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JP2015120820A - エポキシ樹脂の硬化剤 - Google Patents

エポキシ樹脂の硬化剤 Download PDF

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JP2015120820A
JP2015120820A JP2013265323A JP2013265323A JP2015120820A JP 2015120820 A JP2015120820 A JP 2015120820A JP 2013265323 A JP2013265323 A JP 2013265323A JP 2013265323 A JP2013265323 A JP 2013265323A JP 2015120820 A JP2015120820 A JP 2015120820A
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JP2013265323A
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神原 武志
Takeshi Kanbara
武志 神原
裕志 藤原
Hiroshi Fujiwara
裕志 藤原
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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Abstract

【課題】 エポキシ硬化剤としての作業性が改善された水添MDAを提供する。
【解決手段】 4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンを70重量%以上含み、かつ2,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンを2重量%以上含むエポキシ樹脂の硬化剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂の硬化剤に関する。
メチレンジアニリン(MDA)は、その製造過程において、アニリンとホルムアルデヒドを縮合し、アニリンのベンゼン環同士をメチレン基で架橋させる。この際、架橋の位置の違い(2位又は4位)に関する異性体が生成する。これと同時に、架橋の数の違いによりジアミン(架橋数=1)、トリアミン(架橋数=2)、テトラアミン(架橋数=3)等のアミノ基の数の異なる化合物が複数種類生成する。MDAは、通常、これらの混合物の総称として扱われるが、以下、本発明において「MDA」という用語は、ジアミン化合物(メチレンジアニリン)に対象を限定して取り扱う。
MDAの位置異性体の組成は、MDA合成(上記の縮合反応)時の選択率を反映し、その殆どを4,4’−MDAと呼ばれる異性体化合物が占め、その比率は90重量%以上、多くの場合98重量%以上である。他の異性体は、2,2’−MDAが0〜1重量%程度で、残りが2,4’−MDAとなっている。
上記のMDAを反応基質として、金属触媒の存在下で水素を芳香環と反応させると、ジアミノジシクロヘキシルメタン(以下、「水添MDA」と称する。)が生成する(特許文献1参照)。
水添MDAは、MDAと同様にエポキシ樹脂のアミン系硬化剤として用いられている(非特許文献1参照)。エポキシ樹脂の形成手順は、エポキシ化合物と硬化剤を混合し、流動性のある状態で塗装等の加工操作を施し、養生又は焼付けにより硬化させる。ここでエポキシ化合物と硬化剤は室温でも反応が進行し、徐々に混合物の硬化が進むため、作業が可能な時間は混合物の流動性が高い時間内に限られる。例えば、大きな面積のコーティング作業では表面の均一性を保つ必要があり、室温で流動性が高く保たれる時間(ポットライフ)は長いことが好ましい。しかしながら、従来の水添MDAのポットライフは十分長いとは言えず、作業性の改善が求められている。
特開平02−738号公報(特許請求の範囲)
「総説 エポキシ樹脂」,エポキシ樹脂技術協会 編,2003年,基礎編I,p124−125(表1)
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、エポキシ硬化剤としての作業性が改善された水添MDAを提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、水添MDAの主たる異性体化合物である4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンに対し、所定量の2,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンを含む異性体混合物が、これを含まない又は少量しか含まない異性体混合物よりも、ポットライフが延長され、作業性が改善されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下に示すとおりのエポキシ樹脂の硬化剤である。
[1]4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンを70重量%以上含み、かつ2,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンを2重量%以上含むエポキシ樹脂の硬化剤。
[2]2,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンを2重量%以上20重量%以下の範囲で含む上記[1]に記載のエポキシ樹脂の硬化剤。
[3]4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンを80重量%以上含み、かつ2,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンを3重量%以上10重量%以下の範囲で含む上記[1]に記載のエポキシ樹脂の硬化剤。
[4]上記[1]乃至[3]のいずれかに記載のエポキシ樹脂の硬化剤とエポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物。
[5]エポキシ樹脂の硬化剤中のアミン水素原子の総モル数(A)と、エポキシ樹脂中のエポキシ基の総モル数(E)とのモル比が、A/E(モル比)として、1.5/1以上1/1.5以下(モル比率)の範囲であることを特徴とする上記[4]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[6]上記[4]又は[5]に記載のエポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂の硬化剤とエポキシ樹脂とを反応させて得られるエポキシ樹脂硬化物。
本発明のエポキシ硬化剤はポットライフが延長され、作業性が改善されるため、本発明は産業上極めて有用である。
以下、本発明をさらに詳しく述べる。
本発明のエポキシ樹脂の硬化剤は、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’体)を70重量%以上含み、かつ2,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(2,4’体)を2重量%以上含ことをその特徴とする。
本発明において、水添MDAの異性体組成比は、好ましくは4,4’体が70重量%以上、かつ2,4’体が2重量%以上20重量%以下の範囲であり、より好ましくは4,4’体が80重量%以上、かつ2,4’体が3重量%以上10重量%の範囲である。2,4’体を2重量%以上とすることで、その立体構造に由来する低反応性によりポットライフが長くなる。また、4,4’体を70重量%以上とすることで、エポキシ樹脂の硬度が向上する。
また、本発明のエポキシ樹脂の硬化剤として、水添MDAの変性物も、好適に使用することができる。変性物としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリアミドアミン変性物、アミドアミン変性物、マンニッヒ変性物、アミン−エポキシアダクト変性物、マイケル付加変性物が挙げられ、これらの変性物は従来公知の方法により調製することができる。
本発明のエポキシ樹脂の硬化剤は、上記した水添MDA以外のアミン化合物を含有していてもよい。このようなアミン化合物としては、例えば、3個以上の活性アミン水素原子を有するアミン化合物が挙げられる。
3個以上の活性アミン水素原子を有するアミン化合物としては、例えば、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミンの他、脂肪族アミン、芳香族アミン又は脂環式アミンのマンニッヒ塩基誘導体、脂肪族アミン、芳香族アミン又は脂環式アミンのポリアミド誘導体、脂肪族アミン、芳香族アミン又は脂環式アミンのアミン付加誘導体等が挙げられる。
このような脂肪族アミンとしては、例えば、ポリエチレンアミン(EDA、DETA、TETA、TEPA、PEHA等)、ポリプロピレンアミン、アミノプロピル化エチレンジアミン(Am3、Am4、Am5等)、アミノプロピル化プロピレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、3,3,5−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、3,5,5−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、又はそれらの組み合わせ等が挙げられる。
また、ポリ(アルキレンオキシド)ジアミン又はトリアミン[商品名:ジェファーミン(Jeffamine)、ハンツマン(Huntsman)社製]も、このような脂肪族アミンとして例示される。ジェファーミンとしては、例えば、ジェファーミンD−230、ジェファーミンD−400、ジェファーミンD−2000、ジェファーミン)D−4000、ジェファーミンT−403、ジェファーミンEDR−148、ジェファーミンEDR−192、ジェファーミンC−346、ジェファーミンED−600、ジェファーミンED−900、ジェファーミンED−2001、又はそれらの組み合わせ等が挙げられる。
また、脂環式アミン又は芳香族アミンとしては、特に限定するものではないが、例えば、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、水素化オルトトルエンジアミン、水素化メタトルエンジアミン、メタキシリレンジアミン、水素化メタキシリレンジアミン(1,3−BAC)、イソホロンジアミン、又はそれらの異性体、ノルボルナンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、メチレン架橋ポリ(シクロヘキシル−芳香族)アミン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
また、脂肪族アミン、芳香族アミン又は脂環式アミンのマンニッヒ塩基誘導体としては、例えば、上記した脂肪族アミン、脂環式アミン又は芳香族アミンと、フェノール又は置換フェノールとホルムアルデヒドとの反応により調製される誘導体が挙げられる。
また、脂肪族アミン、芳香族アミン又は脂環式アミンのポリアミド誘導体としては、例えば、上記した脂肪族アミン、脂環式アミン又は芳香族アミンと、二量体脂肪酸又は二量体脂肪酸及び脂肪酸との混合物との反応により調製される誘導体が挙げられる。
また、脂肪族アミン、芳香族アミン又は脂環式アミンのアミドアミン誘導体としては、例えば、上記した脂肪族アミン、脂環式アミン又は芳香族アミンと脂肪酸との反応により調製される誘導体が挙げられる。
また、脂肪族アミン、芳香族アミン又は脂環式アミンのアミン付加物としては、例えば、上記した脂肪族アミン、脂環式アミン又は芳香族アミンと、エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル、ビスフェノール−Fのジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂等)との反応により調製される誘導体が挙げられる。なお、上記した脂肪族アミン、脂環式アミン又は芳香族アミンに、単官能エポキシ樹脂(例えば、フェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、他のアルキルグリシジルエーテル等)を付加してもよい。
本発明において、水添MDAの製造方法としては、特に限定するものではないが、例えば、MDAを基質として、100〜190℃の反応温度、及び5〜35MPaの圧力下に、アルミナ等の金属酸化物担体上に担持されたルテニウムを触媒に用いて、水素化する方法が好適なものとして挙げられる。得られる水添MDAの異性体組成比(2,4’体、4,4’体等の割合)は、原料に用いたMDAの異性体組成比を反映する。
次に、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記した本発明のエポキシ樹脂の硬化剤とエポキシ樹脂とを含有することをその特徴とする。
本発明において、エポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂硬化物の製造に一般に用いられる未硬化のエポキシ樹脂でよく、特に限定するものではないが、例えば、1分子当たり2以上の1,2−エポキシ基を含有する未硬化のエポキシ樹脂が挙げられる。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、エポキシノボラック樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂等が例示され、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのエポキシ樹脂は無溶媒のものでも、溶媒で希釈したものでも使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる、本発明のエポキシ樹脂の硬化剤中のアミン水素原子の総モル数(A)と、エポキシ樹脂中のエポキシ基の総モル数(E)とのモル比は、A/E(モル比)として、好ましくは1.5/1以上1/1.5以下(モル比)の範囲であり、1.2/1以上1/1.2以下(モル比)の範囲がより好ましい。この範囲内にすることにより、良好なエポキシ樹脂の硬化物性を発揮させることができる。なお、本発明において、「アミン水素原子」とは、アミノ基中の窒素原子に結合している水素原子をいう。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明のエポキシ硬化剤、エポキシ樹脂の他に、従来公知の硬化促進剤を併用することができる。このような硬化促進剤としては、特に限定するものではないが、例えば、有機酸化合物、アルコール化合物、フェノール、第三アミン、ヒドロキシルアミンの他、これらに類する化合物が挙げられる。これらのうち、有用な硬化促進剤としては、例えば、フェノール、ノニルフェノール、クレゾール、ビスフェノールA、サリチル酸、ジメチルアミノメチルフェノール、ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が挙げられる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、従来公知の可塑剤を使用することができる。このような可塑剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ベンジルアルコール、ノニルフェノール、種々のフタル酸エステル等が好適なものとして挙げられる。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物には、溶媒、充填剤、顔料、顔料分散剤、レオロジー修飾剤、チキソトロピー剤、流動化及び平滑化補助剤、消泡剤等を用いてもよい。好適な溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素化合物、脂肪族炭化水素化合物、エステル、ケトン、エーテル、アルコール等が挙げられる。
次に、本発明のエポキシ樹脂硬化物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の、エポキシ樹脂の硬化剤とエポキシ樹脂とを反応させることにより得られる。この反応については、特に限定するものではないが、例えば、これらを混合、接触させることにより、硬化物が形成される。必要に応じて、加熱処理を施し、強制的に硬化させることもできる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、防食塗料、上下水道用塗料、土木・建築用塗料、一般接着剤、電気絶縁材料、粉体塗料、船底塗料、缶用塗料等として使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
なお、反応生成物の分析は以下の方法で行った。
<反応生成物の分析>
ガスクロマトグラフィー分析により測定した。
装置:島津製作所社製、GC−2014、分析カラム:DB−5(アジレント・テクノロジー社製、長さ30m、フィルム厚0.25μm、内径0.32mm),カラム温度:50℃+10℃/分昇温+250℃/10分。検出器:FID、キャリアガス:ヘリウム、インジェクタ温度:280℃、ディテクタ温度:280℃。
保持時間:2,4’体 16.8〜17.0分、4,4’体 17.2〜17.6分。
また、エポキシ樹脂の硬化剤としての評価は以下の方法で行った。
<ポットライフの測定>
エポキシ硬化剤用アミン組成物6.8g、及び、エポキシ樹脂(エピコート828、三菱化学社製)23.2gを100mlのサンプル瓶に秤量し、スパチュラで均一になるまで混合した後、25℃の一定条件において静置し、振動式粘度計(商品名:VM−1G−MJ、山一電機社製)、データ収集システム(商品名:NR−1000、Keyence社製)を用いて粘度の経時変化を測定した。粘度値が初期粘度値の2倍に到達した時間をポットライフとした。ポットライフが長いほど、作業可能時間が長いことを意味する。
<ゲル化時間の測定>
エポキシ硬化剤用アミン組成物6.8g、及び、エポキシ樹脂(エピコート828、三菱化学社製)23.2gを100mlのサンプル瓶に秤量し、スパチュラで均一になるまで混合した。混合物を、100℃の鉄板上の穴(直径2cm、深さ2mm)に流し込んだ後、金属製かき混ぜ棒で円状にかき混ぜ続け、ゲル状になり、かき混ぜられなくなった時間をゲル化時間とした。ゲル化時間が短いほど、硬化性が高いことを意味する。
<ショアD硬度>
エポキシ硬化剤用アミン組成物6.8g、及び、エポキシ樹脂(エピコート828、三菱化学社製)23.2gを100mlのサンプル瓶に秤量し、スパチュラで均一になるまで混合した。混合物を、直径4cm、厚さ6mmの金型に流し込んだ後、23℃で7日間、100℃で1時間硬化させ試験片を作成した。JIS K7215に準拠したショアD硬度計により測定した。
<ガラス転移温度>
エポキシ硬化剤用アミン組成物6.8g、及び、エポキシ樹脂(エピコート828、三菱化学社製)23.2gを100mlのサンプル瓶に秤量し、スパチュラで均一になるまで混合した。混合物を、直径4cm、厚さ6mmの金型に流し込んだ後、23℃で7日間、100℃で1時間硬化させ試験片を作成した。EXSTAR DSC−6200(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、JIS K7121に従い、ガラス転移温度を算出した。
合成例1 化合物1の合成.
内容積10Lの撹拌装置を備えたステンレス製オートクレーブに、MDA(4,4’−メチレンジアニリン、日本ポリウレタン工業社製)を2500g、テトラヒドロフラン(キシダ化学社製)を2500g、5重量%のルテニウム担持アルミナ(NEケムキャット社製)を125g加え、窒素で系内を置換した。更に、系内を水素で置換した後、撹拌下140℃まで昇温させた。系内の水素圧を8.0MPaまで昇圧したのち、140℃で7時間熟成した。反応液を室温まで冷却し、残圧分の水素を抜き窒素で系内を置換した。黒色のスラリーを抜き出したのち、触媒(ルテニウム担持アルミナ)をろ別し、更に触媒をテトラヒドロフランで洗浄した。ろ液及び洗浄液を併せたのちエバポレーターで濃縮した。濃縮液は一部固形分が析出した。上澄み分を抜き出し真空下で減圧蒸留し、取得した液状分を化合物1とした(2,4’体:4.0重量%、4,4’体:96.0重量%)。
合成例2 化合物2の合成.
内容積200mLの撹拌装置を備えたステンレス製オートクレーブに、MDA(4,4’−メチレンジアニリン、日本ポリウレタン工業社製)を50g、テトラヒドロフラン(キシダ化学社製)を50g、5重量%のルテニウム担持アルミナ(NEケムキャット社製)を5.0g加え、窒素で系内を置換した。更に、系内を水素で置換した後、撹拌下140℃まで昇温させた。系内の水素圧を8.0MPaまで昇圧したのち、140℃で4時間熟成した。反応液を室温まで冷却し、残圧分の水素を抜き窒素で系内を置換した。黒色のスラリーを抜き出したのち、触媒(ルテニウム担持アルミナ)をろ別し、更に触媒をテトラヒドロフランで洗浄した。ろ液及び洗浄液を併せたのちエバポレーターで濃縮した。濃縮液は一部固形分が析出したが、固液混合物を化合物2とした(2,4’体:3.0重量%、4,4’体:97.0重量%)。
実施例1〜2 化合物1、2の評価(エポキシ硬化).
実施例1又は実施例2で合成した化合物1又は化合物2とエポキシ樹脂(エピコート828、三菱化学社製)とを用い、表1に記載の使用量で、エポキシ樹脂の硬化剤としての評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2015120820
比較例1.
化合物1又は化合物2の代わりに他の水添MDA(化合物3、煙台万華社製、2,4’体:0.2重量%、4,4’体:99.8重量%)を用いる以外は実施例1〜2と同様にエポキシ硬化剤としての評価を行った。結果を表1に併せて示す。
比較例2.
化合物1又は化合物2の代わりに他の水添MDA(化合物4、和光純薬製、2,4’体:0.1重量%、4,4’体:99.9重量%)を用いる以外は実施例3〜4で用いた方法によりエポキシ硬化剤としての評価を行った。結果を表1に併せて示す。
表1から明らかなとおり、実施例1及び2は、比較例1及び2よりもポットライフが長いことから、2,4’体を所定量含有させることにより、エポキシ硬化剤としての作業性が改善したことがわかる。

Claims (6)

  1. 4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンを70重量%以上含み、かつ2,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンを2重量%以上含むエポキシ樹脂の硬化剤。
  2. 2,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンを2重量%以上20重量%以下の範囲で含む請求項1に記載のエポキシ樹脂の硬化剤。
  3. 4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンを80重量%以上含み、かつ2,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンを3重量%以上10重量%以下の範囲で含む請求項1に記載のエポキシ樹脂の硬化剤。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のエポキシ樹脂の硬化剤とエポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物。
  5. エポキシ樹脂の硬化剤中のアミン水素原子の総モル数(A)と、エポキシ樹脂中のエポキシ基の総モル数(E)とのモル比が、A/E(モル比)として、1.5/1以上1/1.5以下(モル比)の範囲であることを特徴とする請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項4又は請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂の硬化剤とエポキシ樹脂とを反応させて得られるエポキシ樹脂硬化物。
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