JP2016128543A - 共役ジエン重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】精製剤の存在下で、共役ジエンモノマーを精製し、精製された共役ジエンモノマーを得る、精製工程と、
開始剤の存在下で、前記精製された共役ジエンモノマーを重合させ、共役ジエン重合体を得る、重合工程と、を有し、
前記精製剤は、有機アルカリ金属化合物及び有機アルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、該精製剤の量は、前記共役ジエンモノマーの質量に対し、10ppm以上500ppm以下であり、
前記開始剤は、有機アルカリ金属化合物及び有機アルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
前記精製工程において、前記共役ジエンモノマーの温度が、5℃以上50℃以下である、共役ジエン重合体の製造方法。
【選択図】なし
Description
[1]精製剤の存在下で、共役ジエンモノマーを精製し、精製された共役ジエンモノマーを得る、精製工程と、
開始剤の存在下で、前記精製された共役ジエンモノマーを重合させ、共役ジエン重合体を得る、重合工程と、を有し、
前記精製剤は、有機アルカリ金属化合物及び有機アルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、該精製剤の量は、前記共役ジエンモノマーの質量に対し、10ppm以上500ppm以下であり、
前記開始剤は、有機アルカリ金属化合物及び有機アルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
前記精製工程において、前記共役ジエンモノマーの温度が、5℃以上50℃以下である、共役ジエン重合体の製造方法。
[2]前記重合工程は、前記共役ジエンモノマーと前記開始剤とを重合容器に連続的に供給し、該重合容器中で連続的に前記精製された共役ジエンモノマーを重合させる工程である、[1]に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
[3]前記精製工程は、前記共役ジエンモノマーと前記精製剤とを重合容器に連続的に供給し、該重合容器への供給路中で該共役ジエンモノマーを精製する、[1]又は[2]に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
[4]前記精製工程は、前記共役ジエンモノマーと前記精製剤とを重合容器に連続的に供給し、該重合容器への供給路中で該共役ジエンモノマーと該精製剤とをスタティックミキサーにより混合する、[1]〜[3]のいずれかに記載の共役ジエン重合体の製造方法。
[5]前記共役ジエン重合体を、変性剤により変性する、変性工程をさらに有し、
前記変性剤は、グリシジル基及びアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の共役ジエン重合体の製造方法。
本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法は、精製剤の存在下で、共役ジエンモノマー(以下、単に「モノマー」ともいう。)を精製し、精製された共役ジエンモノマーを得る、精製工程と、開始剤の存在下で、該精製された共役ジエンモノマーを重合させ、共役ジエン重合体(以下、単に「重合体」ともいう。)を得る、重合工程と、を有する。また、当該精製剤は、有機アルカリ金属化合物及び有機アルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、該精製剤の量は、当該共役ジエンモノマーの質量に対し、10ppm以上500ppm以下である。さらに、当該開始剤は、有機アルカリ金属化合物及び有機アルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である。またさらに、当該精製工程において、当該共役ジエンモノマーの温度が、5℃以上50℃以下である。
本実施形態の精製工程は、精製剤の存在下で、共役ジエンモノマーを精製し、精製された共役ジエンモノマーを得る。モノマーに含まれる不純物は、少なくとも重合中に重合体の活性末端と反応し、その活性末端の活性を失活させる。重合工程に用いる前に、精製工程において、精製剤として有機アルカリ金属化合物及び/又は有機アルカリ土類金属化合物を用いて、不純物と反応させることにより、当該失活を抑制することができる。また、精製剤として用いる有機アルカリ金属化合物及び/又は有機アルカリ土類金属化合物は、その量がモノマー質量に対して、10ppm以上500ppm以下であり、50ppm以上400pmm以下であることが好ましく、100ppm以上300ppm以下であることがさらに好ましい。精製剤の量が10ppm以上であることで、失活の原因となる不純物の効果的な低減、及び、共役ジエン重合体に対して高い変性率を得ることができ、精製剤の量が500ppm以下であることで、精製工程での重合反応を抑制することに起因して、精製工程に用いる混合装置及び該混合装置から重合容器への供給路に対して重合体が付着することを抑制する。精製剤の量が、50ppm以上400ppm以下の範囲にあることで、重合体の重量平均分子量及び分子量分布の制御が容易である傾向にある。
本実施形態の精製工程は、共役ジエンモノマーを精製する。精製する共役ジエンモノマーは、重合可能なモノマーであれば特に限定されず、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、及び1,3−ヘキサジエンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、及びイソプレンが好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の精製剤は、有機アルカリ金属化合物及び/又は有機アルカリ土類金属化合物であれば特に限定されず、重合開始剤と同一の種類でも異なっている種類でもよいが、同一の種類の方が、重量平均分子量及び分子量分布の制御の観点から好ましい。また、有機アルカリ金属化合物及び/又は有機アルカリ土類金属化合物としては、後述する開始剤として用いられる有機アルカリ金属化合物及び/又は有機アルカリ土類金属化合物と同様のものが挙げられる。
本実施形態の溶剤は、精製工程、後述する重合工程及び変性工程のいずれで用いてもよい。溶剤を用いる場合は、モノマーと重合体が溶解するものであることが好ましく、溶剤を用いることにより、精製工程においてモノマーと精製剤との混合が容易となる傾向にあり、重合工程において溶液重合による重合方法を採用することができる。溶剤として、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;それらの混合物からなる炭化水素が挙げられる。
本実施形態の重合工程は、開始剤の存在下で、精製工程で精製されたモノマーを重合させ、共役ジエン重合体を得る。また、開始剤としては、有機アルカリ金属化合物及び/又は有機アルカリ土類金属化合物を用いる。この重合工程における重合方法としては、例えば、共役ジエン重合体の原料となるモノマーを溶剤に溶解し、溶液重合により重合させる公知の方法が挙げられる。
本実施形態の共役ジエン重合体は、精製されたモノマーを重合させることによって得られる。重合体中に、結合した芳香族ビニルモノマーの量(以下、「結合芳香族ビニル量」という。)は、共役ジエン重合体の総量(100質量%)に対して、5質量%以上70質量%以下であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。結合芳香族ビニル量がこのような範囲であることで、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスがより優れ、耐摩耗性及び破壊強度も満足する共役ジエン重合体の加硫物を得ることができる傾向にある。結合芳香族ビニル量は、例えば、後述する実施例に記載する方法により測定する。
本実施形態の開始剤は、有機アルカリ金属化合物及び/又は有機アルカリ土類金属化合物であれば特に限定されないが、安定性及び取扱い性の観点から、アルミニウム、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、及びカリウムの有機アルカリ金属化合物及び/又は有機アルカリ土類金属化合物が好ましく、重合効率の観点から、有機リチウムがさらに好ましい。開始剤として用いる有機リチウムとしては、低分子化合物及び可溶化したオリゴマーの有機リチウムが挙げられ、また、有機基とリチウムの結合様式においては、炭素−リチウム結合からなる化合物、窒素−リチウム結合からなる化合物、及び錫−リチウム結合からなる化合物が挙げられる。
共役ジエンモノマーの重合反応は、重合反応用溶剤中で行う溶液重合反応が好ましい。重合反応用溶剤としては、共役ジエンモノマー、芳香族ビニルモノマーとそれら共重合体が溶解するものであれば特に限定されず、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;それらの混合物からなる炭化水素が挙げられる。
重合工程においては、極性化合物を添加してもよい。極性化合物は、芳香族ビニルモノマーを共役ジエンモノマーとランダムに共重合させるために用いることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる。また、重合速度の改善等にも効果がある。
本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法は、上述のような方法で得た共役ジエン重合体を、変性剤により変性する、変性工程をさらに有してもよい。変性工程は、共役ジエン重合体の活性末端に対して、エポキシ基及び/又はアルコキシシリルキ基を有する変性剤を反応させることで、共役ジエン重合体を変性させる。
エポキシ基を有する変性剤として、具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、及び、4,4’−ジグリシジル−ビスフェノールA等の2個以上のフェノール基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル;1,4−ジグリシジルベンゼン、1,3,5−トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物;4,4’−ジグリシジル−ジフェニルメチルアミン、4,4’−ジグリシジル−ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン;ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のジグリシジルアミノ化合物が挙げられる。これらの中では、ジグリシジルアミノ基を有する多官能化合物が好ましい。また、ジグリシジルアミノ基を有する多官能化合物の分子内のエポキシ基の数は2個以上であり、3個以上であることが好ましく、4個以上であることがより好ましい。
共役ジエン重合体の試料を、クロロホルム溶液とし、スチレンのフェニル基による紫外線吸収波長(254nm)における吸収量により、共役ジエン共重合体100質量%に対しての結合スチレン量(質量%)を測定した(島津製作所社製の商品名「UV−2450」)。また、結合スチレン量と結合ブタジエン量との合わせた量が100質量%として、結合ブタジエン量も算出した。
共役ジエン重合体の試料に対して、赤外分光光度計(日本分光社製の商品名「FT−IR230」)を使用して、600〜1000cm-1の範囲で赤外線スペクトルを測定した。試料を二硫化炭素溶液とし、溶液セルを用いた。その結果得られた吸光度よりハンプトンの方法の計算式(R.R.Hampton,Analytical Chemistry 21,923(1949)に記載の方法)に従い、ブタジエン部分のミクロ構造、すなわち、ビニル結合量(モル%)を求めた。
共役ジエン重合体の試料に対して、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラム3本を連結して用いたGPCを使用して、試料及び標準ポリスチレンのクロマトグラムを測定した(ガードカラム;東ソー社製の商品名「TSKguardculmn HHR−H」、カラム;東ソー社製の商品名「TSKgel G6000HHR」、「TSKgel G5000HHR」、「TSKgel G4000HHR」)。標準ポリスチレンの測定結果から検量線を作成し、これにより重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を算出した。溶離液にはテトラヒドロフラン(THF)を使用した。試料10mgを、20mlのTHFに溶解し、これを200μLのカラムに注入して測定した。測定はオーブン温度40℃、THFの流量1.0mL/分の条件で、東ソー社製の商品名「HLC8020」(検出器;RI)を用いて測定した。
共役ジエン重合体の試料に対して、変性反応後の共重合体10mgを20mLのTHFに溶解し、この溶液0.1mLを上記の(物性3)で用いたGPCと同様の装置に注入した。GPCのカラムにポリスチレンゲルカラムを用いた場合のクロマトグラムのピーク面積(S0)に対する、シリカゲルカラムを用いた場合のクロマトグラムのピーク面積(S1)の比((S1/S0))を変性率とした。
以下の実施例及び比較例において、各共役ジエン重合体の重合後に、重合槽に接続するモノマーフィードの配管内部とスタティックミキサーの状況を目視で確認し、以下の基準で評価した。
○:重合体の付着なし
△:重合体の付着は確認できたが、配管内の閉塞なし
×:配管内が閉塞
予め、水分等の不純物を除去した、1,3−ブタジエンを22.0g/分、スチレンを11.8g/分、n−ヘキサンを144g/分の条件で混合した後、n−ブチルリチウム0.0064g/分、シクロヘキサン10g/分をスタティックミキサーで混合し、10Lの重合槽の底部に連続的に供給した。混合時のn−ブチルリチウムはモノマーに対して189ppmで、スタティックミキサーで混合されてから、配管を通して重合槽に供給されるまでの溶液温度は20℃であった。モノマー温度は、バイメタル式温度計を用い、感温部を溶液と接触するように配管内に挿入して測定した。
スタティックミキサーでモノマーと混合するn−ブチルリチウムを0.0142g/分とした他は実施例1と同様に行った。混合時のn−ブチルリチウムはモノマーに対して420ppmで、スタティックミキサーで混合されてから配管を通して重合槽に供給されるまでの溶液温度は42℃であった。得られた共役ジエン共重合体(P2)を分析した結果、結合スチレン量36質量%、結合ブタジエン量64質量%、ブタジエン中のビニル結合量39モル%であり、GPC測定の結果、重量平均分子量(Mw)が105万、分子量分布(Mw/Mn)は2.5、変性率は0.75であった。重合反応と変性反応を合わせて3,600時間継続した後、重合槽へのモノマーと重合開始剤のフィードを停止し、重合槽に接続するモノマーフィードの配管とスタティックミキサーを取り外し、内部を観察した結果、重合体の付着は見られなかった。
スタティックミキサーでモノマーと混合するn−ブチルリチウムを0.0024g/分とした他は実施例1と同様に行った。混合時のn−ブチルリチウムはモノマーに対して70ppmで、スタティックミキサーで混合されてから配管を通して重合槽に供給されるまでの溶液温度は15℃であった。得られた共役ジエン共重合体(P3)を分析した結果、結合スチレン量35質量%、結合ブタジエン量65質量%、ブタジエン中のビニル結合量41モル%であり、GPC測定の結果、重量平均分子量(Mw)が95万、分子量分布(Mw/Mn)は2.5、変性率は0.63であった。重合反応と変性反応を合わせて3,600時間継続した後、重合槽に接続するモノマーフィードの配管とスタティックミキサーを取り外し、内部を観察した結果、重合体の付着は見られなかった。
変性剤を、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(表1中にて、「B」と略記する。)を0.20mmol/分に変更した他は、実施例1と同様に行った。スタティックミキサーで混合されてから配管を通して重合槽に供給されるまでの溶液温度は21℃であった。得られた共役ジエン共重合体(P4)を分析した結果、結合スチレン量35質量%、結合ブタジエン量65質量%、ブタジエン中のビニル結合量40モル%であり、GPC測定の結果、重量平均分子量(Mw)が98万、分子量分布(Mw/Mn)は1.9、変性率は0.81であった。重合反応と変性反応を合わせて3,600時間継続した後、重合槽へのモノマーと重合開始剤のフィードを停止し、重合槽に接続するモノマーフィードの配管とスタティックミキサーを取り外し、内部を観察した結果、重合体の付着は見られなかった。
モノマーとn−ブチルリチウムがスタティックミキサーで混合されてから配管を通して重合槽に供給されるまでの溶液温度を55℃とした他は実施例1と同様に行った。得られた共役ジエン共重合体(P5)を分析した結果、結合スチレン量36質量%、結合ブタジエン量64質量%、ブタジエン中のビニル結合量39モル%であり、GPC測定の結果、重量平均分子量(Mw)が90万、分子量分布(Mw/Mn)は3.2、変性率は0.75であった。重合反応と変性反応を合わせて700時間経過した時点で、重合槽へ供給されるモノマー溶液の流量が低下したため、重合槽へのモノマーと重合開始剤のフィードを停止した。重合槽に接続するモノマーフィードの配管とスタティックミキサーを取り外し、内部を観察した結果、配管内壁に重合体が付着しており、配管断面の大部分が閉塞されていた。
モノマーとn−ブチルリチウムがスタティックミキサーで混合されてから配管を通して重合槽に供給されるまでの溶液温度を1℃とした他は実施例1と同様に行った。得られた共役ジエン共重合体(P6)を分析した結果、結合スチレン量36質量%、結合ブタジエン量64質量%、ブタジエン中のビニル結合量39モル%であり、GPC測定の結果、重量平均分子量(Mw)が120万、分子量分布(Mw/Mn)は3.5、変性率は0.45であった。重合反応と変性反応を合わせて3,600時間継続した後、重合槽へのモノマーと重合開始剤のフィードを停止し、重合槽に接続するモノマーフィードの配管とスタティックミキサーを取り外し、内部を観察した結果、重合体の付着は見られなかった。
スタティックミキサーでモノマーと混合するn−ブチルリチウムを0.0203g/分とした他は実施例1と同様に行った。混合時のn−ブチルリチウムはモノマーに対して600ppmで、スタティックミキサーで混合されてから配管を通して重合槽に供給されるまでの溶液温度は20℃であった。得られた共役ジエン共重合体(P7)を分析した結果、結合スチレン量35質量%、結合ブタジエン量65質量%、ブタジエン中のビニル結合量41モル%であり、GPC測定の結果、重量平均分子量(Mw)が65万、分子量分布(Mw/Mn)は3.5、変性率は0.62であった。重合反応と変性反応を合わせて1500時間経過した時点で、重合槽へ供給されるモノマー溶液の流量が低下したため、重合槽へのモノマーと重合開始剤のフィードを停止した。重合槽に接続するモノマーフィードの配管とスタティックミキサーを取り外し、内部を観察した結果、配管内壁に重合体が付着しており、配管断面の大部分が閉塞されていた。
スタティックミキサーでモノマーと混合するn−ブチルリチウムを0.000169gとした他は実施例1と同様に行った。混合時のn−ブチルリチウムはモノマーに対して5ppmで、スタティックミキサーで混合されてから配管を通して重合槽に供給されるまでの溶液温度は20℃であった。得られた共役ジエン共重合体(P8)を分析した結果、結合スチレン量35質量%、結合ブタジエン量65質量%、ブタジエン中のビニル結合量41モル%であり、GPC測定の結果、重量平均分子量(Mw)が75万、分子量分布(Mw/Mn)は3.3、変性率は0.38であった。重合反応と変性反応を合わせて3,600時間継続した後、重合槽へのモノマーと重合開始剤のフィードを停止し、重合槽に接続するモノマーフィードの配管とスタティックミキサーを取り外し、内部を観察した結果、重合体の付着は見られなかった。
Claims (5)
- 精製剤の存在下で、共役ジエンモノマーを精製し、精製された共役ジエンモノマーを得る、精製工程と、
開始剤の存在下で、前記精製された共役ジエンモノマーを重合させ、共役ジエン重合体を得る、重合工程と、を有し、
前記精製剤は、有機アルカリ金属化合物及び有機アルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、該精製剤の量は、前記共役ジエンモノマーの質量に対し、10ppm以上500ppm以下であり、
前記開始剤は、有機アルカリ金属化合物及び有機アルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
前記精製工程において、前記共役ジエンモノマーの温度が、5℃以上50℃以下である、共役ジエン重合体の製造方法。 - 前記重合工程は、前記共役ジエンモノマーと前記開始剤とを重合容器に連続的に供給し、該重合容器中で連続的に前記精製された共役ジエンモノマーを重合させる工程である、請求項1に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
- 前記精製工程は、前記共役ジエンモノマーと前記精製剤とを重合容器に連続的に供給し、該重合容器への供給路中で該共役ジエンモノマーを精製する、請求項1又は2に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
- 前記精製工程は、前記共役ジエンモノマーと前記精製剤とを重合容器に連続的に供給し、該重合容器への供給路中で該共役ジエンモノマーと該精製剤とをスタティックミキサーにより混合する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
- 前記共役ジエン重合体を、変性剤により変性する、変性工程をさらに有し、
前記変性剤は、グリシジル基及びアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
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