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JP2016525166A - 難燃化熱可塑性成形組成物 - Google Patents

難燃化熱可塑性成形組成物 Download PDF

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JP2016525166A JP2016526533A JP2016526533A JP2016525166A JP 2016525166 A JP2016525166 A JP 2016525166A JP 2016526533 A JP2016526533 A JP 2016526533A JP 2016526533 A JP2016526533 A JP 2016526533A JP 2016525166 A JP2016525166 A JP 2016525166A
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Abstract

本発明は、(A)ポリアミドと(B)ホスフィン酸および/またはジホスフィン酸の金属塩を含む難燃剤系と(C)繊維強化材もしくは(D)無機充填剤のいずれかまたは(C)および(D)の組み合わせとを含む難燃化熱可塑性成形組成物であって、(A)が、テレフタル酸とC2〜C8ジアミンから選択されかつ最大7のモル平均炭素原子数を有するジアミンとから主として誘導される反復単位からなる少なくとも310℃の融解温度を有する半結晶質半芳香族ポリアミド(A1)から主になる、難燃化熱可塑性成形組成物に関する。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、熱可塑性ポリアミドと難燃剤系とを含む難燃化熱可塑性成形組成物、さらに特定すれば、半結晶質半芳香族ポリアミドと(ジ)ホスフィン酸金属難燃剤と繊維強化材とを含む繊維強化ハロゲン非含有難燃性組成物、ならびにその調製および加工、ならびにそれで作られた成形品および押出品に関する。
半結晶質半芳香族ポリアミドは、比較的高い融解温度のため、特に300℃以上より高い融解温度を有するものは、多くの用途にとって商業的に興味深い。そのようなポリアミドは、一般的に、ジアミンおよびジカルボン酸から得られるコポリアミドであり、そのジカルボン酸は、テレフタル酸、またはテレフタル酸とイソフタル酸もしくはアジピン酸もしくはその両方との組み合わせを含む。そのジアミンもまた、異なるジアミンの混合物を含み得る。
難燃化熱可塑性成形組成物は、電気および電子部品ならびに電気および電子用途の分野において広く使用されている。この分野において、良好な機械的性質(高温でのそのような性質の保持を伴う)、良好な寸法安定性、高い加熱撓み温度、および高い表面温度を伴う半田付け処理の間における良好な耐膨れ性を有する高分子材料に対する必要性が存在するが、そうした組成物は、ハロゲン非含有である、またはハロゲン非含有難燃剤系により難燃化される。
そのような用途のために、300〜320℃の範囲内の融解温度を有する半結晶質半芳香族ポリアミド(例えば、PA6T/66、PA6T/46、PA9TおよびPA10T、ならびにそれらのコポリアミド)に基づく熱可塑性成形組成物が市場に導入された。ハロゲン非含有難燃剤としては、リンまたはリンおよび窒素含有難燃剤が使用されつつある。しかしながら、これらの用途において、そうした難燃剤は、問題源となることが多い。
種々のN含有およびまたはP含有化合物を含むハロゲン非含有難燃剤系が広く利用可能であるが、しかしながら、ハロゲン非含有難燃剤は、それらの固有の限られた熱安定性のために問題をもたらす。それらの使用は、特定の温度より下で加工され得るポリマーに限定される。メラミンおよびシアヌル酸メラミンがより低い融点のポリアミド(例えば、PA6およびPA66)において採用されるのに対して、より高い融点のポリアミドは、メラミン縮合物、ポリホスフェート化合物および(ジ)ホスフィン酸金属塩などのより安定な難燃剤を必要とする。
窒素含有難燃剤は、そうした化合物の調製および加工の間に適用される高い温度の結果としてのガス発生および金型付着物のために、それらの使用が制限される。
リン含有難燃剤、特に(ジ)ホスフィン酸金属難燃剤は、一般的に、同じ加工条件において窒素含有難燃剤よりも少ないガス発生および金型付着物を示すが、ポリマー加工装置の損傷に繋がり得る腐食問題を呈する。しかしながら、より高い加工温度を適用すると、(ジ)ホスフィン酸金属難燃剤を含む組成物もまた、難燃剤の分解によるガス発生の増加および重量減少をもたらすことが観察された。305〜325℃の融解温度を有する半結晶質半芳香族ポリアミドと、(ジ)ホスフィン酸金属難燃剤と、繊維強化材とを含む繊維強化ハロゲン非含有難燃性組成物は、約340℃以上の温度での配合または成形において加工される場合にガス発生問題を示す。ガス発生は、金型付着物およびベント閉塞に繋がり、洗浄サイクル頻度の増加による生産能力の低下を結果としてもたらす。この問題は、そのような組成物の使用を制限するだけでなく、さらにより良好な高温特性を有する組成物の開発も制限する。
さらにより良好な熱的性質を有する難燃化熱可塑性成形組成物に対する必要性が存在する。
したがって、本発明の目的は、改善されたガス発生挙動を示しながら良好な機械的性質および良好な高温特性を有する、熱可塑性ポリアミドと難燃剤系と繊維強化材とを含む難燃化熱可塑性成形組成物を提供することである。
この目的は、請求項1に記載されるように、
(A)ポリアミドと、
(B)ホスフィン酸および/またはジホスフィン酸の金属塩(B1)を含む難燃剤系と、
(C)繊維強化材もしくは
(D)無機充填剤のいずれか、または
(C)および(D)の組み合わせと
を含み、
ポリアミド(A)が、60〜100wt%の半結晶質半芳香族ポリアミド(A1)と0〜40wt%の別の熱可塑性ポリアミド(A2)とからなる、
本発明に従う組成物により達成された。
規定された反復単位組成を有する半結晶質半芳香族ポリアミドを(ジ)ホスフィン酸金属難燃剤および繊維強化材と組み合わせて含む本発明に従う組成物の効果は、組成物が、改善されたガス発生特性を有する、すなわち、同じ温度でより少ないガス発生を示す、または、より低い温度で加工された半結晶質半芳香族ポリアミドと(ジ)ホスフィン酸金属難燃剤と繊維強化材とを含む他のポリアミド組成物のものに匹敵する少ないガス発生を保持しながらより高い温度で加工され得ることである。同時に、本発明の組成物は、良好な機械的性質および良好な高温特性を有している。
本発明に従う組成物中の半結晶質半芳香族ポリアミド(A1)は、
○ 芳香族ジカルボン酸であって、
・ 80〜100モル%のテレフタル酸と、
・ 0〜20モル%の別の芳香族ジカルボン酸と
からなり、モル%は、芳香族ジカルボン酸の総モル量を基準とする芳香族ジカルボン酸、
○ ジアミンであって、
・ 直鎖脂肪族C2〜C8ジアミンから選択される35〜95モル%の第1のジアミンと、
・ 第1のジアミンとは異なるC2〜C8ジアミンから選択される5〜65モル%の第2のジアミンと、
・ 0〜40モル%の少なくとも1種の他のジアミンと
からなり、モル%は、ジアミンの総モル量を基準とし、当該ジアミンは、最大7のモル平均炭素原子数を有するものであるジアミン、
○ ポリアミド(A1)中の芳香族ジカルボン酸、ジアミンおよび他の成分の総モル量を基準として0〜5モル%の芳香族ジカルボン酸およびジアミン以外の成分
から誘導される反復単位からなる。
半結晶質半芳香族ポリアミド(A1)は、芳香族ジカルボン酸とジアミンとから主として誘導される反復単位からなる。芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸を主に含む。反復単位に含まれ得る他の芳香族ジカルボン酸は、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸および4,4’−ビフェニルジカルボン酸、ならびにそれらの任意の組み合わせから好適に選択される。その量は、好適には最大10モル%であり、テレフタル酸の量は、少なくとも90モル%である。芳香族ジカルボン酸は、遂には完全にテレフタル酸からなることさえあり得る。
ジアミンについてのモル平均炭素原子数は、式(I):
Figure 2016525166

を用いて算出されるモル平均値(N)である。
ここで、ポリアミド中の各ジアミンのモル分率(M)に、対応するジアミン中の炭素原子数(P)が乗じられ、乗算の合計(ΣMP)が、ジアミンのモル分率の総計で除される。
半結晶質半芳香族ポリアミド(A1)中のジアミンは、少なくとも2種のC2〜C8ジアミンを含む。C2〜C8ジアミンは、炭素原子数P(Pは、2〜8(8を含む)の範囲内の整数である)を有するジアミンであると本明細書において理解される。第1のジアミンは、直鎖脂肪族C2〜C8ジアミンである。直鎖脂肪族C2〜C8ジアミンは、2個、3個、4個、5個、6個、7個または8個のいずれかの炭素原子を含み、1,2−エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン(1,4−ブタンジアミン)、1,5−ペンタメチレンジアミン(1,5−ペンタンジアミン)、1,6−ヘキサメチレンジアミン(1,6−ヘキサンジアミン)、1,7−ヘプタメチレンジアミン(1,7−ヘプタンジアミン)および1,8−オクタメチレンジアミン(1,8−オクタンジアミン)から選択され得る。
良好な機械的性質および高温特性のためには、好ましくは、第1のジアミンは、偶数の炭素原子を含み、より好ましくは、4個または6個の炭素原子を有するジアミンである1,4−ブタンジアミンおよび1,6−ヘキサンジアミンから選択される。
第2のC2〜C8ジアミンもまた、第1のジアミンとは異なるが、直鎖ジアミンであり得、上に列挙した直鎖脂肪族C2〜C8ジアミンから選択され得る。第2のC2〜C8ジアミンはまた、分岐脂肪族ジアミンまたは脂環式ジアミンであってもよい。好適な分岐ジアミンには、2−メチルペンタメチレンジアミン、3,3’−ジメチルペンタメチレンジアミンおよび2−メチルオクタメチレンジアミンが含まれる。好適な脂環式ジアミンは、トランス−1,4−シクロヘキサンジアミンである。
ポリアミド(A1)として好適なポリアミドの例は、PA4T/6T、PA4T/8T、PA6T/8T、PA6T/DTおよびPA4T/DT、ならびにそれらのコポリアミドである。
好ましくは、第2のジアミンは、直鎖脂肪族C2〜C8ジアミン、より好ましくは偶数の炭素原子を有する直鎖脂肪族C2〜C8ジアミンである。
第1および第2のジアミンの好ましい組み合わせは、1,6−ヘキサンジアミンと1,2−エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミンまたは1,8−オクタンジアミン、および1,4−ブタンジアミンと1,8−オクタンジアミンである。最も好ましくは、1,6−ヘキサンジアミンと1,4−ブタンジアミンとの組み合わせである。
ポリアミド(A1)は、第1および第2のジアミンの他に1種以上の他のジアミンから誘導される反復単位を含み得る。この他のジアミンは、ジアミン全体におけるモル平均炭素原子数が最大7である限りは、原則的に、第1および第2のジアミンとは異なる任意の他のジアミン、または異なるジアミンの任意の混合物であり得る。これは、十分な難燃性および少ないガス発生と組み合わせた良好な機械的性質および高温特性を可能にする。
この他のジアミンは、直鎖脂肪族ジアミン、分岐脂肪族ジアミン、脂環式ジアミンおよびアリールジアルキルアミンから選択される1種以上のジアミンを好適に含む。このジアミンは、C2〜C12ジアミンから好適に選択される。12個より多くの炭素原子を有するジアミンもまた使用され得るが、典型的には、より少ない最大量でおよび/またはより多くの量の短鎖ジアミン(1,4−ブタンジアミンなど)と組み合わせて使用され得る。
好適な直鎖脂肪族ジアミンには、上述の直鎖脂肪族C2〜C8ジアミン、および9個以上の炭素原子を有する直鎖脂肪族ジアミンが含まれる。好適には、この他のジアミンは、1,9−ノナメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン、1,11−ウンデカメチレンジアミン、および1,12−ドデカンメチレンジアミンから選択されるC9〜C12ジアミンを含む。好適な分岐ジアミンには、2−メチルペンタメチレンジアミン、3,3’−ジメチルペンタメチレンジアミンおよび2−メチルオクタメチレンジアミンが含まれる。好適な脂環式ジアミンは、トランス−1,4−シクロヘキサンジアミンである。
第3のジアミンを含むポリアミド(A1)として好適なポリアミドの例は、PA4T/6T/8T、PA4T/6T/10T、PA4T/8T/10T、PA6T/8T/10T、およびPA4T/6T/DTならびにそれらのコポリアミドであるが、但し、その中のジアミンの比は、ジアミン中のモル平均炭素原子数が最大7となるように選択されることを条件とする。
好ましい実施形態において、他のジアミンの量は、ジアミンの総モル量を基準として0〜30モル%、より好ましくは0〜20モル%の範囲内、例えば、5〜15モル%の範囲内である。
好ましい実施形態において、ジアミン全体におけるモル平均炭素原子数Nは、最大6.75、より好ましくは最大6.5、またはさらには最大6.25である。これは、良好なガス発生成績を依然として保持しながらより高い融解温度を有するポリアミド組成物を可能にする。
ポリアミド(A1)は、前記芳香族ジカルボン酸およびジアミンの他に他の成分から誘導される反復単位を含み得る。しかしながら、その量は、制限されるべきであり、ポリアミド(A1)中の芳香族ジカルボン酸、ジアミンおよび他の成分の総モル量を基準として最大5モル%であるべきである。
そのような他の反復単位は、脂肪族ジカルボン酸、α,ω−アミノカルボン酸、ラクタム、一官能価化合物および三官能価もしくはそれ以上の官能価の化合物、またはそれらの任意の組み合わせから選択される成分から誘導されたものであり得る。
好ましくは、ポリアミド(A1)中の他の成分の量は、ポリアミド(A1)中の芳香族ジカルボン酸、ジアミンおよび他の成分の総モル量を基準として0〜2.5モル%、さらにより良くは0〜1.0モル%の範囲内である。
本発明に従う組成物中のポリアミド成分(A)は、半結晶質半芳香族ポリアミド(A1)を主に含む、またはさらには完全に半結晶質半芳香族ポリアミド(A1)からなる。ポリアミド(A1)の他に、ポリアミド(A)は、1種以上の他のポリアミド(合わせてポリアミド(A2)と呼ぶ)(例えば、ポリアミド(A1)以外の半結晶質半芳香族ポリアミド、非晶質半芳香族ポリアミドもしくは脂肪族ポリアミド、またはそれらの任意の組み合わせ)を含み得るが、但し、芳香族ジカルボン酸およびジアミン以外の成分から誘導されるポリアミド(A1)およびポリアミド(A2)中の反復単位の総量は、ポリアミド(A1)およびポリアミド(A2)中の芳香族ジカルボン酸、ジアミンおよび他の成分の総モル量を基準として0〜5モル%の範囲内である。ポリアミド(A2)は、ポリアミド(A)の総重量を基準として40wt%まで(40wt%を含む)の量で存在し得るが、ポリアミド(A2)の量は、それが脂肪族ポリアミドを含む場合は、その他の成分についての要件を満たすために、はるかにより少ないものであるべきである。
好ましくは、ポリアミド(A)は、70〜100wt%のポリアミド(A1)と0〜30wt%のポリアミド(A2)とからなる。より好ましくは、ポリアミド(A)は、0〜25wt%のポリアミド(A2)を含み、75〜100wt%のポリアミド(A1)からさらになる。ここで、wt%は、ポリアミド(A)の総重量を基準とする。より好ましくは、ポリアミド(A)は、0〜20wt%のポリアミド(A2)を含み、80〜100wt%のポリアミド(A1)からさらになる。ここで、wt%は、ポリアミド(A)の総重量を基準とする。同様に好ましくは、脂肪族ポリアミドの量は、ポリアミド(A)の総重量を基準として最大5wt%、より好ましくは2.5wt%、さらにより良くは最大1.0wt%である。
同様に好ましくは、芳香族ジカルボン酸およびジアミン以外の成分の量は、ポリアミド(A1)およびポリアミド(A2)中の芳香族ジカルボン酸、ジアミンおよび他の成分の総モル量を基準として0〜2.5モル%、さらにより良くは0〜1.0モル%の範囲内である。
本発明に従う組成物中のポリアミド(A1)は、少なくとも310℃の融解温度を有している。
融解温度という用語は、DSCによりISO11357−1/3(2011)に準拠した方法によって20℃/分の走査速度を用いて第2の加熱サイクルにおいて測定される吸熱融解ピークのピーク温度と本明細書において理解される。
融解温度は、広い範囲にわたって変化し得、例えば、360℃という高さであり得る。当該組成物は、例えば370℃で加工され得る。ガス発生は温度の上昇に伴って増加するが、本発明に従う組成物についてのガス発生は、同じ高い温度で加工された熱可塑性ポリアミドとハロゲン非含有難燃剤系とを含む他の繊維強化難燃化熱可塑性成形組成物についてよりも少ないままである。
好ましくは、ポリアミド(A1)は、少なくとも320℃の融解温度、より好ましくは325℃〜350℃の範囲内の融解温度を有する。より高い最低融解温度は、高温での機械的性質のより良好な保持を結果としてもたらし、一方、より低い最高融解温度は、より低い温度での加工およびより少ないガス発生を可能にする。
好適には、ポリアミド(A1)は、少なくとも125℃、好ましくは少なくとも130℃のガラス転移温度を有する。少しでも存在する場合、ポリアミド(A2)は、少なくとも120℃、好ましくは少なくとも125℃のガラス転移温度を有する非晶質半芳香族ポリアミドを好適に含む。より高いガラス転移温度の利点は、組成物が、機械的性質のより良好な保持および湿潤条件下におけるより良好な寸法安定性を示すことである。
好適には、ポリアミド(A)は、少なくとも50ml/g、好ましくは少なくとも60ml/g、より好ましくは少なくとも70ml/gの粘度数(VN)を有する。より高いVNの利点は、組成物で作られた成形部品が、湿潤および高温下における状態調節後のリフロー半田付けの時により良好な耐膨れ性を有することである。ここで、VNは、96%硫酸中で、0.005g/mlのポリマー濃度で、25℃において、ISO307第4版に準拠した方法により測定される。
高いXTおよびYT反復単位含有量ならびに任意選択でZT単位を有しかつ高い粘度数および高い融解温度を有する半結晶質半芳香族ポリアミドは、XT/YT塩またはXT/YT/ZT塩から出発して直接固相重合により調製され得る。ここで、Xは第1のジアミンを表し、Yは第2のジアミンを表し、Zは第3のジアミンまたはXおよびYと異なるジアミンの組み合わせを表し、そしてTはテレフタル酸を表す。
本発明に従う組成物は、本明細書において(ジ)ホスフィン酸金属または成分(B1)とも示されるホスフィン酸および/またはジホスフィン酸の少なくとも1種の金属塩を含む、難燃剤系を含む。本発明に従う組成物において使用され得る(ジ)ホスフィン酸の好適な金属塩は、例えば、式(I)のホスフィン酸塩、式(II)のジホスフィン酸塩
Figure 2016525166

またはこれらのポリマーであり、式中、RおよびRは、同じもしくは異なるまたはC〜Cアルキル(直鎖または分岐)および/もしくはアリールであり;Rは、C〜C10アルキレン(直鎖または分岐)、C〜C10アリーレン、C〜C10アルキルアリーレンまたはC〜C10アリールアルキレンであり;Mは、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンおよび亜鉛イオンのうちの1つ以上であり、mは、2〜3であり;nは、1または3であり;xは、1または2である。RおよびRは、同じでも異なっていてもよく、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tent−ブチル、n−ペンチルおよび/またはフェニルである。Rは、好ましくは、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、tert−ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレン、n−ドデシレン、またはフェニレンもしくはナフチレン、またはメチルフェニレン、エチルフェニレン、tert−ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレンもしくはtert−ブチルナフチレン、またはフェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレンもしくはフェニルブチレンである。Mは、好ましくはアルミニウムイオンまたは亜鉛イオンである。これらの化合物は、これにより参照により本明細書に援用される米国特許第6,255,371号明細書に開示されている。
好ましくは、(ジ)ホスフィン酸金属または成分(B1)は、(ジ)ホスフィン酸アルミニウムを含む。その好適な例は、メチルエチル(ジ)ホスフィン酸アルミニウムおよび/またはジエチル(ジ)ホスフィン酸アルミニウムである。
好ましくは、難燃性ポリアミド組成物により含まれる(ジ)ホスフィン酸金属の量は、組成物の総重量を基準として2.5〜25wt%、より好ましくは5〜20wt%の範囲内である。
当該組成物は、(ジ)ホスフィン酸金属以外の1種以上の難燃剤、および/または1種以上の難燃剤相乗剤を含み得る。
(ジ)ホスフィン酸金属難燃剤と組み合わせて使用され得る難燃剤相乗剤には、S含有、N含有、P含有、またはO含有金属化合物が含まれる。
他の難燃剤の例としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化スズ、水酸化アルミウム(alumium hydroxide)、ベーマイト、ジフィドタルサイト(difydotalcite)、ハイドロカルミット(hydrocalumit)、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、亜鉛、水酸化物、水酸化スズ、水酸化マンガン、ホウ酸亜鉛、塩基性ケイ酸亜鉛およびスズ酸亜鉛が挙げられる。
好ましいS含有、N含有、またはO含有金属化合物は、ホウ酸金属(例えば、ホウ酸亜鉛およびホウ酸バリウム)またはスズ酸金属(例えば、スズ酸亜鉛)である。別の好ましい実施形態において、P含有金属化合物は、亜リン酸塩(例えば、亜リン酸アルミニウム)である。これらの亜リン酸塩は、これにより参照により本明細書に援用される国際公開第2012/045414−A1号パンフレットに開示されている。
好ましい実施形態において、難燃剤系(B)は、65〜100wt%の(B1)と、0〜35wt%の少なくとも1種のS含有、N含有、P含有、もしくはO含有金属化合物、またはそれらの任意の組み合わせとからなる(wt%は、(B)の総重量を基準とする)。より好ましくは、少なくとも1種のS含有、N含有、P含有、もしくはO含有金属化合物、またはそれらの任意の組み合わせの量は、(B)の総重量を基準として0〜25wt%の範囲内である。
当該組成物は、0.8mmでV−2の評価、好ましくは0.8mmでV−1、より好ましくは0.8mmでV−0の評価の、UL94Vに準拠した方法により測定される難燃性を好適に有する。当該組成物は、0.8mmでV−2評価を満たすのに十分な量、好ましくはV−1評価を満たす量、より好ましくはV−0評価を満たす量で難燃剤系を好適に含む。
当該組成物は、繊維強化材および/または無機充填剤をさらに含む。好適な繊維強化材の例は、ガラス繊維(通例のガラス繊維および扁平のまたは丸くないガラス繊維を含む)および炭素繊維である。好適な充填剤の例は、ガラスフレーク、カオリン、粘土、滑石、雲母、珪灰石、炭酸カルシウム、シリカ、炭素繊維およびチタン酸カリウムである。
繊維強化材は、少しでも使用される場合、例えば、組成物の総重量を基準として5〜60wt%、好ましくは10〜55wt%、より好ましくは20〜50wt%の範囲内の量で、好適に存在する。
無機充填剤は、少しでも使用される場合、例えば、組成物の総重量を基準として5〜60wt%、好ましくは20〜50wt%の範囲内の量で、好適に存在する。
好ましい実施形態において、組成物中の繊維強化材および無機充填剤の総量は、10〜65wt%、好ましくは20〜55wt%の範囲内(例えば、約40wt%または約50wt%)である。このような多い量は、高い剛性が必要とされる場合(例えば、電子デバイス用(例えば、ノートパソコン、移動電話およびPCタブレット用)のハウジングにおける使用のためなど)に好ましい。
本発明のポリアミド組成物は、さらなる成分を任意選択で含み得る。好適には、これらは、例えば、酸掃去剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、安定剤(例えば、熱安定剤、酸化安定剤、紫外線安定剤および化学安定剤など)、加工助剤(例えば、離型剤および核剤など)、固体潤滑剤、着色剤(例えば、カーボンブラック、他の顔料、染料)、ナノクレイなどから選択される、補助添加剤から選択される。
好適には、当該組成物は、少なくとも280℃、好ましくは少なくとも295℃の少なくとも℃の、ISO75−1/−2に準拠して測定されるHDT−Aを有する。好適には、HDTは、295〜330℃の範囲内である。このような高いHDTは、より高い融解温度を有するポリアミド(A1)を用い、他のポリアミド成分ポリアミド(A2)の量を制限し、繊維強化材の量を増加することにより得られ得る。好ましくは、ポリアミド(A1)は、少なくとも320℃、より好ましくは少なくとも330℃の融解温度を有する。
好ましくは、他のポリアミド(A2)の量は、最大25wt%、好ましくは最大20wt%に制限され、脂肪族ポリアミドの場合は最大2.5wt%に制限される。
本発明の特定の実施形態において、難燃性ポリアミド組成物は、
(A)80〜100wt%のポリアミド(A1)と0〜25wt%のポリアミド(A2)とからなる、30〜91wt%のポリアミド、
(B)65〜100wt%が(ジ)ホスフィン酸金属(B1)からなる、4〜30wt%の難燃剤系、
(C)/(D)5〜60wt%の合わせた量の無機充填剤および/または繊維強化材、
(E)0〜15wt%の他の成分
からなる。
その好ましい実施形態において、難燃性ポリアミド組成物は、
(A)95〜100wt%のポリアミド(A1)と0〜5wt%のポリアミド(A2)とからなる、30〜87wt%のポリアミド、
(B)65〜100wt%が(ジ)ホスフィン酸金属(B1)からなる、7.5〜25wt%の難燃剤系、
(C)/(D)10〜50wt%のガラス繊維を含む、10〜60wt%の合わせた量の無機充填剤および/または繊維強化材、
(E)0〜7.5の他の成分
からなる。
ここで、(A)〜(E)の重量百分率(wt%)は、組成物の総重量を基準とし、(A)〜(E)の合計は、100%である。
本発明に従う組成物は、半芳香族ポリアミド、難燃剤系、無機充填剤および/または繊維強化材、ならびに任意選択の追加の成分を溶融ブレンドする方法によって調製され得る。ポリアミドを含む材料の一部が溶融ミキサー中で混合され得、次いで、成分の残りが後で添加され、均一な組成物になるまでさらに溶融混合され得る。溶融ブレンドは、当業者に知られている任意の適切な方法を用いて実施され得る。好適な方法には、一軸または二軸スクリュー押出機、ブレンダー、ニーダー、バンバリーミキサー、成形機などを用いることが含まれ得る。
本発明の組成物は、射出成形、回転成形および他の溶融加工技術を用いて種々の物品に好都合に成形され得る。これらの物品は、とりわけSMT用途において有用であり、メモリーカード、(CPU)ソケット、I/O、FPC、SMTターミナルブロック、RASTコネクタ、(高)電力コネクタ、マザーボードおよび自動車用コネクタなどのコネクタ、ならびに電子デバイス用ハウジングおよび補強材フレーム(例えば、ノートパソコン、移動電話、補強材PCタブレット、継電器、ボビン、(電力)変圧器、インバーターなど用のハウジングおよび補強材フレーム)を含む。
本発明はまた、溶融加工工程を含む上に記載したような本発明に従う難燃性ポリアミド組成物またはその任意の実施形態からの成形部品の製造方法であって、上記の請求項のうちの任意のものに従う組成物が、溶融物を生成するためにポリアミドの融解温度より高い温度に加熱され、続いて、その溶融物が金型内で造形される、方法に関する。利点は、良好な機械的性質および熱的性質を有する製品が比較的少ないガス発生を伴って得られることである。このような方法は、例えば、射出成形機での射出成形により実施され得る。
本発明はまた、本発明に従う組成物またはその任意の特定の実施形態から作製された成形品もしくは押出品または成形物もしくは押出物に関する。好適には、この物品は、コネクタまたは電子デバイス用のハウジングもしくは補強材フレームのプラスチック部品である。
以下の実施例および比較実験により、本発明をさらに説明する。
[実験の部]
[試験方法]
[粘度数(VN)]
VNは、96%硫酸中で、0.005g/mlのポリマー濃度で、25℃において、ISO307第4版に準拠した方法により測定した。
[ISO−11357−1/3(2011)に準拠したDSCによる融解温度の決定]
融解温度(Tm)の測定は、Mettler Toledo Star System(DSC)を用いて、20℃/分の加熱および冷却速度を用い、N2雰囲気中で実施した。測定には、約5mgの予備乾燥させた粉末ポリマーの試料を使用した。予備乾燥は、高真空(すなわち、50ミリバール未満)で105℃において16時間にわたり実施した。試料を、20℃/分の加熱速度で0℃から380℃まで加熱し、直ちに20℃/分の冷却速度で0℃まで冷却し、続いて融解温度よりも約30℃高くまで20℃/分で再び加熱した。融解温度Tmとして、第2の加熱サイクルにおける溶融ピークのピーク値を決定した。
[DSCによるガラス転移温度(ISO−11357−2(2013)に準拠)]
ガラス転移温度(Tg)の測定は、Mettler Toledo Star System(DSC)を用いて、20℃/分の加熱および冷却速度を用い、N2雰囲気中で、Tmについて上に記載したのと同様に実施した。ここで、Tgは、第2の加熱サイクルについての親熱曲線の変曲点と一致する親熱曲線の(時間に関する)1次導関数のピークにおける温度として決定した。
[機械的性質]
機械的性質(引張弾性率[MPa]、引張強さ[MPa]、破断点伸び[%])は、ISO527−1/2:2012に準拠した引張試験において、5mm/分の引張速度で、23℃の温度で測定した。試験には、527−1A型に合致する試験片を使用した。
[加熱撓み温度(HDT−A)]
加熱撓み温度は、1.80Mpaの公称応力を適用して(HDT−A)、ISO75−1/−2に準拠して測定した。
[難燃性]
難燃性は、UL−94−Vに準拠した方法により測定した。
[ガス発生]
ガス発生は、以下のプロトコルを用いてシミュレートし、測定した:約10mgの極低温粉砕された試料をTGA機に挿入した。TGAデバイス中で、試料を90℃で10分間乾燥させた。続いて、40℃/分の傾斜率で等温温度まで試料を加熱した後、60分にわたり連続的に等温重量減少に従った。報告された重量減少を、等温温度に達した時に測定された試料の初期重量と比較する。
[材料]
Figure 2016525166
[調製PA6T/4T(N=5.2)]
1225gのテレフタル酸の混合物を、加熱されたジアミン添加容器を備えた、ロータリーエバポレーターに取り付けられた、10リットルのバッフル付きフラスコ中に投入し、不活性窒素雰囲気下で維持し、5rpmでの回転により混合した。回転しているフラスコを、中和熱を除去するために60℃に維持した水浴に部分的に浸水させた。60℃の528gの1,6−ヘキサンジアミンと286gの1,4−ブタンジアミンとの液体混合物を、一定の回転下において4時間で酸に滴下した。添加後、反応混合物を、60℃の水浴温度においてさらに30分間回転により撹拌した。実験後、ばらばらの粉末の形態の塩を得た。この粉末は、280℃の融解温度を有していた。
この配合を数回繰り返し、バッチを混合して、均一な粉末混合物を得た。
50リットルのタンブル乾燥機に、10kgのこの塩を投入した。これを、50ミリバールまでの排気、および窒素の充填、ならびにこれを5回繰り返すことにより、不活性化した。10g/時間の窒素パージを使用した。次いで、この混合物を、反応水がタンブル乾燥機から出て行くことを可能にしながら、2時間で200℃まで、続いて10時間で250℃まで加熱した。次いで、窒素流を停止し、60℃の130gの1,6−ヘキサンジアミンと60gの1,4−ブタンジアミンとの混合物を、温度を250℃に維持しながら1時間にわたり添加した。この混合物を、さらに2時間反応させた。次いで、1kgのN2/時間の窒素流を適用し、物質を室温まで冷却した。85ml/gのVN、5.2のジアミンのモル平均炭素原子数(N)および338℃のTmを有する、8.5kgの白色粉末を得た。
[配合]
難燃性ガラス繊維強化組成物を、350rpmで作動し、350℃の壁温度設定を用いた、Berstorff ZE25/48 UTX(共回転二軸スクリュー押出機)での溶融混合により調製した。全ての高分子材料を押出機の供給口に供給し、ガラスおよび難燃剤を下流で溶融物上に供給した。使用した設定は、およそ370℃のダイヘッドから出る溶融物の温度を結果としてもたらした。押出機中の溶融ポリマーの平均滞留時間は、約30秒であった。
[成形]
試料を、25mmのスクリューを備えたEngel110射出成形機を用いて射出成形して、527−1AおよびUL94V試験体にした。温度設定は、全ての試料が350℃の溶融温度で金型中に射出されるように選択した。
種々の実験についての組成および試験結果を表1に示す。
Figure 2016525166
Figure 2016525166
表1中の結果は、異なる量の難燃剤を含む本発明に従う組成物(実施例I〜III)およびPA6中のカーボンブラックマスターバッチまたは非晶質ポリアミドをさらに含む本発明に従う組成物(実施例IVおよびV)は、非常に少ないガス発生を示し、このガス発生は、存在する難燃剤の量の影響をほとんど受けない(実施例I〜III)ということを明らかにしている。UL94 V−0評価を達成するのに十分な難燃剤含有量においてでさえ、ガス発生は、同じ温度で加工および試験された他の難燃化半芳香族ポリアミド組成物についての比較実験におけるガス発生よりも、依然としてはるかにより少ない。本発明に従う実施例I〜IIIの組成物は、340℃の試験温度で試験された比較実験B〜Eのガス発生レベルに匹敵するかまたはそれよりも低くさえある360℃の試験温度でのガス発生レベルを示しながら、より高い加工温度で加工され得る。
他の高温組成物にも使用される他の難燃剤を用いた試験もまた、あまり良くない結果を示した。比較実験F、比較実験Gは、配合の間に既に深刻な問題を示し、成形の間においてはなおさらであり、それにより、さらなる試験のために必要な試験片の調製が妨げられた。
実施例I〜Vは全て、感湿性レベル1の予備状態調節後のIPC/JEDEC J−STD−020B試験において、膨れなしに、良好なリフロー半田付け適性を示した。

Claims (15)

  1. (A)半結晶質半芳香族ポリアミド(A1)を含むポリアミドと、
    (B)ホスフィン酸および/またはジホスフィン酸の金属塩(B1)を含む難燃剤系と、
    (C)繊維強化材もしくは
    (D)無機充填剤のいずれか、または
    (C)および(D)の組み合わせと
    を含む難燃化熱可塑性成形組成物であって、
    − ポリアミド(A1)は、少なくとも310℃の融解温度を有しかつ
    ○ 芳香族ジカルボン酸であって、
    ・ 80〜100モル%のテレフタル酸と、
    ・ 0〜20モル%の別の芳香族ジカルボン酸と
    からなり、モル%は、芳香族ジカルボン酸の総モル量を基準とする芳香族ジカルボン酸、
    ○ 最大7のモル平均炭素原子数を有するジアミンであって、
    ・ 35〜95モル%の第1のC4〜C8ジアミン、
    ・ 前記第1のジアミンとは異なる5〜65モル%の第2のC4〜C8ジアミン、
    ・ 0〜40モル%の1種以上の他のジアミン、
    からなり、モル%は、ポリアミド(A1)中のジアミンの総モル量を基準とするジアミン、
    ○ ポリアミド(A1)中の芳香族ジカルボン酸、ジアミンおよび他の成分の総モル量を基準として0〜5モル%の芳香族ジカルボン酸および前記ジアミン以外の成分
    から誘導される反復単位からなり、
    − ポリアミド(A)は、
    ○ 60〜100wt%のポリアミド(A1)と、
    ○ ジカルボン酸およびジアミンから誘導される反復単位を含む0〜40wt%の別の熱可塑性ポリアミド(A2)と
    からなり、wt%は、ポリアミド(A)の総重量を基準とし、
    芳香族ジカルボン酸およびジアミン以外の成分から誘導されるポリアミド(A1)およびポリアミド(A2)中の反復単位の総量は、ポリアミド(A1)およびポリアミド(A2)中の芳香族ジカルボン酸、ジアミンおよび他の成分の総モル量を基準として0〜5モル%の範囲内である、
    難燃化熱可塑性成形組成物。
  2. 前記第1および第2のジアミンが、直鎖脂肪族ジアミンである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記第1および/または第2のジアミンが、1,4−ブタンジアミンおよび1,6−ヘキサンジアミンから選択される、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記他のジアミンが、第3のC4〜C8ジアミンまたは直鎖C9〜C12ジアミンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 他のジアミンの前記量が、最大30モル%、好ましくは最大20モル%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. ポリアミド(A1)が、PA4T/6T、PA4T/8T、PA6T/8T、PA6T/DTおよびPA4T/DT、ならびにそれらのコポリアミドから選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記芳香族ジカルボン酸が、少なくとも90モル%のテレフタル酸を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. ポリアミド(A1)中の前記ジアミンが、最大6.75、好ましくは最大6.5のモル平均炭素原子数を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. ポリアミド(A2)が、
    − 非晶質半芳香族ポリアミド、もしくは
    − ポリアミド(A1)以外の半結晶質半芳香族ポリアミド、もしくは
    − 脂肪族ポリアミド、
    − またはそれらの任意の組み合わせ
    を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 他の成分から誘導されるポリアミド(A1)およびポリアミド(A2)中の反復単位の前記総量が、ポリアミド(A1)およびポリアミド(A2)中の芳香族ジカルボン酸、ジアミンおよび他の成分の総モル量を基準として0〜2.5モル%の範囲内である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記難燃剤系(B)が、
    − 75〜100wt%の(B1)と、
    − S含有、N含有、P含有、もしくはO含有金属化合物、またはそれらの任意の組み合わせから選択される0〜35wt%の少なくとも1種の化合物と
    からなり、wt%は、(B)の総重量を基準とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記組成物が、少なくとも280℃のHDT−Aおよび/または0.8mmでのUL−94評価V−0を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記組成物が、
    (A)80〜100wt%のポリアミド(A1)と0〜20wt%のポリアミド(A2)とからなる、30〜91wt%のポリアミド、
    (B)65〜100wt%が(ジ)ホスフィン酸金属(B1)からなる、4〜30wt%の難燃剤系、
    (C)/(D)5〜60wt%の合わせた量の無機充填剤および/または繊維強化材、
    (E)0〜15wt%の他の成分
    からなり、wt%は、前記組成物の総重量を基準とし、(A)〜(E)は、合計100wt%となる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 溶融加工工程を含む成形物を調製するための方法であって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物が、溶融物を生成するために前記ポリアミドの融解温度より高い温度に加熱され、続いて、前記溶融物が、金型内で造形される、方法。
  15. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物を用いた成形品または押出品。
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