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JP2017093826A - 遊技機 - Google Patents

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JP2017093826A JP2015229411A JP2015229411A JP2017093826A JP 2017093826 A JP2017093826 A JP 2017093826A JP 2015229411 A JP2015229411 A JP 2015229411A JP 2015229411 A JP2015229411 A JP 2015229411A JP 2017093826 A JP2017093826 A JP 2017093826A
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Abstract

【課題】遊技機の制御プログラムの開発コストを抑制する。【解決手段】動作開始前に関連する可動体の状態をイベントフラグに基づき判断(S102)し、動作が制約されるか否かに応じて処理を切り替える(S103〜S105とS106及びS107)。これによりプログラムによる可動体の状態判断が不要になりプログラム作成の負担を軽減できる。可動体毎の判断のために専用のプログラムを用意する必要がなく、動作テーブルの解析プログラムの一環として組み込まれた内容を用いることができる。このため、特殊なプログラムスキルを必要とせず、柔軟な動作定義をデータの作成のみで行うことができる。【選択図】図9

Description

本発明は、演出に用いられるバーやシャッターなどの可動要素と、これを可動するための駆動部とを含む可動体を複数備える遊技機に関する。
外周面に図柄が配列された複数の回胴を備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、遊技媒体(メダル)に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数の回胴の回転を開始させ、遊技者の停止操作契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数の回胴を停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数の回胴が停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組み合わせによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
遊技者の興趣を高める役割を担うデバイスとして、液晶表示装置や演出用表示ランプ(電飾)や、音響発生装置(サウンド装置、スピーカ)などさまざまな演出デバイスが遊技機には設けられている。また、可動部を備え、当該可動部の動きにより演出を行う可動役物(可動体)が設けられることもある。なお、以下の説明において、液晶表示装置、電飾、音響発生装置そのもののみならずそれらの制御装置を含めて「演出デバイス」と表記することがある。
特開2003-210764号公報 ランプ制御用CPUは、演出中であれば、現在使用中のプロセスタイマの値を減算し、プロセスタイマがタイムアウトしたら、演出を終了しない場合には次のアドレスに設定されているプロセスタイマ値をセットする。セットしたプロセスタイマ値に対応して設定されているテーブル(ランプ実行テーブル、動作実行テーブル)の内容に応じてランプ・LEDの点灯/消灯や遊技演出装置のオン/オフの設定を切り替える。このように、テーブルの内容に応じて順次役物の制御を実行していくので、役物の制御のための制御負担を軽減させることができる。 特開2002-200355号公報 ゲーム遊技機の画像画面内でプレイヤキャラクタと表示オブジェクトとが隣接しているときにプレイヤから所定の指令が入力されると、プレイヤによって指定されたアイテムスロットの装備品情報が参照される。この装備品情報に基づいて、プレイヤキャラクタがオブジェクトに対応する装備品を装備しているか否かが判断され、対応する装備品を装備している場合にはイベントフラグがオンにされる。オブジェクトから所望の反応を自発的に引き出すことができる。
遊技機の複数の可動体(可動役物)において、互いに他の可動体の状態に応じてその動きに制約が加えられる関係(依存関係、主従関係、排他関係)が存在する場合がある。
このような関係の一例について、図11及び図12を参照して説明を加える。
図11及び図12は、3つの可動体の可動要素51−1乃至51−3を示している。図11及び図12は、例えば遊技機をその正面から見た状態(遊技者視点)を示すものである。なお、可動要素を動かす駆動部と、可動要素の状態を検知するセンサの表示は省略している。
可動要素51−1と51−2は、それぞれ支点P1、P2を中心に約90度回転するようになっている。デフォルトで可動要素51−1と51−2は、図11(a)の水平状態(実線)であり、駆動されることにより垂直状態(点線)となる。
可動要素51−3は直線上を上下するようになっている。デフォルトで可動要素51−3は可動要素51−1と51−2よりも下側(図11(a)の実線)にあり、駆動されることにより可動要素51−1と51−2の上側(図11(a)の点線)に移動する。
3つの可動体の可動要素51−1乃至51−3は、それぞれ独立に、いつでも自由に動くことはできない。これらには上記の関係(依存関係、主従関係、排他関係)が存在している。すなわち、各可動要素を図11(a)から図12(b)のように動かすには、まず可動要素51−1を開き、次に可動要素51−2に開き、最後に可動要素51−3を上に動かす(図11(b)乃至13(b))。可動要素51−1、51−2よりも前に可動要素51−3を動かすことはできない。
逆に、図12(b)から図11(a)に戻すときは、まず可動要素51−3を下げ、次に可動要素51−2に閉じ、最後に可動要素51−1を閉じる。このような手順を踏まないとひとつの可動要素が他の可動要素にぶつかり、正常に動作できない。
図11及び図12は、機械的・物理的な制約による関係を示していたが、他に電気的な制約により関係(依存関係、主従関係、排他関係)が生じる場合もある。例えば、モータの消費電流が大きく、全てを同時に動かすと電源に負担が掛かり過ぎるような場合に、モータの消費電流の和が電源の許容範囲に納まるような特定の複数の組み合わせが定められており、これら組み合わせに従って可動体を順番に動作させることが考えられる。あるいは、演出上の制約により関係(依存関係、主従関係、排他関係)が生じることも考えられる。
上述のような関係(依存関係、主従関係、排他関係)が存在する場合、それらの制御は、可動体毎、演出毎にお互いの状態をプログラムにて管理しなければならず、状況に応じて最適なプログラムを記述する必要がある。
このことを、図13を参照して説明する。
演出Pは、例えば、3つの可動体を図11(a)から図12(b)のように動かすものである。まず可動要素51−1を開き(可動体Aの動作処理)、次に可動要素51−2に開き(可動体Bの動作処理)、最後に可動要素51−3を上に動かす(可動体Cの動作処理)。演出P’は、逆に、図12(b)から図11(a)に戻すものである。まず可動要素51−3(可動体Cの動作処理)を下げ、次に可動要素51−2に閉じ(可動体Bの動作処理)、最後に可動要素51−1を閉じる(可動体Aの動作処理)。可動要素の動作の順番が逆なので、演出PとP’を共通のプログラムで記述することができない。
演出Qは2つの可動体のみを用いるものである。可動要素51−2を開くが、その前に可動要素51−1を開く必要がある。
演出Rは1つの可動体のみを用いるものである。可動要素51−1を開くが、可動要素51−1を開くことだけは独立に自由にできるので、他の可動要素を動かす必要がない。
各演出で操作する可動体の数が異なり、各プログラムの内容は大きく異なる。したがって。演出P、P’、Q、Rのプログラムを共通化することはできない。
以上のように、上述のような関係(依存関係、主従関係、排他関係)が存在する場合は演出ごとにプログラムを用意する必要があるが、これは開発コストを上昇につながる。また、プログラム作成の際に各可動体(可動要素)の上記の関係に常に注意を払わなければならず面倒であり、プログラム作成の生産性向上を妨げかねない。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、互いに他の可動体の状態に応じてその動きに制約が加えられる関係にある複数の可動体を備える遊技機において、それらの制御プログラムの作成を容易に行えるようにし、開発コストを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
この発明は、演出に関する処理を行う処理部(サブ基板)と、可動要素と、前記可動要素を動かす駆動部と、前記可動要素を検知するセンサとを含み、前記演出に用いられる可動体を複数備える遊技機において、
複数の前記可動体は、互いに他の前記可動体の状態に応じてその動きに制約が加えられる関係にあり、
複数の前記可動体にそれぞれ予め定められた動作を行わせるための複数の動作テーブルを記憶する第1記憶部(ROM)と、
複数の前記可動体の前記状態に対応する情報が設定されるイベントフラグを記憶する第2記憶部(RWM)とを備え、
前記動作テーブルは、前記可動体を動かす際に他の前記可動体により動きに制約が加えられるかどうかを判定するためのイベントフラグ検証設定データを含み、
前記処理部は、複数の前記可動体のいずれかに前記演出に係る所定の動作(以下「演出動作」)を行わせるとき、
前記動作テーブルから前記演出動作に対応する前記イベントフラグ検証設定データを読み出す第1ステップと、
読み出した前記イベントフラグ検証設定データを前記イベントフラグと比較する第2ステップと、
前記第2ステップの比較結果により他の前記可動体の前記状態が前記演出動作に制約を加えないと判定されたとき、前記可動体に前記演出動作を行わせる第3ステップを実行する。
前記動作テーブルは、さらに、他の前記可動体による制約を受けない動きに係る処理を指定する情報(移動先アドレス)を含み、
前記処理部は、前記第2ステップの比較結果により他の前記可動体の前記状態が前記演出動作に制約を加えないと判定されなかったときに、前記情報(移動先アドレス)に基づき処理を実行し、
その後、前記第2ステップを再度実行する。
前記情報(移動先アドレス)に基づき実行する処理は、前記演出動作に制約を加えている他の前記可動体の前記状態を、当該制約を解消するように他の前記可動体を動かす処理であり、
前記動作テーブルから前記演出動作に対応する前記イベントフラグ検証設定データを読み出す第1ステップと、
読み出した前記イベントフラグ検証設定データを前記イベントフラグと比較する第2ステップと、
前記第2ステップの比較結果により他の前記可動体の前記状態が前記演出動作に制約を加えないと判定されたとき、前記可動体に前記演出動作を行わせる第3ステップを実行するものである。
さらに、前記第2ステップの比較結果により他の前記可動体の前記状態が前記演出動作に制約を加えないと判定されなかったときに、前記情報(移動先アドレス)に基づき処理を実行し(移動先で、さらに第1ステップ乃至第3ステップを実行し)、
その後、前記第2ステップを再度実行するようにしてもよい。
前記可動体に前記演出動作を行わせたとき、
前記イベントフラグに前記イベントフラグ検証設定データを代入し、
前記イベントフラグに前記イベントフラグ検証設定データを加算し、又は、
前記イベントフラグと前記イベントフラグ検証設定データの論理和又は論理積を求めることにより、前記イベントフラグを更新するようにしてもよい。
前記第3ステップにおいて、
前記イベントフラグと前記イベントフラグ検証設定データが一致したとき、
前記イベントフラグが前記イベントフラグ検証設定データ以上であるとき、又は、
前記イベントフラグと前記イベントフラグ検証設定データの論理和又は論理積が真であるとき、他の前記可動体の前記状態が前記演出動作に制約を加えないと判定するようにしてもよい。
複数の前記可動体の前記駆動部には、予め固有の識別番号(ID)が与えられ、
前記可動体に前記演出動作を行わせたとき、前記イベントフラグの前記識別番号に対応する位置のビットを設定又は解除することにより、前記イベントフラグを更新するようにしてもよい。
前記第3ステップにおいて、
前記イベントフラグの前記識別番号に対応する位置のビットと、前記イベントフラグ検証設定データの前記識別番号に対応する位置のビットの内容が一致しているとき、他の前記可動体の前記状態が前記演出動作に制約を加えないと判定するようにしてもよい。
この発明によれば、動作開始前に関連する可動体の状態をイベントフラグに基づき判断するので、プログラムの判断が不要になりプログラム作成の負担を軽減できる。この発明では、可動体毎の判断のために専用のプログラムを用意する必要がなく、動作テーブルの解析プログラムの一環として組み込まれた内容を用いることができる。このため、特殊なプログラムスキルを必要とせず、柔軟な動作定義をデータの作成のみで行うことができる。
前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 スロットマシンのブロック図である。 スロットマシンの遊技処理のフローチャートである。 発明の実施の形態に係る遊技機のサブ基板のハードウエアブロック図である。 発明の実施の形態に係る動作テーブルの説明図である。 発明の実施の形態に係るイベントフラグの説明図である。 発明の実施の形態に係る可動体制御処理の説明図である。 発明の実施の形態に係る処理フローチャートである。 発明の実施の形態に係るイベントフラグ設定(操作)命令とイベントフラグ検証命令の説明図である。 発明の実施の形態に係る、互いに他の可動体の状態に応じてその動きに制約が加えられる関係にある複数の可動体の説明図である。 発明の実施の形態に係る、互いに他の可動体の状態に応じてその動きに制約が加えられる関係にある複数の可動体の説明図である(続き)。 従来の可動体制御処理の説明図である。
<遊技機の構造>
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。なお、以下の説明において、上、下、左又は右の方向は、特に断らない限り、スロットマシンに対向している遊技者から見た方向を指すものとする。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、スロットマシン筐体120と、このスロットマシン筐体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前扉130は、それぞれ独立に開閉可能な上扉130Uと下扉130Lとを備えている。
前記前扉130の前面の右上隅には、ゲーム表示部131を設けている。遊技者はゲーム表示部131を通してリールユニット203の3つのリールを見ることができる。
上扉130Uの上面の右側に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の左側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133を設けている。
上扉130Uの上面の左側にはゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設け、スタートスイッチ134とメダル投入口132の間に、3つのリールのそれぞれに対応して3つのストップボタン140を設けている。
上扉130Uの中央には液晶パネルLCD1を設け、下扉130Lにはほぼその全面にわたって液晶パネルLCD2を設けている。
下扉130Lの上面の中央、すなわち、ストップボタン140の上、ベットスイッチBETとメダル投入口132の間には、操作部としてのスイッチ(十字キーユニット)SWを設けている。スイッチSWは、例えばカーソルを上下左右に動かすカーソルキー(スイッチ)や操作の確定ボタン・キャンセルボタンなどを含む。
スロットマシン100の左右端にはそれぞれ電飾DRU、DRL、DLU、DLLを設けている。すなわち、上扉130Uの左端に電飾DLUを設け、右端に電飾DRUを設けるとともに、下扉130Lの左端に電飾DLLを設け、右端に電飾DRLを設けている。電飾DRU、DRL、DLU、DLLは、それぞれその内部に発光素子(LED)を備えている。
スロットマシン筐体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを下扉130Lの前面下部に設けた払出し口に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に多数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン筐体120の内部には、上扉130Uを閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個のリールからなるリールユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つのリール(第1リール〜第3リール)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転リールの図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205を設けている。
図2に示すように、下扉130Lの背面にはメダル(コイン)セレクタ1が、下扉130L上面のメダル投入口132の下部に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って下扉130L下部の払出し口に連通する導出路136を設けている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口から遊技者に返却される。
スロットマシン筐体120の内部、リールユニット203の下側にはメイン基板10が取り付けられている。メイン基板10には、遊技に関する内部設定(例えば、複数の抽選テーブルのどれを使用するか)を行うための設定変更スイッチSSWを設けている。上扉130Uの背面中央下部にはサブ基板20が取り付けられている。
スロットマシン筐体120の内部の左上隅には低音スピーカSPLを設けるとともに、下扉130Lの下部には標準的な音域をカバーする2つのスピーカSPを設けている。
図3はスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図3では示していないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部(図2の電源部205)を備える。
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。メイン基板10やサブ基板を含む基板は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。具体的には、メイン基板10とサブ基板20はカシメにより一体となり取り付けられるとともに、メイン基板10とサブ基板20の全体を覆う一体のケースによりカバーされている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、回胴の回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。サブ基板20は、演出に用いる乱数を発生する手段を備えている。
以下、メイン基板とサブ基板について詳しく説明する。
<メイン基板>
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134、ストップボタン140、リール(回胴)ユニット203、設定変更スイッチSSW、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2を設けている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に取り付けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
リールユニット203は、3つの回胴40a〜40cと、これらをそれぞれ回転させるステッピングモータ155a〜155cと、それらの位置をそれぞれ検出する回胴位置検出器(インデックスセンサ)159a〜159cとを備える(なお、ステッピングモータ155a〜155cを単にモータ155あるいはモータと記すことがある)。
回胴制御手段1300は、回胴40a〜40cそれぞれが1回転する毎にインデックスセンサ159で検出される基準位置信号に基づいて、回胴40の基準位置(図示しないインデックスによって特定されるコマ)からの回転角度を求める(ステップモータの回転軸の回転ステップ数をカウントする)ことによって、現在の回胴40の回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、回胴40の基準位置からの回転角度を求めることにより、ストップボタン140の作動時における回胴40の位置を得ることができる。
なお、以下の説明において、任意のひとつ又は複数の回胴を示すときは符号40を使用し、3つの回胴をそれぞれ区別して示すときは符号40a〜40cを使用することにする。
ホッパ駆動部80は、ホッパ81の図示しない回転ディスクを回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
投入受付部(投入受付手段)1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1回胴〜第3回胴の回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1回胴〜第3回胴の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。スタートスイッチ134が押下され各回胴の回転が開始した時点(遊技開始時点)から3つのストップボタン140が押下され各回胴の回転が停止した時点(入賞した場合はメダル払い出しが完了した時点)(遊技終了時点)の間であって、メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10は、メダルの投入を受け付ける状態か否かに応じて、ベットスイッチBETの有効/無効を制御する。また、前記遊技終了時点から前記遊技開始時点までの間でベットスイッチBETは有効となるが、これ以外の期間においては(BETスイッチの押下が許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1100から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
抽選テーブル選択処理により、抽選の内容は所定の範囲内で設定可能(当選の確率を高くしたり低くしたりできる)であり、遊技機が設置されるホールなどにおいて店側により設定作業が行われる。この設定作業で使用するスイッチが設定変更スイッチSSWである。
通常の遊技機は、BB,RB、小役等の抽選確率の異なる複数(例えば6つ)の抽選テーブルを予め備える。遊技機の抽選では、それら複数の抽選テーブルの中から1つが設定され、この設定された抽選テーブルに基づいて抽選による当たり/ハズレの判定がなされる。複数の抽選テーブルのうちどれを使用するかに関する設定を変更することを、設定の変更(以下、「設定変更」と記す)と称している。
従来、例えばスロットマシンのような遊技機では、設定値(通常1〜6)を変更する場合、遊技機の扉を開け、メイン基板10に設けられた設定変更スイッチSSWのキースイッチに設定変更キーを挿入して当該キースイッチをオンにした状態で遊技機の電源を投入して設定変更可能な状態にし、設定変更スイッチSSWの設定変更ボタン(押ボタン)を1回押下するごとに、7セグメント表示器などに表示される設定値がインクリメントされて1〜6までの値を循環的に変化させ、所望する設定値が表示器に表示されたところでスタートスイッチを操作することで、所望する設定値を確定させている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
回胴制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1回胴〜第3回胴をステッピングモータにより回転駆動して、第1回胴〜第3回胴の回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中の回胴にそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1回胴〜第3回胴を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
また、回胴制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、その回胴停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1回胴〜第3回胴の各回胴を停止させる制御を行う。
すなわち、回胴制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1回胴〜第3回胴のうち押下されたボタンに対応する回胴の停止位置を決定して、決定された停止位置で回胴を停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1回胴〜第3回胴の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1回胴〜第3回胴を停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1回胴〜第3回胴の位置(押下検出位置)と、第1回胴〜第3回胴の実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。滑りコマ数とは、回胴停止時にゲーム表示部から視認できる特定の図柄を基準位置としたときのストップボタン140の操作から対応する回胴の回転停止までの間に当該基準位置を通過する図柄の数をいう。回胴制御手段1300は、各ストップボタン140の操作から190ms以内という条件下で各回胴を停止させるため、滑りコマ数は0以上4以下の範囲内となっている(ただし、80回転/分、図柄数=21個の条件において)。抽選フラグの設定状態に応じて、第1回胴〜第3回胴の停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
前述のように、回胴制御手段1300は、回胴が1回転する毎にインデックスセンサ159で検出される基準位置信号に基づいて、回胴の基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在の回胴の回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップボタン140の作動時における回胴の位置を、回胴の基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
回胴制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とを回胴を停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)回胴を停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)回胴を停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止している回胴の停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各回胴の停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1回胴〜第3回胴を停止させる制御を行っている。
本実施形態の遊技機では、第1回胴〜第3回胴が、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中の回胴を停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各回胴の停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各回胴が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
入賞判定手段1400は、第1回胴〜第3回胴の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1回胴〜第3回胴の全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。例えば、ストップボタン140の操作によって回胴を停止させた際に所定の出目が表示されるとリプレイの当選確率が変動する。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。
エラー処理部1700は、図示しない扉開閉検知センサ、メダルセンサS1及びS2及びメダル検出部82の出力に基づき遊技機のエラー判定を行い、エラーと判定したときにその旨を報知するとともに、遊技機を所定の状態(例えば、操作を受け付けない状態)にする。
図示しない扉開閉検知センサは、前扉130(上扉130U、下扉130L)が閉じられたことを検知するセンサであり、例えばマイクロスイッチや接点などの電気的スイッチである。当該スイッチは前扉130(上扉130U、下扉130L)が閉じられたときに、前扉130(上扉130U、下扉130L)の裏側にスイッチの作用部が当接することでオン(又はオフ)になり、前扉130(上扉130U、下扉130L)が開放されると作用部が離れてオフ(又はオン)になるものである。扉開閉検知センサは、フォトインタラプタのような光学式のものでもよい。メダルセンサS1及びS2及びメダル検出部82については前述した。
エラー処理部1700は、具体的には次のような動作を行う。
・図示しない扉開閉検知センサの出力に基づき前扉130(上扉130U、下扉130L)の開放を検知したとき、エラー処理を行う。
・メダルセンサS1及びS2の出力に基づきメダルの逆流(センサS1とS2の検知順序が反対になったこと)、メダル滞留(センサS1とS2の検知時間が予め定められた閾値よりも長いこと)などを検知したとき、エラー処理を行う。
・メダル検出部82の出力に基づきメダル詰まり(メダル検出部82の検知時間が予め定められた閾値よりも長いこと)、ホッパーエンプティ(ホッパ駆動部80を動作させているにもかかわらずメダル検出部82がメダルを検知しない)などを検知したとき、エラー処理を行う。
エラー処理部1700は、上記のようにエラーと判定したときにその旨を報知するとともに、遊技機を所定の状態(エラー状態)にするが、この状態は図示しないリセットスイッチにより解除される。リセットスイッチは、例えば電源部205のパネルに設けられる。
なお、サブ基板20で生じるエラーもある。このエラーでは遊技不能状態にはならないが、サブ基板20自身の処理によりエラーが生じたことを液晶表示装置などにより報知することができる。当該エラーは例えば不正なコマンドを受信したとき(暗号化されたコマンドが正しく復号化できなかったときを含む)に発生し、当該エラーは上記リセットスイッチにより解除される(メイン基板10からサブ基板20へリセットコマンドが送られる)。
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
リールユニット203は、3つの回胴40a〜40cを備えるが、3つの回胴40a〜40cそれぞれにひとつづつステッピングモータ155a〜155cが取り付けられている。ステッピングモータ155は、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンの回胴の回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
ステッピングモータは、各相の巻線への電流の与え方を変えることにより、特性を変えることができる(励磁モードが変わる)。二相型については次の通りである。
・一相励磁
常に巻線一相のみに電流を流す。位置決め精度は良い。
・二相励磁
二相に電流を流す。一相励磁の約2倍の出力トルクが得られる。位置決め精度は良く、停止したときの静止トルクが大きいため、停止位置を確実に保持できる。
・一−二相励磁
一相と二相を交互に切り替えて電流を流す。一相励磁・二相励磁の場合のステップ角度の半分にすることができるので、滑らかな回転を得られる。
なお、ステッピングモータを「駆動する」とは、当該モータを上記励磁により回転させることとともに、所望の位置で停止させその位置を保持するために各相を励磁することも含むものとする。
スロットマシンの回胴40a〜40cの駆動に関して、例えば、4相の基本ステップ角度1.43度のステッピングモータを使用し、パルスの出力方法として一−二相励磁を採用している。
10CGは、サブ基板20へ送るコマンドを送信するコマンド送信部である。このコマンドには、当選役の情報に関するコマンド、メダル投入枚数やクレジット枚数(貯留枚数)の情報に関するコマンドなどがある。コマンド送信部10CGは、具体的には、メイン基板10に搭載されたROMに予め書き込まれたプログラムをCPUが実行することで実現される。コマンド送信については、後に説明を加える。
<サブ基板>
サブ基板20には、液晶パネルLCD1及びLCD2、LED基板202B及び202L、スピーカSP、低音スピーカSPL、ソレノイドSN、モータMU及びML、センサSENU及びSENL、スイッチSWが接続されている。LED基板202B、202Lは、データを取得し保持するラッチと電飾であるLEDを内蔵している(LEDは基板の外部に設けられることもある)。これらの構成要素は、サブ基板20により制御されるものであり、映像、光、音響、可動体の動作により演出を行う出力装置、あるいは、可動体の動作を検知するための入力装置または遊技者による操作を受け付ける入力装置である。
サブ基板20は、液晶パネルLCD1及びLCD2を制御するためのビデオコントローラ(VDC)、スピーカSP、低音スピーカSPLを駆動して音響を発生させるためのサウンドコントローラ、ソレノイドSN、モータMU及びMLを駆動するための駆動回路を内蔵している。
上述した液晶パネルなどの構成要素は、低音スピーカSPLを除き、スロットマシン筐体120に内蔵される機種固有ブロックBB、上扉130Uに対応して設けられる上扉ブロックBU、下扉130Lに対応して設けられる下扉ブロックBLの3つのいずれかに区別されて設けられる。
図3の例では、機種固有ブロックBBはソレノイドSN及びLED基板202Bを含み、上扉ブロックBUは、液晶パネルLCD1、モータMU及びこれによる可動体の動作を検知するセンサSENUを含み、下扉ブロックBLは、液晶パネルLCD2、スピーカSP、LED基板202L、モータML、これによる可動体の動作を検知するセンサSENL、カーソルキーなどのスイッチSWを含む。なお、液晶パネルLCD2全体がモータMLにより若干前後に移動可能に構成され、液晶パネルLCD2が前に出た状態で遊技者がこれを押すという操作が可能な場合がある。この場合、下扉ブロックBLのスイッチSWは液晶パネルLCD2の押下を検知するスイッチを含む。
<メイン基板からサブ基板へのコマンド伝送>
サブ基板20はメイン基板10からコマンドをうけ、これに従って演出等の処理を行う。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
サブ基板20は、メイン基板10からのコマンドに従い、例えば、予め定められた画面を液晶パネルLCD1、LCD2に表示させるためのコマンド(表示コマンド、描画コマンド)を発生させる。例えば、アニメーションなどにより演出を行う際には、多数のコマンドを連続的に次々と送信する。
図3において、20CRは、メイン基板10から受けたコマンドを受信するコマンド受信部である。コマンド受信部20CRは、具体的には、サブ基板20に搭載されたROMに予め書き込まれたプログラムをCPUが実行することで実現される。
上記コマンドとして、サブ基板20側のソフトウエアで当選内容を示唆する演出を行うためのものがある。例えば、下記ATのように、出玉を得るための示唆を液晶表示装置に表示して遊技者の操作の便宜の提供(アシスト)を図っている。当該示唆は常時出されるわけではなく、特定の場合に出される。
遊技機は、液晶表示装置、スピーカや表示ランプ等からなる演出表示装置を備える。この演出表示装置はサブ基板20により制御され、遊技者に入賞等を報知したり、いわゆるアシストタイム(AT)において、一定ゲーム間に特定の小役を台自体が何らかのアクションを伴ってユーザに教えたりするためのものである。(アシストタイム(AT):特定の小役が成立しても遊技者がリールの図柄を揃えないと払い戻しがない。小役による払い出しを確実にするために、ビッグボーナス終了後(もしくは成立時)あるいはその他の任意の契機にアシストタイムを抽選し、これに当選すると一定ゲーム間は特定の小役を揃えさせるための操作を何らかのアクションを伴って遊技者に教えるという機能)
コマンド受信部20CRは、メイン基板10から受けたコマンドを受信する。例えば、シリアルデータとして受けたコマンドを直列−並列変換器(シフトレジスタ)に入力し、一定のデータ(例えば8ビット)ごとに出力する。この出力されたデータがコマンドとしてサブ基板20のCPUに渡され、解釈・実行される。
次に、メイン基板10における遊技処理について図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図4の処理が開始される。
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始する。そして、次のステップS4に進む。
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
図5は、サブ基板20のハードウエア構成の説明図である。複数のビット(配線)からなるBUSに、CPU(処理装置)、ROM(不揮発性記憶部)、RWM(読み出し及び書き込み可能なメモリ)及びI/O(入出力装置)などが接続されている。
I/Oは、例えば通信処理用のICであり、所定のプロトコルにしたがってデータ通信を行う。図示しないレジスタにアドレス及びデータを設定することで、複数の可動体の駆動部及びセンサなど、具体的にはセンサSENU、SENL、モータMU、ML、ソレノイドSNなどとの通信を行う。
遊技機において可動体の構造が大きく異なっていても、その動作自体は回転方向・動作速度・移動距離・センサ検知対象など比較的要素が限られている。この為、それぞれの要素をデータとしてテーブル化し、その内容を解析するプログラムを用いてモータ・センサを動作させることが多い。このとき、構造上の関係から複数の可動体で主従関係や排他関係が発生する場合があり、その内容を考慮しながら動作を行うように、発明の実施の形態ではイベントフラグを用いる。
DTLは、複数の可動体にそれぞれ予め定められた動作を行わせるための動作テーブルである。複数の可動体それぞれについて動作テーブルが予め用意されている。EVFは、複数の可動体の状態に対応する情報が設定されるイベントフラグである。
図6は、動作テーブルDTLの説明図である。動作テーブルDTLは、図11及び図12に示すような、複数の可動体が互いに他の可動体の状態に応じてその動きに制約が加えられる関係(依存関係、主従関係、排他関係)が存在し、そのような複数の可動体(可動役物)を備える遊技機の制御のためのものである。
図11及び図12の複数の可動体は、前述のように、3つの可動体の可動要素51−1乃至51−3を示し、可動要素を動かす駆動部と、可動要素を検知するセンサの表示は省略している。
可動要素51−1と51−2は、それぞれ支点P1、P2を中心に約90度回転するようになっている。デフォルトで可動要素51−1と51−2は、図11(a)の水平状態(実線)であり、駆動されることにより垂直状態(点線)となる。
可動要素51−3は直線上を上下するようになっている。デフォルトで可動要素51−3は図11(a)の下側(実線)にあり、駆動されることにより上側(点線)に移動する。
各可動要素を図11(a)から図12(b)のように動かすには、まず可動要素51−1を開き、次に可動要素51−2に開き、最後に可動要素51−3を上に動かす(図11(b)乃至13(b))。逆に、図12(b)から図11(a)に戻すときは、まず可動要素51−3を下げ、次に可動要素51−2に閉じ、最後に可動要素51−1を閉じる。このような手順を踏まないとひとつの可動要素が他の可動要素にぶつかり、正常に動作できない。
図11及び図12は、機械的・物理的な制約による関係を示していたが、他に電気的な制約により関係(依存関係、主従関係、排他関係)が生じる場合もある。例えば、モータの消費電流が大きく、全てを同時に動かすと電源に負担が掛かり過ぎるような場合に、モータの消費電流の和が電源の許容範囲に納まるような特定の複数の組み合わせが定められており、これら組み合わせに従って可動体を順番に動作させることが考えられる。あるいは、演出上の制約により関係(依存関係、主従関係、排他関係)が生じることも考えられる。
図6の演出Pの動作テーブルは、例えば、図12(b)のように可動要素51−3を上に動かすためのものである。演出Qの動作テーブルは、例えば、図12(a)のように可動要素51−2を右上に跳ね上げるためのものである。演出Rの動作テーブルは、例えば、図11(b)のように可動要素51−1を左上に跳ね上げるためのものである。
各動作テーブルは、それぞれ、可動体を動かす際に他の可動体により動きに制約が加えられるかどうか(指定された動作を直ちに行っても問題ないかどうか)を判定するためのイベントフラグ検証設定データと、他の可動体による制約を受けるときに、それを解消するための処理(他の演出の動作)を指定する情報である移動先アドレスを含む。正確には、後述の図9のS102で他の可動体の状態が演出動作に制約を加えないと判定されなかったとき、すなわち動作テーブルに基づき実行しようとした演出処理(可動体の動作処理)が他の可動体の影響により実行できないことが判明したとき、移動先アドレスに基づき処理が実行される(移動先アドレスにジャンプする)。
移動先アドレスは、上記制約を解消するように定められる。この点については後にさらに説明を加える。
なお、上記は一例であり、移動先アドレスは、単に、他の任意の処理を行わせるものであってもよい。
図7は、イベントフラグEVFの説明図である。この図はA乃至Cの3ビットのフラグを示す。これは、図11及び図12の可動体(可動要素51−1乃至51−3)に対応する一例である。可動体の数に応じてフラグのビット数を増減させることができる。
図7において、A乃至Cは、それぞれ可動要素51−1乃至51−3のイベントフラグである。四角の箱の中の数値は、0はイベントフラグがセットされていない(演出Pでは可動体の動きに制約が生じている)ことを示し、1はイベントフラグがセットされている(演出Pでは可動体の動きに制約が生じていない)ことを示している。図11及び図12の例では、図11(a)の実線の状態のときに0がセットされ、点線の状態のときに1がセットされる。
なお、上記で制約を加える/加えないは説明の便宜上のものであり、0と1の演出上の意味はその動作により変化する。例えば、可動要素51−3を上に動かす演出Pの場合は1が他の可動体の動きに制約を加えないことを示すが、反対に可動要素51−3を下に戻してから可動要素51−1を閉じる場合は0が他の可動体の動きに制約を加えないことを示す。したがって、イベントフラグEVFの0、1は動きの制約を示すとともに、可動体の状態を示すものと言える。
図7(b)乃至図7(e)は、それぞれ、可動要素51−1乃至51−3が図11(a)(b),図12(a)(b)の状態であるときのイベントフラグEVFの内容を示す。
動作テーブルDTLの移動先アドレスは、上記制約を解消するように定められるが、具体的にはイベントフラグEVFを変化させる(他の可動体の動きに制約を加えないように0又は1に変化させる)ように、可動体を動かす処理のジャンプ先である。
図8は、発明の実施の形態に係る処理の説明図である。この図の符号2000は、図6の動作テーブルDTLに対応している。図8の処理(及び図9の処理)は、サブ基板20のCPUにより実行される。
演出P乃至演出Rの処理2000P乃至2000Rは、それぞれ独立に可動体A乃至可動体Cの処理2100乃至2300を実行する。処理2000P乃至2000Rはひとつの可動体に対する操作を行う。例えば、演出Pの処理は可動体C(可動要素51−3)のみを操作する。この点で、図13の複数の可動体A、B、Cを操作する演出Pの処理とは異なる。
処理2100乃至2300は、それぞれイベントフラグ処理2110乃至2310を含み、その処理の際に共通のイベントフラグEVFにアクセスする。
可動体A乃至可動体Cの処理2100乃至2300は共通の処理であり、例えば図9のような処理である。
S100:可動体Xの動作定義を設定する。
可動体Xは、任意の可動体A、B、Cを示す。可動体の処理を行う際には動作テーブルからひとつの演出の動作テーブルが指定される。当該演出の動作テーブルに基づき動作定義を設定する。例えば、演出Pであれば可動体C(可動要素51−3)を上に動かすための一連の動作定義を設定する。
S101:イベントフラグEVFを読み出す。
S102:読み出したイベントフラグEVFの内容を、指定された演出の動作テーブルのイベントフラグ検証設定データと比較する。
比較の結果、他の可動体の状態が可動体の動作定義による演出動作に制約を加えないと判定されたとき、S103乃至S105の処理を行う。そのように判定されなかったときはS106及びS107の処理を行う。
S103:動作定義に従い可動体Xを動かす。この処理は公知であるので、説明は省略する。
S104:イベントフラグEVFへ可動体の動作後の状態を書き込む。
例えば、動作後に図11(a)(b)、図12(a)(b)のいずれかの状態になったとき、図7(b)乃至図7(e)のようにイベントフラグEVFを設定する。
S105:可動体Xを動かした後に所定の処理に復帰する。
可動体の動作処理が直接呼び出された場合は元の処理(例えばメインループの処理)に戻る。これに対して、動作テーブルDTLの他の処理から呼び出された処理(例えば演出Pの処理から呼ばれた演出Qの処理)であれば、元の処理(演出P)に戻る。
S106:可動体Xの処理を、一旦中止する。
制約により可動体Xを動かせないのであるからその動作を中止する。その制約が解消して復帰(S105)した後に再開する(S101〜の処理が再度実行される)。
S107:移動先アドレスにジャンプする。
ジャンプ先が他の動作テーブルによる処理(例えば、演出Pから演出Q)に移動する。そこで、S100〜の処理が実行される。
なお、ジャンプ先が他の動作テーブルでなくてもよい。例えば、演出Pを打ち切って、全く異なる別の処理を行うようにしてもよい。メインループの処理に戻るようにしてもよい。
また、制約なしの場合にのみS103を実行し、制約ありの場合はS107を実行することなく可動体Xの処理そのものを打ち切ってもよい。
以上の処理について、図11及び図12の例を参照して具体的に説明を加える。
S100の動作定義としての図6の演出Pの動作テーブルは、図12(b)のように可動要素51−3を上に動かすものであるが、そのためにはイベントフラグEVFのA=1かつB=1でなければならない(ここで、1は可動要素51−1,51−2が跳ね上げられている状態を示す)。演出Pのイベントフラグ検証設定データは「*11」(左端のビットは0,1いずれでもよい)である。もし、B=0であればこれを1に変化させるための処理、例えば処理Qの処理を行う必要があるので、そこへジャンプする(S106)。この場合、処理Pの移動先アドレスは、演出Qのアドレスである。
S100の動作定義としての図6の演出Qの動作テーブルが指定される。処理Qで可動要素51−2を跳ね上げるには、A=1でなければならない。演出Qのイベントフラグ検証設定データは「**1」(*は0,1いずれでもよい)である。A=0であればこれを1に変化させるための処理、例えば処理Rの処理を行う必要があるので、そこへジャンプする(S106)。この場合、処理Qの移動先アドレスは、演出Rのアドレスである。
S100の動作定義としての図6の演出Rの動作テーブルが指定される。演出Qのイベントフラグ検証設定データは「***」(*は0,1いずれでもよい)である。処理Rで可動要素51−1を跳ね上げることに対し他の可動体による制約はないから(S102で「制約なし」と判定される)、処理Rで可動要素51−1を跳ね上げ(S103)、A=1とすることができる(S104)。そして、元の処理(この場合、処理Q、そして処理P)に復帰する。以上の手順により、イベントフラグが「000」であっても、処理Rにより「001」、処理Qにより「011」となり、処理Pを実行することができるようになる。
A=1又はB=1の場合は上記と異なる。図11及び図12の例では、B=1であれば当然にA=1であるから、処理Pで直ちに(処理Q、Rを実行することなく)可動要素51−3を上に動かすことができる(S102で「制約なし」、S103、S104)。つまり、イベントフラグが「011」であるから、処理Pを直ちに実行することができる。
A=1、B=0であれば、処理Q、処理Pの順番で処理を実行し(処理Rを実行することなく)、可動要素51−3を上に動かすことができる。イベントフラグが「001」であっても、処理Qにより「011」となり、処理Pを実行することができるようになる。
発明の実施の形態では、処理Pを指定することで、制約がある場合には処理R、処理Q、処理Pが順番に実行され、制約が自動的に解除される。いわば、処理が入れ子のように実行される(入れ子の構造とせずに、制約なしの場合にのみ可動体を動かし、制約ありの場合は可動体を動作させずに処理を打ち切るようにもできる)。
以上の説明で理解できるように、発明の実施の形態に係る遊技機においては、動作開始前に関連する可動体の状態をプログラムで判断し、問題ないことを確認する必要がなく、プログラム作成の負担を軽減できる。発明の実施の形態では、可動体毎に専用の判断プログラムを用意する必要がなく、動作テーブルの解析プログラムの一環として組み込まれた内容を用いることができる。このため、特殊なプログラムスキルを必要とせず、柔軟な動作定義をデータの作成のみで行うことができる。
また、可動体による演出を行う際に、動かしたい可動体についてのみ動作テーブルを用意すれば足りる。図6の演出Pは可動要素51−3のみの動きを規定するテーブル/プログラムである。演出Q、Rも同様である。図13のように、ひとつの可動体を動かす場合に複数の可動体に一連の動きをさせるための複数のプログラム/テーブルを用意する必要がない。
以上のように、発明の実施の形態に係る遊技機の開発に際して、プログラム/テーブル作成の際に各可動体(可動要素)の関係に注意を払う必要がなく簡単である。プログラム作成の生産性向上が期待できる。
イベントフラグ処理2110、2210、2310を行うための命令(コマンド)について説明を加える。
図10(a)は、イベントフラグ設定(操作)命令を示す。この命令は、図9のS104で使用される。
この命令は、少なくとも、イベントフラグ設定(操作)命令であることを示す「イベントフラグ設定モード」の部分(ここに所定のコードが設定されている)と、設定すべきデータである「イベントフラグ検証設定データ」の部分(ここに所定のデータが設定されている)とを備える。他に、イベントフラグ操作命令であることを識別するためのヘッダ(イベントフラグ設定(操作)命令であることを示すサブコードを含む)、イベントフラグが複数存在する時に、それらのいずれかを指定するためのイベントフラグIDを含んでいてもよい。
「イベントフラグ設定モード」にはイベントフラグ設定(操作)命令であることを示す情報だけでなく、イベントフラグを設定する方法を指定する情報が含まれる。この方法は例えば次のようなものである。
(1)イベントフラグにイベントフラグ検証設定データを代入する。
(2)イベントフラグの内容を読み出し、読み出した値にイベントフラグ検証設定データを加算し、その結果をイベントフラグに書き込む。
(3)イベントフラグとイベントフラグ検証設定データの論理和を求めてイベントフラグに書き込む。
(4)イベントフラグとイベントフラグ検証設定データの論理積を求めてイベントフラグに書き込む。
(5)複数の可動体の駆動部にそれぞれ予め固有の識別番号(ID)が与えられているとき、イベントフラグの識別番号に対応する位置のビットを設定する。
(6)複数の可動体の駆動部にそれぞれ予め固有の識別番号(ID)が与えられているとき、イベントフラグの識別番号に対応する位置のビットを解除する。
イベントフラグを設定する方法を指定する情報により、(1)〜(6)のいずれかが選択される。
(1)代入は、前述の演出Rでは問題がないが、演出P、Qの場合は他の可動体のビットを解除してしまうので好ましくない。演出P、Qの場合は(2)又は(4)が好ましい。図12(b)から図11(a)に戻す場合には(3)が好ましい。
(5)及び(6)は設定されているビット(1のビット)の数を数えることにより同時に駆動する駆動部の数を容易に把握でき、その数に応じて演出の可否を決定する場合に好適である。例えば、電気的な制約により関係(依存関係、主従関係、排他関係)が生じている場合、例えば、モータの消費電流が大きく、全てを同時に動かすと電源に負担が掛かり過ぎるような場合に、モータの消費電流の和が電源の許容範囲に納まるように動作さあせることが考えられる。
(1)〜(6)のいずれかを使用するかは、演出の内容とイベントフラグ検証設定データの内容に応じて適宜設定される。
図10(b)は、イベントフラグ検証命令を示す。この命令は、図9のS102で使用される。
この命令は、少なくとも、イベントフラグ検証命令であることを示す「イベントフラグ比較モード」の部分(ここに所定のコードが設定されている)と、設定すべきデータである「イベントフラグ検証設定データ」の部分(ここに所定のデータが設定されている)と、検証結果が偽であるときのジャンプ先である「移動先アドレス」とを備える。他に、イベントフラグ操作命令であることを識別するためのヘッダ(イベントフラグ検証命令であることを示すサブコードを含む)、イベントフラグが複数存在する時に、それらのいずれかを指定するためのイベントフラグIDを含んでいてもよい。
「イベントフラグ比較モード」にはイベントフラグ検証命令であることを示す情報だけでなく、イベントフラグを検証する方法を指定する情報が含まれる。この方法は例えば次のようなものである。
(1)イベントフラグがイベントフラグ検証設定データに一致しているか。
(2)イベントフラグがイベントフラグ検証設定データ以上であるか。
(3)イベントフラグとイベントフラグ検証設定データの論理和を求め、その結果が真/偽どちらであるか。例えば、論理和=0のとき真であるとする。
(4)イベントフラグとイベントフラグ検証設定データの論理積を求め、その結果が真/偽どちらであるか。例えば、論理積=1のとき真であるとする。
(5)複数の可動体の駆動部にそれぞれ予め固有の識別番号(ID)が与えられているとき、イベントフラグの識別番号(ID)に対応する位置のビットと、イベントフラグ検証設定データの識別番号(ID)に対応する位置のビットの内容が一致しているかどうか調べる。一致しているとき、他の前記可動体の前記状態が前記演出動作に制約を加えないと判定する。または、イベントフラグで設定(=1)されているビットの数を数えるようにしてもよい。この場合、図9のS102において設定されているビットの数に応じて分岐先が異なるようになる。
イベントフラグを検証する方法を指定する情報により、(1)〜(5)のいずれかが選択される。
(1)〜(5)のいずれかを使用するかは、演出の内容とイベントフラグ検証設定データの内容に応じて適宜設定される。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
20 サブ基板(処理部)
51−1〜51−3 可動要素
DTL 動作テーブル
EVF イベントフラグ
SN ソレノイド(駆動部)
MU、ML モータ(駆動部)
SENU、SENL センサ
ROM 読み出し専用メモリ(第1記憶部)
RWM 読み出し書き込みメモリ(第2記憶部)

Claims (6)

  1. 演出に関する処理を行う処理部と、可動要素と、前記可動要素を動かす駆動部と、前記可動要素を検知するセンサとを含み、前記演出に用いられる可動体を複数備える遊技機において、
    複数の前記可動体は、互いに他の前記可動体の状態に応じてその動きに制約が加えられる関係にあり、
    複数の前記可動体にそれぞれ予め定められた動作を行わせるための複数の動作テーブルを記憶する第1記憶部と、
    複数の前記可動体の前記状態に対応する情報が設定されるイベントフラグを記憶する第2記憶部とを備え、
    前記動作テーブルは、前記可動体を動かす際に他の前記可動体により動きに制約が加えられるかどうかを判定するためのイベントフラグ検証設定データを含み、
    前記処理部は、複数の前記可動体のいずれかに前記演出に係る所定の動作(以下「演出動作」)を行わせるとき、
    前記動作テーブルから前記演出動作に対応する前記イベントフラグ検証設定データを読み出す第1ステップと、
    読み出した前記イベントフラグ検証設定データを前記イベントフラグと比較する第2ステップと、
    前記第2ステップの比較結果により他の前記可動体の前記状態が前記演出動作に制約を加えないと判定されたとき、前記可動体に前記演出動作を行わせる第3ステップを実行することを特徴とする遊技機。
  2. 前記動作テーブルは、さらに、他の前記可動体による制約を受けない動きに係る処理を指定する情報を含み、
    前記処理部は、前記第2ステップの比較結果により他の前記可動体の前記状態が前記演出動作に制約を加えないと判定されなかったときに、前記情報に基づき処理を実行し、
    その後、前記第2ステップを再度実行することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記可動体に前記演出動作を行わせたとき、
    前記イベントフラグに前記イベントフラグ検証設定データを代入し、
    前記イベントフラグに前記イベントフラグ検証設定データを加算し、又は、
    前記イベントフラグと前記イベントフラグ検証設定データの論理和又は論理積を求めることにより、前記イベントフラグを更新することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
  4. 前記第3ステップにおいて、
    前記イベントフラグと前記イベントフラグ検証設定データが一致したとき、
    前記イベントフラグが前記イベントフラグ検証設定データ以上であるとき、又は、
    前記イベントフラグと前記イベントフラグ検証設定データの論理和又は論理積が真であるとき、他の前記可動体の前記状態が前記演出動作に制約を加えないと判定することを特徴とする請求項3記載の遊技機。
  5. 複数の前記可動体の前記駆動部には、予め固有の識別番号が与えられ、
    前記可動体に前記演出動作を行わせたとき、前記イベントフラグの前記識別番号に対応する位置のビットを設定又は解除することにより、前記イベントフラグを更新することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
  6. 前記第3ステップにおいて、
    前記イベントフラグの前記識別番号に対応する位置のビットと、前記イベントフラグ検証設定データの前記識別番号に対応する位置のビットの内容が一致しているとき、他の前記可動体の前記状態が前記演出動作に制約を加えないと判定することを特徴とする請求項5記載の遊技機。
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