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JP2016210378A - インホイールモータ駆動装置用サスペンション構造 - Google Patents

インホイールモータ駆動装置用サスペンション構造 Download PDF

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JP2016210378A JP2015098373A JP2015098373A JP2016210378A JP 2016210378 A JP2016210378 A JP 2016210378A JP 2015098373 A JP2015098373 A JP 2015098373A JP 2015098373 A JP2015098373 A JP 2015098373A JP 2016210378 A JP2016210378 A JP 2016210378A
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Shiro Tamura
四郎 田村
将吾 岡本
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将吾 岡本
直哉 竹内
Naoya Takeuchi
直哉 竹内
真也 太向
Masaya Taiko
真也 太向
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Abstract

【課題】インホイールモータ駆動装置が転舵、バウンド、およびリバウンドしてもサスペンション部材と干渉せず、しかもサスペンション部材の地上高、強度、および剛性を大きくすることができるサスペンション構造を提供する。【解決手段】インホイールモータ駆動装置用サスペンション構造10は、インホイールモータ駆動装置11と連結する上側連結点32cおよび下側連結点32dを有しこれらの連結点を通過するキングピン(K)を中心としてインホイールモータ駆動装置を転舵可能に保持するキャリア31と、キャリアと連結する遊端22および車体側メンバと連結する基端23を有し、遊端は基端に対して上下方向揺動可能なアーム部材21とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、転舵輪を駆動するインホイールモータ駆動装置に関し、特にインホイールモータ駆動装置を車体に取り付けるサスペンション装置に関する。
インホイールモータ駆動装置は車輪中(in wheel)に配置されて当該車輪を駆動することから、従来の車両用エンジンのように駆動源を車体に搭載する必要がなく、車体の内部空間を有効利用することができる。また従来の車両用エンジンと比較して、駆動源の小型化・軽量化を図ることができる。
インホイールモータ駆動装置を包囲する車輪を転舵可能にするサスペンション装置としては従来、例えば、特開2015−58825号公報(特許文献1)に記載のごときものが知られている。図5は、特許文献1記載のサスペンション装置を車両前後方向にみた状態を示す正面図である。特許文献1記載のインホイールモータ駆動装置110は、車幅方向に延びる軸線Oを中心として回転する車輪ハブ111と、軸線Oよりも上方の装置上部から上方へ延びるアーム部112を有する。アーム部112の上端はボールジョイント113を介して、ハイマウント型ダブルウィッシュボーン式サスペンション装置のアッパアーム114と回動可能に連結する。またインホイールモータ駆動装置110のうち軸線Oよりも下方の装置下部117は、ボールジョイント118を介して、ハイマウント型ダブルウィッシュボーン式サスペンション装置のロアアーム119と回動可能に連結する。
ボールジョイント113およびボールジョイント118を通過する仮想直線はキングピンKを構成する。インホイールモータ駆動装置110は図示しない転舵輪とともにキングピンKを中心として転舵可能である。インホイールモータ駆動装置110の車輪ハブ111およびボールジョイント118は、転舵輪のロードホイールの内空領域に配置される。
アッパアーム114は車幅方向に延び、ボールジョイント113と結合する車幅方向外側端115を遊端とし、車幅方向内側端116を基端として、上下方向に揺動可能である。またロアアーム119も、ボールジョイント118と結合する車幅方向外側端120を遊端とし、車幅方向内側端121,122を基端として、上下方向に揺動可能である。これによりインホイールモータ駆動装置110は図示しない転舵輪とともに上下方向にバウンドおよびリバウンド可能である。
インホイールモータ駆動装置110のうち軸線Oよりも下方の装置下部117は、ダンパ123の下端と連結する。ダンパ123の上端は図示しない車体と連結する。ダンパ123はインホイールモータ駆動装置110のバウンドおよびリバウンドを減衰させる。
特許文献1記載のサスペンション装置によれば、キングピンKが転舵輪と交差して延び、ホイールセンタ付近に配置されることから、ホイールセンタからみたキングピンのオフセットが小さい。したがってキングピンが転舵輪と交差しない場合よりも走行安定性に優れる。
特開2015−58825号公報
特許文献1記載のサスペンション装置によれば、ロアアーム119がインホイールモータ駆動装置110の下方に隣り合って配置されるため、インホイールモータ駆動装置110が下方へリバウンドする時にロアアーム119がインホイールモータ駆動装置110と干渉する虞がある。さらにロアアーム119の遊端領域が転舵輪の内空領域に配置されるため、インホイールモータ駆動装置110が上方へバウンドする時にロアアーム119が転舵輪のロードホイールと干渉する虞がある。さらにインホイールモータ駆動装置110が大きな角度で転舵したり、バウンドおよびリバウンドを伴って転舵したりすると、ロアアーム119がインホイールモータ駆動装置110と干渉する虞がある。
そこでクリアランスを確保するために、ロアアーム119をインホイールモータ駆動装置110に向かって先細に形成したり、ロアアーム119を湾曲して形成したり、ロアアーム119の上下方向厚みないし断面形状を小さくする等の対策が取られる。このためロアアームの地上高、強度、剛性に改善の余地があった。
本発明は、上述の実情に鑑み、転舵輪を駆動するインホイールモータ駆動装置が転舵、バウンド、およびリバウンドしてもサスペンション部材と干渉せず、しかもサスペンション部材の地上高、強度、および剛性を大きくすることができるインホイールモータ駆動装置を車体に取り付けるためのサスペンション構造を提供することを目的とする。
この目的のため本発明によるインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造は、インホイールモータ駆動装置と連結する上側連結点および下側連結点を有しこれらの連結点を通過するキングピンを中心としてインホイールモータ駆動装置を転舵可能に保持するキャリアと、このキャリアと連結する遊端および車体側メンバと連結する基端を有し遊端は基端に対して上下方向揺動可能なアーム部材とを備える。
かかる本発明によれば、アーム部材の遊端がインホイールモータ駆動装置から離隔することから、インホイールモータ駆動装置が揺動ないし転舵しても、インホイールモータ駆動装置がアーム部材と干渉することがない。またキャリアはインホイールモータ駆動装置とともにアーム部材に対して上下方向に揺動するのであって、インホイールモータ駆動装置がキャリアに対して上下方向に揺動するものではない。したがってアーム部材の配置および形状の自由度が増え、アーム部材の断面形状に制約がなく、アーム部材の地上高、強度、および剛性を大きくすることができる。なお車体側メンバとは説明される部材からみて車体側に取り付けてある部材をいい、車体のみならず、車体に取り付けられる車体フレーム、車体フレームに取り付けられるブラケット、その他車体に附設される部品等を含む。
ところで転舵輪は車両前側に配置され、運転席は転舵輪よりも車両後側に配置されることが常套である。図5に示す従来例では、ダンパ123とインホイールモータ駆動装置110の連結点を転舵輪のホイールセンタに近づけるために、ダンパ123の下端がインホイールモータ駆動装置110の装置上部と連結する。この場合ダンパ123は転舵輪のバウンド量およびリバウンド量と同じ移動量で上下方向に伸縮するため、ダンパ123の全長を十分に確保しなければならず、上下方向に延びるダンパ123の上端は転舵輪よりも高い位置で車体と連結する。そして車体はダンパ123の上端よりもさらに高くなる。そうするとダンパ123よりも車両後方に設けられる車両の運転席に搭乗する運転者の前方視界は車体によって減殺されてしまう。視界を確保するため運転席の高さを大きくすると、今度は車両の重心も高くなって操縦安定性が低下したり、車両前後方向にみた車体投影面積が広くなって走行抵抗が増加してしまう。
そこで本発明の一実施形態としてインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造は、上下方向に延びる部材であって、一端が車体側メンバと連結し、他端がキャリアと連結するダンパをさらに備える。かかる実施形態によれば、上下方向に延びるダンパにおいてダンパの下端領域をインホイールモータ駆動装置と同じ高さ位置に重ねて配置することが可能になる。したがってダンパの全長を犠牲にすることなくダンパの上端を従来よりも下げることができ、車体の高さを下げて運転者の前方視界を確保することができる。またキャリアは旋回しないためインホイールモータ駆動装置が旋回してもキングピン回りのモーメントがダンパに作用せず、ダンパの寿命が向上する。
本発明の好ましい実施形態としてダンパの他端はキャリアの下部と連結する。かかる実施形態によれば、ダンパの高さを下げて、車体の高さを一層下げることができ、運転者の前方視界を下方まで広く確保することができる。より好ましくはダンパの他端はインホイールモータ駆動装置の軸線よりも下方でキャリアと連結する。
本発明の好ましい実施形態として、上側連結点および下側連結点はインホイールモータ駆動装置に駆動される車輪の内空領域に配置される。かかる実施形態によればキングピン(転舵軸線)が、インホイールモータ駆動装置を収容する車輪(転舵輪)と交差し得て、転舵輪のホイールセンタとキングピンのオフセットを少なくすることができる。したがって転舵輪が段差を乗り越える際に段差から転舵輪に入力されるキングピン回りのモーメントが小さくなり、走行安定性が向上する。またキングピンから、転舵輪と路面の接地範囲の中心までの距離を短くし得て、転舵輪の駆動力に伴い発生するキングピン回りのモーメントが小さくなり、走行安定性が向上する。
本発明は遊端をインホイールモータ駆動装置に駆動される車輪の内空領域に配置することを排除するものではないが、好ましい実施形態として遊端はインホイールモータ駆動装置に駆動される車輪の外部に配置される。かかる実施形態によれば車輪が転舵ないし揺動する際にアーム部材が車輪と干渉することを確実に防止できる。
本発明のさらに好ましい実施形態としてアーム部材は、相対的に上側に配置されるアッパアームと、相対的に下側に配置されるロアアームを含む。かかる実施形態によれば、ダブルウィッシュボーン式サスペンション構造を実現することができる。ここで好ましくはアッパアームおよびロアアームは、インホイールモータ駆動装置の軸線よりも上側および下側にそれぞれ配置されるとよい。
本発明の一実施形態としてアーム部材の遊端は、車両前後方向のうちの前側に配置される前側連結点と、車両前後方向のうちの後側に配置される後側連結点を含む。かかる実施形態によれば、キャリアを複数の連結点で車体側メンバに安定して取り付けることができる。
このように本発明によれば、インホイールモータ駆動装置とアーム部材の間に中間部材としてのキャリアが介在することから、アーム部材をインホイールモータ駆動装置の上方および下方に配置する必要がなく、インホイールモータ駆動装置がバウンドおよびリバウンドしてもアーム部材がインホイールモータ駆動装置や車輪に干渉する虞がない。またインホイールモータ駆動装置とアーム部材の間に中間部材としてのキャリアが介在することから、アーム部材をインホイールモータ駆動装置の前方および後方(車両前後方向)に配置する必要がなく、インホイールモータ駆動装置が転舵してもアーム部材がインホイールモータ駆動装置や車輪に干渉する虞がない。
本発明の一実施形態になるインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造を示す斜視図である。 同実施形態を示す正面図である。 同実施形態を示す平面図である。 同実施形態から連結点を取り出して示す断面図である。 従来のインホイールモータ駆動装置およびサスペンション装置を示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態になるインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造を示す斜視図である。図2は同実施形態を示す正面図であり、車両前後方向にみた状態を車輪の断面とともに表す。図3は同実施形態を示す平面図であり、車輪の一部とともに表す。
まずインホイールモータ駆動装置11から説明すると、図1および図2に示すようにインホイールモータ駆動装置11は、モータ部11A、減速部11B、および車輪ハブ部11Cを備える。車輪ハブ部11Cは、回転部材であるハブ輪12と、ハブ輪12を回転自在に支持する非回転部材である外輪部材(図示せず)を有する。これらモータ部11A、減速部11B、および車輪ハブ部11Cは、ハブ輪12の軸線O方向に順次直列に配置され、かつ同軸に配置される。またハブ輪12にはボルトによって車輪14が取付固定される。
モータ部11Aは、ケーシングの内部に回転電機のロータおよびステータを内蔵し、ハブ輪12を駆動し、あるいはハブ輪12の回転を利用して電力回生を行う。減速部11Bは、ケーシング内に例えばサイクロイド減速機などの減速機構を内蔵し、モータ部11Aの回転を減速してハブ輪12に伝達する。
インホイールモータ駆動装置11は、車両の車幅方向外側に配置される車輪14を駆動するものであり、図2に示すように車輪14のロードホイール15の内空領域に設けられる。なお図1中、インホイールモータ駆動装置11は直方体として表されているが、この他にも軸線Oを中心とする円柱体であってもよい。インホイールモータ駆動装置11の車輪ハブ部11Cを車幅方向外側としモータ部11Aを車幅方向内側として、インホイールモータ駆動装置11はサスペンション構造10を介して車体50に取り付けられる。
次に、インホイールモータ駆動装置を車体に転舵可能に懸架するサスペンション構造につき説明する。
本実施形態のサスペンション構造10は、上下方向揺動可能なアーム部材としてのアッパアーム21およびロアアーム24と、インホイールモータ駆動装置11およびアーム部材間に介在する中間部材としてのキャリア31と、ダンパ41とを備える。
キャリア31は、基部31b、上腕部31c、および下腕部31dを有する。基部31bはインホイールモータ駆動装置11よりも車幅方向内側に配置される。上腕部31cは基部31bの上縁から車幅方向外側へ突出し、インホイールモータ駆動装置11よりも上方に配置される。下腕部31dは基部31bの下縁から車幅方向外側へ突出し、インホイールモータ駆動装置11よりも下方に配置される。上腕部31cの先端は、ロードホイール15の内空領域に位置し、回動軸32cを介してインホイールモータ駆動装置11の上部と連結し、下腕部31dの先端もロードホイール15の内空領域に位置し、回動軸32dを介してインホイールモータ駆動装置11の下部と連結する。
回動軸32c,32dはそれぞれ上下方向に延びる。そして上下2箇所の連結点になる回動軸32c,32dを通過する仮想直線はキングピンKを構成する。インホイールモータ駆動装置11は、操舵装置のタイロッド(図示せず)とさらに連結し、上下方向に延びるキングピンKを中心として図2にキングピンKを中心とする矢印で示すように転舵可能に保持される。
上方のアッパアーム21および下方のロアアーム24は、キャリア31よりも車幅方向内側で、上下方向に離隔して配置される。アッパアーム21は例えばH形状であって、車幅方向に延び、車幅方向外側に2個の遊端22を、車幅方向内側に2個の基端23を有する。アッパアーム21は図2に矢印で示すように基端23を中心として上下方向に揺動可能である。
各遊端22は、図1に示すように回動軸33を介してキャリア31の基部31bと連結する。このため基部31bの上縁には車両前後方向に間隔を空けて2個のブラケット34が形成される。各ブラケット34は車両前後方向に延びる回動軸33の両端を支持する。
各基端23は、図2に示すように回動軸53を介して車体50と連結する。回動軸53は車両前後方向に延びることから、アッパアーム21は基端23の回動軸53を中心として上下方向に揺動可能である。
ロアアーム24もアッパアーム21と同様の形状であり、車幅方向外側に2個の遊端25と、車幅方向内側に2個の基端26を有する。各遊端25は回動軸35を介して基部31bの下縁と連結し、各基端26は回動軸56を介して車体50と連結する。このため基部31bの下縁には車両前後方向に間隔を空けて2個のブラケット36が形成される。各ブラケット36は車両前後方向に延びる回動軸35の両端を支持する。ロアアーム24も図2に矢印で示すように基端26を中心として上下方向に揺動可能である。
ダンパ41は上下方向に延びる部材であって、ロアアーム24よりも上方に配置される。ダンパ41の上端はアッパアーム21よりも上方で車体50と連結し、ダンパ41の下端はアッパアーム21よりも下方で回動軸38を介してキャリア31の下部と連結する。このためダンパ41はH形状のアッパアーム21の中を通される。特にダンパ41の下端は、インホイールモータ駆動装置11の軸線Oよりも下方でキャリア31と連結し、ダンパ41の下端領域の高さ位置はキャリア31およびインホイールモータ駆動装置11の高さ領域と重なる。ダンパ41の下端は円筒体に形成され、この円筒体には車両前後方向に延びる回動軸38が通される。キャリア31の基部31bにはブラケット39が形成される。ブラケット39は回動軸38の両端を支持する。
遊端22,25およびダンパ41の下端はすべて同一の円筒体に形成され、キャリア31に設けられた同一形状のブラケット34,36,39にそれぞれ連結される。基端23,26も車体50に設けられた同一形状のブラケットにそれぞれ連結される。これらを代表して遊端22とブラケット34の連結構造を取り出し、図4に拡大して示す。遊端22と、遊端22の中央孔に通される回動軸33との環状空間にはゴム製の円筒体であるブッシュ37が設けられる。ブラケット34側のキャリア31は、遊端22側のアッパアーム21に対し、車両前後方向に延びる回動軸33を中心として回動可能であるが、ブッシュ37の弾性変形によって若干の軸方向移動および軸直角方向移動を許容される。
ここで附言するとキャリア31は上下方向にみて図3に示すようにT字形状であり、キャリア31の上腕部31cは前方のブラケット34および後方のブラケット34間の中央、つまり基部31bの前後方向中央部に配置される。下腕部31dも同様である。ブラケット39も基部31bの前後方向中央部に配置される。
次にサスペンション構造10の作用につき説明する。
アッパアーム21およびロアアーム24が基端23,26を中心に上下に揺動すると、キャリア31と連結するアッパアーム21およびロアアーム24の遊端22,25が上下移動する。これによりキャリア31、インホイールモータ駆動装置11、および車輪14は車体50に対して上方へバウンドしたり下方へリバウンドする。同時にダンパ41は上下方向に伸縮する。ダンパ41はコイルスプリング42に通される。コイルスプリング42は、ダンパ41の急激な伸縮変化を緩和する。ダンパ41およびコイルスプリング42はショックアブソーバーを構成する。
インホイールモータ駆動装置11のバウンドおよびリバウンドとは別に、インホイールモータ駆動装置11は車輪14とともに、キャリア31に対しキングピンKを中心として転舵する。
ところで本実施形態によればインホイールモータ駆動装置11を車体50に転舵可能に懸架するサスペンション構造10が、キャリア31およびアーム部材としてのアッパアーム21およびロアアーム24を備える。キャリア31は上側連結点になる回動軸32cと下側連結点になる回動軸32dを介してインホイールモータ駆動装置と連結し、これらの連結点を通過するキングピンKを中心としてインホイールモータ駆動装置11を転舵可能に保持する。アーム部材はキャリア31と連結する遊端22,25および車体50と連結する基端23,26を有し、遊端22,25は基端23,26に対して上下方向揺動可能である。かかる実施形態によれば、アーム部材の上下方向の揺動と、インホイールモータ駆動装置11の転舵を別々に行うことから、アーム部材の遊端22,25をキングピンKと重なるように配置する必要がないし、アーム部材をロードホイール15およびインホイールモータ駆動装置11間の狭い環状空間に配置する必要がなく、アーム部材の形状および断面寸法を自由に決めることができる。したがってアーム部材をインホイールモータ駆動装置11から離れた位置に配置して、アーム部材とインホイールモータ駆動装置11の干渉を回避することができる。またアーム部材の最低地上高、強度、および剛性を確保するようアーム部材の形状および断面寸法を決めることができる。
また本実施形態によれば上下方向に延びる部材であって、上端が車体50と連結し、下端がキャリア31の下部と連結するダンパ41をさらに備えることから、ダンパ41の配置を従来よりも下げることができる。したがって車体50の高さ位置も下げて、ダンパ41よりも後方に着席する運転者の前方視界を確保することができる。
また本実施形態によれば上側連結点になる回動軸32cおよび下側連結点になる回動軸32dが、ロードホイール15の内空領域に配置されることから、キングピンKが車輪14を横切るように配置されて車両の走行安定性が向上する。
また本実施形態によれば遊端22,25が車輪14の外部、つまり車輪14よりも車幅方向内側に配置されることから、車輪14が揺動ないし転舵してもアーム部材と車輪14の干渉を確実に回避することができる。
また本実施形態によればアーム部材は、相対的に上側に配置されるアッパアーム21と、相対的に下側に配置されるロアアーム24を含むことから、ダブルウィッシュボーン式サスペンション構造を実現することができる。
また本実施形態によればアッパアーム21の遊端22は、図3に示すように車両前後方向のうちの前側に配置される前側連結点と、車両前後方向のうちの後側に配置される後側連結点を含むことから、キャリア31を複数の連結点で車体50に安定して取り付けることができる。またアッパアーム21を例えばH形状にして、アッパアーム21の中にダンパ41等の部材を通すことができる。ロアアーム24の遊端25も同様である(図1)。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になるインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造は、電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
10 サスペンション構造、 11 インホイールモータ駆動装置、
12 ハブ輪、 14 車輪、 15 ロードホイール、
21 アッパアーム、 22,25 遊端、 23,26 基端、
24 ロアアーム、 31 キャリア、 31b 基部、
31c 上腕部、 31d 下腕部、
32c,32d,33,35,38 回動軸、
34,36,39 ブラケット、 37 ブッシュ、 41 ダンパ、
42 コイルスプリング、 50 車体(車体側メンバ)、
53,56 回動軸、 K キングピン、 O 軸線。

Claims (7)

  1. インホイールモータ駆動装置を車体に取り付けるサスペンション構造であって、
    前記インホイールモータ駆動装置と連結する上側連結点および下側連結点を有し、これらの連結点を通過するキングピンを中心として前記インホイールモータ駆動装置を転舵可能に保持するキャリアと、
    前記キャリアと連結する遊端および車体側メンバと連結する基端を有し、前記遊端は前記基端に対して上下方向揺動可能なアーム部材とを備える、インホイールモータ駆動装置用サスペンション構造。
  2. 上下方向に延びる部材であって、一端が車体側メンバと連結し、他端が前記キャリアと連結するダンパをさらに備える、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造。
  3. 前記ダンパの他端は前記キャリアの下部と連結する、請求項2に記載のインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造。
  4. 前記上側連結点および前記下側連結点は、前記インホイールモータ駆動装置に駆動される車輪の内空領域に配置される、請求項1〜3のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造。
  5. 前記遊端は、前記インホイールモータ駆動装置に駆動される車輪の外部に配置される、請求項1〜4のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造。
  6. 前記アーム部材は、相対的に上側に配置されるアッパアームと、相対的に下側に配置されるロアアームを含む、請求項1〜5のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造。
  7. 前記遊端は、車両前後方向のうちの前側に配置される前側連結点と、車両前後方向のうちの後側に配置される後側連結点を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置用サスペンション構造。
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