以下、図1〜図10の添付図面を参照して、実施形態に係る金銭払出装置および会計装置について詳細に説明する。実施形態では、顧客自身が売上登録操作および決済操作を実行するセルフPOS(Point of Sales)端末を会計装置の一例として説明する。なお、店員が売上登録処理を実行し、顧客が決済処理を実行するセミセルフPOS端末を会計装置としてもよい。また、実施形態では、セルフPOS端末内に備えられた硬貨釣銭機を金銭払出装置の一例として説明する。なお、紙幣釣銭機を金銭払出装置としてもよい。また、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態に係るセルフPOS端末を含むシステムを示す模式図である。図1に示すように、システムは、店舗内に設置された複数台のセルフPOS端末1とアテンダントPC(Personal Computer)2とを含む構成である。各セルフPOS端末1とアテンダントPC2とは、例えばLAN(Local Area Network)回線等の通信回線NTで電気的に接続されている。
セルフPOS端末1は、購入する商品に付されたバーコードや二次元コード等のシンボルを読み取らせる登録部と、読み取らせたシンボルに対応した商品情報に基づいて決済操作を行う決済部とを備えている。登録部における売上登録操作と決済部における決済操作は、いずれも顧客自身が行う。セルフPOS端末1は、顧客が行った売上登録操作に基づいて売上登録処理を実行する。また、セルフPOS端末1は、顧客が行った決済操作に基づいて決済処理を実行する。なお、セルフPOS端末1の詳細な構成は図2(a)、図2(b)、図5で説明する。
ここで、売上登録処理とは、入力された商品コードに基づいて当該商品の商品名や価格等の商品情報を表示し記憶する処理をいう。また、決済処理とは、売上登録処理した商品情報に基づいて、顧客との取引に係る合計金額や釣銭額を表示する処理をいう。
各セルフPOS端末1の近傍には、顧客が売上登録操作と決済操作をする様子を監視するカメラ(図示せず)が備えられている。アテンダントPC2は、カメラが撮像した各セルフPOS端末1における顧客の売上登録操作と決済操作の映像を映し出す。店舗の店員であるアテンダントは、アテンダントPC2に映し出された映像を見て、顧客の売上登録操作と決済操作を監視して、例えば顧客による不正をチェックする。また、アテンダントPC2は、セルフPOS端末1で発生したエラーの状態を表示する。具体的には、アテンダントPC2は、エラーが発生したセルフPOS端末1を特定する情報を表示する。またアテンダントPC2は、エラーの発生箇所を特定する情報を表示する。
図2(a)は、セルフPOS端末1の外観を示す斜視図である。図2(a)に示すように、セルフPOS端末1は、第1筐体41と第2筐体42とを備えている。第1筐体41は、内部に硬貨釣銭機271と紙幣釣銭機272(いずれも図2(b)、図5を参照)を備える。硬貨釣銭機271は、顧客から預かった硬貨を金種別に収納する。また硬貨釣銭機271は、顧客に対して釣銭硬貨を払い出す。紙幣釣銭機272は、顧客から預かった紙幣を金種別に収納する。また紙幣釣銭機272は、顧客に対して釣銭紙幣を払い出す。
第1筐体41は、硬貨釣銭機271に硬貨を入金する入金部2711を備える。また、第1筐体41は、硬貨の釣銭を払い出す払出口273と払い出した硬貨を受ける受皿280を備える。この払出口273と受皿280は、硬貨釣銭機271の構成要素であり、開口部278から第1筐体41の外部に露出している。また、第1筐体41は、紙幣の入金を受け付ける紙幣入金口274と、紙幣の釣銭を払い出す紙幣払出口275を備える。
また、第1筐体41は開放および閉止可能な第1扉411(扉)と、第2扉412を備える。第1扉411は、ヒンジ部411aを中心に上下方向に回動する。第2扉412は、ヒンジ部412aを中心に左右方向に回動する。第2扉412は、第1扉411に干渉されており、第2扉412を開放するにはまず、第1扉411を上方向に開放する。
第1扉411が上方に回動することで第1筐体41の内部上側が開放され、硬貨釣銭機271と紙幣釣銭機272が露出する。また、第2扉412が右方向に回動することで第1筐体41の内部下側が開放され、棒金ドロワ38(図2(b)を参照)と制御装置39(図2(b)を参照)が露出する。
また、第2扉412が左方向に回動することで第1筐体41の内部下側が閉止され、棒金ドロワ38と制御装置39が閉止した第2扉412によって隠される。その後に、第1扉411が下方に回動することで、第1筐体41の上部が閉止され、硬貨釣銭機271と紙幣釣銭機272は、第1扉411によって隠され、非露出となる。
また、第1筐体41は、第1電磁ロック30(図5を参照)を備えている。第1電磁ロック30は、第1扉411を閉止状態に維持して開放不可とする施錠状態と、第1扉411を開放可能とする解錠状態に切り換わる。第1電磁ロック30は、電磁的に解錠状態と施錠状態に切り換わる鍵である。第1電磁ロック30は、例えばソレノイドに通電することでロックピンを解錠位置に位置させて解錠状態とし、一方、通電を遮断するとロックピンを施錠位置に位置させて施錠状態に切り換わる。
第1扉411および第2扉412を閉止した状態で第1電磁ロック30を施錠状態とすると、第1扉411および第2扉412はいずれも閉止状態となる。第1電磁ロック30を解錠状態とすると、第1扉411が開放可能となる。そして、第1扉411を開放すると第2扉412が開放可能となる。
図2(b)は、セルフPOS端末1の第1扉411および第2扉412を開放とした状態の外観を示す斜視図である。図2(b)に示すように、第1扉411が上方に開放状態であるため、セルフPOS端末1は、内部を開放し、硬貨釣銭機271と紙幣釣銭機272が露出状態となる。また、第2扉412が右方向に開放状態であるため、棒金ドロワ38と制御部100(図5を参照)や電源を含む制御装置39が露出状態となる。
図2(a)の説明に戻る。また、第1筐体41は、側面左右に載置台26と載置台25を備えている。載置台25は第1計量部251を有している。載置台26は第2計量部261を有している。
載置台25は、購入するための商品が入れられたカゴを載置する台である。第1計量部251は、載置台25に載置されたカゴとカゴ内の商品の合計重量を計量する。載置台26は、載置台25から取り出した商品を投入する袋をセットする台である。第2計量部261は、載置台26にセットされた袋と袋内の商品の合計重量を計量する。
また、載置台26は、載置台26の上面から上方に延出する2本の支柱43と支柱43の上部に形成された一時置台44と2本の延出棒45を備える。延出棒45は、読取部23(図5を参照)で商品コードを読み取らせた商品を入れる袋(図示せず)をセットする棒である。袋は延出棒45に袋の取っ手を引っ掛けられた状態で開口し、商品を投入し易くする。また、一時置台44は、読取部23で商品コードを読み取らせた商品のうち、壊れやすい商品(例えば豆腐や卵)を一時的に載置する台である。一時置台44に載置された商品は最後に袋に入れる。
第2筐体42は、第1筐体41の上部に設けられている。第2筐体42は、図2(a)における右側に読取部23とカード部28(いずれも図5を参照)を収納する。また、第2筐体42は、図2(a)における左側にプリンタ24(図5を参照)を収納する。読取部23は、シンボルを例えば光学的に読み取る。カード部28は、クレジットカードで決済する場合に、挿入されたクレジットカードから顧客特定情報を読み出す。プリンタ24は、セルフPOS端末1が売上登録処理した商品の商品情報や決済情報をレシート用紙に印字してレシートを発行する。
また、第2筐体42は、開放位置と閉止位置とで回動する2枚の第3扉421を備えている。第3扉421は、ヒンジ部421aを中心に観音開きに回動する。第3扉421が開放位置に位置する開放状態で、第2筐体42は開放され、読取部23とプリンタ24とカード部28が露出状態となる。また、第3扉421が閉止位置に位置する閉止状態で、第2筐体42の内部は閉止され、読取部23とプリンタ24とカード部28は、第2筐体42の内部に収納される。
また、第2筐体42は、第2電磁ロック31(図5を参照)を備えている。第2電磁ロック31は第1電磁ロック30と同一構造、同一機能である。第2電磁ロック31は、第3扉421を閉止状態に維持して開放不可とする施錠状態と、第3扉421を開放可能とする解錠状態に切り換わる。第2電磁ロック31を施錠状態とすると、第3扉421は開放できない。第2電磁ロック31を解錠状態とすると、第3扉421は開放可能となる。
また、第3扉421は、読取部23の読取窓4212とプリンタ24から発行されるレシートを排出する孔4211とカード部28に対してカードを挿入する孔4213を備えている。
また、第2筐体42は、上部に、表示部22を備えている。表示部22は、顧客による売上登録操作に伴う商品の商品情報を表示する。また、表示部22は、顧客による決済操作に伴う決済情報を表示する。表示部22は、表面にタッチパネル21を備えている。タッチパネル21はキーの役目を果たす。表示部22上に表示された各種キーに対応する位置のタッチパネル21を操作することで、当該キーが操作される。
また、第2筐体42は、後方に、上部に延出する円柱状のポール46を備えている。ポール46の上方先端部には、発光部29を備えている。発光部29は、顧客がアテンダントを呼びだす操作をした場合に発光する。また、発光部29は、硬貨釣銭機271に収納袋200(図4(a)を参照)が装着されていない場合に発光する。
顧客は、載置台25に載置されたカゴから商品を取出して、読取窓4212の前を通過させて、当該商品に付されたコードを読取部23に読み取らせる。そして顧客は、当該商品を載置台26に載置された袋に投入する。セルフPOS端末1は、第1計量部251による商品の取り出し前後の重量変化と、第2計量部261による商品の投入の前後の重量変化とが一致しているか否かで、顧客が正しく操作をしているかを判断する。重量変化が一致している場合は、セルフPOS端末1は、売上登録処理を実行する。
次に硬貨釣銭機271について説明する。硬貨釣銭機271は、本体部210と、本体部210を覆うカバーとを備える。図3は、硬貨釣銭機271の本体部210の構造を概略的に示す横断平面図である。硬貨釣銭機271の本体部210は、投入口3、搬送部9、識別部6、リジェクト部7、および収納部8を備えている。
投入口3は、入金部2711と連通しており、入金部2711から投入された硬貨を受ける。投入口3は、投入センサ61を備える。投入センサ61は、発光部と受光部とを備えた透過型センサであり、投入口3へ投入された硬貨を検知する。また、投入口3は、底面部に搬入ベルト32を備える。投入センサ61が硬貨を検知すると、搬入ベルト32は当該硬貨を本体部210内へ搬入する。
搬送部9は、本体部210内へ搬入した硬貨を、収納部8へと搬送する。搬送部9は、搬送面91および搬送ベルト92を備える。搬送面91は、搬送中の硬貨の下面を支える。搬送ベルト92は、入金モータ57(図6を参照)の駆動力を受けて回転する無終端ベルトであって、搬送面91上の硬貨の上面に接して、硬貨を、搬送面91上を滑らせて移動させる。
識別部6は、搬送部9で搬送中の硬貨の真贋と金種を識別する。リジェクト部7は、識別部6により贋硬貨であると識別された硬貨を、搬送面91上から排除する。リジェクト部7で排除した硬貨は、搬送面91の下に設けられた通路を通って、外部に排出される。
収納部8は金種別に部屋が区画された硬貨を収納する容器である。収納部8は、各部屋の底面を無終端ベルト81で構成している。無終端ベルト81は、払出モータ58(図6を参照)の駆動力を受けることにより回転する。
硬貨釣銭機271は、搬送部9と収納部8との間に、落下センサ62を備える。落下センサ62は透過型センサである。落下センサ62は金種毎に設けられ、搬送部9を搬送されて収納部8に落下する硬貨を検知して出力する。後述する制御部500は、落下センサ62からの出力に基づいて、落下する硬貨を金種別に計数する。また、硬貨釣銭機271は、収納部8と払出口273の間に、払出センサ63を備える。払出センサ63は、硬貨の材質を識別する材質センサである。払出センサ63は金種毎に設けられ、収納部8から払出口273に払い出される硬貨を検知して出力する。制御部500は、払出センサ63からの出力に基づいて、落下する硬貨を金種別に計数する。
収納部8は、識別部6により正貨であると識別され搬送部9で搬送された硬貨を、金種別に無終端ベルト81の上に積み上げて収納する。また、収納部8は、無終端ベルト81を回転させることにより硬貨を本体部210の前面側へと移動させて、払出口273から払い出す。受皿280は、払出口273から払い出された硬貨を受ける。
ここからは、図4(a)と図4(b)を用いて、収納部8から払い出される硬貨の払い出し方向を、払出口273側と収納袋200側とに切り替える案内部付近の構造について説明する。図4(a)および図4(b)は、払出口273と受皿280周りの構造を示す縦断右側面図である。図4(a)および図4(b)において、硬貨釣銭機271は、無終端ベルト81と払出口273との間に案内部10を備える。また、硬貨釣銭機271は、受皿280の下方に、収納袋200を着脱可能な着脱部204を備える。収納袋200は、収納部8に収納した硬貨から、オーバーフローした硬貨を収納する袋である。オーバーフローとは、収納部8に収納されている硬貨の数が満杯とされる当該金種の所定数を超えている状態をいう。
図4(a)および図4(b)において、案内部10は、軸(図示せず)を中心に一定範囲で時計方向及び反時計方向に回動可能である。図4(a)は、案内部10が時計方向に回動した状態の図である。図4(b)は、案内部10が反時計方向に回動した状態の図である。案内部10は、切換ソレノイド59(図6を参照)によって図4(a)の位置と図4(b)の位置に切り換えられる。
また、案内部10は、硬貨を案内する案内面10aを備える。案内部10が時計方向に回動した図4(a)の状態では、無終端ベルト81によって搬送された硬貨は、案内面10aに案内されて払出口273へと、矢印Y1の方向に払い出される。また、案内部10が反時計方向に回動した図4(b)の状態では、無終端ベルト81によって搬送された硬貨は、案内面10aに案内されて収納袋200へと、矢印Y2の方向に払い出される。
収納袋200は、受皿280の下方の着脱部204に、着脱自在に取り付け可能である。収納袋200は、払い出された硬貨を保持する袋201と、袋201を開口させた状態で支持するフレーム202とを備える。フレーム202は、収納袋200を着脱する操作者が持ち手とするための把持部203を有する。また、硬貨釣銭機271は、着脱部204に近接した位置に収納袋センサ65を備える。収納袋センサ65は、収納袋200の着脱部204への装着の有無を検知し、収納袋200が装着されていることを示す信号、または未装着であることを示す信号を出力する。
収納部8に収納されている硬貨の数がオーバーフローしていない場合には、硬貨釣銭機271は、案内部10を時計方向に回動させて、収納部8に収納されている硬貨を払出口273から受皿280へと払い出す。一方、収納部8に収納されている硬貨の数がオーバーフローしている場合には、硬貨釣銭機271は、案内部10を反時計方向に回動させて、収納部8に収納されている硬貨を収納袋200内へと払い出す。
ここからは、セルフPOS端末1と硬貨釣銭機271のハードウェア構成について説明する。図5は、セルフPOS端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。図5に示すように、セルフPOS端末1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、メモリ部14等を備えている。CPU11は、制御主体となる。ROM12は、各種プログラムを記憶する。RAM13は、各種データを展開する。メモリ部14は、各種プログラムを記憶する。CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14は、互いにデータバス15を介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13が、制御部100を構成する。すなわち、制御部100は、CPU11がROM12やメモリ部14に記憶されRAM13に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述する制御処理を実行する。
メモリ部14は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラムを記憶する制御プログラム部141を備えている。
また、制御部100は、データバス15およびコントローラ16を介して、タッチパネル21、表示部22、読取部23、プリンタ24、第1計量部251、第2計量部261、硬貨釣銭機271、紙幣釣銭機272、カード部28、発光部29と接続している。
タッチパネル21は、表示部22のキーの表示に対応したスタートキー211、終了キー212等のキーを備える。スタートキー211は、商品の売上登録操作を開始する際に顧客が操作する。終了キー212は、商品の売上登録操作を終了する際に顧客が操作する。終了キー212が操作されると、セルフPOS端末1は決済処理を開始する。
また、制御部100は、データバス15およびコントローラ16を介して、第1電磁ロック30、第2電磁ロック31、と接続している。
また、制御部100は、データバス15を介して通信部36と接続する。通信部36は、通信回線NTを介して他のセルフPOS端末1やアテンダントPC2と接続する。
図示しないアテンダントPC2のハードウェア構成は、CPU、ROM、RAM、メモリ部、表示部等を備えたコンピュータである。CPUとROMとRAMが、制御部を構成する。すなわち、制御部は、制御プログラムに従って後述する制御処理を実行する。また、アテンダントPC2は、表示部を備え、収納袋200の硬貨釣銭機271への装着の有無を表示する。
図6は、硬貨釣銭機271のハードウェア構成を示すブロック図である。図6において、硬貨釣銭機271は、CPU51、ROM52、RAM53、メモリ部54等を備えている。CPU51は、制御主体となる。ROM52は、各種プログラムを記憶する。RAM53は、各種データを展開する。メモリ部54は、各種プログラムを記憶する。CPU51、ROM52、RAM53、メモリ部54は、互いにデータバス55を介して接続されている。CPU51とROM52とRAM53が、制御部500を構成する。すなわち、制御部500は、CPU51がROM52やメモリ部54に記憶されRAM53に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述する制御処理を実行する。
メモリ部54は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDDやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラムを記憶する制御プログラム部541、収納硬貨数部542、収納限界数部543を備えている。収納硬貨数部542は、収納部8に収納されている硬貨の数を金種別に記憶する。なお、収納硬貨数部542は、収納部8に収納されている硬貨の金額も金種別に記憶する。また、収納硬貨数部542は、収納部8に収納されている硬貨の合計金額も記憶する。収納限界数部543は、金種別に、各収納部8に収納可能な硬貨の上限数を記憶している。この上限数は、金種毎に異なってもよい。
また、制御部500は、データバス55およびコントローラ56を介して、入金モータ57、払出モータ58、切換ソレノイド59、判別センサ60、投入センサ61、落下センサ62、払出センサ63、収納袋センサ65と接続している。入金モータ57は、投入口3に投入された硬貨を搬送部9を搬送して収納部8まで移動させるために、搬送ベルト92を駆動するモータである。払出モータ58は、収納部8に収納されている硬貨を払出口273まで搬送するために無終端ベルト81を駆動するモータである。
また、制御部500は、データバス55を介して通信部66と接続する。通信部66は、通信ケーブルNCを介してコントローラ16と接続される。
ここからは、図7〜図10を用いて、セルフPOS端末1および硬貨釣銭機271の制御について詳細に説明する。図7は、セルフPOS端末1の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部100は、ROM12やメモリ部14の制御プログラム部141に記憶された制御プログラムに従うことで、解錠手段101として機能する。
解錠手段101は、収納袋200の回収を示す信号の入力を条件に、第1電磁ロック30を解錠状態とする機能を有する。
図8は、セルフPOS端末1の制御処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すように、制御部100は、スタートキー211が操作されたか否かを判断する(S11)。操作されたと判断した場合には(S11のYes)、制御部100は、読取部23からバーコードを読み取ったか否かを判断する(S12)。バーコードを読み取ったと判断した場合には(S12のYes)、制御部100は、当該バーコードから商品を特定する商品コードを取得したか否かを判断する(S13)。商品コードを取得したと判断した場合には(S13のYes)、制御部100は、当該商品について売上登録処理を実行する(S14)。S14において、制御部100は、売上登録処理された商品の商品情報(商品名、価格等)を商品情報部131に記憶する。そして制御部100は、S12に戻る。
また、バーコードを入力していないと判断した場合には(S12のNo)、制御部100は、終了キー212が操作されたか否かを判断する(S15)。終了キー212が操作されたと判断した場合には(S15のYes)、制御部100は、商品情報部131に記憶された商品情報に基づいて決済処理を実行する(S16)。そして制御部100は、決済処理で算出した当該取引の合計金額情報を硬貨釣銭機271と紙幣釣銭機272に出力する(S17)。次に制御部100は、プリンタ24を用いて、商品情報、合計金額情報、後述する硬貨釣銭機271や紙幣釣銭機272から受信した入金情報や釣銭情報の決済情報等を印字したレシートを発行する(S18)。そして制御部100は、S11に戻る。なお、終了キー212が操作されていないと判断した場合には(S15のNo)、制御部100は、S12に戻る。
一方、S13において、商品コードを取得していないと判断した場合には(S13のNo)、制御部100は、入力したバーコードからアテンダントコードを取得したか否かを判断する(S21)。アテンダントPCを操作するアテンダントは、例えば、アテンダントコードを含むバーコードを印字した名札を装着している。読取部23が名札からバーコードを読み取ると、制御部100は、アテンダントコードを取得したと判断する。アテンダントコードを取得したと判断した場合には(S21のYes)、次に制御部100は、取得したアテンダントコードが、セルフPOS端末1の第1扉411を開放する権限を持つアテンダントのアテンダントコードであるか否かを判断する(S22)。権限を持つアテンダントのアテンダントコードであると判断した場合には(S22のYes)、制御部100(解錠手段101)は、第1電磁ロック30を解錠状態として、第1扉411を開放する(S23)。そして制御部100は、S11に戻る。
なお、第1扉411を開放する権限を持たないアテンダントのアテンダントコードであると判断した場合には(S22のNo)、制御部100は、権限がないことを示すエラーメッセージを表示部22に表示する(S24)。そして制御部100は、S11に戻る。また、S21において、アテンダントコードを取得していないと判断した場合には(S21のNo)、制御部100は、その他の処理を実行する(S25)。そして制御部100は、S11に戻る。
また、S11において、スタートキー211は操作されていないと判断した場合には(S11のNo)、制御部100は、硬貨釣銭機271から後述する払出金額情報(収納袋200に払い出した硬貨の金額)を入力したか否かを判断する(S31)。払出金額情報を入力したと判断した場合には(S31のYes)、制御部100は、入力した払出金額情報をアテンダントPC2に送信する(S32)。払出金額情報を受信したアテンダントPC2は、当該セルフPOS端末1の監視画面に、払出金額情報を表示する。そして制御部100は、S11に戻る。
一方、硬貨釣銭機271から払出金額情報を入力していないと判断した場合には(S31のNo)、制御部100は、硬貨釣銭機271から収納袋200が未装着であることを示す情報を入力したか否かを判断する(S33)。収納袋200が未装着であることを示す情報を入力したと判断した場合には(S33のYes)、制御部100は、発光部29を赤く点灯(または点滅)させる(S34)。そして制御部100は、収納袋200が未装着であることを示す情報をアテンダントPC2に送信する(S35)。収納袋200が未装着であることを示す情報を受信したアテンダントPC2は、当該セルフPOS端末1の監視画面に、収納袋200が未装着であることを示すメッセージを表示する。そして制御部100は、S11に戻る。また、硬貨釣銭機271から収納袋200が未装着であることを示す情報を入力していないと判断した場合には(S33のNo)、制御部100は、収納袋200が装着されていることを示す情報をアテンダントPC2に送信する(S36)。収納袋200が装着されていることを示す情報を受信したアテンダントPC2は、当該セルフPOS端末1の監視画面に、収納袋200が装着されていることを示すメッセージか印を表示する。そして制御部100は、S11に戻る。
図9は、硬貨釣銭機271の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部500は、ROM52やメモリ部54の制御プログラム部541に記憶された制御プログラムに従うことで、オーバーフロー判断手段501、払出手段502、情報出力手段503、金種判断手段504、金額算出手段505として機能する。
オーバーフロー判断手段501は、収納部8に収納された硬貨のオーバーフローを判断する機能を有する。すなわち、制御部500は、金種別に、落下センサ62が計数した硬貨の数から払出センサ63が計数した硬貨の数を減算した数と、収納限界数部543に記憶されている金種別の収納上限数とを比較して、算出した硬貨の数が上限数を超えた金種について、当該金種の収納部8がオーバーフローしたことを判断する。払出手段502は、収納部8に収納された硬貨を釣銭として払出口273に払い出すとともに、オーバーフロー判断手段501がオーバーフローを判断した金種の硬貨を着脱部204に装着された収納袋200に払い出す機能を有する。情報出力手段503は、着脱部204に収納袋200が未装着であることを条件に収納袋200が未装着であることを示す情報を出力する機能を有する。金種判断手段504は、払出手段502が収納袋200に払い出した硬貨の金種を判断する機能を有する。金額算出手段505は、金種判断手段504が判断した硬貨の金種に基づいて硬貨の金額を算出する機能を有する。
図10は、硬貨釣銭機271の制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、硬貨釣銭機271において、初期状態において、切換ソレノイド59に通電していないため、案内部10は時計方向に回動して図4(a)の状態となっている。図10において、制御部500は、S17の処理に基づく合計金額情報をセルフPOS端末1から入力したか否かを判断する(S41)。合計金額情報を入力したと判断した場合には(S41のYes)、制御部500は、当該合計金額情報をRAM53に記憶する(S42)。次に制御部500は、入金部2711から投入された硬貨を投入口3に備えられた投入センサ61が検知したか否かを判断する(S43)。検知するまで待機し(S43のNo)、検知したと判断した場合には(S43のYes)、制御部500は、搬入ベルト32および搬送ベルト92を駆動して、投入した硬貨を収納部8まで搬送して収納部8に収納する入金処理を実行する(S44)。搬送された硬貨は、該当する金種の収納部8に落下して収納される。硬貨が落下する際に落下センサ62は、落下する硬貨に対応した電圧を出力する。制御部500は、落下センサ62の出力に基づいて当該金種の落下した硬貨の数を計数して、入金金額を算出する(この処理も入金処理S44である)。
次に制御部500は、算出した入金金額からS42で記憶した合計金額情報を減算して釣銭額を算出する(S45)。そして制御部500は、釣銭があるか否かを判断する(S46)。釣銭があると判断した場合には(S46のYes)、制御部500(払出手段502)は、無終端ベルト81を駆動して、釣銭額に相当する金種の硬貨を必要枚数だけ収納部8から払い出す(S47)。払い出された硬貨は、案内部10の案内面10aにガイドされて、払出口273へと矢印Y1の方向に払い出される。
この際、払出センサ63は、払い出した硬貨に対応した電圧を出力する。制御部500は、落下センサ62からの出力に基づいて払い出された硬貨を計数する。また制御部500は、落下した硬貨の数から払い出された硬貨の数を減算して、収納部8に収納されている硬貨の数と金額を金種別に算出する。そして制御部500は、収納硬貨数部542に記憶されている硬貨の数を更新する(S48)。この際、金種別の収納金額と総計金額をも更新する。そして制御部500は、S44で算出した入金額とS47で払い出された釣銭額を、セルフPOS端末1に出力する(S49)。そして制御部500は、S41に戻る。
なお、釣銭はないと判断した場合には(S46のNo)、制御部500は、S44で算出した入金額に基づいて、収納硬貨数部542に記憶されている硬貨の数および金額を更新する(S50)。そして制御部500は、S44で算出した入金額と釣銭がないことを、セルフPOS端末1に出力する(S51)。そして制御部500は、S41に戻る。
一方、セルフPOS端末1から合計金額情報を入力していないと判断した場合には(S41のNo)、制御部500(オーバーフロー判断手段501)は、収納硬貨数部542に記憶されている硬貨の数と収納限界数部543に記憶されている硬貨の上限数とを比較して、収納部8に収納されている硬貨がオーバーフローしているか否かを判断する(S61)。この比較は、硬貨の数の代わりに、金種毎の金額の比較または収納部8に収納されている硬貨の総金額の比較でもよい。収納硬貨数部542に記憶されている硬貨の数が収納限界数部543に記憶されている硬貨の上限数を超えている場合には、制御部500は、硬貨がオーバーフローしていると判断する。オーバーフローしていると判断した場合には(S61のYes)、収納袋センサ65の出力から、硬貨釣銭機271の着脱部204に収納袋200が装着されているか否かを判断する(S62)。装着されていると判断した場合には(S62のYes)、制御部500は、オーバーフローしている金種と数を算出する(S63)。
そして制御部500(切換手段)は、切換ソレノイド59に通電して、案内部10を反時計方向に回動させて図4(b)の状態に切り替える(S64)。そして制御部500(払出手段502)は、無終端ベルト81を駆動して、S63で算出した額の硬貨を収納袋200内に払い出す(S65)。なお、制御部500は、S63で算出した額以上の硬貨を収納袋200に払い出してもよい。そして制御部500は、切換ソレノイド59への通電を停止して、案内部10を時計方向に回動させて図4(a)の状態に切り替える(S66)。次に制御部500(金種判断手段504、金額算出手段505)は、払出センサ63によって検出された硬貨の金種を判断して、払出金額を算出する(S67)。そして制御部500は、払い出した金種の情報と算出した払出金額情報をセルフPOS端末1に出力する(S68)。そして制御部500は、S41に戻る。
また、S62において、硬貨釣銭機271の着脱部204に収納袋200が装着されていないと判断した場合には(S62のNo)、制御部500(情報出力手段503)は、収納袋200が装着されていないことを示す情報をセルフPOS端末1に出力する(S71)。そして制御部500は、S41に戻る。なお、S61において硬貨がオーバーフローしていないと判断した場合には(S61のNo)、制御部500は、S41に戻る。
このような実施形態によれば、硬貨釣銭機271の制御部500は、硬貨釣銭機271に収納袋200が装着されていないことを、セルフPOS端末1に出力する。また、セルフPOS端末1は、硬貨釣銭機271に収納袋200が装着されていないことを示す情報をアテンダントPC2に送信する。アテンダントPC2は、硬貨釣銭機271に収納袋200が装着されていないことを示す情報を表示する。そのため、アテンダントは、収納袋200が装着されていない硬貨釣銭機271を容易に気づくことができる。
また、実施形態によれば、硬貨釣銭機271に収納袋200を装着する際に、アテンダントが装着しているアテンダントコードを読取部23から読み取らせることで、第1扉411を開放するための第1電磁ロック30を解錠することができる。そのため、アテンダントは、収納袋200が装着されていない硬貨釣銭機271への収納袋200の装着を容易に行うことができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、実施形態では、硬貨釣銭機271は、収納袋200が未装着である場合に未装着であることを示す情報をセルフPOS端末1に出力するようにした。しかしながら、硬貨釣銭機271は、加えて、収納袋200が装着されている場合に装着されていることを示す情報をセルフPOS端末1に出力するようにしてもよい。
また、実施形態では、硬貨釣銭機271は、収納部8がオーバーフローしていると判断したことを条件に、収納袋200が未装着である場合に未装着であることを示す情報をセルフPOS端末1に出力するようにした。しかしながら、硬貨釣銭機271は、収納部8がオーバーフローしていないと判断したときにも、収納袋200が未装着である場合に未装着であることを示す情報をセルフPOS端末1に出力するようにしてもよい。
また、実施形態では、セルフPOS端末1は、硬貨釣銭機271が収納袋200を未装着である場合に未装着であることを示す情報をアテンダントPC2に送信し、収納袋200を装着している場合に装着していることを示す情報をアテンダントPC2に送信した。しかしながら、硬貨釣銭機271が収納袋200を未装着である場合にのみ、未装着であることを示す情報をアテンダントPC2に送信するようにしてもよい。