JP2016110506A - 棒金収納装置、貨幣処理システム及び処理方法 - Google Patents

Abstract

【課題】棒金の回収を確実に行わせるための棒金収納装置を提供する。【解決手段】棒金収納装置５００は、棒金筐体と、棒金筐体に対して開閉可能な棒金ドロアと、棒金ドロアに収納されている棒金に関する収納棒金情報を取得する棒金情報取得部５１０−５１６と、を備えている。棒金収納装置５００は、回収指令を受け取り、回収指令における回収情報と収納棒金情報とが整合しているかを判断する制御部１０であって、回収情報と収納棒金情報とが整合していないときに異常処理を行う、又は、回収情報と収納棒金情報とが整合しているときに正常処理を行う制御部１０も備えている。【選択図】図５

Description

本発明は棒金を収納する棒金収納装置と、このような棒金収納装置を備えた貨幣処理システムと、このような棒金収納装置を用いた処理方法に関する。

従来から、紙幣を入出金する紙幣処理装置と、硬貨を入出金する硬貨処理装置と、棒金を保管する棒金収納装置を含む貨幣処理システムが知られている。一例としては、紙幣処理装置、硬貨処理装置及び棒金収納装置の在高データを管理する在高管理手段と、在高データ及び残置データを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された残置データ及び棒金収納装置の在高に基づいて、紙幣処理装置及び硬貨処理装置に入金された貨幣を出金する制御手段と、を含む貨幣処理システムが知られている（特許文献１参照）。

特開２００８−５９４３７号公報

しかしながら、特許文献１に開示されたような従来の貨幣処理システムで回収処理を行う際には、棒金収納装置に対する回収処理は機械的には何ら管理されていない。このため、棒金収納装置からの回収処理を行うこと自体を忘れることがあった。また、回収処理を行ったとしても、棒金収納装置内に回収すべき棒金を回収し忘れることもあった。

このように棒金収納装置からの回収処理自体を行わない場合や、回収処理を行ったとしても棒金収納装置内に回収すべき棒金を回収し忘れた場合には、例えば出納室に回収した者が戻ったタイミングで棒金の不足に気づくことになり、回収処理の効率が悪くなってしまう。また、棒金収納装置内に棒金が放置されることになるので、セキュリティ面でも好ましいものではない。

本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、棒金収納装置からの棒金の回収を確実に行わせるための棒金収納装置、貨幣処理システム及び処理方法を提供する。

本発明による棒金収納装置は、
筐体と、
前記筐体に対して開閉可能な棒金収納庫と、
前記棒金収納庫に収納されている棒金に関する収納棒金情報を取得する棒金情報取得部と、
回収指令を受け取り、前記回収指令における回収情報と前記収納棒金情報とが整合しているかを判断する制御部であって、前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合していないときに異常処理を行う、又は、前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合しているときに正常処理を行う制御部と、
を備える。

本発明による棒金収納装置において、
前記異常処理は、異常が発生した旨の情報を出力することを含んでもよい。

本発明による棒金収納装置は、
前記棒金収納庫を前記筐体に対してロックするロック部をさらに備え、
前記異常処理は、前記ロック部によって前記棒金収納庫を前記筐体に対してロックしないことを含んでもよい。

本発明による棒金収納装置において、
前記異常処理は、前記筐体に対して前記棒金収納庫を開放してもよい。

本発明による棒金収納装置において、
前記回収指令は全回収指令を含み、
前記全回収指令を受け取った場合には、前記棒金収納庫内に棒金が収納されていないときに、前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合してもよい。

本発明による棒金収納装置において、
前記回収指令は残置回収指令を含み、
前記残置回収指令を受け取った場合には、前記残置回収指令において指定された棒金の金種別本数と、前記棒金収納庫内に収納されている棒金の金種別本数とが合致するときに、前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合してもよい。

本発明による棒金収納装置は、
回収処理を行う前に前記棒金収納庫内に収納されていた回収前棒金情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記回収前棒金情報と前記収納棒金情報とに基づいて、前記回収処理で回収された棒金に関する回収棒金情報を生成してもよい。

本発明による棒金収納装置において、
前記棒金情報取得部は、前記筐体に対して前記棒金収納庫を開ける間又は前記筐体に対して前記棒金収納庫を閉める間に、前記収納棒金情報を取得してもよい。

本発明による棒金収納装置において、
前記棒金情報取得部は、前記筐体に対して前記棒金収納庫が開いている間又は閉まっている間に、前記収納棒金情報を取得してもよい。

本発明の第一の態様による貨幣処理システムは、
バラ貨幣を処理する貨幣処理装置と、
筐体と、前記筐体に対して開閉可能な棒金収納庫と、前記棒金収納庫に収納された棒金に関する収納棒金情報を取得する棒金情報取得部と、を有する棒金収納装置と、
を備え、
回収指令が入力されると、前記貨幣処理装置内に収納されている貨幣を出金するとともに、前記棒金収納装置の前記棒金収納庫を前記筐体に対して開放する制御を行うことを特徴とする貨幣処理システム。

本発明の第二の態様による貨幣処理システムは、
バラ貨幣を処理する貨幣処理装置と、
筐体と、前記筐体に対して開閉可能な棒金収納庫と、前記棒金収納庫に収納された棒金に関する収納棒金情報を取得する棒金情報取得部と、を有する棒金収納装置と、
を備え、
回収指令における回収情報と前記収納棒金情報とが整合しているかを判断し、前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合していないときに異常処理を行う、又は、前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合しているときに正常処理を行ってもよい。

本発明による貨幣処理システムにおいて、
前記貨幣処理装置におけるバラ貨幣の回収処理が終了し、かつ、前記棒金収納装置における棒金の回収処理が終了したときに、全体の回収処理を終了させてもよい。

本発明による貨幣処理システムにおいて、
回収されたバラ貨幣及び棒金に関する情報を出力してもよい。

本発明による貨幣処理システムは、
前記貨幣処理装置及び前記棒金収納庫と通信可能なＰＯＳレジスタをさらに備え、
前記ＰＯＳレジスタから前記回収指令が入力されてもよい。

本発明による処理方法は、
筐体と、前記筐体に対して開閉可能な棒金収納庫と、を備えた棒金収納装置を用いた処理方法であって、
前記棒金収納庫に収納されている棒金に関する収納棒金情報を取得することと、
回収指令における回収情報と前記収納棒金情報とが整合しているかを判断することと、
前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合していないときに異常処理を行う、又は、前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合しているときに正常処理を行うことと、
を備える。

本発明によれば、回収情報と収納棒金情報とが整合していないときに異常処理を行う、又は、回収情報と収納棒金情報とが整合しているときに正常処理を行う。このため、従来からある棒金収納装置と比較して、棒金収納装置からの棒金の回収をより確実に行わせることができる。

図１は、本発明の実施の形態による貨幣処理システムの一部を示す斜視図である。 図２は、本発明の実施の形態による貨幣処理システムの構成を示す概略構成図である。 図３は、本発明の実施の形態による貨幣処理システムの構成を簡略化して示した制御ブロック図である。 図４は、本発明の実施の形態による貨幣処理システムの構成を示した制御ブロック図である。 図５は、本発明の実施の形態で用いられる棒金収納装置の構成を示した制御ブロック図である。 図６は、本発明の実施の形態の変形例による貨幣処理システムの構成を示す概略構成図である。 図７は、本発明の実施の形態で行われる回収処理の一例を示したフローである。 図８は、本発明の実施の形態で用いられる表示部で表示される画像の一例を示した図である。 図９は、本発明の実施の形態による硬貨処理装置において、硬貨を出金する際の態様を説明するための概略図である。 図１０（ａ）は、本発明の実施の形態による硬貨処理装置の硬貨払出部に硬貨回収用部材を取り付ける前の態様を示した斜視図であり、図１０（ｂ）は、本発明の実施の形態による硬貨処理装置の硬貨払出部に硬貨回収用部材を取り付けた後の態様を示した斜視図である。 図１１（ａ）は、硬貨回収用部材の受入部が収納体である場合を示した斜視図であり、図１１（ｂ）は、図１１（ａ）に示した図面を側方からみた側方図である。 図１２（ａ）は、硬貨回収用部材の受入部がシュートタイプである場合を示した斜視図であり、図１２（ｂ）は、図１２（ａ）に示した図面を側方からみた側方図である。 図１３は、本発明の実施の形態による棒金収納装置に対して全回収処理を行ったときに棒金ドロア内に棒金が残っている場合に、表示部で表示される画像の一例を示した図である。 図１４は、本発明の実施の形態で用いられる印刷部によって印刷される印刷物の一例を示した図である。 図１５は、本発明の実施の形態で用いられうる硬貨処理装置及び棒金収納装置の変形例を示した斜視図である。 図１６は、本発明の実施の形態で用いられうる棒金収納装置の別の変形例を示した斜視図である。 図１７は、図１６で示した棒金収納装置の概略上方平面図である。

《構成》
以下、本発明に係る貨幣処理装置、貨幣処理システム及び処理方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図１乃至図１７は本発明の実施の形態を説明するための図である。なお、本願において「貨幣」とは「硬貨」、「紙幣」又は「硬貨」及び「紙幣」の両方のことを意味する。したがって、本願の「貨幣処理装置」は、「硬貨処理装置１００」、「紙幣処理装置２００」、又は、「硬貨処理装置１００」及び「紙幣処理装置２００」の両方のことを意味する。なお、以下では、貨幣処理装置１００，２００が硬貨処理装置１００及び紙幣処理装置２００の両方を含む態様を用いて説明する。また、本実施の形態では、特に断りがない限り「硬貨」は、例えば５０枚といった所定枚数の硬貨が包装された棒金ではなく、「バラ硬貨」のことを意味する。「紙幣」は、例えば１００枚といった所定枚数の紙幣が帯封で巻かれた紙幣束ではなく、「バラ紙幣」のことを意味する。なお、「バラ貨幣」とは、「バラ硬貨」、「バラ紙幣」又は「バラ硬貨」及び「バラ紙幣」の両方のことを意味する。

本願の貨幣処理システムは、棒金を収納するための棒金ドロア（特許請求の範囲の「棒金収納庫」に対応する。）５０６を有する棒金管理装置５００を備えている（図１及び図２参照）。本願の貨幣処理システムは、硬貨処理装置１００、紙幣処理装置２００及び棒金管理装置５００のいずれか１つ以上に接続されたＰＯＳレジスタ３００、パソコン、サーバ４００等を備えてもよい。なお、硬貨処理装置１００、紙幣処理装置２００及び棒金管理装置５００の各々が別体となっていてもよいが、これら硬貨処理装置１００、紙幣処理装置２００及び棒金管理装置５００のうちのいずれか２つ以上は一体となってもよい。このため、硬貨処理装置１００と紙幣処理装置２００とは、別体となっていてもよいし一体となっていてもよい。また、硬貨処理装置１００と棒金管理装置５００とは、別体となっていてもよいし一体となっていてもよい。なお、本実施の形態で「外部装置」という文言が用いられた場合は、対象となっている装置以外の装置のことを意味する。

本実施の形態では、硬貨処理装置１００、紙幣処理装置２００、棒金管理装置５００、ＰＯＳレジスタ３００及びサーバ（例えば店舗サーバ）４００を備えた貨幣処理システムを用いて説明する。

図２乃至図４に示すように、本実施の形態のＰＯＳレジスタ３００はサーバ４００に通信接続されている。そして、ＰＯＳレジスタ３００からサーバ４００に売上金情報等の情報が送信されるようになっている。また、各種設定情報等の情報が、サーバ４００からＰＯＳレジスタ３００（複数台でも可）に送信されるようになっている。なお、本実施の形態における「通信接続」には、有線での接続のみではなく無線での接続も含まれている。

図３及び図４に示すように、硬貨処理装置１００は、硬貨処理装置１００の一部や紙幣処理装置２００の一部等を制御する上位制御部１０１と、硬貨処理装置１００を制御する硬貨制御部１０２とを有しており、これら上位制御部１０１及び硬貨制御部１０２は通信接続されている。また、紙幣処理装置２００は、紙幣処理装置２００を制御する紙幣制御部２０２を有しており、この紙幣制御部２０２は硬貨処理装置１００の上位制御部１０１に通信接続されている。また、棒金収納装置５００は、棒金収納装置５００を制御する棒金制御部５０２を有しており、この棒金制御部５０２は硬貨処理装置１００の上位制御部１０１に通信接続されている。また、図４に示すように、ＰＯＳレジスタ３００は、ＰＯＳレジスタ３００を制御するＰＯＳ制御部３０２を有しており、このＰＯＳ制御部３０２は硬貨処理装置１００の上位制御部１０１に通信接続されている。

そして、硬貨処理装置１００において硬貨の入金処理、出金処理、精査処理、回収処理等の様々な処理を行うと、硬貨処理装置１００の硬貨識別部１５０（図２参照）で識別された結果は硬貨処理装置１００からＰＯＳレジスタ３００に出力されて、当該結果が後述するＰＯＳ表示部３５１で表示される。また、紙幣処理装置２００において紙幣の入金処理、出金処理、精査処理、回収処理等の様々な処理を行うと、紙幣処理装置２００の紙幣識別部２５０で識別された結果も紙幣処理装置２００から上位制御部１０１を介してＰＯＳレジスタ３００に出力されて、当該結果がＰＯＳ表示部３５１で表示される。また、棒金収納装置５００から出力される棒金の有無に関する情報、棒金の金種に関する情報等も棒金収納装置５００から上位制御部１０１を介してＰＯＳレジスタ３００に出力されて、当該情報がＰＯＳ表示部３５１で表示される。

以下、紙幣処理装置２００、硬貨処理装置１００、棒金収納装置５００及びＰＯＳレジスタ３００の構成について、説明する。

《紙幣処理装置２００》
まず、本実施の形態の紙幣処理装置２００の構成について説明する。ちなみに、本実施の形態の紙幣処理装置２００は、スーパー、コンビニエンスストア、ショッピングモール、百貨店等の様々な場所で利用され、紙幣の入出金処理を行う紙幣釣銭機となっている。ところで、紙幣処理装置２００としてはこのような紙幣釣銭機には限られることはなく、例えば紙幣入金機、紙幣出金機、券売機、自動販売機等も含まれる。

図２に示すように、紙幣処理装置２００は、略直方体形状の紙幣筐体２０３と、紙幣を紙幣筐体２０３の外部から入金するための紙幣受入部２１０と、紙幣受入部２１０から入金された紙幣を搬送する紙幣搬送部２２０と、紙幣受入部２１０から入金された紙幣の金種等を識別して計数する紙幣識別部２５０と、紙幣搬送部２２０で搬送された紙幣を収納するとともに収納された紙幣を繰り出す紙幣収納部２６０と、リジェクト紙幣や紙幣収納部２６０に収納されていた紙幣を出金するための紙幣払出部２９０と、を備えている。なお、紙幣搬送部２２０は、図２に示すように、紙幣筐体２０３内の略中央部に設けられた環状の周回搬送部２２０ａと、紙幣受入部２１０、紙幣収納部２６０、紙幣払出部２９０等と、周回搬送部２２０ａとの間をそれぞれ接続する複数の接続搬送部２２０ｂとを有している。ちなみに、周回搬送部２２０ａに紙幣識別部２５０が設けられている。また、本実施の形態の紙幣収納部２６０は金種別に紙幣を収納する３つの金種別紙幣収納部２６１（２６１ａ，２６１ｂ，２６１ｃ）を有している。

紙幣受入部２１０は、紙幣が入金されると自動で又は後述する操作表示部１５２、ボタン式操作部１５３、ＰＯＳ操作部３５２等からの入力信号を受けて駆動されて当該紙幣を紙幣筐体２０３内に繰り出す入金紙幣操出部（図示せず）を有している。また、紙幣収納部２６０は、必要に応じて紙幣収納部２６０から紙幣を繰り出す出金紙幣繰出部（図示せず）を有している。

また、図２に示すように、紙幣搬送部２２０には、回収処理を行う際に紙幣収納部２６０から繰り出された紙幣を収納する回収カセット２３５が連結されている。なお、紙幣識別部２５０で識別された紙幣の金種を収納するための紙幣収納部２６０がフル（満杯）状態又はニアフル（ほぼ満杯）状態である場合には、この紙幣はオーバーフロー紙幣として、回収カセット２３５に収納される。

また、図２に示すように、紙幣搬送部２２０には、紙幣収納部２６０から繰り出された紙幣が紙幣識別部２５０によって識別できない場合に、当該紙幣（出金リジェクト紙幣）を収納する出金リジェクト部２３０が連結されている。

紙幣処理装置２００の各金種に関する在高は、対象となる金種別紙幣収納部２６１に収納された紙幣の枚数から当該金種別紙幣収納部２６１から繰り出された紙幣の枚数を差し引くことで算出可能となる。より具体的には、各金種別紙幣収納部２６１に対応して設けられた検知センサ２２５からの情報に基づいて対象となる金種別紙幣収納部２６１内に紙幣が収納されたことが検出され、他方、当該検知センサ２２５からの情報に基づいて対象となる金種別紙幣収納部２６１から紙幣が繰り出されたことが検出される。

なお、金種別紙幣収納部２６１の各々に、金種別紙幣収納部２６１内に収納されている紙幣の残量を検知する収容量検知センサ２６２（図４参照）が設けられてもよい。このような収容量検知センサ２６２が設けられている場合には、当該収容量検知センサ２６２からの情報を受けて金種別紙幣収納部２６１内において紙幣が、ニアフル状態なのか、フル状態なのか、ニアエンプティ（ほぼ空）状態なのか、エンプティ（空）状態なのかが紙幣制御部２０２で判断されるようにしてもよい。

各金種別紙幣収納部２６１内に収納されている紙幣の在高情報（紙幣の枚数）や紙幣の収納状態（ニアフル状態なのか、フル状態なのか、ニアエンプティ状態なのか、エンプティ状態なのか）は、硬貨処理装置１００の上位記憶部１５５（図４参照）に送られて当該上位記憶部１５５で記憶されてもよい。

各金種別紙幣収納部２６１は紙幣を例えば１００枚〜２００枚収納することができるようになっている。具体的な例を持ち出して説明すると、金種別紙幣収納部２６１ａは千円紙幣を２００枚収納することができ、金種別紙幣収納部２６１ｂは五千円紙幣を１００枚収納することができ、金種別紙幣収納部２６１ｃは一万円紙幣を２００枚収納することができるようになっている。ちなみに、オーバーフローした紙幣は、例えば２００枚までであれば回収カセット２３５に収納可能となる。

また、図２に示すように、検知センサ２２５は、出金リジェクト部２３０及び回収カセット２３５の各々に対応するようにも設けられており、当該検知センサ２２５からの情報に基づいて、出金リジェクト部２３０及び回収カセット２３５の各々に収納されている紙幣の枚数も検出できるようになっている。これら出金リジェクト部２３０及び回収カセット２３５の各々に収納されている紙幣の枚数に関する情報も、硬貨処理装置１００の上位記憶部１５５に送られて当該上位記憶部１５５で記憶されてもよい。ちなみに、本実施の形態では、紙幣受入部２１０及び紙幣払出部２９０にも対応して検知センサ２２５が設けられているが、この検知センサ２２５は紙幣受入部２１０で受け入れられた紙幣が当該検知センサ２２５を通過したか、また、紙幣払出部２９０から払い出されるべき紙幣が当該検知センサ２２５を通過したかを検知するために用いられる。

図４に示すように、紙幣処理装置２００の紙幣制御部２０２には、インターフェース２３２、紙幣受入部２１０、紙幣搬送部２２０、出金リジェクト部２３０、紙幣識別部２５０、紙幣収納部２６０、紙幣払出部２９０、収容量検知センサ２６２、検知センサ２２５等がそれぞれ接続されている。そして、紙幣制御部２０２は、紙幣受入部２１０、紙幣搬送部２２０、出金リジェクト部２３０、紙幣識別部２５０、紙幣収納部２６０、紙幣払出部２９０、収容量検知センサ２６２、検知センサ２２５等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。なお、紙幣制御部２０２には、様々な情報を記憶する紙幣記憶部２０５と、カードに記録された情報を読み取るカードリーダ２７０と、紙幣収納部２６０、出金リジェクト部２３０、回収カセット２３５等の所定のユニットをロックしたり、紙幣収納部２６０、出金リジェクト部２３０、回収カセット２３５等の所定のユニットを解錠したりする電磁閉鎖ロック部２７５も接続されており、これらと信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。

一例としては、本実施の形態の紙幣処理装置２００における紙幣の入金速度は２．５枚／秒であり、他方、紙幣の出金速度は２．０枚／秒である。また、一例として、紙幣受入部２１０に一度に投入可能な紙幣の枚数は２０枚であり、紙幣払出部２９０で一度に出金可能な紙幣の枚数は１０枚である。

また、本実施の形態の紙幣処理装置２００は自動精査すなわち自動在高確認動作ができるようになっていてもよい。つまり、操作表示部１５２、ＰＯＳ操作部３５２等から実行指示の入力を受けたり所定の設定時刻になったりすることで、紙幣処理装置２００は各金種別紙幣収納部２６１内に収納されている紙幣の計数を開始し、実際の紙幣の在高が紙幣記憶部２０５等に記憶されている紙幣の在高と合致しているかを確認できるようなってもよい。

《硬貨処理装置１００》
次に、本実施の形態の硬貨処理装置１００の構成について説明する。ちなみに、本実施の形態の硬貨処理装置１００は、スーパー、コンビニエンスストア、ショッピングモール、百貨店等の様々な場所で利用され、硬貨の入出金処理を行う硬貨釣銭機となっている。ところで、硬貨処理装置１００としてはこのような硬貨釣銭機には限られることはなく、例えば硬貨入金機、硬貨出金機、券売機、自動販売機等も含まれる。

図４に示すように、本実施の形態の硬貨処理装置１００の上位制御部１０１には、インターフェース１３２と、操作表示部１５２と、物理的なボタン等からなるボタン式操作部１５３と、様々な情報を記憶する上位記憶部１５５が接続されており、これらと信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。また、硬貨制御部１０２には、後述する、上位制御部１０１との間のインターフェース１３３、硬貨受入部１１０、入金硬貨搬送部１２０、硬貨識別部１５０、硬貨収納部１６０、振分部１２７，１２９、出金硬貨搬送部１８０、硬貨払出部１９０、硬貨が通過したことを検知する検知センサ１２４，１２５，１６５及び様々な情報を記憶する硬貨記憶部１０５等が接続されている。そして、上位制御部１０１は、操作表示部１５２、ボタン式操作部１５３及び上位記憶部１５５等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。また、硬貨制御部１０２は、硬貨受入部１１０、入金硬貨搬送部１２０、硬貨識別部１５０、硬貨収納部１６０、振分部１２７，１２９、出金硬貨搬送部１８０、硬貨払出部１９０、検知センサ１２４，１２５，１６５及び硬貨記憶部１０５等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。なお、硬貨制御部１０２には、カードに記録された情報を読み取るカードリーダ１７０と、硬貨収納部１６０等の所定のユニットをロックしたり、硬貨収納部１６０等の所定のユニットを解錠したりする電磁閉鎖ロック部１７５も接続されており、これらと信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。

本実施の形態の硬貨処理装置１００は、図２に示すように、硬貨筐体１０３と、硬貨を硬貨筐体１０３の外部から入金するための硬貨受入部１１０と、硬貨筐体１０３内に設けられ、硬貨を収納するとともに収納された硬貨を繰り出す硬貨収納部１６０と、硬貨筐体１０３内において、硬貨受入部１１０から投入された硬貨を１枚ずつ硬貨収納部１６０まで入金経路に沿って搬送する入金硬貨搬送部１２０と、入金経路に沿って設けられ、入金硬貨搬送部１２０で搬送される硬貨を識別して計数する硬貨識別部１５０と、を備えている。また、図１に示すように、硬貨筐体１０３の上面には、操作者が操作信号を入力したり操作者に所定の情報を表示したりするための操作表示部１５２が設けられている。本実施の形態の操作表示部１５２はタッチパネルとなっており、操作表示部１５２に直接触れることで、操作者が操作信号を入力することができる。また、図１に示すように、硬貨入金口１１１には開閉自在のシャッター１１５が設けられてもよい。なお、操作表示部１５２は液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）等からなってもよい。

図２に示すように、入金経路には、後述する金種別硬貨収納部１６１（つまり金種別硬貨収納部１６１ａ〜１６１ｆ）の各々に対応した検知センサ１２５と、当該検知センサ１２５からの情報を受けて各金種別硬貨収納部１６１に対応する金種の硬貨を振り分ける複数（本実施の形態では６つ）の入金振分部１２７が設けられている。各検知センサ１２５は、対応する金種別硬貨収納部１６１の上流位置に対応して設けられている。

また、図２に示すように、硬貨識別部１５０の下流位置であって硬貨収納部１６０の上流位置には、硬貨識別部１５０で金種等を識別することができなかった硬貨をリジェクト硬貨として振り分けるためのリジェクト振分部１２９が設けられている。

図２に示すように、リジェクト振分部１２９の直前の上流位置には検知センサ１２４が設けられている。そして、硬貨識別部１５０でリジェクト硬貨であると判断され、かつ、検知センサ１２４から硬貨が到達又は通過した旨の検知情報を受けた段階で、硬貨制御部１０２がリジェクト振分部１２９を開状態とし、リジェクト硬貨をリジェクト振分部１２９で取り込むようにしてもよい。なお、リジェクト振分部１２９が開状態となって当該リジェクト振分部１２９に取り込まれることで、硬貨は入金経路から外れ、リジェクト搬送経路（図示せず）を落下した後、後述する出金硬貨搬送部１８０によって硬貨払出部１９０まで送られることとなる。

図２に示すように、本実施の形態の硬貨処理装置１００は、硬貨収納部１６０から繰り出された硬貨を出金経路に沿って搬送する出金硬貨搬送部１８０と、出金経路に繰り出されて出金硬貨搬送部１８０で搬送された硬貨を出金する硬貨払出部１９０も備えている。

一例としては、本実施の形態の硬貨処理装置１００における硬貨の入金速度は約６枚／秒であり、他方、９９９円の硬貨（５００円１枚、１００円４枚、５０円１枚、１０円４枚、５円１枚及び１円４枚）を出金するのに約２．７秒かかる。また、一例として、硬貨受入部１１０に一度に投入可能な硬貨の枚数は５０枚であり、硬貨払出部１９０で一度に出金可能な硬貨の枚数は５０枚である。

なお、本実施の形態では、硬貨払出部１９０は、図１０（ａ）（ｂ）に示すように、開口部１９３ａが形成されたトレー本体１９３と、開口部１９３ａを開閉する開閉部１９４と、を有していてもよい。そして、本実施の形態では、図１０（ａ）（ｂ）に示すような、硬貨処理装置１００に対して取り外し自在になった硬貨回収用部材７００が設けられてもよい。そして、開閉部１９４が開状態にあるときに硬貨筐体１０５から外部に繰り出された硬貨が開口部１９３ａを経て後述する回収用受入部７４０内に落下することとなる。

硬貨回収用部材７００は、本体部７２０と、本体部７２０を硬貨処理装置１００に取り付けるための取付部７３０と、本体部７２０が取付部７３０によって硬貨処理装置１００に取り付けられた状態で、開口部１９３ａを経て落下した硬貨を受け入れる回収用受入部７４０と、を有してもよい。

硬貨回収用部材１０の回収用受入部７４０の形態としては様々なものを採用することができるが、一例としては、図１１（ａ）（ｂ）に示すように、回収用受入部７４０が、開口部１９３ａを経て落下した硬貨を内部に収納する袋、箱等のような収納体（収納体タイプ）になったものを挙げることができる。別の例としては、図１２（ａ）（ｂ）に示すように、回収用受入部７４０が、その下面で開口しており、開口部１９３ａを経て落下した硬貨を回収用受入部７４０の下方へ落下させる態様（シュートタイプ）を挙げることができる。なお、このような下面が開口したタイプ（シュートタイプ）を採用する場合には、図１２（ａ）（ｂ）に示すように、回収用受入部７４０の下方に、回収用受入部７４０の下面の開口を経た硬貨を受けて収容するための袋、箱、バッグ等からなる回収用収容部７４５が設けられてもよい。

本実施の形態の硬貨収納部１６０は、金種別に硬貨を収納する複数（本実施の形態では６つ）の金種別硬貨収納部１６１を有しており、各金種別硬貨収納部１６１が水平方向で並列に配置されている。金種別硬貨収納部１６１は、図２の下から順番に、５００円硬貨、１００円硬貨、５０円硬貨、１０円硬貨、５円硬貨及び１円硬貨を収納するようになっている。各金種別硬貨収納部１６１は、対応する硬貨を例えば１００枚〜２００枚程度収納することができる。より具体的な例を持ち出して説明すると、金種別硬貨収納部１６１ａは５００円硬貨を１０５枚収納することができ、金種別硬貨収納部１６１ｂは１００円硬貨を１６０枚収納することができ、金種別硬貨収納部１６１ｃは５０円硬貨を１２０枚収納することができ、金種別硬貨収納部１６１ｄは１０円硬貨を１６０枚収納することができ、金種別硬貨収納部１６１ｅは５円硬貨を１２０枚収納することができ、金種別硬貨収納部１６１ｆは１円硬貨を１６０枚収納することができるようになっている。

なお、金種別硬貨収納部１６１の各々は、硬貨を収納する金種別繰出収納庫と、金種別繰出収納庫内に収納された硬貨を出金経路に繰り出すための繰出部（図示せず）と、繰出部で繰り出される硬貨の枚数を検知する検知センサ１６５（図４参照）と、所定枚数の硬貨が繰り出された際にそれ以上の硬貨が繰り出されないように硬貨の繰り出しをストップさせるためのストッパ（図示せず）と、を有している。

各検知センサ１６５は、光を発光する発光部と、発光部で発光された光を受光する受光部とを有している。そして、発光部から発光された光が硬貨で遮断されて受光部で受光されないようになることで硬貨が受光部と発光部との間まで搬送されたことを検知し、発光部から発光された光が硬貨で遮断されなくなり、再び受光部で発光部から発光された光を受光するようになることで硬貨が受光部と発光部との間を通過したことを検知するようになっている。そして、発光部から発光された光が硬貨で遮断されて受光部で受光されないようになる回数を計数することで、硬貨収納部１６０から後述する出金硬貨搬送部１８０に繰り出された硬貨の枚数を計数することができる。

本実施の形態では、硬貨処理装置１００の各金種に関する在高は、対象となる金種別硬貨収納部１６１に収納された硬貨の枚数から当該金種別硬貨収納部１６１から繰り出された硬貨の枚数を差し引くことで算出可能となる。金種別硬貨収納部１６１に収納された硬貨の枚数を算出する際には、具体的には、各金種別硬貨収納部１６１に対応して設けられた入金振分部１２７の上流位置の検知センサ１２５で硬貨の通過が確認されたが当該入金振分部１２７の下流位置の検知センサ１２５で硬貨の通過が確認されなかった場合に、当該入金振分部１２７で硬貨が取り込まれて、当該入金振分部１２７に対応する金種別硬貨収納部１６１に硬貨が収納されたと判断されて算出される。ただし、最も下流側に位置する金種別硬貨収納部１６１ｆに関しては、当該金種別硬貨収納部１６１ｆの直前に位置する検知センサ１２５を通過した硬貨の枚数が当該金種別硬貨収納部１６１ｆに収納された硬貨の枚数となる。他方、各金種別硬貨収納部１６１から繰り出された硬貨の枚数は検知センサ１６５からの情報に基づいて算出される。

なお、金種別硬貨収納部１６１の各々に、金種別硬貨収納部１６１内に収納されている硬貨の残量を検知する収容量検知センサ１６２が設けられてもよい（図４参照）。このような収容量検知センサ１６２が設けられている場合には、当該収容量検知センサ１６２からの情報を受けて金種別硬貨収納部１６１内において硬貨が、ニアフル状態なのか、フル状態なのか、ニアエンプティ状態なのか、エンプティ状態なのかが硬貨制御部１０２や上位制御部１０１で判断されるようにしてもよい。収容量検知センサ１６２は硬貨制御部１０２に接続されており、硬貨制御部１０２と信号の送受信を行い、硬貨制御部１０２によって制御される。

各金種別硬貨収納部１６１内に収納されている硬貨の在高情報（硬貨の枚数）や硬貨の収納状態（ニアフル状態なのか、フル状態なのか、ニアエンプティ状態なのか、エンプティ状態なのか）は、硬貨処理装置１００の上位記憶部１５５に送られて当該上位記憶部１５５で記憶されてもよい。

また、本実施の形態の硬貨処理装置１００は自動精査すなわち自動在高確認動作ができるようになっていてもよい。つまり、操作表示部１５２、ＰＯＳ操作部３５２等から実行指示の入力を受けたり所定の設定時刻になったりすることで、硬貨処理装置１００は各金種別硬貨収納部１６１内に収納されている硬貨の計数を開始し、実際の硬貨の在高が硬貨記憶部１０５等に記憶されている硬貨の在高と合致しているかを確認できるようなってもよい。精査処理を行う場合には、例えば、対象となっている金種別硬貨収納部１６１から硬貨が繰り出されて出金硬貨搬送部１８０によって硬貨払出部１９０まで送られ、このように硬貨払出部１９０に送られた硬貨を硬貨受入部１１０に投入して、硬貨識別部１５０で各硬貨を識別計数させればよい。

なお、図６に示すような補助収納部１９９を備えた硬貨処理装置１００を採用することもできる。このように補助収納部１９９を備えた硬貨処理装置１００であれば、操作表示部１５２、ＰＯＳ操作部３５２等からの入力を受けず、所定の時間になると自動で精査処理を開始することもできる。この補助収納部１９９は入金経路の下方に配置されており、補助収納部１９９から硬貨を硬貨受入部１１０に繰り出すことができるようになっている。

補助収納部１９９は、出金経路に繰り出された硬貨のうち硬貨出金部１９０で出金されない硬貨を収納するために用いられる。このため、出金硬貨識別部（図示せず）が出金経路に設けられている態様を採用した場合であって、出金硬貨識別部で識別できない硬貨がある場合には、当該硬貨がリジェクト硬貨として補助収納部１９９で収納されてもよい。

また、自動精査が行われる際の一例を示すと、硬貨収納部１６０のある金種別硬貨収納部１６１から硬貨が繰り出され、出金硬貨搬送部１８０で搬送された硬貨が補助収納部１９９内に取り込まれる。このように補助収納部１９９内に取り込まれた硬貨は、補助収納部１９９から硬貨受入部１１０に送られ、この硬貨受入部１１０から入金経路に繰り出され、硬貨識別部１５０で識別された後、元々繰り出された金種別硬貨収納部１６１に戻される。

ちなみに、上述したような補助収納部１９９を採用した場合には、ある金種別硬貨収納部１６１がフル状態又はニアフル状態となっており当該ある金種別硬貨収納部１６１に収納することができない硬貨（オーバーフロー硬貨）を当該補助収納部１９９に収納することもでき、例えば７０枚のオーバーフロー硬貨を補助収納部１９９で収納することができる。オーバーフロー処理が行われる際の一例を示すと、まず、硬貨受入部１１０から入金経路に硬貨が繰り出され、硬貨識別部１５０で識別されてフル状態又はニアフル状態の金種の硬貨であると判断されると、入金振分部１２６が開状態となり、当該金種の硬貨は入金振分部１２６で補助収納部１９９内に取り込まれ、補助収納部１９９内に収納される。そして、このようにして補助収納部１９９内に取り込まれたオーバーフロー硬貨を対象となる金種別硬貨収納部１６１に戻すときには、補助収納部１９９から硬貨入金部１１０に硬貨が送られ、当該硬貨は、この硬貨入金部１１０から入金経路に繰り出され、硬貨識別部１５０で識別された後、対応する金種別硬貨収納部１６１に振り分けられる。なお、このような入金振分部１２６が設けられている態様では、当該入金振分部１２６は硬貨制御部１０２に接続されており、硬貨制御部１０２と信号の送受信を行い、硬貨制御部１０２によって制御される。

《棒金収納装置５００》
次に、本実施の形態の棒金収納装置５００について説明する。

図２に示すように、本実施の形態の棒金収納装置５００は、棒金筐体（特許請求の範囲の「筐体」に対応する。）５０３と、棒金筐体５０３に対して開閉可能に設けられ、棒金を１本ずつ収納する棒金収納部５２０を複数個有する棒金ドロア５０６と、を備えている。本実施の形態の棒金収納部５２０は、それぞれ対応する金種の棒金が収納されるようになっていてもよい。また、使用される頻度が高く、出し入れされる頻度が高い金種（例えば１０円硬貨及び１００円硬貨）の棒金が、引出方向側（前方側）に配置されてもよい。図２で示す態様では、向かって右側の列には前方側から１００円硬貨棒金（８本）、５００円硬貨棒金（１本）及び５０円硬貨（１本）の順で棒金が収納されるようになっており、向かって左側の列には前方側から１０円硬貨棒金（６本）、１円硬貨棒金（４本）及び５円硬貨（１本）の順で棒金が収納されるようになっている。なお、各棒金収納部５２０は、対応する金種の棒金が収納されるようになっている必要はなく、あらゆる金種の棒金を収納することができるようになっていてもよい。棒金は一例として５０枚の硬貨が包装されて作成されてもよいが、２０枚の硬貨が包装されて作成されてもよい。また、棒金収納部５２０は、５０枚の硬貨からなる棒金を収納するタイプと、２０枚の硬貨からなる棒金を収納するタイプの両方が設けられてもよい。

また、棒金ドロア５０６と棒金筐体５０３との間には、棒金制御部５０２に接続されたロータリエンコーダ（変位検出部）５１０（図５参照）が設けられており、棒金ドロア５０６の棒金筐体５０３に対する位置を検知することができるようになっていてもよい。また、棒金筐体５０３内には第一光センサ５１１（図５参照）が設けられていてもよい。そして、第一光センサ５１１において光が遮断されるか否かに関する情報とロータリエンコーダ５１０からの位置情報とによって、棒金の有無を検知するだけでなく棒金の直径を検知することができ、棒金の金種の判定することができるようになっていてもよい。図２に示す態様では、棒金ドロア５０６の底面に開口部５２５が形成されており（図２参照）、この開口部５２５を第一光センサ５１１からの光が透過することになる。この態様を採用した場合には、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６を開ける間又は棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６を閉める間に、第一光センサ５１１及びロータリエンコーダ５１０によって、棒金の有無及び棒金の直径に関する情報が取得される。したがって、この態様では、第一光センサ５１１及びロータリエンコーダ５１０は、棒金ドロア５０６に収納されている棒金に関する収納棒金情報を取得する「棒金情報取得部」に含まれることになる。収納棒金情報には、典型的には棒金ドロア５０６に収納されている金種別の棒金本数が含まれるが、棒金ドロア５０６に収納されている棒金の総本数のみが含まれてもよいし、棒金ドロア５０６に棒金が収納されているか否かのみが含まれてもよい。なお、棒金の中央に穴が設けられているか（５円硬貨及び５０円硬貨を参照）を検知するための第二光センサ５１２（図５参照）が設けられていてもよく、この場合にはこの第二光センサ５１２も棒金情報取得部に含まれることになる。また、棒金ドロア５０６内に収納された棒金の全てを第一光センサ５１１で検知するために、棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対して所定の位置以上に開いた状態になったかを検知する開放検知部（図示せず）が設けられてもよい。

ちなみに、棒金の有無を検知するだけならば例えばレバー５１３（図５参照）や第三光センサ５１４（図５参照）を各棒金収納部５２０に設け、当該レバー５１３が押された場合や第三光センサ５１４からの光が遮光された場合には当該棒金収納部５２０内に棒金が有ると判断され、レバー５１３が押されない場合や第三光センサ５１４からの光が遮光されない場合には当該棒金収納部５２０内に棒金が無いと判断されるようにしてもよい。この場合には、レバー５１３及び第三光センサ５１４も棒金情報取得部に含まれることになる。

また、上述したような態様に限られることはなく、棒金筐体５０３内に走査可能な走査センサ５１５（図５参照）が設けられており、棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対して閉まっている間に当該走査センサ５１５が棒金筐体５０３内を走査することで棒金ドロア５０６に収納されている棒金の直径を検知し、棒金の有無を検知するだけでなく、棒金の金種を判定することができるようになっていてもよい。このような走査センサ５１５による検知は、棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対して閉じられた後で自動で開始されてもよいが、棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対して閉じられた後で操作表示部１５２やＰＯＳ操作部３５２等から所定の入力が行われることで開始されてもよい。この態様を採用した場合には、走査センサ５１５が「棒金情報取得部」に含まれることになる。この場合にも、棒金の中央に穴が設けられているかを検知するための第二光センサ５１２が設けられていてもよく、この場合にはこの第二光センサ５１２も棒金情報取得部に含まれることになる。

また、各棒金収納部５２０に棒金が収納されているか、また、収納されている棒金の材質を検知する材質検知センサ５１６（図５参照）が設けられており、この材質検知センサ５１６からの情報に基づいて、各棒金収納部５２０における棒金の有無及び棒金の金種の判定することができるようになっていてもよい。この態様を採用した場合には、材質検知センサ５１６が「棒金情報取得部」に含まれることになる。この場合にも、棒金の中央に穴が設けられているかを検知するための第二光センサ５１２が設けられていてもよく、この場合には第二光センサ５１２も棒金情報取得部に含まれることになる。この態様では、棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して開閉したり、閉じた状態にしたりせずとも、各棒金収納部５２０に収納されている棒金の金種を検出することができる。ちなみに、１円硬貨はアルミニウムからなり、５円硬貨は黄銅からなり、１０円硬貨は青銅からなり、５０円硬貨及び１００円硬貨は白銅からなり、５００円硬貨はニッケル黄銅からなっている。棒金の金種を検知する際には、硬貨の材質で概ねの区別を行い、その後で、穴の有無を（場合によっては硬貨の径も）用いて棒金の金種を決定すればよい。

また、金種別に棒金を収納するようになっており、各金種の棒金の大きさに合わせて棒金収納部５２０が設けられてもよい。但し、この場合でも大きさの大きな棒金収納部５２０には、大きさの小さな金種の棒金が入ることから、最も大きさ（つまり厚み及び径）の小さな棒金収納部５２０（例えば１円硬貨を収納する棒金収納部５２０）にはレバー５１３又は第三光センサ５１４が設けられ、穴が開いている硬貨を収納するための棒金収納部５２０（例えば５円硬貨を収納する棒金収納部５２０及び５０円硬貨を収納する棒金収納部５２０）には第二光センサ５１２と、レバー５１３又は第三光センサ５１４とが設けられ、それ以外の棒金収納部５２０には材質検知センサ５１６と第二光センサ５１２とが設けられるようにしてもよい。ちなみに、１円硬貨の外形は約２０ｍｍであり、厚みは約１．５ｍｍである。５円硬貨の外形は約２２ｍｍであり、厚みや約１．５ｍｍであるが、他方、５０円硬貨の外形は約２１ｍｍであり、厚みや約１．７ｍｍである。このため、５０枚の５円硬貨を包装した棒金は径の点で５０円硬貨を収納する棒金収納部５２０で収納することができず、他方、５０枚の５０円硬貨を包装した棒金は厚みの点で５円硬貨を収納する棒金収納部５２０で収納することができない。したがって、これらに関しては材質検知センサ５１６を特に設ける必要がない。

また、棒金筐体５０３には、棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉鎖位置に固定する閉鎖ロック部５６０（図５参照）が設けられている。また、本実施の形態の棒金収納装置５００は、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が開状態になっているか閉状態になっているかを検知する開閉検知部５７０（図５参照）も備えている。

図５に示すように、棒金収納装置５００は、棒金収納装置５００を制御するための棒金制御部５０２と、上述した収納棒金情報や、回収処理を行う前に（より具体的には回収指令を受けた段階で）棒金ドロア５０６に収納されていた回収前棒金情報を含む様々な情報を記憶した棒金記憶部５０５（特許請求の範囲に記載された「記憶部」に含まれている。）とを有している。棒金制御部５０２は、回収指令を受け取り、回収指令における回収情報と収納棒金情報とが整合しているかを判断する。なお、収納棒金情報及び回収前棒金情報は、棒金記憶部５０５とともに又は棒金記憶部５０５の代わりに、上位記憶部１５５で記憶されてもよい。この場合には、上位記憶部１５５は特許請求の範囲に記載された「記憶部」に含まれることになる。なお、回収指令は、例えば、後述するＰＯＳレジスタ３００のＰＯＳ操作部３５２から入力されてもよい。

図５に示すように、棒金制御部５０２には、インターフェース５３２、開閉検知部５７０、棒金記憶部５０５、閉鎖ロック部５６０、後述する固定ロック部５６１、後述する個別報知部５９０、ロータリエンコーダ（変位検出部）５１０、第一光センサ５１１、第二光センサ５１２、第三光センサ５１４、レバー５１３、走査センサ５１５、材質検知センサ５１６等がそれぞれ接続されている。そして、棒金制御部５０２は、開閉検知部５７０、棒金記憶部５０５、閉鎖ロック部５６０、固定ロック部５６１、後述する個別報知部５９０、ロータリエンコーダ（変位検出部）５１０、第一光センサ５１１、第二光センサ５１２、第三光センサ５１４、レバー５１３、走査センサ５１５、材質検知センサ５１６等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。なお、棒金ドロア５０６の棒金収納部５２０に収納されている棒金の在高情報（棒金の本数）は、棒金記憶部５０５で記憶されてもよいし、この棒金記憶部５０５とともに又は棒金記憶部５０５の代わりに、上位記憶部１５５で記憶されてもよい。

棒金制御部５０２は、回収情報と収納棒金情報とが整合していないときに異常処理を行ってもよい。「回収情報と収納棒金情報とが整合する」とは、例えば、棒金に関して棒金制御部５０２が全回収指令を受け取った場合であって、回収処理が終了した時点で棒金ドロア５０６内に棒金が残っていない場合を意味する。また、他の例では、「回収情報と収納棒金情報とが整合する」とは、棒金に関して棒金制御部５０２が残置回収指令を受け取った場合であって、回収処理が終了した時点で、残置回収指令において残置するように指定された棒金の金種別本数と、棒金ドロア５０６内に収納されている棒金の金種別本数とが合致する場合を意味する。ちなみに「全回収」とは貨幣及び／又は棒金の全てを回収することを意味し、「残置回収」とは所定の貨幣又は棒金を残して回収することを意味する。

残置回収指令が入力された場合には、その時点での棒金の金種別の在高本数と残置回収指令で残置するように指定された棒金の金種別の本数とから、過不足が算出され、回収すべき棒金の金種別本数及び補充すべき棒金の金種別本数が出力されてもよい。補充すべき金種の棒金に関しては、手持ちの棒金が足りなくてすぐに補充できないこともあることから、操作表示部１５２やＰＯＳ操作部３５２等の操作部から後で補充する旨が入力されてもよい。このような入力が行われることで、当該金種に関して、残された金種別の棒金の本数が残置回収指令のあった棒金の本数と合致しない場合であっても、暫定的に正常であると棒金制御部５０２で判断されるようにしてもよい。

以上の説明から理解できるように、回収情報と収納棒金情報とが整合していないときの例としては、全回収処理を行う旨の指令がなされているにも関わらず棒金ドロア５０６内に棒金が残っている場合や、残置回収処理を行う指令がなされているが、残すように指令を受けている棒金の金種別本数と実際に棒金ドロア５０６内に残されている棒金の金種別本数とが合致しない場合を挙げることができる。

回収情報と収納棒金情報とが整合していないときに行われる異常処理においては、棒金制御部５０２が、異常が発生した旨の情報を出力し、操作表示部１５２や後述するＰＯＳ表示部３５１等の表示部で異常が発生したことが表示されてもよいし、ブザー、スピーカー等の音声出力部６１０からの音声で異常が発生したことを伝えてもよいし、後述する印刷部３７０による印刷が開始されて印刷された紙によって異常が発生したことを伝えてもよい。音声出力部６１０によって、どのような異常が発生したかも音声で伝えられてもよく、例えば「全回収指令が出ています。棒金を全て回収して下さい。」や「１００円棒金が２本余分に収納されています。取り出して下さい。」というような音声が流れてもよい。ちなみに、操作表示部１５２や後述するＰＯＳ表示部３５１等の表示部で表示される言語及び音声出力部６１０で出力される言語は適宜変更できるようになってもよく、日本語だけではなく、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語等に適宜変更できるようになってもよい。なお、音声出力部６１０及び印刷部３７０は、貨幣処理装置１００，２００又は棒金収納装置５００と別体に設けられてもよいが、貨幣処理装置１００，２００又は棒金収納装置５００に組み込まれていてもよい。また、異常が発生したことについては、操作表示部１５２やＰＯＳ表示部３５１等の表示部において強調色（例えば赤色）で強調して表示されてもよいし、点滅等して強調する態様で表示されてもよい。

なお、全体の回収処理は、棒金収納装置５００における棒金の回収処理だけでなく、貨幣処理装置１００，２００での硬貨及び紙幣の回収処理が終了していることで終了されてもよい。なお、棒金の回収処理は、回収情報と収納棒金情報とが整合している場合だけでなく、回収情報と収納棒金情報とが整合していなくても、整合していないことを容認するというような内容の指令が操作表示部１５２、ＰＯＳ操作部３５２等から入力されることで終了されてもよい。なお、回収情報と収納棒金情報とが整合していない状態で回収処理を終了させる場合には、そのログが上位記憶部１５５や外部装置の外部記憶部等で記憶されてもよい。

また、棒金収納装置５００における棒金の回収処理と、貨幣処理装置１００，２００での硬貨及び紙幣の回収処理が終了したときには、回収された棒金、より具体的には回収された棒金の金種別本数が棒金制御部５０２から出力され、回収された硬貨、より具体的には回収された硬貨の金種別枚数が硬貨制御部１０２から出力され、回収された紙幣、より具体的には回収された紙幣の金種別枚数が紙幣制御部２０２から出力されてもよい。このようにして出力された情報は、操作表示部１５２やＰＯＳ表示部３５１等の表示部で表示されてもよいし、音声出力部６１０からの音声で伝えられてもよいし、印刷部３７０が印刷することで伝えられてもよい。

また、異常処理においては、閉鎖ロック部５６０が、棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じた状態でロックしないようにしてもよい。また、棒金筐体５０３の内部であって、棒金ドロア５０６と棒金筐体５０３との間にバネ等の弾性部材（図示せず）が設けられており、閉鎖ロック部５６０が棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じた状態でロックしない結果、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が開放される（棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が飛び出て開いた状態になる）ようになっていてもよい。このような態様に限られることはなく、閉鎖ロック部５６０によるロックと関係なく、異常処理において、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が開放されるようになっていてもよい。この場合には、例えば、棒金筐体５０３内に棒金ドロア５０６に連結されたモータ（図示せず）が設けられており、異常処理を行う場合に当該モータが駆動されて棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対して開放されるようにしてもよい。なお、棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対して一定の位置までモータで開放された後は、棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対して自在に移動できるような態様であってもよい。

また、上述した閉鎖ロック部５６０とは別に、棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して開放した状態でロックできる固定ロック部５６１（図５参照）が設けられていてもよい。そして、上述した材質検知センサ５１６、レバー５１３又は第三光センサ５１４を採用した場合に異常処理を行うときには、固定ロック部５６１によって、棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対して開放した状態でロックされ、棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じた状態にできないようにしてもよい。

材質検知センサ５１６、レバー５１３又は第三光センサ５１４を採用した場合には、棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じることなく開けた状態でも、棒金ドロア５０６に収納されている棒金に関する収納棒金情報を取得することができる。材質検知センサ５１６、レバー５１３又は第三光センサ５１４を採用した場合には、所定の時間が経過した時点で、棒金の有無、又は、棒金の有無及び金種を検知するようにすればよい。この際、当該所定の時間が経過した時点で材質検知センサ５１６、レバー５１３又は第三光センサ５１４を稼働状態にしてもよいし、材質検知センサ５１６、レバー５１３又は第三光センサ５１４は継続して稼働させ、当該所定の時間での情報を取得するようにしてもよい。当然、材質検知センサ５１６、レバー５１３又は第三光センサ５１４を採用した場合であっても、棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じた後で、材質検知センサ５１６、レバー５１３又は第三光センサ５１４から情報を取得するようにしてもよい。

異常が発生したことを報知するためのＬＥＤランプ等からなる（異常時には例えば赤色で点灯又は点滅する）異常表示部５７１、及び／又は、正常な状態であることを報知するためのＬＥＤランプ等からなる（正常時には例えば緑色で点灯する）正常表示部５７２が設けられてもよい（図４参照）。また、一つの状態表示部５７３が、異常表示部５７１と正常表示部５７２の両方の役割を果たしてもよく、当該状態表示部５７３は、異常時には例えば赤色で点灯又は点滅し、正常時には例えば緑色で点灯するようになってもよい。

なお、棒金制御部５０２等の制御部から出力されるあらゆる情報は、操作表示部１５２やＰＯＳ表示部３５１等の表示部で表示されてもよいし、音声出力部６１０からの音声で伝えられてもよいし、印刷部３７０が印刷することで伝えられてもよい。特に述べない場合であっても、このことが本実施の形態ではあてはまるので留意が必要である。

また、回収情報と収納棒金情報とが整合している場合には、棒金制御部５０２が正常処理を行ってもよい。正常処理においては、閉鎖ロック部５６０が、棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じた状態でロックするようにしてもよい。また、正常処理においては、棒金制御部５０２が、正常である旨の情報を出力し、正常であることが、操作表示部１５２やＰＯＳ表示部３５１等の表示部で表示されてもよいし、音声出力部６１０からの音声で伝えられてもよいし、印刷部３７０が印刷することで伝えられてもよい。

また、棒金制御部５０２は、回収前棒金情報と収納棒金情報とに基づいて、回収処理で回収された棒金に関する回収棒金情報を生成してもよい。この場合には、回収棒金情報のみが、又は、回収棒金情報が回収前棒金情報及び収納棒金情報とともに、棒金制御部５０２から出力されて、操作表示部１５２やＰＯＳ表示部３５１等の表示部で表示されてもよいし、音声出力部６１０からの音声で伝えられてもよいし、印刷部３７０が印刷することで伝えられてもよい。また、回収棒金情報、回収前棒金情報及び収納棒金情報は、管理装置等の外部装置に出力されて、当該外部装置の外部記憶部で記憶されてもよい。ちなみに、全回収を行った場合には、収納棒金情報は各金種において０となり、回収棒金情報と回収前棒金情報とは各金種で合致することになる。残置回収を行った場合には、回収前棒金情報から収納棒金情報を差し引いた値が回収棒金情報になる。

回収情報は、操作表示部１５２やＰＯＳ操作部３５２等の操作部から入力されてもよいが、予め棒金記憶部５０５等の記憶部に記憶されていてもよい。また、このように記憶部に記憶されている回収情報は自動で更新されてもよい。回収情報は、曜日や平日であるか否か等に応じて自動で更新されてもよい。一例としては、平日、土曜日、及び、日曜日と祝日の３つのカテゴリーに分け、カテゴリー毎に回収情報が記憶されていてもよい。また、回収情報は管理装置から入力されるようにしてもよい。

回収情報がＰＯＳ操作部３５２や操作表示部１５２のような操作部から直接入力される場合には、カードリーダ１７０，２７０，３６０によって読み取られたカード情報、又は、ＰＯＳ操作部３５２や操作表示部１５２のような操作部から入力されたＩＤ番号等の操作者情報に基づいて所定の権限を有する操作者（例えば店舗の管理者等）であると判断された場合にのみ、回収情報の入力が許可されてもよい。なお、ＩＤ番号が操作部から入力される場合には、パスワードの入力が要求されるようにしてもよい。カードリーダ１７０，２７０，３６０、ＰＯＳ操作部３５２及び操作表示部１５２の各々は、操作者を判断する「操作者判断部」に含まれている。

予め棒金記憶部５０５等の記憶部に記憶されている回収情報は、ＰＯＳ操作部３５２や操作表示部１５２のような操作部から入力されてもよい。この場合には、カードリーダによって読み取られたカード情報、又は、ＰＯＳ操作部３５２や操作表示部１５２のような操作部から入力されたＩＤ番号等の操作者情報に基づいて所定の権限を有する操作者（例えば店舗の管理者等）であると判断された場合にのみ、回収情報の入力が許可されてもよい。この際も、ＩＤ番号が操作部から入力される場合には、パスワードの入力が要求されるようにしてもよい。

棒金制御部５０２は、１つ以上の金種又は全ての金種に関して、収納棒金本数が収納予定棒金本数よりも小さい場合に、収納予定棒金本数と収納棒金本数との差分を不足情報として出力してもよい。このことは、後述するＰＯＳ表示部３５１等の表示部で表示されてもよいし、管理装置（外部装置の一種）の表示部で表示されてもよいし、音声出力部６１０からの音声で伝えられてもよいし、印刷部３７０が印刷することで伝えられてもよい。この不足情報に基づいて、例えば次の営業日に棒金を補充するようにしてもよい。

各棒金収納部５２０に対応したＬＥＤランプ等の個別報知部５９０（図５参照）が設けられていてもよい。そして、回収処理において、回収が必要な金種に対応する個別報知部５９０（複数の棒金収納部５２０が存在する場合には、例えば全ての棒金収納部５２０に対応するＬＥＤランプ）が点灯又は点滅することで、回収が必要な金種を報知できるようになっていてもよい。また、回収が必要な金種及び本数に対応する個別報知部５９０が点灯又は点滅することで、（例えば残置回収において）回収が必要な金種とその本数を報知できるようになっていてもよい。このように回収が必要な金種及び本数に対応する個別報知部５９０が点灯又は点滅する場合には、点灯又は点滅する個別報知部５９０の優先順位が予め設定されていてもよい。

なお、個別報知部５９０の点灯又は点滅は、回収処理の間だけ、より具体的には回収指令が入力されてから回収が終了した旨の指令が入力されるまでの間だけ、行われてもよい。

ちなみに、在高枚数が減ってきており補充が必要な金種に対応する個別報知部５９０（複数の棒金収納部５２０が存在する場合には、例えば全ての棒金収納部５２０に対応するＬＥＤランプ）が点灯又は点滅することで、補充が必要な金種を報知できるようになっていてもよい。また、補充が必要な金種及び本数に対応する個別報知部５９０が点灯又は点滅することで、補充が金種とその本数を報知できるようになっていてもよい。

また、全回収の指令が入力された場合に棒金ドロア５０６内に棒金が収納されていない場合や、残置回収の指令が入力された場合に棒金ドロア５０６内に収納されている棒金の金種別本数が残置回収指令で入力された棒金の金種別本数とが合致する場合には、棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対して開放されないようにしてもよい。この場合には、回収又は補充すべき棒金が存在しない旨の情報が棒金制御部５０２から出力され、その情報が、ＰＯＳ表示部３５１や操作表示部１５２等の表示部で表示されてもよいし、音声出力部６１０からの音声で伝えられてもよいし、印刷部３７０が印刷することで伝えられてもよい。

なお、全回収の指令が入力された場合に棒金ドロア５０６内に棒金が収納されていない場合や、残置回収の指令が入力された場合に棒金ドロア５０６内に収納されている棒金の金種別本数が残置回収指令で入力された棒金の金種別本数とが合致する場合であっても、念のために、棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対して開放されてもよい。但し、この場合でも、回収又は補充すべき棒金が存在しない旨の情報が棒金制御部５０２から出力されてもよい。

《ＰＯＳレジスタ３００》
次に、本実施の形態のＰＯＳレジスタ３００の構成について説明する。ＰＯＳレジスタ３００は、商品の購入情報を登録するとともに、硬貨処理装置１００や紙幣処理装置２００に対して指令を入力して、硬貨や紙幣の入金処理、出金処理、精査処理、回収処理等を行わせるようになっている。

図４に示すように、ＰＯＳレジスタ３００のＰＯＳ制御部３０２は、硬貨処理装置１００の上位制御部１０１に通信接続されるとともに、サーバ４００にも通信接続されている。そして、このＰＯＳ制御部３０２は、硬貨処理装置１００の上位制御部１０１を介して硬貨制御部１０２、紙幣制御部２０２及び棒金制御部５０２に指令を送り、この結果、硬貨処理装置１００に対して硬貨の入金処理、出金処理、精査処理、回収処理等を行わせ、紙幣処理装置２００に対して紙幣の入金処理、出金処理、精査処理、回収処理等を行わせ、棒金収納装置５００の棒金ドロア５０６のロックを解錠させたりするようになっていてもよい。また、ＰＯＳ制御部３０２は、硬貨制御部１０２、紙幣制御部２０２及び棒金制御部５０２から、上位制御部１０１を介して、硬貨処理装置１００、紙幣処理装置２００及び棒金制御部５０２における硬貨、紙幣及び棒金の処理状況や在高に係る情報を受け取るようになっていてもよい。

図１に示すように、ＰＯＳレジスタ３００は、店員等の操作者が操作することのできるＰＯＳ操作部３５２と、商品の取引状況、硬貨処理装置１００における硬貨の処理状況、紙幣処理装置２００における紙幣の処理状況、硬貨処理装置１００の内部に収納された硬貨の在高、紙幣処理装置２００の内部に収納された紙幣の在高、棒金収納装置５００の内部に収納された棒金の在高等を表示するＰＯＳ表示部３５１と、を備えている。そして、操作者は、ＰＯＳ操作部３５２を介してＰＯＳ制御部３０２（図参照）に対して様々な指令を与えることができるようになっている。なお、上述したＰＯＳ表示部３５１には、購入客に対して商品の購入代金を示したりするための購入客用表示部３５１ａ（図１参照）が含まれている。

図４に示すように、ＰＯＳレジスタ３００のＰＯＳ制御部３０２は、インターフェース３３２を介して、硬貨処理装置１００の上位制御部１０１やサーバ４００に対して信号の送受信を行うようになっている。また、ＰＯＳ記憶部３０５には、硬貨処理装置１００における硬貨の処理状況、硬貨処理装置１００の内部に収納された硬貨の在高、紙幣処理装置２００における紙幣の処理状況、紙幣処理装置２００の内部に収納された紙幣の在高、棒金収納装置５００の内部に収納された棒金の在高等の様々な情報が記憶されるようになっている。

また、ＰＯＳレジスタ３００は、クレジットカード等の各種カードを読み取るカードリーダ３６０と、プリンタ等からなる印刷部３７０も有してもよい。なお、ＰＯＳ表示部３５１で表示されるあらゆる情報やＰＯＳ記憶部３０５で記憶されているあらゆる情報は、当該印刷部３７０で印刷できるようになっている。

図４に示すように、ＰＯＳレジスタ３００のＰＯＳ制御部３０２には、カードリーダ３６０、プリンタ等からなる印刷部３７０、ＰＯＳ表示部３５１、ＰＯＳ操作部３５２、ＰＯＳ記憶部３０５、インターフェース３３２等がそれぞれ接続されている。そして、ＰＯＳ制御部３０２は、カードリーダ３６０、印刷部３７０、ＰＯＳ表示部３５１、ＰＯＳ操作部３５２、ＰＯＳ記憶部３０５等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。

なお、以下では、操作表示部１５２及びＰＯＳ表示部３５１のいずれか１つ以上を指す用語として「表示部４０」を用いる。また、操作表示部１５２及びＰＯＳ操作部３５２のいずれか１つ以上を指す用語として「操作部３０」を用いる。また、上位記憶部１５５、硬貨記憶部１０５、紙幣記憶部２０５、棒金記憶部５０５及びＰＯＳ記憶部３０５のうちのいずれか１つ以上を指す用語として「記憶部６０」を用いる。また、上位制御部１０１、硬貨制御部１０２、紙幣制御部２０２、棒金制御部５０２及びＰＯＳ制御部３０２のうちのいずれか１つ以上を指す用語として「制御部１０」を用いる。ちなみに、操作表示部１５２で表示される内容はＰＯＳ表示部３５１で表示されてもよく、逆に、ＰＯＳ表示部３５１で表示される内容は操作表示部１５２で表示されてもよい。また、操作表示部１５２から入力される操作はＰＯＳ操作部３５２から入力されてもよく、逆に、ＰＯＳ操作部３５２から入力される操作は操作表示部１５２から入力されてもよい。また、上位記憶部１５５、硬貨記憶部１０５、紙幣記憶部２０５、棒金記憶部５０５及びＰＯＳ記憶部３０５のうちのいずれか１つで記憶されている情報は、上位記憶部１５５、硬貨記憶部１０５、紙幣記憶部２０５、棒金記憶部５０５及びＰＯＳ記憶部３０５のうちの別の１つで記憶されてもよい。上位制御部１０１、硬貨制御部１０２、紙幣制御部２０２、棒金制御部５０２及びＰＯＳ制御部３０２のうちのいずれか１つで行われている制御は、上位制御部１０１、硬貨制御部１０２、紙幣制御部２０２、棒金制御部５０２及びＰＯＳ制御部３０２のうちの別の１つで行われてもよい。

《方法》
次に、本実施の形態の棒金収納装置５００又は貨幣処理システムを用いた処理方法について説明する。この「方法」においては、「構成」で述べた事項の全てを採用することができる。しかしながら、重複する記載となることから、以下では、適宜省略しつつ、取り得る態様を適宜列記して説明する。

本実施の形態の処理方法では、棒金ドロア５０６に収納されている棒金に関する収納棒金情報が取得される（棒金情報取得工程）。

棒金情報取得工程では、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６を開ける間又は棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６を閉める間に、第一光センサ５１１及びロータリエンコーダ５１０、又は、第一光センサ５１１、ロータリエンコーダ５１０及び第二光センサ５１２によって、収納棒金情報が取得されてもよい。

また、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が閉まっている間に、走査センサ５１５、又は、走査センサ５１５及び第二光センサ５１２によって、収納棒金情報が取得されてもよい。

また、棒金筐体５０３に対する棒金ドロア５０６の状態（開放、閉鎖等）に関係なく、材質検知センサ５１６、レバー５１３及び／又は第三光センサ５１４によって、収納棒金情報が取得されてもよい。この際にも第二光センサ５１２が用いられてもよい。

回収処理を行う場合には、操作部３０から回収指令が入力される（入力工程）。

そして、回収処理が終了した旨の入力が操作部３０から行われたり、棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対して閉じられたりすることで、制御部１０が、回収指令における回収情報と収納棒金情報とが整合しているかを判断する（判断工程）。

そして、判断工程の結果、回収情報と収納棒金情報とが整合していないときに制御部１０が異常処理を行う（異常処理工程）、又は、回収情報と収納棒金情報とが整合しているときに制御部１０が正常処理を行う（正常処理工程）。なお、異常処理工程及び正常処理工程の両方を行うようになっていてもよく、回収情報と収納棒金情報とが整合していないときには異常処理工程を行い、回収情報と収納棒金情報とが整合しているときには正常処理工程を行うようになっていてもよい。但し、異常処理工程及び正常処理工程のどちらか一方のみを行うようになっていてもよく、回収情報と収納棒金情報とが整合していないときには異常処理工程を行うが回収情報と収納棒金情報とが整合していても正常処理工程を行わず、又は、回収情報と収納棒金情報とが整合しているときには正常処理工程を行うが回収情報と収納棒金情報とが整合していなくても異常処理工程を行わないようになっていてもよい。

異常処理工程では、異常が発生した旨の情報が出力されてもよい。このような情報が出力された結果、閉鎖ロック部５６０が棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じた状態でロックしないようにしてもよい。このように閉鎖ロック部５６０が棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じた状態でロックしない結果、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が開放される（棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が飛び出て開いた状態になる）ようになってもよい。他方、閉鎖ロック部５６０によるロックと関係なく、モータが駆動される等して、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が開放されるようになっていてもよい。なお、異常が発生した旨の情報が出力された場合には、当該情報が表示部４０で表示されてもよいし、音声出力部６１０からの音声で伝えられてもよいし、印刷部３７０で印刷されてもよい。

入力工程で入力される回収指令には全回収指令が含まれてもよい。そして、棒金に関して全回収指令が入力された場合には、判断工程において、棒金ドロア５０６内に棒金が収納されていないときに、回収情報と収納棒金情報とが整合すると判断されることになる。

また、入力工程で入力される回収指令には残置回収指令が含まれてもよい。そして、棒金に関して残置回収指令が入力された場合には、判断工程において、残置回収指令において指定された棒金の金種別本数と、棒金ドロア５０６内に収納されている棒金の金種別本数とが合致するときに、回収情報と収納棒金情報とが整合すると判断されることになる。

棒金の回収処理を行う前に棒金ドロア５０６内に収納されていた回収前棒金情報を記憶部６０で記憶すること（回収前棒金情報記憶工程）を行ってもよい。一例としては、回収指令が入力された時点で棒金ドロア５０６に収納されている棒金に関する収納棒金情報が、回収前棒金情報として記憶部６０で記憶され、上書きによって消去されないようになる。そして、回収前棒金情報と収納棒金情報とに基づいて、回収処理で回収された棒金に関する回収棒金情報を制御部１０が生成すること（生成工程）を行ってもよい。

このように生成された回収棒金情報は制御部１０から出力されてもよい。このようにして出力された回収棒金情報は、表示部４０で表示されてもよいし、音声出力部６１０からの音声で伝えられてもよいし、印刷部３７０で印刷されてもよい。

棒金の回収処理は、硬貨及び紙幣の回収処理と連動して行われてもよい。このため、貨幣処理装置１００，２００における硬貨及び紙幣の回収処理が終了し、かつ、棒金収納装置５００における棒金の回収処理が終了したときに、全体の回収処理を制御部１０（例えば上位制御部１０）が終了させるようにしてもよい。また、貨幣処理装置１００，２００における硬貨及び紙幣の回収処理が終了し、かつ、棒金収納装置５００における棒金の回収処理が終了したときに、回収された硬貨、紙幣及び棒金に関する情報を制御部１０（例えば上位制御部１０）が出力するようにしてもよい。このようにして出力された情報は、表示部４０で表示されてもよいし、音声出力部６１０からの音声で伝えられてもよいし、印刷部３７０で印刷されてもよい。

［回収工程の一例］
ここで、回収工程の一例について説明する。ここで述べる態様はあくまでも一例であることには留意が必要である。なお、図８（ａ）（ｂ）の例では、操作部３０がタッチパネルからなる態様を用いて説明する。

まず、操作者が、カードリーダ１７０，２７０，３６０にカードを通す、又は、操作部３０からＩＤ番号及びパスワードを入力する。この結果、操作者が回収権限を有するかが制御部１０によって判断される（認証工程）。

操作者が回収権限を有することが制御部１０によって確認されると、操作者が表示部４０を操作して「回収」に対応するボタンを押下する（図８（ａ）参照）。ちなみに、図８（ａ）に示された「回収」の項目は、認証工程において操作者が回収権限を有することが確認された後で表示されるようにしてもよい。

このように「回収」を選択することで、図８（ｂ）に示す画像が表示部４０で表示される。図８（ｂ）における「残置回収」は硬貨、紙幣及び棒金に関して残置回収するためのモードであり、「全回収」は硬貨、紙幣及び棒金の全てを全回収するためのモードであり、「硬貨のみ全回収」は硬貨のみを全回収するためのモードであり、「紙幣のみ全回収」は紙幣のみを全回収するためのモードであり、「棒金のみ全回収」は棒金のみを全回収するためのモードであり、「個別回収」は硬貨、紙幣及び棒金のうち指定された金種の硬貨、紙幣又は棒金を全て回収するためのモードである。この例では、「全回収」が選択されたものとして、以下、説明する。なお、「回収」を選択する際には、表示部４０に表示された三角ボタン「▲」「▼」に対応するボタンを押下することで選択する項目を移動させ、「回収」という項目が選択された後で、「決定」に対応するボタンを押下すればよい。

図７のフローで示すように、全回収の指令を受けると（図７のＳ１１のＹＥＳを参照）、硬貨、紙幣及び棒金の各々に関して全回収処理が行われる（図７のＳ１２乃至Ｓ１４を参照）。なお、硬貨、紙幣及び棒金の全回収は、並列して行われてもよいし、適宜な順番で順次行われてもよい。また、このように全回収の指令が入力されると、制御部１０からの指令によって、硬貨処理装置１００、紙幣処理装置２００及び棒金収納装置５００の各々で全回収処理が行われる。典型的には、硬貨制御部１０２からの指令によって硬貨処理装置１００で硬貨の全回収処理が行われ、紙幣制御部２０２からの指令によって紙幣処理装置２００で紙幣の全回収処理が行われ、棒金制御部５０２からの指令によって棒金収納装置５００で棒金の全回収処理が行われる。

［硬貨処理装置１００における全回収処理］
まず、硬貨処理装置１００における全回収処理について説明する。

全回収をする旨の指令が入力されると、硬貨収納部１６０内に収納された硬貨の全てが硬貨収納部１６０から繰り出される（図９の（１）参照）。なお、このように回収処理を行う場合には、開閉部１９４が揺動されて開口部１９３ａが開状態となり、硬貨回収用部材７００が硬貨払出部１９０に取り付けられる。なお、このような硬貨回収用部材７００が用いられる必要は必ずしもなく、回収用袋や回収用箱等が単純に出金部本体１９２の下方に載置されるようにしてもよい。なお、硬貨収納部１６０から硬貨を回収する際には、全ての金種の硬貨を一斉に回収する「一斉回収」と、金種別に硬貨を回収する「金種別回収」とがある。そして、一斉回収するか金種別回収をするかについては、操作部３０から入力されるようにしてもよい。

上述のようにして硬貨収納部１６０から出金経路に硬貨が繰り出されると、出金経路に繰り出された硬貨は、出金硬貨搬送部１８０によって図９の下方に向かって搬送される（図９の（２）参照）。そして、当該硬貨は、硬貨筐体１０５の外方に繰り出されて、出金部本体１９２の底面の開口部１９３ａから硬貨回収用部材７００の回収用受入部７４０内に落下され（図９の（３）参照）、収納体タイプの場合には当該回収用受入部７４０によってそのまま回収され、シュートタイプの場合には回収用受入部７４０の下方に載置された回収用収容部７４５によって回収されることとなる。なお、硬貨収納部１６０から出金経路への硬貨の繰り出しは、硬貨の詰まりが起こらないペースで行われる。

ちなみに、硬貨収納部１６０から繰り出された硬貨の金種別枚数は、金種別硬貨収納部１６１の各々に対して設けられた検知センサ１６５（図４参照）からの情報によって計数されてもよい。また、硬貨収納部１６０から繰り出された硬貨の金種を判別するための出金硬貨識別部（図示せず）が設けられていてもよく、この出金硬貨識別部からの情報によって硬貨収納部１６０から繰り出された硬貨の金種別枚数が計数されてもよい。

硬貨収納部１６０内の硬貨が全て繰り出され、出金搬送路にも硬貨が残っていない場合には、硬貨についての回収処理が終了となる。このように回収処理が終了されると、制御部１０（典型的には硬貨制御部１０２）から硬貨の回収情報（一例としては回収された硬貨の金種別枚数）がＰＯＳレジスタ３００に送信され、ＰＯＳ記憶部３０５で記憶される。なお、硬貨の回収処理が終了したか否かについては、回収処理を開始する時点での硬貨収納部１６０内に収納されていた硬貨の金種別枚数と、実際に出金された硬貨の金種別枚数とが合致するか否かで判断されてもよい。

また、このように硬貨についての回収処理が終了すると、回収用受入部７４０、回収用収容部７４５等は片付けられてもよい。なお、出金硬貨識別部及び補助収納部１９９が設けられている態様を採用した場合であって、リジェクト硬貨が補助収納部１９９内に収納されているときには、回収処理の際に、当該リジェクト硬貨が補助収納部１９９から回収されてもよい。

［紙幣処理装置２００における全回収処理］
次に、紙幣処理装置２００における全回収処理について説明する。

まず、３つの紙幣収納部２６０のうちの一つから紙幣が一枚ずつ繰り出されて、回収カセット２３５に搬送される（図２参照）。この際、紙幣収納部２６０から繰り出された紙幣は紙幣識別部２５０で識別計数された後で回収カセット２３５に搬送されることになる。なお、紙幣識別部２５０で識別できない紙幣は出金リジェクト部２３０に搬送されることになる。このようにして当該紙幣収納部２６０内の紙幣の全てが繰り出されると、別の紙幣収納部２６０から紙幣が一枚ずつ繰り出されて、上述した態様と同様にして、収納されている紙幣の全てが繰り出される。その後、さらに別の紙幣収納部２６０から紙幣が一枚ずつ繰り出されて、上述した態様と同様にして、収納されている紙幣の全てが繰り出される。

３つの紙幣収納部２６０内の紙幣が全て繰り出され、搬送路にも紙幣が残っていない場合には、紙幣についての回収処理が終了となる。このように回収処理が終了されると、制御部１０（典型的には紙幣制御部２０２）から紙幣の回収情報（一例としては回収された紙幣の金種別枚数）がＰＯＳレジスタ３００に送信され、ＰＯＳ記憶部３０５で記憶される。なお、紙幣の回収処理が終了したか否かについては、回収処理を開始する時点での紙幣収納部２６０内に収納されていた紙幣の金種別枚数と、実際に出金された紙幣の金種別枚数とが合致するか否かで判断されてもよい。

また、このように紙幣についての回収処理が終了すると、回収カセット２３５が紙幣筐体２０３から取り外されて回収されたり、出金リジェクト部２３０から出金リジェクト紙幣が取り出されたりして、全ての紙幣が回収される。

［棒金収納装置５００における全回収処理］
次に、棒金収納装置５００における全回収処理について説明する。

上述したように全回収の指令が入力されるか、全回収の指令に加えて棒金ドロア５０６を開放する旨の入力が行われることで、閉鎖ロック部５６０による棒金ドロア５０６の棒金筐体５０３に対するロックが解錠される。その結果、棒金ドロア５０６と棒金筐体５０３との間に設けられた弾性部材からの付勢力で、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が開放される（図１参照）。

次に、操作者が棒金ドロア５０６内に収納された棒金の全てを取り出す。

次に、棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じる。この例では、このように棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じる際に、棒金情報取得部によって、棒金ドロア５０６内に収納された棒金の金種別本数が取得される。

そして、棒金の全てが回収されたと判断されると、棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じたときに、閉鎖ロック部５６０によって棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対してロックされる。

そして、回収前棒金情報と収納棒金情報（この例では、全ての金種の棒金の在高が「０」とされる。）とに基づいて、回収処理で回収された棒金に関する回収棒金情報が生成される。そして、この回収棒金情報がＰＯＳレジスタ３００に送信され、ＰＯＳ記憶部３０５で記憶される。

他方、棒金の全てが回収されていないと判断されると、棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じても、閉鎖ロック部５６０によって棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対してロックされず、又は、一旦は閉鎖ロック部５６０によって棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対してロックされるがそのロックが解錠されて、棒金ドロア５０６と棒金筐体５０３との間に設けられた弾性部材からの付勢力で、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が開放される。

このように棒金が残っている場合には、棒金が残っていることが制御部１０から出力されて、表示部４０で表示されたり、音声出力部６１０からの音声で伝えられたり、印刷部３７０によって印刷されたりする。図１３に示す態様では、「棒金が残っています。全て取り出してください。」という情報が表示部４０で表示されている。

そして、棒金収納装置５００に残っている棒金が回収されて、棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対して閉じられると、閉鎖ロック部５６０によって棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対してロックされる。

そして、回収前棒金情報と収納棒金情報（この例では、全ての金種の棒金の在高が「０」とされる。）とに基づいて、回収処理で回収された棒金に関する回収棒金情報が生成される。そして、この回収棒金情報がＰＯＳレジスタ３００に送信され、ＰＯＳ記憶部３０５で記憶される。

以上のようにして、硬貨処理装置１００から硬貨が全回収され、紙幣処理装置２００から紙幣が全回収され、棒金収納装置５００から棒金が全回収されると（図７のＳ２１のＹＥＳを参照）、全回収された情報が印刷部３７０によって印刷される（図７のＳ２２参照）。より具体的には、硬貨処理装置１００から回収された硬貨の金種別枚数、紙幣処理装置２００から回収された紙幣の金種別枚数、及び、棒金収納装置５００から回収された棒金の金種別本数が出力され、印刷部３７０で印刷される（図１４参照）。図１４では印刷部３７０で印刷された印刷物（ジャーナル）が示されている。印刷物には、店舗情報（図１４では「○○○スーパー」）、レジ識別情報（図１４では「×××レジ」）、棒金の金種別本数、硬貨及び紙幣の金種別枚数、回収された金額の総合計、印刷日時（印刷日だけでもよい。）が印刷されている。

以上のようにして回収された硬貨、紙幣及び棒金は、例えば、店舗の売り場からバックヤードの出納室へと搬送される。そして、場合によっては、出納室に設置された売上金管理装置（図示せず）によって又は手作業で、硬貨処理装置１００から回収された硬貨の金種別枚数、紙幣処理装置２００から回収された紙幣の金種別枚数、及び、棒金収納装置５００から回収された棒金の金種別本数が再度確認される。なお、硬貨及び紙幣に関しては売上金管理装置によって再度確認され、棒金に関しては手作業で再度確認されるようにしてもよい。

［回収工程の別の例］
次に、残置回収が選択された場合の例を用いて説明する。ここで述べる態様もあくまでも一例であることには留意が必要である。また、上述した例と重複することから、適宜省略しつつ説明を行う。

まず、操作者が、カードリーダ１７０，２７０，３６０にカードを通す、又は、操作部３０からＩＤ番号及びパスワードを入力する。この結果、操作者が回収権限を有するかが制御部１０によって判断される（認証工程）。

操作者が回収権限を有することが制御部１０によって確認されると、操作者が操作部３０を操作して「回収」を選択する（図８（ａ）参照）。このように「回収」を選択することで、図８（ｂ）に示す画像が表示部４０で表示される。この例では、硬貨、紙幣及び棒金の各々に関して「残置回収」が選択されたものとして、以下、説明する。ちなみに、図８（ｂ）に示す画像で「残置回収」を選択すると、硬貨及び紙幣の各々に関して棒金収納装置５００内に残したい枚数と、棒金に関して棒金収納装置５００内に残したい本数とが入力できるようになっていてもよい。

［硬貨処理装置１００における残置回収処理］
まず、硬貨処理装置１００における残置回収処理について説明する。

残置回収をする旨の指令が入力されると、指定された金種別の残置枚数と金種別の在高枚数とが比較され、金種毎に過不足枚数が算出される。そして、過剰な金種の硬貨に関しては、過剰な分だけ硬貨収納部１６０から繰り出されて、上述した例と同様の態様で、回収用受入部７４０又は回収用収容部７４５によって回収される。

他方、不足している金種の硬貨に関しては、不足分を記憶部６０で記憶しておき、後に行われる（例えば翌日に行われる）補充処理の際に、不足している硬貨の補充を表示部４０又は音声出力部６１０等から要求するようにすればよい。なお、不足している硬貨の情報に関しては、補充処理を行う旨の入力が行われることで表示部４０に表示されるようにしてもよいが、通常処理の間も連続的又は断続的に表示部４０で表示され続けてもよい。また、不足している金種の硬貨が存在している場合であっても、操作部３０から後で補充する旨の入力を行うことで正常な状態であると制御部１０で判断されるようにしてもよい。

過剰な金種の硬貨に対する回収処理が終了すると、制御部１０（典型的には硬貨制御部１０２）から硬貨の回収情報（一例としては回収された硬貨の金種別枚数）がＰＯＳレジスタ３００に送信され、ＰＯＳ記憶部３０５で記憶される。

［紙幣処理装置２００における残置回収処理］
次に、紙幣処理装置２００における残置回収処理について説明する。

残置回収をする旨の指令が入力されると、指定された金種別の残置枚数と金種別の在高枚数とが比較され、金種毎に過不足枚数が算出される。そして、過剰な金種の紙幣に関しては、過剰な分だけ紙幣収納部２６０から繰り出されて、上述した例と同様の態様で、回回収カセット２３５で回収される。

他方、不足している金種の紙幣に関しては、不足分を記憶部６０で記憶しておき、後に行われる（例えば翌日に行われる）補充処理の際に、不足している紙幣の補充を表示部４０又は音声出力部６１０等から要求するようにすればよい。なお、不足している紙幣の情報に関しては、補充処理を行う旨の入力が行われることで表示部４０に表示されるようにしてもよいが、通常処理の間も連続的又は断続的に表示部４０で表示され続けてもよい。また、不足している金種の紙幣が存在している場合であっても、操作部３０から後で補充する旨の入力を行うことで正常な状態であると制御部１０で判断されるようにしてもよい。

過剰な金種の紙幣に対する回収処理が終了すると、制御部１０（典型的には紙幣制御部２０２）から硬貨の回収情報（一例としては回収された紙幣の金種別枚数）がＰＯＳレジスタ３００に送信され、ＰＯＳ記憶部３０５で記憶される。

［棒金収納装置５００における残置回収処理］
次に、棒金収納装置５００における残置回収処理について説明する。

上述したように残置回収の指令が入力されるか、残置回収の指令に加えて棒金ドロア５０６を開放する旨の入力が行われることで、閉鎖ロック部５６０による棒金ドロア５０６の棒金筐体５０３に対するロックが解錠される。その結果、棒金ドロア５０６と棒金筐体５０３との間に設けられた弾性部材からの付勢力で、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が開放される。

次に、操作者が棒金ドロア５０６内に収納された棒金のうち、残したい金種別棒金の本数と比較して余分な棒金を取り出す。このような余分な棒金の取り出しに先立って、余分な棒金（すなわち、回収すべき棒金）の金種別本数が表示部４０で表示されてもよいし、音声出力部６１０で出力されてもよい。

次に、棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じる。この例では、このように棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じる際に、棒金情報取得部によって、棒金ドロア５０６内に収納された棒金の金種別本数が取得される。

そして、残された金種別の棒金の本数が残置回収指令のあった残置すべき棒金の本数と合致すると判断されると、棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じたときに、閉鎖ロック部５６０によって棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対してロックされる。ちなみに、不足する棒金の金種が存在する場合であっても、操作部３０から後で補充する旨の入力を行うことで正常な状態であると制御部１０で判断されるようにしてもよい。

そして、回収前棒金情報と収納棒金情報（この例では、残された棒金の金種別本数）とに基づいて、回収処理で回収された棒金に関する回収棒金情報が生成される。そして、この回収棒金情報がＰＯＳレジスタ３００に送信され、ＰＯＳ記憶部３０５で記憶される。

他方、（後で補充する旨の入力が行われた金種以外において）残された金種別の棒金の本数が残置回収指令のあった棒金の本数と合致しないと判断されると、棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じても、閉鎖ロック部５６０によって棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対してロックされず、又は、一旦は閉鎖ロック部５６０によって棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対してロックされるがそのロックが解錠されて、棒金ドロア５０６と棒金筐体５０３との間に設けられた弾性部材からの付勢力で、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が開放される。

このように残された金種別の棒金の本数が残置回収指令のあった棒金の本数と合致しない場合には、適切な本数の棒金が残されていないことや各金種に関する棒金の過不足本数が制御部１０から出力されて、表示部４０で表示されたり、音声出力部６１０からの音声で伝えられたり、印刷部３７０によって印刷されたりする。一例としては、「１００円棒金が１本多いので、回収して下さい」や「１００円棒金が１本少ないので、補充して下さい」という内容が、表示部４０で表示されたり、音声出力部６１０からの音声で伝えられたり、印刷部３７０によって印刷されたりする。ちなみに、棒金の本数が不足している状況は、棒金を誤って取り出し過ぎているときにも発生しうる。このような場合には、取り出し過ぎた棒金を棒金収納装置５００に戻すことで、残すべき本数の棒金を棒金収納装置５００内に残すことができる。

そして、棒金収納装置５００に適切な本数の棒金が残るように棒金が回収される、及び／又は、不足している金種の棒金に関して操作部３０から後で補充する旨が入力された後で、棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対して閉じられると、閉鎖ロック部５６０によって棒金ドロア５０６が棒金筐体５０３に対してロックされる。

そして、回収前棒金情報と収納棒金情報とに基づいて、回収処理で回収された棒金に関する回収棒金情報が生成される。そして、この回収棒金情報がＰＯＳレジスタ３００に送信され、ＰＯＳ記憶部３０５で記憶される。

以上のようにして、硬貨処理装置１００から硬貨が残置回収され、紙幣処理装置２００から紙幣が残置回収され、棒金収納装置５００から棒金が残置回収されると、残置回収された情報が印刷部３７０によって印刷される。より具体的には、硬貨処理装置１００から回収された硬貨の金種別枚数、紙幣処理装置２００から回収された紙幣の金種別枚数、及び、棒金収納装置５００から回収された棒金の金種別本数が出力され、印刷部３７０で印刷される。

《効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態によって達成される効果であって、まだ述べていない効果又はとりわけ重要な効果について説明する。

本実施の形態によれば、回収情報と収納棒金情報とが整合していないときに異常処理を行う、又は、回収情報と収納棒金情報とが整合しているときに正常処理を行う。このため、従来からある棒金収納装置５００と比較して、棒金収納装置５００からの棒金の回収をより確実に行わせることができる。したがって、棒金収納装置５００から棒金の回収を忘れて、棒金を棒金収納装置５００内に放置したままになってしまったり、出納室から売り場に戻って再度、棒金収納装置５００から棒金を回収したりすることを防止することができる。

ちなみに、回収処理を行う際に、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が自動で開放される（自動で飛び出る）態様において、棒金の全回収をし忘れる場合とは、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が開放されたにもかかわらず、棒金ドロア５０６内の棒金の回収をし忘れてしまったことを想定することになる。このようなミスは起こりにくいと考えるかも知れないが、回収処理を行う際に棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が自動で開放される（自動で飛び出る）態様においても全回収すべき棒金を棒金ドロア５０６内に残してしまうという問題が、実際に生じていることには留意が必要である。

本実施の形態において、回収情報と収納棒金情報とが整合していないときに異常が発生した旨の情報が出力される態様を採用した場合には、回収情報と収納棒金情報とが整合していないことを操作者がより確実に認識することができる。さらに具体的には、異常処理において、異常が発生した旨の情報が出力され、異常が発生したことが表示部４０で表示されたり、音声出力部６１０からの音声で伝えられたり、印刷部３７０によって印刷されたりする場合には、視覚を通じて又は聴覚を通じて回収情報と収納棒金情報とが整合していないことを、操作者が認識できる。

また、異常処理において閉鎖ロック部５６０が棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じた状態でロックしないようにする態様を採用した場合には、ロックがかからないことで回収情報と収納棒金情報とが整合していないことを、操作者は認識することができる。なお、この態様において、閉鎖ロック部５６０が棒金ドロア５０６を棒金筐体５０３に対して閉じた状態でロックしない結果、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が開放されるようになっている場合には、回収情報と収納棒金情報とが整合していないときには棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が飛び出て開いた状態となることから、より容易に異常が発生したことを操作者が認識できる。当然、閉鎖ロック部５６０によるロックと関係なく、異常処理において、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が開放されるようになる態様を採用した場合にも、上記と同様、容易に回収情報と収納棒金情報とが整合していないことを操作者が容易に認識できる。

本実施の形態による態様は、全回収及び残置回収の両方において採用することができる。このため、全回収指令が操作部３０から入力された場合に、全回収をより確実に行うことを期待することができるし、残置回収指令が操作部３０から入力された場合に、残置回収をより確実に行うことを期待することができる。

回収前棒金情報と収納棒金情報とに基づいて、回収処理で回収された棒金に関する回収棒金情報が生成される態様を採用した場合には、回収された棒金に関する情報を回収棒金情報によって記憶部６０で記憶して管理することができる。また、この回収棒金情報が制御部１０から出力されて、表示部４０で表示されたり、音声出力部６１０からの音声で伝えられたり、印刷部３７０によって印刷されたりする場合には、視覚を通じて又は聴覚を通じて回収棒金情報を、操作者が認識できる。

回収情報が、予め記憶部６０に記憶されている態様を採用した場合には、操作者が入力することなく記憶部６０に記憶された回収情報に基づいて棒金の回収処理を行うことができる。また、記憶部６０に記憶されている回収情報が自動で更新される態様を採用した場合には、更新されて適切な内容になっている回収情報に基づいて棒金の回収処理を行うことができる。他方、操作部３０から回収情報が入力される場合には、その時点で回収したい内容で棒金の回収処理を行うことができる。

また、回収処理において、回収が必要な金種に対応する個別報知部５９０が点灯又は点滅することで回収が必要な金種を報知する態様を採用する場合には、棒金の回収をし忘れてしまうことを防止することができる。また、回収処理において、回収が必要な金種及び本数に対応する個別報知部５９０が点灯又は点滅することで回収が必要な金種とその本数を報知する態様を採用する場合には、（特に残置回収においてより確実に）棒金の回収をし忘れてしまうことを防止することができる。ちなみに、点灯又は点滅する個別報知部５９０の優先順位が予め設定されている場合には、回収してもらいたい棒金を優先的に回収させることができる。

また、貨幣処理装置１００，２００における硬貨及び紙幣の回収処理が終了し、かつ、棒金収納装置５００における棒金の回収処理が終了したときに、全体の回収処理を終了させる態様を採用した場合には、硬貨、紙幣及び棒金の全ての回収処理を確実に終了させることを期待できる。

また、貨幣処理装置１００，２００における硬貨及び紙幣の回収処理が終了し、かつ、棒金収納装置５００における棒金の回収処理が終了したときに、回収された硬貨、紙幣及び棒金に関する情報を出力する態様を採用した場合には、回収処理が終了した後で情報が出力されるので、回収された硬貨、紙幣及び棒金に関する確実な情報を管理することができる。回収された硬貨、紙幣及び棒金に関する情報には、回収された硬貨の金種別枚数、紙幣の金種別枚数及び棒金の金種別本数や、回収された日時、回収を行った担当者等に関する情報が含まれてもよく、これらの情報が記憶部６０で記憶されて管理されてもよい。また、回収処理の間に異常が発生した場合には、異常が発生した日時、発生した異常の内容、その異常が解消されたのかそれとも強制的に終了されたのか等に関する情報も出力されてもよい。この場合には、これらの情報が記憶部６０で記憶されて管理されてもよい。

なお、複数の棒金収納部５２０が存在する金種に対して棒金収納部５２０に収納されている棒金の本数が予め設定された下限を下回るかが制御部１０で判断され、予め設定された下限を下回る金種の棒金が存在する場合に制御部１０がそのことを出力する態様を採用した場合には、棒金の本数が予め設定された下限を下回ることを迅速に把握することができる。このような判断は、常時行われてもよいが、一定の周期で確認されるようにしてもよい。また、このような判断は、通常処理の間に行われてもよいし、補充処理の間に行われてもよい。なお、一つの棒金収納部５２０しか存在しない金種に関しては、当該金種の棒金がなくなったときに異常処理が行われてもよい。

また、予め設定された下限を下回るかについては、硬貨（バラ硬貨）の在高を考慮するようにしてもよい。仮に棒金収納部５２０に収納されているある金種の棒金の本数が０本になった場合であっても、硬貨収納部１６０に当該ある金種のバラ硬貨が所定枚数以上ある場合には異常処理を行わないようにしてもよい。硬貨が存在する場合には、当面は通常処理を継続することができるためである。また、予め設定された下限を下回るかについては、「１」がつく金種の硬貨、つまり１００円硬貨、１０円硬貨及び１円硬貨に対して行われ、「５」がつく金種の硬貨、つまり５０円硬貨及び５円硬貨に対して行われないようにしてもよい。「５」がつく金種の硬貨については「１」がつく金種の硬貨によって代替え出金することができるためである。

記憶部６０に記憶された収納予定棒金本数が自動で更新されるようにしてもよい。この態様を採用した場合には、状況に応じて適切な収納予定棒金本数が自動で設定されることになるので、運用に適した本数の棒金を棒金収納装置５００で収納することができる。より具体的には、各金種に関して、記憶部６０に記憶された収納予定棒金本数が自動で更新されてもよく、この場合には、各金種の棒金の本数を運用に適したものにすることができる。

自動で設定される収納予定棒金本数が曜日や平日であるか否か等に応じて自動で更新される場合には、曜日や平日であるか否かに応じて変化する必要な棒金の本数が設定されることになる。また、自動で設定される棒金の本数は操作者等が予め設定してもよいが、過去の一定期間（例えば過去３か月、６か月、１年等）の履歴を参照にして、曜日や平日であるか否かに応じて、制御部１０が自動で設定するようにしてもよい。

収納予定棒金本数が操作部３０から入力される態様を採用した場合には、収納予定棒金本数を自在に変更することができるので、より柔軟な態様で運用することができる。収納予定棒金本数に関するこのような入力が操作者情報に基づいて所定の権限を有する操作者であると判断された場合にのみ許可される態様を採用した場合には、収納予定棒金本数が権限のない者によって無断で変更されるリスクを低減することができる。

また、制御部１０が、一つ以上の金種又は全ての金種に関して、収納棒金本数が収納予定棒金本数よりも小さいときに収納予定棒金本数と収納棒金本数との差分を不足情報として出力する態様を採用した場合には、どの金種の棒金がどの程度不足しているかを操作者が把握することができ、棒金の補充処理をより円滑に行うことができる。

ところで、上述した各実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。

したがって、「表示部４０」で表示されている内容は、貨幣処理装置１００，２００及びＰＯＳレジスタ３００以外の外部装置（例えば管理装置）の外部表示部で表示されてもよい。「操作部３０」から入力される操作は、貨幣処理装置１００，２００及びＰＯＳレジスタ３００以外の外部装置の外部操作部から入力されてもよい。「記憶部６０」で記憶されている情報は、貨幣処理装置１００，２００及びＰＯＳレジスタ３００以外の外部装置の外部記憶部で記憶されてもよい。「制御部１０」で行われている制御は、貨幣処理装置１００，２００及びＰＯＳレジスタ３００以外の外部装置の外部制御部１０で行われてもよい。

また、図１５に示すように複数段の棒金ドロア５０６ａ，５０６ｂ，５０６ｃが設けられてもよい。このような態様では、一斉に全ての棒金ドロア５０６ａ，５０６ｂ，５０６ｃが開放され、回収処理が終了した棒金ドロア５０６ａ，５０６ｂ，５０６ｃから順次閉じられてロックされるようにしてもよい。また、一つずつ棒金ドロア５０６ａ，５０６ｂ，５０６ｃが順次開放され、回収処理が終了すると、次の棒金ドロア５０６ａ，５０６ｂ，５０６ｃが開放されるようにしてもよい。なお、回収される棒金が存在しない棒金ドロア５０６ａ，５０６ｂ，５０６ｃに関しては開放されないようにしてもよい。このような態様を採用することで、開放された棒金ドロア５０６ａ，５０６ｂ，５０６ｃについてのみ回収処理を行えばよくなり、棒金ドロア５０６ａ，５０６ｂ，５０６ｃからの棒金の回収を効率よく行うことができるようになる。このように複数段の棒金ドロア５０６ａ，５０６ｂ，５０６ｃが設けられた態様では、対象となった全ての棒金ドロア５０６ａ，５０６ｂ，５０６ｃに対する回収処理が終了することで、棒金の回収処理が終了するようにしてもよい。なお、図１５では、図１及び図２に示された硬貨処理装置１００及び棒金収納装置５００に含まれる部材と同様の機能を有する部材には同じ参照番号を付して示した（但し「’」は付けた。）。

また、図１６及び図１７に示すように、紙葉類又は（バラ）硬貨を収納する補助収納部５８０が設けられてもよい。補助収納部５８０は、紙幣以外の紙葉類を収納する現金外紙葉類収納部５８２と、入金リジェクト紙幣を収納するリジェクト紙幣収納部５８１と、予備硬貨を収納する予備硬貨収納部５８３と、入金リジェクト硬貨を収納するリジェクト硬貨収納部５８６と、余った硬貨を収納する余剰硬貨収納部５８７と、を有していてもよい。なお、紙幣以外の紙葉類とは、例えば小切手や商品券などのことを意味する。また、棒金ドロア５０６”には、現金外紙葉類収納部５８２内に紙幣以外の紙葉類を投げ入れるためのスリット５８２ａが設けられ、リジェクト硬貨収納部５８６内にリジェクト硬貨を投げ入れるためのスリット５８６ａが設けられてもよい。また、スリット５８２ａ及びスリット５８６ａを紙幣以外の紙葉類やリジェクト硬貨が通過した場合に、そのことを検知する検知センサ５９９が設けられてもよい（図１７参照）。ちなみに、図１６及び図１７でも、図１及び図２に示された棒金収納装置５００に含まれる部材と同様の機能を有する部材には同じ参照番号を付して示した（但し「”」は付けた。）。

図１７に示すように、補助収納部５８０には、有無検知を行う検知センサ５９１ａ−５９３ｂが設けられていてもよい。より具体的には、予備硬貨収納部５８３には検知センサ５９１ａ，５９１ｂが設けられ、複数に区切られた予備硬貨収納部５８３を一対の検知センサ５９１ａ，５９１ｂで検出するようになっていてもよい。また、棒金筐体５０３の下面内方であって、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が閉まっているときの予備紙幣収納部５８１の下方の位置に、反射式の検知センサ５９２ａ，５９２ｂが設けられてもよい。また、棒金筐体５０３の下面内方であって、棒金筐体５０３に対して棒金ドロア５０６が閉まっている現金外紙葉類収納部５８２の下方の位置に、反射式の検知センサ５９３ａ，５９３ｂが設けられていてもよい。また、リジェクト硬貨収納部５８６には検知センサ（図示せず）が設けられ、リジェクト硬貨収納部５８６内に収納された硬貨の有無を検知できるようになっていてもよい。また、余剰硬貨収納部５８７には検知センサ（図示せず）が設けられ、余剰硬貨収納部５８７内に収納された硬貨の有無を検知できるようになっていてもよい。これらの検知センサを採用した場合には、補助収納部５８０内に、紙幣以外の紙葉類、入金リジェクト紙幣、予備硬貨、入金リジェクト硬貨及び余剰硬貨が存在しているかを検知することができる。このため、回収処理の際に、これらが棒金収納装置５００内に残されているか否かを検知し、検知結果を出力できるようにしてもよい。なお、紙幣以外の紙葉類、入金リジェクト紙幣、予備硬貨、入金リジェクト硬貨及び余剰硬貨に関しては、回収の種類に関係なく（全回収ではなく例えば残置回収等であっても）回収されるようにしてもよい。

１０ 制御部
３０ 操作部
４０ 表示部
６０ 記憶部
１００ 硬貨処理装置
１０１ 上位制御部
１０２ 硬貨制御部
１０５ 硬貨記憶部
１５２ 操作表示部
１５５ 上位記憶部
２００ 紙幣処理装置
２０２ 紙幣制御部
２０５ 紙幣記憶部
３００ ＰＯＳレジスタ
３０２ ＰＯＳ制御部
３５１ ＰＯＳ表示部
３５２ ＰＯＳ操作部
５００ 棒金収納装置
５０２ 棒金制御部
５０３ 棒金筐体（筐体）
５０６ 棒金ドロア（棒金収納庫）
５１０ ロータリエンコーダ（変位検出部，棒金情報取得部）
５１１ 第一光センサ（棒金情報取得部）
５１２ 第二光センサ（棒金情報取得部）
５１３ レバー（棒金情報取得部）
５１４ 第三光センサ（棒金情報取得部）
５１５ 走査センサ（棒金情報取得部）
５１６ 材質検知センサ（棒金情報取得部）

Claims (15)

1. 筐体と、
   前記筐体に対して開閉可能な棒金収納庫と、
   前記棒金収納庫に収納されている棒金に関する収納棒金情報を取得する棒金情報取得部と、
   回収指令を受け取り、前記回収指令における回収情報と前記収納棒金情報とが整合しているかを判断する制御部であって、前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合していないときに異常処理を行う、又は、前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合しているときに正常処理を行う制御部と、
   を備えたことを特徴とする棒金収納装置。
2. 前記異常処理は、異常が発生した旨の情報を出力することを含むことを特徴とする請求項１に記載の棒金収納装置。
3. 前記棒金収納庫を前記筐体に対してロックするロック部をさらに備え、
   前記異常処理は、前記ロック部によって前記棒金収納庫を前記筐体に対してロックしないことを含むことを特徴とする請求項１又は２のいずれかに記載の棒金収納装置。
4. 前記異常処理は、前記筐体に対して前記棒金収納庫を開放することを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の棒金収納装置。
5. 前記回収指令は全回収指令を含み、
   前記全回収指令を受け取った場合には、前記棒金収納庫内に棒金が収納されていないときに、前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合することを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項に記載の棒金収納装置。
6. 前記回収指令は残置回収指令を含み、
   前記残置回収指令を受け取った場合には、前記残置回収指令において指定された棒金の金種別本数と、前記棒金収納庫内に収納されている棒金の金種別本数とが合致するときに、前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合することを特徴とする請求項１乃至５のいずれか１項に記載の棒金収納装置。
7. 回収処理を行う前に前記棒金収納庫内に収納されていた回収前棒金情報を記憶する記憶部をさらに備え、
   前記制御部は、前記回収前棒金情報と前記収納棒金情報とに基づいて、前記回収処理で回収された棒金に関する回収棒金情報を生成することを特徴とする請求項１乃至６のいずれか１項に記載の棒金収納装置。
8. 前記棒金情報取得部は、前記筐体に対して前記棒金収納庫を開ける間又は前記筐体に対して前記棒金収納庫を閉める間に、前記収納棒金情報を取得することを特徴とする請求項１乃至７のいずれか１項に記載の棒金収納装置。
9. 前記棒金情報取得部は、前記筐体に対して前記棒金収納庫が開いている間又は閉まっている間に、前記収納棒金情報を取得することを特徴とする請求項１乃至７のいずれか１項に記載の棒金収納装置。
10. バラ貨幣を処理する貨幣処理装置と、
    筐体と、前記筐体に対して開閉可能な棒金収納庫と、前記棒金収納庫に収納された棒金に関する収納棒金情報を取得する棒金情報取得部と、を有する棒金収納装置と、
    を備え、
    回収指令が入力されると、前記貨幣処理装置内に収納されている貨幣を出金するとともに、前記棒金収納装置の前記棒金収納庫を前記筐体に対して開放する制御を行うことを特徴とする貨幣処理システム。
11. バラ貨幣を処理する貨幣処理装置と、
    筐体と、前記筐体に対して開閉可能な棒金収納庫と、前記棒金収納庫に収納された棒金に関する収納棒金情報を取得する棒金情報取得部と、を有する棒金収納装置と、
    を備え、
    回収指令における回収情報と前記収納棒金情報とが整合しているかを判断し、前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合していないときに異常処理を行う、又は、前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合しているときに正常処理を行うことを特徴とする貨幣処理システム。
12. 前記貨幣処理装置におけるバラ貨幣の回収処理が終了し、かつ、前記棒金収納装置における棒金の回収処理が終了したときに、全体の回収処理を終了させることを特徴とする請求項１０又は１１のいずれかに記載の貨幣処理システム。
13. 回収されたバラ貨幣及び棒金に関する情報を出力することを特徴とする請求項１０乃至１２のいずれか１項に記載の貨幣処理システム。
14. 前記貨幣処理装置及び前記棒金収納庫と通信可能なＰＯＳレジスタをさらに備え、
    前記ＰＯＳレジスタから前記回収指令が入力されることを特徴とする請求項１０乃至１３のいずれか１項に記載の貨幣処理システム。
15. 筐体と、前記筐体に対して開閉可能な棒金収納庫と、を備えた棒金収納装置を用いた処理方法であって、
    前記棒金収納庫に収納されている棒金に関する収納棒金情報を取得することと、
    回収指令における回収情報と前記収納棒金情報とが整合しているかを判断することと、
    前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合していないときに異常処理を行う、又は、前記回収情報と前記収納棒金情報とが整合しているときに正常処理を行うことと、
    を備えたことを特徴とする処理方法。

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