JP2017150236A - 電気錠 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動源の動力で動かなくなったデッドボルトを室外側から動かすことが可能であっても、コストを低減することが可能な電気錠を提供する。【解決手段】この電気錠では、デッドボルト移動部材5は、駆動源の動力で施錠位置から解錠位置へデッドボルト4を動かすときに、待機位置と、デッドボルト移動部材5がデッドボルト4に接触して解錠位置へ向かうデッドボルト4の移動が始まる解錠開始位置と、デッドボルト4が解錠位置に到達する解錠完了位置とに順次回動する。また、この電気錠では、デッドボルト移動部材5が待機位置にある状態で手動操作部材11が操作される場合、デッドボルト4が動かないように規制部材22と第2規制部材36とが接触して手動操作部材11の動作範囲が規制され、デッドボルト移動部材5が解錠開始位置にある状態では、解錠位置へのデッドボルト4の移動が可能となるように手動操作部材11の動作範囲の規制が解除されている。【選択図】図11
Description
本発明は、扉に取り付けられて使用される電気錠に関する。
従来、扉に取り付けられて使用されるモータ駆動式の電気錠が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の電気錠は、デッドボルトと、デッドボルトを移動させるデッドカムと、デッドカムを回動させるためのモータとを備えている。デッドカムは、モータに連結された駆動ギアと噛み合うセクタギアと、駆動アームとを備えている。デッドボルトには、駆動アームが係合する従動切欠が形成されており、デッドボルトは、駆動アームの動きに応じて移動する。デッドカムには、室内側に配置されるサムターンと室外側に配置されるシリンダとが連結されるクラッチ孔が形成されている。シリンダの内周側には、鍵孔が形成されている。
特許文献1に記載の電気錠では、たとえば、所定の認証システムによる認証が完了すると、施錠状態の電気錠が解錠状態となるように、モータが駆動してデッドカムが回動し、デッドボルトが移動する。ここで、たとえば、経年変化等の影響によって、扉枠に形成されるストライク孔とデッドボルトとの相対位置にずれが生じると、ストライク孔とデッドボルトとの間の摩擦抵抗が大きくなり、施錠状態の電気錠において、モータが駆動してもデッドボルトが動かない場合が生じうる。この場合、一般に、室外側からは、シリンダの鍵孔に鍵を差し込み、鍵孔に差し込まれた鍵を利用して手動でデッドカムを回動させて、施錠状態の電気錠を解錠状態にする。また、室内側からは、サムターンを利用して手動でデッドカムを回動させて、施錠状態の電気錠を解錠状態にする。
シリンダの内周側には複雑な形状の鍵孔が形成されており、また、鍵孔に差し込まれる鍵も必要になるため、シリンダは、サムターンと比較して高価になる。そのため、特許文献1に記載の電気錠のように、モータの動力でデッドボルトが動かなくなったときに室外側からデッドボルトを動かす手段として、シリンダが設けられている電気錠は高価になる。なお、シリンダに代えて扉の室外側にサムターンを取り付ければ、モータの動力でデッドボルトが動かなくなったときに室外側からデッドボルトを動かすことが可能になるが、扉の室外側にサムターンを単純に取り付けたのでは、第三者がいつでも電気錠を解錠状態にすることが可能になるため、この電気錠は錠としての機能を果たさない。
そこで、本発明の課題は、駆動源の動力で動かなくなったデッドボルトを室外側から動かすことが可能であっても、コストを低減することが可能な電気錠を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の電気錠は、扉に取り付けられて使用される電気錠において、本体ケースと、本体ケースから突出する施錠位置と本体ケースに収容される解錠位置との間で移動可能なデッドボルトと、デッドボルトに係合してデッドボルトを動かすデッドボルト移動部材と、デッドボルト移動部材を移動させるための駆動源と、駆動源の動力をデッドボルト移動部材に伝達する動力伝達機構と、施錠位置にあるデッドボルトを手動で解錠位置へ動かすために扉の室外側に配置される手動操作部材と、手動操作部材が連結される手動解除機構と、手動操作部材の動作を規制するためにデッドボルト移動部材に形成または固定される規制部材とを備え、デッドボルト移動部材は、駆動源の動力によって施錠位置から解錠位置へデッドボルトを動かすときに、待機位置と、デッドボルト移動部材がデッドボルトに接触して解錠位置へ向かうデッドボルトの移動が始まる解錠開始位置と、デッドボルトが解錠位置に到達する解錠完了位置とに順次、移動し、手動解除機構は、手動操作部材が連結されるとともに規制部材に接触して手動操作部材の動作を規制する第2規制部材と、デッドボルト移動部材に係合してデッドボルト移動部材を少なくとも解錠開始位置から解錠完了位置へ移動させるとともに手動操作部材の動作によって移動する解除部材とを備え、デッドボルト移動部材が待機位置にある状態で手動操作部材が操作される場合、デッドボルトが動かないように、規制部材と第2規制部材とが接触して手動操作部材の動作範囲が規制され、デッドボルト移動部材が解錠開始位置にある状態では、解錠位置へのデッドボルトの移動が可能となるように、手動操作部材の動作範囲の規制が解除されていることを特徴とする。
本発明の電気錠では、デッドボルト移動部材は、駆動源の動力によって施錠位置から解錠位置へデッドボルトを動かすときに、待機位置と、デッドボルト移動部材がデッドボルトに接触して解錠位置へ向かうデッドボルトの移動が始まる解錠開始位置と、デッドボルトが解錠位置に到達する解錠完了位置とに順次、移動する。また、本発明では、デッドボルト移動部材が待機位置にある状態で手動操作部材が操作される場合、デッドボルトが動かないように規制部材と第2規制部材とが接触して手動操作部材の動作範囲が規制されている。そのため、本発明では、たとえば、手動操作部材がサムターンであっても、所定の認証システムによる認証が完了して駆動源が起動しなければ、手動操作部材を動作させて施錠位置にあるデッドボルトを動かすことはできない。したがって、本発明の電気錠は、手動操作部材がサムターンであっても、錠としての機能を果たす。
また、本発明では、デッドボルト移動部材は、駆動源の動力によって施錠位置から解錠位置へデッドボルトを動かすときに、待機位置と、デッドボルト移動部材がデッドボルトに接触して解錠位置へ向かうデッドボルトの移動が始まる解錠開始位置と、デッドボルトが解錠位置に到達する解錠完了位置とに順次、移動するため、施錠位置にあるデッドボルトが駆動源の動力で動かなくなっている状況であっても、認証システムによる認証が完了して駆動源が起動すると、デッドボルト移動部材は解錠開始位置まで移動する。また、本発明では、デッドボルト移動部材が解錠開始位置にある状態では、解錠位置へのデッドボルトの移動が可能となるように、手動操作部材の動作範囲の規制が解除されているため、手動操作部材を動作させれば、解錠位置へデッドボルトを動かすことが可能になる。
このように、本発明の電気錠は、扉の室外側に配置される手動操作部材がサムターンであっても、錠としての機能を果たす。また、本発明では、施錠位置にあるデッドボルトが駆動源の動力で動かなくなっている状況であっても、扉の室外側に配置される手動操作部材を動作させれば、解錠位置へデッドボルトを動かすことが可能になる。したがって、本発明では、駆動源の動力で動かなくなったデッドボルトを室外側から動かすことが可能であっても、電気錠のコストを低減することが可能になる。
本発明において、電気錠は、施錠位置にあるデッドボルトを手動で解錠位置に動かすために扉の室内側に配置される第2手動操作部材を備え、解除部材には、第2手動操作部材が連結され、第2規制部材は、解除部材と別体で形成されるとともに解除部材から切り離されており、手動操作部材が操作されると、解除部材を移動させることが好ましい。このように構成すると、手動操作部材の動作範囲が規制されていても、駆動源の動力で動かなくなったデッドボルトを、扉の室内側に配置される第2手動操作部材(たとえば、サムターン)によって動かすことが可能になる。したがって、駆動源の動力で動かなくなったデッドボルトを、室内側に配置される第2手動操作部材によって容易に動かすことが可能になる。
本発明において、たとえば、手動解除機構は、手動操作部材の一部が挿入されて係合する第1係合孔が一端側に形成されるとともに本体ケースに回動可能に保持され手動操作部材の回動動作によって回動する第1レバー部材と、第2手動操作部材の一部が挿入されて係合する第2係合孔が一端側に形成されるとともに本体ケースに回動可能に保持され第2手動操作部材の回動動作によって回動する第2レバー部材とを備え、第1レバー部材の他端側は、第2規制部材に係合しており、手動操作部材と第2規制部材とは、第1レバー部材を介して連結され、第2レバー部材の他端側は、解除部材に係合しており、第2手動操作部材と解除部材とは、第2レバー部材を介して連結されている。
本発明において、手動解除機構は、第2手動操作部材を所定の原点位置へ戻すために解除部材を付勢する第1付勢部材と、手動操作部材を所定の原点位置へ戻すために第2規制部材を付勢する第2付勢部材とを備え、解除部材は、デッドボルト移動部材と別体で形成されるとともにデッドボルト移動部材から切り離されており、動作範囲の規制が解除された手動操作部材が操作されると、あるいは、第2手動操作部材が操作されると、デッドボルト移動部材に係合してデッドボルト移動部材を少なくとも解錠開始位置から解錠完了位置へ移動させることが好ましい。このように構成すると、駆動源の動力でデッドボルト移動部材を移動させたときに、手動操作部材、第2手動操作部材、解除部材および第2規制部材が動かなくなるようにすることが可能になる。したがって、駆動源の動力によって解錠位置と施錠位置との間でデッドボルトを動かすときの駆動源の負荷を軽減することが可能になる。
本発明において、デッドボルト移動部材は、本体ケースに回動可能に保持され、動力伝達機構は、デッドボルト移動部材の回動の軸方向でデッドボルト移動部材と重なるようにデッドボルト移動部材と同軸上に配置される歯車部材と、歯車部材を付勢する歯車付勢部材とを備え、デッドボルト移動部材には、歯車部材に係合する第1係合部が形成または固定され、歯車部材には、第1係合部に係合する第2係合部が形成または固定され、歯車付勢部材は、第1係合部と第2係合部とが係合してデッドボルト移動部材と歯車部材とが一緒に回転するように歯車部材を付勢し、解除部材は、第1係合部と第2係合部との係合状態を解除するためのカム部を備え、歯車部材は、カム部が係合するカムフォロア部を備え、動作範囲の規制が解除された手動操作部材が操作されると、あるいは、第2手動操作部材が操作されると、解除部材がデッドボルト移動部材に係合してデッドボルト移動部材を回動させる前にカム部がカムフォロア部に係合して第1係合部と第2係合部との係合状態が解除されることが好ましい。このように構成すると、デッドボルト移動部材を回動させる前に、デッドボルト移動部材と動力伝達機構とを切り離すことが可能になるため、動力伝達機構に、たとえば、ウォームギアが含まれている場合であっても、手動操作部材や第2手動操作部材によって、デッドボルト移動部材を回動させることが可能になる。
以上のように、本発明では、駆動源の動力で動かなくなったデッドボルトを室外側から動かすことが可能であっても、電気錠のコストを低減することが可能になる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(電気錠の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる電気錠1の構成を説明するための正面図である。図2は、図1のE−E方向から電気錠1の構成を説明するための側面図である。
図1は、本発明の実施の形態にかかる電気錠1の構成を説明するための正面図である。図2は、図1のE−E方向から電気錠1の構成を説明するための側面図である。
本形態の電気錠1は、扉(開き戸)2が開かないように扉2をロックするための装置であり、扉2に取り付けられて使用される。具体的には、電気錠1は、扉2に内蔵されて使用される。電気錠1には、扉2が開閉可能に取り付けられる扉枠(図示省略)から扉2の内部に引き込まれるケーブルを介して電力が供給される。または、電気錠1には、扉2の中に内蔵される電池から電力が供給される。あるいは、電気錠1には、非接触電力伝送によって電力が供給される。
電気錠1は、本体ケース3と、本体ケース3に対して出入りするデッドボルト4と、デッドボルト4に係合してデッドボルト4を動かすデッドボルト移動部材5と、デッドボルト移動部材5を移動させるための駆動源であるモータ6と、モータ6の動力をデッドボルト移動部材5に伝達する動力伝達機構7と、デッドボルト4を案内するガイド部材8とを備えている。
デッドボルト4は、本体ケース3からデッドボルト4が突出する(具体的には、デッドボルト4の一部が突出する)施錠位置(図5に示す位置)と、本体ケース3にデッドボルト4が収容される(具体的には、デッドボルト4の全体が収容される)解錠位置(図3に示す位置)との間で移動可能となっており、デッドボルト移動部材5は、施錠位置と解錠位置との間でデッドボルト4を移動させる。また、デッドボルト移動部材5は、ガイド部材8に案内されて、施錠位置と解錠位置との間を直線的に移動する。
また、電気錠1は、施錠位置にあるデッドボルト4を手動で解錠位置へ動かすために扉2の室外側に配置される手動操作部材としてのサムターン11と、施錠位置にあるデッドボルト4を手動で解錠位置へ動かすために扉2の室内側に配置される第2手動操作部材としてのサムターン12と、サムターン11、12が連結される手動解除機構13とを備えている。図2に示すように、サムターン11は、つまみ11aと、つまみ11aから伸びる軸部11bとを備えている。サムターン12も同様に、つまみ12aと、つまみ12aから伸びる軸部12bとを備えている。なお、図1では、サムターン11、12の図示を省略している。
以下の説明では、図1、図2等のX1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「前」側、Y2方向側を「後(後ろ)側」、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。また、図1の時計回りの方向を「時計方向」とし、図1の反時計回りの方向を「反時計方向」とする。本形態では、前側が扉2の室外側となっており、後ろ側が扉2の室内側となっている。
本体ケース3は、前後方向の厚さが薄い扁平な略直方体の箱状に形成されており、前面側が開口する扁平な略直方体の箱状に形成されるケース体15と、ケース体15の開口部を覆う略長方形の平板状のカバー部材(図示省略)とから構成されている。ケース体15の後面部15aの前面には、デッドボルト4、デッドボルト移動部材5、モータ6、動力伝達機構7、ガイド部材8および手動解除機構13等を取り付けるための取付プレート16が固定されている。
デッドボルト4は、デッドボルト4の左側部分を構成するデッドボルト本体17と、デッドボルト本体17を支持するとともにデッドボルト4の右側部分を構成する支持プレート18とから構成されている。デッドボルト本体17は、直方体のブロック状に形成されており、支持プレート18の左端面に固定されている。施錠位置にデッドボルト4があるときには、デッドボルト本体17は、本体ケース3の左側面から左側へ突出し、支持プレート18は、本体ケース3に収容されている。また、解錠位置にデッドボルト4があるときには、デッドボルト本体17および支持プレート18は、本体ケース3に収容されている。
支持プレート18の右端側には、支持プレート18の下端面から上側に向かって窪む凹部18aが形成されている。凹部18aは、前後方向で支持プレート18を貫通するように形成されている。また、凹部18aは、前後方向から見たときの形状が略長方形状となるように形成されている。凹部18aの下端(すなわち、凹部18aの開口端)には、面取り加工が施されている。凹部18aには、デッドボルト移動部材5の一部を構成する後述の第1アーム部5aが係合する。
上下方向における支持プレート18の中心位置には、左右方向を長手方向とする長孔状のガイド孔18bが前後方向に貫通するように形成されている。ガイド孔18bには、取付プレート16に固定されるガイドピン19が挿通されている。ガイド部材8は、取付プレート16に固定されている。このガイド部材8は、左右の両端が開口する略四角筒状に形成されており、デッドボルト本体17を左右方向へ案内する。デッドボルト4は、ガイド部材8とガイドピン19によって案内されて左右方向へ移動する。なお、図1等では、ガイド部材8の前面部の図示を省略している。
デッドボルト移動部材5は、略円板状に形成されており、デッドボルト移動部材5の厚さ方向と前後方向とが一致するように配置されている。このデッドボルト移動部材5は、固定軸20に回動可能に支持されている。固定軸20は、固定軸20の軸方向と前後方向とが一致するように本体ケース3に固定されている。すなわち、デッドボルト移動部材5は、固定軸20を介して本体ケース3に回動可能に保持されており、前後方向を回動の軸方向とするデッドボルト移動部材5の回動が可能となっている。また、デッドボルト移動部材5は、デッドボルト4の下側に配置されている。
デッドボルト移動部材5には、デッドボルト移動部材5の径方向の外側へ突出する第1アーム部5aおよび第2アーム部5bが形成されている。第1アーム部5aは、デッドボルト4の凹部18aに係合可能な形状に形成され、凹部18aに係合可能な位置に配置されている。第2アーム部5bは、第1アーム部5aに対して時計方向へ90°程度ずれた位置に形成されている。デッドボルト移動部材5の回動範囲において、第1アーム部5aは、デッドボルト移動部材5の上端側に配置され、第2アーム部5bは、デッドボルト移動部材5の右端側に配置されている。
また、デッドボルト移動部材5には、デッドボルト移動部材5の径方向の外側へ突出するストッパ部5cが形成されている。ストッパ部5cは、第1アーム部5aに対して反時計方向へ120°程度ずれた位置に形成されている。また、ストッパ部5cは、本体ケース3に固定されるストッパピン24に当接可能な形状に形成されている。ストッパピン24は、ストッパピン24の軸方向と前後方向とが一致するように本体ケース3に固定されている。また、ストッパピン24は、デッドボルト移動部材5の左側に配置されている。本形態では、ストッパピン24とストッパ部5cとによって時計方向におけるデッドボルト移動部材5の回動範囲が規制され、ストッパピン24と第1アーム部5aとによって反時計方向におけるデッドボルト移動部材5の回動範囲が規制されている。
デッドボルト移動部材5は、第2アーム部5bの先端側部分(デッドボルト移動部材5の径方向の外側端部分)に固定されるガイドピン21を備えている。ガイドピン21は、第2アーム部5bから後ろ側へ突出するように第2アーム部5bに固定されている。取付プレート16には、ガイドピン21の後端側部分が挿通される円弧状のガイド孔16aが取付プレート16を貫通するように形成されている。
また、デッドボルト移動部材5には、サムターン11の動作を規制する規制部材としての規制ピン22と、動力伝達機構7を構成する後述の歯車部材29に係合する第1係合部としての係合ピン23(図10参照)とが固定されている。規制ピン22は、デッドボルト移動部材5の前面から前側に向かって突出するようにデッドボルト移動部材5に固定されている。また、規制ピン22は、デッドボルト移動部材5の径方向において、第1アーム部5aと重なる位置に配置されている。係合ピン23は、デッドボルト移動部材5の後面から後ろ側に向かって突出するようにデッドボルト移動部材5に固定されている。本形態では、4本の係合ピン23が90°ピッチで配置されている。
(動力伝達機構の構成および動作)
図3〜図5は、図1に示す電気錠1の、モータ6による施錠動作および解錠動作を説明するための図である。
図3〜図5は、図1に示す電気錠1の、モータ6による施錠動作および解錠動作を説明するための図である。
モータ6は、モータ6の出力軸が上側へ突出するように取付プレート16に固定されている。モータ6および動力伝達機構7は、デッドボルト4の下側に配置されている。動力伝達機構7は、モータ6の出力軸に固定されるねじ歯車(ウォーム)27と、2個の歯車部材28、29とを備えている。歯車部材28は、本体ケース3に固定される固定軸に回動可能に支持されており、前後方向を回動の軸方向とする歯車部材28の回動が可能となっている。歯車部材28には、ねじ歯車27と噛み合うはす歯歯車(ウォームホイール)28aと、平歯車28b(図6等参照)とが形成されている。はす歯歯車28aと平歯車28bとは、同軸上に配置されている。
歯車部材29は、前後方向への移動が可能となるように固定軸20に支持されている。また、歯車部材29は、固定軸20に回動可能に支持されており、デッドボルト移動部材5と同軸上に配置されている。すなわち、歯車部材29は、デッドボルト移動部材5の回動の軸方向となる前後方向においてデッドボルト移動部材5と重なるように配置されている。具体的には、歯車部材29は、デッドボルト移動部材5の後ろ側に配置されている。
歯車部材29には、平歯車28bと噛み合う平歯車29aが形成されている。また、歯車部材29には、平歯車29aの後面から後ろ側に向かって突出する円柱状のボス29bが形成されており、ボス29bの後端には、鍔部29cが形成されている。鍔部29cは、ボス29bの後端からボス29bの径方向の外側に広がる円環状に形成されている。ケース体15の後面部15aと歯車部材29との間には、前側に向かって歯車部材29を付勢する歯車付勢部材としての圧縮コイルバネ30が配置されている。ボス29bの後面には、圧縮コイルバネ30の前端側部分が配置される凹部(図示省略)が前側に向かって窪むように形成されている。
また、歯車部材29には、平歯車29aの前面から前側に向かって突出する円柱状のボス29dが形成されており、ボス29dの前端側には、ボス29dの前端面から後ろ側に向かって窪む複数の凹部29eがボス29dの外周面に沿って形成されている。凹部29eは、ボス29dの外周面に通じるように形成されるとともに、ボス29dの周方向において一定の間隔で形成されている。また、凹部29eは、前側から見たときの形状が半円形状となるように形成されている。
上述のように、歯車部材29は、圧縮コイルバネ30によって前側に付勢されており、ボス29dの前端面は、デッドボルト移動部材5の後面に接触している。この状態では、凹部29eの中に係合ピン23が配置されている(図10(A)参照)。すなわち、係合ピン23と凹部29eとが係合しており、歯車部材29からデッドボルト移動部材5への動力の伝達が可能となっている。このように、圧縮コイルバネ30は、係合ピン23と凹部29eとが係合してデッドボルト移動部材5と歯車部材29とが一緒に回転するように歯車部材29を付勢している。本形態の凹部29eは、第1係合部である係合ピン23に係合する第2係合部である。なお、歯車部材29は、圧縮コイルバネ30以外のバネ部材によって付勢されても良い。
デッドボルト4が解錠位置にあり、電気錠1が解錠状態であるときには、図3(A)に示すように、デッドボルト移動部材5の第1アーム部5aは、デッドボルト4の凹部18aの右側面よりも右側に配置されている。このときには、デッドボルト移動部材5のストッパ部5cは、時計方向側からストッパピン24に接触している。この状態で、モータ6が起動してモータ6の動力でデッドボルト移動部材5が反時計方向に所定量、回動すると、図3(B)に示すように、第1アーム部5aが凹部18aの左側面に接触する。
第1アーム部5aが凹部18aの左側面に接触すると、施錠位置に向かうデッドボルト4の移動が始まり、その後、さらに、モータ6の動力でデッドボルト移動部材5が反時計方向に回動すると、図4に示すように、デッドボルト4が第1アーム部5aに押されて施錠位置に移動して電気錠1が施錠状態になる。また、デッドボルト4が施錠位置に移動した後も、反時計方向側からストッパピン24に第1アーム部5aが接触するまで、デッドボルト移動部材5がわずかに反時計方向へ回動し、最終的に、図5に示す位置で停止する。
また、デッドボルト4が施錠位置にあり、電気錠1が施錠状態であるときには、図5に示すように、第1アーム部5aは、凹部18aの左側面よりも左側に配置されている。このときには、第1アーム部5aは、反時計方向側からストッパピン24に接触している。この状態で、モータ6が起動してモータ6の動力でデッドボルト移動部材5が時計方向に所定量、回動すると、第1アーム部5aが凹部18aの右側面に接触する。
第1アーム部5aが凹部18aの右側面に接触すると、解錠位置に向かうデッドボルト4の移動が始まり、その後、さらに、モータ6の動力でデッドボルト移動部材5が時計方向に回動すると、デッドボルト4が第1アーム部5aに押されて解錠位置に移動して電気錠1が解錠状態になる。また、デッドボルト4が解錠位置に移動した後も、時計方向側からストッパピン24にストッパ部5cが接触するまで、デッドボルト移動部材5がわずかに時計方向へ回動し、最終的に、図3(A)に示す位置で停止する。
このように、デッドボルト移動部材5は、モータ6の動力によって解錠位置から施錠位置へデッドボルト4を動かすときに、図3(A)に示す解錠側の待機位置と、図3(B)に示すように、デッドボルト移動部材5がデッドボルト4に接触して施錠位置へ向かうデッドボルト4の移動が始まる施錠開始位置と、図4(B)に示すように、デッドボルト4が施錠位置に到達する施錠完了位置と、図5に示す施錠側の待機位置とに順次、移動(回動)する。また、デッドボルト移動部材5は、モータ6の動力によって施錠位置から解錠位置へデッドボルト4を動かすときに、図5に示す施錠側の待機位置と、デッドボルト移動部材5がデッドボルト4に接触して解錠位置へ向かうデッドボルト4の移動が始まる解錠開始位置と、デッドボルト4が解錠位置に到達する解錠完了位置と、図3(A)に示す解錠側の待機位置とに順次、移動(回動)する。
なお、デッドボルト4の、凹部18aの左右の両側のそれぞれには、プランジャが取り付けられている。2個のプランジャのうちの一方のプランジャの作用によって、デッドボルト移動部材5が施錠側の待機位置にあるときの第1アーム部5aと施錠位置にあるデッドボルト4との間に付勢力が作用し、デッドボルト4は左側へ付勢されている。また、他方のプランジャの作用によって、デッドボルト移動部材5が解錠側の待機位置にあるときの第1アーム部5aと解錠位置にあるデッドボルト4との間に付勢力が作用し、デッドボルト4は右側へ付勢されている。そのため、施錠位置にあるデッドボルト4のがたつき、および、解錠位置にあるデッドボルト4のがたつきを防止することが可能となっている。
また、本形態では、たとえば、デッドボルト移動部材5に固定される検出用の磁石と、本体ケース3に固定されるホール素子とによって、デッドボルト移動部材5が施錠側の待機位置にあること、および、デッドボルト移動部材5が解錠側の待機位置にあることが検知されている。
(手動解除機構の構成および動作)
図6、図7は、図1に示す電気錠1の、サムターン12による解錠動作を説明するための図である。図8(A)は、図6(A)の電気錠1の状態を側面から説明するための図であり、図8(B)は、図6(A)と図6(B)との間の電気錠1の状態を側面から説明するための図である。図9(A)は、図6(B)の電気錠1の状態を側面から説明するための図であり、図9(B)は、図7(A)の電気錠1の状態を側面から説明するための図である。図10(A)は、図8(A)のF部の拡大図であり、図10(B)は、図8(B)のG部の拡大図である。図11〜図13は、図1に示す電気錠1の、サムターン11による解錠動作を説明するための図である。
図6、図7は、図1に示す電気錠1の、サムターン12による解錠動作を説明するための図である。図8(A)は、図6(A)の電気錠1の状態を側面から説明するための図であり、図8(B)は、図6(A)と図6(B)との間の電気錠1の状態を側面から説明するための図である。図9(A)は、図6(B)の電気錠1の状態を側面から説明するための図であり、図9(B)は、図7(A)の電気錠1の状態を側面から説明するための図である。図10(A)は、図8(A)のF部の拡大図であり、図10(B)は、図8(B)のG部の拡大図である。図11〜図13は、図1に示す電気錠1の、サムターン11による解錠動作を説明するための図である。
手動解除機構13は、サムターン12の軸部12bが挿入されて係合する係合孔33aが一端側に形成されるレバー部材33と、レバー部材33の他端側が係合するとともに上下方向へ移動可能(スライド可能)なスライド部材34と、サムターン11の軸部11bが挿入されて係合する係合孔35aが一端側に形成されるレバー部材35と、レバー部材35の他端側が係合するとともに上下方向へ移動可能(スライド可能)なスライド部材36とを備えている。
レバー部材33は、本体ケース3に回動可能に保持されており、サムターン12の回動動作によって回動する。また、レバー部材35は、本体ケース3に回動可能に保持されており、サムターン11の回動動作によって回動する。本形態の係合孔35aは、手動操作部材であるサムターン11の一部が挿入されて係合する第1係合孔となっており、係合孔33aは、第2手動操作部材であるサムターン12の一部が挿入されて係合する第2係合孔となっている。また、本形態のレバー部材35は、第1レバー部材であり、レバー部材33は、第2レバー部材である。
レバー部材33は、直線状に形成されている。このレバー部材33は、上述のように、本体ケース3に回動可能に保持されている。具体的には、前後方向を回動の軸方向とするレバー部材33の回動が可能となるように、サムターン12の軸部12bが挿入されるレバー部材33の一端側が本体ケース3に回動可能に保持されている。レバー部材33の一端側は、デッドボルト4よりも上側に配置されている。
レバー部材33は、レバー部材33の他端側に固定されるガイドピン37を備えている。ガイドピン37が固定されるレバー部材33の他端側は、レバー部材33の一端側よりも右側に配置されている。ガイドピン37は、後ろ側に向かって突出するようにレバー部材33に固定されている。ガイドピン37の後端側部分は、取付プレート16に形成される円弧状のガイド孔16b(図1等参照)に挿通されている。ガイド孔16bは、取付プレート16を貫通するように形成されている。
スライド部材34は、デッドボルト移動部材5と別体で形成されるとともにデッドボルト移動部材5から切り離されている。このスライド部材34は、上下方向に細長い金属板を所定形状に折り曲げることで形成されており、前後方向に直交する平板状の3個の平面部34a〜34cを備えている。平面部34aは、平面部34bより上側に配置されるとともに前側に配置されている。平面部34cは、平面部34bより下側に配置されるとともに前側に配置されている。平面部34aの下端と平面部34bの上端の一部とは、左右方向から見たときに前後方向に対して傾斜する平板状の傾斜面部34dによって繋がれている。平面部34bの下端の一部と平面部34cの上端とは、左右方向から見たときに前後方向に対して傾斜する平板状の傾斜面部34eによって繋がれている。
平面部34aには、ガイドピン37が挿通されるスライド孔34fが形成されている。スライド孔34fは、平面部34aを前後方向で貫通するように形成されている。また、スライド孔34fは、左右方向を長手方向とする長孔状に形成されている。ガイドピン37は、スライド部材34に対してスライド孔34fに沿って左右方向へ相対移動可能となっている。また、スライド部材34は、ガイド孔16bに挿通されるとともにスライド孔34fに挿通されるガイドピン37に押されて上下方向へスライドする。このように、ガイドピン37が固定されるレバー部材33の他端側はスライド部材34に係合している。また、上述のように、レバー部材33の一端側には、サムターン12の軸部12bが係合している。すなわち、サムターン12とスライド部材34とは、レバー部材33を介して連結されている。
平面部34bの右端側には、上下方向に細長い長孔状のガイド孔34gが形成されている。ガイド孔34gは、スライド孔34fの下側に形成されている。また、ガイド孔34gは、スライド部材34を前後方向で貫通するように形成されている。ガイド孔34gには、取付プレート16に固定されるガイドピン38が挿通されている。ガイドピン38は、取付プレート16から前側に突出するように取付プレート16に固定されている。スライド部材34は、ガイド孔34gに挿通されるガイドピン38に案内されて上下方向へスライドする。
平面部34bの右端には、前側に向かって折れ曲がった平板状の折曲部34hが形成されている。折曲部34hは、左右方向に直交する平板状に形成されている。また、折曲部34hは、ガイド孔34gの右側に形成されている。折曲部34hの下端側には、前側に向かって突出する凸部34jが形成されている。平面部34bの、ガイド孔34gおよび折曲部34hの下側には、前側に向かって折れ曲がった平板状の折曲部34kが形成されている。折曲部34kは、上下方向に直交する平板状に形成されている。折曲部34kは、ガイドピン21の上側に配置されている。
ガイド孔34gおよび折曲部34kの左側には、歯車部材29のボス29bが挿通される貫通孔34nが形成されている。貫通孔34nは、前後方向でスライド部材34を貫通するように形成されるとともに、上下方向に細長い長孔状に形成されている。また、貫通孔34nは、平面部34bの下端側部分、傾斜面部34eおよび平面部34cの上端側部分に亘って形成されている。貫通孔34nの幅(左右方向の幅)は、歯車部材29の鍔部29cの外径よりも小さくなっている。
平面部34cには、圧縮コイルバネ39(図1参照)の上端側を保持するバネ保持部材40が固定されている。バネ保持部材40は、貫通孔34nの下側に固定されるとともに、平面部34cの前面に固定されている。バネ保持部材40は、上下方向に細長い略直方体状に形成されている。バネ保持部材40の下面には、上側に向かって窪む凹部が形成されており、この凹部の中に圧縮コイルバネ39の上端側部分が挿入されている。圧縮コイルバネ39の下端は、取付プレート16の下端側部分に接触している。
圧縮コイルバネ39は、スライド部材34を上側へ付勢している。圧縮コイルバネ39の付勢力によって付勢されたスライド部材34が上限位置にあるときには、サムターン12は、図6(A)の二点鎖線で示す原点位置にある。本形態の圧縮コイルバネ39は、サムターン12を所定の原点位置へ戻すためにスライド部材34を付勢する第1付勢部材である。なお、スライド部材34は、圧縮コイルバネ39以外のバネ部材によって付勢されても良い。
取付プレート16の下端側には、スライド部材34と一緒にスライドするバネ保持部材40を上下方向へ案内するガイド部材41が固定されている。ガイド部材41は、ネジ42によって取付プレート16に固定されている。ガイド部材41には、上下の両端が開口するガイド溝41a(図1参照)がガイド部材41の後面から前側に向かって窪むように形成されている。スライド部材34が上限位置まで上昇しているときには、バネ保持部材40の下端側部分がガイド溝41aの中に配置されている。また、ガイド溝41aの中には、圧縮コイルバネ39が配置されている。なお、平面部34cには、ネジ42との干渉を防止するための貫通孔34pが形成されている。貫通孔34pは、上下方向に細長い長孔状に形成されるとともに左右方向に間隔をあけた状態で2箇所に形成されている。
スライド部材34が上限位置にあるときには、貫通孔34nの下端部に歯車部材29のボス29bが配置されている(図6(A)参照)。また、このときには、平面部34bの前面は、ボス29bの鍔部29cの前面よりも後ろ側にあり、平面部34cの後面は、鍔部29cの前面よりも前側にあり、スライド部材34は、鍔部29cに接触していない(図6(A)、図8(A)参照)。この状態で、スライド部材34が下側へ移動すると、傾斜面部34eの後面および平面部34bの後面が順次、鍔部29cの前面に接触し(図6(B)、図7、図8(B)、図9参照)、歯車部材29が圧縮コイルバネ30の付勢力に抗して、後ろ側へ移動する。
また、歯車部材29が後ろ側へ移動すると、図10(B)等に示すように、歯車部材29の凹部29eから係合ピン23が外れて、歯車部材29に対するデッドボルト移動部材5の相対回動が可能になる。本形態では、平面部34bの下端側部分と傾斜面部34eとによって凹部29eと係合ピン23との係合状態を解除するためのカム部34rが構成されている。また、本形態の鍔部29cは、カム部34rが係合するカムフォロア部となっている。なお、凹部29eと係合ピン23との係合状態が解除されるまで歯車部材29が後ろ側へ移動しても、平歯車28bと平歯車29aとは噛み合っている。
デッドボルト4が施錠位置にあり、電気錠1が施錠状態であるときに、サムターン12を回すことで、室内側からデッドボルト4を解錠位置に移動させて、電気錠1を解錠状態にすることが可能になっている。デッドボルト4が施錠位置にあって、デッドボルト移動部材5が施錠側の待機位置にあり、スライド部材34が上限位置にあって、サムターン12が原点位置にあるときには、図6(A)、図8(A)に示すように、折曲部34kは、ガイドピン21から離れた状態で、ガイドピン21の上側に配置されている。
この状態で、サムターン12を回すと(具体的には、図6、図7の反時計回りの方向へ回すと)、スライド部材34が下側へ移動し、まず、カム部34rが鍔部29cに接触して、歯車部材29が圧縮コイルバネ30の付勢力に抗して後ろ側へ移動し、歯車部材29の凹部29eから係合ピン23が外れる(図8(B)参照)。その後、さらに、サムターン12を回してスライド部材34を下側へ移動させると、図6(B)、図7および図9に示すように、ガイドピン21に折曲部34kが接触し、ガイドピン21が上側から折曲部34kに押されて、デッドボルト移動部材5が回動し、デッドボルト4が施錠位置から解錠位置へ移動する。このときには、歯車部材29は停止している。すなわち、動力伝達機構7およびモータ6は動かない。
このように、デッドボルト4が施錠位置にあるときに、サムターン12が操作されると(すなわち、サムターン12が回されると)、スライド部材34がデッドボルト移動部材5のガイドピン21に係合してデッドボルト移動部材5を回動させる前にカム部34rが鍔部29cに係合して、凹部29eと係合ピン23との係合状態が解除される。また、デッドボルト4が施錠位置にあるときに、サムターン12が操作されると、施錠位置にあるデッドボルト4が解錠位置へ移動するように、スライド部材34がデッドボルト移動部材5のガイドピン21に係合してデッドボルト移動部材5を移動させる。
レバー部材35は、前後方向から見たときの形状が略C形状となる曲線状に形成されている。このレバー部材35は、上述のように、本体ケース3に回動可能に保持されている。具体的には、前後方向を回動の軸方向とするレバー部材35の回動が可能となるように、サムターン11の軸部11bが挿入されるレバー部材35の一端側が本体ケース3に回動可能に保持されている。レバー部材35の一端側は、デッドボルト4よりも上側に配置されている。また、レバー部材35の一端側は、レバー部材33の一端側の左斜め下側に配置されている。レバー部材35は、レバー部材35の他端側に固定されるガイドピン44を備えている。ガイドピン44は、前側に向かって突出するように、レバー部材35に固定されている。
スライド部材36は、スライド部材34と別体で形成されるとともにスライド部材34から切り離されている。スライド部材36は、金属板を所定形状に折り曲げることで形成されており、前後方向に直交する平板状の2個の平面部36a、36bを備えている。平面部36bは、平面部36aより左側に配置されるとともに前側に配置されている。平面部36aの左端の一部と平面部36bの右端の一部とは、上下方向から見たときに左右方向に対して傾斜する平板状の傾斜面部36cによって繋がれている。スライド部材36は、スライド部材34よりも前側に配置されている。
平面部36aの上端側には、ガイドピン44が挿通されるスライド溝36dが形成されている。スライド溝36dは、平面部36aの左端から右側に向かって直線状に形成されるとともに平面部36aを前後方向で貫通するように形成されている。ガイドピン44は、スライド部材36に対してスライド溝36dに沿って左右方向へ相対移動可能となっている。また、スライド部材36は、スライド溝36dに挿通されるガイドピン44に押されて上下方向へスライドする。このように、ガイドピン44が固定されるレバー部材35の他端側はスライド部材36に係合している。また、上述のように、レバー部材35の一端側には、サムターン11の軸部11bが係合している。すなわち、サムターン11とスライド部材36とは、レバー部材35を介して連結されている。
平面部36aの右端側には、上下方向に細長い長孔状のガイド孔36eが形成されている。ガイド孔36eは、スライド部材36を前後方向で貫通するように形成されている。ガイド孔36eには、ガイドピン38が挿通されている。スライド部材36は、ガイド孔36eに挿通されるガイドピン38に案内されて上下方向へスライドする。
平面部36aの右端には、後ろ側に向かって折れ曲がった平板状の折曲部36fが形成されている。折曲部36fは、左右方向に直交する平板状に形成されている。また、折曲部36fは、ガイド孔36eの右側に形成されている。折曲部36fは、スライド部材34の折曲部34hの右側に配置されており、折曲部36fの根本部分(平面部36aと折曲部36fとの境界部分)は、スライド部材34の凸部34jの上側に配置されている。スライド部材34およびスライド部材36が上限位置にあるときには、折曲部36fの根本部分の下端は、凸部34jの上端面との間にわずかな隙間をあけた状態で、凸部34jの上側に配置されている。
平面部36aの上端側には、引張りコイルバネ45の一端が取り付けられている。引張りコイルバネ45の他端は、取付プレート16の上端に形成されるバネ保持部16cに取り付けられている(図1等参照)。引張りコイルバネ45は、スライド部材36を上側へ付勢している。引張りコイルバネ45の付勢力によって付勢されたスライド部材36が上限位置にあるときには、サムターン11は、図12(A)の二点鎖線で示す原点位置にある。本形態の引張りコイルバネ45は、サムターン11を所定の原点位置へ戻すためにスライド部材36を付勢する第2付勢部材である。なお、スライド部材36は、引張りコイルバネ45以外のバネ部材によって付勢されても良い。
平面部36bは、上下方向に細長い略長方形の平板状に形成されている。平面部36bの下端は、平面部36aの下端よりも下側へ突出している。平面部36bは、デッドボルト移動部材5よりも前側に配置されている。また、平面部36bは、固定軸20よりも左側に配置されている。
図11(A)に示すように、スライド部材36が上限位置にあり、かつ、デッドボルト移動部材5が施錠側の待機位置にあるときには、平面部36bは、規制ピン22の上側にある。そのため、デッドボルト移動部材5が施錠側の待機位置にあるときには、スライド部材36は、図11(B)に示すように、平面部36bの下端が規制ピン22に接触するまでは下側へ移動可能であるがそれ以上は下側へ移動しない。すなわち、デッドボルト移動部材5が施錠側の待機位置にあるときに、サムターン11を回すと(具体的には、時計方向へ回すと)、サムターン11は、平面部36bの下端が規制ピン22に接触するまでは回るが、平面部36bの下端が規制ピン22に接触すると、それ以上は回らない。
平面部36bの下端が規制ピン22に接触する状態までスライド部材36が下側へ移動するときには、折曲部36fの根本部分にスライド部材34の凸部34jが押されて、スライド部材34も下側へ移動する。すなわち、サムターン11が操作されると(具体的には、サムターン11が時計方向へ回されると)、スライド部材36は、スライド部材34を下側へ移動させる。平面部36bの下端が規制ピン22に接触する状態までスライド部材36が下側へ移動しても、図11(B)に示すように、デッドボルト移動部材5のガイドピン21にスライド部材34の折曲部34kが接触するまでスライド部材34は下側へ移動しない。
すなわち、デッドボルト移動部材5が施錠側の待機位置にあるときには、平面部36bと規制ピン22とによってサムターン11の動作範囲が規制されており、規制された動作範囲内でサムターン11を回してもデッドボルト移動部材5は回動しない。また、デッドボルト移動部材5が回動しないため、デッドボルト4は動かない。なお、デッドボルト移動部材5が施錠側の待機位置にある状態でサムターン11を回して、平面部36bの下端が規制ピン22に接触するまでスライド部材36を下側へ移動させたときに、スライド部材34が下側へ移動しないように、スライド部材34、36が上限位置にあるときの折曲部36fの根本部分の下端と凸部34jの上端面との間に隙間が形成されていても良い。
一方、デッドボルト移動部材5が施錠側の待機位置から解錠開始位置まで回動すると、図12(A)に示すように、平面部36bよりも右側に規制ピン22が配置される。そのため、デッドボルト移動部材5が解錠開始位置にあるときには、スライド部材36は、図12(B)、図13に示すように、ガイドピン21に折曲部34kが接触してデッドボルト移動部材5が解錠側の待機位置に移動するまで、スライド部材34と一緒に下側へ移動可能となる。すなわち、デッドボルト移動部材5が解錠開始位置にあるときには、サムターン11を時計方向へ回すことで、デッドボルト移動部材5を解錠開始位置から解錠側の待機位置まで移動させて、デッドボルト4を解錠位置に移動させることが可能になる。
本形態では、たとえば、経年変化等の影響によって、扉2が開閉可能に取り付けられる扉枠(図示省略)に形成されたストライク孔と施錠位置にあるデッドボルト4との相対位置にずれが生じて、ストライク孔とデッドボルト4との間の摩擦抵抗が大きくなり、モータ6が駆動しても施錠位置にあるデッドボルト4を動かすことができなくなったときに、サムターン11を回すことで、室外側からデッドボルト4を解錠位置に移動させることが可能となっている。
すなわち、モータ6の動力で施錠位置にあるデッドボルト4を動かすことができなくなっても、施錠側の待機位置から解錠開始位置までの間は、第1アーム部5aがデッドボルト4の凹部18aの右側面に接触しないため、モータ6の動力によってデッドボルト移動部材5を施錠側の待機位置から解錠開始位置まで回動させることができる。また、モータ6の動力によってデッドボルト移動部材5を施錠側の待機位置から解錠開始位置まで回動させることができるため、モータ6の動力でデッドボルト移動部材5を解錠開始位置まで回動させた後に、サムターン11を回すことで室外側からデッドボルト4を解錠位置に移動させることが可能となる。
このように、本形態では、デッドボルト移動部材5が施錠側の待機位置にある状態でサムターン11が操作される場合、デッドボルト4が動かないように、スライド部材36の平面部36bと規制ピン22とが接触してサムターン11の動作範囲が規制されている。また、デッドボルト移動部材5が解錠開始位置にある状態では、解錠位置へのデッドボルト4の移動が可能となるように、サムターン11の動作範囲の規制が解除されており、デッドボルト4が施錠位置にあるときに、動作範囲の規制が解除されたサムターン11が操作されると(すなわち、サムターン11が回されると)、スライド部材34がデッドボルト移動部材5のガイドピン21に係合してデッドボルト移動部材5を解錠開始位置から解錠完了位置へ移動させる。さらに、デッドボルト4が施錠位置にあるときに、動作範囲の規制が解除されたサムターン11が操作されると、スライド部材34がデッドボルト移動部材5のガイドピン21に係合してデッドボルト移動部材5を回動させる前にカム部34rが鍔部29cに係合して、凹部29eと係合ピン23との係合状態が解除される。
本形態のスライド部材34は、デッドボルト移動部材5に係合してデッドボルト移動部材5を少なくとも解錠開始位置から解錠完了位置へ移動させるとともにサムターン11の動作によって移動する解除部材である。また、スライド部材36は、サムターン11が連結されるとともに規制部材である規制ピン22に接触してサムターン11の動作を規制する第2規制部材である。
(電気錠の概略動作)
以上のように構成された電気錠1では、通常、所定の認証システムによる認証が完了すると、モータ6が起動して、施錠位置にあるデッドボルト4が解錠位置へ移動する。また、デッドボルト4が解錠位置へ移動した後に扉2の開閉が行われると、あるいは、所定の操作が行われると、モータ6が起動して、解錠位置にあるデッドボルト4が施錠位置へ移動する。また、室内側からサムターン12が回されると、施錠位置にあるデッドボルト4が解錠位置へ移動する。一方、認証システムによる認証が完了して、モータ6が起動したが、施錠位置にあるデッドボルト4が動かない場合、上述のように、モータ6の動力でデッドボルト移動部材5は解錠開始位置まで回動しているため、室外側からサムターン11が回されると、施錠位置にあるデッドボルト4が解錠位置へ移動する。
以上のように構成された電気錠1では、通常、所定の認証システムによる認証が完了すると、モータ6が起動して、施錠位置にあるデッドボルト4が解錠位置へ移動する。また、デッドボルト4が解錠位置へ移動した後に扉2の開閉が行われると、あるいは、所定の操作が行われると、モータ6が起動して、解錠位置にあるデッドボルト4が施錠位置へ移動する。また、室内側からサムターン12が回されると、施錠位置にあるデッドボルト4が解錠位置へ移動する。一方、認証システムによる認証が完了して、モータ6が起動したが、施錠位置にあるデッドボルト4が動かない場合、上述のように、モータ6の動力でデッドボルト移動部材5は解錠開始位置まで回動しているため、室外側からサムターン11が回されると、施錠位置にあるデッドボルト4が解錠位置へ移動する。
なお、使用者がサムターン12のつまみ12aをつまんでサムターン12を回し、デッドボルト4を解錠位置へ移動させた後に、使用者が図6(A)の二点鎖線で示す原点位置までサムターン12を戻さなくても、使用者がつまみ12aを離すと、圧縮コイルバネ39の付勢力でスライド部材34が上限位置まで上昇して、サムターン12が原点位置まで戻る。また、使用者がサムターン11のつまみ11aをつまんでサムターン11を回し、デッドボルト4を解錠位置へ移動させた後に、使用者が図12(A)の二点鎖線で示す原点位置までサムターン11を戻さなくても、使用者がつまみ11aを離すと、引張りコイルバネ45の付勢力でスライド部材36が上限位置まで上昇して、サムターン11が原点位置まで戻る。また、このときには、圧縮コイルバネ39の付勢力でスライド部材34が上限位置まで上昇する。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、デッドボルト移動部材5は、モータ6の動力で施錠位置から解錠位置へデッドボルト4を動かすときに、図5に示す施錠側の待機位置と、デッドボルト移動部材5がデッドボルト4に接触して解錠位置へ向かうデッドボルト4の移動が始まる解錠開始位置と、デッドボルト4が解錠位置に到達する解錠完了位置と、図3(A)に示す解錠側の待機位置とに順次、回動する。また、本形態では、デッドボルト移動部材5が施錠側の待機位置にあるときに、平面部36bと規制ピン22とによってサムターン11の動作範囲が規制されており、規制された動作範囲内でサムターン11を回してもデッドボルト移動部材5は移動せず、デッドボルト4は動かない。そのため、本形態では、室外側にサムターン11が配置されていても、認証システムでの認証が完了してモータ6が起動しなければ、サムターン11を回して施錠位置にあるデッドボルト4を動かすことはできない。したがって、本形態の電気錠1は、シリンダの代わりに室外側にサムターン11が配置されていても、錠としての機能を果たす。
以上説明したように、本形態では、デッドボルト移動部材5は、モータ6の動力で施錠位置から解錠位置へデッドボルト4を動かすときに、図5に示す施錠側の待機位置と、デッドボルト移動部材5がデッドボルト4に接触して解錠位置へ向かうデッドボルト4の移動が始まる解錠開始位置と、デッドボルト4が解錠位置に到達する解錠完了位置と、図3(A)に示す解錠側の待機位置とに順次、回動する。また、本形態では、デッドボルト移動部材5が施錠側の待機位置にあるときに、平面部36bと規制ピン22とによってサムターン11の動作範囲が規制されており、規制された動作範囲内でサムターン11を回してもデッドボルト移動部材5は移動せず、デッドボルト4は動かない。そのため、本形態では、室外側にサムターン11が配置されていても、認証システムでの認証が完了してモータ6が起動しなければ、サムターン11を回して施錠位置にあるデッドボルト4を動かすことはできない。したがって、本形態の電気錠1は、シリンダの代わりに室外側にサムターン11が配置されていても、錠としての機能を果たす。
また、本形態では、認証システムでの認証完了後に、モータ6の動力で施錠位置にあるデッドボルト4を動かすことができなくなっていても、上述のように、モータ6の動力でデッドボルト移動部材5を施錠側の待機位置から解錠開始位置まで回動させることができるため、モータ6の動力でデッドボルト移動部材5を解錠開始位置まで移動させた後に、サムターン11を回すことで室外側からデッドボルト4を解錠位置へ動かすことができる。
このように、本形態の電気錠1は、シリンダの代わりに室外側にサムターン11が配置されていても、錠としての機能を果たす。また、本形態では、施錠位置にあるデッドボルト4がモータ6の動力で動かなくなっている状況であっても、室外側に配置されるサムターン11を回せば、解錠位置へデッドボルト4を動かすことが可能になる。したがって、本形態では、モータ6の動力で動かなくなったデッドボルト4を室外側から動かすことが可能であっても、電気錠1のコストを低減することが可能になる。
本形態では、スライド部材34は、スライド部材36と別体で形成されるとともにスライド部材36から切り離されている。そのため、本形態では、モータ6の動力によってデッドボルト移動部材5を施錠側の待機位置から解錠開始位置まで回動させなくても、サムターン12を回すことで、上述のように、施錠位置にあるデッドボルト4を解錠位置へ動かすことができる。したがって、本形態では、施錠位置にあるデッドボルト4を室内側に配置されるサムターン12によって容易に動かすことが可能になる。
本形態では、スライド部材34は、デッドボルト移動部材5と別体で形成されるとともにデッドボルト移動部材5から切り離されている。また、本形態では、スライド部材34は、デッドボルト移動部材5から離れるように圧縮コイルバネ39の付勢力によって上昇し、スライド部材36も、引張りコイルバネ45の付勢力によって上昇する。そのため、本形態では、モータ6の動力でデッドボルト移動部材5を回動させたときに、サムターン11、12、レバー部材33、35およびスライド部材34、36は動かない(図3〜図5参照)。したがって、本形態では、モータ6の動力によって解錠位置と施錠位置との間でデッドボルト4を動かすときのモータ6の負荷を軽減することが可能になる。
本形態では、サムターン12を回すと、また、動作範囲の規制が解除されたサムターン11を回すと、スライド部材34が下側へ移動して、歯車部材29の凹部29eから係合ピン23が外れた後に、ガイドピン21に折曲部34kが接触してデッドボルト移動部材5が回動する。すなわち、本形態では、デッドボルト移動部材5が回動する前に、デッドボルト移動部材5と動力伝達機構7とが切り離される。そのため、本形態では、ねじ歯車27とはす歯歯車28aとから構成されるウォームギアが動力伝達機構7に含まれていても、サムターン11、12を回すことで、デッドボルト移動部材5を回動させて、デッドボルト4を施錠位置から解錠位置へ移動させることが可能になる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、デッドボルト移動部材5に規制ピン22が固定されているが、規制ピン22に相当する規制部材がデッドボルト移動部材5に一体で形成されても良い。また、上述した形態では、デッドボルト移動部材5に係合ピン23が固定されているが、係合ピン23に相当する係合部材がデッドボルト移動部材5に一体で形成されても良い。また、上述した形態では、デッドボルト移動部材5に係合ピン23が固定され、係合ピン23が係合する凹部29eが歯車部材29に形成されているが、歯車部材29に係合ピンが形成または固定され、この係合ピンが係合する凹部がデッドボルト移動部材5に形成されても良い。
上述した形態では、スライド部材34にカム部34rが形成されているが、動力伝達機構7にウォームギアが含まれていないのであれば、スライド部材34にカム部34rが形成されていなくても良い。また、上述した形態では、スライド部材34は、スライド部材36から切り離されているが、スライド部材34は、スライド部材36に連結されていても良い。この場合には、手動解除機構13は、レバー部材33を備えていなくても良い。手動解除機構13がレバー部材33を備えていない場合には、たとえば、レバー部材35の一端側に後ろ側からサムターン12の軸部12bが係合する。また、上述した形態では、スライド部材34は、デッドボルト移動部材5から切り離されているが、スライド部材34は、デッドボルト移動部材5に連結されていても良い。
上述した形態では、スライド部材34およびスライド部材36が上限位置にあるときに、折曲部36fの根本部分の下端は、凸部34jの上端面との間にわずかな隙間をあけた状態で凸部34jの上側に配置されているが、スライド部材34、36が上限位置にあるときに、折曲部36fの根本部分の下端は、凸部34jの上端面に接触していても良い。この場合には、圧縮コイルバネ39の付勢力によって、スライド部材36を上限位置に移動させることが可能になるととともに、サムターン11を原点位置に戻すことが可能になるため、引張りコイルバネ45が不要になる。
上述した形態では、デッドボルト移動部材5は、本体ケース3に回動可能に保持されており、モータ6の動力で回動するが、デッドボルト移動部材5は、本体ケース3にスライド可能に保持されるとともに、モータ6の動力で直線的に移動しても良い。また、上述した形態では、デッドボルト移動部材5を移動させるための駆動源は、モータ6であるが、デッドボルト移動部材5を移動させるための駆動源は、たとえば、ソレノイドであっても良い。また、上述した形態では、扉2の室外側にサムターン11が取り付けられているが、サムターン11に代えて、取手等の手動操作部材が扉2の室外側に取り付けられても良い。
1 電気錠
2 扉
3 本体ケース
4 デッドボルト
5 デッドボルト移動部材
6 モータ(駆動源)
7 動力伝達機構
11 サムターン(手動操作部材)
12 サムターン(第2手動操作部材)
13 手動解除機構
22 規制ピン(規制部材)
23 係合ピン(第1係合部)
29 歯車部材
29c 鍔部(カムフォロア部)
29e 凹部(第2係合部)
30 圧縮コイルバネ(歯車付勢部材)
33 レバー部材(第2レバー部材)
33a 係合孔(第2係合孔)
34 スライド部材(解除部材)
34r カム部
35 レバー部材(第1レバー部材)
35a 係合孔(第1係合孔)
36 スライド部材(第2規制部材)
39 圧縮コイルバネ(第1付勢部材)
45 引張りコイルバネ(第2付勢部材)
2 扉
3 本体ケース
4 デッドボルト
5 デッドボルト移動部材
6 モータ(駆動源)
7 動力伝達機構
11 サムターン(手動操作部材)
12 サムターン(第2手動操作部材)
13 手動解除機構
22 規制ピン(規制部材)
23 係合ピン(第1係合部)
29 歯車部材
29c 鍔部(カムフォロア部)
29e 凹部(第2係合部)
30 圧縮コイルバネ(歯車付勢部材)
33 レバー部材(第2レバー部材)
33a 係合孔(第2係合孔)
34 スライド部材(解除部材)
34r カム部
35 レバー部材(第1レバー部材)
35a 係合孔(第1係合孔)
36 スライド部材(第2規制部材)
39 圧縮コイルバネ(第1付勢部材)
45 引張りコイルバネ(第2付勢部材)
Claims (5)
- 扉に取り付けられて使用される電気錠において、
本体ケースと、前記本体ケースから突出する施錠位置と前記本体ケースに収容される解錠位置との間で移動可能なデッドボルトと、前記デッドボルトに係合して前記デッドボルトを動かすデッドボルト移動部材と、前記デッドボルト移動部材を移動させるための駆動源と、前記駆動源の動力を前記デッドボルト移動部材に伝達する動力伝達機構と、前記施錠位置にある前記デッドボルトを手動で前記解錠位置へ動かすために前記扉の室外側に配置される手動操作部材と、前記手動操作部材が連結される手動解除機構と、前記手動操作部材の動作を規制するために前記デッドボルト移動部材に形成または固定される規制部材とを備え、
前記デッドボルト移動部材は、前記駆動源の動力によって前記施錠位置から前記解錠位置へ前記デッドボルトを動かすときに、待機位置と、前記デッドボルト移動部材が前記デッドボルトに接触して前記解錠位置へ向かう前記デッドボルトの移動が始まる解錠開始位置と、前記デッドボルトが前記解錠位置に到達する解錠完了位置とに順次、移動し、
前記手動解除機構は、前記手動操作部材が連結されるとともに前記規制部材に接触して前記手動操作部材の動作を規制する第2規制部材と、前記デッドボルト移動部材に係合して前記デッドボルト移動部材を少なくとも前記解錠開始位置から前記解錠完了位置へ移動させるとともに前記手動操作部材の動作によって移動する解除部材とを備え、
前記デッドボルト移動部材が前記待機位置にある状態で前記手動操作部材が操作される場合、前記デッドボルトが動かないように、前記規制部材と前記第2規制部材とが接触して前記手動操作部材の動作範囲が規制され、
前記デッドボルト移動部材が前記解錠開始位置にある状態では、前記解錠位置への前記デッドボルトの移動が可能となるように、前記手動操作部材の動作範囲の規制が解除されていることを特徴とする電気錠。 - 前記施錠位置にある前記デッドボルトを手動で前記解錠位置に動かすために前記扉の室内側に配置される第2手動操作部材を備え、
前記解除部材には、前記第2手動操作部材が連結され、
前記第2規制部材は、前記解除部材と別体で形成されるとともに前記解除部材から切り離されており、前記手動操作部材が操作されると、前記解除部材を移動させることを特徴とする請求項1記載の電気錠。 - 前記手動解除機構は、前記手動操作部材の一部が挿入されて係合する第1係合孔が一端側に形成されるとともに前記本体ケースに回動可能に保持され前記手動操作部材の回動動作によって回動する第1レバー部材と、前記第2手動操作部材の一部が挿入されて係合する第2係合孔が一端側に形成されるとともに前記本体ケースに回動可能に保持され前記第2手動操作部材の回動動作によって回動する第2レバー部材とを備え、
前記第1レバー部材の他端側は、前記第2規制部材に係合しており、前記手動操作部材と前記第2規制部材とは、前記第1レバー部材を介して連結され、
前記第2レバー部材の他端側は、前記解除部材に係合しており、前記第2手動操作部材と前記解除部材とは、前記第2レバー部材を介して連結されていることを特徴とする請求項2記載の電気錠。 - 前記手動解除機構は、前記第2手動操作部材を所定の原点位置へ戻すために前記解除部材を付勢する第1付勢部材と、前記手動操作部材を所定の原点位置へ戻すために前記第2規制部材を付勢する第2付勢部材とを備え、
前記解除部材は、前記デッドボルト移動部材と別体で形成されるとともに前記デッドボルト移動部材から切り離されており、動作範囲の規制が解除された前記手動操作部材が操作されると、あるいは、前記第2手動操作部材が操作されると、前記デッドボルト移動部材に係合して前記デッドボルト移動部材を少なくとも前記解錠開始位置から前記解錠完了位置へ移動させることを特徴とする請求項2または3記載の電気錠。 - 前記デッドボルト移動部材は、前記本体ケースに回動可能に保持され、
前記動力伝達機構は、前記デッドボルト移動部材の回動の軸方向で前記デッドボルト移動部材と重なるように前記デッドボルト移動部材と同軸上に配置される歯車部材と、前記歯車部材を付勢する歯車付勢部材とを備え、
前記デッドボルト移動部材には、前記歯車部材に係合する第1係合部が形成または固定され、
前記歯車部材には、前記第1係合部に係合する第2係合部が形成または固定され、
前記歯車付勢部材は、前記第1係合部と前記第2係合部とが係合して前記デッドボルト移動部材と前記歯車部材とが一緒に回転するように前記歯車部材を付勢し、
前記解除部材は、前記第1係合部と前記第2係合部との係合状態を解除するためのカム部を備え、
前記歯車部材は、前記カム部が係合するカムフォロア部を備え、
動作範囲の規制が解除された前記手動操作部材が操作されると、あるいは、前記第2手動操作部材が操作されると、前記解除部材が前記デッドボルト移動部材に係合して前記デッドボルト移動部材を回動させる前に前記カム部が前記カムフォロア部に係合して前記第1係合部と前記第2係合部との係合状態が解除されることを特徴とする請求項4記載の電気錠。
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