACMパルペライザ(ホソカワミクロン社製)といった衝撃粉砕機、振動ミル、ボールミル、ローラーミル、ビーズミルといった圧密粉砕機が好ましい。これらの粉砕機の中でも、高い比表面積を得る観点から、ジェットミル、ミクロンジェットQ型、ACMパルペライザといった衝撃粉砕機が好ましい。
分級に用いる篩としては、特に制限されないが、JISの200メッシュ(目開き75μm)、235メッシュ(目開き63μm)、330メッシュ(目開き45μm)、390メッシュ(目開き38μm)等が好ましい。
酸触媒を用いた加水分解による解重合に使用される酸として、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、及びリン酸等の無機酸が挙げられ、これらを単独又は混合して用いることができる。酸の系内への添加は、ガス状態での添加もしくは溶液状態での添加があるが、好ましくは溶液状態での添加である。添加する酸の質量は、アルキルセルロースの質量を基準として好ましくは0.1〜3.0質量%、より好ましくは0.15〜1.5質量%である。
アルキルセルロースは高い成形性を有するため、乾式直接打錠法又は乾式造粒打錠法で錠剤を製造する場合、低添加量で錠剤硬度を高めることが可能となる。近年では、錠剤は服用しやすいように小型化され、結合剤等の添加量を抑える傾向にある。また、薬物を高含量で含む錠剤の場合(例えば、錠剤処方中の薬物含有量が50質量%以上)、同様に結合剤等の添加量は制限される。このため、少ない添加量で錠剤の硬度を高める結合剤が好ましい。ここで、低添加量とは、錠剤の質量、形状、薬物の種類等によって異なるが、固形製剤中のアルキルセルロースの含有量は0質量%を超えるものであり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下であることをいう。
循環器系薬物としては、例えば、モルシドミン、ビンポセチン、プロプラノロール、メチルドパ、ジピリダモール、フロセミド、トリアムテレン、ニフェジビン、アテノロール、スピロノラクトン、メトプロロール、ピンドロール、カプトプリル、硝酸イゾソルビト、塩酸デラプリル、塩酸メクロフェノキサート、塩酸ジルチアゼム、塩酸エチレフリン、ジギトキシン、塩酸プロプラノロール及び塩酸アルプレノロール等が挙げられる。
消化器系薬物としては、例えば、2−[〔3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル〕メチルスルフィニル]ベンゾイミダゾール及び5−メトキシ−2−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチルスルフィニル〕ベンゾイミダゾール等の抗潰瘍作用を有するベンゾイミダゾール系薬物、シメチジン、ラニチジン、塩酸ピレンゼピン、パンクレアチン、ビサコジル並びに5−アミノサリチル酸等が挙げられる。
鎮咳・去たん剤としては、例えば、塩酸ノスカピン、クエン酸カルベタペンタン、臭化水素酸デキストロメトルファン、クエン酸イソアミニル及びリン酸ジメモルファン等が挙げられる。
抗ヒスタミン剤としては、例えば、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン及び塩酸プロメタジン等が挙げられる。
解熱鎮痛消炎剤としては、例えば、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、スルピリン、アスピリン及びケトプロフェン等が挙げられる。
自律神経作用薬としては、例えば、リン酸ジヒドロコデイン及びdl−塩酸メチルエフェドリン、硫酸アトロピン、塩化アセチルコリン、ネオスチグミン等が挙げられる。
抗マラリア剤としては、例えば、塩酸キニーネ等が挙げられる。
止潟剤としては、例えば、塩酸ロペラミド等が挙げられる。
向精神剤としては、例えば、クロルプロマジン等が挙げられる。
ビタミン類及びその誘導体としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB1、フルスルチアミン、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、パントテン酸カルシウム及びトラネキサム酸等が挙げられる。
カロテノイドとしては、例えば、β−カロチン、α−カロチン、ルテイン、クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、リコペン、アスタキサンチン、マルチカロチン等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、脂肪族アミノ酸、分岐鎖アミノ酸、ヒドロキシアミノ酸、酸性アミノ酸、酸性アミノ酸アミド、塩基性アミノ酸、含硫アミノ酸、芳香族アミノ酸、複素環式アミノ酸、イミノ酸等が挙げられる。
アミノ酸誘導体としては、例えばアセチルグルタミン、アセチルシステイン、カルボキシメチルシステイン、アセチルチロシン、アセチルヒドロキシプロリン、5−ヒドロキシプロリン、グルタチオン、クレアチン、S−アデノシルメチオニン、グリシルグリシン、グリシルグルタミン、ドーパ、アラニルグルタミン、カルニチン、γ−アミノ酪酸等が挙げられる。
植物エキスとしては、例えばアロエ、プロポリス、アガリクス、高麗人参、イチョウ葉、ウコン、クルクミン、発芽玄米、椎茸菌糸体、甜茶、甘茶、メシマコブ、ごま、にんにく、マカ、冬虫夏草、カミツレ、トウガラシ等が挙げられる。
崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース又はその塩、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、結晶セルロース及び結晶セルロース・カルメロースナトリウム等が挙げられる。
滑択剤、凝集防止剤としては、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、コロイダルシリカ、ステアリン酸、ワックス類、硬化油、ポリエチレングリコール類、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
医薬化合物の溶解補助剤としては、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸等の有機酸等が挙げられる。
乾式直接打錠法は、乾式混合により得られるアルキルセルロース及び薬物の混合物の他、必要に応じて賦形剤、崩壊剤及び/又は滑択剤等を含む混合物を打錠する方法であり、造粒工程がないため製造工程が簡略化でき、生産性の高い方法である。
一方、乾式造粒打錠法は、圧縮造粒により得られる、アルキルセルロース及び薬物造粒物の他、必要に応じて賦形剤、崩壊剤及び/又は滑択剤等を含む造粒物を打錠する方法であり、水や溶剤に対して敏感な薬物について有効な方法である。圧縮造粒物は、例えばローラーコンパクター等の圧密造粒機等を用いてローラー圧縮することにより製造することできる。ロール圧力は粉体物性等により異なるが、好ましくは1〜30MPa、より好ましくは2〜12MPaであり、ロール回転数は好ましくは1〜50rpm、より好ましくは2〜20rpmである。スクリュー回転数は好ましくは1〜100rpm、より好ましくは2〜50rpmである。ローラー圧縮により得られたフレークをコーミル、クイックミル、パワーミル、グラニュマイスター、ロールグラニュレーター等の粉砕機や解砕機で所定の粒度へ粉砕・整粒することで打錠末とすることができる。
固有粘度が1,400ml/gであるウッドパルプを粉砕機で粉砕し、粉末セルロースパルプを得た。この粉末セルロースパルプのうち、セルロース分で6.0kgに相当する量のセルロースパルプを、ジャケット付き内部撹拌式耐圧反応機に仕込み、真空窒素置換を行い、十分に反応機内の酸素を除去した。次に、反応機内温を55℃となるように、温調しながら内部を撹拌し、第一のアルカリ金属水酸化物溶液として49質量%水酸化ナトリウム水溶液を用い、第一の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第一の水酸化ナトリウム/セルロース)が3.01となるように、添加速度12.04[mol/mol・hr]で第一の水酸化ナトリウム水溶液を添加して、アルカリセルロースとした。
続いて、ジメチルエーテルを2.4kg添加し、反応機内温が60℃を保持するように温調した。ジメチルエーテル添加後、反応機内温を60℃から80℃に昇温しながら、塩化メチル量と第一及び第二の水酸化ナトリウムの合計量とのモル比(塩化メチル/合計水酸化ナトリウム)が1.1となるように60分間かけて塩化メチルを添加し、第一の反応混合物とした。塩化メチルの添加に続いて、第二のアルカリ金属水酸化物溶液として49質量%水酸化ナトリウム水溶液を用い、第二の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第二の水酸化ナトリウム/セルロース)が1.26となるように、添加速度2.58[mol/mol・hr]で第二の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、第二の反応混合物とした。第二の水酸化ナトリウム溶液の添加開始時の反応機内温は81℃、添加完了時の反応機内温は89℃であり、第二の水酸化ナトリウム水溶液添加開始から完了までの間、反応機内温を16.4℃/hrで昇温させた。第二の水酸化ナトリウム水溶液の仕込み完了後、撹拌を30分間継続して行いエーテル化反応を完了させた。第一と第二の水酸化ナトリウム水溶液中の第一と第二の水酸化ナトリウムの合計質量に対する第一の水酸化ナトリウムの質量の割合は70.5%であった。
得られた第二の反応混合物を95℃の熱水を添加してスラリー化した後、ロータリープレッシャーフィルターを用いて洗浄し、続いて、送風乾燥機で乾燥し、ボールミルで粉砕し、メチルセルロースを得た。このメチルセルロースのメトキシ基の置換度(DS)は1.85であった。
得られたメチルセルロースに、10質量%塩酸水溶液をメチルセルロースに対し塩酸成分が0.3質量%となるように添加し、内温82℃となるように温調し、90分間解重合を行い、低重合度メチルセルロースを得た。
得られた低重合度メチルセルロースを目開き0.3mmのスクリーンを有する高速回転型衝撃粉砕機ビクトリーミルを用いて粉砕し、目的の低重合度メチルセルロースを得た。得られた低重合度メチルセルロースについて、下記測定方法により測定した比表面積、12質量%水分散液における溶解開始温度、20℃における2質量%水溶液の粘度、平均粒子径、ゆるめ嵩密度を表1に示す。
(a)BET法(BET多点法)による比表面積
BET法(BET多点法)による比表面積は、第16改正日本薬局方に記載の一般試験法の比表面積測定法の第2法:容量法に準じて、自動比表面積/細孔分布測定装置 TriStarII3020(micromeritics社製)を用いて、ガス吸着法(吸着ガス:窒素、冷媒:液体窒素)にて、相対圧(P/P0)(式中、P0は飽和蒸気圧を表し、Pは測定平衡圧を示す。)が0.05〜0.30の範囲にて測定した。なお、測定試料は105℃で2時間放置し、絶乾したものを用いた。サンプル量は測定試料により異なり、0.5〜2.0g程度にて測定した。
20℃における2質量%水溶液の粘度は、粘度が600mPa・s以上の場合は第16改正日本薬局方に記載の一般試験法の粘度測定法の回転粘度計法に従い単一円筒型回転粘度計を用いて測定した。粘度が600mPa・s未満の場合は第16改正日本薬局方に記載の一般試験法の粘度測定法の毛細管粘度計法に従い、ウベローデ型粘度計を用いて測定した。
(c)溶解開始温度
溶解開始温度は前述した方法にて、メチルセルロースが最終的に溶解した際の濃度が12質量%にて測定した。
平均粒子径は、マスターサイザー3000(Malvern社製)を用いて、レーザー回折法(解析:Fraunhofer近似)にて、分散圧2〜3bar、散乱強度2〜10%の条件で体積換算平均粒子径を測定した。
(e)ゆるめ嵩密度
ゆるめ嵩密度は、パウダーテスターPT−S(ホソカワミクロン社製)を用いて直径5.03cm、高さ5.03cm(容積100ml)の円筒容器(材質:ステンレス)へ試料をJISの22メッシュ(目開き710μm)の篩を通して、上方(23cm)から均一に供給し、上面をすり切って秤量することによって測定した。
得られたメチルセルロースを用いて、下記の錠剤組成のうちステアリン酸マグネシウムを除く成分をポリエチレン袋中で3分間混合し、次いでステアリン酸マグネシウムを加え30秒間混合したものを下記の打錠条件で打錠し、乾式直接打錠法により錠剤を製造した。製造した錠剤について、錠剤硬度測定装置(TM5−1、菊水製作所社製)を用いて、錠剤の直径方向に1mm/秒の速度で荷重をかけ、錠剤が破断したときの最大破断強度を錠剤硬度として測定し、第16改正日本薬局方に準拠して崩壊時間(試験液:水)を評価し、それらの結果を表1に示す。
アセトアミノフェン粗粒品(Sタイプ、山本化学工業社製) 50.0質量部
乳糖水和物(ダイラクトーズS、フロイント産業社製) 40.0質量部
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(NBD−021、信越化学工業社製)
5.0質量部
メチルセルロース 5.0質量部
ステアリン酸マグネシウム 0.5質量部
打錠条件
打錠機 ロータリー打錠機(VIRGO、菊水製作所社製)
錠剤サイズ 200mg/錠、8mm−D、12mm−R
打錠圧 10kN
打錠速度 20rpm
実施例1で得られた低重合度メチルセルロースを気流式衝撃粉砕機ジェットミル(ラボジェットミル、日本ニューマッチク社製)を用いて、粉砕圧0.35MPa、分級ゾーンのクリアランス20mm、ルーバーサイズ:大の条件にて粉砕する以外は、実施例1と同様にして目的のメチルセルロースを得た。このメチルセルロースの粉体物性および実施例1と同様に乾式直接打錠法により打錠して得られた錠剤の錠剤物性を表1に示す。
実施例2における気流式衝撃粉砕機ジェットミルでの粉砕条件において粉砕圧0.45MPa、分級ゾーンのクリアランス35mm、ルーバーサイズ:大の条件にて粉砕する以外は、実施例2と同様にして目的のメチルセルロースを得た。このメチルセルロースの粉体物性および実施例1と同様に乾式直接打錠法により打錠して得られた錠剤の錠剤物性を表1に示す。
実施例1で得られた低重合度メチルセルロースをACMパルペライザ(ACM−15H、ホソカワミクロン社製)を用いて粉砕部回転数7800rpm、分級機回転数7000rpm、ブロアー風量10m3/minの条件にて粉砕する以外は、実施例1と同様にして目的のメチルセルロースを得た。このメチルセルロースの粉体物性および実施例1と同様に乾式直接打錠法により打錠して得られた錠剤の錠剤物性を表1に示す。
実施例2における気流式衝撃粉砕機ジェットミルでの粉砕条件において粉砕圧0.5MPa、分級ゾーンのクリアランス35mm、ルーバーサイズ:小の条件にて粉砕する以外は、実施例2と同様にして目的のメチルセルロースを得た。このメチルセルロースの粉体物性および実施例1と同様に乾式直接打錠法により打錠して得られた錠剤の錠剤物性を表1に示す。
実施例1で得られたメチルセルロースを解重合する時間を60分間に変更した以外は、実施例1と同様にして低重合度メチルセルロースを得た。得られた低重合度メチルセルロースを気流式衝撃粉砕機ジェットミル(ラボジェットミル、日本ニューマッチク社製)を用いて粉砕圧0.4MPa、分級ゾーンのクリアランス15mm、ルーバーサイズ:大の条件にて粉砕し目的のメチルセルロースを得た。このメチルセルロースの粉体物性および実施例1と同様に乾式直接打錠法により打錠して得られた錠剤の錠剤物性を表1に示す。
実施例1と同様に反応機内にセルロースパルプを仕込み、反応機内温を60℃となるように、温調しながら内部を撹拌し、第一のアルカリ金属水酸化物溶液として49質量%水酸化ナトリウム水溶液を用い、第一の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第一の水酸化ナトリウム/セルロース)が2.62となるように、添加速度10.48[mol/mol・hr]で第一の水酸化ナトリウム水溶液を添加して、アルカリセルロースとした。
続いて、実施例1と同様にして第一の反応混合物を得た後、第二の水酸化ナトリウム水溶液の添加開始時の反応機内温を77℃、添加完了時の反応機内温は89℃とし、第二の水酸化ナトリウム水溶液の添加開始から添加が完了するまでの間、反応機内温を24℃/hrで昇温させ、第二の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第二の水酸化ナトリウム/セルロース)が1.60となるように、添加速度3.20[mol/mol・hr]で第二の水酸化ナトリウム水溶液を添加して第二の反応混合物とする以外は、実施例1と同様に行った。第一と第二の水酸化ナトリウム水溶液中の第一と第二の水酸化ナトリウムの合計質量に対する第一の水酸化ナトリウムの質量の割合は62.1%であった。
その後、得られた第二の反応混合物を実施例1と同様に精製、粉砕してメチルセルロースを得た。このメチルセルロースのメトキシ基の置換度(DS)は1.81であった。
得られたメチルセルロースに、10質量%塩酸水溶液をメチルセルロースに対し塩酸成分が0.3質量%となるように添加し、内温82℃となるように温調し、90分間解重合を行い、低重合度メチルセルロースを得た。
得られた低重合メチルセルロースを実施例2と同様に気流式衝撃粉砕機ジェットミル(ラボジェットミル、日本ニューマッチク社製)を用いて粉砕し、目的のメチルセルロースを得た。得られたメチルセルロースの粉体物性および実施例1と同様に乾式直接打錠法により打錠して得られた錠剤の錠剤物性を表1に示す。
実施例1と同様に反応機内にセルロースパルプを仕込み、反応機内温を55℃となるように、温調しながら内部を撹拌し、第一のアルカリ金属水酸化物溶液として49質量%水酸化ナトリウム水溶液を用い、第一の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第一の水酸化ナトリウム/セルロース)が2.26となるように、添加速度9.04[mol/mol・hr]で第一の水酸化ナトリウム水溶液を添加して、アルカリセルロースとした。
続いて、実施例1と同様にして第一の反応混合物を得た後、第二の水酸化ナトリウム水溶液の添加開始時の反応機内温を80℃、添加完了時の反応機内温は92℃とし、第二の水酸化ナトリウム水溶液の添加開始から添加が完了するまでの間、反応機内温を36℃/hrで昇温させ、第二の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第二の水酸化ナトリウム/セルロース)が1.84となるように、添加速度5.52[mol/mol・hr]で第二の水酸化ナトリウム水溶液を添加して第二の反応混合物とする以外は、実施例1と同様に行った。第一と第二の水酸化ナトリウム水溶液中の第一と第二の水酸化ナトリウムの合計質量に対する第一の水酸化ナトリウムの質量の割合は55.1%であった。
その後、得られた第二の反応混合物を実施例1と同様に精製、粉砕してメチルセルロースを得た。このメチルセルロースのメトキシ基の置換度(DS)は1.85であった。
得られたメチルセルロースに、10質量%塩酸水溶液をメチルセルロースに対し塩酸成分が0.3質量%となるように添加し、内温82℃となるように温調し、90分間解重合を行い、低重合度メチルセルロースを得た。
得られた低重合メチルセルロースを実施例2と同様に気流式衝撃粉砕機ジェットミル(ラボジェットミル、日本ニューマッチク社製)を用いて粉砕し、目的のメチルセルロースを得た。このメチルセルロースの粉体物性および実施例1と同様に乾式直接打錠法により打錠して得られた錠剤の錠剤物性を表1に示す。
実施例1と同様に反応機内にセルロースパルプを仕込み、反応機内温60℃となるように温調しながら内部を撹拌し、水酸化ナトリウム水溶液は分割せずに一括で、水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(水酸化ナトリウム/セルロース)が4.72となるように、添加速度18.88[mol/mol・hr]で49質量%水酸化ナトリウム水溶液を添加してアルカリセルロースとした。
続いて、ジメチルエーテルを2.4kg添加し、反応機内温が60℃を保持するように温調した。その後、反応機内温を60から80℃に昇温しながら、塩化メチルと水酸化ナトリウムのモル比(塩化メチル/水酸化ナトリウム)が1.1となるように塩化メチルを60分間かけて添加した。塩化メチルの添加に続いて、反応機内温を80℃から95℃まで昇温しながら70分間エーテル化反応させ粗メチルセルロースとした。
その後、得られた粗メチルセルロースを実施例1と同様に精製、粉砕してメチルセルロースを得た。このメチルセルロースのメトキシ基の置換度(DS)は1.81であった。
得られたメチルセルロースに、10質量%塩酸水溶液をメチルセルロースに対し塩酸成分が0.3質量%となるように添加し、内温80℃となるように温調し、70分間解重合を行い、低重合度メチルセルロースを得た。このメチルセルロースの粉体物性および実施例1と同様に乾式直接打錠法により打錠して得られた錠剤の錠剤物性を表1に示す。
実施例1と同様にして得られた低重合度メチルセルロースを高速回転型衝撃粉砕機ビクトリーミルを用いて粉砕せずに、比表面積が低いメチルセルロースを得た。このメチルセルロースの粉体物性および実施例1と同様に乾式直接打錠法により打錠して得られた錠剤の錠剤物性を表1に示す。
比較例1で得られた低重合度メチルセルロースを目開き0.3mmのスクリーンを有する高速回転型衝撃粉砕機ビクトリーミルを用いて粉砕し、メチルセルロースを得た。このメチルセルロースの粉体物性および実施例1と同様に乾式直接打錠法により打錠して得られた錠剤の錠剤物性を表1に示す。
比較例1で得られた低重合度メチルセルロースを気流式衝撃粉砕機ジェットミル(ラボジェットミル、日本ニューマッチク社製)を用いて粉砕圧0.35MPa、分級ゾーンのクリアランス20mm、ルーバーサイズ:大の条件にて粉砕する以外は比較例3と同様にして、メチルセルロースを得た。このメチルセルロースの粉体物性および実施例1と同様に乾式直接打錠法により打錠して得られた錠剤の錠剤物性を表1に示す。
比較例4における気流式衝撃粉砕機ジェットミルでの粉砕条件において粉砕圧0.45MPa、分級ゾーンのクリアランス35mm、ルーバーサイズ:大の条件にて粉砕する以外は、比較例4と同様にして、メチルセルロースを得た。このメチルセルロースの粉体物性および実施例1と同様に乾式直接打錠法により打錠して得られた錠剤の錠剤物性を表1に示す。
実施例2で得られたメチルセルロースを用いて、下記組成の粉末混合物のうち、ステアリン酸マグネシウムを除く粉末をポリエチレン袋中で3分間混合し、次いでステアリン酸マグネシウムを加え30秒間混合した。当該混合物を、ローラーコンパクター(TF−MINI、フロイント産業社製)を用い、ロール圧6MPa、ロール回転数10rpm、スクリュー回転数10rpmで圧縮成形した後、ロールグラニュレーター(GRN−T54S、日本グラニュレーター社製)を用いて整粒し乾式造粒物を得た。
粉末混合物組成
アセトアミノフェン微粉タイプ(山本化学工業社製) 50.0質量部
乳糖水和物(Pharmatose200M、DMVファーマ社製) 39.0質量部
メチルセルロース 10.0質量部
軽質無水ケイ酸 0.5質量部
ステアリン酸マグネシウム 0.5質量部
得られた造粒物95質量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(NBD−021、信越化学工業社製)5質量部をポリエチレン袋中で3分間混合し、ついでステアリン酸マグネシウム0.5質量部を加え30秒間混合したものを下記の打錠条件で打錠し、錠剤を製造した。製造した錠剤の錠剤硬度及び崩壊時間を評価した結果を表2に示す。なお、錠剤硬度及び崩壊時間の試験方法は上述した方法にて行った。
打錠条件
打錠機 ロータリー打錠機(VIRGO、菊水製作所社製)
錠剤サイズ 200mg/錠、8mm−D、12mm−R
打錠圧 7.5kN
打錠速度 20rpm
メチルセルロースとして実施例3で得られたメチルセルロースを用いる以外は、実施例9と同様の方法で乾式造粒及び打錠を行い、錠剤を製造した。製造した錠剤の錠剤硬度及び崩壊時間を評価した結果を表2に示す。
メチルセルロースとして比較例2で得られたメチルセルロースを用いる以外は、実施例9と同様の方法で乾式造粒及び打錠を行い、錠剤を製造した。製造した錠剤の錠剤硬度及び崩壊時間を評価した結果を表2に示す。
メチルセルロースとして比較例4で得られたメチルセルロースを用いる以外は実施例9と同様の方法で乾式造粒及び打錠を行い、錠剤を製造した。製造した錠剤の錠剤硬度及び崩壊時間(試験液:水)を評価した結果を表2に示す。
メチルセルロースとして比較例5で得られたメチルセルロースを用いる以外は実施例9と同様の方法で乾式造粒及び打錠を行い、錠剤を製造した。製造した錠剤の錠剤硬度及び崩壊時間(試験液:水)を評価した結果を表2に示す。
Claims (8)
- BET法で測定した比表面積が0.5〜10.0m2/gであり、かつ溶解開始温度が5〜27℃であるアルキルセルロースを少なくとも含む固形製剤。
- 前記アルキルセルロースの20℃における2質量%水溶液の粘度が、1〜15mPa・sである請求項1に記載の固形製剤。
- 前記アルキルセルロースの乾式レーザー回折法により測定した体積換算による平均粒子径が、1〜50μmである請求項1又は請求項2に記載の固形製剤。
- 前記アルキルセルロースのゆるめ嵩密度が、0.01〜0.30g/mLである請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形製剤。
- 前記アルキルセルロースのアルキル基の置換度(DS)が、1.61〜2.03である請求項1〜4のいずれか1項に記載の固形製剤。
- 前記アルキルセルロースが、メチルセルロースである請求項1〜5のいずれか1項に記載の固形製剤。
- 固形製剤中に含まれるアルキルセルロースが、0質量%を超えて20質量%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の固形製剤。
- セルロースパルプと第一のアルカリ金属水酸化物溶液を撹拌混合してアルカリセルロースを得る工程と、
前記アルカリセルロースとアルキル化剤を反応して第一の反応混合物を得る工程と、
前記第一の反応混合物に、更にアルキル化剤を配合することなく、第二のアルカリ金属水酸化物溶液を配合して撹拌混合により第二の反応混合物を得る工程と、
前記第二の反応混合物を精製してアルキルセルロースを得る工程と、
前記アルキルセルロースを粉砕して粉砕アルキルセルロースを得る工程と、
前記粉砕アルキルセルロースを解重合して低重合度アルキルセルロースを得る工程と、
前記低重合度アルキルセルロースを粉砕して粉砕低重合度アルキルセルロースを得る工程と、
前記粉砕低重合度アルキルセルロースと薬物を少なくとも含む混合物又は造粒物を乾式直接打錠法又は乾式造粒打錠法を用いて打錠する工程と
を少なくとも含み、
前記第一のアルカリ金属水酸化物溶液中の第一のアルカリ金属水酸化物と、前記第二のアルカリ金属水酸化物溶液中の第二のアルカリ金属水酸化物との合計質量に対する前記第一のアルカリ金属水酸化物の質量の割合が、50〜86%である固形製剤の製造方法。
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