JP2016126047A - 感光体、画像形成装置、及びカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】感光体の表面の滑りをより良くすることを目的とする。【解決手段】画像形成装置が画像形成に使用する感光体が、表面に、周期の長さ867マイクロメートル乃至1654マイクロメートルの帯域で、算術平均粗さが0.1マイクロメートル以上0.5マイクロメートル以下の凹凸を含むことにより上記課題を解決する。【選択図】図8
Description
本発明は、感光体、画像形成装置、及びカートリッジに関する。
従来、帯電、露光、現像、転写、及びクリーニングのプロセスによって画像形成を実現する電子写真方式のプリンタ、複写機、又はファクシミリ等の画像形成装置が知られている。この場合、画像形成装置では、感光体が用いられ、用いられる感光体の寿命を長くする方法が知られている。
例えば、架橋型樹脂表面層を有する感光体において、架橋型樹脂表面層に電荷輸送性構造単位を有する架橋対を含有させ、感光体の表面を多重解像度解析する方法が知られている。この方法において、各周波数成分のうち、一周期の長さが53乃至183μm、106乃至318μm、214乃至551μm、及び431乃至954μmの帯域の算術平均粗さを0.01μmより大きく、かつ、0.04μm未満とする。さらに、一周期の長さが53乃至183μmの帯域の算術平均粗さを、一周期の長さが0乃至3μm、1乃至6μm、2乃至13μm、4乃至25μm、10乃至50μm、及び26乃至106μmの帯域の算術平均粗さより大きくする方法等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来の方法では、周期の長さが867乃至1654μmの帯域の算術平均粗さを0.1μm以上、かつ、0.5μm以下としなかったため、感光体の表面の滑りをより良くできない場合があった。
本発明の1つの側面は、感光体の表面の滑りをより良くすることを目的とする。
一態様における、画像形成装置が画像形成に使用する感光体が、表面に、周期の長さ867マイクロメートル乃至1654マイクロメートルの帯域で、算術平均粗さが0.1マイクロメートル以上0.5マイクロメートル以下の凹凸を含むことを特徴とする。
感光体の表面の滑りをより良くできる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<画像形成装置例>
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体構成の一例を説明する概要図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体構成の一例を説明する概要図である。
画像形成装置100は、例えば、カラー画像形成でタンデム方式と称される二次転写機構を有する電子写真方式の画像形成装置である。以下、画像形成装置100を例に説明する。
画像形成装置100は、中間転写ユニットを有する。また、中間転写ユニットは、無端ベルトの中間転写ベルト10を有する。図1では、中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ14乃至16に掛けられ、時計回りに回転する。
中間転写体クリーニングユニット17は、作像プロセスが行われると、中間転写ベルト10の上に残留するトナーを除去する。
作像装置20は、クリーニングユニット13と、帯電ユニット18と、除電ユニット19と、現像ユニット29と、感光体ユニット40とを有する。
図1では、画像形成装置100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の各色(以下、適宜括弧内に示した記号で色を表す場合がある。)に対応してそれぞれ作像装置20を有する。
作像装置20は、第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15との間に設置される。また、図1では、各色の作像装置20は、中間転写ベルト10の搬送方向に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の順で設置されている例である。さらに、作像装置20は、画像形成装置100に対して脱着が可能である。
光ビーム走査装置21は、各色の感光体ユニット40がそれぞれ有する感光体ドラムに画像形成のための光ビームを照射する。
二次転写ユニット22は、2つのローラ23と、二次転写ベルト24とを有する。
二次転写ベルト24は、無端ベルトである。また、二次転写ベルト24は、2つのローラ23に掛けられ、回転する。図1では、ローラ23及び二次転写ベルト24は、中間転写ベルト10を押し上げて、第3の支持ローラ16に押し当てるように設置される。
また、二次転写ベルト24は、中間転写ベルト10の上に形成される画像を記録媒体に転写する。なお、記録媒体は、例えば紙又はプラスチックシート等である。
定着ユニット25は、定着のプロセスを行う。また、定着ユニット25は、定着ベルト26及び加圧ローラ27を有する。なお、定着ベルト26は、無端ベルトである。さらに、定着ベルト26及び加圧ローラ27は、定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てるように設置される。まず、定着ユニット25には、トナー像が転写された記録媒体が送られる。次に、定着ユニット25は、記録媒体を加熱して記録媒体に画像を定着させる。
シート反転ユニット28は、記録媒体の表面と裏面とを反転させる。例えば、シート反転ユニット28は、表面に画像形成した後、裏面に画像形成する場合に用いられる。
自動給紙装置(ADF(Auto Document Feeder))400は、操作ユニットが有するスタートボタンが押され、かつ、給紙台30の上に記録媒体がある場合、記録媒体をコンタクトガラス32の上に搬送する。一方、自動給紙装置400は、給紙台30の上に記録媒体がない場合、ユーザによって置かれるコンタクトガラス32の上の記録媒体を読み取るために、画像読み取りユニット300を起動させる。
画像読み取りユニット300は、第1のキャリッジ33と、第2のキャリッジ34と、結像レンズ35と、CCD(Charge Coupled Device)36と、光源とを有する。
画像読み取りユニット300は、コンタクトガラス32の上の記録媒体を読み取るために、第1のキャリッジ33及び第2のキャリッジ34を動作させる。
第1のキャリッジ33にある光源は、コンタクトガラス32に向かって発光する。次に、第1のキャリッジ33にある光源から発光される光は、コンタクトガラス32の上の記録媒体で反射する。さらに、反射した光は、第1のキャリッジ33にある第1のミラーで、第2のキャリッジ34に向かって反射する。続いて、第2のキャリッジ34に向かって反射した光は、結像レンズ35を通して、読み取りセンサであるCCD36に結像する。
画像形成装置100は、CCD36によってY、M、C、及びK等の各色に対応する画像データを作成する。
操作ユニットが有するスタートボタンが押される又はPC(Personal Computer)等の外部装置から画像形成の指示があると、画像形成装置100は、中間転写ベルト10の回転を開始する。同様に、画像形成装置100は、ファクシミリの出力指示があると、中間転写ベルト10の回転を開始する。
中間転写ベルト10の回転が開始されると、作像装置20は、作像プロセスを開始する。トナー画像が転写される記録媒体は、定着ユニット25に送られる。次に、定着ユニット25が定着のプロセスを行うことによって、記録媒体に画像が画像形成される。
給紙テーブル200は、給紙ローラ42と、給紙ユニット43と、分離ローラ45と、搬送コロユニット46とを有する。また、給紙ユニット43は、複数の給紙トレイ44を有する場合がある。さらに、搬送コロユニット46は、搬送ローラ47を有する。
給紙テーブル200は、給紙ローラ42のうち、1つの給紙ローラ42を選択する。次に、給紙テーブル200は、選択した給紙ローラ42を回転させる。
給紙ユニット43は、複数の給紙トレイ44のうち、1つの給紙トレイ44を選択し、給紙トレイ44から記録媒体を送る。次に、送り出される記録媒体は、分離ローラ45によって1枚に分離され、搬送コロユニット46に入れられる。さらに、搬送コロユニット46は、搬送ローラ47によって、記録媒体を画像形成装置100に送る。
続いて、記録媒体は、搬送コロユニット46によってレジストローラ49に送られる。次に、レジストローラ49に送られる記録媒体は、レジストローラ49に突き当てて止められる。さらに、記録媒体は、トナー画像が二次転写ユニット22に進入する際に、所定の位置に転写が行われるタイミングで二次転写ユニット22に搬送される。
なお、記録媒体は、手差しトレイ51から送られてもよい。この場合、手差しトレイ51から記録媒体が送られると、画像形成装置100は、給紙ローラ50及び給紙ローラ52を回転させる。次に、給紙ローラ50及び給紙ローラ52は、手差しトレイ51上にある複数の記録媒体から1枚の記録媒体を分離させる。さらに、給紙ローラ50及び給紙ローラ52は、分離させた記録媒体を給紙路53へ送る。さらにまた、給紙路53に送られる記録媒体は、レジストローラ49に送られる。なお、記録媒体がレジストローラ49に送られた以降の処理は、給紙テーブル200から記録媒体を送る場合と同様である。
記録媒体は、定着ユニット25によって定着され、画像形成装置100から排出される。次に、定着ユニット25から排出される記録媒体は、切換爪55によって、排出ローラ56に送られる。さらに、排出ローラ56は、送られる記録媒体を排紙トレイ57に送る。
また、切換爪55は、定着ユニット25から排出される記録媒体をシート反転ユニット28に送ってもよい。この場合、シート反転ユニット28は、送られる記録媒体の表面と裏面とを反転させる。次に、反転した記録媒体は、表面と同様に、裏面に画像形成、いわゆる両面印刷が行われ、排紙トレイ57に記録媒体が送られる。
一方、中間転写ベルト10に残るトナーは、中間転写体クリーニングユニット17によって除去される。また、中間転写ベルト10に残るトナーが除去されると、画像形成装置100は、次の画像形成に備える。
なお、画像形成装置100は、5色以上の色を用いて画像形成を行ってもよい。なお、画像形成装置100が5色以上の色を用いる場合、画像形成装置100は、色の数に合わせて作像装置20の有する数を変更する。以下、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色を用いて画像形成を行う作像装置20を例に説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置による画像形成プロセスの一例を説明する概要図である。
画像形成装置100は、中間転写ベルト10と、各色に対応したそれぞれの作像装置20と、各色に対応した光ビーム走査装置21と、中間転写体クリーニングユニット17と、二次転写ユニット22とを有する。
光ビーム走査装置21から、作像装置20に光ビームが入射される。次に、作像装置20は、入射される光ビームに基づいて作像プロセスを行う。具体的には、電子写真の画像形成のプロセスでは、帯電、露光、現像、転写、及び定着の5つのプロセスが行われる。なお、作像プロセスは、帯電、露光、現像、及び転写である。
作像装置20は、作像プロセスで、各色のトナー画像を中間転写ベルト10に形成する。各色の作像装置20が形成した各色のトナー画像を順に重ねて、カラーのトナー画像が形成される。
作像装置20の感光体ユニット40には、画像データに基づいて変調された光ビームが入射される。
帯電ユニット18は、帯電のプロセスを行う。なお、帯電のプロセスは、帯電ユニット18が感光体ユニット40の表面を帯電させるプロセスである。
帯電した感光体ユニット40は、光ビームにより露光のプロセスが行われる。なお、露光のプロセスは、感光体ユニット40の表面に静電潜像を形成するプロセスである。
現像ユニット29は、現像のプロセスを行う。なお、現像のプロセスは、感光体ユニット40に形成された静電潜像に対してトナーを付着させ、トナー画像を形成するプロセスである。この場合、現像ユニット29には、トナーボトルからトナーの供給が行われる。
トナー画像は、転写器62によって中間転写ベルト10の上に転写される。
作像された各色のトナー像は、中間転写ベルト10の上で重ねられ、1つのトナー画像として記録媒体に転写される。転写の後、除電ユニット19は、感光体ユニット40の除電を行い、クリーニングユニット13は、トナー画像の除去を行う。
転写されたトナー画像が二次転写ユニット22に進入すると、記録媒体は、二次転写ユニット22に送られる。次に、二次転写ユニット22に送られる記録媒体に、中間転写ベルト10の上のトナー画像が転写される。
二次転写ユニット22は、中間転写ベルト10に形成されるカラーのトナー画像を記録媒体に転写する。その後、定着ユニット25は、定着のプロセスを行う。
中間転写体クリーニングユニット17は、転写プロセスの後、カラーのトナー画像を除去する。
感光体は、例えば図2に示す感光体ユニット40である。また、感光体は、導電性支持体を有する。この場合、感光体の表面である導電性支持体には、凹凸形状が形成される。なお、感光体についての詳細は、後述する。
さらに、感光体は、カートリッジに用いられてもよい。
<カートリッジの一例>
図3は、本発明の一実施形態に係るカートリッジの一例を示す図である。
図3は、本発明の一実施形態に係るカートリッジの一例を示す図である。
カートリッジは、感光体を内蔵し、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段を含む場合がある1つの装置である。即ち、カートリッジは、感光体と、感光体上に形成される静電潜像をトナーにより現像する現像手段とを一体に備え、画像形成装置に着脱することができる。
カートリッジは、例えばリコー社製イマジオ(登録商標)MF200に用いられる。なお、図3では、リコー社製イマジオ(登録商標)MF200を例に示す。また、図3は、カートリッジが用いられる画像形成装置の一例を示す図であり、この装置について以下説明する。
まず、帯電手段の一例である帯電装置102により、感光体が帯電される。次に、感光体が帯電されると、感光体ユニット40は、露光手段の一例である露光装置から露光103を受ける。これによって、露光される部分で、電荷が発生し、感光体表面に静電潜像が形成される。次に、感光体表面に静電潜像が形成されると、現像手段の一例である現像装置104を介して、感光体ユニット40は、現像剤と接触し、トナー像を形成する。さらに、感光体表面に形成されるトナー像は、転写手段の一例である転写装置106により紙等の被転写体105へ転写され、定着手段の一例である定着装置109を通過してハードコピーとなる。
感光体ユニット40上に残留するトナーは、クリーニングブレード107により除去される。また、残留電荷は、除電ランプ108で除かれ、画像形成装置は、次の電子写真サイクルに移る。なお、図3は、被転写体105、転写装置106、除電手段の一例である除電ランプ108、定着装置109が、カートリッジに含まれない例である。
一方、光照射工程については、画像露光、クリーニング前露光、及び除電露光が図示されているが、光照射工程は、他に転写前露光、画像露光のプレ露光、及びその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行う工程でもよい。
<感光体の表面粗さの評価例>
図4は、本発明の一実施形態に係る感光体の表面粗さを評価するための評価システムの一例を説明する概要図である。
図4は、本発明の一実施形態に係る感光体の表面粗さを評価するための評価システムの一例を説明する概要図である。
評価システム70は、治具71と、移動機構72と、表面粗さ・輪郭形状測定機73と、PC(Personal Computer)74とを有する。なお、導電性支持体80は、感光体に用いられる。
凹凸形状は、粗さ曲線(JIS B0601 2001)によって示される。なお、粗さ曲線は、1次元データ配列である。この場合、導電性支持体80の表面は、例えばウェーブレット(Wavelet)変換による多重解像度解析等で評価される。
治具71は、導電性支持体80の表面粗さを測定するプローブ(probe)を有する。
移動機構72は、治具71を測定対象である導電性支持体80に沿って移動させるための機構である。
表面粗さ・輪郭形状測定機73は、例えば東京精密社製Surfcom1400Dである。以下、表面粗さ・輪郭形状測定機73が東京精密社製Surfcom1400Dである例を説明する。
PC74は、表面粗さ・輪郭形状測定機73と、RS−232C(Recommended Standard 232)等のケーブルによって接続され、表面粗さ・輪郭形状測定機73から表面粗さデータを取得する。また、PC74は、表面粗さデータに基づいて多重解像度解析(MRA−1)を行う。
なお、評価システム70は、表面粗さ・輪郭形状測定機73が多重解像度解析を行う構成でもよい。
測定は、JISで定められる長さである8mm以上25mm以下の長さで行われるのが好ましい。また、測定のサンプリング間隔は、1μm以下がよく、0.2μm以上0.5μm以下がより好ましい。例えば、測定の長さが12mm、かつ、サンプリングの点数が30720点である場合、サンプリング間隔は、0.390625μmである。
多重解像度解析は、表面粗さ・輪郭形状測定機73から取得される1次元データ配列をウェーブレット変換して複数の周波数成分に分離する(以下、1回目のウェーブレット変換という)。具体的には、周波数成分は、例えば、第1周波数成分(HHH)、第2周波数成分(HHL)、第3周波数成分(HMH)、第4周波数成分(HML)、第5周波数成分(HLH)、及び第6周波数成分(HLL)である。なお、周波数成分のうち、第1周波数成分(HHH)が最も周波数が高く、第6周波数成分(HLL)が最も周波数が低い。
多重解像度解析では、最も周波数が低い第6周波数成分(HLL)のデータを間引きする処理が行われる。例えば、間引きは、データ配列の数を1/10から1/100にする処理である。間引きが1/10より小さい場合、例えば1/5である場合、データの周波数が十分上がっていないため、2回目のウェーブレット変換を行う多重解像度解析であってもデータが十分に分離されない場合がある。一方、間引きが1/100より大きい場合、例えば1/200である場合、データの周波数が上がり過ぎるため、データが高周波成分に集中するため、十分に分離されない場合がある。したがって、間引きは、データ配列の数を1/10から1/100にする処理が好ましい。
例えば1回目のウェーブレット変換で算出された配列数が30000個である場合、1/10にする間引きによって、配列数は、3000個となる。なお、間引きは、目盛幅を拡げるため、データの周波数を上げることができる。
次に、多重解像度解析は、間引かれた1次元のデータをさらにウェーブレット変換し、複数の周波数成分に分離する(以下、2回目のウェーブレット変換という)。
具体的には、間引きでは、例えば100点のデータの平均値が算出され、以降の処理において算出された平均値が用いられる方法等である。
多重解像度解析では、分離される各周波数成分の1次元のデータからそれぞれ算術平均粗さRa(JIS B0601 2001)が計算される。
ウェーブレット変換は、例えば、MathWorks(登録商標)社製MATLAB(登録商標)等のソフトウェアによって実現される。
1回目のウェーブレット変換及び2回目のウェーブレット変換に係るマザーウェーブレット関数は、各種のウェーブレット関数が使用できる。例えば、ウェーブレット関数は、ドビシー(Daubecies)関数、ハール(Haar)関数、メーヤ(Meyer)関数、シムレット(Symlet)関数、又はコイフレット(Coiflet)関数等である。なお、ウェーブレット変換によって分離される周波数成分の数は、評価精度が高く、かつ、計算コストが少ない4以上8以下がよく、6が好ましい。
また、多重解像度解析では、数段階のウェーブレット変換が行われてもよい。さらに、ウェーブレット変換によって測定対象とする周波数帯域が複数の周波数帯域に分離する場合、逆ウェーブレット変換によって復元する処理があってもよい。
図5は、本発明の一実施形態に係る多重解像度解析の各周波数成分についての計測結果及び計算結果の一例を示す図である。例えば、図5に示す計算結果は、1回目のウェーブレット変換が行われるデータの最低周波数に対して1/40の間引きを行い、続いて、2回目のウェーブレット変換が行われたデータに基づいて算出される。具体的には、図5では、1回目のウェーブレット変換を行ったデータから算術平均粗さRa、最大高さRz(JIS B0601 2001)、及び十点平均粗さRzJIS(JIS B0601 2001)を計算した結果が示される。
図5(A)は、多重解像度解析のための測定結果の一例を示す図である。以下、図5に示す測定結果が得られる場合を例に説明する。
図5(A)は、表面粗さ・輪郭形状測定機73(図4)で測定される測定結果の一例である。例えば、測定結果は、粗さ曲線(JIS B0601 2001)で示される。なお、図5(A)に示す測定結果は、測定長さが12mmの場合である。
2回目のウェーブレット変換で分離する周波数成分は、例えば、第7周波数成分(LHH)、第8周波数成分(LHL)、第9周波数成分(LMH)、第10周波数成分(LML)、第11周波数成分(LLH)、及び第12周波数成分(LLL)である。
なお、各周波数成分は、周波数帯域が一部重複した分離の区分であってもよい。
図5(B)は、1回目のウェーブレット変換を行ったデータに基づく計算結果の一例である。なお、図5(B)は、上から周波数の高い順に図示する。
具体的には、第1周波数成分のグラフG1は、最も高い周波数成分である第1周波数成分(HHH)のグラフである。第2周波数成分のグラフG2は、第1周波数成分(HHH)より1つ低い周波数成分である第2周波数成分(HHL)のグラフである。第3周波数成分のグラフG3は、第1周波数成分(HHH)より2つ低い周波数成分である第3周波数成分(HMH)のグラフである。第4周波数成分のグラフG4は、第1周波数成分(HHH)より3つ低い周波数成分である第4周波数成分(HML)のグラフである。第5周波数成分のグラフG5は、第1周波数成分(HHH)より4つ低い周波数成分である第5周波数成分(HLH)のグラフである。第6周波数成分のグラフG6は、最も低い周波数成分である第6周波数成分(HLL)のグラフである。
図6は、本発明の一実施形態に係る多重解像度解析の各周波数成分の分離状態の一例を示す図である。なお、図6では、横軸は、凹凸の形状が正弦波とした場合の長さ1mm当たりに出現する凹凸の数である。また、図6では、縦軸は、各帯域に分離された割合である。
具体的には、第1周波数成分の帯域のグラフGF1は、第1周波数成分(HHH)の帯域を示すグラフである。第2周波数成分の帯域のグラフGF2は、第2周波数成分(HHL)の帯域を示すグラフである。第3周波数成分の帯域のグラフGF3は、第3周波数成分(HMH)の帯域を示すグラフである。第4周波数成分の帯域のグラフGF4は、第4周波数成分(HML)の帯域を示すグラフである。第5周波数成分の帯域のグラフGF5は、第5周波数成分(HLH)の帯域を示すグラフである。第6周波数成分の帯域のグラフGF6は、第6周波数成分(HLL)の帯域を示すグラフである。
図6では、1mm当たりの凹凸の数が20個以下となる場合、第6周波数成分(HLL)の帯域のグラフGF6で示す値が高くなる。さらに、例えば、1mm当たりの凹凸の数が110個となる場合、第4周波数成分の帯域のグラフGF4で示す値が高くなる。また、第4周波数成分のグラフG4(図5)によって算術平均粗さRa等が示される。
また、例えば、1mm当たりの凹凸の数が220個となる場合、第3周波数成分の帯域のグラフGF3で示す値が高くなる。さらに、第3周波数成分のグラフG3(図5)によって算術平均粗さRa等が示される。
さらに、例えば、1mm当たりの凹凸の数が310個となる場合、第2周波数成分の帯域のグラフGF2及び第3周波数成分の帯域のグラフGF3で示す値が高くなる。また、第3周波数成分のグラフG3(図5)によって算術平均粗さRa等が示される。
したがって、1mm当たりの凹凸の数、即ち、表面粗さによって、図5に示すいずれのグラフによって示されるかが決定する。同様に、1mm当たりの凹凸の数、即ち、表面粗さによって、図6に示すいずれのグラフによって示されるかが決定する。具体的には、細かなざらつき等は、高い周波数であるため、高い周波数成分で示される。一方、うねり等は、低い周波数であるため、低い周波数成分で示される。なお、各周波数帯域のグラフから算術平均粗さRa、最大高さRz、及び十点平均粗さRzJISが計算される。
2回目のウェーブレット変換を行うために、最も低い周波数成分である第6周波数成分のグラフG6のデータは、間引きが行われる。この場合、間引きによって、多重解像度解析の際、目的とする周波数は、帯域の中心になることが可能である。例えば、図7は、図5(A)に示す40個のデータから1個の割合でデータを取る1/40の間引きを行う場合の例である。
図7は、本発明の一実施形態に係る間引きの処理結果の一例を示す図である。なお、縦軸は、表面の凹凸を示し、単位はμmである。また、横軸は、測定長さ12mmを示す。
多重解像度解析では、図7で示す間引きの処理結果に対して、2回目のウェーブレット変換が行われる。
図5(C)は、2回目のウェーブレット変換を行ったデータに基づく計算結果の一例である。なお、図5(C)は、上から周波数の高い順に図示する。
具体的には、第7周波数成分のグラフG7は、2回目のウェーブレット変換で最も高い周波数成分である第7周波数成分(LHH)のグラフである。第8周波数成分のグラフG8は、第7周波数成分(LHH)より1つ低い周波数成分である第8周波数成分(LHL)のグラフである。第9周波数成分のグラフG9は、第7周波数成分(LHH)より2つ低い周波数成分である第9周波数成分(LMH)のグラフである。第10周波数成分のグラフG10は、第7周波数成分(LHH)より3つ低い周波数成分である第10周波数成分(LML)のグラフである。第11周波数成分のグラフG11は、第7周波数成分(LHH)より4つ低い周波数成分である第11周波数成分(LLH)のグラフである。第12周波数成分のグラフG12は、最も低い周波数成分である第12周波数成分(LLL)のグラフである。
図8は、本発明の一実施形態に係る多重解像度解析の2回目のウェーブレット変換を行ったデータの各周波数成分の分離状態の一例を示す図である。なお、横軸は、凹凸の形状を正弦波とした場合に、長さ1mm当たりに出現する凹凸の数である。また、縦軸は、各帯域に分離された割合である。
具体的には、第7周波数成分の帯域のグラフGF7は、第7周波数成分(LHH)の帯域を示すグラフである。第8周波数成分の帯域のグラフGF8は、第8周波数成分(LHL)の帯域を示すグラフである。第9周波数成分の帯域のグラフGF9は、第9周波数成分(LMH)の帯域を示すグラフである。第10周波数成分の帯域のグラフGF10は、第10周波数成分(LML)の帯域を示すグラフである。第11周波数成分の帯域のグラフGF11は、第11周波数成分(LLH)の帯域を示すグラフである。第12周波数成分の帯域のグラフGF12は、第12周波数成分(LLL)の帯域を示すグラフである。
図8では、1mm当たりの凹凸の数が0.2個以下となる場合、第12周波数成分の帯域のグラフGF12で示す値が高くなる。また、例えば、1mm当たりの凹凸の数が11個である場合、第8周波数成分の帯域のグラフGF8で示す値が高くなり、かつ、第8周波数成分のグラフG8(図5)で示す値が高くなる。
したがって、1mm当たりの凹凸の数、即ち、表面粗さによって図5に示すいずれのグラフに示されるかが決定する。同様に、1mm当たりの凹凸の数、即ち、表面粗さによって図8に示すいずれのグラフに示されるかが決定する。具体的には、細かなざらつき等は、高い周波数であるため、高い周波数成分で示される。一方、うねり等は、低い周波数であるため、低い周波数成分で示される。なお、各周波数帯域のグラフから算術平均粗さRa、最大高さRz、及び十点平均粗さRzJISが計算される。
下記(表1)は、本発明の一実施形態に係る多重解像度解析による計算結果の一例を示す表である。
具体的には、信号名「HHH」は、周期の長さが0乃至3μmの周波数帯域である。信号名「HHL」は、周期の長さが1乃至6μmの周波数帯域である。信号名「HMH」は、周期の長さが2乃至13μmの周波数帯域である。信号名「HML」は、周期の長さが4乃至25mの周波数帯域である。信号名「HLH」は、周期の長さが10乃至50μmの周波数帯域である。信号名「HLL」は、周期の長さが24乃至99μmの周波数帯域である。信号名「LHH」は、周期の長さが26乃至106μmの周波数帯域である。信号名「LHL」は、周期の長さが53乃至183μmの周波数帯域である。信号名「LMH」は、周期の長さが106乃至318μmの周波数帯域である。信号名「LML」は、周期の長さが214乃至551μmの周波数帯域である。信号名「LLH」は、周期の長さが431乃至954μmの周波数帯域である。信号名「LLL」は、周期の長さが867乃至1654μmの周波数帯域である。
図5(D)に示す断面曲線について、多重解像度解析結果からそれぞれ求められる算術平均粗さWRaが各信号順にプロットされ、それぞれのプロットが線で結ばれると、プロファイルが得られる。ここで、第6周波数成分(HLL)は、算術上、突出する値になるため、この帯域の多重解像度解析結果から求める表面粗さを省略する。また、説明では、このプロファイルを表面粗さスペクトル又は粗さスペクトルという。なお、省略する第6周波数成分(HLL)の粗さ曲線がウェーブレット変換されると、第7周波数成分(LHH)又は第12周波数成分(LLL)となるため、第6周波数成分(HLL)に係る情報が第7周波数成分(LHH)又は第12周波数成分(LLL)に反映されるので、第6周波数成分(HLL)が省略されてもよいといえる。
なお、第12周波数成分(LLL)の算術平均粗さWRaを算術平均粗さWRa(HLL)という。また、他の周波数成分についても同様に示す。
図9は、本発明の一実施形態に係る表面粗さスペクトルの一例を示す図である。
得られる合計12個の各周波数成分それぞれの算術平均粗さのうち、算術平均粗さWRa(HLL)を除く、合計11個の算術平均粗さから、算術平均粗さWRa(LLL)を評価して、表面形状が判断される。具体的には、例えば、合計11個の算術平均粗さから算術平均粗さWRa(LLL)が求められる。このため、感光層は、算術平均粗さWRa(LLL)が0.1μm以上0.5μm以下となる必要がある。なお、感光層の詳細は、後述する。
また、感光層が電荷輸送層及び電荷発生層による積層構造である場合、電荷輸送層は、感光層の表面形状と同様であり、1回目のウェーブレット変換と2回目のウェーブレット変換とによって得られる算術平均粗さWRa(LML)及びWRa(LHL)が上述の範囲であることが好ましい。したがって、電荷輸送層における算術平均粗さWRa(LLL)は、0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。
<感光体の製造方法例>
感光体は、導電性支持体上に、感光層用塗工液を塗布し、乾燥させる工程を少なくとも有する製造方法によって製造される。即ち、製造方法は、いわゆる浸漬塗工によって電荷輸送層を形成する方法が好ましい。なお、製造方法は、必要に応じてその他の工程を有してもよい。また、乾燥させる温度及び時間は、特に制限はなく、必要に応じて変更されてよい。但し、温度は、100℃乃至150℃が好ましい。さらに、時間は、20分乃至1時間が好ましい。上述の乾燥させる温度、時間、及び塗工速度によってもたらされる塗工間隔を調節することにより、感光体の算術平均粗さWRa(LLL)の値が調整できる。
感光体は、導電性支持体上に、感光層用塗工液を塗布し、乾燥させる工程を少なくとも有する製造方法によって製造される。即ち、製造方法は、いわゆる浸漬塗工によって電荷輸送層を形成する方法が好ましい。なお、製造方法は、必要に応じてその他の工程を有してもよい。また、乾燥させる温度及び時間は、特に制限はなく、必要に応じて変更されてよい。但し、温度は、100℃乃至150℃が好ましい。さらに、時間は、20分乃至1時間が好ましい。上述の乾燥させる温度、時間、及び塗工速度によってもたらされる塗工間隔を調節することにより、感光体の算術平均粗さWRa(LLL)の値が調整できる。
なお、感光層用塗工液の塗布は、導電性支持体上に直接塗布してもよいし、その他の層、例えば中間層上に塗布してもよい。また、感光層が積層構造である場合、導電性支持体上に、まず電荷発生層用塗工液を塗布する。次に、電荷発生層が形成された後、電荷輸送層用塗工液を塗布し、電荷輸送層が形成される。
いわゆるスプレー塗工による製造方法等と比較して、上述の製造方法は、スプレー塗工による感光層表面への影響を少なくできる。さらに、上述の製造方法では、スプレーによる形状が表面に形成されにくく、フィラー添加による形状を表面に形成することができる。
<感光体の一例>
図10は、本発明の一実施形態に係る感光体の構成の一例を示す断面図である。なお、図10は、感光体表面の断面図の一例である。具体的には、図10は、感光体が、導電性支持体80と、電荷輸送層81と、電荷発生層82と、中間層83とを有する構成の一例を示す図である。図示するように、感光体は、導電性支持体80の上に感光体層を有する構成である。なお、感光体は、図示するように、中間層83を有する構成であるのが好ましい。さらに、感光体層は、図示するように、電荷輸送層81及び電荷発生層82を積層して構成する。
図10は、本発明の一実施形態に係る感光体の構成の一例を示す断面図である。なお、図10は、感光体表面の断面図の一例である。具体的には、図10は、感光体が、導電性支持体80と、電荷輸送層81と、電荷発生層82と、中間層83とを有する構成の一例を示す図である。図示するように、感光体は、導電性支持体80の上に感光体層を有する構成である。なお、感光体は、図示するように、中間層83を有する構成であるのが好ましい。さらに、感光体層は、図示するように、電荷輸送層81及び電荷発生層82を積層して構成する。
<導電性支持体の一例>
導電性支持体80は、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性の材料を有する。具体的には、材料は、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄等の金属、酸化スズ、又は酸化インジウム等の酸化物を、蒸着又はスパッタリングによりフィルム状又は円筒状のプラスチック又は紙等に被覆した物質である。また、材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板である。さらに、材料には、Drawing Ironing(DI)法、Impact Ironing(II)法、Extruded Ironing(EI)法、Extruded Drawing(ED)法、又は切削法等の工法により導電性支持体化後、切削、超仕上げ、及び研磨等により表面処理した管等が使用される。
導電性支持体80は、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性の材料を有する。具体的には、材料は、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄等の金属、酸化スズ、又は酸化インジウム等の酸化物を、蒸着又はスパッタリングによりフィルム状又は円筒状のプラスチック又は紙等に被覆した物質である。また、材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板である。さらに、材料には、Drawing Ironing(DI)法、Impact Ironing(II)法、Extruded Ironing(EI)法、Extruded Drawing(ED)法、又は切削法等の工法により導電性支持体化後、切削、超仕上げ、及び研磨等により表面処理した管等が使用される。
アルミ素管は、JIS3003系、JIS5000系、又はJIS6000系等のアルミニウム合金からEI法、ED法、DI法、又はII法等によって管状に成形されて作られる。さらに、アルミ素管には、ダイヤモンドバイト等による表面切削加工、研磨、又は陽極酸化処理等が行われてもよい。
また、特開昭52−36016号公報で開示されるエンドレスニッケルベルト又はエンドレスステンレスベルト等が、導電性支持体80に用いられる。
なお、コストダウンのため、導電性支持体80には、無切削アルミニウム管が用いられる場合がある。この場合、無切削アルミニウム管は、特開平3−192265号公報で開示されるように、アルミニウム円板が深絞り加工によってカップ状となった後、外表面に対してしごき加工が行われる。即ち、無切削アルミニウム管は、しごき加工によって仕上げられたII管、アルミニウム押出管の外表面がしごき加工によって仕上げられたEI管、又は押出加工後に冷間引抜き加工がされたED管等である。これらの無切削アルミニウム管が感光体に用いられると、モアレ等が少ないため、高画質に画像形成ができる。また、これらの無切削アルミニウム管が感光体に用いられると、感光体の耐久性を向上できる。
感光体には、導電性支持体80及び感光層との間に中間層83が設けられる。即ち、中間層83を設ける構成では、接着性の向上、モアレの減少、上層の塗工性の改良、又は導電性支持体80からの電荷注入の減少等ができる。したがって、中間層83を設ける構成では、導電性支持体からの電荷注入を減少させること等によって、画像の黒ポチ又はチリの低減させることができる。
<中間層の一例>
中間層83は、金属酸化物及びバインダー樹脂を溶媒中に含む中間層用塗工液を用いて成膜することができる。なお、説明では、バインダー樹脂を結着樹脂又は樹脂という場合がある。また、中間層83は、中間層用塗工液を塗布した後に適度に乾かし、重ね塗りすることで形成することもできる。その際、中間層用塗工液にシクロヘキサノンが混合されると、造形しやすくできる。これは、シクロヘキサノンの沸点及び粘度が作用するためである。
中間層83は、金属酸化物及びバインダー樹脂を溶媒中に含む中間層用塗工液を用いて成膜することができる。なお、説明では、バインダー樹脂を結着樹脂又は樹脂という場合がある。また、中間層83は、中間層用塗工液を塗布した後に適度に乾かし、重ね塗りすることで形成することもできる。その際、中間層用塗工液にシクロヘキサノンが混合されると、造形しやすくできる。これは、シクロヘキサノンの沸点及び粘度が作用するためである。
金属酸化物は、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、又は表面処理された酸化チタン若しくは酸化亜鉛等である。
中間層83は、金属酸化物及びバインダー樹脂を主成分とするが、これらには、その上に感光層が溶剤で塗布される。したがって、中間層83は、有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂が用いられるのが好ましい。例えば、樹脂は、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、又はエポキシ樹脂等の三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等である。
また、金属酸化物と樹脂との重量比は、金属酸化物/樹脂=3/1乃至8/1であることが好ましい。これは、重量比が3/1未満であると、中間層83のキャリア輸送能が低下する場合がある。この場合、残留電位が生じる又は光応答性が低下する場合がある。一方、重量比が8/1を超えると、中間層83中の空隙が増大する場合がある。この場合、中間層83上に感光層を塗工した場合、気泡が生じる場合がある。
さらに、中間層83の膜厚は、0.8μm乃至10μmが好ましい。また、より好ましくは、中間層83の膜厚は、1μm以上から5μm以下がより好ましい。
<感光層の一例>
感光層は、積層構造又は単層構造でもよい。なお、ここでいう積層構造及び単層構造は、層の数を規定せず、積層構造は、感光層が電荷発生機能を有する電荷発生層82と電荷輸送機能を有する電荷輸送層81との積層による構造である。また、単層構造は、感光層が電荷発生機能と電荷輸送機能とを有する層による構造である。
感光層は、積層構造又は単層構造でもよい。なお、ここでいう積層構造及び単層構造は、層の数を規定せず、積層構造は、感光層が電荷発生機能を有する電荷発生層82と電荷輸送機能を有する電荷輸送層81との積層による構造である。また、単層構造は、感光層が電荷発生機能と電荷輸送機能とを有する層による構造である。
<電荷発生層の一例>
電荷発生層82は、少なくとも電荷発生物質を有し、必要に応じて結着樹脂を含有する。
電荷発生層82は、少なくとも電荷発生物質を有し、必要に応じて結着樹脂を含有する。
結着樹脂は、例えばポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、又はポリビニルピロリドン等である。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し、0乃至500重量部、好ましくは、10乃至300重量部である。
電荷発生物質は、例えば金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリツク酸メチン顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、非対称ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、又はテトラアゾ顔料等のアゾ顔料である。
電荷発生層82は、電荷発生層用塗工液(塗工液)を中間層83上に塗布し、乾燥することにより形成することができる。
塗工液は、少なくとも電荷発生物質を有し、必要に応じて結着樹脂を溶剤中に、ボールミル、アトライター、サンドミル、又は超音波等を用いて分散して調製することができる。
なお、溶剤は、例えば、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、又はリグロイン等である。
塗工液の塗工法は、例えば浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、又はリングコート等の方法である。
電荷発生層82の膜厚は、0.01μm乃至5μm程度が好ましく、より好ましくは、電荷発生層82の膜厚は、0.1μm乃至2μmである。
<電荷輸送層の一例>
電荷輸送層81は、電荷輸送物質を主成分とする層である。また、電荷輸送層81は、電荷輸送層用塗工液を電荷発生層82上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。なお、電荷輸送層81は、構成材料を変えて2層以上の複数の層として形成することもできる。
電荷輸送層81は、電荷輸送物質を主成分とする層である。また、電荷輸送層81は、電荷輸送層用塗工液を電荷発生層82上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。なお、電荷輸送層81は、構成材料を変えて2層以上の複数の層として形成することもできる。
さらに、電荷輸送層81は、フィラーを含むのが好ましい。なお、フィラーは、平均粒子径が0.3μm以上3μm以下あり、かつ、フィラーの添加量は、電荷輸送層に含まれるバインダー樹脂に対して3パーセント乃至10パーセントの割合であることが好ましい。これにより、いわゆる地汚れ又はいわゆるトナーフィルミング(toner filming)の発生を少なくできる。
なお、フィラーとして、例えばMSP−SN05(日興リカ株式会社製)、トスパール(登録商標)120(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、トスパール(登録商標)130(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、AA03(住友化学社製)、AA05(住友化学社製)、AA07(住友化学社製)、AA1.5(住友化学社製)、又はAA3(住友化学社製)等が使用される。
電荷輸送層用塗工液は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を溶剤中に溶解又は分散して調製することができる。
溶剤は、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、アニソール、トルエン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、塩化メチレン、又はシクロヘキサノン等である。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質は、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、3,5−ジメチル−3′,5′−ジターシヤリーブチル−4,4′−ジフェノキノン、又はその他ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質である。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物でもよい。
正孔輸送物質は、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、又はチオフェン誘導体等である。これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物でもよい。
電荷輸送層81に用いられる結着樹脂は、例えばポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート(ビスフェノ−ルA型又はビスフェノ−ルZ型等)、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、又は各種ポリカーボネート共重合体(例えば、特開平5−158250号公報又は特開平6−51544号公報等に記載)等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂である。
なお、結着樹脂は、熱可塑性樹脂が好ましい。このうち、ビスフェノールZ型ポリカーボネートが、機械強度に強く、かつ、感光体の帯電性と感度特性とに優れるため、特に好ましい。さらに、粘度平均分子量40000以上50000未満のビスフェノールZ型ポリカーボネートは、感光体とクリーニングブレード等とのトライボロジー特性を改良し、表面形状の造形に有利であるため、より好ましい。より好ましい結着樹脂は、例えば、帝人化学(登録商標)社製TS−2050又は三菱(登録商標)エンジニアリングプラスチックス社製ユーピロンZ500等である。
また、電荷輸送層81に用いられる結着樹脂は、結着樹脂としての機能及び電荷輸送物質としての機能を有する高分子電荷輸送物質を用いてもよい。このような高分子電荷輸送物質は、下記(a)乃至(d)の化合物である。
(a)主鎖及び/又は側鎖にカルバゾール環を有する重合体(例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、又は特開平4−183719号公報に記載の化合物等)
(b)主鎖及び/又は側鎖にヒドラゾン構造を有する重合体(例えば、特開昭57−78402号公報又は特開平3−50555号公報に記載の化合物等)
(c)ポリシリレン重合体(例えば、特開昭63−285552号公報、特開平5−19497号公報、又は特開平5−70595号公報に記載の化合物等)
(d)主鎖及び/又は側鎖に第3級アミン構造を有する重合体(例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、特開平1−19049号公報、特開平1−1728号公報、特開平1−105260号公報、特開平2−167335号公報、特開平5−66598号公報、又は特開平5−40350号公報に記載の化合物等)
結着樹脂の使用量は、電荷輸送物質100重量部に対して0乃至200重量部が好ましい。
(b)主鎖及び/又は側鎖にヒドラゾン構造を有する重合体(例えば、特開昭57−78402号公報又は特開平3−50555号公報に記載の化合物等)
(c)ポリシリレン重合体(例えば、特開昭63−285552号公報、特開平5−19497号公報、又は特開平5−70595号公報に記載の化合物等)
(d)主鎖及び/又は側鎖に第3級アミン構造を有する重合体(例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、特開平1−19049号公報、特開平1−1728号公報、特開平1−105260号公報、特開平2−167335号公報、特開平5−66598号公報、又は特開平5−40350号公報に記載の化合物等)
結着樹脂の使用量は、電荷輸送物質100重量部に対して0乃至200重量部が好ましい。
また、電荷輸送層81には、可塑剤、レベリング剤、又は酸化防止剤等が添加されてもよく、特に、可塑剤が含まれるのが好ましい。
可塑剤は、例えば、ハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタレン、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート等、又はポリエステル等の重合体及び共重合体等である。このうち、1,4−ビス(2,5−ジメチルベンジル)ベンゼンは、感光体とクリーニングブレードとのトライボロジー特性を改良し、表面形状の造形に有利であるため、より好ましい。さらに、1,4−ビス(2,5−ジメチルベンジル)ベンゼンは、ガスバリア性を高める効果が高く、感光体の耐ガス性が向上され、感光体の感度特性に有利に作用するため、より好ましい。なお、可塑剤の使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して30重量部以下が好ましい。
レベリング剤は、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、又は側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー若しくはオリゴマーである。なお、レベリング剤の使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して1重量部以下が好ましい。
また、電荷輸送層81には、オゾン・NOx等の酸化性ガスに対する耐環境性の改善のため、酸化防止剤が添加されてもよい。なお、酸化防止剤は、有機物を含む層では、いずれの層に添加されてもよいが、電荷輸送物質を含む層に添加されるとより好ましい。
酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系化合物、硫黄系化合物、燐系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ピリジン誘導体、ピペリジン誘導体、又はモルホリン誘導体等の酸化防止剤である。なお、酸化防止剤の使用量は、結着樹脂100重量部に対して5重量部以下が好ましい。
このようにして形成される電荷輸送層81の膜厚は、5乃至50μm程度が好ましい。より好ましくは、電荷輸送層81の膜厚は、20乃至40μm、さらに好ましくは、電荷輸送層81の膜厚は、25乃至35μmである。
なお、単層構造となる場合、感光層に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、可塑剤、レベリング剤、又は酸化防止剤等が添加されてもよい。
別の中間層は、樹脂を主成分として用いる。具体的には、樹脂は、例えばポリアミド、アルコール可溶性ナイロン樹脂、水溶性ブチラール樹脂、ポリビニルブチラール、又はポリビニルアルコール等である。また、別の中間層の形成法は、上述の塗布法を用いることができる。なお、膜厚は、0.05乃至2μmが好ましい。
<評価結果>
以下、本発明の一実施形態に係る感光体の一例である実施例1乃至実施例8による評価結果を示す。
以下、本発明の一実施形態に係る感光体の一例である実施例1乃至実施例8による評価結果を示す。
<実施例1>
実施例1は、肉厚0.8mm、長さ340mm、及び外径φ30mmのアルミニウムドラムを、下記組成の中間層塗工液、電荷発生層用塗工液、及び電荷輸送層用塗工液を順次浸漬塗布し、乾燥して製造した感光体の例である。また、実施例1は、1μmの中間層、0.5μmの電荷発生層、及び24μmの電荷輸送層が形成された例である。
実施例1は、肉厚0.8mm、長さ340mm、及び外径φ30mmのアルミニウムドラムを、下記組成の中間層塗工液、電荷発生層用塗工液、及び電荷輸送層用塗工液を順次浸漬塗布し、乾燥して製造した感光体の例である。また、実施例1は、1μmの中間層、0.5μmの電荷発生層、及び24μmの電荷輸送層が形成された例である。
<中間層>
実施例1は、中間層用塗工液が下記組成分からなる混合物をボールミルで12時間分散し、製造された例である。
実施例1は、中間層用塗工液が下記組成分からなる混合物をボールミルで12時間分散し、製造された例である。
<中間層用塗工液の組成分>
酸化チタン(純度:99.7%、ルチル化率99.1%、平均一次粒子径0.25μm):150重量部
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、DIC社製):
84重量部
メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60(固形分60%)、DIC社製):47重量部
メチルエチルケトン:1330重量部
実施例1は、得られた中間層用塗工液を外径φ30mm及び長さ340mmの切削アルミニウム素管上に浸漬塗布した後、140℃で35分間乾燥され、膜厚1μmの中間層を形成した例である。
酸化チタン(純度:99.7%、ルチル化率99.1%、平均一次粒子径0.25μm):150重量部
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、DIC社製):
84重量部
メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60(固形分60%)、DIC社製):47重量部
メチルエチルケトン:1330重量部
実施例1は、得られた中間層用塗工液を外径φ30mm及び長さ340mmの切削アルミニウム素管上に浸漬塗布した後、140℃で35分間乾燥され、膜厚1μmの中間層を形成した例である。
<電荷発生層>
実施例1は、下記組成分からなる混合物をボールミルで12時間分散した例である。
実施例1は、下記組成分からなる混合物をボールミルで12時間分散した例である。
電荷発生材料:X線回折スペクトル測定として、Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが、27.2±0.2°に最大ピークと、最低角7.3±0.2°にピークとを有し、かつ、7.4〜9.4°の範囲にピークを有さず、かつ、26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン顔料:12重量部
結着樹脂:ポリビニルブチラール(BM−1):6重量部
溶剤:メチルエチルケトン:450重量部
実施例1は、分散を実施して電荷発生層用塗工液を作成した例である。また、実施例1は、得られた電荷発生層用塗工液を中間層上に浸漬塗布し、膜厚1μmの電荷発生層を形成した例である。
結着樹脂:ポリビニルブチラール(BM−1):6重量部
溶剤:メチルエチルケトン:450重量部
実施例1は、分散を実施して電荷発生層用塗工液を作成した例である。また、実施例1は、得られた電荷発生層用塗工液を中間層上に浸漬塗布し、膜厚1μmの電荷発生層を形成した例である。
<電荷輸送層>
実施例1は、下記組成分を溶解し、電荷輸送層用塗工液を作成した例である。
実施例1は、下記組成分を溶解し、電荷輸送層用塗工液を作成した例である。
<電荷輸送層用塗工液の組成分>
電荷輸送材料:下記構造式(X)に示す化合物、56重量部
電荷輸送材料:下記構造式(X)に示す化合物、56重量部
フィラー:シリコーン樹脂系フィラー平均粒子径2.0μm、4重量部(樹脂量に対して5%)
溶剤:テトラヒドロフラン:560重量部
実施例1は、得られた電荷輸送層用塗工液を電荷発生層上に塗布し、140℃40分間加熱乾燥して平均膜厚24μmとなるように電荷輸送層を形成して感光体を製造した例である。
感光体の表面形状は、算術平均粗さWRa(LLL):0.153μmである。
<実施例2>
実施例2は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコーン系樹脂フィラー平均粒子径2.0μm及び添加量を7.2重量部(樹脂量に対して9%)とした例である。なお、実施例2は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
実施例2は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコーン系樹脂フィラー平均粒子径2.0μm及び添加量を7.2重量部(樹脂量に対して9%)とした例である。なお、実施例2は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
感光体表面形状は、算術平均粗さWRa(LLL):0.480μmである。
<実施例3>
実施例3は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコーン系樹脂フィラー 平均粒子径2.0μm及び添加量を2.4重量部(樹脂量に対して3.0%)にした例である。なお、実施例3は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
実施例3は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコーン系樹脂フィラー 平均粒子径2.0μm及び添加量を2.4重量部(樹脂量に対して3.0%)にした例である。なお、実施例3は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
感光体表面形状は、算術平均粗さWRa(LLL):0.138μmである。
<実施例4>
実施例4は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコン系樹脂フィラー 平均粒子径3.0μm及び添加量を4重量部(樹脂量に対して5%)にした例である。なお、実施例4は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
実施例4は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコン系樹脂フィラー 平均粒子径3.0μm及び添加量を4重量部(樹脂量に対して5%)にした例である。なお、実施例4は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
感光体表面形状は、算術平均粗さWRa(LLL):0.168μmである。
<実施例5>
実施例5は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコン系樹脂フィラー 平均粒子径0.5μm及び添加量を4重量部(樹脂量に対して5%)にした例である。なお、実施例5は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
実施例5は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコン系樹脂フィラー 平均粒子径0.5μm及び添加量を4重量部(樹脂量に対して5%)にした例である。なお、実施例5は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
感光体表面形状は、算術平均粗さWRa(LLL):0.121μmである。
<実施例6>
実施例6は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをα-アルミナフィラー 平均粒子径0.7μm及び添加量を4重量部(樹脂量に対して5%)にした例である。なお、実施例6は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
実施例6は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをα-アルミナフィラー 平均粒子径0.7μm及び添加量を4重量部(樹脂量に対して5%)にした例である。なお、実施例6は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
感光体表面形状は、算術平均粗さWRa(LLL):0.167μmである。
<実施例7>
実施例7は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをα-アルミナフィラー 平均粒子径3.0μm及び添加量を4重量部(樹脂量に対して5%)にした例である。なお、実施例7は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
実施例7は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをα-アルミナフィラー 平均粒子径3.0μm及び添加量を4重量部(樹脂量に対して5%)にした例である。なお、実施例7は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
感光体表面形状は、算術平均粗さWRa(LLL):0.173μmである。
<実施例8>
実施例8は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをα-アルミナフィラー 平均粒子径0.3μm及び添加量を2.4重量部(樹脂量に対して3%)にした例である。なお、実施例8は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
実施例8は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをα-アルミナフィラー 平均粒子径0.3μm及び添加量を2.4重量部(樹脂量に対して3%)にした例である。なお、実施例8は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
感光体表面形状は、算術平均粗さWRa(LLL):0.102μmである。
<比較例1>
比較例1は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコーン 平均粒子径2.0μm及び添加量を1.6重量部(樹脂量に対して2.0%)にした例である。なお、比較例1は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
比較例1は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコーン 平均粒子径2.0μm及び添加量を1.6重量部(樹脂量に対して2.0%)にした例である。なお、比較例1は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
感光体表面形状は、算術平均粗さWRa(LLL):0.089μmである。
<比較例2>
比較例2は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコーン系フィラー 平均粒子径2.0μm及び添加量を9.6重量部(樹脂量に対して12.0%)にした例である。なお、比較例2は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
比較例2は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコーン系フィラー 平均粒子径2.0μm及び添加量を9.6重量部(樹脂量に対して12.0%)にした例である。なお、比較例2は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
感光体表面形状は、算術平均粗さWRa(LLL):0.681μmである。
<比較例3>
比較例3は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコーン系フィラー 平均粒子径0.2μm及び添加量を4重量部(樹脂量に対して5.0%)にした例である。なお、比較例3は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
比較例3は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコーン系フィラー 平均粒子径0.2μm及び添加量を4重量部(樹脂量に対して5.0%)にした例である。なお、比較例3は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
感光体表面形状は、算術平均粗さWRa(LLL):0.07μmである。
<比較例4>
比較例4は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコーン系フィラー 平均粒子径0.2μm及び添加量を8重量部(樹脂量に対して10.0%)にした例である。なお、比較例4は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
比較例4は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコーン系フィラー 平均粒子径0.2μm及び添加量を8重量部(樹脂量に対して10.0%)にした例である。なお、比較例4は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
感光体表面形状は、算術平均粗さWRa(LLL):0.095μmである。
<比較例5>
比較例5は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコーン系フィラー 平均粒子径5.0μm及び添加量を4重量部(樹脂量に対して5.0%)にした例である。なお、比較例5は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
比較例5は、実施例1において、電荷輸送層中のフィラーをシリコーン系フィラー 平均粒子径5.0μm及び添加量を4重量部(樹脂量に対して5.0%)にした例である。なお、比較例5は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
感光体表面形状は、算術平均粗さWRa(LLL):0.78μmであった。
<比較例6>
比較例6は、実施例1において、電荷輸送層中にフィラーを添加しない例である。なお、比較例6は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
比較例6は、実施例1において、電荷輸送層中にフィラーを添加しない例である。なお、比較例6は、他の条件を実施例1と同様として感光体を製造した例である。
感光体表面形状は、算術平均粗さWRa(LLL):0.047μmである。
<評価方法>
以下、上述の実施例1乃至実施例8の感光体、比較例1乃至比較例6の感光体、及びこれらの感光体を用いた画像形成装置について、下記(1)及び(2)の試験をそれぞれ行った評価結果を下記(表2)に示す。
(1)感光体の感光層(電荷輸送層)の表面形状測定
感光体の感光層(電荷輸送層)の断面曲線測定には、表面粗さ・輪郭形状測定機(東京精密社、Surfcom 1400D)を用いた。なお、条件は、ピックアップ:E−DT−S02Aを取り付け、測定長さ:12mm、総サンプリング点数:30720、及び測定速度:0.06mm/sとした。また、評価結果は、製造直後の感光体について、ドラム周方向任意一点をドラム端部から194mmごとに計測し、断面曲線を測定した結果である。
以下、上述の実施例1乃至実施例8の感光体、比較例1乃至比較例6の感光体、及びこれらの感光体を用いた画像形成装置について、下記(1)及び(2)の試験をそれぞれ行った評価結果を下記(表2)に示す。
(1)感光体の感光層(電荷輸送層)の表面形状測定
感光体の感光層(電荷輸送層)の断面曲線測定には、表面粗さ・輪郭形状測定機(東京精密社、Surfcom 1400D)を用いた。なお、条件は、ピックアップ:E−DT−S02Aを取り付け、測定長さ:12mm、総サンプリング点数:30720、及び測定速度:0.06mm/sとした。また、評価結果は、製造直後の感光体について、ドラム周方向任意一点をドラム端部から194mmごとに計測し、断面曲線を測定した結果である。
次に、評価では、PC74(図4)が、測定により取得した感光体の表面形状の1次元データ配列をウェーブレット変換し、第1周波数成分(HHH)から第6周波数成分(HLL)に至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(第1回目のウェーブレット変換)を行った。さらに、PC74が、ここで得た第6周波数成分(HLL)の1次元データ配列に対してデータ配列数が1/40に減少するように間引きした1次元データ配列を生成した。続いて、PC74が、間引きした1次元データ配列に対してさらにウェーブレット変換を行って、第7周波数成分(LHH)から第12周波数成分(LLL)に至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(第2回目のウェーブレット変換)を行った。そして、PC74が、得られた合計12個の各周波数成分について算術平均粗さを計算した。
評価では、表面粗さ・輪郭形状測定機が、一つの感光体につき、70mm間隔で4箇所表面形状を測定した。さらに、PC74が、それぞれの箇所に対して各周波数成分についての算術平均粗さをそれぞれ計算した。
なお、評価では、PC74は、ウェーブレット変換には、MATLAB(登録商標)(The MathWorks社製)のWavelet Toolboxを利用した。上述の通り、評価では、PC74は、2度に分けてウェーブレット変換を行った。
評価結果は、4箇所の各周波数成分のそれぞれの算術平均粗さの平均値を、測定結果の各周波数成分の算術平均粗さWRaとした。
(2)クリーニング試験
クリーニング試験は、上述の通り製造した感光体をリコー社製IPSIO(登録商標)SP−C730に搭載して行った。また、クリーニング試験は、25℃55%RH環境下で画像濃度が5%となるテキスト画像パターンを連続プリントで20000枚印字を行った。さらに、プリント用紙は、リコーMyPaperA4を用い、クリーニング試験は、A4サイズ全面に現像した。なお、トナー及び現像剤は、純正品を使用した。クリーニング試験は、1000枚ごと画像評価(白画像、黒画像)を実施し、さらに、異常画像評価を実施した。
(2)クリーニング試験
クリーニング試験は、上述の通り製造した感光体をリコー社製IPSIO(登録商標)SP−C730に搭載して行った。また、クリーニング試験は、25℃55%RH環境下で画像濃度が5%となるテキスト画像パターンを連続プリントで20000枚印字を行った。さらに、プリント用紙は、リコーMyPaperA4を用い、クリーニング試験は、A4サイズ全面に現像した。なお、トナー及び現像剤は、純正品を使用した。クリーニング試験は、1000枚ごと画像評価(白画像、黒画像)を実施し、さらに、異常画像評価を実施した。
評価指標
白画像: 黒点発生した状態/地汚れ 有無を確認
黒画像: 局所的に画像抜け/トナーフィルミングを発生 有無を確認
評価結果を、下記(表2)に示す。
白画像: 黒点発生した状態/地汚れ 有無を確認
黒画像: 局所的に画像抜け/トナーフィルミングを発生 有無を確認
評価結果を、下記(表2)に示す。
また、上記(表2)の「フィラー粒径」で示すように、感光体の表面の算術平均粗さWRa(LLL)を0.1μm以上0.5μm以下とするには、電荷輸送層に、平均粒子径が0.3μm以上3μm以下となるフィラーを含ませることで実現できる。なお、フィラーの添加量は、上記(表2)の「フィラー濃度」で示すように、電荷輸送層に含まれるバインダー樹脂に対して、3パーセント乃至10パーセントの割合で含ませる。
感光層の表面形状は、感光体の表面と接触する部材とのトライボロジー特性に影響する。具体的には、現像剤との濡れ性(接着力)及びゴム板が用いられることが多いクリーニングブレード等との圧縮応力の伴うせん断応力は、感光層の表面形状によって変化する。したがって、良質なトライボロジー特性であると、地肌汚れに対して耐性を発揮できる。また、算術平均粗さWRa(LLL)が0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。即ち、0.1μm未満では、トナーフィルミング(外添剤の固着)が発生しやすい。他方、0.5μmを超えると、クリーニング手段からトナーがすり抜けてしまいやすいので、地汚れによる画像異常が発生しやすい。
算術平均粗さWRa(LLL)が0.1μm以上0.5μm以下であると、感光体の表面は、滑りが良くなる。そのため、感光体の表面をクリーニングするのに用いられるクリーニングブレード等の滑りが良くなる。
クリーニングブレード等と感光体の表面との間には、いわゆるスティックスリップ(stick slip)運動が起こる場合がある。具体的には、スティックスリップ運動では、クリーニングブレード等の弾力による復元力が感光体の表面との最大静止摩擦力によって大きくなると、クリーニングブレード等は、復元力によって復元状態の位置の方向へ移動する。次に、復元力が弱まると、クリーニングブレード等の移動は、停止する。そして、再び、最大静止摩擦力が大きくなると、クリーニングブレード等が、感光体の駆動方向へ移動する。これらの繰り返しによって、スティックスリップ運動が起こるといえる。
スティックスリップ運動が起こると、感光体の表面上に残るトナーがすり抜けてしまう場合があるため、クリーニングブレード等によってトナーの一部又は全部が除去されない場合がある。したがって、スティックスリップ運動によって、いわゆるクリーニング性が悪くなる場合がある。さらに、感光体の表面上に残るトナーによって、地汚れ又はトナーフィルミング等が発生する場合がある。この場合、異常画像が発生する場合があるため、画像形成装置等が有する部品を交換する必要があり、いわゆる耐久性が悪い場合がある。さらに、スティックスリップ運動が起こると、クリーニングブレード等が振動によって劣化しやすいため、クリーニングブレード等の耐久性が悪い場合がある。
これに対して、本発明の一実施形態に係る感光体は、表面の凸形状が、算術平均粗さWRa(LLL)が0.1μm以上0.5μm以下である。そのため、クリーニングブレード等の振動は、表面の凸形状に対応する振動となるため、クリーニングブレード等と感光体の表面との当接が安定する。
即ち、算術平均粗さWRa(LLL)が0.1μm以上0.5μm以下であると、感光体の表面の滑りを良くすることができるため、スティックスリップ運動等を少なくできる。したがって、クリーニング性を向上させることができる。また、スティックスリップ運動等を少なくできるため、クリーニングブレード等の耐久性を良くすることができる。
さらに、感光体が長期に繰り返し使用された場合等でも、クリーニング性を向上させることができるため、地汚れ及びトナーフィルミング等の異常画像が発生する場合を少なくでき、画像形成装置等は、高品質の画像形成を行うことができる。このような感光体が用いられると、複写機、レーザープリンター、又はファクシミリ等の画像形成装置及び画像形成方法において求められる高速化、小型化、カラー化、高画質化、及び易メンテナンス性等に対応することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
100 画像形成装置
80 導電性支持体
81 電荷輸送層
82 電荷発生層
83 中間層
40 感光体ユニット
80 導電性支持体
81 電荷輸送層
82 電荷発生層
83 中間層
40 感光体ユニット
Claims (6)
- 画像形成装置が画像形成に用いる感光体であって、
前記感光体は、表面に、周期の長さ867マイクロメートル乃至1654マイクロメートルの帯域で、算術平均粗さが0.1マイクロメートル以上0.5マイクロメートル以下の凹凸を含む感光体。 - 前記感光体は、フィラーを含む電荷輸送層が表面に形成されており、
前記フィラーは、平均粒子径が0.3マイクロメートル以上3マイクロメートル以下であり、かつ、前記フィラーの添加量が、前記電荷輸送層に含まれるバインダー樹脂に対して3パーセント乃至10パーセントの割合である請求項1に記載の感光体。 - 前記凹凸は、ウェーブレット変換で算出される周波数成分に対応する請求項1又は2に記載の感光体。
- 前記ウェーブレット変換は、4以上8以下の周波数成分に分離して行う請求項3に記載の感光体。
- 感光体を有し、前記感光体を用いて画像形成を行う画像形成装置であって、
前記感光体は、表面に、周期の長さ867マイクロメートル乃至1654マイクロメートルの帯域で、算術平均粗さが0.1マイクロメートル以上0.5マイクロメートル以下の凹凸を含む感光体
を有する画像形成装置。 - 感光体を有するカートリッジであって、
前記感光体は、表面に、周期の長さ867マイクロメートル乃至1654マイクロメートルの帯域で、算術平均粗さが0.1マイクロメートル以上0.5マイクロメートル以下の凹凸を含む感光体
を有するカートリッジ。
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