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JP2015115263A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置 Download PDF

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JP2015115263A JP2013257873A JP2013257873A JP2015115263A JP 2015115263 A JP2015115263 A JP 2015115263A JP 2013257873 A JP2013257873 A JP 2013257873A JP 2013257873 A JP2013257873 A JP 2013257873A JP 2015115263 A JP2015115263 A JP 2015115263A
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長谷川 和也
Kazuya Hasegawa
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Abstract

【課題】吸着剤を有効活用し、高い封止信頼性を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス素子は、第1基板1に、第1電極4と有機発光層5と第2電極6とを有する有機発光体7が形成され、有機発光体7は、第1基板1と、第1基板1と対向して配置されている第2基板2とが封止材3によって接着されることにより封止されている。第1基板1と封止材3と第2基板2とによって囲まれる空間内に充填部8を有する。第2基板2の第1基板1側の表面に、吸湿層9を有する吸湿部10が形成される。吸湿部10は封止材3と接している。【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、及びこの有機エレクトロルミネッセンス素子を備える照明装置に関するものである。
近年、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)の照明装置などへの適用が進展している。有機EL素子としては、ガラス基板等の第1基板の表面に、第1電極と、発光層を含む複数の層により構成される有機発光層と、第1電極と対となる第2電極とが積層形成されたものが知られている。
有機EL素子において、有機発光層の発光特性が水蒸気などの水分等によって劣化しやすくなる。さらに、有機EL素子が長時間動作すると、水分によって劣化した場所が発光しなくなる。このような発光しない部分は、ダークスポットと呼ばれる。ダークスポットは時間の経過とともに成長し、発光不良等の原因となり、有機EL素子の信頼性を低下させてしまう。そのため、有機EL素子内に水分を浸入させないようにすること、及び浸入した水分を除去することが重要である。
そこで、従来、外部からの水分の浸入を防止するために、第1電極と有機発光層と第2電極とを含有する有機発光体を、第1基板と、接着剤等の封止材により第1基板に接合される第2基板によって封止し、外界から遮断する方法が用いられている。
しかし、第1基板と第2基板とを接合する部分に用いられる封止材が透湿経路となって水分等が浸入してしまい、第2基板を設けるだけでは、外部からの水分の浸入を完全に防止することはできないという問題がある。
そこで、特許文献1では、第1基板と第2基板とを封止材で接合した有機EL素子において、この封止空間に、吸着剤粉末を含有したゲルからなる充填材を充填し、浸入した水分等から保護することが提案されている。この場合、封止空間全体に吸着剤が存在するため、水分の浸入に対して、広範囲に対応することができる。
特開2001−068266号公報
しかし、外部から浸入した水分は、実際には、第1基板と第2基板とを接合した接合部である封止材から浸入する可能性が高い。そのため、吸湿機能を有する封止材や充填材を用いて、有機発光体を封止しても、主に接合部付近の吸着剤が水分を吸着しているに過ぎない。つまり、外部から浸入した水分等は、封止空間において、封止材の有機発光体側の端部から有機発光体までの間の吸着剤によって吸着されているに過ぎず、有機EL素子の中央部付近の吸着剤を活用できないという問題があった。特に、封止材と有機発光体との距離が短くなる狭額縁モデルにおいては、防水機能が低下し、信頼性の確保がさらに困難になる。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、吸着剤を有効活用し、高い封止信頼性を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とするものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、第1基板に、第1電極と有機発光層と第2電極とを有する有機発光体が形成され、前記有機発光体は、前記第1基板と、前記第1基板と対向して配置されている第2基板とが封止材によって接着されることにより封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記第1基板と前記封止材と前記第2基板とによって囲まれる空間内に充填部を有し、前記第2基板の前記第1基板側の表面に、吸湿層を有する吸湿部が形成され、前記吸湿部は前記封止材と接していることを特徴とするものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記吸湿部のベース材料は、前記充填部のベース材料よりも高透湿であることが好ましい。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記吸湿部は、平面視で前記封止材と重なる部分を有することが好ましい。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記吸湿層は、前記封止材と接していることが好ましい。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記吸湿部は高透湿部を有し、前記高透湿部は前記封止材と接していることが好ましい。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記吸湿層は、平面視で前記高透湿部と重なる部分を有することが好ましい。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記封止材と前記有機発光体との間に低透湿部を有することが好ましい。
本発明に係る照明装置は、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を用いることを特徴とするものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、吸湿部を設けることで、高い封止信頼性を有することができる。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す、概略断面図である。 本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す、概略断面図である。 本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子のその他の一例を示す、概略断面図である。 本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子のその他の一例を示す、概略断面図である。 本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子のその他の一例を示す、概略断面図である。 本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子のその他の一例を示す、概略断面図である。 本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子のその他の一例を示す、概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
図1は、有機EL素子の実施形態1の一例を示している。実施形態1の有機EL素子は、第1基板1に、第1電極4と有機発光層5と第2電極6とを有する有機発光体7が形成されている。また、有機発光体7は、第1基板1と、第1基板1と対向して配置されている第2基板2とが封止材3によって接着されることにより封止されている。そして、第1基板1と封止材3と第2基板2とによって囲まれる空間内に充填部8を有する。さらに、第2基板2の第1基板1側の表面に、吸湿層9を有する吸湿部10が形成され、吸湿部10は封止材3と接している。
第1基板1としては、光透過性を有する透明な基板であることが好ましい。第1基板1は、無色透明の他に、多少着色されているものであっても、すりガラス状のものであってもよい。第1基板1としては、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス板や、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等の樹脂から任意の方法によって作製されたプラスチックフィルムやプラスチック板などを用いることができる。これら中で、第1基板1は、ガラス板で構成することが好ましい。ガラスは水分の透過性が低いので、第1基板1がガラス板で構成されることにより、第1基板1側からの水分の浸入を抑制することができる。また、第1基板1は、第1基板1を構成するベース材料とは屈折率の異なる粒子、粉体、泡等を含有することによって、光拡散効果を有してもよい。また、第1基板1の表面に形状を付与することによって、光拡散効果を有してもよい。また、第1基板1は、通電時の素子の発熱による温度上昇を軽減するために、熱伝導性の高い基板であってもよい。また、防湿性を有する層を第1基板1の表面に形成してもよい。防湿性を有する層を形成することにより、水分の浸入を抑制でき、有機発光体7の劣化を防ぐことができる。
第2基板2は、水分の透過性が低い基板材料を用いて形成することができる。例えば、ガラス基板などを用いることができる。具体的には、ソーダライムガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる。これらは比較的安価なガラス材料であるため有機EL素子の製造コストを抑えることが可能になる。板状の第2基板2の平坦な面を第1基板1に対向させて封止する場合には、図1の封止材3のように、有機発光体7を封止するためのスペーサとなる側壁が形成されることを要する。また、第1基板1と第2基板2には同一組成の材料を使用することが好ましく、これにより熱や応力による第1基板1と第2基板2の間の剥離を抑制しやすくなる。また、第1基板1と第2基板2の厚さを、基板を曲げることができる程度に薄くすることにより、フレキシブル素子を作製することができる。例えば、ガラス基板を用いた場合に、ガラス基板の厚みを100μm以下にすることにより、フレキシブル素子を作製することができる。
第2基板2は、封止材3により第1基板1に接合されている。第2基板2を接着する封止材3は、有機発光体7の外周を取り囲んで第1基板1に設けられるものである。第2基板2が封止材3によって第1基板1に接着されることにより、有機発光体7は、外部空間から遮断されて封止されることになる。
封止材3は、水分の透過率が低いベース材料から形成されることが好ましい。封止材3は、接着剤として機能する適宜の材料により構成することができる。封止材3のベース材料としては、例えば、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などの熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂などの樹脂材料を主成分とすることができる。封止材3としては、熱硬化性樹脂よりも紫外線硬化性樹脂を用いることがより好ましい。封止材3として、紫外線硬化性樹脂を用いる場合、封止材を硬化させる際に、有機発光体7に熱によるダメージを与えることなく、硬化することができる。また、封止材3のベース材料としては、樹脂材料や、パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックスなどのワックス材料からなる群から選択される一種以上の材料から形成することができる。封止材3のベース材料以外の添加材としては、封止材3の膜厚を均一にするために、スペーサとして、無機フィラーを含有していることが好ましい。無機フィラーとしては、アルミナなどが例示される。また、封止材3は、添加材として、ガラスフリットなどのフリット材を含有していてもよい。封止材3は、吸湿性材料を含有していることが好ましい。吸湿性材料としては、例えば、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、シリカ等が例示される。封止材3が吸湿性材料を含有していれば、封止材3が透湿経路となって水分が浸入することを抑制することができる。
有機発光体7は、第1電極4、有機発光層5及び第2電極6の積層体によって構成されている。有機発光体7は、第1電極4、有機発光層5及び第2電極6が厚み方向に積層された構造と定義できる。第1電極4、有機発光層5及び第2電極6は、この順で第1基板1側から設けられている。有機発光体7の設けられる領域は、平面視において、第1基板1の中央部の領域である。有機発光体7は、第1基板1に対向配置して接合される第2基板2によって覆われて封止されており、有機発光体7は封止領域の内部に配置されている。なお、本願明細書において、平面視とは、有機EL素子を、第1基板1、有機発光体7及び第2基板2の積層方向に見ることをいう。
第1電極4は、透明な電極材料を用いて構成することができる。例えば、導電性の金属酸化物などを好ましく用いることができる。透明金属酸化物としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZOなど、PEDOT、ポリアニリン等の導電性高分子及び任意のアクセプタ等でドープした導電性高分子、カーボンナノチューブなどの導電性光透過性材料を挙げることができる。他にも金属材料を、透明性を保持できる膜厚で使用しても良い。金属材料を用いる場合、膜厚は10nm以下であることが好ましく、10nm以下であれば、透明性を保持することができる。例えば、これらの電極材料は真空蒸着法やスパッタリング法、塗布等の方法により薄膜に形成することによって作製することができる。真空蒸着法やスパッタリング法の場合には、マスクを用いて成膜パターニングすることにより、低コストで作製することが可能である。
また、有機発光層5における発光を第1電極4を透過させて外部に照射するためには、第1電極4の光透過率を70%以上にすることが好ましい。さらに、第1電極4のシート抵抗は数百Ω/□以下とすることが好ましく、特に好ましくは100Ω/□以下とするものである。ここで、第1電極4の膜厚は、材料により異なるが、500nm以下であることが好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましい。第1電極4の膜厚がこの範囲であると、第1電極4の光透過率、シート抵抗等の特性を上記のように制御しやすくなる。図1では、第1電極4は、第1基板1上に接して設けられているが、第1基板1と第1電極4との間には、別の層が介在していてもよい。
第2電極6は、適宜の電極材料を用いて構成することができる。例えば、金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましい。このような電極材料としては、アルミニウム、銀、マグネシウム等、およびこれらと他の金属との合金、例えばマグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金を例として挙げることができる。また、金属の導電材料、金属酸化物等、およびこれらと他の金属との混合物、例えばAl/Al混合物なども使用可能である。また、第1電極4で挙げた材料を用いても良い。第2電極6は、例えば、これらの電極材料を真空蒸着法やスパッタリング法等の方法により、薄膜を形成することによって作製することができる。第2電極6は、光反射性を有していてもよい。第2電極6が光反射性を有していれば、発光層から第2電極6側に発せられた光を第2電極6で反射させ、第1基板1側から取り出すことができる。なお、上記では、第1電極4が陽極として機能し、第2電極6が陰極として機能する場合について説明したが、第1電極4が陰極として機能し、第2電極6が陽極として機能してもよい。
有機EL素子では、第1電極4と第2電極6とに電圧を印加し、発光層において正孔と電子を結合させて発光を生じさせる。そのため、第1電極4及び第2電極6のそれぞれと導通する電極端子を封止領域よりも外部に引き出して設ける必要がある。電極端子は、外部電極と電気的に接続するための端子である。図1の形態では、第1電極4を構成する導電層を第1基板1の端部に引き出すことにより、第1基板1の端部表面に、電極引き出し部11を形成している。図1で示すように、電極引き出し部11は、第1電極4と電気的に接続される第1電極引き出し部11aと、第2電極6と電気的に接続される第2電極引き出し部11bとに区分される。第1電極引き出し部11aは、平面視において、第1電極4が延長して有機発光層5からはみ出した部分と定義できる。第2電極引き出し部11bは、第1基板1の端部において第1電極4を構成する導電層がパターニングにより分断された部分と定義できる。なお、第2電極引き出し部11bは、第2電極6の材料を引き出して形成してもよく、その場合、第2電極引き出し部11bは、有機発光層5からはみ出した第2電極6の部分と定義できる。また、第1電極引き出し部11a及び第2電極引き出し部11bの一方又は両方を、第1電極4を構成する導電層とは別の導電層を用いて形成してもよい。また、電極引き出し部11の外部に露出した表面には、電極パッドを設けてもよい。なお、図2〜7では、電極引き出し部11を省略している。
有機発光層5は、発光を生じさせる機能を有する層であり、図示は省略しているが、通常、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、中間層などから適宜選ばれる複数の層によって構成されるものである。有機発光層5の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、60〜1000nm程度にすることができる。
発光層は、有機EL素子用の材料として知られる公知の材料から形成されうる。発光層を形成するための材料の具体例としては、制限的ではないが、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ジスチリルアミン誘導体、各種の蛍光色素などが、挙げられる。二種以上の材料が組み合わされて用いられてもよい。また、蛍光発光を生じる材料のみならず、燐光発光等のスピン多重項発光を生じる材料、スピン多重項発光を生じる部位を分子内の一部に有する化合物などが用いられてもよい。
有機発光層5の積層構造は、例えば、第1電極4を陽極とし、第2電極6を陰極とした場合、第1電極4から順に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層とすることができる。なお、積層構造は、これに限定されるものではなく、例えば、発光層の単層としたり、正孔輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造にしたり、正孔輸送層と発光層との積層構造にしたり、発光層と電子輸送層との積層構造にしたりすることができる。また、発光層は単層構造でも多層構造でもよく、例えば発光色が白色の場合には、発光層中に赤色、緑色、青色の3色のドーパント色素をドーピングしてもよいし、青色正孔輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造にしてもよい。あるいは、青色電子輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造にしてもよい。また、対となる電極に挟んでこの電極間に電圧を印加した際に発光が生じる積層構造を1つの発光ユニットとした場合に、複数の発光ユニットが光透過性及び導電性を有する中間層を介して積層され、電気的に直接的に接続したマルチユニット構造になっていてもよい。マルチユニット構造とは、対となる電極(陽極と陰極)の間に、厚み方向に重なる複数の発光ユニットを備えた構造である。また、これらの材料からなる有機層は、蒸着、転写等の乾式プロセスによって成膜しても良いし、スピンコート、スプレーコート、ダイコート、グラビア印刷等、湿式プロセスによって成膜するものであってもよい。なお、図2〜7では、第1電極4、有機発光層5、第2電極6とを省略し、有機発光体7として図示している。
第1基板1と第2基板2とに挟まれて有機発光体7が封止された封止空間には、充填材が充填されている充填部8が形成されている。有機EL素子が、封止空間を充填材で満たした充填部8を有している場合、第2基板2が内側に湾曲するなどしたとしても、第2基板2が有機発光体7に接触したりすることを低減でき、より安全に有機EL素子を製造することができる。
充填部8を構成する充填材は、適宜の成形材料から構成される。充填部8を構成する充填材のベース材料は、水分の透過率が低い材料であることが好ましい。充填材のベース材料としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等からなる群から選択される一種以上の樹脂材料を用いることができる。充填部8を構成する充填材は、ベース材料に吸湿性材料等の吸着剤を配合した成形材料で構成することができる。充填材が吸着剤を含有することによって、有機EL素子の内部に水分が浸入したとしても、充填材で水分を吸着することができ、有機発光層5に水分が到達することを抑制することができる。また、充填材を構成する成形材料は流動性を有することが好ましく、封止空間に充填材を簡単に充填することができる。充填材は硬化するものであっても、硬化しないものであってもよい。また、充填部8の吸着剤は、封止空間全域に均一に分散されていることが好ましい。
吸湿部10は、第2基板2の第1基板1側の表面に形成され、封止材3と接している。吸湿部10は吸湿層9を有する。吸湿部10が、封止空間内に浸入した水分を引き込み、吸湿層9で水分を吸着することができ、高い封止信頼性を得ることができる。図1及び図2の形態では、吸湿部10は吸湿層9から構成される。実施形態1では、図1及び図2のように、吸湿部10が吸湿層9から構成されていてもよく、後述の形態のように、吸湿部10は吸湿層9以外の部分を有していてもよい。
吸湿部10は、充填部8で用いたベース材料と同様のベース材料を用いて形成することができる。吸湿部10のベース材料は、充填部8のベース材料よりも、高透湿であることが好ましい。吸湿部10のベース材料が充填部8のベース材料よりも高透湿である場合、封止材3から浸入した水分は、充填部8よりも吸湿部10に、より多く引き込まれやすくなり、より高い封止信頼性を有する有機EL素子を得ることができる。透湿性は、例えば、水分透過速度を基に評価することができ、充填部8よりも高透湿であることは、充填部8よりも水分透過速度が速いことを意味する。吸湿部10のベース材料は、水分の透過率が、例えば40g/m・24hour以上の材料から形成されることが好ましい。水分の透過率は、例えば、JIS Z0208に規定される防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)によって測定することができる。なお、透過性の評価方法は上記に限定されない。なお、充填部8のベース材料の水分透過率は、例えば、40g/m・24hour以下の材料から形成されることが好ましい。
有機EL素子において、第2基板2の第1基板1側の表面に、吸湿部10が形成されていることにより、封止空間内に浸入した水分は、吸湿部10に引き込まれ、吸湿層9で吸着される。すなわち、有機EL素子において、吸湿部10を設けることにより、外部から浸入した水分を吸湿部10に引き込み、吸湿層9で吸着することが可能となり、有機EL素子の封止信頼性を向上させることができる。また、封止材3と有機発光層5との距離が短くなる狭額縁モデルの有機EL素子においても、吸湿部10を設けることにより、防水機能が上昇し、封止信頼性を容易に確保することが可能となる。なお、充填部8に吸着剤が含有されている場合、吸湿層9で吸着できない分の水分は、充填部8の吸着剤で吸着されてもよい。
また、吸湿部10が封止材3と接しているので、封止材3から浸入する水分を直接吸湿部10に引き込むことができるため、高い封止信頼性を得ることができる。なお、本願明細書において「接している」とは、平面視において、重なる部分がある場合、及び重なる部分がなく接しているだけの場合も意味する。すなわち、吸湿部10が封止材3と接しているとは、吸湿部10と封止材3とが、平面視において、重なる部分がある場合及び重なる部分がなく接しているだけの場合も意味する。図2のように、吸湿部10は、平面視で封止材3と重なる部分を有することがより好ましい。これにより、吸湿部10と封止材3との接触面積がより多くなり、封止材3から浸入した水分等を、より効果的に引き込むことができる。
吸湿部10は、平面視で外周全域に渡って、封止材3と接していることが好ましい。この場合、吸湿部10と封止材3とが接する面積をより大きくすることができ、また、充填部8と封止材3とが接する面積をより小さくすることができる。吸湿部10と封止材3とが接する面積が大きいほど、封止材3から浸入した水分を吸湿部10により多く引き込むことができる。また、充填部8と封止材3とが接する面積が小さいほど、封止材3から浸入した水分が、封止材3と有機発光体7との間の領域の充填部8に浸入するのを抑制することができる。封止材3と有機発光体7との間の領域の充填部8に水分が浸入することを抑制することができれば、有機EL素子の封止信頼性を向上させることができる。また、上記と同様の理由により、吸湿部10は、有機EL素子の積層方向においても、封止材3の表面全体に設けられてもよい。この場合、吸湿層9の厚みが、封止材3と接する位置で厚くなっていてもよいし、後述のように、封止材3と接する位置に高透湿部12が形成されていてもよい。
吸湿部10は、封止空間内の第2基板2の表面全体に設けられていることが好ましい。これにより、有機EL素子内のいかなる位置に水分が浸入しても、より確実に吸湿部10に引き込むことができ、吸湿層9で吸着することができ、より高い封止信頼性を得ることができる。
吸湿層9は、吸湿部10のベース材料に吸湿性材料等の吸着剤を配合した成形材料を用いて形成することができる。すなわち、吸湿層9のベース材料は、充填部8のベース材料よりも高透湿であることが好ましい。これにより、封止材3等から浸入した水分を、充填部8よりも吸湿層9により多く引き込み、吸着することができる。吸湿性材料としては、例えば、シリカゲル、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ゼオライト、モレキュラーシーブなどの物理吸着性材料や、酸化カルシウム、酸化バリウム等の化学吸着性の吸湿性材料を用いることができる。吸湿層9の厚みは、充分な吸湿量を確保するよう適宜設定されるが、例えば、6nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。
図1の有機EL素子において、第2基板2の第1基板1側の表面に、吸湿層9が形成されていることが好ましい。この場合、封止空間内に浸入した水分を、吸湿層9により多く引き込み、吸湿層9でより多く吸着することができる。なお、充填部8に吸着剤が含有されている場合、吸湿層9で吸着できない分の水分は充填部8の吸着剤で吸着されてもよい。
吸湿層9は、封止材3と接していることが好ましい。吸湿層9が封止材3と接している場合、封止材3から浸入する水分を直接吸湿層9に引き込むことができるため、封止材3から浸入した水分等をより効果的に引き込むことが可能となる。吸湿層9が封止材3と接しているとは、吸湿層9と封止材3とが、平面視において、重なる部分がある場合及び重なる部分がなく接しているだけの場合も意味する。図2のように、吸湿層9は、平面視で封止材3と重なる部分を有することがより好ましい。これにより、吸湿層9と封止材3との接触面積がより多くなり、封止材3から浸入した水分等を、より効果的に吸収することができる。
吸湿層9は、平面視で外周全域に渡って、封止材3と接していることが好ましい。この場合、吸湿層9と封止材3とが接する面積をより大きくすることができ、また、充填部8と封止材3とが接する面積をより小さくすることができる。吸湿層9と封止材3とが接する面積が大きいほど、封止材3から浸入した水分を吸湿層9により多く引き込み、吸湿層9で吸着することができる。また、充填部8と封止材3とが接する面積が小さいほど、封止材3から浸入した水分が、封止材3と有機発光体7との間の領域の充填部8に浸入するのを抑制することができる。封止材3と有機発光体7との間の領域の充填部8に水分が浸入することを抑制することができれば、有機EL素子の封止信頼性を向上させることができる。
吸湿層9は、封止空間内の第2基板2の表面全体に設けられていることが好ましい。これにより、有機EL素子内のいかなる位置に水分が浸入しても、より確実に吸着しやすくなり、より高い封止信頼性を得ることができる。また、吸湿層9で吸着しきれない水分が充填部8に浸入した場合であっても、吸湿層9が第2基板2の表面全体に設けられていれば、吸湿層9と充填部8との接触面積が増大し、充填部8内の吸湿性材料による水分の吸収効率を向上させることができる。この場合、充填部8において、有機EL素子の中央部付近の活用されない吸着剤を低減することもできる。吸湿層9において、吸着剤の含有量は、ベース材料100質量部に対して15質量部以上であることが好ましい。吸着剤が、15質量部以上であれば、充分な吸湿量を確保することができる。
このように、有機EL素子において、吸湿層9を有する吸湿部10を設けることにより、外部から浸入した水分を吸湿層9に引き込み、吸湿層9で吸着することが可能となり、有機EL素子の封止信頼性を向上させることができる。
実施形態1の有機EL素子の製造方法は、下記の第1工程〜第5工程を有することが好ましい。
第1工程では、第2基板2(例えば、7mm厚の無アルカリガラス基板)上に、窒素雰囲気中でスクリーン印刷によって吸湿層9を構成する成形材料を、例えば厚さ10〜15μmで塗布する。吸湿層9を構成する成形材料としては、上述のようなCaO等の化学性吸湿性材料やゼオライト等の物理性吸湿性材料を含有する紫外線硬化性樹脂からなる成形材料を用いることができる。第2基板2上に吸湿層9を構成する成形材料を塗布する方法は、上記に限定されず、適宜選択される。
第2工程では、紫外線を照射して、吸湿層9を構成する成形材料を硬化させ、吸湿層9を形成する。なお、第1工程において、吸湿層9として、熱硬化性樹脂を用いた場合は、第2工程において、熱を加えることが好ましい。第2基板上に吸湿層9を形成する方法は、吸湿層9を構成する成形材料に応じて、適宜選択される。
第3工程では、第2基板2上に形成された吸湿層9の外周端部より外側に、スペーサ(例えば、高さ10〜50μm)を含有する封止材3の成形材料を、ディスペンサーにより塗布する。その後、封止材3の枠内に充填部8を構成する充填材をディスペンサーにより塗布する。封止材3を構成する成形材料および充填材を塗布する方法は、上記に限定されず、適宜選択される。
第4工程では、第3工程で得られた第2基板2と、有機発光体7が形成された第1基板1とを位置合わせをし、真空中で貼り合わせる。貼り合せ時に封止材3を押し広げ、この押し広げる量を調整することで、吸湿層9と封止材3とが平面視で接している、あるいは平面視で重なっている部分を有するようにする。なお、第1基板1上に有機発光体7を形成する方法は、公知の方法を用いることができる。
第5工程では、封止材3および充填材の材料に応じた方法で、封止材3および充填材を硬化させ、図1又は図2の有機EL素子を得ることができる。
なお、実施形態1の有機EL素子の製造方法は上記に限定されず、適宜選択される。例えば、上記と同様の第1工程、第2工程、第4工程および第5工程を有し、第3工程においては、第2基板2ではなく、有機発光体7を形成した第1基板1上に、封止材3の成形材料および充填部8を構成する充填材を塗布してもよい。すなわち、第3工程で、第1基板1上に、封止材3の成形材料を塗布し、封止材3の枠内に充填部8を構成する充填材を塗布してもよい。この場合、第4工程で、充填部8を有する第1基板1と、吸湿層9を有する第2基板2とを貼り合わせるようにすることができる。
なお、樹脂製のベース材料を用いて吸湿層9を形成する場合、上述のように、第2基板2の表面に吸湿層9の成形材料を塗布して硬化することにより吸湿層9を形成した後、有機EL素子を封止することが好ましい。この方法であれば、ベース材料として、紫外線硬化性樹脂だけでなく、熱硬化性樹脂も用いることができ、熱による影響を受けることなく、有機EL素子を作製することができ、また、吸湿部10の材料選択の幅が広がる。なお、吸湿層9として紫外線硬化性樹脂を用いる場合は、有機EL素子を封止した後に吸湿層9を硬化してもよい。
[実施形態2]
図3は、有機EL素子の実施形態2の一例を示している。実施形態2は、実施形態1とは吸湿部10が異なっており、それ以外は同様の構成である。実施形態1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
実施形態2の有機EL素子では、吸湿部10は、高透湿部12を有する。図3の形態では、吸湿部10は、吸湿層9および高透湿部12から構成されている。実施形態2では、図3のように、吸湿部10が吸湿層9および高透湿部12から構成されている場合について説明する。
高透湿部12は、充填部8よりも高透湿な部分である。透湿性は、例えば、水分透過速度を基に評価することができ、充填部8よりも高透湿であることは、充填部8よりも水分透過速度が速いことを意味する。水分の透過率は、例えば、JIS Z0208に規定される防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)によって測定することができる。なお、透過性の評価方法は上記に限定されない。吸湿部10が、吸湿層9に加えて、高透湿部12を有していることにより、封止材3等から浸入した水分を、充填部8よりも高透湿部12により多く引き込むことができ、高い封止信頼性を得ることができる。
高透湿部12は、吸湿部10のベース材料を用いて形成することができる。高透湿部12は、吸湿性材料等の吸着剤を含有していなくてもよい。高透湿部12が吸着剤を含有していない場合、高透湿部12に引き込まれた水分は、高透湿部12で吸着されずに透過し、吸湿層9に引き込まれ、吸湿層9で吸着することができ、高い封止信頼性を得ることができる。
図3及び4のように、高透湿部12は、封止材3と接していることが好ましい。高透湿部12が封止材3と接している場合、封止材3から浸入した水分を、より効果的に充填部8よりも高透湿部12により多く引き込むことができる。高透湿部12が封止材3と接しているとは、高透湿部12と封止材3とが、平面視において、重なる部分がある場合及び重なる部分がなく接しているだけの場合も意味する。高透湿部12は、平面視で封止材3と重なる部分を有していてもよい。これにより、高透湿部12と封止材3との接触面積がより多くなり、封止材3から浸入した水分等を、より効果的に引き込むことができる。
図3及び4のように、高透湿部12は、吸湿層9と接していることが好ましい。高透湿部12が吸湿層9と接している場合、高透湿部12に引き込まれた水分を、より効果的に吸湿層9に引き込み、吸湿層9で吸着することができる。高透湿部12が吸湿層9と接しているとは、高透湿部12と吸湿層9とが、平面視において、重なる部分がある場合及び重なる部分がなく接しているだけの場合も意味する。図4のように、高透湿部12は、平面視で吸湿層9と重なる部分を有することがより好ましい。これにより、高透湿部12と吸湿層9との接触面積がより多くなり、高透湿部12に引き込まれた水分等を、さらに効果的に吸湿層9に引き込み、吸湿層9で吸着することができる。
図3及び4のように、高透湿部12は、封止材3と吸湿層9とに接していることがより好ましい。高透湿部12が、封止材3と吸湿層9とに接している場合、封止材3から浸入した水分を、充填部8よりも高透湿部12により多く引き込むことができると共に、高透湿部12に引き込まれ透過した水分を、吸湿層9のより広い範囲で吸着することができる。
また、図3及び4のように、吸湿部10は、高透湿部12が、封止材3と吸湿層9とに接していると共に、吸湿層9が封止材3と接していなくてもよい。この場合、封止材3から浸入した水分を、さらに効果的に充填部8よりも高透湿部12に引き込むことができると共に、高透湿部12に浸入し透過した水分を、さらに効果的に吸湿層9で吸着することができる。吸湿層9と封止材3とは接していてもよい。
実施形態2の有機EL素子の製造方法は、下記の第1工程〜第5工程を有することが好ましい。
第1工程及び第2工程は、実施形態1と同様の工程を用いることができる。
第3工程では、第2基板2上に形成された吸湿層9の外周端部より外側に、高透湿部12を構成するための高透湿の成形材料をディスペンサーにより塗布する。そして、第2基板2上に形成された高透湿部12の外周端部の外側に、スペーサを含有する封止材3の成形材料をディスペンサーにより塗布する。さらに、高透湿部12の枠内に充填部8を構成する充填材をディスペンサーにより塗布する。高透湿部12や封止材3を構成する成形材料、および充填材を塗布する方法及び順序は、上記に限定されず、適宜選択される。
第4工程では、第3工程で得られた第2基板2と、有機発光体7が形成された第1基板1とを位置合わせをし、真空中で貼り合わせる。貼り合せ時に高透湿部12を押し広げ、この押し広げる量を調整することで、高透湿部12と吸湿層9とが、平面視で接している、あるいは平面視で重なっている部分を有するようにする。なお、第1基板1上に有機発光体7を形成する方法は、公知の方法を用いることができる。
第5工程では、高透湿部12、封止材3および充填材の材料に応じた方法で、高透湿部12、封止材3および充填材を硬化させ、図3又は図4の有機EL素子を得ることができる。
なお、実施形態2の有機EL素子の製造方法は上記に限定されず、適宜選択される。
[実施形態3]
図5〜7は、有機EL素子の実施形態3の一例を示している。実施形態3は、実施形態1又は実施形態2とは充填部8が異なっており、それ以外は同様の構成である。実施形態1又は実施形態2と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
実施形態3の有機EL素子では、封止材3と有機発光体7との間に低透湿部13を有する。すなわち、充填部8の、封止材3と有機発光体7との間の領域に低透湿部13を有する。低透湿部13は、充填部8よりも低透湿な部分である。低透湿とは、例えば、水分透過速度が充填部8よりも遅いことを意味する。低透湿部13のベース材料としては、封止材3のベース材料と同様のものを用いることができる。低透湿部13のベース材料は、水分の透過率が、20g/m・24hour以下の材料から形成されることが好ましい。
有機EL素子が、封止材3と有機発光体7との間に低透湿部13を有することにより、封止材3から浸入した水分は、低透湿部13には浸入しにくいため、吸湿部10に、より多くの水分を引き込みやすくなり、封止信頼性をより向上させることができる。すなわち、吸湿部10を設けることによる上記の効果をより大きく得ることができる。封止材3と有機発光体7との間の吸湿部10を除いた領域において、低透湿部13はより大きく形成されていることが好ましい。低透湿部13が大きければ大きいほど、封止材3と有機発光体7との間の充填部8からなる領域を小さくすることができる。これにより、吸湿部10にさらに多くの水分を引き込むことができ、吸湿部10を設けることによる上記の効果をさらに大きく得ることができる。また、封止材3と有機発光体7との間の領域において、充填部8からなる領域が少なければ少ないほど、封止材3から浸入した水分が充填部8に浸入することを、さらに抑制することができ、さらに封止性を向上させることができる。
封止材3の封止空間側の表面において、吸湿部10が設けられていない部分がある場合、低透湿部13は、封止材3と接していることが好ましい。封止材3と吸湿部10とが接し、吸湿部10が設けられていない封止材3の側面の全面に低透湿部13が設けられていることがより好ましい。これにより、充填部8に浸入する水分をより少なくすることができ、より高い封止信頼性を有する有機EL素子を得ることができる。封止材3と有機発光体7との間の領域において、充填部8からなる領域はより少ないことが好ましい。すなわち、低透湿部13は、吸湿部10と接していることが好ましい。また、低透湿部13は、吸湿層9と接していることがより好ましい。
吸湿部10が高透湿部12を有する場合、低透湿部13は、高透湿部12と接していることがより好ましい。図6及び図7のように、低透湿部13は、高透湿部12と吸湿層9との両方に接していることがさらに好ましい。図6のように、低透湿部13は、封止材3と高透湿部12との間に設けられていてもよい。低透湿部13が、封止材3と高透湿部12との間にある場合、封止材3と低透湿部13とで封止性を高め、封止空間内に水分をより浸入しにくくすることができる。また、図7のように、低透湿部13は、高透湿部12の内側に設けられていてもよい。すなわち、低透湿部13は、高透湿部12と有機発光体7との間に設けられていてよい。この場合、高透湿部12と有機発光体7との間において、高透湿部12を透過した水分は、低透湿部13に浸入しにくくなるため、吸湿層9により多くの水分を引き込み、吸湿層9でより多くの水分を吸着することができる。なお、図示は省略するが、図3および図4のような実施形態2の有機EL素子に、高透湿部12および吸湿層9と接するように、低透湿部13を設けてもよい。
図5の有機EL素子の製造方法は、下記の第1工程〜第5工程を有することが好ましい。
第1工程及び第2工程は、実施形態1と同様の工程を用いることができる。
第3工程では、第2基板2上に形成された吸湿層9上に、吸湿層9の外周端部より内側であると共に完成後の有機EL素子の有機発光体7の縁外側領域に相当する箇所に、封止材3の成形材料からスペーサを除いた低透湿部13用の成形材料をディスペンサーにより塗布する。また、第2基板2上に形成された吸湿層9の外周端部より外側に、スペーサを含有する封止材3の成形材料をディスペンサーにより塗布する。そして、低透湿部13の枠内に充填部8を構成する充填材をディスペンサーにより塗布する。低透湿部13や封止材3を構成する成形材料、および充填材を塗布する方法及び順序は、上記に限定されず、適宜選択される。
第4工程では、第3工程で得られた第2基板2と、有機発光体7が形成された第1基板1とを位置合わせをし、真空中で貼り合わせる。貼り合せ時に封止材3を押し広げ、この押し広げる量を調整することで、例えば、低透湿部13と封止材3が平面視で接していると共に、吸湿層9と封止材3とが平面視で重なっている部分を有するようにする。なお、第1基板1上に有機発光体7を形成する方法は、公知の方法を用いることができる。
第5工程では、低透湿部13、封止材3および充填材の材料に応じた方法で、低透湿部13、封止材3および充填材を硬化させ、図5の有機EL素子を得ることができる。
なお、実施形態3の有機EL素子の製造方法は上記に限定されず、適宜選択される。例えば、上記と同様の第1工程、第2工程、第4工程および第5工程を有し、第3工程において、第2基板2ではなく、有機発光体7を形成した第1基板1上に、封止材3および低透湿部13の成形材料および充填部8を構成する充填材を塗布してもよい。すなわち、第3工程で、第1基板1上に、封止材3の成形材料を塗布し、封止材3の枠内に低透湿部13の成形材料を塗布し、低透湿部13の枠内に充填部8を構成する充填材を塗布してもよい。
図6および図7の有機EL素子の製造方法は、図5と同様の第1工程、第2工程、第4工程および第5工程を有することができる。そして、第3工程において、第2基板2上に形成された吸湿層9上に、吸湿層9の外周端部より内側であると共に完成後の有機EL素子の有機発光体7の縁外側領域に相当する箇所に、低透湿部13の成形材料と高透湿部12の成形材料とを適宜塗布すればよい。また、第2基板2上に形成された吸湿層9の外周端部より外側に、封止材3の成形材料を塗布すればよい。そして、低透湿部13又は高透湿部12の枠内に充填部8を構成する充填材を塗布すればよい。低透湿部13、高透湿部12や封止材3を構成する成形材料、および充填材を塗布する方法及び順序は、上記に限定されず、適宜選択される。なお、第2基板2ではなく、有機発光体7を形成した第1基板1上に、封止材3、低透湿部13、高透湿部12の成形材料および充填部8を構成する充填材を塗布してもよい。
[照明装置]
照明装置は、上記の有機EL素子を備える。それにより、高い封止信頼性を有する照明装置を得ることができる。照明装置は、複数の有機EL素子を面状に配置するものであってよい。照明装置は、有機EL素子に給電するための配線構造を備えるものであってよい。照明装置は、有機EL素子を支持する筐体を備えるものであってよい。照明装置は、有機EL素子と電源とを電気的に接続するプラグを備えるものであってよい。照明装置は、パネル状に構成することができる。照明装置は、厚みを薄くすることができるため、省スペースの照明器具を提供することが可能である。
1 第1基板
2 第2基板
3 封止材
4 第1電極
5 有機発光層
6 第2電極
7 有機発光体
8 充填部
9 吸湿層
10 吸湿部
12 高透湿部
13 低透湿部

Claims (8)

  1. 第1基板に、第1電極と有機発光層と第2電極とを有する有機発光体が形成され、前記有機発光体は、前記第1基板と、前記第1基板と対向して配置されている第2基板とが封止材によって接着されることにより封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記第1基板と前記封止材と前記第2基板とによって囲まれる空間内に充填部を有し、前記第2基板の前記第1基板側の表面に、吸湿層を有する吸湿部が形成され、前記吸湿部は前記封止材と接していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記吸湿部のベース材料は、前記充填部のベース材料よりも高透湿であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記吸湿部は、平面視で前記封止材と重なる部分を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記吸湿層は、前記封止材と接していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記吸湿部は高透湿部を有し、前記高透湿部は前記封止材と接していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記吸湿層は、平面視で前記高透湿部と重なる部分を有することを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記封止材と前記有機発光体との間に低透湿部を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いることを特徴とする照明装置。
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