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JP2016021347A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、光学パネル、建材 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、光学パネル、建材 Download PDF

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JP2016021347A
JP2016021347A JP2014145252A JP2014145252A JP2016021347A JP 2016021347 A JP2016021347 A JP 2016021347A JP 2014145252 A JP2014145252 A JP 2014145252A JP 2014145252 A JP2014145252 A JP 2014145252A JP 2016021347 A JP2016021347 A JP 2016021347A
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Abstract

【課題】非発光部が狭く形成されやすい有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。【解決手段】第一電極6と、第二電極8と、有機発光層7と、絶縁層13とを備える。有機発光層7は第一電極6と第二電極8との間に形成される。絶縁層13は第一電極6と第二電極8の端部15との間に形成される。第二電極8の端部15よりも内側が発光部16として形成される。第二電極8の端部15よりも外側が非発光部17として形成される。絶縁層13にはその厚み方向に突出する凸部14が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、光学パネル、建材に関する。より詳しくは、本発明は、有機発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子及びこれを備えた光学パネルや建材に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)が照明パネルなどの用途に応用されている。有機EL素子としては、対となる二つの電極と、これらの電極の間に配置され有機発光層とを有するものが知られている。対となる電極のうちの一方の第一電極が陽極として機能し、他方の第二電極が陰極として機能する。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって、有機発光層で発した光が光透過性の電極を通して外部に取り出される。有機EL素子としては、特許文献1に記載されたものが例示される。
国際公開第2014/076932号
有機EL素子は、第一電極と第二電極と有機発光層とが重なった領域が発光部として形成され、第一電極と第二電極と有機発光層とが重なっていない領域が非発光部として形成される。非発光部は額縁とも呼ばれており、この領域が増大すると、有機EL素子はデザイン上好ましくない形態となりやすい。特に、複数の有機EL素子をタイリング(タイルを並べるように2次元的に配置すること)する場合、額縁が発光部よりも暗くなって目立ってしまうことがあった。
有機EL素子の額縁が増大する原因としては、以下の二つが考えられる。第一の原因としては、有機発光層や第二電極を蒸着あるいはスパッタにより成膜する際、アライメントズレや蒸着ボケ等により、有機発光層や第二電極が意図する以上に広がって形成されてしまうことが挙げられる。
第二の原因としては、封止材と有機発光層との接触を防ぐために第二電極を有機発光層よりも大きめに形成してしまうことが挙げられる。有機EL素子においては、空気中の水分侵入による劣化を抑制するため、封止を行う必要がある。しかし、封止材が有機発光層と接触すると、有機発光層が膨潤してしまい、劣化や所望の光学特性が得られないことがある。そこで、無機物である第二電極が有機発光層を被覆することで、封止材と有機発光層の接触を防ぐことが行われている。この場合、第二電極は有機発光層よりも大きめに形成され、有機発光層に対する被覆性能を向上させようとしている。従って、第二電極はその形成面積が増大してしまい、額縁が増大することがあった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、非発光部が狭く形成されやすい有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とするものである。また、本発明は、非発光部が狭く形成されやすい有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた光学パネル及び建材を提供することを目的とするものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、第一電極と、第二電極と、有機発光層と、絶縁層とを備え、前記有機発光層は前記第一電極と前記第二電極との間に形成され、前記絶縁層は前記第一電極と前記第二電極の端部との間に形成され、前記第二電極の端部よりも内側が発光部として形成され、前記第二電極の端部よりも外側が非発光部として形成され、前記絶縁層にはその厚み方向に突出する凸部が形成されている。
本発明に係る光学パネルは、前記有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子からの光を光学的に変化させる可変部とを備える。
本発明に係る建材は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を保持する保持部とを備える。
本発明に係る有機EL素子は、絶縁層に凸部が形成されるため、第二電極が凸部よりも外側に形成されにくくなり、非発光部が狭く形成されやすい。
本発明に係る光学パネルは、有機EL素子からの光を光学的に変化させる可変部を備えるので、光学特性に優れた面状発光体等が得られる。
本発明に係る建材は、有機EL素子を保持する保持部を備えるので、他の部材に取り付けやすくなる。
図1は、有機EL素子の実施の形態の一例が示された平面図である。 図2は、有機EL素子の実施の形態の一例が示された断面図である。 図3は、有機EL素子の一例が示された一部の断面図である。 図4は、有機EL素子の製造工程の一例が示された一部の断面図である。 図5は、有機EL素子の製造工程の一例が示された一部の断面図である。 図6は、有機EL素子の製造工程の一例が示された一部の断面図である。 図7は、有機EL素子の製造工程の一例が示された一部の断面図である。 図8は、有機EL素子の製造工程の一例が示された一部の断面図である。 図9は、有機EL素子の製造工程の一例が示された一部の断面図である。 図10は、有機EL素子の一例が示された一部の断面図である。 図11は、有機EL素子の製造工程の一例が示された一部の断面図である。 図12は、有機EL素子の製造工程の一例が示された一部の断面図である。 図13は、光学パネルの一例が示された断面図である。 図14は、建材の一例が示された斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
図1及び図2は、有機EL素子10の一例を示している。この有機EL素子10は、有機発光体5と、有機発光体5を支持する支持基板1と、支持基板1に対向して配置される封止基板2と、絶縁層13とを備える。有機発光体5は、第一電極6と、第二電極8と、第一電極6と第二電極8との間に配置された有機発光層7とを有する。支持基板1と封止基板2との間の間隙は、流動性充填材などにより形成された充填部3が設けられている。有機EL素子10は、有機電界発光素子又は有機発光ダイオードとも呼ばれる。
図1は有機EL素子10の平面図を示している。平面図とは、支持基板1の表面に垂直な方向から見た場合の図面である。第一電極引き出し部11は第一電極6が延長して形成され、封止領域の外部にはみ出した位置に形成されている。第二電極引き出し部12は第二電極8に接続され、封止領域の外側にはみ出した位置に形成されている。図2は有機EL素子10の断面図を示している。有機EL素子10の封止領域は、支持基板1と封止基板2と封止壁4で囲まれる空間で形成される。
支持基板1は、有機発光体5を支持する基板である。有機発光体5は、支持基板1の上に積層形成されている。支持基板1は、光透過性を有することが好ましい。支持基板1は透明であってもよいし、半透明であってもよい。支持基板1は、すりガラス状であってもよい。支持基板1は、無色であってもよいし、多少着色されていてもよい。支持基板1が光透過性を有する場合、有機EL素子10は支持基板1側から光を取り出す構造(いわゆるボトムエミッション構造)に形成される。
支持基板1は、特に限定されるものではないが、例えば、ガラス又は樹脂によって形成されたものが用いられる。ガラスとしては、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる。また、樹脂としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。支持基板1は、プラスチック基板で形成されることも好ましい。プラスチックは前記に示す樹脂で構成されたものが例示される。支持基板1は、好ましくは、ガラスで構成される。支持基板1がガラスで構成されることにより、ガラスは水分の透過性が低いので、支持基板1側から有機EL素子10内(例えば、充填部3)への水分の浸入が抑制される。
支持基板1は、ガラスとガラス以外の材料との複合材から形成されていてもよい。例えば、支持基板1は、ガラス板とこのガラス板に重ねられている光取出性の樹脂層とを備えてもよい。これにより、有機EL素子10の光取出効率が向上する場合がある。樹脂層は、例えば、ガラス板の第一電極6と対向する面上に設けられる。光取出性の樹脂層は、例えば、光を散乱させる構造を有する層である。樹脂層は、例えば、ガラス板に貼り付けられる。樹脂層は、例えば、プラスチック材から形成される。プラスチック材として、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、アクリル系樹脂、及びエポキシ系樹脂が挙げられる。樹脂層は、高屈折率層と、この高屈折率層よりも低い屈折率を有する低屈折率層とからなる複層構造を有してもよい。高屈折率層と低屈折率層との界面は微細な凹凸構造を有していてもよい。
有機発光体5は、第一電極6、有機発光層7及び第二電極8の積層体によって構成されている。有機発光体5は、第一電極6、有機発光層7及び第二電極8が厚み方向に積層された構造である。第一電極6、有機発光層7及び第二電極8は、この順で支持基板1側から設けられている。有機発光体5が設けられる領域は、平面視(支持基板1の表面と垂直な方向から見た場合)において、支持基板1のほぼ中央部の領域である。有機発光体5は封止基板2によって覆われて封止されている。有機発光体5は封止領域の内側に配置されている。尚、第一電極6は、直接支持基板1の上に形成されていてもよいし、第一電極6と支持基板1との間に他の層(例えば前述の樹脂層)などが設けられ、第一電極6がその層の上に形成されていてもよい。
第一電極6は支持基板1側に形成される電極である。また、第二電極8は、第一電極6と対となる電極である。第一電極6及び第二電極8は、一方が陽極を構成し、他方が陰極を構成して形成されている。一の態様では、第一電極6が陽極として構成され、第二電極8が陰極として構成される。また、他の態様では、第一電極6が陰極として構成され、第二電極8が陽極として構成される。
第一電極6及び第二電極8のうち、少なくとも光取り出し側の電極は、光透過性を有することが好ましい。それにより、有機発光層7での発光が外部(有機EL素子10の外側)に取り出されて出射されることが可能になる。例えば、有機発光層7での発光が支持基板1側から取り出される構造では、第一電極6が光透過性電極で構成される。また、例えば、有機発光層7での発光が封止基板2側から取り出される構造では、第二電極8が光透過性電極で構成される。
第一電極6及び第二電極8のうち、光取り出し側とは反対側の電極は、光反射性を有していてもよい。その場合、有機発光層7からの光は光反射性の電極で反射されて外部に取り出される。それにより、有機EL素子10の光取り出し性が高められる。また、光取り出し側とは反対側の電極が光透過性電極で構成されていてもよい。その場合、両面光取り出し構造の素子が形成される。また、光取り出し側とは反対側の電極が光透過性電極で構成され、その電極の有機発光層7とは反対側の表面に光反射層が設けられていてもよい。このような光反射層が設けられることにより、有機発光層7からの光が反射されて外部に取り出される。
有機EL素子10の好ましい一の態様は、第一電極6が光透過性電極であり、第二電極8が光反射性電極である。その場合、ボトムエミッション構造の有機EL素子10が得られる。この構造では、有機発光層7で生じた光は、第一電極6及び支持基板1を通って外部に取り出される。さらに有機EL素子10の態様は、第一電極6が陽極であり、第二電極8が陰極であることが好ましい。それにより、光取り出し効率の高い有機EL素子10が得られる。
第一電極6は、光透過性を有する場合、透明な電極材料を用いて形成される。光透過性とは、光を透過させる物質の性質であり、透光性と透明性とを包含する。第一電極6の材料としては、例えば、導電性と光透過性とを併せ持つ材料から形成される。第一電極6の材料としては、金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料が挙げられる。これらの材料の中でも、導電性の透明金属酸化物が好ましい。第一電極6は、陽極を構成する場合、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物などによって形成される。第一電極6の材料として、例えば、導電性の金属酸化物などが好ましく用いられる。光透過性を有する金属酸化物としては、ITO、IZO、ZnO、AZOなどが例示される。ITOは、Indium Tin Oxideのことであり、IZOは、Indium Zinc Oxideのことである。第一電極6は、例えば、スパッタ法、蒸着法、塗布法などで形成される。第一電極6の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、10nm〜1000nmの範囲に形成される。第一電極6の厚みが特に50〜1000nmの範囲内であると、第一電極6の良好な透光性と導電性とが確保しやすい。
第二電極8は、適宜の電極材料を用いて形成される。第二電極8の材料としては、金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物からなる電極材料が挙げられる。第二電極8は、陰極を構成する場合、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物によって形成される。第二電極8の形成材料として、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)などが挙げられる。また、第二電極8は、ITO、IZOなどの透明材料から作製されてもよい。さらに、第二電極8は、上記の材料からなる複数の膜を積層させてもよい。第二電極8は、例えば、蒸着法やスパッタ法などで形成される。第二電極8の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、10nm〜1000nmの範囲に形成される。
有機発光層7は、発光を生じさせる機能を有する層であり、通常、ホール注入層、ホール輸送層、発光層(発光ドーパントを含む層)、電子輸送層、電子注入層、中間層などから適宜選ばれる複数の層によって構成されるものである。もちろん発光が可能であれば、有機発光層7は発光層の単層構造であってもよい。有機発光層7の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、60〜300nmの範囲内で形成される。有機発光層7は、例えば、蒸着法やスパッタ法などで形成される。
有機発光層7の積層構造は、例えば、第一電極6を陽極とし、第二電極8を陰極とした場合、第一電極6側から順に、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層として形成される。尚、この積層構造は、これに限定されるものではなく、例えば、発光層の単層としたり、ホール輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造にしたり、ホール輸送層と発光層との積層構造にしたり、発光層と電子輸送層との積層構造にしたりすることができる。また、発光層は単層構造でも多層構造でもよく、例えば発光色が白色の場合には、発光層中に赤色、緑色、青色の3色のドーパント色素をドーピングしたり、赤、緑、青の発光層を積層させたりしてもよい。また、対となる二つの電極に挟んでこの電極間に電圧を印加した際に発光が生じる積層構造を1つの発光ユニットとした場合に、複数の発光ユニットが光透過性及び導電性を有する中間層を介して積層されたマルチユニット構造になっていてもよい。マルチユニット構造とは、対となる電極(陽極と陰極)の間に、厚み方向に重なる複数の発光ユニットを備えた構造である。
発光層は、発光材料である有機化合物を含有する層で形成される。有機EL素子10に使用可能な発光材料を用いて形成される。発光材料はドーパントとも呼ばれる。発光層はドーパントがホスト材料にドープされた層であり得る。発光層を形成するための材料の具体例としては、制限的ではないが、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ジスチリルアミン誘導体、各種の蛍光色素などが、挙げられる。発光材料は、二種以上の材料が組み合わされて用いられてもよい。また、発光材料は、蛍光発光を生じる材料のみならず、燐光発光等のスピン多重項発光を生じる材料、スピン多重項発光を生じる部位を分子内の一部に有する化合物などが用いられてもよい。
封止基板2は、支持基板1との間で有機発光体5を封止する基板である。封止基板2は、支持基板1と有機発光体5側の面で対向して配置される。封止基板2は、水分の透過性が低い基板材料を用いて形成される。封止基板2は、例えば、ガラス、金属、樹脂などにより構成される。封止基板2としては、例えば、ガラス基板などが用いられる。具体的には、ガラス基板としては、ソーダライムガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる。これらは比較的安価なガラス材料であるため、有機EL素子10の製造コストが抑えやすくなる。また、封止基板2として、アルミニウム、ステンレス等の金属材が用いられてもよい。封止基板2が金属材であれば、封止領域に水分が浸入することが抑制される。また、封止基板2の材料として、樹脂材料が用いられてもよい。樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが例示される。ただし、樹脂材料が封止基板2に用いられる場合、樹脂材料の表面に防湿膜が形成されていることが好ましい。それにより、封止領域への水分の浸入が抑制される。防湿膜としては、例えば、SiON膜、SiN膜が例示される。防湿膜は、樹脂材料の有機発光体5側の面に設けられていてよい。封止基板2は、光透過性を有していてもよいし、有していなくてもよい。封止基板2側から光を取り出す場合には、封止基板2は光透過性を有することが好ましい。
有機EL素子10は、第一電極6と第二電極8とに電圧が印加され、有機発光層7において正孔と電子が結合されて発光を生じさせる。そのため、第一電極6及び第二電極8のそれぞれと導通する電極の引き出し部分を封止領域よりも外部に引き出して設けられる。電極の引き出し部分は、外部電極と電気的に接続するための端子として機能する。図1の形態では、第一電極6を構成する導電層を支持基板1の端部に引き出すことにより、電極の引き出し部分が形成されている。この電極の引き出し部分の表面には、外部電源との接続が行われる電極パッドが設けられていてもよい。
電極の引き出し部分は、支持基板1の端部表面に設けられている。電極引き出し部分は、第一電極6と電気的に接続される第一電極引き出し部11と、第二電極8と電気的に接続される第二電極引き出し部12とに区分される。第一電極引き出し部11は、第一電極6が延長して有機発光層7よりも外部側にはみ出した部分で形成されている。第二電極引き出し部12は、支持基板1の端部において第一電極6を構成する導電層がパターニングにより分断された部分で形成されている。なお、第二電極引き出し部12は、第二電極8の材料を引き出して形成されていてもよく、その場合、第二電極引き出し部12は、有機発光層7よりも外部側にはみ出した第二電極8の延長部分とである。
第一電極引き出し部11及び第二電極引き出し部12は、封止壁4を横切って形成されている。具体的には、第一電極引き出し部11は、第一電極6を構成する導電層が支持基板1の端部側に引き出され、封止壁4よりも外側に延出されることによって形成されている。すなわち、第一電極6を構成する導電層は、第一電極引き出し部11が設けられる端部では、この導電層が延伸することにより封止領域からはみ出して支持基板1の表面に形成されている。そして、第一電極引き出し部11は、第一電極6の延長部分により構成されている。また、第一電極6を構成する導電層は、第二電極引き出し部12が設けられる端部では、この導電層が分断されるとともに分断された導電層が延伸することにより封止領域からはみ出して支持基板1の表面に形成されている。そして、第二電極引き出し部12は、第一電極6から分離した導電層の延長部分により構成されている。第二電極引き出し部12は、封止領域の内部において、積層された第二電極8と接触しており、それにより第二電極引き出し部12と第二電極8とが導通する構造となっている。なお、電極を封止領域よりも外部に引き出す構造は、図1の形態の構造に限られるものではなく、例えば、第一電極引き出し部11及び第二電極引き出し部12の一方又は両方が、第一電極6を構成する導電層とは別の導電層を用いて形成されてもよい。
充填部3は、支持基板1と封止基板2との間の間隙を埋めるようにして形成されている。充填部3は有機発光体5及び絶縁層13を取り囲んで封止するものであり、これにより、有機EL素子10の信頼性が高められる。充填部3が設けられると、封止基板2の撓みを抑制することができる。また、充填部3が接着性を有していると、充填部3によって封止基板2の表面が接着されるため、封止基板2と支持基板1の接着性が高められる。
充填部3は、例えば、非導電性樹脂接着材などの流動性充填材が充填されることにより形成される。流動性充填材は、流動性を有する充填材料のことである。流動性充填材は、好ましくは、硬化性を有する。充填部3は、流動性充填材が硬化して固体状となったものであってよい。充填部3が液状のまま封止されることもあり得るが、その場合、充填部3が流動しやすくなるため、有機EL素子10の信頼性が低下するおそれがある。そのため、充填部3は流動性充填材が硬化して形成されていることが好ましい。
充填部3を形成するための流動性充填材は、熱硬化性樹脂及び紫外線硬化性樹脂の少なくとも一方を含むことが好ましい。それにより、流動性充填材の硬化性が良好になって、安定な充填部3がより形成しやすくなる。流動性充填材としては、例えば、重合性の反応により硬化する樹脂組成物又はモノマーを用いることができる。流動性充填材は、熱硬化性樹脂であってもよいし、紫外線硬化性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂と紫外線硬化性樹脂との混合物であってもよい。樹脂としては、具体的には、例えば、シリコーン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹脂、アルキル−ベンゼン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂(ポリウレタン)、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの硬化性の樹脂が挙げられる。シリコーンオイル等を含有する液体状の材料であってもよい。流動性充填材の樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂のいずれか1種以上を含むものが好ましい。流動性充填材としては、電子部品の信頼性に優れていることから、エポキシ樹脂が特に好ましい。
充填部3は光透過性を有していてもよいし、有していなくてもよい。充填部3が光透過性を有していることが好ましい一態様である。充填部3が透明であることがより好ましい一態様である。封止基板2側から光を取り出す場合には、充填部3は光透過性を有することが好ましい。充填部3の厚みは支持基板1と封止基板2との間の寸法に依存するが、例えば、1μm〜100μmの範囲内である。
封止壁4は充填部3の外周側部に形成されている。封止壁4は、支持基板1と封止基板2との間に設けられている。封止壁4は、有機発光体5の外周を取り囲むように設けられている。封止壁4は、有機発光体5を収めるためのスペーサとしての機能を有する。封止壁4の高さ(厚み)は有機発光体5の厚みよりも大きい。そのため、有機発光体5は支持基板1と封止基板2との間の間隙に収容される。封止壁4は、充填部3を形成する際の流動性充填材を充填するための堰としての機能を有する。この場合、封止壁4が有機発光体5の平面視における周囲に枠状に設けられ、封止壁4で囲まれた領域に流動性充填材が充填される。
封止壁4を形成するための流動性封止材は、熱硬化性樹脂及び紫外線硬化性樹脂の少なくとも一方を含むことが好ましい。それにより、流動性封止材の硬化性が良好になって、より安定な封止壁4が形成される。流動性封止材としては、例えば、重合性の反応により硬化する樹脂組成物又はモノマーが用いられる。流動性封止材は、熱硬化性樹脂であってもよいし、紫外線硬化性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂と紫外線硬化性樹脂との混合物であってもよい。樹脂としては、具体的には、例えば、シリコーン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹脂、アルキル−ベンゼン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂などの硬化性の樹脂が挙げられる。シリコーンオイル等を含有する液体状の材料であってもよい。流動性封止材の樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂のいずれか1種以上を含むものが好ましい。流動性封止材としては、電子部品の信頼性に優れていることから、エポキシ樹脂が特に好ましい。
絶縁層13は、電気的な絶縁性を有し、主に、第一電極引き出し部11におけるリーク電流を抑制する役割を担う。絶縁層13は、例えば、平面視で四角形などの枠状に形成されている。この場合、絶縁層13は、全長にわたって連続して形成されていても良いし、適宜の間隔を設けて不連続に形成されていても良い。図3のように、絶縁層13は、封止壁4よりも内側の封止領域において、第一電極6の表面に形成されている。絶縁層13と封止壁4の間には充填部3が形成されている。
絶縁層13は、第一電極6と第二電極8の端部15とが接触しないように、第一電極6と第二電極8の端部15と間に形成されている。第二電極8の端部15は絶縁層13の表面に形成されている。また、有機発光層7の端部19は絶縁層13の表面に形成されている。有機発光層7の端部19は第二電極8の端部15と絶縁層13との間に形成されている。有機EL素子10の平面視において、第二電極8の端部15よりも内側(支持基板1の周端面の方と反対側)は有機EL素子10の発光部16として形成されている。また、有機EL素子10の平面視において、第二電極8の端部15よりも外側(支持基板1の周端面の方)は有機EL素子10の非発光部17として形成されている。すなわち、有機EL素子10の平面視において、絶縁層13よりも内側が有機EL素子10の発光部16として形成され、絶縁層13よりも外側が有機EL素子10の非発光部17として形成されている。絶縁層13と第二電極8の端部15と有機発光層7の端部19は非発光部17に位置している。発光部16では第一電極6と有機発光層7の端部19以外の部分とが重なり合っている。また発光部16では有機発光層7の端部19以外の部分と第二電極8の端部15以外の部分とが重なり合っている。一方、非発光部17では、第一電極6と有機発光層7の端部19との間に絶縁層13が介在し、第一電極6と第二電極8の端部15との間に絶縁層13が介在している。従って、有機EL素子10は発光部16で発光し、非発光部17では発光しない。絶縁層13が平面視で枠状に形成されている場合は、絶縁層13で囲まれる領域(絶縁層13の内側の領域)が発光部16として形成され、絶縁層13で囲まれていない領域が非発光部17として形成される。
絶縁層13には凸部14が設けられている。凸部14は、絶縁層13の厚み方向に平行な方向において、絶縁層13の表面(充填部3側の面であって、第一電極6と反対側の面)に突出して形成されている。凸部14は絶縁層13の幅方向における中央部よりも発光部16側に寄って形成されている。絶縁層13の幅方向は絶縁層13の短手方向であって、支持基板1の表面と平行で第一電極引き出し部11の長手方向と直交する方向である。凸部14は少なくとも第一電極引き出し部11が形成される端部において設けられることが好ましい。すなわち、凸部14は少なくとも第二電極引き出し部12よりも第一電極引き出し部11に近い位置で絶縁層13に設けられることが好ましい。凸部14は第一電極引き出し部11の長手方向と平行に長く形成されていることが好ましい。そして、有機発光層7の端部19は凸部14の表面全体を覆うように形成されている。また、第二電極8の端部15は有機発光層7の端部19の表面全体を覆うように形成されている。尚、有機発光層7は端部19以外の表面も第二電極8でほとんど覆われている。
絶縁層13は、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、PEN等の公知の樹脂を含む樹脂組成物を塗布することによって形成される。これらの樹脂組成物には、絶縁層13の硬化度を上げるために感光剤が添加されている場合がある。このような感光剤は着色しているため、樹脂組成物の塗布後の有機EL素子10の外観の低下、あるいは、絶縁層13中の感光剤の光吸収による有機EL素子10の発光効率の低下が生じる可能性がある。そこで、これらの外観の低下や発光効率の低下が抑制されるように、絶縁層13には感光剤が含有されないことが好ましい。特に、感光剤には硫黄原子が含有されている場合が多く、この場合、有機発光層7が硫黄原子と化学反応することにより、劣化してしまうこともある。この観点からも、絶縁層13は感光剤を含有しないことが好ましい。樹脂組成物は、感光剤が添加されないと、表面張力や濡れ性等が変化し、塗布性が悪化することがある。この場合、アルコールやジメチルスルホキシド等、焼成後に揮発する溶剤が樹脂組成物に添加されることによって、塗布性が改善される。尚、ジメチルスルホキシドには硫黄原子が含まれるが、この硫黄原子は樹脂組成物の塗布後の焼成により揮発されるため、有機EL素子10の信頼性上問題とはなりにくい。
また絶縁層13は、波長380〜780nmの領域における全光線透過率が80%以上であることが好ましい。これにより、絶縁層13の透明性が確保され、絶縁層13が目立ちにくくなる。従って、有機EL素子10の外観が絶縁層13により損なわれるのを抑制することができる。絶縁層13は透明性が高いほうが好ましいので、波長380〜780nmの領域における全光線透過率が100%により近づけるのが好ましい。
絶縁層13の凸部14以外の厚み(第一電極6の表面からの高さ)は、例えば、0.1μm〜10μmの範囲内であり、1〜5μmの範囲内であることが好ましい。絶縁層13の凸部14での厚み(第一電極6の表面からの高さ)は、有機発光層7の成膜時に蒸着マスクと干渉しない厚みであればよい。絶縁層13の凸部14での厚みは、任意であるが、1〜50μmの範囲内であり、1〜20μmの範囲内であることが好ましく、1〜10μmの範囲内であることがより好ましい。絶縁層13は、例えば、インクジェット印刷、スクリーン印刷、静電塗布法など公知の塗布法で樹脂組成物を塗布することにより形成される。凸部14は、例えば、樹脂組成物を複数回重ね塗りすることによって、凸部14以外の部分における絶縁層13よりも厚く形成される。また、絶縁層13は、例えば、二酸化珪素、窒化珪素等、公知の無機膜がスパッタ、蒸着等により形成されたものであってもよい。この場合、絶縁層13の凸部14は、複数回成膜を行うことなどによって、凸部14以外の部分における絶縁層13よりも厚く形成される。
そして、有機EL素子10は、絶縁層13に凸部14が形成されることによって、有機発光層7及び第二電極8が必要以上に広がって形成されることを抑制することが可能となる。
図4、図5、図6は、有機発光層7の製膜工程及び第二電極8の製膜工程を示している。支持基板1は、第一電極6及び絶縁層13が形成された後、有機発光層7が形成される。有機発光層7の製膜時において、支持基板1は絶縁層13が下向きになるように配置される。支持基板1の下側にはマスク20が配置される。このマスク20は有機発光層7の製膜用のマスクであって、支持基板1や第一電極6において、有機発光層7が不要な箇所に製膜されないようにするものである。マスク20は、例えば、金属シートや樹脂シートなどの薄いシート材で形成され、フレーム材21に保持されている。有機発光層7は非発光部17には不要であるので、絶縁層13の表面と絶縁層13よりも外側における第一電極6の表面と支持基板1の表面とがマスク20で覆われるようにする。しかしながら、マスク20はシート材で形成されているため、自重等で垂れ下がることがあり、マスク20の先端部と絶縁層13との間に隙間22が形成されることがある。そして、この状態で有機発光層7を蒸着やスパッタ等で製膜すると、有機発光層7の形成材料が隙間22から侵入し、図5のように、絶縁層13の表面に付着する。このようにして有機発光層7の端部19が凸部14の表面を覆うようにして絶縁層13の表面に形成される。
この後、第二電極8が形成される。第二電極8の製膜時において、支持基板1は絶縁層13及び有機発光層7が下向きになるように配置される。支持基板1の下側にはマスク23が配置される。このマスク23は第二電極8の製膜用のマスクであって、支持基板1や第一電極6において、第二電極8が不要な箇所に製膜されないようにするものである。マスク23は、例えば、金属シートや樹脂シートなどの薄いシート材で形成され、フレーム材24に保持されている。第二電極8は非発光部17には不要であるが、充填部3からの影響で有機発光層7が膨潤するのを抑制するために、有機発光層7の表面全面が第二電極8で被覆されることが好ましい。従って、図6のように、マスク23の先端部と有機発光層7の端部19との間に隙間25が設けられ、この状態で第二電極8が蒸着やスパッタ等で製膜される。これにより、第二電極8の形成材料が隙間25から侵入し、図6のように、有機発光層7の端部19の表面に付着する。このようにして第二電極8が有機発光層7の表面を覆うようにして形成される。また、絶縁層13の表面側においては、第二電極8の端部15が有機発光層7の端部19の表面を覆うようにして形成される。
一方、図7、図8、図9は、凸部14が絶縁層13に形成されていない場合における有機発光層7の製膜工程及び第二電極8の製膜工程を示している。図7のように、有機発光層7の製膜工程は、図4の場合と同様に、マスク20を用いて行われる。凸部14が形成されていない図7のものでは、図4のものと比較して、マスク20の先端部と絶縁層13との間の隙間22が大きく形成される。従って、図7のものでは、図4のものと比較して、多量の有機発光層7の形成材料が隙間22から侵入し、図8のように、絶縁層13の表面に大きな有機発光層7の端部19が形成される。この後、図9のように、第二電極8の製膜工程が図6の場合と同様に行われる。このとき、絶縁層13の表面には大きな有機発光層7の端部19が形成されているので、これが第二電極8の端部15で被覆されるためには、第二電極8の端部15も大きく形成される必要がある。従って、図9のものでは、図6の場合に比べて、マスク23の先端部と有機発光層7の端部19との間に大きな隙間25が設けられ、多量の第二電極8の形成材料を隙間25から侵入させる。そして、このように凸部14がない状態で有機発光層7と第二電極8を形成すると、凸部14がある場合に比べて、幅寸法の大きな絶縁層13が必要となる。従って、図10のように、有機EL素子10の非発光部17の幅寸法(支持基板1の周端面から絶縁層13の内側端面までの寸法)L2は、図3の有機EL素子10の非発光部17の幅寸法L1に比べて、大きくなり、額縁が広く形成されてしまう。
このように、本実施の形態の有機EL素子10では、絶縁層13の表面に凸部14が突出して設けられているので、凸部14がない場合に比べて、有機発光層7の製膜用のマスク20の先端部と絶縁層13との隙間22を小さくすることができる。従って、有機発光層7が凸部14よりも外側(支持基板1の周端面側)に広がり難くなり、これにより、非発光部17が大きく形成されにくくなり、有機EL素子10の狭額縁化が可能となる。また、本実施の形態の有機EL素子10では、絶縁層13の表面に凸部14が突出して設けられているので、凸部14がない場合に比べて、第二電極8の製膜用のマスク23の先端部と絶縁層13との隙間25を小さくすることができる。従って、第二電極8が凸部14よりも外側(支持基板1の周端面側)に広がり難くなり、これにより、非発光部17が大きく形成されにくくなり、有機EL素子10の狭額縁化が可能となる。
また、第二電極8の製膜用のマスク23の先端部は有機発光層7の製膜用のマスク20の先端部よりも短く形成されているのが好ましい。これにより、第二電極8の製膜時の隙間25は、有機発光層7の製膜時の隙間22に比べて、大きくすることができる。従って、有機発光層7の形成材料よりも多くの第二電極8の形成材料が絶縁層13の表面側に達しやすくなり、有機発光層7の端部19は第二電極8の端部15で確実に被覆されやすくなる。
以上のように、有機EL素子10は、第一電極6と、第二電極8と、有機発光層7と、絶縁層13とを備える。有機発光層7は第一電極6と第二電極8との間に形成されている。絶縁層13は第一電極6と第二電極8の端部15との間に形成されている。第二電極8の端部15よりも内側が発光部16として形成される。第二電極8の端部15よりも外側が非発光部17として形成される。絶縁層13にはその厚み方向に突出する凸部14が形成されている。これにより、第二電極8の端部15が凸部14のよりも外側に広がって形成され難くなり、有機EL素子10の狭額縁化が可能となる。
図11は他の実施の形態の一例を示している。この実施の形態では、複数の凸部14が絶縁層13に形成されている。複数の凸部14は絶縁層13の幅方向に並んで形成されている。その他の構成は、上記と同様である。
そして、複数の凸部14が絶縁層13に形成されている有機EL素子10は、図3のものに比べて、有機発光層7の端部19及び第二電極8の端部15が凸部14の外側に広がりにくくなって、より有機EL素子10の狭額縁化が可能となる。
図12は他の実施の形態の一例を示している。この実施の形態では、複数の凸部14が絶縁層13に形成されている。複数の凸部14は絶縁層13の幅方向に並んで形成されている。また、複数の凸部14のうち、発光部16側の凸部14は非発光部17側の凸部14よりも高く形成されている。図12では、三つの凸部14が絶縁層13の幅方向に並んで形成されている。最も内側(発光部16が形成される側)に形成される凸部14が最も高く(厚く)形成され、その外側(非発光部17が形成される側)に形成される二つの凸部14が徐々に低く(薄く)なるように形成される。
そして、絶縁層13に形成された複数の凸部14のうち、発光部16側の凸部14は非発光部17側の凸部14よりも高く形成されている有機EL素子10は、図3や図11のものに比べて、有機発光層7の端部19及び第二電極8の端部15が凸部14の外側に広がりにくくなる。よって、さらに有機EL素子10の狭額縁化が可能となる。
図13は光学パネル100の実施の形態の一例を示している。光学パネル100は、上記の有機EL素子10と、有機EL素子10からの光を光学的に変化させる可変部50とを備えている。ここで、光を光学的に変化させるとは、光を散乱させたり、反射させたり、吸収させたりすることを意味する。可変部50は、例えば、光散乱可変部51や光反射可変部52や光吸収可変部53などで形成されている。光散乱可変部51は通電などにより光散乱性の程度が調整可能に形成されている。光反射可変部52は通電などにより光反射性の程度が調整可能である。光吸収可変部53は通電などにより光吸収性の程度が調整可能である。図13の光学パネル100は、有機EL素子10と光散乱可変部51と光反射可変部52と光吸収可変部53とが積層されている。光学パネル100は、光散乱可変部51と光反射可変部52と光吸収可変部53のうちのいずれか一つ以上と、有機EL素子10とが積層されていればよい。また、有機EL素子10と光散乱可変部51と光反射可変部52と光吸収可変部53の積層順も適宜変更可能である。
光学パネル100は、例えば、照明装置として利用される。光学パネル100では、通電により発光した有機EL素子10からの光を可変部50で光学的に可変することにより、例えば、グラデーション変化する照明が得られる。光学パネル100は、例えば、窓として利用される。光学的に異なる状態を作り出す窓は、アクティブウィンドウと定義され得る。非透明と透明とがグラデーション変化する窓は、利用価値が高い。光学パネル100を備える窓は、内窓、外窓のいずれにも利用可能である。また、光学パネル100を備える窓は、車載窓としての利用も可能である。車載窓は、自動用、電車、機関車、列車などの車両用や、飛行機用、船用などの窓であってよい。例えば、透明と非透明を変化させることが可能な窓は高級自動車用に好適である。
以上のように、光学パネル100は、有機EL素子10と、有機EL素子10からの光を光学的に可変する可変部50とを備える。有機EL素子10からの光を可変部50で多彩に変化させることができ、光学特性に優れた面状発光体等が得られる。
上記の有機EL素子10や光学パネル100は建材200として利用することができる。図14のように、建材200は、例えば、光学パネル100を枠状の保持部101の内側に嵌め込んで形成される。保持部101の外部には有機EL素子10や可変部50に通電するための給電線102が導出されている。給電線102の先端には、コンセントに差し込み可能なプラグ103が設けられている。このような建材200は、例えば、窓材、壁材、パーティション、サイネージなどに利用することができる。サイネージはいわゆる照明広告であってよい。壁材は、外壁用であってもよいし、内壁用であってもよい。
以上のように、本実施の形態の建材200は、上記の有機EL素子10や光学パネル100と、有機EL素子10や光学パネル100を保持する保持部101とを備えている。このため、建材200が柱や壁材などの他の部材に取り付けられる際に、保持部101の箇所で固定することができ、他の部材に取り付けやすくなる。
6 第一電極
7 有機発光層
8 第二電極
10 有機EL素子
13 絶縁層
14 凸部
15 第二電極の端部
16 発光部
17 非発光部
19 有機発光層の端部
50 可変部
100 光学パネル
101 保持部
200 建材

Claims (6)

  1. 第一電極と、第二電極と、有機発光層と、絶縁層とを備え、前記有機発光層は前記第一電極と前記第二電極との間に形成され、前記絶縁層は前記第一電極と前記第二電極の端部との間に形成され、前記第二電極の端部よりも内側が発光部として形成され、前記第二電極の端部よりも外側が非発光部として形成され、前記絶縁層にはその厚み方向に突出する凸部が形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 複数の前記凸部が前記絶縁層に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記複数の凸部のうち、前記発光部側の凸部は前記非発光部側の凸部よりも高く形成されていることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記絶縁層は硫黄系感光剤を含有せず、波長380〜780nmの領域における全光線透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子からの光を光学的に変化させる可変部とを備えることを特徴とする光学パネル。
  6. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を保持する保持部とを備えることを特徴とする建材。
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