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JP2016225210A - 車両用前照灯 - Google Patents

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JP2016225210A JP2015112303A JP2015112303A JP2016225210A JP 2016225210 A JP2016225210 A JP 2016225210A JP 2015112303 A JP2015112303 A JP 2015112303A JP 2015112303 A JP2015112303 A JP 2015112303A JP 2016225210 A JP2016225210 A JP 2016225210A
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Abstract

【課題】車両の側方の上方に十分な光を照射すること。【解決手段】この発明は、光源2と、リフレクタ3と、投影レンズ4と、シェード5と、を備える。シェード5は、第1シェード部51と第2シェード52とから構成されている。第2シェード部52には、折曲部528が設けられている。折曲部528は、第2シェード部52の一部分を投影レンズ4側に折り曲げてなる。折曲部528の折曲線527は、車両水平方向に対して角度θ1分傾斜している。この結果、この発明は、車両の側方の上方に十分な光を照射することができる。【選択図】 図3

Description

この発明は、プロジェクタタイプの車両用前照灯に関するものである。
この種の車両用前照灯は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2)。以下、従来の車両用前照灯について説明する。
従来の車両用前照灯は、光源と、リフレクタと、レンズと、シェードと、を備え、光源からの光がリフレクタでレンズ側に反射されて、その反射光の一部がシェードでカットオフされて残りの反射光がレンズを透過してカットオフラインを有する配光パターンを形成し、かつ、カットオフされた反射光の一部がレンズを透過して配光パターンのカットオフラインよりも上方に上方配光パターンを形成するものである。
特開2004−172104号公報 特開2008−177025号公報
ところが、従来の車両用前照灯は、上方配光パターンが車両の前方の上方に照射されるものであるから、車両の側方(左側、右側、左右両側)の上方には十分な光が照射されない場合がある。
この発明が解決しようとする課題は、車両の側方(左側、右側、左右両側)の上方に十分な光を照射することができる車両用前照灯を提供することにある。
この発明(請求項1にかかる発明)は、光源と、光源からの光を反射させるリフレクタと、リフレクタよりも前側に配置されていて、リフレクタからの反射光を車両の前方に投影する投影レンズと、リフレクタと投影レンズとの間に配置されていて、リフレクタから投影レンズに向かう反射光の一部をカットオフして残りの反射光を投影レンズ側に通してカットオフラインを有する配光パターンを形成し、かつ、カットオフした反射光の一部を投影レンズ側に通して配光パターンのカットオフラインよりも上方に上方配光パターンを形成するシェードと、を備え、シェードが、光源側の第1シェード部と投影レンズ側の第2シェード部とから構成されていて、第2シェード部には、折曲部が設けられていて、折曲部が、第2シェード部の一部分を投影レンズ側に折り曲げてなり、折曲部の折曲線が、車両水平方向に対して傾斜しているもしくは垂直である、ことを特徴とする。
この発明(請求項2にかかる発明)は、折曲部が、第2シェード部のうち投影レンズの光軸の近傍の一部分を折り曲げてなる、ことを特徴とする。
この発明(請求項3にかかる発明)は、折曲部が、折曲線に対して、投影レンズの光軸側の一部分を折り曲げてなる、ことを特徴とする。
この発明(請求項4にかかる発明)は、折曲部が、折曲線と切込線により囲まれている一部分を折曲線において折り曲げてなる、ことを特徴とする。
この発明の車両用前照灯は、折曲部により、反射光の一部が車両の側方(左側、右側、左右両側)の上方に照射されるので、車両の側方の上方に十分な光を照射することができる。
図1は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態を示すランプユニットの概略縦断面図(概略垂直断面図)である。 図2は、カットオフラインを有する配光パターンと上方配光パターンとを示す説明図である。 図3は、シェードを示す正面図である。 図4は、シェードを示す斜視図である。 図5は、シェードの要部を示す一部拡大正面図である。 図6は、シェードの要部を示す一部拡大斜視図である。 図7は、光路を示すランプユニットの概略横断面説明図(概略水平断面説明図)である。 図8は、光路を示すランプユニットの概略横断面説明図(概略水平断面説明図)である。 図9は、側方の上方配光パターンと光路とを示す説明図である。 図10は、側方の上方配光パターンと光路とを示す説明図である。 図11は、シェードの第2シェード部を示す説明図である。
以下、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態(実施例)の1例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図1において、光源、投影レンズ、シェード、ばね部材、ソレノイドのハッチングは、省略してある。図7、図8において、リフレクタ、投影レンズのハッチングは、省略してある。また、図面において、シェードなどの板厚を実際の板厚よりも厚く図示している図面がある。
この明細書および別紙の特許請求の範囲において、前、後、上、下、左、右とは、この発明にかかる車両用前照灯を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。図1、図3、図4、図7〜図10において、符号「F」は「前」、「B」は「後」、「U」は「上」、「D」は「下」、「L」は「左」、「R」は「右」である。図2、図9(A)、図10(A)、図11(D)において、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示す。符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。
図9(A)は、図9(B)に示す光路により得られる側方の上方配光パターンを示す説明図である。同じく、図10(A)は、図10(B)に示す光路により得られる側方の上方配光パターンを示す説明図である。図11(A)は、打抜き加工された第2シェード部の要部を示す一部拡大正面図である。図11(B)は、折曲加工された第2シェード部の要部を示す一部拡大正面図である。図11(C)は、図11(B)におけるC−C線断面図である。図11(D)は、第2シェード部の開口部および凹部により得られる側方の上方配光パターンを示す説明図である。
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態における車両用前照灯の構成について説明する。この例は、たとえば、自動車用前照灯のヘッドランプについて説明する。この例において、左側の車線が自車線であり、右側の車線が対向車線である。
(車両用前照灯1の説明)
図1において、符号1は、この実施形態における車両用前照灯である。前記車両用前照灯1は、車両の前部の左右両側にそれぞれ搭載されている。前記車両用前照灯1は、図1に示すように、ランプハウジング(図示せず)と、ランプレンズ(図示せず)と、光源2と、リフレクタ3と、投影レンズ4と、シェード5と、切替手段としてのばね部材6およびソレノイド(駆動ユニット)7と、取付部材としてのフレーム部材8と、ストッパ9と、を備える。
前記ランプハウジングおよび前記ランプレンズ(たとえば、素通しのアウターレンズなど)は、灯室を画成する。前記光源2および前記リフレクタ3および前記投影レンズ4および前記シェード5および前記ばね部材6および前記ソレノイド7および前記フレーム部材8および前記ストッパ9は、プロジェクタタイプのランプユニットを構成する。前記ランプユニット2、3、4、5、6、7、8、9は、前記灯室内に配置されていて、上下方向用光軸調整機構および左右方向用光軸調整機構を介して前記ランプハウジングに取り付けられている。
なお、前記灯室内には、前記ランプユニット2、3、4、5、6、7、8、9以外のランプユニット、たとえば、クリアランスランプユニット、ターンシグナルランプユニット、デイタイムランニングランプユニットなどが配置される場合がある。また、前記灯室内には、インナーパネルやインナーハウジングやインナーレンズなどが配置される場合がある。
(光源2の説明)
前記光源2は、この例では、バルブタイプのハロゲンバルブを使用する。前記光源2は、図1、図7、図8に示すように、前記リフレクタ3にソケット機構20を介して着脱可能に取り付けられている。なお、前記光源2としては、前記ハロゲンバルブ以外に、白熱電球、放電灯、LEDなどの半導体型光源でも良い。前記光源2は、発光部21を有する。
(リフレクタ3の説明)
前記リフレクタ3は、前記光源2の前記発光部21から放射される光を反射光として前記投影レンズ4側に反射させるものである。前記リフレクタ3は、図1、図7、図8に示すように、前記フレーム部材8に固定保持されている。前記リフレクタ3は、前側(前記車両用前照灯1の光の照射方向側)が開口し、かつ、後側が閉塞した中空の凹形状をなす。前記リフレクタ3の後側の閉塞部の中央には、前記光源2が挿入されるための円形の透孔30が設けられている。
前記リフレクタ3の内凹面には、アルミ蒸着もしくは銀塗装などが施されていて、反射面31が形成されている。前記リフレクタ3の前記反射面31は、楕円もしくは楕円を基調とした反射面、たとえば、回転楕円面や楕円を基本とした自由曲面(NURBS曲面)などの反射面(図1の垂直断面が楕円面をなし、かつ、図示しない水平断面が放物面ないし変形放物面をなす反射面)からなる。このために、前記リフレクタ3の前記反射面31は、第1焦点F1と、第2焦点(水平断面上の焦線)F2と、光軸Z1と、をそれぞれ有する。前記リフレクタ3の前記反射面31の前記第1焦点F1は、前記光源2の前記発光部21もしくはその近傍に位置する。
(投影レンズ4の説明)
前記投影レンズ4は、図1、図7、図8に示すように、前記光源2および前記リフレクタ3よりも前側に配置されている。前記投影レンズ4は、前記リフレクタ3の前記反射面31からの反射光を車両の前方に投影するものである。前記投影レンズ4は、非球面レンズの凸レンズである。前記投影レンズ4の前方側の出射面41は、凸非球面をなす。一方、前記投影レンズ4の後方側の入射面40は、平面をなす。
前記投影レンズ4は、前記フレーム部材8に固定保持されている。前記投影レンズ4は、焦点(後焦点、レンズ焦点)F3と、焦点面(後焦点面)FPと、光軸Z2と、を有する。前記投影レンズ4の前記焦点F3は、前記反射面31の前記第2焦点F2もしくはその近傍に位置する。前記投影レンズ4の前記光軸Z2と前記反射面31の前記光軸Z1とは、一致もしくはほぼ一致している。なお、前記投影レンズ4の前記光軸Z2と前記反射面31の前記光軸Z1とは、一致していない場合もある。
(配光パターンの説明)
前記シェード5は、前記リフレクタ3の前記反射面31から前記投影レンズ4に向かう反射光を、複数の配光パターンが得られる複数のビームに切り替える可動タイプのシェードである。ここで、前記複数の配光パターンは、たとえば、図2に示すロービーム配光パターンLPおよび第1上方配光パターンOP1と、図9(A)、図10(A)に示す第2上方配光パターンOP2と、図11(D)に示す第3上方配光パターンOP3と、図示されていないハイビーム配光パターンと、である。
前記ロービーム配光パターンLPは、すれ違い用配光パターンであって、スクリーンの左右の水平線HL−HRに沿ったカットオフライン(下水平カットオフライン、斜めカットオフライン、上水平カットオフライン)CLを有する。前記ロービーム配光パターンLPは、車両の手前すなわち前記水平線HL−HRよりも下方を中央から左右に広範囲に照射するものである。
前記第1上方配光パターンOP1は、中央の上方配光パターン(オーバーヘッドサイン用配光パターン、オーバーヘッド配光パターン)である。前記第1上方配光パターンOP1は、車両の前方(車両の遠方)の上方すなわち前記水平線HL−HR(前記カットオフラインCL)よりも上方を照射するものである。
前記第2上方配光パターンOP2は、側方この例では左側の上方配光パターンである。前記第2上方配光パターンOP2は、車両から約10m程度の側方(車両の近く)の上方を照射するものである。前記第2上方配光パターンOP2は、スクリーンの上下の垂直線VU−VDから左側に約8°、かつ、前記水平線HL−HRから上側に約4°の箇所を中心もしくはほぼ中心としてその周囲を照射するものである。
前記第3上方配光パターンOP3は、側方この例では左側の上方配光パターンである。前記第3上方配光パターンOP3は、前記第1上方配光パターンOP1と前記第2上方配光パターンOP2との間(すなわち、前記第1上方配光パターンOP1と前記第2上方配光パターンOP2とが重畳している部分)を照射するものである。
前記ハイビーム配光パターンは、走行用配光パターンであって、車両の前方の手前から遠方に亘って照明するものである。前記ハイビーム配光パターンは、前記ロービーム配光パターンLPおよび前記第1上方配光パターンOP1および前記第3上方配光パターンOP3を含む範囲を照射するものである。
ここで、前記複数のビームは、ロービームとハイビームである。前記ロービームは、前記ロービーム配光パターンLP、前記第1上方配光パターンOP1、前記第2上方配光パターンOP2、前記第3上方配光パターンOP3を形成する。前記ハイビームは、前記ハイビーム配光パターンを形成する。
(シェード5の説明)
前記シェード5は、図1、図7、図8に示すように、前記光源2および前記リフレクタ3と前記投影レンズ4との間に配置されている。前記シェード5は、製造コストが安価である板構造(この例では、ステンレスやSUS(ばね鋼板)など、光を反射させることができる平板の薄鋼板構造)からなる。
前記シェード5は、図3〜図10に示すように、前記光源2側(後側)に位置する第1シェード部51と、前記投影レンズ4側(前側)に位置する第2シェード部52と、から構成されている。前記第1シェード部51と前記第2シェード部52とは、前記第2焦点F2および前記焦点F3を挟んで前後に相対向する。前記第1シェード部51と前記第2シェード部52とは、前記光軸Z1、Z2に対してほぼ垂直であり、左右方向に長い長方形をなす。前記第1シェード部51の上下幅は、前記第2シェード部52の上下幅より広い。
前記第1シェード部51と前記第2シェード部52とは、別個の板部材からなる。前記第1シェード部51の左右両端部と前記第2シェード部52の左右両端部とは、固定手段(加締め、リベット止め、溶接、接着など)53により固定されている。前記第1シェード部51および前記第2シェード部52は、反射光を前記ロービームと、前記ハイビームとに切り替えるものである。
前記第1シェード部51の上縁には、エッジ510が設けられている。前記第2シェード部52の上縁には、エッジ520が設けられている。前記エッジ510、520は、それぞれ、上水平エッジと、下水平エッジと、斜めエッジと、からなる。上水平エッジは、前記ロービーム配光パターンLPの対向車線側(右側)の下水平カットオフラインCLを形成し、下水平エッジは、前記ロービーム配光パターンLPの自車線側(左側)の上水平カットオフラインCLを形成し、斜めエッジは、前記ロービーム配光パターンLPの斜めカットオフラインCLを形成する。
前記シェード5は、前記第1シェード部51と前記第2シェード部52とからなる2枚の板構造であり、前記配光パターンに生じる色(たとえば、青色)を消すことができる。前記シェード5の前記第1シェード部51および前記第2シェード部52が第1姿勢に切り替えられているときにおいて、前記第1シェード部51および前記第2シェード部52は、前記リフレクタ3の前記反射面31から前記投影レンズ4に向かう反射光の一部をカットオフして残りの反射光を前記投影レンズ4側に通して前記カットオフラインCLを有する前記ロービーム配光パターンLPを形成する。
2枚の板構造からなる前記シェード5の前記第1シェード部51と前記第2シェード部52とは、空間54を挟んで相互に対向している。前記シェード5でカットオフされた反射光の一部は、前記第2シェード部52の対向面で前記第1シェード部51側に反射し、かつ、前記第1シェード部51の対向面で前記第2シェード部52側に反射して、前記第2シェード部52の下側の縁を通って前記投影レンズ4に入射する。前記投影レンズ4に入射した光は、前記第1上方配光パターンOP1として前記投影レンズ4から車両の前方の上方に照射される。
前記第1シェード部51の対向面と前記第2シェード部52の対向面とは、前記シェード5の素材の面をそのまま使用しても良いし、また、新たに反射面処理を施したものでも良い。前記第1シェード部51の前記エッジ510に、前記ロービーム配光パターンLPのうち所定の部分の光度を下げる遮蔽部を設けても良い。前記シェード5の前記第1シェード部51と前記第2シェード部52との間の前記空間54において、中央部を広くして、左右両端部を狭くして、前記ロービーム配光パターンLPの左右両端部のカットオフラインCLの明暗差をぼかして視認性を向上させるようにしても良い。
(第2シェード部52の説明)
前記第2シェード部52は、図3〜図10に示すように、第1傾斜部521と、第2傾斜部522と、平行部523と、から構成されている。前記第1傾斜部521および前記第2傾斜部522は、前記第2シェード部52のうち前記投影レンズ4の前記光軸Z2に対して自車線側(左側)の部分の一部分を前記投影レンズ4側に変位させてなる変位部を構成するものである。前記平行部523は、前記第1傾斜部521および前記第2傾斜部522の左右の端から左右に一体に延設されている。前記平行部523は、前記投影レンズ4の前記光軸Z2に対して垂直もしくはほぼ垂直であり、前記第1シェード部51と平行もしくはほぼ平行である。
前記変位部としての前記第1傾斜部521および前記第2傾斜部522の上縁である前記エッジ520は、図5に示すように、前記第1シェード部51の上縁である前記エッジ510より上側に突出している。
前記変位部としての前記第1傾斜部521は、前記投影レンズ4の前記光軸Z2において、前記第2シェード部52から前記投影レンズ4側に折り曲げてなる第1傾斜面を構成する。前記変位部としての前記第2傾斜部522は、前記第1傾斜面としての前記第1傾斜部521から前記光源2側に折り返してなる第2傾斜面を構成する。前記第1傾斜面としての前記第1傾斜部521は、前記第2傾斜面としての前記第2傾斜部522よりも前記投影レンズ4の前記光軸Z2側に位置する。前記第1傾斜面としての前記第1傾斜部521の傾斜角度は、前記第2傾斜面としての前記第2傾斜部522の傾斜角度よりも大きい。
前記変位部としての前記第2傾斜部522の下縁部には、切欠部524が設けられている。前記変位部としての前記第1傾斜部521および前記第2傾斜部522のうち前記第1傾斜部521寄りの部分には、第1幅広部525が設けられている。前記第1幅広部525の上下幅は、前記第2シェード部52の前記第2傾斜部522のうち前記第1傾斜部521側に対して反対側の部分の上下幅よりも大きい。
前記第2シェード部52のうち、前記第1傾斜部521から連続する前記平行部523の前記投影レンズ4の前記光軸Z2側の部分には、第2幅広部526が設けられている。前記第2幅広部526の上下幅は、前記第1傾斜部521から連続する前記平行部523のうち前記第2幅広部526を除いた部分の上下幅よりも大きい。
(折曲部528の説明)
前記第2幅広部526には、折曲部528が設けられている。前記折曲部528は、前記第2幅広部526の一部分を前記投影レンズ4側に折り曲げてなる。前記折曲部528の折曲線527は、図11(A)に示すように、車両水平方向に対して角度θ1分傾斜している。
前記折曲部528は、前記第2幅広部526のうち前記投影レンズ4の前記光軸Z2の近傍の一部分を前記折曲線527に沿って前記投影レンズ4側に折り曲げてなる。前記折曲部528は、前記折曲線527に対して、前記投影レンズ4の前記光軸Z2側の一部分を折り曲げてなる。前記折曲部528は、前記シェード5でカットオフされた反射光の一部の光L1により、前記第2上方配光パターンOP2を形成する。
前記折曲部528は、前記第2シェード部52のうち対向車線側(右側)の前記第2幅広部526に設けられている。このために、前記折曲部528で反射して前記投影レンズ4に入射する光L1(最終ベクトルL1)の延長線(図9(B)、図10(B)中の破線を参照)と、前記投影レンズ4の前記焦点面FPとの交点は、前記投影レンズ4の前記焦点F3に対して対向車線側(右側)に位置する。これにより、前記第2上方配光パターンOP2は、前記投影レンズ4から対向車線側(右側)に対して反対側の自車線側(左側)に照射される。前記交点と前記投影レンズ4の前記焦点F3との間が離れれば離れるほど前記第2上方配光パターンOP2は、左側(車両の側方側、外側)に照射される。
前記折曲部528は、図11(A)、(B)に示すように、前記折曲線527と切込線529により囲まれている一部分を前記折曲線527において折り曲げてなる。すなわち、図11(A)に示すように、前記第2シェード部52の打抜き加工時において、前記第2幅広部526のうち前記折曲部528に対応する部分の周囲の三方(前記折曲線527に対して前記投影レンズ4の前記光軸Z側の辺、上辺、下辺)を打抜いて前記切込線529を形成する。つぎに、図11(B)に示すように、前記第2シェード部52の折曲加工時において、前記切込線529により三方を囲まれている前記折曲部528に対応する部分を、前記折曲線527に沿って折り曲げて前記折曲部528を形成する。前記折曲部528は、図11(C)に示すように、前記第2幅広部526に対して角度θ2(この例では、ほぼ90°であるが、特に限定しない)分折り曲げられている。
図11(B)、(C)に示すように、前記第2シェード部52の折曲加工後において、前記第2幅広部526のうち、前記切込線529および前記折曲部528に対応する部分には、開口部500が形成されている。前記開口部500のうち前記折曲線527に対して前記投影レンズ4の前記光軸Z側の辺の上側の部分には、凹部501が設けられている。前記開口部500および前記凹部501は、前記シェード5でカットオフされた反射光の一部の光により、前記第3上方配光パターンOP3を形成する。
前記開口部500および前記凹部501は、前記第2シェード部52のうち対向車線側(右側)の前記第2幅広部526に設けられている。このために、前記開口部500および前記凹部501を通過して前記投影レンズ4に入射する光(最終ベクトル)の延長線と、前記投影レンズ4の前記焦点面FPとの交点は、前記投影レンズ4の前記焦点F3に対して対向車線側(右側)に位置する。これにより、前記第3上方配光パターンOP3は、前記投影レンズ4から対向車線側(右側)に対して反対側の自車線側(左側)に照射される。
前記第2幅広部526の前記開口部500の周囲の四方は、囲まれている。特に、前記開口部500の下辺は、周囲部502により囲まれている。
(切替手段のばね部材6、ソレノイド7の説明)
前記ばね部材6および前記ソレノイド7は、前記シェード5の姿勢を、上方の姿勢と下方の姿勢との間において、前記ロービームと前記ハイビームとが得られる複数の姿勢、すなわち、第1姿勢のロービーム姿勢と第2姿勢のハイビーム姿勢とに切り替えるものである。前記ロービーム姿勢は、図1に示す上方の姿勢(位置)であり、前記ハイビーム姿勢は、図1に示すロービーム姿勢よりも下方に位置する下方の姿勢(位置)である。
前記ばね部材6は、ステンレスやSUS(ばね鋼板)などの弾性を有する薄板構造からなる。また、前記ばね部材6は、図1、図3、図4に示すように、正面視長円形形状をなす。前記シェード5と前記ばね部材6とは、一体構造をなす。すなわち、前記シェード5の前記第1シェード部51の下側の縁と前記ばね部材6の上水平部の取付部60の前側の縁とが一体となっている。なお、前記シェード5と前記ばね部材6とは、それぞれ別個に製造してから一体に固定しても良い。
前記ばね部材6は、前記フレーム部材8に固定されている。すなわち、前記ばね部材6の下水平部の固定部61の両端部がスクリュー62止めにより前記フレーム部材8に固定されている。前記シェード5と一体構造の前記ばね部材6が前記フレーム部材8に固定されることにより、前記ばね部材6のばね力が作用する方向は、前記シェード5の姿勢が上方の第1姿勢(ロービーム姿勢)と下方の第2姿勢(ハイビーム姿勢)との間において切り替わる方向と一致もしくはほぼ一致する。
前記ソレノイド7は、図1に示すように、前記ばね部材6の空間中に収納されており、かつ、前記ばね部材6の前記固定部61を介して前記フレーム部材8に固定されている。前記ソレノイド7の進退ロッド70の先端は、前記ばね部材6の前記取付部60に取り付けられている。前記ソレノイド7の進退ロッド70が進退する方向は、図1に示すように、前記ばね部材6のばね力の作用方向および前記シェード5の姿勢の切替方向と一致もしくはほぼ一致する。前記ばね部材6のばね力の作用方向および前記シェード5の姿勢の切替方向および前記ソレノイド7の進退ロッド70の進退方向は、上下の垂直線VU−VD方向である。
(フレーム部材8、ストッパ9の説明)
前記フレーム部材8には、前記ストッパ9が固定されている。前記フレーム部材8は、前記上下方向用光軸調整機構および前記左右方向用光軸調整機構を介して前記ランプハウジングに取り付けられている。前記ストッパ9は、図1に示すように、前記ソレノイド7が非駆動時において、前記ばね部材6の前記取付部60が弾性当接して、前記シェード5のロービーム姿勢を規制制動するものである。
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる車両用前照灯1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
まず、光源2を点灯する。すると、この光源2の発光部21から光が放射される。この光は、リフレクタ3の反射面31でシェード5および投影レンズ4側に反射される。このとき、ソレノイド7が非駆動時、すなわち、非通電状態のときには、ばね部材6のばね力により、ソレノイド7の進退ロッド70が前進してかつシェード5が上方に付勢されており、かつ、ばね部材6の取付部60がストッパ9に弾性当接している。この結果、シェード5は、規制制動されていて、図1に示すロービーム姿勢(第1姿勢)にある。
シェード5が図1に示すロービーム姿勢にあるときには、リフレクタ3の反射面31からの反射光のうちの一部は、シェード5の第1シェード部51および第2シェード部52によりカットオフ(遮蔽)される。一方、カットオフ(遮蔽)されなかった残りの反射光は、投影レンズ4側に進み、投影レンズ4を経て、図2に示すロービーム配光パターンLPとして、自動車の前方に投影(放射、照射)される。このロービーム配光パターンLPには、図2に示すように、シェード5の第1シェード部51のエッジ510および第2シェード部52のエッジ520によりカットオフラインCLが形成されている。
シェード5の第1シェード部51および第2シェード部52によりカットオフされた反射光の一部の光は、第1シェード部51と第2シェード部52との間の空間54を通って投影レンズ4側に進む。すなわち、第1シェード部51のエッジ510および第2シェード部52のエッジ520側から空間54中に入った光は、空間54における第1シェード部51の対向面と第2シェード部52の対向面とで反射して、第2シェード部52の下縁から投影レンズ4側に進む。これにより、図2に示すように、第1上方配光パターンOP1がロービーム配光パターンLPのカットオフラインCLよりも上方に形成される。
ここで、図7〜図10に示すように、カットオフされた反射光の一部の光L1(図中、実線矢印参照)は、第2シェード部52の第2傾斜部522および第2幅広部526の対向面で反射し、かつ、第1シェード部51の対向面で反射する。その反射した光L1は、第2シェード部52の開口部500を通って折曲部528で反射する。その反射した光L1は、投影レンズ4側に進む。これにより、図9(A)、図10(A)に示すように、第2上方配光パターンOP2が形成される。
また、カットオフされた反射光の一部の光は、第2シェード部52の対向面で反射し、かつ、第1シェード部51の対向面で反射する。その反射した光は、第2シェード部52の開口部500および凹部501を通って投影レンズ4側に進む。これにより、図11(D)に示すように、第3上方配光パターンOP3が形成される。
ソレノイド7に通電すると、ソレノイド7が駆動して、ソレノイド7の進退ロッド70がばね部材6のばね力に抗して後退する。これに伴って、シェード5は、図1に示す上方のロービーム姿勢(第1姿勢)から下方のハイビーム姿勢(第2姿勢)に切り替わる。
すると、今まで、シェード5の第1シェード部51および第2シェード部52によりカットオフされていたリフレクタ3の反射面31からの反射光は、残りの反射光と共に、投影レンズ4側に進み、投影レンズ4を経て、ハイビーム配光パターンとして、自動車の前方に投影(放射、照射)される。
そして、ソレノイド7への通電を遮断すると、ソレノイド7が非駆動状態となるので、弾性変形していたばね部材6がばね力に弾性復帰する。この結果、シェード5は、下方のハイビーム姿勢(第2姿勢)から図1に示す上方のロービーム姿勢(第1姿勢)に切り替わる。これにより、ハイビーム配光パターンから図2に示すロービーム配光パターンLPおよび第1上方配光パターンOP1、第2上方配光パターンOP2、第3上方配光パターンOP3に切り替わる。
(実施形態の効果の説明)
この実施形態における車両用前照灯1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
この実施形態における車両用前照灯1は、図11に示すように、第2シェード部52の第2幅広部526の一部分を、車両水平方向に対して角度θ1分傾斜している折曲線527に沿って、投影レンズ4側に折り曲げてなる折曲部528を設けるものである。このために、この実施形態における車両用前照灯1は、折曲部528により、リフレクタ3の反射面31で反射した光の一部L1が第2上方配光パターンOP2として車両の側方この例では左側の上方に照射されるので、車両の側方の上方に十分な光を照射することができる。
この実施形態における車両用前照灯1は、折曲線527の車両水平方向に対して傾斜している角度θ1を調整することにより、第2上方配光パターンOP2の上下の照射方向を調整することができる。また、この実施形態における車両用前照灯1は、折曲線527の第2幅広部526に対して傾斜している角度θ2を調整することにより、第2上方配光パターンOP2の左右の照射方向を調整することができる。
この実施形態における車両用前照灯1は、折曲部528により、リフレクタ3の反射面31で反射した光の一部L1を投影レンズ4に入射させるものであるから、反射面31からの反射光(L1)を有効に利用することができる。すなわち、この発明を実施しない車両用灯具(折曲部528を設けない車両用前照灯)の場合においては、反射面31で反射した光の一部L2(図7、図8中の破線矢印を参照)が投影レンズ4に入射しない。これに対して、この実施形態における車両用前照灯1は、折曲部528により、反射面31で反射した光の一部L1が投影レンズ4に入射するので、反射面31からの反射光L1を有効に利用することができる。
この実施形態における車両用前照灯1は、折曲部528が、第2シェード部52の第2幅広部526のうち投影レンズ4の光軸Z2の近傍の一部分を折り曲げてなるものである。このために、この実施形態における車両用前照灯1は、反射面31からの反射光であって、投影レンズ4の光軸Z2の近傍における光が強い反射光の一部L1を、折曲部528により第2上方配光パターンOP2として有効に利用することができる。
この実施形態における車両用前照灯1は、折曲部528が、折曲線527に対して、投影レンズ4の光軸Z2側の一部分を折り曲げてなるものである。このために、この実施形態における車両用前照灯1は、反射面31からの反射光であって、投影レンズ4の光軸Z2側からの反射光の一部L1を、折曲部528で投影レンズ4の光軸Z2側に反射させることができる。これにより、この実施形態における車両用前照灯1は、折曲部528で反射して投影レンズ4に入射する光L1(最終ベクトルL1)の延長線(図9(B)、図10(B)中の破線を参照)と、投影レンズ4の焦点面FPとの交点が、投影レンズ4の焦点F3に対して右側に離れるので、第2上方配光パターンOP2を左側に容易にかつ確実に照射することができる。
この実施形態における車両用前照灯1は、折曲部528が、折曲線527と切込線529により囲まれている一部分を折曲線527において折り曲げてなるものである。このために、この実施形態における車両用前照灯1は、折曲部528を折り曲げた後に形成される開口部500(凹部501を含む)の周囲の四方が第2幅広部526により囲まれているので、開口部500を有する第2幅広部526の剛性を、開口部500の周囲の四方が第2幅広部526により囲まれていないものと比較して、上げることができる。
この実施形態における車両用前照灯1は、折曲線527を、車両水平方向に対して角度θ1分、かつ、第2幅広部526に対して角度θ2分それぞれ傾斜させているので、第2幅広部526の剛性をさらに向上させることができる。
この実施形態における車両用前照灯1は、折曲部528を折り曲げた後に形成される開口部500により、第1上方配光パターンOP1と第2上方配光パターンOP2との間(すなわち、第1上方配光パターンOP1と第2上方配光パターンOP2とが重畳している部分)を照射する第3上方配光パターンOP3を得ることができる。
この実施形態における車両用前照灯1は、開口部500のうち折曲線527に対して投影レンズ4の光軸Z側の辺の上側の部分に凹部501を設けるものであるから、その凹部501により、車両の左側の上方に照射される第3上方配光パターンOP3の右側端部を右側(車両の中央側、スクリーンの上下の垂直線VU−VD側)に広げることができる。すなわち、凹部501を開口部500(図11(A)、(B)中の破線を参照)から投影レンズ4の光軸Z2側に設けることにより、第3上方配光パターンOP3の右側端部(図11(D)中の破線を参照)を右側に広げることができる。
(実施形態以外の例の説明)
なお、この実施形態においては、日本国仕様などであって、左側の車線が自車線であり、右側の車線が対向車線である。ところが、この発明においては、北米仕様などであって、左側の車線が対向車線であり、右側の車線が自車線であっても良い。この場合においては、シェード5の構造が左右反転する。
また、この実施形態においては、折曲部528を第2シェード部52の対向車線側(右側)に設けるものである。ところが、この発明においては、折曲部528を、第2シェード部52の自車線側(左側)に設けても良いし、第2シェード部52の対向車線側(右側)および自車線側(左側)に設けても良い。
さらに、この実施形態においては、開口部500(凹部501を含む)の周囲の四方を第2幅広部526により囲むものである。特に、開口部500の下辺を周囲部502により囲むものである。ところが、この発明においては、開口部500の下辺を周囲部502により囲わずに開口部500の下辺を開放しても良い。
さらにまた、この実施形態においては、開口部500に凹部501を設けるものである。ところが、この発明においては、開口部500に凹部501を設けなくても良い。
さらにまた、この実施形態においては、折曲部528の折曲線527が車両水平方向に対して角度θ1分傾斜している。ところが、この発明においては、折曲部528の折曲線527が車両水平方向に対して垂直であっても良い。すなわち、角度θ1は、約50°〜約90°である。
1 車両用前照灯
2 光源
20 ソケット機構
21 発光部
3 リフレクタ
30 透孔
31 反射面
4 投影レンズ
40 入射面
41 出射面
5 シェード
51 第1シェード部
52 第2シェード部
53 固定手段
54 空間
500 開口部
501 凹部
502 周囲部
510 エッジ
520 エッジ
521 第1傾斜部
522 第2傾斜部
523 平行部
524 切欠部
525 第1幅広部
526 第2幅広部
527 折曲線
528 折曲部
529 切込線
6 ばね部材
60 取付部
61 固定部
62 スクリュー
7 ソレノイド
70 進退ロッド
8 フレーム部材
9 ストッパ
B 後
CL カットオフライン
D 下
F 前
F1 第1焦点
F2 第2焦点
F3 焦点
FP 焦点面
HL−HR スクリーンの左右の水平線
L 左
L1、L2 光
LP ロービーム配光パターン
OP1 第1上方配光パターン
OP2 第2上方配光パターン
OP3 第3上方配光パターン
R 右
VU−VD スクリーンの上下の垂直線
U 上
Z1 光軸
Z2 光軸
θ1、θ2 角度

Claims (4)

  1. 光源と、
    前記光源からの光を反射させるリフレクタと、
    前記リフレクタよりも前側に配置されていて、前記リフレクタからの反射光を車両の前方に投影する投影レンズと、
    前記リフレクタと前記投影レンズとの間に配置されていて、前記リフレクタから前記投影レンズに向かう反射光の一部をカットオフして残りの反射光を前記投影レンズ側に通してカットオフラインを有する配光パターンを形成し、かつ、カットオフした前記反射光の一部を前記投影レンズ側に通して前記配光パターンの前記カットオフラインよりも上方に上方配光パターンを形成するシェードと、
    を備え、
    前記シェードは、前記光源側の第1シェード部と前記投影レンズ側の第2シェード部とから構成されていて、
    前記第2シェード部には、折曲部が設けられていて、
    前記折曲部は、前記第2シェード部の一部分を前記投影レンズ側に折り曲げてなり、
    前記折曲部の折曲線は、車両水平方向に対して傾斜しているもしくは垂直である、
    ことを特徴とする車両用前照灯。
  2. 前記折曲部は、前記第2シェード部のうち前記投影レンズの光軸の近傍の一部分を折り曲げてなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
  3. 前記折曲部は、前記折曲線に対して、前記投影レンズの光軸側の一部分を折り曲げてなる、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用前照灯。
  4. 前記折曲部は、前記折曲線と切込線により囲まれている一部分を前記折曲線において折り曲げてなる、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用前照灯。
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