[スロットマシンの構成例]
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を以下に説明する。
本発明が適用されたスロットマシンの実施形態について、図面を用いて説明すると、本実施形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1、図3に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄(所定の順序でそれぞれ21個ずつ描かれている互いに識別可能な複数種類の図柄のうちの3つの図柄)が前面扉1bに設けられた透視窓3からそれぞれ見えるように配置されている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施形態では後述するRT0〜RT4の規定数として3、RBの規定数として2が定められている)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報が表示される等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
前面扉1bには、各種メニューの設定を行うための遊技者側設定スイッチ70が設けられている。遊技者側設定スイッチ70は、前面扉1bの前面側(つまり、前面扉1bの外側)に設けられているため、前面扉1bが閉鎖されたときにはスロットマシン1の前面側に位置することになる。このため、該スロットマシン1で遊技する遊技者によって操作されるなど、外部からの操作が可能である。遊技者は、遊技者側設定スイッチ70を操作することによって、遊技中の演出における音量および光量を設定することができる。なお、遊技者側設定スイッチ70は、内部にLEDを備えており、点灯および消灯により、操作を受け付けるか否かを報知することができる。例えば、遊技者側設定スイッチ70を点灯させることで、遊技者側設定スイッチ70は操作を受け付けることを報知する。また、例えば、遊技者側設定スイッチ70を消灯させることで、遊技者側設定スイッチ70は操作を受け付けないことを報知する。以下、遊技者側設定スイッチ70を操作することをメニュー操作と称することがある。なお、第3停止操作が行われた後に遊技の進行に係る操作が行われない状態が所定時間継続(本実施形態では30秒)するとメニュー操作受付状態に移行し、メニュー操作が受け付けられる。所定時間の計時は第3停止操作が行われてから5秒が経過したときに開始される。
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施形態では、後述するRT0〜RT4における規定数の賭数として3枚が定められ、後述するRBにおける規定数の賭数として2枚が定められており、これら遊技状態に応じた規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。また、本実施形態では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せが揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せが揃うことにより、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載され、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図5に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインターフェイス501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込コントローラ506と、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random Access Memory)41cと、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a、508bと、タイマ回路509と、割込コントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514と、を備えて構成される。
本実施形態においてメイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施形態では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。なお、本実施形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
[設定値について]
本実施形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選等において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、設定値は1、3、6や、1、4、H(High)等の3段階や、1〜7の7段階で設定してもよく、6段階に限定する必要はない。
なお、本実施形態では、いずれの設定値が設定されている場合でも、メイン制御部41が行う内部抽選の当選確率は共通であり、設定値に応じてサブ制御部91が行う後述のナビストック抽選、上乗せ抽選の当選確率として異なる当選確率を用いることによりメダルの払出率が変わる構成であるが、メイン制御部41が行う抽選の当選確率、サブ制御部91が行う抽選の当選確率の少なくとも一方または双方の当選確率を設定値に応じて変更することで、メダルの払出率が変わる構成であればよい。
設定値を変更するためには、まず、前面扉1bが開放された状態で、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にメイン制御部41の図示しないRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態(設定変更モード)に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。なお、前面扉1bが開放されていなければ設定値を変更できないようにして、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定変更を防止してもよい。すなわち、前面扉1bの開放と設定キースイッチ37をオン状態にする操作と電源スイッチ39の操作とを設定変更状態の開始条件としてもよい。なお、この場合、設定キースイッチ37がオフ状態になるまで前面扉1bの開閉に関わらず設定値変更状態が維持されるようにしてもよい。すなわち、前面扉1bの開放を設定変更状態の開始条件とした場合であっても前面扉1bの開閉を設定変更状態の終了条件にしなくてもよい。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で前面扉1bを開放して設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。なお、設定値確認状態も設定値変更状態と同様に、前面扉1bが開放されていなければ設定値を変更できないようにして前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定確認を防止してもよい。すなわち、前面扉1bの開放と設定キースイッチ37をオン状態にする操作とを設定確認状態の開始条件としてもよい。また、前面扉1bの開放を設定値確認状態の開始条件とした場合であっても前面扉1bの開閉を設定値確認状態の終了条件にしなくてもよい。
[入賞役などについて]
図6〜図8は、本実施形態のスロットマシン1における役の種類、図柄組合せ、及び役に関連する技術事項について説明するための図である。図9は、本実施形態のスロットマシン1における移行出目の図柄組合せ、及び移行出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、図10は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図11は、遊技状態の概要を示す図である。
本実施形態におけるスロットマシン1は、図10に示すように、RT0〜RT4、RB(BB中のRB含む)のいずれかに制御される。
まず、図6を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(以下、ビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBと称する)の2種類のボーナスが含まれる。BBは、RT0〜RT4において入賞ラインLNに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BBに入賞すると、後述のレギュラーボーナス(以下、RBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行する。そして、ビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。RBは、RT0〜RT4において入賞ラインLNに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。そして、レギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。図10に示すように、BB、RBのいずれかに当選してから入賞するまでは、内部中としてのRT4に制御され、BBまたはRB(まとめてボーナスと呼ぶ)が終了した後は、RT3に制御されることとなる。
次に、図7を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、上段ベル1、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル4、上段ベル5、上段ベル6、上段ベル7、上段ベル8、中段ベル、右下がりベル、中段スイカ、右下がりスイカ、中段チェリー、角チェリーが含まれる。以下、上段ベル1、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル4、上段ベル5、上段ベル6、上段ベル7、上段ベル8を区別する必要がない場合には、単に上段ベルと呼ぶ。
次に、図8を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、中段リプレイ、右上がりリプレイ、昇格リプレイ、特殊リプレイ、転落リプレイ、赤7リプレイ、青7リプレイが含まれる。
次いで、図9を参照して、移行出目について説明する。RT0、RT2、RT3において移行出目が入賞ラインLNに揃うとRT1に移行する。本実施形態では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ上段ベルを取りこぼした場合に、移行出目が入賞ラインLNに揃う。
[抽選対象役について]
次に、図12〜図16を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施形態では、遊技状態が、RT1であるか、RT2であるか、RT3であるか、RT4であるか、RB(BB中RB含む)であるか、によって内部抽選の対象となる役またはその当選確率の少なくとも一方が異なる。なお、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図12〜図16においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。図12〜図14においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役となる旨を示し、×印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役とならない旨を示している。また、○印の下に示す数値は、所定の設定値の判定値数(本実施形態では設定値に関わらず共通)を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「300」が設定されている抽選対象役の当選確率は、300/65536となる。また、図12は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される特別役の組合せを示し、図13及び図14は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される小役の組合せを示し、図14は、抽選対象役として読み出される再遊技役の組合せを示している。
本実施形態では、押し順ベルが当選している場合には、図17に示すように、押し順ベルの種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。押し順ベルのいずれかが当選した場合には、押し順ベルの種類に応じた停止順で停止操作を行うことで、中段ベルが必ず入賞する一方で、押し順ベルの種類に応じた停止順以外の停止順で停止操作を行うことで、一定の割合で上段ベルが入賞するが、上段ベルが揃わず移行出目が停止することもある。このため、押し順ベルの当選時には、押し順ベルの種類に応じた停止順で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。
本実施形態では、リプレイGR1〜6、GR11〜13、GR21〜26が当選している場合には、図18に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。RT1において抽選対象となるリプレイGR1〜6のいずれかが当選した場合には、その種類に応じた停止順で停止操作を行うことで、昇格リプレイが入賞してRT0へ移行する一方、その種類に応じた停止順以外の停止順で停止操作を行うことで、中段リプレイが入賞してRT1が維持される。また、RT0において抽選対象となるリプレイGR11〜13のいずれかが当選した場合には、その種類に応じた停止順で停止操作を行うことで、特殊リプレイが入賞してRT2へ移行する一方、その種類に応じた停止順以外の停止順で停止操作を行うことで、転落リプレイが入賞してRT1へ移行する。また、RT2において抽選対象となるリプレイGR21〜23のいずれかが当選した場合には、その種類に応じた停止順で停止操作を行うことで、中段リプレイまたは赤7リプレイが入賞してRT2が維持される一方、その種類に応じた停止順以外の停止順で停止操作を行うことで、転落リプレイが入賞してRT1へ移行する。また、RT2において抽選対象となるリプレイGR24〜26のいずれかが当選した場合には、その種類に応じた停止順で停止操作を行うことで、中段リプレイまたは青7リプレイが入賞してRT2が維持される一方、その種類に応じた停止順以外の停止順で停止操作を行うことで、転落リプレイが入賞してRT1へ移行する。
本実施形態では、図10及び図11に示すように、RT0〜RT4、ボーナス(RB、BB中のRB)のいずれかに制御される。本実施形態では、RT0、RT1、RT3、RT4は、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%未満となり、RT2、RB、BBは、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%以上となる。RT0〜RT4、RB、BB(RB)のうち、RB及びBBが1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。また、RT0〜RT4のうちRT0、RT2、RT4は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、3に比較して高い点、特にRT0は、RT2へ移行可能となる点において、RT1、3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、RT0、RT2、RT4のうちRT2は、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT0、RT4に比較して高い点において、RT0、RT4よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
また、本実施形態におけるスロットマシンでは、遊技状態がRT0〜2であるときに、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信することで、ナビ演出を実行させる。遊技状態に応じたナビ対象役とは、RT1であるときにはリプレイGR1〜6であり、RT0であるときにはリプレイGR11〜13であり、RT2であるときにはリプレイGR21〜26である。また、RT0〜2のいずれにおいても、押し順ベルが共通のナビ対象役である。また、本実施形態においてメイン制御部41は、ATにもARTにも制御していない通常状態(RT1かつ非ATの状態)であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。
本実施形態のナビ報知は、遊技補助表示器12の点灯態様を変化させることにより遊技者にとって有利な停止順を識別可能に報知する。なお、ナビ報知の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ報知は、遊技補助表示器12、すなわちナビ報知以外の報知にも用いられる表示器によるものに限らず、専用の表示器を用いて実行するものでも良い。本実施形態のナビ演出は、ナビ報知により報知された遊技者にとって有利な停止順を、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって報知する。
例えば、左中右の停止順を報知する場合には、「123」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声として、例えば、「左中右!」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。
また、左リールを第1停止とする停止順を報知する場合には、「1−−」(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声としては、例えば、「左!」(左リールが第1停止であることを示す)(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。また、特に、RT2においてリプレイGR21〜26が当選し、赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞する停止順を報知する場合には、上述の停止順画像に加え、各リールに赤7及び青7を狙ったタイミングでの停止操作を促す画像も表示され、そのタイミングでの停止操作が促されるようになっている。
ナビ報知及びナビ演出では、RT1においてリプレイGR1〜6のいずれかが当選したときには、昇格リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT0においてリプレイGR11〜13のいずれかが当選したときには、特殊リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT2においてリプレイGR21〜23のいずれかが当選したときには、中段リプレイまたは赤7リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT2においてリプレイGR24〜26のいずれかが当選したときには、中段リプレイまたは青7リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。
なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51、スピーカ53、54を用いたものに限らず、演出効果LED52、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
以上のように、ナビ報知及びナビ演出では、遊技者にとって有利となる停止順が識別可能に報知される。このため、遊技者は、ナビ演出に従った停止順で停止操作を行うことにより、意図的にRT1において昇格リプレイを入賞させること、中段ベルを入賞させることができ、RT0において特殊リプレイを入賞させること、中段ベルを入賞させること、転落リプレイの入賞を回避すること、移行出目の停止を回避することができ、RT2において中段ベルを入賞させること、転落リプレイの入賞を回避すること、移行出目の停止を回避することができる。
本実施形態においてメイン制御部41は、抽選条件が成立した場合にART(RT2でATに制御される状態)に制御するか否かを決定する抽選(以下、ART抽選と称する)を行う。また、メイン制御部41は、ART、BBまたはRBの終了時に、複数のゲーム数から規定ゲーム数を選択するとともに、ART、BBまたはRBの終了時からART、BB、RBのいずれにも継続して制御されないゲーム数を計数する。規定ゲーム数は、1〜399ゲーム、600ゲームのいずれかのゲーム数から選択される。
そして、メイン制御部41は、ART抽選に当選し、連続演出の実行期間が終了すること、またはART、BBまたはRBの終了時からART、BB、RBのいずれにも継続して制御されないゲーム数が規定ゲーム数に到達することでARTに制御する。
なお、本実施形態では、ART、BBまたはRBの終了時からのゲーム数を計数し、規定ゲーム数に到達することでARTに制御する構成であるが、ART、BBまたはRBの終了時のうちのいずれか一の契機からのゲーム数を計数し、規定ゲーム数に到達することでARTに制御する構成としても良い。また、ARTの終了契機として、ATが終了したときとしているが、AT終了後、押し順ベルを取りこぼして移行出目が停止するか、転落リプレイが入賞すること、すなわちRT2の終了を契機としてゲーム数の計数を開始する構成としても良い。
ARTに制御する場合には、まずATに制御する。ATの制御を開始した後、RT2へ移行するまでの状態を準備状態とも呼ぶ。
メイン制御部41は、準備状態において、対象役の当選時にナビ報知を実行する。この際、RT1においては、リプレイGR1〜6の当選時にナビ報知の対象となり、リプレイGR1〜6の当選時に昇格リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより昇格リプレイを入賞させてRT1からRT0に移行させることが可能となる。また、準備状態に移行後は、RT0〜2のどの遊技状態であっても押し順ベルの当選時には中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となる。
RT1において昇格リプレイが入賞し、RT0に移行した後は、リプレイGR11〜13当選時にナビ報知の対象となり、リプレイGR11〜13の当選時に特殊リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより特殊リプレイを入賞させてRT0からRT2に移行させることが可能となるとともに、転落リプレイの入賞を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。また、前述のように押し順ベルの当選時には中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、移行出目の停止を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
RT0において特殊リプレイが入賞し、RT2に移行した場合には、その後最初のリプレイGR21〜23の当選時、または最初のリプレイGR24〜26の当選時に、赤7リプレイを入賞させる停止順を報知するナビ報知または青7リプレイを入賞させる停止順を報知するナビ報知を実行するようになっており、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、赤7リプレイまたは青7リプレイを入賞させるとともに、転落リプレイの入賞を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。また、前述のように押し順ベルの当選時には中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、移行出目の停止を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
メイン制御部41は、赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞することで準備状態を終了し、ARTの制御を開始する。これに伴いメイン制御部41は、ARTのゲーム数を決定するARTゲーム数抽選を行い、ARTゲーム数抽選で当選したゲーム数を、RAM91cに割り当てられたARTの残りゲーム数として設定し、ARTの残りゲーム数の計数を開始する。
ART開始後は、押し順ベルの当選時に中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、移行出目の停止を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。また、リプレイGR21〜26の当選時に中段リプレイを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、転落リプレイの入賞を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
また、ART中においては、抽選条件が成立した場合にARTのゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。そして、上乗せ抽選に当選した場合には、ART開始時と同様にARTのゲーム数を決定するARTゲーム数抽選を行い、ARTゲーム数抽選で当選したゲーム数を、RAM91cに割り当てられたARTの残りゲーム数に加算する。
また、ARTの開始後、1ゲーム消化する毎に残りゲーム数が1減算されるとともに、残りゲーム数が0となる前に特別役が当選した場合にはRT2の終了によりARTを中断し、これに伴いARTのゲーム数の計数も中断する。その後、当選した特別役の入賞を経て対応するボーナスに制御し、当該ボーナス終了後に移行するRT3において移行出目が停止してRT1に移行した時点でATの制御を再開し、これに伴い準備状態を経てRT2に再度移行することでARTを再開し、ARTの残りゲーム数の計数も再開する。
また、ARTの開始後、残りゲーム数が0となった場合には、ATの制御を終了する。これに伴いナビ報知が実行されなくなるので、押し順ベルの当選時に移行出目の停止を回避すること、リプレイGR21〜26の当選時に転落リプレイの入賞を回避することが不可能となり、移行出目の停止または転落リプレイの入賞によりRT1に移行することで一連のAT及びARTの制御が終了することとなる。
また、本実施形態においてメイン制御部41は、ART中のリプレイGR21〜26の当選時に、初回を除いて中段リプレイが入賞する停止順をナビ報知により報知するようになっており、報知された停止順を無視して停止操作を行った場合には、赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞してRT2が維持される場合もあるが、転落リプレイが入賞してRT1へ移行してしまう場合もあるため、リプレイGR21〜26の当選時に、ナビ報知により報知された中段リプレイを入賞させる停止順での停止操作を促すことが可能となり、意味もなく赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞することを防止できるようになっている。
次に、メイン制御部41が実行する処理の内容について説明する。
[初期設定処理]
まず、メイン制御部41が実行する初期設定処理について説明する。メイン制御部41は、電力が供給されてリセット回路49からリセット信号が入力されると、システムリセットを行い、起動処理を実行する。そして、起動処理を実行することにより、CPUコアのプログラムステータスワード(PSW)に割り当てられている割込マスタ許可フラグ(IMF)0となり、割込禁止状態が設定される。また、起動処理によって内部機能レジスタ(CTCコントロールレジスタや乱数回路に関わるレジスタなど)に初期値が設定される。その後、ユーザプログラムとしてROM41bに記憶されたプログラムにしたがって、図5および図6のフローチャートに示す初期設定処理を行う。
図5及び図6に示すように、メイン制御部41は、まず、DI命令の実行により割込マスタ許可フラグ(IMF)=0にし、割込を禁止する(Sa1)。なお、割込処理とは、割込要因が発生したときに基本処理に割り込んで発生する処理である。メイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を禁止する(Sa1)。次いで、初期化データをセットし(Sa2)、各出力ポートを初期化する(Sa3)。次いで、内蔵レジスタの設定を行う(Sa4)。
内蔵レジスタの設定では、例えば、乱数発生回路42の設定を行う。具体的には、メイン制御部41は、乱数回路の設定において、ユーザによって予め設定された乱数最大値を指定する乱数最大値設定データを内蔵レジスタに書き込む。また、メイン制御部41は、内蔵レジスタに設定した乱数最大値が所定の下限値以下でないかを確認し、乱数最大値が下限値以下である場合には、乱数最大値設定レジスタに設定されている乱数最大値の再設定を行う乱数最大値再設定処理を実行する。
また、メイン制御部41は、乱数発生回路42のカウンタが更新するカウント値の初期値を変更させる初期値変更処理を実行する。また、メイン制御部41は、乱数更新方式選択データを乱数更新方式選択レジスタに書き込む。また、メイン制御部41は、ユーザによって予め設定された乱数発生用クロック信号の周期を指定する周期設定データ(基準クロック信号を何分周させるかを設定するためのデータ)を書き込む。また、メイン制御部41は、乱数発生回路42のカウンタによって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタに入力する初期値を更新するか否かを設定する。また、メイン制御部41は、乱数発生回路42のカウンタによって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタが更新するカウント値の順列を変更するか否かを設定する。そして、メイン制御部41は、乱数回路起動データを書き込む。そのようにすることによって、メイン制御部41は乱数発生回路42を起動させる。
次いで、電源電圧が正常か否かを判定する(Sa5)。電源電圧が正常でない場合(Sa5でN)には正常になるまで判定を繰り返す。電源電圧が正常である場合(Sa5でY)には割込ベクタの上位アドレスをセットする(Sa6)。そして、RAMのアクセスを許可し(Sa7)、スタックポインタを初期化する(Sa8)。
次いで、RAMパリティを計算する(Sa10)。そして、計算したRAMパリティが0になるか否かを判定する(Sa11)。RAMパリティが0にならない場合(Sa11でN)にはSa14に進む。
RAMパリティが0になる場合(Sa11でY)にはRAM破壊診断用固定データをRAM41cから取得する(Sa12)。そして、取得したRAM破壊診断用固定データが正しいか否かを判定する(Sa13)。次いで、Sa14のステップでは、RAM破壊診断用固定データをクリアする(Sa14)。
次いで、設定キースイッチがオンにされているか否かを判定する(Sa15)。設定キースイッチがオンの場合(Sa15でY)には、メイン制御部41は、タイマ割込の設定を行う(Sa22)。具体的には、所定時間毎に定期的にタイマ割込がかかるようにメイン制御部41に内蔵されているタイマ回路のレジスタの設定を行なう。例えば0.56msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、0.56ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。なお、タイマ回路では該レジスタの設定が行われることにより、タイマが初期化され、初期値から計時を開始することになる。そして、タイマ割込の設定が終了すると設定変更処理に移行する。
一方、設定キースイッチがオフの場合(Sa15でY)には、Sa11の判定、Sa13の判定、後述するRAM異常フラグがセットされているか否かにもとづきRAM41cの記憶内容が破壊されていたか否か、すなわちRAM41cの記憶内容が正常か否かを判定する(Sa16)。RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合(Sa16でN)には、電断復帰コマンド(電断復帰コマンド1〜4)をサブ制御部91に送信するとともに(Sa17)、ホットスタートコマンドをサブ制御部91に送信する(Sa18)。なお、RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合とは、Sa11でY、かつSa13でRAM破壊診断用固定データが正しいと判定され、かつRAM異常フラグがセットされていない場合である。
そして、全レジスタを復帰し(Sa19)、Sa22と同様のタイマ割込みの設定を行う(Sa20)。そして、タイマ割込処理(メイン)に復帰する。復帰したタイマ割込処理(メイン)では、スタック領域に退避したレジスタを復帰し、禁止されていた割込が許可されて、割込前の処理に戻る。
また、RAM41cの記憶内容が破壊されている場合(Sa16でY)には、初期化するRAMの開始アドレスをレジスタにセットし(Sa23)、指定したアドレスで示すRAMの領域をクリア(以下、「初期化」ともいう)する(Sa24)。なお、RAM41cの記憶内容が破壊されている場合とは、Sa11でNまたはSa13でRAM破壊診断用固定データが正しいと判定されない場合またはRAM異常フラグがセットされている場合のいずれかの場合である。
ここで、RAM41cの格納領域は、設定値ワーク、特別ワーク、重要ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
設定値ワーク(本実施形態では0000H〜)は、設定値や乱数値など、通常の設定変更時に初期化すると不都合のあるデータが格納される領域である。
特別ワーク(本実施形態では0003H〜)は、I/Oポート41dの入出力データや、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータなど、設定変更開始前にのみ初期化されるデータが格納される領域である。
重要ワーク(本実施形態では0014H〜)は、クレジット数を示すカウンタや、各種表示器やLEDの表示データ、遊技時間の計時カウンタ、ゲーム終了時に初期化すると不都合があるデータが格納される領域である。
一般ワーク(本実施形態では0045H〜)は、持越しが行われない当選フラグや、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払い出し枚数など、1遊技(1ゲーム)に必要なデータであって、ゲーム終了時に初期化可能なデータが格納される領域である。
未使用領域(本実施形態では0173H〜)は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域である。
スタック領域(本実施形態では01CCH〜)は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域である。
そして、Sa23でアドレスを指定した場合には、RAM41cの格納領域のうち、上記した全ての領域が初期化される。次いで、RAM41cの記憶内容が正常でないことを示すRAM異常フラグをRAM41cにセットし(Sa25)、エラー処理に移行する。エラー処理では、エラー状態になって遊技を行うことが不能になる。エラー状態は、設定キースイッチ37をオンにして電源スイッチ39をオンにすることによって、Sa15でYと判定させ、設定変更処理に移行させることにより解除することができる。よって、設定キースイッチ37をオンにせずに電源スイッチ39をオンにした場合には、Sa15でNとなり、Sa16でYとなるので再度エラー状態になる。
なお、本実施形態では、データを「00h」とすること、すなわちクリアすることにより初期化を行っている。しかし、例えば、データを「FFh」としたり、データごとに予め決められた値を入力することにより、初期化を行うことも可能である。
このように、本実施形態では、マイクロコンピュータの起動において割込を禁止するとともに、初期設定処理において割込を禁止する(本例では、マイクロコンピュータの起動時にPSWが00hにクリアされてIMFが0となり、割込禁止状態に設定するとともに、初期設定処理において図35のDI命令を実行することにより図5のSa1の処理を実行する部分)。よって、意図しない割込が発生することを防止できる。
[ゲーム制御処理]
メイン制御部41が1ゲーム毎に実行するゲーム制御処理について説明する。メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると乱数抽選により入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(図12〜図14等参照)が行われる。内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から規定期間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図15〜図18等参照)。リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞等が発生したか否かを判定する入賞判定処理(図6〜図9等参照)が行われる。入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算が行われるとともに、入賞ライン上の図柄組合せに応じて遊技状態が移行される(図10、図11等参照)。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
また、メイン制御部41は、内部抽選処理実行中において、ART抽選処理を行い、ATに当選、すなわち、ATゲーム数を付与したときには、ATに制御し、ナビ報知及びナビ演出のための制御を行う。また、本実施形態のメイン制御部41は、内部抽選処理実行中において、特別役としてのボーナスに当選したときには、内部中としてのRT4に制御し、RT4においても後述するナビ開始ゲーム数の経過後にナビ報知及びナビ演出のための制御を行う。
[起動しない条件]
次に、本実施形態において、メイン制御部41やサブ制御部91として使用されるマイクロコンピュータが起動しない条件について図21を用いて説明する。図21に示す条件を満たした場合はエラー状態と判断してマイクロコンピュータは起動しない。
図21に示すように、ベクタテーブルの設定(関係するシンボル名:HPRGEND)においては、0000hと8000h〜HPRGEND以外の値が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。
CS/PWM設定(関係するシンボル名:HCSMD、HCSRW16〜HCSRW23)においては、CS/PWM設定で設定した値がHCSMD=0、かつHCSRW16が00以外の値が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。HCSRW17〜HCSRW23も同様である。
CS/PWM設定(関係するシンボル名:HCSMD、HCSRW15)においては、HCSMD=1、かつHCSRW15が00以外の値が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。
CS/PWM設定(関係するシンボル名:HPW0MD〜HPW3MD、HCSRW11〜HCSRW14)においては、HPW0MD=1、かつHCSRW11が00以外の値が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。また、HPW1MD=1、かつHCSRW12が00以外の値が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。HPW2MD=1、かつHCSRW13が00以外の値が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。HPW3MD=1、かつHCSRW14が00以外の値が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。
CS/PWM設定(関係するシンボル名:HCSMOD)においては、HCSMODのビット4=1が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。また、HCSMODのビット5=1が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。また、HCSMODのビット6=1が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。
乱数回路動作モード設定(関係するシンボル名:HRDMD)においては、HEDMDのビット3=1が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。
乱数回路動作モード設定(関係するシンボル名:HFRCLK)においては、HFRCLK=1を設定し、かつ乱数外部クロック(EXCLK)入力がないときにマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。
乱数回路動作モード設定(関係するシンボル名:HRDMYE)においては、HRDMYE=1の場合にマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。
システム設定(関係するシンボル名:HSYSCNT)においては、HSYSCNTのビット5=1が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。また、HSYSCNTのビット6=1が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。また、HSYSCNTのビット7=1が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。なお、HSYSCNTのビット5〜7は、いずれの機能の設定にも用いられていない未使用ビットであり、通常は0が設定される。
システム設定(関係するシンボル名:HLNKMD、HAUTLK)においては、HLNKMD=0、かつHAUTLK=1が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。
プログラムエンドアドレス(関係するシンボル名:HPRGEND)においては、HPRGENDに8000h〜A6FF以外の値が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。
RAMアクセス禁止アドレス(関係するシンボル名:HRAMSTAT、HRAMEND)においては、0000h≦HRAMSTAT≦HRAMEND≦01FFhを満たさない場合はマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。
SWステータス(関係するシンボル名:HSWSTS0〜HSWSTS9)においては、HSWSTS0が0000h〜01FFh以外の値が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。HSWSTS1〜HSWSTS9も同様である。
SWステータス(関係するシンボル名:HSWSTS0〜HSWSTS9、HRAMSTAT、HRAMEND)においては、HSWSTS0がHRAMSTATとHRAMENDで設定したアクセス禁止権領域の値が設定されるとマイクロコンピュータが起動しない条件が満たされる。HSWSTS1〜HSWSTS9も同様である。
このように、本実施形態では、初期設定処理でタイマ割込の設定を行った後に割込許可し、ベクタテーブルに設定した値が0000h、8000h〜HPRGEND以外の値の場合にはマイクロコンピュータの起動を制限する(本例では、図5及び図6、図21に示す部分)。よって、意図しない割込処理が実行されることを事前に防止することができる。
次に、サブ制御部91が実行する処理の内容について説明する。
[タイマ割込処理(サブ)]
サブ制御部91(CPU91c)は内部クロックのカウント値に基づいて1.12msの間隔でタイマ割込処理(サブ)を実行する。タイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部91は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する。次いで、停電判定処理を行う。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し、電断フラグが設定されていた場合には電断処理(サブ)に移行する。
電断フラグが設定されていない場合にはコマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
また、タイマ割込処理(サブ)では、サブ制御部91は、連続演出実行処理を実行する。連続演出実行処理では、サブ制御部91は、メイン制御部41から送信されたコマンドに基づいてART抽選が実行された旨およびその結果を識別し、複数ゲーム(例えば、5ゲーム)にわたって連続演出を実行する。
サブ制御部91は、液晶表示器51における演出画像の表示によって連続演出を実行する。連続演出の最終ゲーム(例えば、5ゲーム目)に至るまでの途中ゲーム(例えば、1〜4ゲーム目)では、ゲームの終了後に次ゲームで引き続き連続演出が実行されることを示す演出画像が表示される。
サブ制御部91は、連続演出の最終ゲームでは、図柄が停止して表示結果が導出された後に演出用スイッチ56の操作を受け付ける操作受付期間に移行させる。操作受付期間では、操作受付期間中である旨を示す操作促進報知を液晶表示器51からの報知画像の表示によって実行する。操作受付期間中に演出用スイッチ56が操作されたときは、連続演出の演出結果としてART抽選に当選した可能性を示す示唆演出を実行する。本実施形態では、ART抽選に当選した可能性が100%であることの示唆、すなわちART抽選に当選したことの確定報知か、あるいは、ART抽選に当選した可能性が0%であることの示唆、すなわちART抽選に当選していないことの確定報知が示唆演出として実行される。
なお、連続演出として、バトル演出を例に挙げることができる。バトル演出では、味方キャラクタと敵キャラクタが複数ゲームにわたってバトルする様子が表示される。そして、連続演出の最終ゲーム終了後の示唆演出によって演出の結果が報知される。示唆演出によって味方キャラクタが勝利したときはART抽選に当選した可能性が100%であることが示唆される。すなわち、ART抽選に当選したことの確定報知がなされる。示唆演出によって敵キャラクタが勝利したときはART抽選に当選した可能性が0%であることが示唆される。すなわち、ART抽選に当選しなかったことの確定報知がなされる。
また、本実施形態では、サブ制御部91は、操作受付期間における操作促進報知を第1態様と第2態様のいずれかによって実行する。
ここで、第1態様および第2態様として以下のような態様としてよい。例えば、操作促進報知として演出用スイッチ56を示す画像を表示し、第1態様と第2態様とで、演出用スイッチ56を示す画像の大きさを異ならせてよい。また、例えば、操作促進報知として演出用スイッチ56を示す画像を表示し、第1態様と第2態様とで、第1態様では演出用スイッチ56を示す画像の表示態様を異ならせてよい(第1態様では通常の表示だが、第2態様では文字を付すなど)。
そして、第1態様と第2態様のいずれによって操作促進報知を行うかをART抽選結果にもとづいて抽選する。具体的には、ART抽選に当選したときは、第1態様よりも第2態様のほうが選択される確率を高くする。そして、第2態様が選択されたときは、さらに、特定の柄が付された演出用スイッチ56の画像を表示するか否かを決定する。特定の柄が付された演出用スイッチ56の画像の表示確率はART抽選に当選しなかったときよりもART抽選に当選したときのほうが高くなるように抽選テーブルの判定値数を振り分ける。これにより、特定の柄の演出用スイッチ56の画像が表示されたときの演出効果が高まり、遊技の興趣が向上する。なお、演出用スイッチ56に特定の柄を付す態様のみならず、演出用スイッチ56の周囲に特定の柄を表示することも可能である。
また、タイマ割込処理(サブ)では、サブ制御部91は、演出用スイッチ56の操作受付期間中に出力するBGMや、遊技状態(例えば、ボーナス中か否か)に応じて出力するBGMを含む音声の出力制御を行う音声制御処理を実行する。そして、状態に応じて受け付けられている操作(遊技の進行に係る操作、演出用スイッチ56の操作、メニュー操作)が行われない状態(以下、「無操作状態」ともいう)で所定時間が経過したときに音声の出力を中断して音声を消音する。
なお、操作受付期間中のBGMを消音したときにも引き続き演出用スイッチ56の操作は受け付ける。また、遊技状態に応じたBGM(例えば、ボーナス中のBGM)を消音したときも引き続き遊技の進行操作自体は受け付ける。また、メニュー操作受付期間中のBGMを消音したときにも引き続きメニュー操作は受け付ける。
なお、本実施形態では、無操作状態で所定時間が経過したときに音声を消音しているが、各種LEDやランプを消灯するように制御することも可能である。
また、タイマ割込処理(サブ)では、サブ制御部91は、第3停止操作が行われた後、遊技の進行に係る操作およびメニュー操作が行われない無操作状態で一定時間(例えば、1分間)が経過したときにデモンストレーション状態に移行させるデモ移行処理を実行する。以下、デモンストレーション状態を「デモ状態」あるいは「デモ」と称する。デモ状態に移行すると、液晶表示器51からの演出画像の表示によりデモ演出を実行する。これにより、スロットマシン1を待機状態にする。しかし、後述するように、連続演出の最終ゲーム後の操作受付期間においては無操作状態で1分が経過してもデモ状態に移行しない。
また、タイマ割込処理(サブ)では、サブ制御部91は、第3停止操作が行われた後、遊技の進行に係る操作が行われない無操作状態で一定時間(例えば、30秒間)が経過したときにメニュー操作を受け付けるメニュー操作受付状態に移行させるメニュー操作受付処理を実行する。しかし、後述するように、連続演出の最終ゲーム後の操作受付期間においては無操作状態で30秒が経過してもメニュー操作受付状態に移行しない。
なお、サブ制御部91は、メニュー操作受付状態においてメニュー操作受付状態である旨の報知を液晶表示器51からの報知画像の表示によって実行する。しかし、この報知は演出用スイッチ56の操作受付期間における操作促進報知とは異なる態様となっている。
また、本実施形態では、メニュー操作を遊技者側設定スイッチ70によって行う例を挙げているが、メニュー操作を他のスイッチと兼用することも可能である。例えば、演出用スイッチ56を用いてメニュー操作を行うことを可能にしてもよい。この場合に、メニュー操作受付状態である旨の報知と操作促進報知とは異なる態様にすることが好ましい。例えば、色が異なるスイッチの画像を表示する、あるいは、柄が異なるスイッチの画像を表示することが例として挙げられる。これにより、同一のスイッチであってもタイミングによって用途が異なることを遊技者に認識させることができる。
また、タイマ割込処理(サブ)では、サブ制御部91は、連続演出の最終ゲームの終了後における演出用スイッチ56の操作受付期間において演出用スイッチ56が操作されたときに上述した示唆演出を実行する示唆演出実行処理を実行する。
[デモ移行処理]
次に、タイマ割込処理(サブ)で実行するデモ移行処理について説明する。
図22に示すように、デモ移行処理では、サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドにもとづいて、第3停止操作が行われたか否かを判定する(Sc1)。第3停止操作が行われていない場合(Sc1でN)には処理を終了する。
第3停止操作が行われた場合(Sc1でY)には、演出用スイッチ56の操作受付期間であるか否かを判定する(Sc2)。すなわち、連続演出の最終ゲームの終了後における操作受付期間に移行しているか否かを判定する。操作受付期間の場合(Sc2でY)には処理を終了する。
操作受付期間でない場合(Sc2でN)には、連続演出の途中ゲームの終了後か否かを判定する(Sc3)。連続演出の途中ゲームの終了後の場合(Sc3でY)は処理を終了する。
連続演出の途中ゲームの終了後でない場合(Sc3でN)には、第3停止操作が行われた後、遊技の進行に係る操作およびメニュー操作が行われない無操作状態で1分が経過したか否かを判定する(Sc4)。第3停止操作から無操作状態で1分が経過した場合(Sc4でY)には、デモ状態に移行させるデモ移行処理を実行する(Sc6)。デモ移行処理では、液晶表示器51から演出画像を表示することによりデモ演出を実行する。
第3停止操作から無操作状態で1分が経過していない場合(Sc4でN)には、操作受付期間で演出用スイッチ56の操作が行われ、演出用スイッチ56の操作から無操作状態で1分が経過したか否かを判定する(Sc5)。操作受付期間での演出用スイッチ56の操作から無操作状態で1分が経過していない場合(Sc5でN)には処理を終了する。操作受付期間での演出用スイッチ56の操作から無操作状態で1分が経過した場合(Sc5でY)にはデモ移行処理を実行する(Sc6)。
[メニュー操作受付処理]
次に、タイマ割込処理(サブ)で実行するメニュー操作受付処理について説明する。
図23に示すように、メニュー操作受付処理では、サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドにもとづいて、第3停止操作が行われたか否かを判定する(Sh1)。第3停止操作が行われていない場合(Sh1でN)には処理を終了する。
第3停止操作が行われた場合(Sh1でY)には、演出用スイッチ56の操作受付期間であるか否かを判定する(Sh2)。すなわち、連続演出の最終ゲームの終了後における操作受付期間に移行しているか否かを判定する。操作受付期間の場合(Sh2でY)には処理を終了する。
操作受付期間でない場合(Sh2でN)には、連続演出の途中ゲームの終了後か否かを判定する(Sh3)。連続演出の途中ゲームの終了後の場合(Sh3でY)は処理を終了する。
連続演出の途中ゲームの終了後でない場合(Sh3でN)には、第3停止操作が行われた後、遊技の進行に係る操作が行われない無操作状態で30秒経過したか否かを判定する(Sh4)。第3停止操作から無操作状態で30秒が経過した場合(Sh4でY)には、メニュー操作を受け付けるメニュー操作受付処理を実行する(Sh6)。
第3停止操作から無操作状態で30秒が経過していない場合(Sh4でN)には、操作受付期間で演出用スイッチ56の操作が行われ、演出用スイッチ56の操作から無操作状態で30秒が経過したか否かを判定する(Sh5)。操作受付期間での演出用スイッチ56の操作から無操作状態で30秒が経過していない場合(Sh5でN)には処理を終了する。操作受付期間での演出用スイッチ56の操作から無操作状態で30秒が経過した場合(Sh5でY)にはメニュー操作受付処理を実行する(Sh6)。
[示唆演出実行処理]
次に、タイマ割込処理(サブ)で実行する示唆演出実行処理について説明する。
図24に示すように、示唆演出実行処理では、サブ制御部91は、操作受付期間中であるか否かを判定する(Sb1)。すなわち、連続演出の最終ゲームの終了後における操作受付期間に移行しているか否かを判定する。操作受付期間中でない場合(Sb1でN)には処理を終了する。
操作受付期間中である場合(Sb1でY)には、演出用スイッチ56が操作されたか否かを判定する(Sb2)。演出用スイッチ56が操作された場合(Sb2でY)には、ART抽選の抽選結果に当選した可能性を示唆する示唆演出を実行する(Sb3)。また、演出用スイッチ56の操作にもとづいて可動役物を動作させる(Sb4)。
示唆演出は、ART抽選に当選した可能性が100%であることを示唆する演出(ART抽選に当選したことの確定報知)を含む複数種類の演出のうちからいずれかを選択して実行する。そして、ART抽選に当選した場合にはART抽選に当選しなかった場合よりも、ART抽選に当選した可能性が高いことを示唆する演出が選択される割合が高くなっている。
演出用スイッチが操作されなかった場合(Sb2でN)には、MAXBETスイッチ6が操作されたか否かを判定する(Sb5)。MAXBETスイッチ6が操作されなかった場合(Sb5でN)には処理を終了する。
MAXBETスイッチ6が操作された場合(Sb5でY)には、メイン制御部41から受信したコマンドにもとづいてART抽選に当選したか否かを判定する(Sb6)。ART抽選に当選していない場合(Sb6でN)には示唆演出の実行を中止する演出キャンセル処理を実行する(Sb8)。
ART抽選に当選している場合(Sb6でY)には、ART抽選に当選した可能性が100%であることを示す示唆演出を実行する(Sb7)。すなわち、ART抽選に当選したことの確定報知を示唆演出で実行する。
このとき、MAXBETスイッチ6の操作がされたときに実行中の演出を中止して即座に確定報知を実行せず、MAXBETスイッチ6の操作がされたときに、示唆演出を最後まで実行するとともに演出の結果として確定報知を実行する。具体的には、例えば、連続演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルする演出画像を液晶表示器51から表示するバトル演出を実行し、味方キャラクタが勝利することをART抽選に当選したことの確定報知とする。この場合において、MAXBETスイッチ6の操作がされたときには、バトル演出を中止して味方キャラクタが勝利した様子を表示するのではなく、バトルの様子を最後まで表示して味方キャラクタが勝利した様子を表示する。
[具体例]
次に、本実施形態の具体例について、図25〜図26を用いて説明する。図25(a)はデモ状態への移行を制限する具体例を示す。図25(b)はメニュー操作受付状態への移行を制限する具体例を示す。図26は、操作促進報知の具体例を示す。
図25(a)に示すように、連続演出の最終ゲームにおいて第3停止操作が行われて表示結果が導出された場合は、ゲームの終了後に演出用スイッチ56の操作受付期間となる。操作受付期間では操作促進報知を実行する。操作受付期間中は、第3停止操作から遊技の進行に係る操作及びメニュー操作の無操作状態で1分が経過してもデモ状態に移行しない。操作受付期間中に演出用スイッチ56が操作されると示唆演出を実行する。演出用スイッチ56の操作から遊技の進行に係る操作及びメニュー操作の無操作状態で1分が経過するとデモ状態に移行する。
なお、示唆演出によってART抽選に当選したことの確定報知がなされたときはデモ状態に移行しないように構成することも可能である。これにより、デモ状態に移行してART抽選に当選したことの確定報知がなされたか否かが識別できなくなることを防止でき、ART抽選に当選したことを遊技者に確実に認識させることができる。
また、演出用スイッチ56が操作されてから1分が経過したときに限らず、示唆演出が実行されてから1分が経過したときにデモ状態に移行させてもよい。
図25(b)に示すように、連続演出の最終ゲームにおいて第3停止操作が行われて表示結果が導出された場合は、ゲームの終了後に演出用スイッチ56の操作受付期間となる。操作受付期間では操作促進報知を実行する。第3停止操作から5秒が経過してからメニュー操作状態に移行するまでの時間をカウント開始する。操作受付期間中は、カウント開始から30秒が経過してもメニュー操作受付状態に移行させない。操作受付期間中に演出用スイッチ56が操作されると示唆演出を実行する。演出用スイッチ56の操作から遊技の進行に係る操作の無操作状態で30秒が経過するとメニュー操作受付状態に移行する。
なお、演出用スイッチ56が操作されてから30秒が経過したときに限らず、示唆演出が実行されてから30秒が経過したときにデモ状態に移行させてもよい。
図26(a)に示すように、連続演出の最終ゲーム後に操作受付期間に移行したときに、操作促進報知として演出用スイッチ56の操作を要求する操作要求演出画像201を表示する。このとき、演出用スイッチ56の操作可能回数を示す操作回数表示200を表示する。操作回数表示は1つにつき演出用スイッチ56の操作が1回可能になる。図中の例では演出用スイッチ56の操作可能回数は5回となっている。
図26(b)に示すように、示唆演出によってART抽選に当選していないことの示唆を行うときは、演出用スイッチ56が操作されたときに、操作回数表示200を1つ消滅させ、液晶表示器51の画面をブラックアウトするとともに、「残念」というメッセージを表示する。
図26(c)に示すように、ART抽選に当選していないことが報知されたが、操作回数表示201によって演出用スイッチ56の操作が残っていることが示されているときは、引き続き演出用スイッチ56を操作することが可能になる。よって、再度、操作促進報知として操作要求演出画像201を表示する。
図26(d)に示すように、再度、示唆演出によってART抽選に当選していないことの示唆を行うときは、演出用スイッチ56が操作されて操作条件が満たされたときに、操作回数表示200を1つ消滅させ、液晶表示器51の画面をブラックアウトするとともに、「残念」というメッセージを表示する。
図26(e)に示すように、ART抽選に当選していないことが報知されたが、操作回数表示201によって演出用スイッチ56の操作が残っていることが示されているときは、引き続き演出用スイッチ56を操作することが可能になる。よって、再度、操作促進報知として操作要求演出画像201を表示する。
図26(f)に示すように、示唆演出によってART抽選に当選していることの示唆を行うときは、演出用スイッチ56が操作されたときに、操作回数表示200を1つ消滅させ、「大当り」というメッセージを表示する。これにより、演出用スイッチ56の操作受付期間が終了し、操作促進報知は終了する。そして、次ゲームからATが開始する。
なお、本具体例では、ART抽選に当選した場合には、ART抽選に当選したことを示唆する演出用スイッチ56の操作回数を予め決定している。
[変形例1]
次に、上記実施形態の変形例1について図27を用いて説明する。本変形例に説明する可動手段901〜903を備えたスロットマシンにおいて、上記実施形態と同様に、演出用スイッチ56の操作受付期間でのデモ状態への移行の制限及びメニュー操作受付状態への移行の制限を行うことにより、本発明で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
[可動手段の動作確認]
まず、可動手段901〜903の動作確認について説明する。図27は、可動手段901〜903の動作を説明するための図である。可動手段901〜903は、演出時などに可動する部材である。可動手段901は、初期位置911と可動位置921との間を移動する。初期位置911は液晶表示器51の表示領域には重畳しない位置である。また、可動位置921は液晶表示器51の表示領域に重畳する位置である。可動手段902は、初期位置912と可動位置922との間を移動する。初期位置912は液晶表示器51の表示領域に重畳しない位置である。また、可動位置922は液晶表示器51の表示領域に重畳する位置である。可動手段903は、初期位置913と可動位置923との間を移動する。初期位置913および可動位置923は液晶表示器51の表示領域に重畳しない位置である。
変形例1では、サブ制御部91は確認動作制御手段として動作し、所定の条件時に可動手段901〜903の動作確認を行う。なお、所定の条件時とは、例えば、スロットマシン1の電源投入時や、可動手段901〜903の動作エラーを検出したときなど、可動手段901〜903の動作や初期位置を確認したいとき等である。
具体的には、サブ制御部91は、可動手段901〜903を可動位置921〜923まで移動させる(図27(A)〜(C))。なお、図示する例では、動作確認前に可動手段901〜903は初期位置911〜913に存在しているが(図27(A))、動作確認前に可動手段901〜903が初期位置911〜913に存在していない場合であっても、可動手段901〜903を可動位置921〜923まで移動させる(図27(C))。その後、サブ制御部91は、可動手段901〜903を、可動位置921〜923から初期位置911〜913まで移動させる(図27(C)〜(E))。
このように可動手段901〜903の動作確認を行うことで、動作確認後には可動手段901〜903を初期位置911〜913に移動させることができる。また、例えば、動作確認における可動手段901〜903の動作を例えばセンサ(図示せず)で検出することで、可動手段901〜903が正常に動作するか否かを確認することができる。
なお、可動手段901〜903の動作確認では可動手段901〜903が実際に移動するため、動作確認の終了までに時間がかかる。そこで、変形例1では、可動手段901〜903の動作確認と並行して、演出制御基板90の初期設定を行う。演出制御基板90の初期設定は、演出制御基板90が動作を行うために必要な設定を行う処理である。例えば、サブ制御部91は初期設定手段として動作し、サブCPU91aが、ROM91bに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、演出制御基板90の初期設定を行う。演出制御基板90の初期設定を行うことで、演出制御基板90による各処理を実行することができる。例えば、液晶表示器51に演出画像等を表示させたり、スピーカ53,54から音を出力させたり、遊技者側設定スイッチ70の操作を受け付けて、受け付けた操作に基づいた処理を行ったりすることができる。
図27に示す例では、可動手段901〜903が初期位置911〜913から可動位置921〜923までに移動する間(図27(A)〜(B))に、演出制御基板90の初期設定を行っている。また、演出制御基板90の初期設定を完了することにより、例えば、液晶表示器51に演出画像を表示させることができる(図27(C)〜(E))。
上述したとおり、確認動作実行期間に可動手段901〜903が移動中であっても、演出制御基板90の初期設定期設定が完了した後には、遊技者側設定スイッチ70の操作を受け付けて、受け付けた操作に基づいた処理をサブ制御部91が行うことができる。しかしながら、確認動作実行期間において可動手段901〜903が動作しているときに、遊技者側設定スイッチ70の操作に伴う処理が行われると煩わしい。そこで、変形例1では、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ70の操作を受け付けないようにし、確認動作実行期間の煩わしさを低減させる。また、変形例1では、遊技者側設定スイッチ70は、点灯および消灯することができる。そこで、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ70を消灯させ、遊技者側設定スイッチ70が遊技者に操作されにくいようにすることで、確認動作実行期間の煩わしさを低減させる。
[変形例2]
次に、上記実施形態の変形例2について図28〜図30を用いて説明する。本変形例に説明するメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力制御を行うスロットマシンにおいて、上記実施形態と同様に、演出用スイッチ56の操作受付期間でのデモ状態への移行の制限及びメニュー操作受付状態への移行の制限を行うことにより、本発明で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
以下、ゲームの進行を妨げることのない異常(エラー)を検出した場合において、CPU41aが外部出力信号として外部出力基板1000に対して出力するメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力制御について図28〜図30に基づき説明する。ゲームの進行を妨げることのない異常としては、エラー処理を行わなくてもゲームを進行できる異常である。ゲームの進行を妨げることのない異常の具体例としては、リール回転処理中の投入エラーおよび払出エラーや、払出処理中の投入エラーである。
リール回転処理中及び払出処理中の投入エラーは、例えば、メダル投入部4から異物を挿入された場合や、メダルの流路に異物が存在した場合や、リール回転中又は払出処理中にも関わらず、メダル投入部4から投入されたメダルがホッパータンク34a側に流下した場合などに検出される。また、リール回転処理中の払出エラーは、払出タイミングではない場合にメダルが払い出された場合などに検出される。
図28〜図30において、スタートスイッチ、リール回転開始、第1停止、第2停止、第3停止、払出、賭数設定は、ゲーム進行中の各タイミングを示す。具体的には、スタートスイッチは、スタートスイッチ7の操作を検出したタイミングを示す。リール回転開始は、リール2L、2C、2Rが回転を開始したタイミングを示す。第1停止は、全てのリールが未だ回転中の状態で最初に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。第2停止は、いずれか1つのリールが既に停止し、2つのリールが回転中の状態、すなわち2番目に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。第3停止は、いずれか2つのリールが停止し、1つのリールが回転中の状態、すなわち3番目に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。払出は、メダルの払出処理を行っているタイミングを示す。賭数設定は、リプレイ当選後に賭数の設定処理を行っているタイミングを示す。
異常検出は、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出したタイミングを示す。メダルOUT信号は、メダルOUT信号の出力状況を示す。具体的には、メダルOUT信号は、1パルス出力することにより1枚のメダルが払い出された旨を示す信号である。セキュリティ信号は、ゲームの進行を妨げることのない異常が発生したことを示す信号(例えば、投入エラー信号や払出エラー信号)の出力状況を示す。
図28は、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出し、かつメダルの払出のある入賞が発生した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施の形態では、図示するとおり、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、リール回転処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
また、従来知られているように、ゲーム中に異常検出したときに、ゲーム終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「ゲーム中の異常」と「ゲーム終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、本実施の形態では、ゲームを開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、遊技媒体の付与が終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、例えば、ホールコンピュータが、収集ユニットによって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
図29は、メダルの払出のある入賞が発生し、かつ払出処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施の形態では、図示するとおり、払出処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、払出処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
また、従来知られているように、払出中に異常検出したときに、払出終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「払出中の異常」と「払出終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、変形例2では、遊技媒体の付与を開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、遊技媒体の付与が終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、例えば、ホールコンピュータが、収集ユニットによって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「払出終了直後の異常」ではなく、「払出中の異常」であることを区別することができる。
図30は、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出し、かつリプレイの入賞が発生した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。変形例2では、図示するとおり、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、リプレイの入賞による賭数処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、リール回転処理中に異常が発生した状況で賭数が設定されたことを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。なお、図示する例では、賭数設定の横軸が長いが、実際は一瞬である。
また、従来知られているように、ゲーム中に異常検出したときに、ゲーム終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「ゲーム中の異常」と「ゲーム終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、変形例2では、ゲームを開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、リプレイの入賞による賭数処理を終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、例えば、ホールコンピュータが、収集ユニットによって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
なお、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出するタイミングは、図28,図30に示す例ではリールの回転中であり、図29に示す例では払出処理中であるが、これに限らない。例えば、ウェイト中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合や、フリーズ中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合や、精算中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合などにおいても、図28〜図30に記載の例と同様に、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、各処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
[変形例3]
次に、上記実施形態の変形例3について図31を用いて説明する。本変形例に説明するように、複数種類のタイマカウンタ値が格納される領域がRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定されるとともに、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、現在の指定アドレスに対して定数を加算することで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新するスロットマシンにおいて、上記実施形態と同様に、演出用スイッチ56の操作受付期間でのデモ状態への移行の制限及びメニュー操作受付状態への移行の制限を行うことにより、本発明で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
図31は、時間カウンタ更新処理の制御内容を示すフローチャートである。時間カウンタ更新処理は、メイン制御部41が一定間隔(約0.56msの間隔)で基本処理(主にメイン処理)に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で実行される。尚、タイマ割込処理(メイン)とは、タイマ回路509のカウントに応じて発生する割込により実行される処理であり、タイマ割込処理(メイン)のプログラムが格納されたアドレスは、ベクタテーブルのタイマ割込に対応する値として設定されている。そして、タイマ割込が発生すると当該アドレスからの処理が実行される。また、タイマ割込処理(メイン)の実行期間中は自動的に他の割込が禁止される。
時間カウンタ更新処理では、まず、1バイト用処理回数として、更新すべき1バイトのタイマカウンタの数(本実施例では3)をセットし(Sg1)、1バイトタイマ群の先頭アドレス(7E2Ch)にポインタをセットする(Sg2)。
次いで、指定アドレス(ポインタが示すアドレス)に格納された1バイトの値が0でなければ指定アドレスの1バイトの値を1減算し(Sg3)、Sg1のステップで設定した処理回数を1減算し(Sg4)、減算後の処理回数が0か否かを判定する(Sg5)。
Sg5のステップで減算後の処理回数が0でない場合、すなわち全ての1バイトタイマの更新が終了していない場合には、ポインタを1加算し(Sg6)、Sg3のステップに戻る。これにより、未処理の1バイトタイマのアドレスにポインタが移動し、指定アドレスの1バイトの値が0でなければ減算される。
Sg5のステップで減算後の処理回数が0の場合、すなわち全ての1バイトタイマの更新が終了した場合には、2バイト用処理回数として、更新すべき2バイトのタイマカウンタの数(本実施例では4)をセットし(Sg7)、ポインタを1加算する(Sg8)。これにより、2バイトカウンタ群の先頭アドレス(7E2Fh)にポインタが移動する。
次いで、指定アドレス(ポインタが示すアドレス)及び次のアドレスからなる領域に格納された2バイトの値が0でなければ指定アドレス及び次のアドレスの2バイトの値を1減算し(Sg9)、Sg7のステップで設定した処理回数を1減算し(Sg10)、減算後の処理回数が0か否かを判定する(Sg11)。
Sg11のステップで減算後の処理回数が0でない場合、すなわち全ての2バイトタイマの更新が終了していない場合には、ポインタを2加算し(Sg12)、Sg9のステップに戻る。これにより、未処理の2バイトタイマのアドレスにポインタが移動し、指定アドレス及び次のアドレスの2バイトの値が0でなければ減算される。
Sg11のステップで減算後の処理回数が0の場合、すなわち全ての2バイトタイマの更新が終了した場合には、処理を終了する。
このように変形例3では、RAM41cに割り当てられたタイマカウンタの値を定期的に更新し、特定の値(0)となることで時間の経過を特定するようになっている。従来は、複数種類の時間間隔を計測する場合に、計時を要する複数種類の処理内で、タイマ値の設定及び更新を行っており、複数種類のタイマ値を更新するためのプログラムをそれぞれの処理内に設ける必要があるため、プログラム容量が増大する要因となっていた。また、複数種類のタイマカウンタは、それぞれが用いられる処理毎のデータ群として割り当てられているため、一の処理においてまとめて更新するためには、それぞれの関連性のないアドレスの値を読み出す必要があった。
これに対して変形例3では、複数種類のタイマカウンタ値が格納される領域がRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定されるとともに、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、現在の指定アドレスに対して定数を加算することで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新するので、複数種類のアドレスをそれぞれ指定して当該アドレスの値を更新する処理を個々の処理で行う場合よりもプログラム容量を削減することができる。
尚、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、所定の演算を行うことで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する構成であれば良く、例えば、現在の指定アドレスに対して定数を加算することで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する構成でも良いし、基準アドレスに対して処理数に応じた値(例えば、1バイトカウンタであれば、処理数1の場合に+1、処理数2の場合に+2、処理数3の場合に+3…)を加算または減算することで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する構成でも良い。
また、変形例3では、1バイトタイマA〜C、2バイトタイマA〜Dの7種類のタイマカウンタの値を備える構成であるが、少なくとも2種類以上のタイマカウンタの値をRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定し、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、所定の演算を行うことで複数種類のタイマ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより2種類以上のタイマ値を更新する構成であれば、上記のようにプログラム容量を削減することができる。
また、1バイトタイマまたは2バイトタイマの一方のみ、タイマカウンタの値をRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定し、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、所定の演算を行うことで複数種類のタイマ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する構成でも良い。
また、メイン制御部41が備える一部のタイマカウンタのみ、タイマ値をRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定し、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、所定の演算を行うことで複数種類のタイマ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する構成でも良い。
また、変形例3では、計測する期間の種類毎に別個のタイマカウンタを備える構成であるが、例えば、計測する期間が重複しない複数種類の期間について一のタイマカウンタを共用する構成としても良い。
また、変形例3では、メイン制御部41が実行する処理として、遊技の進行状況に関わらず予め定められた処理を定期的に行うタイマ割込処理(メイン)と、遊技の進行状況に応じて段階的に異なる処理を行うメイン処理と、を含み、メイン制御部41は、メイン処理において計時条件が成立した場合にタイマカウンタに初期値を設定し、タイマ割込処理(メイン)において複数種類のタイマ値を更新するようになっており、メイン処理を構成する各処理内に複数種類のタイマ値を更新する処理を設ける必要がないため、複数種類のタイマ値の更新に係るプログラム容量を削減することができる。
尚、変形例3では、メイン処理に定期的に割り込んでタイマ割込処理(メイン)を実行する構成であるが、定期的に行うタイマ割込処理内で、遊技の進行状況に関わらず予め定められた処理を行う定期処理と、遊技の進行状況に応じて段階的に異なる処理を行うメイン処理と、の双方を行う構成としても良く、このような構成においても、メイン制御部41は、メイン処理において計時条件が成立した場合にタイマカウンタに初期値を設定し、定期処理において複数種類のタイマ値を更新する構成とすることで、メイン処理を構成する各処理内に複数種類のタイマ値を更新する処理を設ける必要がないため、複数種類のタイマ値の更新に係るプログラム容量を削減することができる。
また、変形例3では、時間カウンタ更新処理において、指定アドレスの値が0でないことを条件に当該アドレスの値を更新するようになっており、タイマ値が異常な値に更新されてしまうことを防止できる。
また、変形例3では、時間カウンタ更新処理において、更新するタイマカウンタの数と同数の処理数を設定し、設定した処理数分、タイマ値を更新する処理を繰り返し実行する構成であるため、更新するタイマカウンタの数の管理が容易になるとともに、例えば、更新間隔が異なる複数種類のタイマカウンタを備える場合などに、設定する処理数に応じて更新するタイマ値の種類を任意に設定することができる。
尚、処理数、すなわち更新するタイマカウンタの数は、プログラムに設定されていても良いし、テーブルに設定された値を読み出して設定するようにしても良い。
また、最初に処理数を設定することなく、最後に更新するタイマカウンタを予め設定するとともに、当該タイマカウンタのアドレスに到達するまでタイマ値を更新する処理を繰り返し実行する構成としたり、最後に更新するタイマカウンタの次のアドレスに特定のエンド値(例えば、FFh)を格納し、指定アドレスから読み出された値が特定のエンド値となるまでタイマ値を更新する処理を繰り返し実行する構成としても良い。
また、変形例3では、1バイトのタイマカウンタと、2バイトのタイマカウンタと、を備え、1バイトのタイマ値を更新する処理と、2バイトのタイマ値を更新する処理と、を別個に備えるため、1バイトのタイマ値を更新する処理と、2バイトのタイマ値を更新する処理と、を共通化する場合よりもプログラムの容量やRAM41cにおいてタイマ値が占有する容量を削減することができる。
尚、変形例3では、2バイトのタイマカウンタを備えることで1バイトを超える初期値に対応する相対的に長い時間を計測する構成であるが、例えば、更新間隔が異なるタイマカウンタ、例えば、タイマ割込処理(メイン)4回に1回更新する第1のタイマカウンタと、14回に1回更新する第2のタイマカウンタと、を備えることにより、2バイトのカウンタを設けることなく、相対的に長い時間間隔を計測する構成としても良く、このようにすることで、1バイトのタイマ値を更新する処理と、2バイトのタイマ値を更新する処理と、それぞれ設ける必要がなくなるため、タイマ値の更新に係るプログラム容量を削減できる。
また、変形例3では、複数種類のタイマカウンタがRAM41cにおいて遊技の進行に応じて初期化されることのない特別ワークに割り当てられており、遊技の進行に応じて初期化されることがないため、遊技の進行状況に関わらず、遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐ期間の時間を計測することができる。
特に、変形例3では、計測期間が1遊技の終了するタイミング、すなわち遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのあるタイマカウンタだけでなく、計測期間が遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのないタイマカウンタについても他のタイマカウンタとともに特別ワークに割り当てられた領域に格納されているため、タイマカウンタの管理が容易になるとともに、計測期間が遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのないタイマカウンタを、計測期間が遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのあるタイマカウンタに変更する等、後の設計変更等によりタイマカウンタの用途を容易に変更することができる。また、上記のように計測する期間が重複しない複数種類の期間について一のタイマカウンタを共用する構成であれば、遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのある計測期間と、遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのない計測期間と、を一のタイマカウンタにて計測することが可能となる。
[上記実施形態の効果]
本実施形態では、演出用スイッチ56の操作受付期間ではデモ状態に移行しない(本例では、図22のSc2でNのときにSc6の処理を実行する部分、図25(a)に示す部分)。
よって、操作受付期間においてデモ状態に移行することなく演出用スイッチ56の操作を受け付ける。これにより、遊技者に誤解を与えるような制御が行われることを防止することができる。
本実施形態では、演出用スイッチ56の操作受付期間である旨の操作促進報知を実行する(本例では、図25(a)に示す部分)。
よって、操作受付期間であることを容易に察知することができる。
本実施形態では、操作促進報知として第1態様の報知と第2態様の報知があり、第2態様には、前記第1態様に含まれない特定態様の操作促進報知が含まれている。
よって、操作促進報知を実行したときの演出効果が高まり、遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、無操作状態で音声の出力時間が所定時間に達したときは音声を消音する。
よって、音声を出力しているスロットマシンの周囲で遊技を行う遊技客が煩わしさを感じることを防止できる。
本実施形態では、連続演出の途中ゲームの終了後はデモ状態に移行せず、連続演出の最終ゲームの終了後に操作受付期間に移行する。
よって、連続演出が終了するまではデモ状態に移行することがないので、連続演出の実行途中で遊技が中断あるいは中止されることがない。よって、スロットマシンが放置されることを防ぐことができる。
本実施形態では、操作受付期間中にMAXBETスイッチ6が操作されたときはART抽選に当選したことを示唆する演出を実行し、ART抽選に当選しなかったことを示唆する演出をキャンセルする(図24のSb7の処理を実行する部分)。
よって、遊技を進行させて演出をキャンセルすることを希望する遊技者に対しても必要な情報を与えることができる。
本実施形態では、演出用スイッチ56が操作されたときに可動役物を動作させる(図24のSb4の処理を実行する部分)。
よって、可動役物を可動させたときの演出効果が高まり、遊技の興趣を向上させることができる。
変形例1では、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ70の操作を受け付けないようにし、確認動作実行期間の煩わしさを低減させる。また、本実施の形態では、遊技者側設定スイッチ70は、点灯および消灯することができる。そこで、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ70を消灯させ、遊技者側設定スイッチ70が遊技者に操作されにくいようにする。
よって、確認動作実行期間の煩わしさを低減させる。
本実施形態では、演出用スイッチ56の操作受付期間ではメニュー操作の受付状態に移行させない(本例では、図22のSh2でNのときにSh6の処理を実行する部分、図25(b)に示す部分)。
よって、操作受付期間においてデモ状態に移行することなく演出用スイッチ56の操作を受け付ける。これにより、遊技者に誤解を与えるような制御が行われることを防止することができる。
[その他、変形例について]
以下に、上記実施形態の種々の変形例について説明する。
[デモ状態への移行条件について]
上記実施形態では、デモ状態への移行条件を遊技の進行に係る操作及びメニュー操作が行われない無操作状態で1分経過することとしたが、他の態様の条件を移行条件としてもよい。例えば、精算スイッチ10が操作されたことを移行条件とすることが挙げられる。
[デモ状態中の制御について]
上記実施形態では、デモ状態中にデモ演出を実行したが、デモ状態中に他の制御を実行してもよい。例えば、音声を消音する、あるいは音量を下げる、各種LEDやランプを消灯するあるいは照度を低下させることが挙げられる。
[メニュー操作の受付状態への移行条件について]
上記実施形態では、メニュー操作の受付状態への移行条件を遊技の進行に係る操作が行われない無操作状態で30秒経過することとしたが、他の態様の条件を移行条件としてもよい。例えば、精算スイッチ10が操作されたことを移行条件とすることが挙げられる。
[示唆演出について]
上記実施形態では、ART抽選に当選したことの可能性を示唆する示唆演出を実行したが、他の可能性を示唆する演出を実行してもよい。例えば、遊技者にとって有利な有利状態へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されることなど)が付与された可能性、遊技者にとって有利な操作態様が報知される権利が付与された可能性、遊技用価値が付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利が付与された可能性、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利が付与された可能性、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値等)に移行する可能性など、遊技者にとって直接的な有利な特典が付与される可能性、遊技者にとって直接的に有利ではないが、例えば、インターネット上で特典を得るための条件となる等、遊技者にとって間接的に有利な特典が付与される可能性を示唆する演出を実行してもよい。
上記施形態では、遊技者にとって有利な特典(ART)に関する制御をメイン制御部41が行う構成であるが、遊技者にとって有利な特典に関する制御の一部または全部をサブ制御部91が行う構成としても良い。
[スロットマシンについて]
前記実施形態では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施形態1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
なお、上記実施形態は以下の発明を含むものである。
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(例えば、スロットマシン1)において、
操作を行うことが可能な操作手段(例えば、演出用スイッチ56)と、
表示結果が導出された後に移行条件が成立したときにデモンストレーション状態に移行させるデモンストレーション移行手段(例えば、図22のSc6の処理を実行する部分、図25(a)に示す部分)と、
操作受付期間において前記操作手段の操作を受け付けたときに可能性を示唆する演出を実行する可能性演出実行手段(例えば、図24のSb3の処理を実行する部分)とを備え、
前記操作受付期間は、表示結果が導出された後の期間を含み(例えば、図25(a)に示す部分)、
表示結果が導出された後に前記操作受付期間である場合には前記移行条件が成立しても前記デモンストレーション状態への移行を制限するデモンストレーション移行制限手段(例えば、図22のSc2でNのときにSc6の処理を実行する部分、図25(a)に示す部分)をさらに備えた。
この構成によれば、操作受付期間においてデモンストレーション状態に移行することなく操作手段の操作を受け付ける。よって、遊技者に誤解を与えるような制御が行われることを防止することができる。