JP5325155B2 - 分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕
ランダム共重合体である、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)であり、
前記共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)中の芳香族ビニル結合量が38〜45質量%であり、
共役ジエン全結合単位中のビニル結合量が43モル%を超えて50モル%以下であり、
前記共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の重量平均分子量(Mw−C)が700,000〜1,000,000であり、
数平均分子量(Mn−C)に対する重量平均分子量(Mw−C)の比((Mw−C)/(Mn−C))が1.7〜3.0であり、
120℃で測定されるムーニー粘度(ML−C)とムーニー緩和率(MSR−C)とが、下記式(1)の関係を満たす、分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)。
{195−(ML−C)}/300≦(MSR−C)≦{235−(ML−C)}/300・・・(1)
(ここで、式(1)において、90≦(ML−C)≦125である。)
〔2〕
重量平均分子量(Mw−I)が500,000〜700,000であり、120℃で測定されるムーニー粘度(ML−I)とムーニー緩和率(MSR−I)とが下記式(2)の関係を満たす、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(I)を、4個以上の官能基を有する多官能変性剤を用いてカップリングしたものである請求項1に記載の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)。
{235−(ML−I)}/300≦(MSR−I)≦{270−(ML−I)}/300・・・(2)
(ここで、式(2)において、60≦(ML−I)≦90である。)
〔3〕
〔1〕又は〔2〕に記載の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)と、
無機充填剤と、
を含む、分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体組成物。
〔4〕
〔1〕又は〔2〕に記載の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の製造方法であって、
共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、及びアニオン重合開始剤を含む溶液を連続的に反応器に供給して重合反応を進行させ、活性末端を有する共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の溶液を得る工程と、
前記活性末端と反応可能な4個以上の官能基を有する多官能変性剤を用いて、前記共役ジエン−芳香族ビニル共重合体をカップリングさせる工程と、
を有する、分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の製造方法。
〔5〕
〔1〕又は〔2〕に記載の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の製造方法であって、
攪拌機付きの反応器に、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、及びアニオン重合開始剤を含む溶液を連続的に供給して重合反応を進行させる工程と、
前記反応器出口から、活性末端を有する共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の溶液を連続的に得る工程と、
前記活性末端と反応可能な4個以上の官能基を有する多官能変性剤を用いて前記共役ジエン−芳香族ビニル共重合体をカップリングさせる工程と、
を有し、
前記重合反応においては、反応器出口における内温を90〜100℃に保ち、平均滞留時間20分以上40分以下で連続的に重合反応を進行させる、分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の製造方法。
〔6〕
前記アニオン重合開始剤のモル数に対して、前記多官能変性剤の官能基の合計モル数が、0.1〜0.5倍となるように前記多官能変性剤を用いる、〔4〕又は〔5〕に記載の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の製造方法。
本実施形態の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)は、
ランダム共重合体である、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)であり、
前記共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)中の芳香族ビニル結合量が38〜45質量%であり、
共役ジエン全結合単位中のビニル結合量が43モル%を超えて50モル%以下であり、
前記共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の重量平均分子量(Mw−C)が700,000〜1,000,000であり、
数平均分子量(Mn−C)に対する重量平均分子量(Mw−C)の比((Mw−C)/(Mn−C))が1.7〜3.0であり、
120℃で測定されるムーニー粘度(ML−C)とムーニー緩和率(MSR−C)とが、下記式(1)の関係を満たす。
{195−(ML−C)}/300≦(MSR−C)≦{235−(ML−C)}/300・・・(1)
(ここで、式(1)において、90≦(ML−C)≦125である。)
{195−(ML−C)}/300≦(MSR−C)≦{235−(ML−C)}/300・・・(1)
(ここで、式(1)において、90≦(ML−C)≦125である。)
{208−(ML−C)}/300≦(MSR−C)≦{222−(ML−C)}/300・・・(1a)
(ここで、式(1a)において、97≦(ML−C)≦110である。)
{235−(ML−I)}/300≦(MSR−I)≦{270−(ML−I)}/300・・・(2)
(ここで、式(2)において、60≦(ML−I)≦90である。)
{241−(ML−I)}/300≦(MSR−I)≦{256−(ML−I)}/300・・・(2a)
(ここで、式(2a)において、68≦(ML−I)≦79である。)
本実施形態の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の好ましい製造方法は、
共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、及びアニオン重合開始剤を含む溶液を連続的に反応器に供給して重合反応を進行させ、活性末端を有する共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の溶液を得る工程と、
前記活性末端と反応可能な4個以上の官能基有する多官能変性剤を用いて、前記共役ジエン−芳香族ビニル共重合体をカップリングさせる工程と、
を有する。
攪拌機付きの反応器に、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、アニオン重合開始剤を含む溶液を連続的に供給して重合反応を進行させる工程と、
前記反応器の出口から、活性末端を有する共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の溶液を連続的に得る工程と、
前記活性末端と反応可能な、4個以上の官能基を有する多官能変性剤を用いてカップリングする工程と、
を有する。
本実施形態の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の製造に用いられる共役ジエン化合物としては、特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、入手容易性や経済性の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
本実施形態の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の製造に用いられる芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、スチレンが好ましい。
本実施形態において、通常、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物は、溶媒中で共重合させる。溶媒としては、特に限定されず、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が用いられる。具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素が挙げられる。
本実施形態において、重合反応を行う重合溶液中の共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物の単量体濃度は、特に限定されないが、5〜50質量%が好ましく、10〜30質量%がよりに好ましい。
本実施形態の重合反応に用いることができるアニオン重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、アルカリ金属系開始剤、アルカリ土類金属系開始剤等が使用できる。アルカリ金属系開始剤又はアルカリ土類金属系開始剤としては、重合開始の能力がある全てのアルカリ金属系開始剤又はアルカリ土類金属系開始剤が使用可能である。それらの中でも、有機アルカリ金属化合物及び有機アルカリ土類金属化合物の少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。
有機アルカリ金属化合物は、他の有機金属化合物と併用して用いてもよい。
本実施形態の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の製造方法においては、芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させる目的や、共重合体の共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤として用いる目的や、重合速度の改善等の目的から、ルイス塩基等の極性化合物を少量添加することが好ましい。
共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物の重合反応は、上述した共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、アニオン重合開始剤、重合溶媒、必要に応じて少量の極性化合物を、所定の攪拌機付きの反応器に連続的に供給して行い、反応器出口から、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の溶液を連続的に流出させて行うことができる。また、単量体及び/又は重合溶媒を、特開2002−284814号公報に開示されるような方法で反応器に供給する前段階で有機金属化合物と接触させ、微量不純物による重合阻害作用を不活性化させることもできる。
{235−(ML−I)}/300≦(MSR−I)≦{270−(ML−I)}/300・・・(2)
(ここで、式(2)において、60≦(ML−I)≦90である。)
本実施形態で用いられる、活性末端を有する共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の活性末端と反応可能な、4個以上の官能基を有する多官能変性剤としては、特に限定されず、例えば、エポキシ基、カルボニル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、酸無水物基、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基、エピチオ基、チオカルボニル基、チオカルボン酸エステル基、ジチオカルボン酸エステル基、チオカルボン酸アミド基、イミノ基、エチレンイミノ基、ハロゲン基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、共役ジエン基、及びアリールビニル基からなる群より選択される1種以上の官能基を有する化合物が挙げられる。
上述した多官能変性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体組成物とは、上述した本実施形態の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体に所定の材料を混合したものをいう。この材料としては、例えば、分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体以外のゴム状重合体、無機充填剤、金属酸化物や金属水酸化物、シランカップリング剤、ゴム用軟化剤、加硫剤、加硫促進剤・加硫助剤等のその他の充填剤が挙げられる。これらの中でも、無機充填剤を少なくとも含むものが好ましい。すなわち、本実施形態の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)と、無機充填剤と、を含む分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体組成物が好ましい。
これらのゴム状重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
測定用の試料を二硫化炭素溶液とし、溶液セルを用いて、フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光製、FT−IR230)を用いて、赤外線スペクトルを600〜1000cm-1の範囲で測定して、所定の波数における吸光度により、ハンプトンの方法の計算式に従い、ブタジエン部分のミクロ構造(ビニル結合量)を求めた。
ムーニー粘度計(上島製作所製、VR1132)を用い、ISO289−1及びISO289−4に準拠し、温度を120℃として、ムーニー粘度及びムーニー緩和率を測定した。まず、試料を120℃で1分間予熱した後、2rpmでローターを回転させ、4分後のトルクを測定してムーニー粘度(ML1+4)とした。その後、即座にローターの回転を停止させ、停止後1.6〜5秒間の0.1秒ごとのトルクをムーニー単位で記録し、トルクと時間(秒)を両対数プロットした際の直線の傾きを求め、その絶対値をムーニー緩和率(MSR)とした。
ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC測定装置を使用して、クロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用した検量線に基づいて重量平均分子量を求めた。さらに、数平均分子量に対する重量平均分子量の比から分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)を求めた。
ISO22768:2006に準拠し、マックサイエンス社製、DSC3200Sを用いて測定した。ヘリウム50mL/分の流通下、−100℃から20℃/分で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とした。
内部標準としてn−プロピルベンゼン0.50mLと、約20mLのトルエンを密封した100mLのボトルに、反応器出口から得られるポリマー溶液を約20mL注入して、測定用の試料を作製した。得られた試料を、アピエゾングリースを担持させたパックドカラムを装着したガスクロマトグラフィー(GC)に測定し、事前に得ていた1,3−ブタジエンモノマーとスチレンモノマーの検量線からポリマー溶液中の残留モノマー量を求め、1,3−ブタジエンモノマー及びスチレンモノマーの転化率を求めた。
内容積10Lで、直径(D)に対する内部の高さ(L)の比(L/D)が4であり、底部に入り口、頂部に出口を有し、攪拌機及び温度調整用のジャケットを有するオートクレーブを2基直列に連結し、1基目を重合反応器として、2基目をカップリング反応器とて用いた。
重合開始n−ブチルリチウム、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン及びテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを、表1に示す条件で用いた。その他の条件は、実施例1と同様として、油展共重合体(試料b)を得た。共重合体の性状を表1に示す。
表1に示すように、実施例1の方法からブタジエンとスチレンの量比は変えずにモノマーの供給量を変えた。平均滞留時間を25分、反応器出口の内温を97℃とした。その他の材料の供給量についても表1に示すように変えた。実施例1と同様に重合反応及びカップリング反応を実施し、オイルの添加及び脱溶媒を行って、油展共重合体(試料c)を得た。共重合体の性状を表1に示す。
表1に示すように、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンの添加量を変えた。その他の条件は、実施例3と同様に重合反応及びカップリング反応を実施し、オイルの添加及び脱溶媒を行って、油展共重合体(試料d)を得た。共重合体の性状を表1に示す。
表1に示すように、モノマーの供給量は変えずに、重合開始n−ブチルリチウム、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン及びテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンの添加量を変えた。その他の条件は、実施例4と同様に重合反応及びカップリング反応を実施し、オイルの添加及び脱溶媒を行って、油展共重合体(試料e、f)を得た。共重合体の性状を表1に示す。
表2に示すように、実施例1の方法から、ブタジエンとスチレンの量比は変えずにモノマーの供給量を変え、平均滞留時間を45分、反応器出口の内温を85℃とし、その他の物質の供給量も表2に示すように変えて重合反応を実施した。テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンの添加をゼロにしたため、実施例1〜6においては、1基の反応器で重合反応を行ったのに対して、この場合には2基の反応器で重合反応を実施したことになる。重合転化率は2基目の反応器の頂部から得た共重合体溶液で測定した。その後、実施例1と同様にオイルの添加及び脱溶媒を行って油展共重合体(試料g)を得た。共重合体の性状を表2に示す。
表2に示すように、実施例1の方法から、ブタジエンとスチレンの量比は変えずにモノマーの供給量を変え、平均滞留時間を45分、反応器出口の内温を85℃とし、その他の物質の供給量も表2に示すように変えて重合反応及びカップリング反応を実施し、オイルの添加及び脱溶媒を行って油展共重合体(試料h)を得た。重合転化率の測定等は実施例1と同様の方法により行った。共重合体の性状を表2に示す。
表2に示すように、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンの添加量を変えた以外は、比較例2と同様の方法により重合反応及びカップリング反応を実施し、オイルの添加及び脱溶媒を行って、油展共重合体(試料i)を得た。共重合体の性状を表2に示す。
表2に示すように、実施例1の方法から、ブタジエンとスチレンとの量比は変えずにモノマーの供給量を変え、平均滞留時間を22分、反応器出口の内温を105℃とし、その他の物質の供給量も表2に示すように変えて、重合反応及びカップリング反応を行った。その後、実施例1と同様にオイルの添加及び脱溶媒を行って油展共重合体(試料j)を得た。共重合体の性状を表2に示す。
表2に示すように、実施例1の方法からブタジエンとスチレンの量比を変え、さらにモノマーの供給量を変え、平均滞留時間を25分、反応器出口の内温を97℃とし、その他の物質の供給量も表2に示すように変えて、実施例1と同様に重合反応及びカップリング反応を行った。その後、実施例1と同様にオイルの添加及び脱溶媒を行って油展共重合体(試料k)を得た。共重合体の性状を表2に示す。
上記表に示す試料(試料a、c〜e、g〜k)を原料ゴムとして、以下に示す配合に従い、それぞれの原料ゴムを含有するゴム組成物を作製した。
・1,4−シス含有量の高いポリブタジエンゴム(以下、ハイシスポリブタジエンゴムという。)(宇部興産社製、UBEPOL−150):30.00質量部
・シリカ(デグサ社製、Ultrasil VN3):75.00質量部
・カーボンブラック(東海カーボン社製、N339):5.00質量部
・シランカップリング剤(デグサ社製、Si75):6.00質量部
・S−RAEオイル(ジャパンエナジー社製、JOMOプロセスNC140):15.75質量部
・亜鉛華:2.50質量部
・ステアリン酸:2.00質量部
・ワックス(大内新興化学社製、サンノックN):1.50質量部
・老化防止剤(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン):2.00質量部
・硫黄:2.20質量部
・加硫促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフィンアミド):1.70質量部
・加硫促進剤(ジフェニルグアニジン):2.00質量部
合計:241.90質量部
温度制御装置を具備する密閉混練機(内容量0.3L)を使用し、第一段の混練として、充填率72%、ローター回転数50/57rpmの条件で、原料ゴム(試料a、c〜e、g〜k、ハイシスブタジエンゴム)、シリカ、有機シランカップリング剤、プロセスオイルを混練した。このとき、密閉混合機の温度を制御し、排出温度(配合物)は155〜160℃でゴム組成物を得た。
(1)バウンドラバー量
第2段混練工程の終了後の配合物(約0.2g)を約1mm角状に裁断し、ハリスかご(100メッシュ金網製)へ入れ、重量を測定した。その後、トルエン中に23℃で24時間浸漬後、乾燥処理を施し、トルエン非溶解成分の重量を測定した。非溶解成分の重量から充填剤に結合したゴム(分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体+ハイシスブタジエンゴム)の重量を計算し、最初の配合物中のゴム量に対する充填剤と結合したゴムの割合を求めた。
ムーニー粘度計を使用し、JIS K6300−1に準拠し、130℃で1分間の予熱を行った後に、ローターを毎分2回転(2rpm)で回転させ、4分後の粘度を測定した。ムーニー粘度が小さい値であるほど、混練時に消費エネルギーが小さく加工性が良好であることを示す。
JIS K6251の引張試験法に準拠して測定した。比較例6の測定値を100として指数化した。
レオメトリックス・サイエンティフィック社製の粘弾性試験機(ARES)を使用し、ねじりモードで粘弾性パラメータを測定した。各々の測定値は、比較例6の測定値を100として指数化した。0℃において周波数10Hz、ひずみ1%で測定したtanδ(損失正接)をウェットスキッド抵抗性の指標とした。値が大きいほどウェットスキッド抵抗性が良好であることを示す。
アクロン摩耗試験機(安田精機製作所製)を使用し、JIS−K6264−2に準拠し、荷重44.1N、1000回転の摩耗量を測定した。比較例6の測定値を100として指数化した。指数の大きいほど耐摩耗性が優れることを示す。
Claims (6)
- ランダム共重合体である、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)であり、
前記共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)中の芳香族ビニル結合量が38〜45質量%であり、
共役ジエン全結合単位中のビニル結合量が43モル%を超えて50モル%以下であり、
前記共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の重量平均分子量(Mw−C)が700,000〜1,000,000であり、
数平均分子量(Mn−C)に対する重量平均分子量(Mw−C)の比((Mw−C)/(Mn−C))が1.7〜3.0であり、
120℃で測定されるムーニー粘度(ML−C)とムーニー緩和率(MSR−C)とが、下記式(1)の関係を満たす、分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)。
{195−(ML−C)}/300≦(MSR−C)≦{235−(ML−C)}/300・・・(1)
(ここで、式(1)において、90≦(ML−C)≦125である。) - 重量平均分子量(Mw−I)が500,000〜700,000であり、120℃で測定されるムーニー粘度(ML−I)とムーニー緩和率(MSR−I)とが下記式(2)の関係を満たす、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(I)を、4個以上の官能基を有する多官能変性剤を用いてカップリングしたものである請求項1に記載の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)。
{235−(ML−I)}/300≦(MSR−I)≦{270−(ML−I)}/300・・・(2)
(ここで、式(2)において、60≦(ML−I)≦90である。) - 請求項1又は2に記載の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)と、
無機充填剤と、
を含む、分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体組成物。 - 請求項1又は2に記載の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の製造方法であって、
共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、及びアニオン重合開始剤を含む溶液を連続的に反応器に供給して重合反応を進行させ、活性末端を有する共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の溶液を得る工程と、
前記活性末端と反応可能な4個以上の官能基を有する多官能変性剤を用いて、前記共役ジエン−芳香族ビニル共重合体をカップリングさせる工程と、
を有する、分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の製造方法。 - 請求項1又は2に記載の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の製造方法であって、
攪拌機付きの反応器に、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、及びアニオン重合開始剤を含む溶液を連続的に供給して重合反応を進行させる工程と、
前記反応器出口から、活性末端を有する共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の溶液を連続的に得る工程と、
前記活性末端と反応可能な4個以上の官能基を有する多官能変性剤を用いて前記共役ジエン−芳香族ビニル共重合体をカップリングさせる工程と、
を有し、
前記重合反応においては、反応器出口における内温を90〜100℃に保ち、平均滞留時間20分以上40分以下で連続的に重合反応を進行させる、分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の製造方法。 - 前記アニオン重合開始剤のモル数に対して、前記多官能変性剤の官能基の合計モル数が、0.1〜0.5倍となるように前記多官能変性剤を用いる、請求項4又は5に記載の分岐状共役ジエン−芳香族ビニル共重合体(C)の製造方法。
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