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JP2017032500A - 自動分析装置 - Google Patents

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JP2017032500A JP2015155326A JP2015155326A JP2017032500A JP 2017032500 A JP2017032500 A JP 2017032500A JP 2015155326 A JP2015155326 A JP 2015155326A JP 2015155326 A JP2015155326 A JP 2015155326A JP 2017032500 A JP2017032500 A JP 2017032500A
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Abstract

【課題】個々のユーザの使用状況を考慮した有寿命部品の交換タイミングや洗浄タイミングを自動的に判定識別する。
【解決手段】同一の反応容器を使用して測定された水ブランク吸光度の直前回の測定値と最新回の測定値の組を、反応容器ごとに記憶する第1の記憶部と、最新回の測定値に対する第1の閾値と、直前回の測定値と最新回の測定値との差分に対する第2の閾値を記憶する第2の記憶部と、同一の反応容器について記憶されている直前回の測定値と最新回の測定値とに基づいて、反応容器と前記ランプの良否を判定するマルチ判定部と、を自動分析装置に備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動分析装置において使用される反応容器の汚れの状況や傷の有無、ランプの劣化の状況を自動的に判定するための技術に関する。
血液や尿の生化学分析又は免疫学的成分分析を行う自動分析装置では、一般に、プラスチック製又はガラス製の反応容器(「セル」ともいう。)やランプが使用されている。これらは寿命を有する消耗品であり、定期的な洗浄や交換作業を必要とする。例えば反応容器であれば、ユーザによる週一回の洗浄が必要とされる。ところで、反応容器の洗浄は、メンテナンス機能の一環として実行される。このため、洗浄の実行中は、検体の測定を全面的に一旦ストップさせる必要がある。
しかし、救急病院や検査センターでは、24時間連続で自動分析装置を運用し、夜間も常に切れ目無く検査を行っている。加えて、このような使用環境では、常に検体の測定が優先されるため、検体の測定停止を伴う反応容器の洗浄時間を確保できない状況にある。しかし、反応容器の洗浄の不実行は、データ不良のポテンシャルを高める可能性がある。
自動分析装置のメーカは、多くの場合、消耗品のメンテナンス周期をユーザの使用環境や消耗程度によらず一律に定めている。例えば反応容器の洗浄周期は1週間、反応容器の交換周期は1ヶ月、ランプの交換周期は半年と定めている。しかし、反応容器やランプの劣化の進捗は、個々のユーザが測定に使用している試薬の種類や検体の測定回数などに依存し、必ずしも一様でない。因みに、メーカは、消耗品の交換周期を、1日5時間の使用を前提に定めている。このため、24時間連続で自動分析装置を運用している施設では、メーカ側が定めたメンテナンス周期よりも早く交換タイミングが到来する。
特許文献1には、サンプル測定(セルブランク測定)と反応容器の汚れ等の検証とで異なる波長の測定光を使用する手法が記載されている。
特開平3−181862号公報
前述したように、メーカは、消耗品の交換周期や洗浄周期を、個々のユーザの使用環境等を考慮することなく、一律に定めている。そのため、例えば1日に5時間使用する施設と、1日に10時間使用する施設とでは、自ずとランプの寿命(交換周期)は異なるものになる。つまり、メーカが定めるメンテナンス周期によっては、消耗品の交換周期や洗浄周期を的確に管理できない。また、反応容器に沈着し易い試薬を多く使用しているユーザでは、メーカが定めるメンテナンス周期よりも早い交換周期の到来が予想される。このため、個々のユーザの使用環境を考慮したメンテナンスの実行タイミングの把握が重要となっている。
上記課題を解決するために、本発明は、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本明細書は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、「同一の前記反応容器を使用して測定された水ブランク吸光度の直前回の測定値と最新回の測定値の組を、前記反応容器ごとに記憶する第1の記憶部と、前記最新回の測定値に対する第1の閾値と、前記直前回の測定値と前記最新回の測定値との差分に対する第2の閾値を記憶する第2の記憶部と、同一の前記反応容器について記憶されている前記直前回の測定値と前記最新回の測定値とに基づいて、前記反応容器と前記ランプの良否を判定するマルチ判定部とを有する自動分析装置」である。
本発明によれば、個々のユーザの使用環境を考慮した消耗品の交換タイミングや洗浄タイミングを自動的に判定することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
自動分析装置の全体構成例を示す図。 マルチ判定部の概念構成を説明する図。 マルチ判定部が使用する判定マトリクスを説明する図。 自動分析装置による分析動作の一例を示すフローチャート。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の実施の態様は、後述する形態例に限定されるものではなく、その技術思想の範囲において、種々の変形が可能である。
(1)形態例
ここでは、生化学分析又は免疫学的成分分析に使用される自動分析装置について説明する。形態例に係る自動分析装置は、水ブランク吸光度情報を使用して、プラスチック製又はガラス製の反応容器の汚れの状態、傷の有無、ランプの劣化の状況を自動的に判定し、反応容器の汚れを判定した場合には専用洗剤を用いて該当する反応容器のみを自動洗浄し、反応容器の傷やランプの劣化があった場合にはその旨を装置附属の専用モニター等を使用してユーザに報知する。
(2)全体構成
図1に、形態例に係る自動分析装置100の全体構成を示す。自動分析装置100は、サンプルディスク1、コンピュータ3、サンプリング機構5、反応ディスク9、試薬ピペッティング機構10、試薬ディスク12、攪拌機構13、ランプ14、測光部15、反応容器洗浄系20より構成されている。
サンプルディスク1は、検体を保持するサンプルカップ(以下、「検体容器」という。)1Aを複数架設することができる機構であり、反応ディスク9の手前側に配置されている。コンピュータ3は、機構系全体の制御、検体の濃度計算、後述するマルチ判定処理等を実行する制御部であり、これらのデータ処理をプログラムの実行を通じて提供する。サンプリング機構5は、サンプルプローブ(以下、「検体プローブ」ともいう。)を備え、サンプルプローブを用いてサンプルカップ1Aから検体を所定量吸引し、直接測光用反応容器6(以下、単に「反応容器」ともいう。)に吐出(分注)する機構である。反応容器6は、検体と試薬を混和反応させるキュベットと、吸光度測定を行うセルを兼ねており、例えばプラスチック又はガラスによって構成される。反応ディスク9は、反応容器6を複数架設することができる機構である。
試薬ピペッティング機構10は、試薬ディスク12に架設された試薬容器から試薬を所定量採取し、反応容器6に分注する機構である。試薬ディスク12は、試薬を保持する試薬容器を複数架設することができる機構である。この形態例の場合、試薬ディスク12は、反応容器6の洗浄に使用する洗浄液を保持する1つ又は複数の試薬容器も架設している。攪拌機構13は、反応容器6に分注された溶液の撹拌に用いる機構である。ランプ14は、水ブランク吸光度の測定に使用する測定光の波長を切り替えて出力することができる。測光部15は、反応容器6を挟んでランプ14と対向する位置に配置されており、反応容器6を通過した測定光を受光する複数の検知器(多波長光度計)で構成される。反応容器洗浄系20は、反応容器6の洗浄に用いられる。反応容器洗浄系20は、ランプ14からの光束が到達する位置と検体を吐出する位置との間に配置されている。
この他、自動分析装置100には、インターフェース4、試料用ポンプ7、モータ8、試薬用ポンプ11、キーボード16、プリンタ17、CRT画面18、試薬バーコードリーダ19、マルチプレクサ21、FDドライブ22、ハードディスクドライブ(HD)23を有している。インターフェース4は、自動分析装置100を構成する各部の間を相互に接続する通信路を提供する。試料用ポンプ7は、検体をサンプルカップ1Aに分注するために使用される。モータ8は、反応ディスク9の駆動に用いられる。試薬用ポンプ11は、試薬を試薬容器に分注するために使用される。キーボード16は、コンピュータ3に対する入力装置の一つであり、その操作を通じて、反応容器洗浄系20による反応容器6の洗浄の開始と水ブランク吸光度の測定を指示することができる。プリンタ17は、コンピュータ3による分析結果の出力に用いられる出力装置の1つである。
CRT画面18は、ユーザインターフェース画面の表示に用いられ、ユーザインターフェース画面を通じてコンピュータ3への指示が入力される。また、CRT画面18には、有寿命部品であるランプ14の劣化や反応容器6のキズや劣化の有無に関する情報が警報として表示される。
試薬バーコードリーダ19は、試薬容器に印刷されているバーコードの読み取りに使用される。不図示であるが、反応容器6を識別するバーコードリーダ等の識別装置も搭載される。マルチプレクサ21は、水ブランク吸光度の測定に使用する波長の選択に用いられる。FDドライブ22は、外部記憶媒体としてのフロッピーディスクとの間でデータを読み書きするためのドライブである。なお、外部記憶媒体は、USBメモリ、SDカードその他の半導体メモリであっても良く、その場合、FDドライブ22に代えて外部記憶媒体の規格に応じたドライブを使用する。ハードディスクドライブ(HD)23は、内部記憶媒体としてのハードディスクのドライブである。自動分析装置100による測定結果が後述する判定に使用する閾値(セルブランク測定値適用範囲、前回許容誤差)の保存に使用される。
これらの構造を有する自動分析装置100は、コンピュータ3の制御の下、以下の手順で分析動作を実行する。自動分析装置100は、最初に、後述するマルチ判定処理を実行し、反応容器6やランプ14に異常が認められない場合に限り、該当する反応容器6とランプ14を用いて検体の濃度の測定処理に移行する。
濃度の測定処理に移行した自動分析装置100は、サンプルプローブによって、サンプルディスク1に架設されたサンプルカップ1Aから検体を一定量吸引し、吸引した検体を反応容器6に吐出する。次に、自動分析装置100は、試薬プローブによって、試薬ディスク12に架設された試薬容器から試薬を一定量吸引し、吸引した試薬を、先に検体を吐出した反応容器6に定量分吐出する。この後、自動分析装置100は、攪拌機構13によって、反応容器6に注入された検体と試薬とを攪拌する。自動分析装置100は、撹拌が終了した反応容器6について水ブランク吸光度を測定し、検体の濃度を測定する。
なお、反応ディスク9は、1サイクルの測定毎に、半回転+1反応容器分だけ一方向に回転し、一時停止する。この場合、反応ディスク9に架設された反応容器6の位置は、次回の測定サイクルの開始時点で、前回の測定サイクルの開始位置に対して点対称の位置から反時計方向に1反応容器分だけずれた位置にある。なお、ランプ14と相対する反応ディスク9が回転することで、ランプ14から発せられた測定光の光束が反応容器6の列を順番に通過し、測光部15で検出される。
(3)マルチ判定処理
続いて、検体の濃度を測定する前に実行されるマルチ判定処理について説明する。マルチ判定処理は、前述したように、プログラムの実行を通じてコンピュータ3により提供される。以下では、マルチ判定処理の実行主体としてのコンピュータ3をマルチ判定部という。
図2に、マルチ判定部25の機能構成を示す。マルチ判定部25は、水ブランク吸光度記憶部26と分析パラメータ入力部27によって構成される。水ブランク吸光度記憶部26は、測光部15において測定された水ブランク吸光度の記憶に用いられる。水ブランク吸光度の測定は、個々の反応容器6について、340[nm]〜800[nm]の範囲から選択された12個の波長のそれぞれについて実行される。従って、水ブランク吸光度の測定値は、1つの反応容器6について12個得られる。もっとも、測定に使用する波長の数は一例であり、例えば11個でも良いし、その他の個数でも良い。水ブランク吸光度記憶部26には、反応容器番号と、同じ反応容器番号を有する反応容器6について直前回に測定された12波長分の水ブランク吸光度の測定値と、同じ反応容器6について最新回に測定された12波長分の水ブランク吸光度の測定値とが対応づけられて記憶されている。
分析パラメータ入力部27には、セルブランク測定値適用範囲28と前回許容誤差29とが記憶されている。セルブランク測定値適用範囲28と前回許容誤差29は、メーカによって事前に設定されている、又は、ユーザインターフェースを通じてユーザによって個別に入力されている。セルブランク測定値適用範囲28は、測定値が良好である範囲(第1の閾値)を与える。例えば許容される測定値の上限を与える。前回許容誤差29は、直前回の測定値と最新回の測定値との差分が良好である範囲(第2の閾値)を与える。例えば許容される差分の上限を与える。本形態例の場合、セルブランク測定値適用範囲28と前回許容誤差29は、水ブランク吸光度の測定に使用する12個の波長のそれぞれについて用意される。すなわち、セルブランク測定値適用範囲28と前回許容誤差29は、12組用意されている。なお、セルブランク測定値適用範囲28と前回許容誤差29は、12個の波長に対して1組だけ用意しても良い。
マルチ判定部25は、水ブランク吸光度記憶部26に記憶されている水ブランク吸光度の測定値と、分析パラメータ入力部27に入力されているセルブランク測定値適用範囲28と前回許容誤差29とを用いて、反応容器6とランプ14の良否を判定する。判定の結果には、(1)反応容器6とランプ14がいずれも正常、(2)反応容器6の洗浄が必要、(3)反応容器6の交換が必要、(4)ランプの劣化がある。
マルチ判定部25は、反応容器6の洗浄が必要であると判定した場合、試薬プローブを使用して試薬ディスク12内に格納してある洗剤(洗浄液)を一定量吸引し、該当する反応容器6に吐出し、該当する反応容器6の個別洗浄動作を実行する。この洗浄は、通常のオペレーションと同様、1測定サイクルで実行する。このため、洗剤は、約10分間、反応容器6内にキープされることになる。個別洗浄動作の終了後、反応容器洗浄系20は、洗剤を吸引し、次の測定サイクルに備える。
この個別洗浄動作機能の搭載により、自動分析装置100は、24時間連続して検体の測定を実行しつつ、並列的に、汚れの認められた特定の反応容器6のみを洗浄することができる。すなわち、形態例に係る自動分析装置100は、メンテナンス機能のように装置全体の動作を停止する必要がなく、基本的に24時間連続して検体を測定することができる。
マルチ判定部25の説明を続ける。セルブランク測定値適用範囲28は、測定前に個々の反応容器6で測定される水ブランク吸光度の測定値が良好な範囲(汚染物質による汚れ、傷などによる影響、ランプ14の劣化がない正常範囲)を与える。前回許容誤差29は、測定前に実施される水ブランク吸光度の最新回の測定値と同一反応容器6で測定された直前回の測定値との差分をチェックする範囲である。
前述したように、形態例に係る自動分析装置100は、予め設定された12波長に対応する12個の水ブランク吸光度を1つの反応容器6について測定する。波長によっては検出されない汚れがあるためである。マルチ判定部25は、水ブランク吸光度の測定に使用された波長に対応するセルブランク測定値適用範囲28と前回許容誤差29とを組み合わせ、消耗品である反応容器6の洗浄と交換時期、ランプ14の劣化状態を的確に判定する。
表1に、マルチ判定部25において実行される判定動作の具体例を示す。表1は、測定に用いる光の波長が340[nm]であり、当該波長に対応するセルブランク測定値適用範囲28が“14000”であり、同じ波長に対応する前回許容誤差29が“100”である場合における判定結果パターン1〜4を示している。
Figure 2017032500
判定結果パターン1の場合:
このパターンの場合、最新回の水ブランク吸光度の測定値は“8030”であるので、セルブランク測定値適用範囲28(14000)を満たす。さらに、同じ反応容器6について同じ波長を用いて測定された直前回の測定値“8000”との差分は“30”(=8030−8000)であるので、前回許容誤差29(100)より小さい。この場合、マルチ判定部25は、当該反応容器6についての水ブランク吸光度の測定値は安定的に推移していると判定する。この判定結果は、反応容器6に汚染やキズが無く、ランプ14の劣化も無いことを意味する。よって、マルチ判定部25は、該当する反応容器6を引き続き用いる検体測定の開始を指示(許可)する。
判定結果パターン2の場合:
このパターンの場合、最新回の水ブランク吸光度の測定値は“7700”であるので、セルブランク測定値適用範囲28(14000)を満たす。一方、同じ反応容器6について同じ波長を用いて測定された直前回の測定値“7500”との差分は“200”(=7700−7500)であり、前回許容誤差29より大きい。この場合、マルチ判定部25は、水ブランク吸光度の上昇原因はランプ14の劣化にあると判定する。この場合、マルチ判定部25は、現状では正しい測定を行えないと判定し、水ブランク吸光度の測定に用いた反応容器6に対する検体のサンプリングを中止し、次の反応容器6の処理に移行する。また、マルチ判定部25は、ランプ14の寿命が近く切れると判定し、アラーム(警報)を画面表示してランプ14の交換をユーザに促す。なお、この判定結果が5個の反応容器6について連続して発生する場合、マルチ判定部25は、自動分析装置100による検体測定を停止させる。
判定結果パターン3の場合:
このパターンの場合、最新回の水ブランク吸光度の測定値は“14500”であり、セルブランク測定値適用範囲28(14000)より大きい。また、同じ反応容器6について同じ波長を用いて測定された直前回の測定値“13000”との差は“1500”(=14500−13000)であるので、前回許容誤差29(100)より大きい。この場合、マルチ判定部25は、水ブランク吸光度の上昇原因は反応容器6に汚染があるためと判定し、該当する反応容器6の個別洗浄動作の実行を指示する。この判定結果は、同時に、反応容器6にキズや劣化がなく、ランプ14に劣化も無いことを意味する。個別洗浄動作では、試薬プローブによって、試薬ディスク12に搭載された試薬容器に保持されている試薬が一定量だけ吸引された後、洗浄対象である反応容器6に吐出され、反応容器6の個別洗浄動作が実行される。個別洗浄動作の終了後、反応容器6内の洗剤液は、反応容器洗浄系20を用いて吸引される。
判定結果パターン4の場合:
このパターンの場合、最新回の水ブランク吸光度の測定値は“14650”であり、セルブランク測定値適用範囲28(14000)より大きい。一方、同じ反応容器6について同じ波長を用いて測定された直前回の測定値“14600”との差は“50”(=14650−14600)であるので、前回許容誤差29(100)より小さい。ただし、直前回の測定値“14600”は既にセルブランク測定値適用範囲28(14000)より大きいため、この反応容器6は直前回の測定時に既に洗浄済みであると推定される。直前回の洗浄にも関わらず、水ブランク吸光度の測定値に低下が見られていない。このように、同じ反応容器6について2回連続して測定値がセルブランク測定値適用範囲28(14000)を超える場合、マルチ判定部25は、水ブランク吸光度の上昇原因は反応容器6に劣化があるためと判定する。この場合、マルチ判定部25は、現状では正しい測定を行えないと判定し、水ブランク吸光度の測定に用いた反応容器6に対する検体のサンプリングを中止し、次の反応容器6の処理に移行する。また、マルチ判定部25は、測定値の異常により反応容器6が検体の測定から除外されたこと、及び、当該反応容器6の交換を推奨するアラーム(警報)を画面表示する。
図3に、マルチ判定部25が判定時に参照する処理マトリクスを示す。前述の処理パターン1〜4は、これらの処理マトリクスの内容に合致している。
(4)分析動作の概要
続いて、自動分析装置100において実行される分析動作の概要を説明する。まず、ユーザがキーボード16を通じ、CRT画面18上に表示されたユーザインターフェースのスタート表示部を操作する。例えばスタート表示部がマウスポインタによってクリックされ、又は、ユーザによりタッチされる。この操作をトリガーとして、反応容器洗浄系20が反応容器6の洗浄を開始する。また、自動分析装置100は、水ブランク吸光度の測定を開始する。この際、自動分析装置100は、検体の測定に使用する反応容器6のそれぞれについて、340[nm]〜800[nm]の範囲から選択された12波長を切り替えながら照射し、12波長全てについて水ブランク吸光度を測定する。ここでの測定値は、以後の測定時において基準値として用いられる。
水ブランク吸光度の測定は以下の手順で実行される。水ブランク吸光度の測定が開始されると、サンプルディスク1に架設されたサンプルカップ1Aは、検体のサンプリング位置に移動される。同様に、2つの試薬ディスク12も回転し、それぞれ試薬のピペッティング位置に移動する。この間に、マルチ判定処理が実行され、反応容器6やアンプ14が検体に測定に使用できる状況にあるか否かが確認される。反応容器6やアンプ14に異常が認められなかった場合、サンプリング機構5が、例えば分析項目Aに必要な量の試料(検体)をサンプルカップ1Aから吸引し、正常が確認された反応容器6に吐出する。同時に、試薬ピペッティング機構10は、試薬ディスク12に架設した試薬容器から分析項目A用の第1試薬を吸引し、分析項目A用の検体が吐出された反応容器6に吐出する。その後、分注に使用した試薬プローブは、プローブ洗浄槽において、その外壁と内壁が洗浄され、次の分析項目B用の第1試薬の分注に備える。
反応ディスク9は、1サイクルで半回転+1反応容器分だけ回転し、一時停止するので、2サイクル動作時で1回転+2反応容器分だけ回転する。反応ディスク9が1回転するたびに、反応容器6はランプ14の前を通過する。ランプ14から発せられた光の光軸を反応容器6が横切る際に、当該反応容器6の水ブランク吸光度が測定される。1サイクルの所要時間を12秒とすると、10分間の反応時間中に25回の測光が行われる。測光が終了した反応容器6は、反応容器洗浄系20により洗浄され、次の試料(検体)の測定に備える。測定された水ブランク吸光度は、コンピュータ3による濃度演算に使用され、プリンタ17から分析結果が出力される。
(5)マルチ判定動作
マルチ判定動作は、検体を反応容器6に分注する直前に実行される。マルチ判定動作は、1つの反応容器6に対して12回実行される。12回のマルチ判定動作は、340[nm]〜800[nm]の範囲から選択された異なる12個の波長のそれぞれについて実行される。換言すると、マルチ判定動作は、各波長について水ブランク吸光度が測光部15で測定されるたびに実行される。
測定結果は、測光部15からマルチ判定部25内の水ブランク吸光度記憶部26に送信され、記録される。水ブランク吸光度記憶部26には、測定に使用された反応容器番号と、同じ反応容器番号を有する反応容器6について直前回に測定された12波長分の水ブランク吸光度の測定値と、同じ反応容器6について最新回に測定された12波長分の水ブランク吸光度の測定値とが記憶される。
マルチ判定部25は、最新回の水ブランク吸光度の測定値がセルブランク測定値適用範囲28内か(設定値より小さいか)を判定する処理と、同じ反応容器6で測定された直前回の測定値と最新回の測定値との差が前回許容誤差29内か(設定値より小さいか)を判定する処理を実行する。最新回の測定値がセルブランク測定値適用範囲28内であり、かつ、直前回の測定値と最新回の測定値との差分が前回許容誤差29内である場合、マルチ判定部25は、現在の反応容器6は汚染やキズがない良好な状態であり、かつ、ランプ14の光量が安定していると判定し、検体のサンプリング動作への移行を許可する。
一方、最新回の測定値がセルブランク測定値適用範囲28内であっても、直前回の測定値と最新回の測定値との差分が前回許容誤差29より大きい場合、マルチ判定部25は、ランダムな変動幅が大きいことからランプ14の光量が不安定であると推定する。すなわち、マルチ判定部25は、ランプ14が劣化してきていると判定し、ランプ14の交換の推奨を警報としてCRT画面18に表示する。なお、該当する反応容器6は試料(検体)の測定には使用しない(測定をスキップする)。さらに、同じ判定結果が異なる5つの反応容器6について連続する場合(すなわち、同じ判定結果が5回連続する場合)、マルチ判定部25は、ランプ14の劣化が進行していると判断し、検体の測定動作を自動停止する。
また、最新回の測定値がセルブランク測定値適用範囲28より大きく、かつ、直前回の測定値と最新回の測定値の差分が前回許容誤差29より大きい場合、マルチ判定部25は、反応容器6の汚染が進行していると判定し、該当する反応容器6への検体の分注を行うことなく、反応容器6の洗浄処理を実行する。洗浄処理に使用する洗浄液は試薬ディスク12に架設された試薬容器に保持されている。このため、試薬ピペッティング機構10を用いて試薬容器から一定量(例えば200[μL])の洗浄液を吸引して、洗浄対象である反応容器6に吐出する。分注された洗浄液は、通常の分析時間と同じ時間、反応容器6に入ったまま維持され、分注から10分経過した後に反応容器洗浄系20によって吸引される。
また、最新回の測定値がセルブランク測定値適用範囲28より大きく、かつ、直前回の測定値と最新回の測定値との差分が前回許容誤差29内の場合(同じ反応容器6の水ブランク吸光度の測定値が2回連続して範囲外にある場合)、マルチ判定部25は、測定値の上昇原因は汚れによるものではなく、反応容器6にキズや劣化が進んでいるためと判定する。この場合、反応容器6の再度の洗浄は効果が無いと考えられるので、マルチ判定部25は、反応容器6の交換の推奨を警報としてCRT画面18に表示する。なお、当該反応容器6は検体の測定には使用しない。すなわち、当該反応容器6への検体のサンプリングをスキップさせる。
なお、同一の反応容器6について洗浄が5回連続して実行される場合(すなわち、同一の反応容器6について5回連続して検体のサンプリングがスキップされた場合、マルチ判定部25は、検体の測定を自動停止しても良い。もっとも連続回数は5回に限らない。また、同一の反応容器6について洗浄が累積的に5回実行された場合(すなわち、同一の反応容器6について、検体のサンプリングのスキップが断続的に5回実行された場合)、マルチ判定部25は、検体のサンプリングを自動停止しても良い。もっとも連続回数は5回に限らない。
また、異なる反応容器6について5サイクル連続して検体のサンプリングがスキップされた場合、マルチ判定部25は、多くの反応容器6でキズや劣化が発生していると判定し、検体の測定を自動停止しても良い。また、同一の反応容器6について測定された直前回の測定値が存在しない場合、マルチ判定部25は、最新回の測定値のみを使用して、セルブランク測定値適用範囲28と比較し、比較結果に応じて洗浄の必要性を判定する。
(6)マルチ判定動作の具体例
図4に、マルチ判定動作の具体例を示す。本形態例の場合、図4に示すマルチ判定動作は、1波長ごとに実行されるものとする。従って、後述する各判定時には、使用する波長について設定又は入力されたセルブランク測定値適用範囲と前回許容誤差を用いる。コンピュータ3(マルチ判定部25)によって検体の測定が開始されると(ステップSP1)、測定に使用する反応容器6が洗浄され、その後、水ブランク吸光度が測定される(ステップSP2)。コンピュータ3(マルチ判定部25)は、反応容器6毎の最新回の測定値を、対応する直前回の測定値と共に水ブランク吸光度記憶部26に記憶する(ステップSP3)。
コンピュータ3(マルチ判定部25)は、水ブランク吸光度を測定した反応容器6の使用来歴を確認し、初回使用の反応容器6か否かを判定する(ステップSP4)。直前回の測定値が記憶されていない反応容器6は、初回使用の反応容器6である。初回使用の反応容器6であった場合、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、同一の反応容器6についての直前回の測定値との比較は不可能である。このため、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、水ブランク吸光度の最新回の測定値がセルブランク測定値適用範囲を超えるか否かを判定する(ステップSP5)。
ステップSP5で肯定結果が得られた場合(最新回の測定値がセルブランク測定値適用範囲を超える場合)、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、該当する反応容器6を個別洗浄する(ステップSP6)。ステップSP5で否定結果が得られた場合(最新回の測定値がセルブランク測定値適用範囲内の場合)、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、検体のサンプリングを開始し(ステップSP9)、その後、試薬の分注(ステップSP10)、水ブランク吸光度の測定(ステップSP11)、測定結果の報告(ステップSP12)を順次実行する。引き続き、別の測定検体がある場合(ステップSP13で肯定結果)、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、ステップSP2に戻る。一方、ステップSP13で否定結果が得られた場合、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、自動分析装置100による検体の測定動作を自動的に停止する(ステップSP14)。
ステップSP4で否定結果が得られた場合(初回使用でない場合)、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、水ブランク吸光度の測定値がセルブランク測定値適用範囲28より小さいか否かを判定する(ステップSP7)。ステップSP7で肯定結果が得られた場合(適用範囲内である場合)、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、最新回の測定値と直前回の測定値との差が前回許容誤差29より小さいか否かを判定する(ステップSP8)。ステップSP8で肯定結果が得られた場合(差分が前回許容誤差内である場合)、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、反応容器6及びランプ14に問題なしと判定し、試料(検体)のサンプリングを開始する(ステップSP9)。以後、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、試薬の分注(ステップSP10)、吸光度の測定(ステップSP11)、測定結果の報告(ステップSP12)を順次実行する。そして、引き続き別の測定検体がある場合(ステップSP13)、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、ステップSP2に戻る。
ステップSP8で否定結果が得られた場合(差分が前回許容誤差を超える場合)、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、吸光度変化にランダムな変動が発生している(ランプの劣化が生じている)と判定してアラーム画面に「ランプの劣化」を表示する(ステップSP15)。さらに、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、当該反応容器6への検体のサンプリングを中止する(ステップSP16)。続いて、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、ランプの劣化を原因とするアラームが異なる5個の反応容器6について連続して出力されているか否かを判定する(ステップSP17)。ステップSP17で否定結果が得られた場合、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、ステップSP13経由で「YES」のときにステップSP2に戻る。一方、ステップSP17で肯定結果が得られた場合、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、自動分析装置100による検体の測定動作を自動的に停止する(ステップSP14)。
ステップSP7で否定結果が得られた場合(最新回の測定値がセルブランク測定値適用範囲を満たす場合)、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、最新回の測定値と直前回の測定値との差分が前回許容誤差29より小さいか否かを判定する(ステップSP18)。ステップSP18で否定結果が得られた場合(差分が前回許容誤差より大きい場合)、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、反応容器6が汚れていると判定し、検体のサンプリング中止を指示し(ステップSP19)、その後、反応容器6の個別洗浄を指示する(ステップSP20)。
更に、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、異なる5つの反応容器6について連続して洗浄されたか否かを判定する(ステップSP21)。コンピュータ3(マルチ判定部25)は、ステップSP21で否定結果が得られた場合にはステップSP13経由で「YES」のときにステップSP2に戻り、ステップSP21で肯定結果が得られた場合には自動分析装置100による検体の測定動作を自動的に停止する。
ステップSP18で肯定結果が得られた場合、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、反応容器6の洗浄に効果が無いとの判定し(反応容器6の交換が必要と判定し)、当該反応容器6に対する試料(検体)のサンプリングを中止する(ステップSP22)。この後、コンピュータ3(マルチ判定部25)は、アラーム画面に「反応容器の交換必要」との警告を表示し(ステップSP23)、その後、ステップSP13経由で「YES」のときにステップSP2に戻る。
(7)形態例により実現される効果
前述した自動分析装置100によれば、水ブランク吸光度の測定値の変動要因が反応容器6の汚れが原因であるか、反応容器6の表面の傷が原因であるか、ランプ14の寿命の到来が原因であるかを自動的に判定することができる。このため、自動分析装置100では、現状装置のようにメンテナンス機能の一環としての反応容器6の洗浄を行わずに済む。すなわち、自動分析装置100では、汚れが必要な反応容器6についてのみ個別の洗浄を行えば良く、現状装置のように検体の測定動作を全面的に止める必要がない。
また、自動分析装置100では、現状装置のように、汚れが進行していない反応容器も含めて全ての反応容器を洗浄する必要がないので、洗浄時間の短縮化を実現できる。さらに、自動分析装置100では、無駄な洗剤の消費がなくなるため、コストの削減効果も期待される。しかも、自動分析装置100における反応容器6の洗浄は、他の反応容器6を用いた検体の測定動作と並列的に(1サイクルの時間内に)実行することができる。すなわち、検体の測定動作を停止することなく反応容器6を洗浄できるため、自動分析装置100の24時間連続稼働が可能になる。
また、現状装置においては、検体の測定前の時点で水ブランク吸光度の測定値に乱れがあった場合に当該反応容器6を用いた検体の測定をスキップする機能が搭載されているが、形態例に係る自動分析装置100のように洗浄動作の個別実行機能は搭載されておらず、反応容器6やランプ14の交換を判定することもできない。このように、自動分析装置100は、現状装置では実現し得ない技術的な効果を実現することができる。
また、現状装置では、異常のある反応容器6の確認は、個々の反応容器の最新回の測定値のみを用いて実行しているのに対し、自動分析装置100では、直前回の測定値と最新回の測定値の両方を記憶し、これら2つの測定値の差分を比較する処理を含む手法を採用する。この手法の採用により、自動分析装置100は、水ブランク吸光度の測定値の上昇原因が反応容器6の汚れであるか、反応容器6又はランプ14の劣化であるのかを切り分けることができる。
さらに、自動分析装置100は、装置の動作をメンテナンス機能で止めることなく(すなわち、検体の測定を継続したまま)、反応容器6の水ブランク吸光度の測定値から原因を自動的に切り分けることができる。
また、水ブランク吸光度の測定値の上昇原因が反応容器の汚れであると判定された場合、試薬ディスク12内に架設されている試薬容器の1つに保持されている専用の洗剤を、試薬プローブを用いて該当する反応容器6に分注し、当該反応容器6のみを個別に洗浄する。一般的に、反応容器6の表面に付く傷や汚れの蓄積や反応容器6の劣化は、使用している試薬やユーザの使用状況によって異なる。また、ランプ14の劣化スピードは、自動分析装置100の累積電源オン時間によって左右される。このため、反応容器6の交換の時期やランプ14の交換時期はユーザのそれぞれで異なるが、自動分析装置100は、メーカが決めた一律の周期ではなく、使用実情や状況に合わせて交換時期を的確に判定し、その必要性をユーザに伝達することができる。
(8)他の形態例
本発明は、上述した形態例に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。例えば、上述した形態例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備える必要はない。例えば形態例の構成の一部について、他の形態例の構成の一部を追加、削除又は置換することもできる。
例えば前述の形態例においては、図4に示す処理が12波長のうちの1波長毎に繰り返し実行されるものとして説明し、その場合に、セルブランク測定値適用範囲と前回許容誤差の値として測定光の波長に固有の値を用いたが、セルブランク測定値適用範囲と前回許容誤差の値として12波長に共通の値を使用しても良い。
また、前述の形態例においては、図4に示す処理が12波長のうちの1波長毎に繰り返し実行されるものとして説明したが、12波長のそれぞれに対応する水ブランク吸光度の測定をステップSP2で実行し、各波長に対応する直前回の測定値と最新回の測定値を用いた判定を、ステップSP5、SP7、SP8、SP18で実行し、少なくとも1つの波長に対応する水ブランク吸光度について条件を満たさない場合には各ステップSP5、SP7、SP8、SP18の条件を満たさないと判定しても良い。
また、上述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより(すなわちソフトウェア的に)実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記憶媒体に格納することができる。また、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示すものであり、製品上必要な全ての制御線や情報線を表すものでない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
1…サンプルディスク
1A…サンプルカップ(反応容器)
2…検体バーコードリーダ
3…コンピュータ
4…インターフェース
5…サンプリング機構
6…反応容器
7…試料用ポンプ
8…モータ
9…反応ディスク
10…試薬プローブ
11…試薬用ポンプ
12…試薬ディスク
13…攪拌機構
14…ランプ
15…測光部
16…キーボード
17…プリンタ
18…CRT画面
19…試薬バーコードリーダ
20…反応容器洗浄槽系
21…マルチプレクサ
22…FDドライブ
23…HDドライブ
25…マルチ判定部
26…水ブランク吸光度記憶部
27…分析パラメータ入力部
28…セルブランク測定値適応範囲
29…前回許容誤差

Claims (11)

  1. 反応容器に検体を分注する検体プローブと、
    前記反応容器に試薬を分注する試薬プローブと、
    前記検体を保持する容器を架設するサンプルディスクと、
    前記反応容器を架設する反応ディスクと、
    前記試薬を保持する容器を架設する試薬ディスクと、
    ランプと受光部を有し、前記反応容器の水ブランク吸光度を測定する測光部と、
    同一の前記反応容器を使用して測定された水ブランク吸光度の直前回の測定値と最新回の測定値の組を、前記反応容器ごとに記憶する第1の記憶部と、
    前記最新回の測定値に対する第1の閾値と、前記直前回の測定値と前記最新回の測定値との差分に対する第2の閾値を記憶する第2の記憶部と、
    同一の前記反応容器について記憶されている前記直前回の測定値と前記最新回の測定値とに基づいて、前記反応容器の状態と前記ランプの状態とを判定するマルチ判定部と
    を有し、
    前記マルチ判定部は、
    前記最新回の測定値が前記第1の閾値より小さく、かつ、前記差分が前記第2の閾値より小さいとき、前記反応容器及び前記ランプはいずれも正常であると判定し、
    前記最新回の測定値が前記第1の閾値より小さく、かつ、前記差分が前記第2の閾値より大きいとき、前記ランプが劣化していると判定し、
    前記最新回の測定値が前記第1の閾値より大きく、かつ、前記差分が前記第2の閾値より大きいとき、前記反応容器を洗浄すべきと判定し、
    前記最新回の測定値が前記第1の閾値より大きく、かつ、前記差分が前記第2の閾値より小さいとき、前記反応容器を交換すべきと判定する
    ことを特徴とする自動分析装置。
  2. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記マルチ判定部は、
    洗浄が必要であると判定された前記反応容器を、検体の分注対象から除外して洗浄対象に指定する
    ことを特徴とする自動分析装置。
  3. 請求項2に記載の自動分析装置において、
    前記マルチ判定部は、
    前記試薬プローブを用いて前記試薬ディスクに搭載された容器の一つから洗剤を吸引し、その後、洗浄が必要であると判定された前記反応容器に対して吸引された洗剤を分注する
    ことを特徴とする自動分析装置。
  4. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記マルチ判定部は、
    交換が必要であると判定された前記反応容器を、検体の分注対象から除外して交換対象に指定する
    ことを特徴とする自動分析装置。
  5. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記マルチ判定部は、
    同一の前記反応容器について、所定回数連続して洗浄が必要であると判定した場合、実行中の検体の測定動作を自動停止する
    ことを特徴とする自動分析装置。
  6. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記マルチ判定部は、
    同一の前記反応容器について洗浄が必要であるとの判定回数が、所定回に達した場合、実行中の検体の測定動作を自動停止する
    ことを特徴とする自動分析装置。
  7. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記マルチ判定部は、
    異なる前記反応容器について、所定回数連続して洗浄が必要であると判定した場合、実行中の検体の測定動作を自動停止する
    ことを特徴とする自動分析装置。
  8. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記マルチ判定部は、
    所定回数連続して前記ランプの交換が必要であると判定した場合、実行中の検体の測定動作を自動停止する
    ことを特徴とする自動分析装置。
  9. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記第2の記憶部には、前記水ブランク吸光度の測定に使用される複数の測定光の波長のそれぞれについて、前記第1の閾値及び前記第2の閾値が1組ずつ記憶されている
    ことを特徴とする自動分析装置。
  10. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記第1の閾値及び前記第2の閾値を個別に入力するための分析パラメータ入力部を更に有する
    ことを特徴とする自動分析装置。
  11. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記マルチ判定部は、
    前記反応容器の洗浄が必要であると判定した場合、前記反応容器の交換が必要であると判定した場合、又は、前記ランプの交換が必要であると判定した場合に、その旨を操作画面に表示する
    ことを特徴とする自動分析装置。
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