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JP2016138966A - 光アイソレータモジュール及び光半導体モジュール - Google Patents

光アイソレータモジュール及び光半導体モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、光半導体モジュールに光アイソレータモジュールを組み込む際の光軸調整を容易にし、光軸調整後のモジュール外形を小型化することができる光アイソレータモジュールを提供することを目的とする。【解決手段】ファラデー回転子及びその両側に配置された偏光部品を具備する光アイソレータと、光入射側又は光出射側に配置され、光軸に垂直な面から角度θfだけ傾斜した端面を備えた光ファイバを有する光アイソレータモジュールであって、光ファイバ端面側の偏光部品において、端面に向かい合う偏光部品の面が光軸に垂直な面から角度θpだけ傾斜しており、角度θfと角度θpの傾斜面は同方向の傾斜であり、光ファイバ端面と偏光部品の面の距離は1mm未満、光ファイバ端面から偏光部品までの間の光ビームシフト量をΔTf、光アイソレータ内部の光ビームシフト量をΔTiとしたときに、(ΔTi−ΔTf)の絶対値が0.5mm未満とする。【選択図】図1

Description

本発明は、光アイソレータモジュール及び光アイソレータモジュールを組み込んで用いられる半導体光アンプモジュールや半導体レーザモジュールなどの光半導体モジュールに関する。
光通信や光計測などで、半導体レーザ光源から出た光が、伝送路途中に設けられた部材表面から反射して半導体レーザに戻ってくると、レーザ発振が不安定になる。そこで、この反射戻り光を遮断するために、偏光面を非相反で回転させるファラデー回転子を用いた光アイソレータが用いられる(例えば特許文献1等参照)。
また、光半導体モジュールでは、半導体光アンプなどの半導体チップで入出射される光ビームと光ファイバを結合させるために、半導体チップと光ファイバ間に1〜3枚の集光レンズを設けることが一般的である。近年では、モジュールの小型化、低コスト化要求が強くなっており、1〜2枚のレンズを介して光を結合させるタイプが主流になりつつある。
そして、上記のような光半導体モジュールに光アイソレータを組み込む場合、光アイソレータは集光レンズと光ファイバの間に挿入される。
ここで、光半導体モジュールに組み込まれる光アイソレータとしては、ファラデー回転子、ファラデー回転子の両端に配置される一対の偏光部品、磁石によって主要部が構成されるものが知られている。
このタイプの光アイソレータを集光レンズと光ファイバの間に挿入する場合は、光路内での反射光を低減させる目的で、図6に示すように、光ファイバ117の端面118と、光ファイバ側の偏光部品113の、光ファイバの端面118に向かい合う面114とを、光ファイバ中心延長軸(以下では光伝搬の光軸又は単に光軸とも言う)に垂直な面に対して反対の傾斜角度を持つように配置するのが一般的である。図6において、光ファイバの端面118は、光ファイバ中心延長軸を含む断面で見たときに、光ファイバ中心延長軸に垂直な面に対して、角度θf’だけ傾斜している。端面118に向かい合う面114は、光ファイバ中心延長軸を含む断面で見たときに、光ファイバ中心延長軸に垂直な面に対して、角度θp’だけ傾斜している。このとき、角度θf’と角度θp’は、ファイバ中心延長軸に垂直な面を基準として互いに反対の方向であり、その結果、図6に示した断面図で、端面118とその端面に向かい合う面114の間隔は上から下へ先細りの形状となる(逆テーパ形状)。尚、図6において、光アイソレータモジュール110は、光アイソレータ111と光ファイバ117により構成される。光アイソレータ111は、ファラデー回転子112、光ファイバ側偏光部品113、偏光部品115、磁石116により構成される。
特開2011−150208号公報
しかしながら上記のように、光ファイバ側の偏光部品の光ファイバの端面と向かい合う面が、光ファイバの端面と反対の傾斜方向になるように光アイソレータを配置すると、光ファイバ中心延長軸からの光ビーム中心位置のズレ(変位)が大きくなるため、光アイソレータモジュールを実装する際に光軸調整が難しく、光軸調整後のモジュール外形が大きくなるといった問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、光半導体モジュールに光アイソレータモジュールを組み込む際の光軸調整を容易にし、光軸調整後のモジュール外形を小型化することができる光アイソレータモジュール及び該光アイソレータモジュールを組み込んだ光半導体モジュールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ファラデー回転子及び該ファラデー回転子の両側に配置された一対の偏光部品を具備する光アイソレータと、該光アイソレータの光入射側又は光出射側に配置され、光伝搬の光軸に垂直な面から角度θだけ傾斜した端面を備えた光ファイバを有する光アイソレータモジュールであって、
前記光ファイバの端面側に配置された前記偏光部品において、該光ファイバの端面に向かい合う前記偏光部品の面が前記光軸に垂直な面から角度θだけ傾斜しており、前記角度θだけ傾斜した光ファイバの端面と前記角度θだけ傾斜した偏光部品の面は前記光軸に垂直な面に対して同じ方向に傾斜しており、
前記光ファイバの端面と該端面側に配置された前記偏光部品は空気層を介して配置され、該光ファイバの端面と該光ファイバ端面に向かい合う前記偏光部品の面の間の距離は前記光軸上で1[mm]未満であり、
前記光ファイバの端面から該端面側に配置された前記偏光部品までの間で光ビームが光軸から変位する光ビームシフト量をΔT、前記光アイソレータ内部で光ビームが光軸から変位する光ビームシフト量をΔTとしたときに、(ΔT−ΔT)の絶対値が0.5[mm]未満となるものであることを特徴とする光アイソレータモジュールを提供する。
このような構成の光アイソレータモジュールであれば、光アイソレータモジュールを光半導体モジュールに組み込む際の光軸調整を容易にすることができ、さらに光軸調整後の光半導体モジュール外形を小型化することができる。
また、本発明では、半導体チップ、集光レンズ、及び上述の光アイソレータモジュールを有するものであることを特徴とする光半導体モジュールを提供する。
このような構成の光半導体モジュールであれば、光軸調整が容易で製造効率が向上するとともに、光半導体モジュール外形も小型化することができる。
このとき、前記半導体チップは半導体光アンプを有するものとすることができる。
このような半導体光アンプを有する光半導体モジュールであれば、幅広い技術分野で使用することができる。
以上のように、本発明によれば、光軸調整が容易な光アイソレータモジュールを得ることができる。また、本発明の光アイソレータモジュールを組み込むことによって、小型な光半導体モジュールを得ることができる。
本発明の光アイソレータモジュールの構成例の断面を示す模式図である。 本発明の光アイソレータモジュールにおける光路を示す模式図である。 本発明の光半導体モジュールの一部分の断面を示す模式図である。 本発明の光半導体モジュールの構成例を示す模式図である。 本発明の光アイソレータモジュールの他の構成例の断面を示す模式図である。 従来の光アイソレータモジュールの構成例の断面を示す模式図である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
上記のように、光アイソレータモジュール及びそれを組み込んだ光半導体モジュールにおいて、光アイソレータモジュールを実装する際に光軸調整が容易で実装後の光半導体モジュールを小型化できる光アイソレータモジュールが求められている。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、ファラデー回転子及び該ファラデー回転子の両側に配置された一対の偏光部品を具備する光アイソレータと、該光アイソレータの光入射側又は光出射側に配置され、光伝搬の光軸に垂直な面から角度θだけ傾斜した端面を備えた光ファイバを有する光アイソレータモジュールであって、
前記光ファイバの端面側に配置された前記偏光部品において、該光ファイバの端面に向かい合う前記偏光部品の面が前記光軸に垂直な面から角度θだけ傾斜しており、前記角度θだけ傾斜した光ファイバの端面と前記角度θだけ傾斜した偏光部品の面は前記光軸に垂直な面に対して同じ方向に傾斜しており、
前記光ファイバの端面と該端面側に配置された前記偏光部品は空気層を介して配置され、該光ファイバの端面と該光ファイバ端面に向かい合う前記偏光部品の面の間の距離は前記光軸上で1[mm]未満であり、
前記光ファイバの端面から該端面側に配置された前記偏光部品までの間で光ビームが光軸から変位する光ビームシフト量をΔT、前記光アイソレータ内部で光ビームが光軸から変位する光ビームシフト量をΔTとしたときに、(ΔT−ΔT)の絶対値が0.5[mm]未満となるものであることを特徴とする光アイソレータモジュールが、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1に示すように、本発明に係る光アイソレータモジュール50は、少なくとも、光アイソレータ11と、該光アイソレータの光入射側に配置される先端が傾斜した光ファイバ17とを備える。ここで、光アイソレータ11は、ファラデー回転子12、該ファラデー回転子の両端に配置される一対の偏光部品13及び15、磁石16によって主要部が構成される。光ファイバ側偏光部品13の光ファイバの端面18に向かい合う面14は傾斜しており、その面14の傾斜方向は、光ファイバの端面18の傾斜方向と同一である。
ここで面の傾斜方向について以下に説明する。
本発明において、偏光部品と光ファイバの傾斜面の傾斜方向は、光ファイバの傾斜面の長軸(楕円となる端面の長軸)と光ファイバ中心軸の延長線(光軸)とを含む平面上で考え、この平面上において、偏光部品の傾斜面の光軸に垂直な面からの傾斜方向と、光ファイバの端面の光軸に垂直な面からの傾斜方向が同一であればよい。より具体的には、前記平面上で、図1における光ファイバの端面18と光軸に垂直な面とのなす角度をθとし、光軸に垂直な面を基準として右回りを正(プラス)、左回りを負(マイナス)で表す。同様にして、偏光部品13の光ファイバの端面と向かい合う面14と、光軸に垂直な面とのなす角度をθとする。傾斜方向が同一とは、θとθの符号が同一であることであり、図1の構成例ではθとθはいずれも正の値となる(順テーパ)。これに対し、図6に示した従来の光アイソレータモジュールの構成例では、θf’は正の値、θp’は負の値であり、傾斜方向は反対である(逆テーパ)。なお、本発明において、角度θとθの値が同一である必要はない。
光アイソレータを構成する材料については特に制限はないが、ファラデー回転子にはビスマス置換希土類鉄ガーネットなどが好ましく用いられ、偏光部品にはLiNbO、YVO、TiOなどが好ましく用いられる。磁石は構成や必要な磁場の強さに応じてフェライト磁石や希土類磁石の中から選択されるが、小型化の観点から磁束密度の大きなネオジム磁石またはサマリウムコバルト(SmCo)磁石が好ましい。さらに、各部材は必要に応じて加工を施してもよく、光アイソレータには前記以外の構成部品を追加してもよい。
また、使用する光ファイバについても特に制限はないが、開口数(NA)が0.1〜0.16程度のシングルモードファイバ(SMF)が好ましい。さらに、本発明の光アイソレータモジュールは少なくとも光ファイバと光アイソレータとを備えるが、他の構成部品を追加することに制限はない。
本発明において、光ファイバと光アイソレータの光入射側に位置する偏光部品は、空気層を介して配置される。このとき、光アイソレータモジュールを小型化するために、空気層の厚みは1[mm]未満とする。このようにすれば、光ファイバ(NA=0.1〜0.16)が放射する光の広がり角度を考慮しても、光アイソレータに用いるファラデー回転子や偏光部品などの光学材料の前面投影面積を1[mm]以下の小さなサイズにすることが可能となる。
ここで、空気層の厚みとは、光ファイバと光アイソレータの光入射側に位置する偏光部品との距離のことであり、本発明においては、光軸(光ファイバ中心軸の延長線)上における光ファイバの端面から偏光部品の光ファイバ端面と向かい合う面までの距離を表す。また、光学材料の前面投影面積とは、光軸に沿って光学材料を見たときの面積である。
これに対し前述の空気層の厚みが1[mm]を超えると、偏光部品の前面投影面積も1[mm]も超え、偏光部品のサイズを大きなものにしなければならない。また、偏光部品の大型化に応じて、ファラデー回転子も大型化しなければならず、光アイソレータモジュール全体が大型化してしまい、小型化の仕様を満たすことができなくなる。
図2に、光アイソレータモジュール内の光路を示した。光入射側に配置される光ファイバから光入射側に位置する偏光部品までの間で、光軸上に位置する光ビームが光軸から変位する光ビームシフト量をΔT、光アイソレータ内部で、光軸上に位置する光ビームが光軸から変位する光ビームシフト量をΔTとしたときに、(ΔT−ΔT)の絶対値が0.5[mm]未満となるように配置する。より好ましくは(ΔT−ΔT)の絶対値が0.2[mm]未満であり、さらに好ましく(ΔT−ΔT)の絶対値が0.1[mm]未満である。
ここで、光アイソレータ内部とは、光入射側に位置する偏光部品の入射端面から光出射側に位置する偏光部品の出射端面までのことをいう。また、本発明における光ビームシフト量とは、光軸(光ファイバ中心軸の延長線)に対して垂直な平面に光ビームを投影したときのシフト量を表しており、光ビームが光軸から放射された場合は、光軸からのシフト量になる。
このように、(ΔT−ΔT)の絶対値が0.5[mm]未満となるようにすることで、光アイソレータモジュールを通過する光ビームが光軸から離れる距離が小さく抑えられるため、小さな光学材料を使用でき、光アイソレータモジュール全体のサイズを小型化することができる。そして、その光アイソレータモジュールを組み込んだ光半導体モジュールのサイズも小型化することができる。また、光ビームが光アイソレータモジュール内の光軸近傍を通過するので、光軸調整も容易である。
一方、前述の空気層の厚みが1[mm]を超えると、ΔTの値が大きくなり、(ΔT−ΔT)の絶対値が0.5[mm]以上となることがある。また、角度θpが大きい偏光部品を具備した光アイソレータを用いる場合も(ΔT−ΔT)の絶対値が0.5[mm]以上となることがある。(ΔT−ΔT)の絶対値が0.5[mm]以上では、光アイソレータモジュールが大型化し、光軸調整も困難になる。
光アイソレータ11を通過した光は、例えば図3に示すように、レンズ19で集光される。
一般に光アイソレータモジュールを光半導体モジュールに実装する際には、半導体チップの位置を固定し、レンズ及び光アイソレータモジュールを変位させるか、半導体チップとレンズの位置を固定し、光アイソレータモジュールのみを変位させることによって光軸調整を行うが、光アイソレータモジュールを前記のような構成にすれば、レンズや光アイソレータモジュールの変位量を抑えることができ、光軸調整が容易になることで光半導体モジュールの製造効率を向上させることが可能となる。さらに、レンズ及び光アイソレータモジュールの変位量が小さいため、実装された光半導体モジュールを小型化することができる。
次に、図4及び図5を参照して、本発明に係る光アイソレータモジュールの構成を光出射側に適用した場合について説明する。
図4は、本発明の光アイソレータモジュールを実装した光半導体モジュール80の構成の一例を示す模式図である。光は図4の右から左へ伝搬する。右側の光ファイバ17と光アイソレータ11により、既に説明した光入射側の光アイソレータモジュール50が構成される。光アイソレータ11を通過した光は、さらにレンズ19を通って半導体チップ20に到達し、半導体チップ20内で所定の処理を受け、出射される。半導体チップ20を出射した光は、さらにレンズ19を通って、光アイソレータ31を通過した後、左側の光ファイバ37に入射する。光アイソレータ31と左側の光ファイバ37により、図5のような光出射側の光アイソレータモジュール60が構成される。
光出射側の光アイソレータモジュール60の構成の一例を図5に示した。説明の重複を避けるため、図5についての詳細な説明は省略するが、光出射側の光アイソレータモジュール60は、角度θで傾斜する端面38を備える光出射側に配置される光ファイバ37と光アイソレータ31を有している。光アイソレータ31は、ファラデー回転子32、そのファラデー回転子の両側に配置された一対の偏光部品33及び35、磁石36により構成される。
光ファイバ側偏光部品33において、光ファイバの端面に向かい合う面34は、角度θだけ傾斜している。ここで、光軸に垂直な面を基準とし、右回りの角度を正(プラス)とした時に、図5のθとθはいずれも負(マイナス)の値となるが、傾斜方向は同一である。
光出射側に配置される光ファイバと光出射側に位置する偏光部品は、空気層を介して配置され、空気層の厚みは1[mm]以下とする。このようにすれば、光アイソレータモジュールを小型化することができる。
さらに、光アイソレータ内部で、光軸上に位置する光ビームが光軸から変位する光ビームシフト量をΔT、光出射側に位置する偏光部品から光出射側に配置される光ファイバまでの間で光軸上に位置する光ビームが光軸から変位する光ビームシフト量をΔTとしたときに(ΔT−ΔT)の絶対値が0.5[mm]未満となるように配置する。より好ましくは(ΔT−ΔT)の絶対値が0.2[mm]未満であり、さらに好ましく(ΔT−ΔT)の絶対値が0.1[mm]未満である。
光出射側に実装される光アイソレータモジュールを上述のような構成にすれば、光入射側に実装される光アイソレータモジュールと同様に、光半導体モジュールの製造効率を向上させることができ、光半導体モジュールの小型化も可能となる。
また、本発明の光半導体モジュールに実装される半導体チップについては特に制限はないが、半導体光アンプを有する半導体チップであることが好ましい。半導体アンプを組み込んだ光半導体モジュールにおいて小型化が望まれており、本発明が特に有益になり、これにより幅広い技術分野で使用が可能となる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(テスト)
波長1550[nm]で屈折率1.468のSMFの先端に4、6、8[°]の傾斜加工を施し、向かい合う光アイソレータの偏光部品までの空気層の厚みを0.2〜3[mm]にしたときの光ビームシフト量[μm]を表1に示した。光ファイバ端面の傾斜角度θが大きく、空気層の厚みが大きいほど光ビームシフト量ΔTは大きくなった。
Figure 2016138966
表1から空気層の厚みを1[mm]以上とすると、ΔTが相対的に大きくなり、光軸調整が困難となることが判る。
次に、光アイソレータの作製を行った。ファラデー回転子として、厚みが0.4[mm]で屈折率が2.34であるビスマス置換希土類鉄ガーネットを用いた。ファラデー回転子には両面対空気無反射コートを施した。
偏光部品としては、LiNbO、YVO、TiOの三種類の材料を用いた。LiNbOの光ファイバに向かい合う面には、7、10、13[°]の傾斜加工を施し、YVO及びTiOの光ファイバに向かい合う面には、3、4、5[°]の傾斜加工を施した。また、各偏光部品は、中心軸の部分の厚みを0.3[mm]とし、両面対空気無反射コートを施した。
加工を施した各偏光部品とファラデー回転子を、0.1[mm]または0.005[mm]の空気層を介するように配置し、周囲にはSmCo磁石を配置した。作製した各光アイソレータについて、光アイソレータ内部における光ビームシフト量ΔTを求め、表2に示した。
Figure 2016138966
(実施例)
表1に記載した各光ファイバと表2に記載した各光アイソレータを組み合わせて、光ファイバの傾斜した端面とそれに向かい合う偏光部品の傾斜した面の傾斜方向とが同一方向となるようにして、光入射側の光アイソレータモジュールを作製した。さらに、作製した各光アイソレータモジュールを、組み込み用の装置を用いて光半導体モジュールに実装した。このとき、半導体チップの位置を固定し、レンズ及び光アイソレータモジュールを変位させることによって光軸調整を行った。光ファイバ端面とそれに向かい合う偏光部品間の空気層の厚みが0.5[mm]、θが8[°]、ΔTは33[μm]であり、偏光部品がLiNbOでθが10[°]、偏光部品とファラデー回転子間の空気層の厚みが0.1[mm]、ΔTが138[μm]であり、(ΔT−ΔT)の絶対値が105[μm]である光アイソレータモジュールを実装する際の光軸調整に要した時間は10分であった。
そして、図4に示した、光入射側の光アイソレータモジュール、光出射側の光アイソレータモジュール、半導体チップ、2つのレンズを有する構成の光半導体モジュールを作製した。光アイソレータモジュールはいずれも前述の仕様のものを用いた。その光半導体モジュールの外形のサイズは、30[mm]×20[mm]×70[mm]と小型化することができた。
(比較例)
前記実施例と同様の光ファイバ、及び光アイソレータを用いて、光ファイバの傾斜した端面とそれに向かい合う偏光部品の傾斜した面の傾斜方向とが反対方向になるようにして、光アイソレータモジュールを作製した。作製した各光アイソレータモジュールを、組み込み用の装置を用いて光半導体モジュールに実装した。このとき、半導体チップの位置を固定し、レンズ及び光アイソレータモジュールを変位させることによって光軸調整を行った。光アイソレータモジュールは前述の仕様のものを用いた。光軸調整に要した時間は24分であった。
そして、実施例と同様に、光入射側の光アイソレータモジュール、光出射側の光アイソレータモジュール、半導体チップ、2つのレンズを有する構成の光半導体モジュールを作製した。その光半導体モジュールの外形のサイズは、34[mm]×24[mm]×70[mm]となり、実施例に比べ大きなものになった。
実施例と比較例の結果から、光アイソレータモジュールを本発明の構成にすることで、光アイソレータモジュールを光半導体モジュールに実装する際の光軸調整の時間を短縮できることがわかった。さらに、本発明の光アイソレータモジュールを組み込んだ光半導体モジュールは、従来の光アイソレータモジュールを組み込んだものに比べて小型化することが可能となった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
11…光アイソレータ、 12…ファラデー回転子、 13…光ファイバ側偏光部品、
14…光ファイバの端面に向かい合う面、 15…偏光部品、 16…磁石、
17…光ファイバ、 18…光ファイバの端面、 19…レンズ、
20…半導体チップ、 31…光アイソレータ、 32…ファラデー回転子、
33…光ファイバ側偏光部品、 34…光ファイバの端面に向かい合う面、
35…偏光部品、 36…磁石、 37…光ファイバ、 38…光ファイバの端面、
50…光アイソレータモジュール、 60…光アイソレータモジュール、
80…光半導体モジュール、 110…光アイソレータモジュール、
111…光アイソレータ、 112…ファラデー回転子、
113…光ファイバ側偏光部品、 114…光ファイバの端面に向かい合う面、
115…偏光部品、 116…磁石、 117…光ファイバ、
118…光ファイバの端面。

Claims (3)

  1. ファラデー回転子及び該ファラデー回転子の両側に配置された一対の偏光部品を具備する光アイソレータと、該光アイソレータの光入射側又は光出射側に配置され、光伝搬の光軸に垂直な面から角度θだけ傾斜した端面を備えた光ファイバを有する光アイソレータモジュールであって、
    前記光ファイバの端面側に配置された前記偏光部品において、該光ファイバの端面に向かい合う前記偏光部品の面が前記光軸に垂直な面から角度θだけ傾斜しており、前記角度θだけ傾斜した光ファイバの端面と前記角度θだけ傾斜した偏光部品の面は前記光軸に垂直な面に対して同じ方向に傾斜しており、
    前記光ファイバの端面と該端面側に配置された前記偏光部品は空気層を介して配置され、該光ファイバの端面と該光ファイバ端面に向かい合う前記偏光部品の面の間の距離は前記光軸上で1[mm]未満であり、
    前記光ファイバの端面から該端面側に配置された前記偏光部品までの間で光ビームが光軸から変位する光ビームシフト量をΔT、前記光アイソレータ内部で光ビームが光軸から変位する光ビームシフト量をΔTとしたときに、(ΔT−ΔT)の絶対値が0.5[mm]未満となるものであることを特徴とする光アイソレータモジュール。
  2. 半導体チップ、集光レンズ、及び請求項1に記載の光アイソレータモジュールを有するものであることを特徴とする光半導体モジュール。
  3. 前記半導体チップが半導体光アンプを有するものであることを特徴とする請求項2に記載の光半導体モジュール。
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