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JP2015231155A - 通信システム、情報処理装置及びその制御方法、並びにプログラム - Google Patents

通信システム、情報処理装置及びその制御方法、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画像形成装置等の情報処理装置において、外部の通信装置から受信したジョブを実行する際に、ジョブの実行に不要な機能ブロックを省電力状態から復帰させることなくジョブを実行するための技術を提供する。【解決手段】画像形成装置は、NFCタグにハンドオーバー情報を書き込んでおく。携帯端末は、NFCタグからハンドオーバー情報を読み取って、画像形成装置との間でNFC通信を確立し、NFC通信から無線LAN通信へのハンドオーバーを行う。画像形成装置は、省電力状態にある間に携帯端末からジョブ種別情報を受信すると(S1004)、画像形成装置が備える複数のデバイスのうち、ジョブの実行に必要となるデバイスを特定する(S1006)。更に、画像形成装置は、特定したデバイスを省電力状態から非省電力状態に移行させ、ジョブを実行する(S1008)。【選択図】図10

Description

本発明は、通信システム、情報処理装置及びその制御方法、並びにプログラムに関するものである。
近年、近距離無線通信技術であるNFC(Near Field Communication)が、スマートフォンやタブレットPC等の携帯端末に実装されることで急速に普及し始めている。NFCの仕様では、リーダ/ライタ機能、カードエミュレーション機能、及びピアツーピア(P2P)機能の3つの機能が規定されている。リーダ/ライタ機能は、従来用いられてきたRFID(Radio Frequency IDentification)タグやNFCタグに対する情報の読み取り及び書き込みを実行するための機能である。カードエミュレーション機能は、リーダ/ライタで情報の読み取りが可能なNFCタグと同等の動作を実行するための機能である。P2P機能は、NFC対応機器間でデータの送受信を行う機能である。NFC機能を搭載した携帯端末には、リーダ/ライタが実装されている。携帯端末は、リーダ/ライタを利用することによって、NFCタグに対する情報の読み出し及び書き込みを行うことができる。
また、携帯端末等の電子機器は、NFCだけでなく、無線LAN方式、Bluetooth(登録商標)等の、様々な通信方式に対応している。このため、電子機器間でペアリング及び認証をNFCを利用して行い、実際の通信をWi−Fi、Bluetooth(登録商標)等による通信に引き継ぐハンドオーバーと称される技術が存在する。このようなハンドオーバーを利用することによって、無線LAN方式、Bluetooth(登録商標)等の通信の確立に必要となる初期設定を自動的に実行可能になる。具体的には、接続対象の装置のNFCタグに初期設定に必要な情報(ハンドオーバー情報)を予め書き込んでおき、携帯端末を当該NFCタグにかざすことで、携帯端末が、リーダ/ライタ機能によって当該NFCタグから必要な情報を取得できる。例えば、無線LAN方式の場合、アクセスポイントのSSID(Service Set Identifier)及びセキュリティキー、接続対象の装置のIPアドレス等の情報を、ハンドオーバー情報としてNFCタグに書き込んでおく。これにより、ハンドオーバー情報を用いたハンドオーバーを用意に実現できる。
ハンドオーバーを利用した携帯端末と画像形成装置との連携動作の例として、以下のような例が想定される。例えば、NFC通信からのハンドオーバーによって確立した通信によって、携帯端末から画像データを画像形成装置に送信する例や、画像形成装置で原稿をスキャンして得られた画像データを携帯端末に送信する例が想定される。
ここで、省電力モードで動作している画像形成装置に対して、NFC通信からのハンドオーバーによって確立した通信によって、携帯端末からプリントジョブを送信する場合を検討する。この場合、画像形成装置は、省電力モードから通常動作モードに復帰した後に、受信したプリントジョブを実行する必要がある。このようなNFC通信の例として、特許文献1には、機器が省電力モードで動作中にNFCによる通信要求が発生した場合に、機器を省電力モードから通常動作モードに復帰させた後にNFCによる通信を行う技術が提案されている。
特開2011−44092号公報
しかしながら、省電力モードで動作中の画像形成装置等の情報処理装置では、複数の機能ブロック(デバイス)が省電力状態(例えば、動作を停止している状態にある。情報処理装置を省電力モードから通常動作モードに復帰させる場合、携帯端末等の通信装置から情報処理装置に実行させるジョブの種類に依存して、ジョブの実行に必要となる機能ブロック(デバイス)が異なる。このため、情報処理装置が省電力モードから通常動作モードに復帰する際に、ジョブの実行に必要のない機能ブロックを省電力状態から非省電力状態に復帰させると、不必要に電力を消費してしまう可能性がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものである。本発明は、画像形成装置等の情報処理装置において、外部の通信装置から受信したジョブを実行する際に、ジョブの実行に不要な機能ブロックを省電力状態から復帰させることなくジョブを実行するための技術を提供することを目的とする。
本発明は、例えば、通信システム及び情報処理装置として実現できる。本発明の一態様に係る通信システムは、情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な通信装置とを備える通信システムであって、前記通信装置は、近距離無線通信のための第1通信方式よりも高速な無線通信のための第2通信方式で前記情報処理装置に接続するための接続情報を、前記第1通信方式の通信によって前記情報処理装置から取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記接続情報に基づいて前記情報処理装置との前記第2通信方式の通信を確立し、前記情報処理装置にジョブを実行させるためのジョブ情報を、前記第2通信方式の通信によって前記情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、前記情報処理装置は、前記第1通信方式の通信によって前記接続情報を前記通信装置に送信する第1通信手段と、前記接続情報に基づいて確立される前記第2通信方式の通信によって、前記ジョブ情報を前記通信装置から受信する第2通信手段と、前記情報処理装置が備える複数の機能ブロックが省電力状態にある間に前記第2通信手段によって前記ジョブ情報が受信されると、前記複数の機能ブロックのうちで、前記ジョブ情報に対応するジョブの実行に必要となる機能ブロックを特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された機能ブロックを省電力状態から非省電力状態に移行させ、前記ジョブを実行する制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る情報処理装置は、外部の通信装置と通信可能な情報処理装置であって、近距離無線通信のための第1通信方式の通信によって、前記第1通信方式よりも高速な無線通信のための第2通信方式で前記情報処理装置に接続するための接続情報を前記通信装置に送信する第1通信手段と、前記接続情報に基づいて確立される前記第2通信方式の通信によって、ジョブを実行するためのジョブ情報を前記通信装置から受信する第2通信手段と、前記情報処理装置が備える複数の機能ブロックが省電力状態にある間に前記第2通信手段によって前記ジョブ情報が受信されると、前記複数の機能ブロックのうちで、前記ジョブ情報に対応するジョブの実行に必要となる機能ブロックを特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された機能ブロックを省電力状態から非省電力状態に移行させ、前記ジョブを実行する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、画像形成装置等の情報処理装置において、外部の通信装置から受信したジョブを実行する際に、ジョブの実行に不要な機能ブロックを省電力状態から復帰させることなくジョブを実行することが可能である。
通信システムの構成例を示す図。 画像形成装置のハードウェア構成例を示すブロック図(A)、及びNFCタグのハードウェア構成例を示すブロック図(B)。 携帯端末のハードウェア構成例を示すブロック図。 画像形成装置と携帯端末とが離れた状態及び近接した状態の一例を示す図。 NFC通信から無線LAN通信へのハンドオーバーの手順の一例を示すシーケンス図。 携帯端末において表示される、MFP連携アプリケーションの操作画面の例を示す図。 第1の実施形態に係る、携帯端末において実行される処理の手順を示すフローチャート。 第1の実施形態に係る、NFCタグによって実行される処理の手順を示すフローチャート。 NFCタグの記憶領域に格納される情報の一例を示す図。 第1の実施形態に係る、画像形成装置において実行される処理の手順を示すフローチャート。 第2の実施形態に係る、携帯端末において実行される処理の手順を示すフローチャート。 第2の実施形態に係る、画像形成装置において実行される処理の手順を示すフローチャート。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
[第1の実施形態]
まず、図1乃至図10を参照して、第1の実施形態について説明する。
<通信システムの構成>
図1は、第1の実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。本通信システムは、画像形成装置(MFP)100、パーソナルコンピュータ(PC)200、携帯端末300、無線LAN(WLAN)用のアクセスポイント500、及びローカルエリアネットワーク(LAN)600を備える。ただし、本通信システムは、PC、携帯端末、画像形成装置等を任意の何台備えうる。画像形成装置100、PC200及びアクセスポイント500は、LAN600に接続されており、LAN600を介して通信可能である。なお、画像形成装置100は、情報処理装置の一例であり、携帯端末300は、情報処理装置と通信可能な通信装置の一例である。
画像形成装置100及び携帯端末300は、近距離無線通信のための通信方式(第1通信方式)として、NFCに対応している。また、画像形成装置100及び携帯端末300は、NFCよりも高速な無線通信のための通信方式(第2通信方式)として、IEEE802.11規格の無線LAN方式、無線LAN方式を使用する通信方式の1つであるWi−Fi Direct(登録商標)、及びBluetooth(登録商標)に対応している。
図1に示す通信システムにおいて、携帯端末300は、無線LAN方式の通信(無線LAN通信800)によってアクセスポイント500に接続することによって、当該アクセスポイントを介して画像形成装置100と通信可能である。また、携帯端末300は、無線LAN方式の通信(無線LAN通信900)によって画像形成装置100に直接接続することによって、画像形成装置100と通信可能である。更に、携帯端末300は、NFC通信によって画像形成装置100に直接接続することによっても、画像形成装置100と通信可能である。
本実施形態では、無線LAN通信900として、無線LAN方式を使用するWi−Fi Direct(登録商標)による通信を想定しているが、無線LAN方式のアドホックモードの通信、、Bluetooth(登録商標)による通信等によって置き換えられてもよい。以下では、画像形成装置100と携帯端末300とが、近距離無線通信としてNFC通信700を行うとともに、高速無線通信としてアクセスポイント500を介して無線LAN通信800を行う例について説明する。
画像形成装置100は、コピー機能、プリント機能、スキャン機能、NFC通信機能、無線LAN通信機能等を有する。PC200は、画像形成装置100に印刷ジョブを送信し、また、画像形成装置100が電子化したデータを参照することができる。携帯端末300は、NFC通信機能、無線LAN通信機能等を有する、持ち運び可能な情報処理端末であり、例えば、スマートフォンやタブレットPCである。
携帯端末300は、アクセスポイント500のSSID及びセキュリティキー、画像形成装置100のエラー情報及びログ情報、携帯端末300で動作可能なアプリケーションを起動させるための起動情報、ジョブ種類情報等の、種々の情報を、NFC通信700によって画像形成装置100との間で送受信しうる。また、携帯端末300は、無線LAN通信800によって、携帯端末300内で保持している画像データを画像形成装置100に送信し、当該画像データに基づく印刷を画像形成装置100に実行させることができる。
無線LAN用のアクセスポイント500は、携帯端末300等の、無線LAN I/Fを備える機器と通信可能であり、LAN600に接続されている。携帯端末300は、アクセスポイント500を介して、LAN600に接続されている機器との通信が可能である。LAN600は、イーサネット(登録商標)等の通信規格に対応したネットワークである。
<画像形成装置の構成>
図2(A)は、画像形成装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。画像形成装置100は、CPU101、RAM102、ROM103、HDD104、操作部I/F105、ネットワークI/F106、NFCタグ107、画像バスI/F109、及び無線LAN I/F118を備える。これらの機能ブロック(デバイス)は、システムバス114を介して相互に接続されている。また、画像形成装置100は、操作部I/F105に接続された操作部120、及びNFCタグ107に接続されたアンテナ108を備える。画像形成装置100は、更に、画像処理を担う機能ブロック(デバイス)として、RIP110、デバイスI/F111、プリンタ画像処理部112、及びスキャナ画像処理部113を備え、それらは画像バス115を介して接続されている。
CPU101は、画像形成装置100の全体を制御する。RAM102は、CPU101が演算に用いるデータを一時的に格納するためのワークメモリとして使用される、揮発性のメモリである。ROM103は、画像形成装置100の起動に用いるプログラムが格納されており、主に画像形成装置100が起動する際に使用される。ハードディスクドライブ(HDD)104は、画像形成装置100の制御に関するソフトウェア、各種設定データ、保存された文書データ等の、種々のデータを格納する、不揮発性の記憶デバイスである。
操作部120は、液晶ディスプレイ(LCD)及びタッチパネルを備え、画像形成装置100のユーザに対し、画像形成装置100へユーザ操作によって情報を入力するための入力I/F、及び情報を出力するための出力I/Fを提供する。操作部I/F105は、操作部120に対するI/Fであり、操作部120とシステムバス114との間で送受信されるデータを中継する。
ネットワークI/F106は、LAN600を介して外部機器との間でデータの送受信を行うためのI/Fである。NFCタグ107は、アンテナ108を介してNFC通信700を行うための制御を行う。本実施形態では、NFCタグ107は、CPU101から制御可能なNFCタグであるが、カードエミュレーションモードで動作するNFCリーダ/ライタであってもよい。アンテナ108は、NFC通信700を行うためのアンテナであり、外部機器との間でNFC通信700のための電波を送受信する。無線LAN I/F118は、無線LAN通信800,900によって外部機器との間でデータの送受信を行うためのI/Fである。
画像バスI/F109は、システムバス114と画像バス115との間に接続され、それらのバス間でのデータの中継、及び中継するデータについてのデータ構造の変換を行う。ラスタイメージプロセッサ(RIP)110は、ページ記述言語(PDL)コードやディスプレイリスト等をビットマップイメージに変換する。デバイスI/F111は、スキャナ部130及びプリンタ部140と画像バス115とを接続するI/Fである。
デバイスI/F111は、スキャナ部130から受信した画像データを画像バス115に送信するためのタイミング調整と、画像バス115からプリンタ部140への画像データ送信のためのタイミング調整とを行う。スキャナ部130は、スキャナセンサによって画像データを生成し、また、生成した画像データに対し、画像形成装置100に応じた補正、解像度変換等の処理を行う。プリンタ部140は、デバイスI/F111を介して入力される画像データに基づいてシート(記録媒体)上に画像を形成する。また、プリンタ部140は、プリント出力用の画像データに対して、画像形成装置100のプリントエンジンに応じた補正、解像度変換等の処理を行う。
(NFCタグ107)
図2(B)は、NFCタグ107のハードウェア構成例を示すブロック図である。NFCタグ107は、NFC処理部151と、NFC処理部151に接続された、不揮発性の記憶領域152及び有線I/F153とを備える。有線I/F153は、システムバス114に接続されている。また、NFCタグ107は、画像形成装置100の内部の電源等から有線を介して電力供給160を受けることが可能である。
NFC処理部151は、CPU(図示せず)、及びCPUのワークメモリであるRAM(図示せず)から構成される、NFCに関する通信処理部である。記憶領域152は、NFC通信によって外部装置(外部のNFCリーダ/ライタ)からの情報の読み取り及び書き込みが可能な記憶領域である。NFC処理部151は、外部のNFCリーダ/ライタから読み取ることが可能な情報(即ち、外部のNFCリーダ/ライタに送信可能な情報)を、記憶領域152に格納しうる。また、NFC処理部151は、外部のNFCリーダ/ライタから書き込まれる情報(即ち、外部のNFCリーダ/ライタからアンテナ108を介して受信した情報)を、記憶領域152に格納しうる。
CPU101が、記憶領域152のシステム領域内に割り込み設定ビット(図示せず)を設定した場合、NFC処理部151は、NFC通信700の実行タイミング、記憶領域152への情報の書き込みタイミング等に、CPU101に割込信号を送信する。CPU101は、画像形成装置100が省電力モードで動作している間にNFC処理部151から割り込み信号を受信すると、画像形成装置100を通常動作モード(非省電力モード)に復帰させうる。
有線I/F153は、NFC処理部151とシステムバス114に接続されたデバイスとの間で、データ(情報)を送受信するためのI/Fである。CPU101は、有線I/F153を介して、NFC処理部151と情報の送受信を行うことで、記憶領域152への情報の書き込み、及び記憶領域152からの情報の読み出しを行うことができる。また、NFC処理部151は、有線I/F153及びシステムバス114を介して、上述の割り込み信号をCPU101に送信しうる。
NFCタグ107は、外部のリーダ/ライタとの近距離無線通信(NFC通信)を行う際に、アンテナ108で受信した電波によって電力の供給を受けて動作することができる。なお、外部のNFCリーダ/ライタから記憶領域152へのデータアクセスは、アンテナ108から電力の供給を受けて行うだけでなく、画像形成装置100内部の電源等から有線で電力供給160を受けて行うこともできる。
<携帯端末の構成>
図3は、携帯端末300のハードウェア構成例を示すブロック図である。携帯端末300は、CPU301、RAM302、フラッシュROM303、操作部304、カメラ305、無線LAN I/F306及びNFCリーダ/ライタ307を備える。これらの機能ブロック(デバイス)は、システムバス309を介して相互に接続されており、システムバス309を介して相互にデータの送受信を行いうる。
CPU301は、携帯端末300全体を制御する。RAM302は、CPU301が演算に用いるデータを一時的に格納するためのワークメモリとして使用される、揮発性のメモリである。フラッシュROM303は、CPU301が使用するプログラムや各種データを格納する、書き換え可能な不揮発性のメモリである。操作部304は、液晶ディスプレイ(LCD)及びタッチパネルを備え、携帯端末300のユーザに対し、画像形成装置100へユーザ操作によって情報を入力するための入力I/F、及び情報を出力するための出力I/Fを提供する。カメラ305は、静止画または動画を撮影するために用いられる。
無線LAN I/F306は、無線LAN通信800,900によって外部機器との間でデータの送受信を行うためのI/Fである。NFCリーダ/ライタ307は、NFC通信700を行うための制御を行う。アンテナ308は、NFC通信700を行うためのアンテナであり、外部機器との間でNFC通信700のための電波の送受信を行う。
<近距離無線通信(NFC通信)の例>
図4(A)及び(B)は、画像形成装置100と携帯端末300が離れた状態及び近接した状態の一例を示す図である。なお、本実施形態では、近距離無線通信としてNFC通信700が行われる場合を想定している。
図4(A)は、画像形成装置100と携帯端末300とが離れた状態を示している。図4(A)に示す状態は、携帯端末300のNFCリーダ/ライタ307が、画像形成装置100のNFCタグ107とNFC通信700を行える範囲外にある状態である。この状態では、携帯端末300は、NFCタグ107の記憶領域152に格納された情報をNFC通信700によって読み取り、またはNFCタグ107の記憶領域152に対してNFC通信700によって情報を書き込むことは不可能である。
図4(B)は、画像形成装置100と携帯端末300が近接した状態を示している。図4(B)に示す状態は、携帯端末300のNFCリーダ/ライタ307が、画像形成装置100のNFCタグ107とNFC通信700を行える範囲内にある状態である。この状態では、携帯端末300は、NFCタグ107の記憶領域152に格納された情報をNFC通信700によって読み取り、またはNFCタグ107の記憶領域152に対してNFC通信700によって情報を書き込むことが可能である。なお、この状態で、NFCタグ107は、NFCリーダ/ライタ307が送信する電波を受信することで、受信した電波によって電力の供給を受けて動作することが可能である。
携帯端末300は、NFC通信700を行うことで、NFCタグ107の記憶領域152から種々の情報を読み取ることが可能である。そのような情報には、例えば、携帯端末300で動作可能なアプリケーションを起動させるための起動情報、またはそのようなアプリケーションをダウンロード可能なWebサイトにアクセスするための情報であるダウンロード情報が含まれる。更に、NFC通信700の実行中に、NFC通信700から,より高速な無線通信(無線LAN通信800,900等)にハンドオーバーするためのハンドオーバー情報(アクセスポイント500のSSID、セキュリティキー、IPアドレス等)等が含まれる。
なお、携帯端末300で動作可能なアプリケーションの一例として、後述するMFP連携アプリケーションがある。携帯端末300は、MFP連携アプリケーションを利用することによって、例えば、携帯端末300内の画像データを、無線LAN通信800によって、アクセスポイント500を介して画像形成装置100に送信できる。これにより、携帯端末300は、送信した画像データの印刷を画像形成装置100に実行させることができる。
<NFC通信から無線LAN通信へのハンドオーバー手順>
図5は、画像形成装置100及び携帯端末300によって実行される、NFC通信700から無線LAN通信800へのハンドオーバーの手順の一例を示すシーケンス図である。ここでは、NFCタグ107とNFCリーダ/ライタ307との間でNFC通信700が確立した後、画像形成装置100と携帯端末300との間の通信を、NFC通信700から無線LAN通信800に切り替えるハンドオーバーが行われる例について説明する。なお、図5に示すハンドオーバーは、携帯端末300が、NFCタグ107の記憶領域152に予め格納されたハンドオーバー情報を取得してハンドオーバーを行う、Static Handoverと称される方式に対応している。
まず、ユーザが携帯端末300を画像形成装置100のNFCタグ107に近づけると、画像形成装置100のNFCタグ107と携帯端末300のNFCリーダ/ライタ307との間で、NFCによる無線接続(NFC通信700)が開始される。S501で、NFCリーダ/ライタ307は、PollingコマンドをNFCタグ107に送信する。NFCタグ107は、携帯端末300からの電波をアンテナ108を介して受信すると、S502において、受信した電波によって電力を受けて起動する。
その後、S503で、NFCタグ107は、Pollingコマンドに対する応答として、Responseデータを送信する。なお、Responseデータには、NFCタグ107の記憶領域152に格納されている、ハンドオーバー処理に必要となるハンドオーバー情報(IPアドレス、SSID、セキュリティキー等)が含まれる。携帯端末300は、受信したハンドオーバー情報を、RAM302等の記憶デバイスに格納する。以上の処理により、携帯端末300は、無線LAN方式で画像形成装置100に接続するための接続情報に相当するハンドオーバー情報を、NFC通信700によって画像形成装置100から取得する。
次に、携帯端末300は、受信したハンドオーバー情報に基づいて画像形成装置100との間で無線LAN方式の通信(無線LAN通信800)を確立することによって、NFC通信700から無線LAN通信へのハンドオーバーを行う。なお、本実施形態では、携帯端末300は、アクセスポイント500に対して無線LAN方式で接続することで、アクセスポイント500を介して画像形成装置100との間で通信を確立する。
まず、S504で、携帯端末300は、無線LAN I/F306を介して、RAM102に格納したハンドオーバー情報に含まれるSSID及びセキュリティキーを用いてアクセスポイント500に接続することで、無線LAN通信800を確立する。更に、携帯端末300は、ハンドオーバー情報に含まれるIPアドレスを用いて画像形成装置100に対して接続要求を行う。画像形成装置100は、S505で、ネットワークI/F106を介して受信した接続要求に基づいて携帯端末300の認証を行った後、接続応答を携帯端末300に対して送信する。以上の処理により、携帯端末300と画像形成装置100との間で、無線LAN通信800(本実施形態では、アクセスポイント500と画像形成装置100との間のLAN600を介した通信を含むものとする。)が確立され、ハンドオーバーが完了する。
なお、携帯端末300のユーザが、ハンドオーバー情報を知っている場合には、NFC通信700を利用することなく、無線LAN通信800を確立するために必要な情報を、ユーザが携帯端末300に対して手動で設定することも可能である。また、図5では、NFC通信700から無線LAN通信800にハンドオーバーする例を示したが、NFC通信700から無線LAN通信900へのハンドオーバーも同様の手順で実現できる。
<MFP連携アプリケーションの動作例>
図6は、携帯端末300上で動作するMFP連携アプリケーションの動作例、及び当該アプリケーションの操作画面の例について説明する。MFP連携アプリケーション(MFP連携アプリ)は、携帯端末300上で動作可能なアプリケーションである。当該アプリケーションは、携帯端末300と画像形成装置100とを連携させ、スキャン、プリント、FAX送信等のジョブを携帯端末300から画像形成装置100に実行させるために用いられる。
携帯端末300のユーザが操作部304を操作してMFP連携アプリを立ち上げると、ジョブ選択画面(操作画面601)が操作部304(のLCD)に表示される。操作画面601は、画像形成装置100に実行させるジョブを選択するために用いられる。操作画面601には、プリントジョブ、スキャンジョブ及びFAX送信ジョブをそれぞれ選択するためのボタン601a,601b,601cが含まれる。ボタン601a,601b,601cのいずれかが押下されると、操作部304の表示が、押下されたボタンに対応するジョブの設定及び実行開始指示を行うためのジョブ設定画面に切り替わる。
図6は、操作画面601においてボタン601aがユーザによって押下され、プリントジョブに対応するジョブ設定画面(操作画面602)が表示された例を示している。ユーザは、各種の設定ボタン602aを操作することで、プリント用の画像データ、プリント部数、用紙サイズ、両面/片面といった項目を設定できる。その後、ユーザによって実行ボタン602bが押下されると、NFCタグ107との通信の開始を待つ状態となり、操作部304の表示が、NFCタグ107に携帯端末300をかざすように促すメッセージを表示する操作画面603に切り替わる。
携帯端末300がNFCタグ107にかざされると、NFCタグ107とNFCリーダ/ライタ307との間でNFC通信が開始され、操作部304の表示が、NFC通信の実行中であることを示すメッセージを表示する操作画面604に切り替わる。本実施形態では、操作画面604の表示中に、NFCリーダ/ライタ307は、NFCタグ107に対して、ジョブの種別を示すジョブ種別情報(本例では、プリントジョブを示す情報)を書き込む。更に、NFCリーダ/ライタ307は、NFCタグ107からハンドオーバー情報(SSID、セキュリティキー、IPアドレス等)を読み取る。
その後、図5に示す手順でハンドオーバーが完了すると、携帯端末300から画像形成装置100にプリントジョブの実行用データ(画像データ、プリント設定等)が送信されることで、画像形成装置100によってプリントジョブの実行が開始される。プリントジョブの実行中には、携帯端末300の操作部304に、操作画面605が表示される。
一方、NFC通信700の実行中に、NFCタグ107と携帯端末300とが離れてしまった等の理由により、NFC通信700が失敗した場合には、通信エラー画面(操作画面606)が操作部304に表示される。操作画面606には、再度、NFC通信700を確立するために、携帯端末300をNFCタグ107に再びかざすようユーザに促すメッセージが表示される。
なお、図6では、プリントジョブに対応するボタン601aが操作される例を示したが、スキャンジョブ及びFAX送信ジョブに対応するボタン601b,601cが操作された場合も、同様の表示制御が行われる。また、MFP連携アプリによって、スキャンジョブ、プリントジョブ、FAX送信ジョブ以外のジョブについて、ジョブの設定及び実行指示を行えてもよい。
<携帯端末における処理>
図7は、本実施形態に係る、携帯端末300において実行される処理の手順を示すフローチャートである。図7に示す各ステップの処理は、CPU301が、フラッシュROM303に格納された制御プログラムをRAM302に読み出して実行することによって、携帯端末300で実現される。
S701で、CPU301は、NFCタグ107との間でNFC通信700が確立されたか否かを判定する。携帯端末300がNFCタグ107に近づけられると、NFCによる接続が開始され、NFC通信700が確立する。CPU301は、NFC通信700が確立されたと判定すると(S701で「YES」)、処理をS702に進める。なお、本実施形態では、ユーザがNFCリーダ/ライタ307用のアプリケーションを起動させた状態でなくても、携帯端末300がNFCタグ107に近づけられると、NFCリーダ/ライタ307が自動的にNFCによる接続を開始する。ただし、NFCリーダ/ライタ307用のアプリケーションが起動された状態にのみ、NFCによる接続を開始できるようにしてもよい。
S702で、CPU301は、MFP連携アプリが起動済みであるか否かを判定する。CPU301は、MFP連携アプリが起動済みであると判定した場合(S702で「YES」)、処理をS703に進める。S703で、CPU301は、NFCタグ107からハンドオーバー情報(接続情報)を読み取ることで、画像形成装置100から、NFC通信700によってハンドオーバー情報を取得し、処理をS704に進める。
一方、CPU301は、MFP連携アプリが起動済みではないと判定した場合(S702で「NO」)、処理をS708に進める。S708で、CPU301で、NFC通信700によって、NFCタグ107からハンドオーバー情報(接続情報)に加えて、アプリケーション起動情報を読み取る。更に、S709で、CPU301は、NFCタグ107から読み取ったアプリケーション起動情報に基づいて、MFP連携アプリを起動し、処理をS704に進める。
S704で、CPU301は、NFCタグ107から読み取ったハンドオーバー情報に基づいて、図5示す手順で無線LAN通信800を確立することで、画像形成装置100との間で通信を確立する。次に、S705で、CPU301は、MFP連携アプリによって操作部304に表示した操作画面602を介したユーザの選択に従って、画像形成装置100に実行させるジョブを選択する。
次にS706で、CPU301は、無線LAN通信800によって、画像形成装置100にジョブ種別情報を送信する。なお、操作画面602の実行ボタン602bがユーザによって押下されていない場合には、CPU301は、実行ボタン602bが押下されたことに応じてジョブ種別情報を送信しうる。更に、S707で、CPU301は、無線LAN通信800によって、MFP連携アプリを用いてユーザによって設定されたジョブの実行用データを、ジョブの実行指示として画像形成装置100に送信し、処理を終了する。これにより、画像形成装置100によってジョブの実行が開始される。例えば、プリントジョブに関する設定が行われた場合は、無線LAN通信800によって、実行用データとして画像データが送信されることで、画像形成装置100によって当該画像データに基づく印刷が行われる。
図7では、CPU301は、ジョブ種別情報(S706)とジョブの実行用データ(S707)とを、個別に画像形成装置100に送信している。特に、ジョブ種別情報は、ジョブの実行用データよりも先に送信されている。これは、画像形成装置100において、ジョブの実行に必要となるデバイスの特定を、ジョブ種別情報に基づいてより早いタイミングに実行できるようにするためである。しかし、CPU301は、ジョブ種別情報(S706)とジョブの実行用データ(S707)とを、ジョブ情報としてまとめて画像形成装置100に送信してもよい。
<画像形成装置のNFCタグにおける処理>
図8は、画像形成装置100のNFCタグ107において実行される処理の手順を示すフローチャートである。図8に示す各ステップの処理は、NFCタグ107のNFC処理部151によって実行される。
NFC処理部151は、携帯端末300(NFCリーダ/ライタ307)から受信した電波によって電力の供給を受けると起動し、S801で、NFCリーダ/ライタ307との間でNFC通信700が確立されたか否かを判定する。携帯端末300がNFCタグ107に近づけられると、NFCによる接続が開始され、NFC通信700が確立する。NFC処理部151は、NFC通信700が確立されたと判定すると(S801で「YES」)、処理をS802に進める。
S802で、NFC処理部151は、NFC通信700によって、携帯端末300からNFCタグ107への情報(データ)の書き込みが行われるか否かを判定する。携帯端末300からNFCタグ107への情報の書き込みが行われると判定した場合(S802で「YES」)、NFC処理部151は、S803で、NFC通信700によって携帯端末300から受信したデータを記憶領域152に書き込む。更に、NFC処理部151は、S804で、有線I/F403を介してCPU101に対して割り込み信号を出力し、S805で、NFC通信を終了し、処理をS801に戻す。
一方、携帯端末300によってNFCタグ107からの情報の読み取りが行われると判定した場合(S802で「NO」)、NFC処理部151は、S806で、記憶領域152に格納されたデータをNFC通信700によって携帯端末300に送信する。このようにして、携帯端末300(NFCリーダ/ライタ307)によるNFCタグ107からの情報(データ)の読み取りが行われる。その後、NFC処理部151は、S805で、NFC通信を終了し、処理をS801に戻す。
<NFCタグの記憶領域の使用例>
図9は、NFCタグ107の記憶領域152に格納される情報の一例を示す図である。記憶領域152は、大きく分けて、ユーザ領域170とシステム領域180との2つの記憶領域に分けられる。なお、本実施形態では、NFCタグ107の記憶領域152に格納される情報の形式としてNDEF(NFC Data Exchange Format)を想定しているが、他の形式であってもよい。
ユーザ領域170は、NFCタグ107を使用するユーザ及びアプリケーションが自由に使用可能な領域であり、NFC通信によって、携帯端末300等の外部装置からの情報の読み取り及び書き込みが可能な記憶領域に相当する。ユーザ領域170は、MFP連携アプリの使用情報170a、MFP連携アプリの起動情報及びダウンロード情報170b、及びWi−Fiハンドオーバー情報170cが格納される。空き領域170dは、未使用の領域である。
MFP連携アプリの使用情報170aは、MFP連携アプリによって使用される各種情報を含み、例えば、携帯端末300から書き込まれるジョブ種別情報、画像形成装置100のエラー情報、ステータス情報、ログ情報等を含む。なお、ジョブ種別情報は、記憶領域152ではなく、他の記憶領域(例えば、RAM102、HDD104)に格納されてもよい。
MFP連携アプリの起動情報170bは、携帯端末300においてMFP連携アプリが起動していない状態で、NFC通信700によって読み取られた場合に、携帯端末300においてMFP連携アプリを起動させるための情報である。また、MFP連携アプリのダウンロード情報170bは、携帯端末300にMFP連携アプリがインストールされていない場合に、NFC連携アプリをダウンロード可能なWebサイトにアクセスするための情報である。
ハンドオーバー情報170cは、携帯端末300が無線LAN通信800を確立するために必要となる、アクセスポイント500のSSID及びセキュリティキー、並びに画像形成装置100のIPアドレスを含む。
システム領域180は、NFCタグ107に関する各種設定を行うための情報が格納される領域であり、NFCタグ107に関する各種設定を行うために用いられる。システム領域180に格納する情報に基づいて、例えば、NFCタグ107が割り込み信号を出力するタイミングに関する設定や、NFCタグ107に対する外部装置からの読み取り及び書き込みの権限に関する設定を行うことが可能である。
<画像形成装置における処理>
図10は、本実施形態に係る、画像形成装置100において実行される処理の手順を示すフローチャートである。図10に示す各ステップの処理は、CPU101が、ROM103またはHDD104に格納された制御プログラムをRAM102に読み出して実行することによって、画像形成装置100で実現される。なお、図10では、画像形成装置100が省電力モードへ移行した後に、携帯端末300がジョブ情報(ジョブ種別情報及びジョブの実行用データ)を無線LAN通信800によって画像形成装置100に送信する場合を想定している。
画像形成装置100が電源オフ状態から起動すると、S1001で、CPU101は、NFCタグ107への初期設定を行う。具体的には、CPU101は、ハンドオーバー情報と、MFP連携アプリの起動情報及びダウンロード情報とを、NFC処理部151を介
して記憶領域152に書き込む。その後、S1002で、CPU101は、画像形成装置100がアイドル状態にある間に、省電力モードへの移行時間が経過したか否かを判定する。移行時間が経過したと判定すると(S1002で「YES」)、CPU101は、S1003で、画像形成装置100全体を通常動作モードから省電力モードへ移行させる。なお、省電力モードへ移行時間は、任意の時間に設定可能である。
省電力モードで動作中の画像形成装置100では、CPU101、スキャナ部130、プリンタ部140、及びFAX通信部(図示せず)等の、複数のデバイス(機能ブロック)が省電力状態となっている。なお、省電力モードへ移行する条件は、移行時間の経過だけでなく、例えば操作部120に設けられた省電力モード移行ボタン(図示せず)がユーザによって操作されたことであってもよいし、それらの両方が使用されてもよい。
次に、S1004で、CPU101またはネットワークI/F106は、無線LAN通信800によって、外部装置からジョブ種別情報を受信したか否かを判定する。ここで、省電力モードで動作中の画像形成装置100において、ネットワークI/F106(及び無線LAN I/F118)は、通常動作状態で動作している。ネットワークI/F106(及び無線LAN I/F118)は、ジョブ種別情報を外部装置から受信すると、CPU101に対して割り込み信号を出力することで、CPU101を省電力状態から通常動作状態(非省電力状態)に一時的に復帰させうる。これにより、CPU101は、S1004の判定処理を実行できる。あるいは、ネットワークI/F106(及び無線LAN I/F118)がS1004の判定処理を実行してもよい。
外部装置からジョブ種別情報を受信したと判定すると(S1004で「YES」)、CPU101は、S1005で、省電力状態から通常動作状態(非省電力状態)へ復帰する。更に、S1006で、CPU101は、受信したジョブ種別情報に基づいて、複数のデバイス(スキャナ部130、プリンタ部140、及びFAX通信部(図示せず)等)のうちで、ジョブ種別情報に対応するジョブの実行に必要となるデバイスを特定する。例えば、ジョブ種別情報がジョブの種別としてプリントジョブを示す場合、CPU101は、プリントジョブの実行に必要となるデバイスとしてプリンタ部140を特定する。また、ジョブ種別情報がジョブの種別としてスキャンジョブを示す場合、CPU101は、スキャンジョブの実行に必要となるデバイスとしてスキャナ部130を特定する。
その後、S1007で、CPU101は、S1006で特定したデバイスを、省電力状態から通常動作状態に復帰(移行)させる。更に、S1008で、CPU101は、外部装置からジョブの実行用データを受信すると、通常動作状態に復帰させたデバイスを制御することで、受信した実行用データを使用してジョブを実行する。なお、このようにしてジョブが実行されている間には、ジョブの実行に使用されるデバイス(機能ブロック)が動作する一方で、省電力状態にあった他のデバイスは、省電力状態の動作を継続する。その後、ジョブの実行が完了すると、CPU101は、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態では、画像形成装置100は、NFCタグ107にハンドオーバー情報を書き込んでおく。携帯端末300は、NFCタグ107からハンドオーバー情報を読み取って、画像形成装置100との間でNFC通信700を確立し、NFC通信700から無線LAN通信800へのハンドオーバーを行う。画像形成装置100は、省電力状態にある間に携帯端末300からジョブ種別情報を受信すると、画像形成装置100が備える複数のデバイスのうち、ジョブの実行に必要となるデバイスを特定する。更に、画像形成装置100は、特定したデバイスを省電力状態から非省電力状態に移行させ、ジョブを実行する。これにより、ジョブの実行に不要なデバイスを省電力状態から非省電力状態に移行させことがないため、不要な電力消費を抑えることが可能になる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、携帯端末300は、NFC通信700によって取得したハンドオーバー情報(接続情報)に基づいて確立した無線LAN通信800によって、ジョブ種別情報を画像形成装置100に送信する。これに対して、第2の実施形態では、無線LAN通信800の確立前に、NFC通信によってジョブ種別情報を画像形成装置100に送信する例について説明する。なお、説明の簡略化のため、第1の実施形態と共通する箇所に関する説明を省略し、異なる箇所に関する説明を行うものとする。
<携帯端末における処理>
図11は、本実施形態に係る、携帯端末300において実行される処理の手順を示すフローチャートである。図11に示す各ステップの処理は、CPU301が、フラッシュROM303に格納された制御プログラムをRAM302に読み出して実行することによって、携帯端末300で実現される。図11では、第1の実施形態と同様の処理を行うステップについては、図7と同様の参照符号を使用している。図11において第1の実施形態(図7)と異なる点は、S1101〜S1104が追加されている点である。
本実施形態では、S702で、CPU301は、MFP連携アプリが起動済みであると判定した場合(S702で「YES」)、処理をS1101に進める。S1101で、CPU301は、MFP連携アプリ(操作画面601)を用いてジョブが選択済みであるか否かを判定する。CPU301は、ジョブが選択済みであると判定した場合(S1101で「YES」)にはS1102へ、ジョブが選択済みではないと判定した場合(S1101で「NO」)にはS703へ、処理を進める。なお、S703以降の処理は、第1の実施形態と同様である。
S1102で、CPU301は、選択されたジョブの種別を示すジョブ種別情報を、NFC通信700によってNFCタグ107の記憶領域152に書き込む。その後、S1103で、CPU301は、S703と同様、NFCタグ107からハンドオーバー情報(接続情報)を読み取ることで、画像形成装置100から、NFC通信700によってハンドオーバー情報を取得し、処理をS1104に進める。S1104で、CPU301は、S704と同様、NFCタグ107から読み取ったハンドオーバー情報に基づいて、図5示す手順で無線LAN通信800を確立することで、画像形成装置100との間で通信を確立し、処理をS707に進める。
その後S707で、CPU301は、無線LAN通信800によって、MFP連携アプリを用いてユーザによって設定されたジョブの実行用データを、ジョブの実行指示として画像形成装置100に送信し、処理を終了する。
<画像形成装置における処理>
図12は、本実施形態に係る、画像形成装置100において実行される処理の手順を示すフローチャートである。図12に示す各ステップの処理は、CPU101が、ROM103またはHDD104に格納された制御プログラムをRAM102に読み出して実行することによって、画像形成装置100で実現される。なお、図12では、第1の実施形態と同様、画像形成装置100が省電力モードへ移行した後に、携帯端末300がジョブ情報(ジョブ種別情報及びジョブの実行用データ)を無線LAN通信800によって画像形成装置100に送信する場合を想定している。図12では、第1の実施形態と同様の処理を行うステップについては、図10と同様の参照符号を使用している。図12において第1の実施形態(図10)と異なる点は、S1201〜S1204が追加されている点である。
CPU101は、S1003で、画像形成装置100全体を通常動作モードから省電力モードへ移行させると、処理をS1201に進める。S1201で、CPU101は、NFCタグ107から割り込み信号を受信したか否かを判定する。CPU101は、NFCタグ107から割り込み信号を受信していないと判定した場合(S1201で「NO」)、処理をS1004へ進め、第1の実施形態と同様の判定処理を行う。ただし、S1004で、外部装置からジョブ種別情報を受信していないと判定した場合には、CPU101は、処理をS1201に戻す。一方、CPU101は、NFCタグ107から割り込み信号を受信したと判定した場合(S1201で「YES」)、処理をS1202に進める。
S1202で、CPU101は、省電力状態から通常動作状態(非省電力状態)に復帰する。更に、S1203で、CPU101は、NFCタグ107に、NFCタグ107の記憶領域152に、MFP連携アプリ使用情報170aとしてジョブ種別情報が格納されているか否かを判定する。CPU101は、ジョブ種別情報が格納されていないと判定した場合(S1203で「NO」)、処理をS1204に進める。S1204で、CPU101は、通常動作状態から省電力状態に再び移行して、処理をS1201に戻す。一方、
CPU101は、ジョブ種別情報が格納されていると判定した場合(S1203で「YES」)、処理をS1006に進める。
S1006以降の処理は、第1の実施形態と同様である。S1203からS1006に処理を進めた場合、CPU101は、CPU101は、記憶領域152に書き込まれたジョブ種別情報が示す種別のジョブの実行に必要となるデバイス(機能ブロック)を特定し(S1006)し、特定したデバイスを省電力状態から通常電力状態に移行させる(S1007)。更に、CPU101は、無線LAN通信800によって外部装置(携帯端末300)からジョブの実行用データを受信すると、通常動作状態に復帰させたデバイスを制御することで、受信した実行用データを使用してジョブを実行する。
以上説明したように、本実施形態では、画像形成装置100は、無線LAN通信800の確立前に、NFC通信700によってジョブ種別情報を受信する。これにより、ジョブ実行に必要となるデバイスをより早いタイミングに省電力状態から通常動作状態に復帰させることが可能になる。
[第3の実施形態]
第1及び第2の実施形態では、携帯端末300は、MFP連携アプリによって操作部120に表示した操作画面601を介して、ユーザからジョブの選択を受け付けている。第3の実施形態では、携帯端末300がNFCタグ107に近づけられ、NFC通信700が確立された際に携帯端末300において起動されているアプリケーションに基づいて、画像形成装置100に実行させるジョブの種別を決定する例について説明する。なお、説明の簡略化のため、第1及び第2の実施形態と共通する箇所に関する説明を省略し、異なる箇所に関する説明を行うものとする。
本実施形態では、携帯端末300は、画像形成装置100にジョブを実行させるためのアプリケーションを、ジョブの種別ごとに備えている。例えば、携帯端末300がNFCタグ107に近づけられた際に起動されているアプリケーションが、プリントジョブ専用のアプリケーションである場合、携帯端末300は、画像形成装置100にプリントジョブを実行させることになる。したがって、CPU301は、この場合には画像形成装置100に実行させるジョブの種別をプリントジョブに決定できる。携帯端末300がNFCタグ107に近づけられた際に起動されているアプリケーションが、スキャンジョブ専用のアプリケーションである場合、携帯端末300は、画像形成装置100にスキャンジョブを実行させることになる。したがって、CPU301は、この場合には画像形成装置100に実行させるジョブの種別をスキャンジョブに決定できる。
CPU301は、上述のようにして決定した種別を示すジョブ種別情報を、画像形成装置100に送信する(S706,S1102)。このような実施形態によっても、上述の第1及び第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[その他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワークまたは各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
100:画像形成装置、300:携帯端末、700:NFC通信、800,900:無線LAN通信、101,301:CPU、107:NFCタグ、307:NFCリーダ/ライタ、118,306:無線LAN I/F

Claims (21)

  1. 情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な通信装置とを備える通信システムであって、
    前記通信装置は、
    近距離無線通信のための第1通信方式よりも高速な無線通信のための第2通信方式で前記情報処理装置に接続するための接続情報を、前記第1通信方式の通信によって前記情報処理装置から取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記接続情報に基づいて前記情報処理装置との前記第2通信方式の通信を確立し、前記情報処理装置にジョブを実行させるためのジョブ情報を、前記第2通信方式の通信によって前記情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、
    前記情報処理装置は、
    前記第1通信方式の通信によって前記接続情報を前記通信装置に送信する第1通信手段と、
    前記接続情報に基づいて確立される前記第2通信方式の通信によって、前記ジョブ情報を前記通信装置から受信する第2通信手段と、
    前記情報処理装置が備える複数の機能ブロックが省電力状態にある間に前記第2通信手段によって前記ジョブ情報が受信されると、前記複数の機能ブロックのうちで、前記ジョブ情報に対応するジョブの実行に必要となる機能ブロックを特定する特定手段と、
    前記特定手段によって特定された機能ブロックを省電力状態から非省電力状態に移行させ、前記ジョブを実行する制御手段と、
    を備えることを特徴とする通信システム。
  2. 前記第1通信手段は、前記第1通信方式の通信によって外部装置からの情報の読み取り及び書き込みが可能な記憶領域を有し、
    前記情報処理装置は、前記接続情報を前記記憶領域に格納する格納手段を更に備え、
    前記取得手段は、前記記憶領域に格納されている前記接続情報を、前記第1通信方式の通信によって読み取る
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記ジョブ情報は、ジョブの種別を示すジョブ種別情報と、前記ジョブの実行用データとを含み、
    前記特定手段は、前記ジョブ種別情報が示す種別のジョブの実行に必要となる機能ブロックを特定し、
    前記制御手段は、前記特定手段によって特定された機能ブロックを省電力状態から非省電力状態に移行させ、前記実行用データを使用して前記ジョブを実行する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
  4. 前記送信手段は、前記実行用データよりも先に前記ジョブ種別情報を前記情報処理装置に送信することを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
  5. 前記取得手段は、更に、前記情報処理装置に実行させるジョブの種別を示すジョブ種別情報を、前記第1通信方式の通信によって前記記憶領域に書き込み、
    前記特定手段は、前記通信装置から前記記憶領域に書き込まれたジョブ種別情報が示す種別のジョブの実行に必要となる機能ブロックを特定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
  6. 前記送信手段は、ジョブの実行用データを前記ジョブ情報として前記情報処理装置に送信し、
    前記制御手段は、前記特定手段によって特定された機能ブロックを省電力状態から非省電力状態に移行させ、前記実行用データを使用して前記ジョブを実行する
    ことを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
  7. 前記通信装置は、前記情報処理装置にジョブを実行させるためのアプリケーションをジョブの種別ごとに備え、
    前記通信装置は、前記取得手段によって前記第1通信方式で前記第1通信手段との通信が確立された際に前記通信装置において起動されているアプリケーションに基づいて、前記情報処理装置に実行させるジョブの種別を決定する決定手段、を更に備える
    ことを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の通信システム。
  8. 前記取得手段は、前記通信装置が前記情報処理装置に近接した状態となると、前記第1通信方式で前記第1通信手段との通信を確立することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の通信システム。
  9. 前記第2通信方式は、無線LAN方式であり、
    前記送信手段は、前記無線LAN方式でアクセスポイントに接続することによって、当該アクセスポイントを介して前記情報処理装置と通信する
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の通信システム。
  10. 前記第2通信方式は、Wi−Fi Directであり、
    前記送信手段は、Wi−Fi Directで前記情報処理装置と接続することによって、前記情報処理装置と通信する
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の通信システム。
  11. 外部の通信装置と通信可能な情報処理装置であって、
    近距離無線通信のための第1通信方式の通信によって、前記第1通信方式よりも高速な無線通信のための第2通信方式で前記情報処理装置に接続するための接続情報を前記通信装置に送信する第1通信手段と、
    前記接続情報に基づいて確立される前記第2通信方式の通信によって、ジョブを実行するためのジョブ情報を前記通信装置から受信する第2通信手段と、
    前記情報処理装置が備える複数の機能ブロックが省電力状態にある間に前記第2通信手段によって前記ジョブ情報が受信されると、前記複数の機能ブロックのうちで、前記ジョブ情報に対応するジョブの実行に必要となる機能ブロックを特定する特定手段と、
    前記特定手段によって特定された機能ブロックを省電力状態から非省電力状態に移行させ、前記ジョブを実行する制御手段と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  12. 前記第1通信手段は、前記第1通信方式の通信によって外部装置からの情報の読み取り及び書き込みが可能な記憶領域を有し、
    前記情報処理装置は、前記接続情報を前記記憶領域に格納する格納手段を更に備え、
    前記第1通信手段は、前記記憶領域に格納されている前記接続情報が前記第1通信方式の通信によって前記通信装置から読み取られることによって、前記接続情報を前記通信装置に送信する
    ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
  13. 前記ジョブ情報は、ジョブの種別を示すジョブ種別情報と、前記ジョブの実行用データとを含み、
    前記特定手段は、前記ジョブ種別情報が示す種別のジョブの実行に必要となる機能ブロックを特定し、
    前記制御手段は、前記特定手段によって特定された機能ブロックを省電力状態から非省電力状態に移行させ、前記実行用データを使用して前記ジョブを実行する
    ことを特徴とする請求項11または12に記載の情報処理装置。
  14. 前記実行用データよりも先に前記ジョブ種別情報が前記通信装置から送信されることを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
  15. 前記記憶領域に格納されている前記接続情報が前記第1通信方式の通信によって前記通信装置から読み取られる際に、ジョブの種別を示すジョブ種別情報が前記通信装置から前記記憶領域に書き込まれ、
    前記特定手段は、前記通信装置から前記記憶領域に書き込まれたジョブ種別情報が示す種別のジョブの実行に必要となる機能ブロックを特定する
    ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
  16. ジョブの実行用データが前記ジョブ情報として前記通信装置から前記情報処理装置に送信され、
    前記制御手段は、前記特定手段によって特定された機能ブロックを省電力状態から非省電力状態に移行させ、前記実行用データを使用して前記ジョブを実行する
    ことを特徴とする請求項15に記載の情報処理装置。
  17. 前記第1通信手段は、前記通信装置が前記情報処理装置に近接した状態となると、前記第1通信方式で前記通信装置との通信を確立することを特徴とする請求項11から16のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  18. 前記第2通信方式は、無線LAN方式であり、
    前記第2通信手段は、前記無線LAN方式で前記通信装置が接続したアクセスポイントを介して、前記通信装置と通信する
    ことを特徴とする請求項11から17のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  19. 前記第2通信方式は、Wi−Fi Directであり、
    前記第2通信手段は、前記Wi−Fi Directで前記通信装置と接続することによって、前記通信装置と通信する
    ことを特徴とする請求項11から17のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  20. 外部の通信装置と通信可能な情報処理装置の制御方法であって、
    近距離無線通信のための第1通信方式の通信によって、前記第1通信方式よりも高速な無線通信のための第2通信方式で前記情報処理装置に接続するための接続情報を前記通信装置に送信する第1通信工程と、
    前記接続情報に基づいて確立される前記第2通信方式の通信によって、ジョブを実行するためのジョブ情報を前記通信装置から受信する第2通信工程と、
    前記情報処理装置が備える複数の機能ブロックが省電力状態にある間に前記ジョブ情報が受信されると、前記複数の機能ブロックのうちで、前記ジョブ情報に対応するジョブの実行に必要となる機能ブロックを特定する特定工程と、
    前記特定工程で特定された機能ブロックを省電力状態から非省電力状態に移行させ、前記ジョブを実行する制御工程と、
    を含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
  21. 請求項11から19のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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