JP2015103322A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で、外部から衝撃等が付与された際、積層方向及び該積層方向に直交するセパレータ面方向のずれを可及的に抑制し、所望のシール機能を確保することを可能にする。
【解決手段】燃料電池10を構成する発電ユニット12は、第1金属セパレータ24、第1電解質膜・電極構造体26a、第2金属セパレータ28、第2電解質膜・電極構造体26b及び第3金属セパレータ30を有する。上部荷重受け部材78aは、第1金属セパレータ24の外周凸部70b、第2金属セパレータ28の外周凸部72b及び第3金属セパレータ30の外周凸部74bが挟持される4枚の櫛歯状の板状受け部82atを備える。
【選択図】図2
【解決手段】燃料電池10を構成する発電ユニット12は、第1金属セパレータ24、第1電解質膜・電極構造体26a、第2金属セパレータ28、第2電解質膜・電極構造体26b及び第3金属セパレータ30を有する。上部荷重受け部材78aは、第1金属セパレータ24の外周凸部70b、第2金属セパレータ28の外周凸部72b及び第3金属セパレータ30の外周凸部74bが挟持される4枚の櫛歯状の板状受け部82atを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、電解質膜の両側に一対の電極を設けた電解質膜・電極構造体と、前記電解質膜・電極構造体の外形寸法よりも大きな外形寸法を有する金属セパレータとが積層されるとともに、前記金属セパレータの外周には、弾性シール部材が一体に設けられる燃料電池に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の一方の面側にアノード電極が、他方の面側にカソード電極が、それぞれ配設された電解質膜・電極構造体(MEA)を備えている。電解質膜・電極構造体は、セパレータによって挟持されることにより発電セルを構成している。燃料電池は、通常、所定の数の発電セルを積層することにより、例えば、車載用燃料電池スタックとして燃料電池電気車両に組み込まれている。
燃料電池内では、燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却媒体を、それぞれ専用の流路に沿って気密(液密)に流通させる必要がある。従って、通常、電解質膜・電極構造体とセパレータとの間には、種々のシール部材が介装されている。ところが、車載用燃料電池スタックを構成する際には、走行時の振動や急停止時又は急発進時の衝撃、外部からの衝撃荷重を受けた際に、シール部材が大きく変形してしまうおそれがある。
このため、シール部材は、良好な接触面積を確保することができず、所望のシール性を維持することが困難になる場合がある。特に、セパレータとして金属セパレータが使用される際には、前記金属セパレータ自体の変形等に起因し、シール部材とセパレータ表面とのシール面圧を良好に確保することができないという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池が知られている。この燃料電池では、金属セパレータには、少なくともシール部材又は前記金属セパレータの変形量を規制するために、該金属セパレータを両面から挟んでその外周端部を周回して荷重受け部材が設けられている。荷重受け部材は、平坦な上面を有する形状であるとともに、隣り合う荷重受け部材の上面同士が所定の隙間を有して対向するように配置されている。
従って、燃料電池内部のガス圧力による金属セパレータの変動が発生した際や燃料電池外部からの振動及び衝撃による前記金属セパレータの変動が発生した際、隣り合う荷重受け部材の上面同士が接触している。これにより、金属セパレータやシール部材に過剰な変形が発生することを阻止し、良好なシール性を発揮することが可能になる、としている。
本発明は、この種の燃料電池スタックに関連してなされたものであり、外部から衝撃等が付与された際、積層方向及び該積層方向に直交するセパレータ面方向のずれを可及的に抑制し、簡単な構成で、所望のシール機能を確保することが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池では、電解質膜の両側に一対の電極を設けた電解質膜・電極構造体と、前記電解質膜・電極構造体の外形寸法よりも大きな外形寸法を有する金属セパレータとが積層されている。そして、金属セパレータの外周には、弾性シール部材が一体に設けられている。
燃料電池は、複数の金属セパレータの外周に沿って配設される荷重受け部材を備え、前記荷重受け部材は、互いに隣接する前記金属セパレータの各弾性シール部材間に配置される櫛歯状の板状受け部を備えている。
また、この燃料電池では、金属セパレータは、多角形状を有するとともに、荷重受け部材は、前記金属セパレータの辺毎に分割して設けられることが好ましい。
さらに、この燃料電池では、金属セパレータの積層方向に複数の荷重受け部材が配列されるとともに、互いに隣接する前記荷重受け部材同士を位置決め保持するために係止部材を備えることが好ましい。
本発明によれば、荷重受け部材は、互いに隣接する金属セパレータの各弾性シール部材間に配置される櫛歯状の板状受け部を備えている。このため、燃料電池に外部から衝撃等が付与された際、各金属セパレータが積層方向及び該積層方向に直交するセパレータ面方向にずれることを阻止することができる。これにより、簡単な構成で、外部からの衝撃等による積層方向及び該積層方向に直交するセパレータ面方向へのずれを可及的に抑制し、所望のシール機能を確保することが可能になる。
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10は、例えば、図示しない燃料電池電気自動車に搭載される。燃料電池10は、複数の発電ユニット12が電極面を立位姿勢にして水平方向(矢印B方向)に積層される。なお、複数の発電ユニット12を重力方向に積層して燃料電池10を構成してもよい。
発電ユニット12の積層方向一端には、図2に示すように、第1ターミナルプレート14a、第1絶縁プレート16a及び第1エンドプレート18aが、外方に向かって、順次、配設される。発電ユニット12の積層方向他端には、第2ターミナルプレート14b、第2絶縁プレート16b及び第2エンドプレート18bが、外方に向かって、順次、配設される。
横長形状の第1エンドプレート18aの中央部からは、第1ターミナルプレート14aに接続された第1電力出力端子20aが外方に向かって延在する。横長形状の第2エンドプレート18bの中央部からは、第2ターミナルプレート14bに接続された第2電力出力端子20bが外方に向かって延在する。図1に示すように、第1エンドプレート18aと第2エンドプレート18bの各長辺間には、連結バー(連結部材)21の両端がねじ22により固定される。第1エンドプレート18aと第2エンドプレート18bの各短辺間には、連結バー21の両端がねじ22により固定される。
図2及び図3に示すように、発電ユニット12は、第1金属セパレータ24、第1電解質膜・電極構造体(MEA)26a、第2金属セパレータ28、第2電解質膜・電極構造体(MEA)26b及び第3金属セパレータ30を有する。
第1金属セパレータ24、第2金属セパレータ28及び第3金属セパレータ30は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板により構成される。第1金属セパレータ24、第2金属セパレータ28及び第3金属セパレータ30は、平面が矩形の横長形状(多角形状)を有するとともに、金属製薄板を波形状にプレス加工することにより、断面凹凸形状に成形される。
第1電解質膜・電極構造体26a及び第2電解質膜・電極構造体26bは、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜(陽イオン交換膜)32を備える。固体高分子電解質膜32は、アノード電極34及びカソード電極36に挟持される。アノード電極34は、カソード電極36よりも小さな平面寸法を有する段差MEAを構成しているが、これに限定されるものではない。例えば、アノード電極34は、カソード電極36よりも大きな平面寸法を有してもよく、又は、前記カソード電極36と同一の平面寸法を有してもよい。
アノード電極34及びカソード電極36は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、例えば、固体高分子電解質膜32の両面に形成される。
図3に示すように、発電ユニット12の長辺方向(矢印A方向)の一端縁部には、矢印B方向に互いに連通して、酸化剤ガス供給連通孔38a及び燃料ガス排出連通孔40bが設けられる。酸化剤ガス供給連通孔38aは、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給する。燃料ガス排出連通孔40bは、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出する。
発電ユニット12の長辺方向(矢印A方向)の他端縁部には、矢印B方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔40a及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔38bが設けられる。
発電ユニット12の互いに対向する長辺の両端縁部一方には、矢印B方向に互いに連通して、冷却媒体を供給するための一対の冷却媒体供給連通孔42aが設けられる。発電ユニット12の互いに対向する長辺の両端縁部他方には、冷却媒体を排出するための一対の冷却媒体排出連通孔42bが設けられる。
各冷却媒体供給連通孔42a、42aは、酸化剤ガス供給連通孔38a及び燃料ガス排出連通孔40bに近接し、且つそれぞれ矢印C方向両側の各長辺に振り分けられる。各冷却媒体排出連通孔42b、42bは、酸化剤ガス排出連通孔38b及び燃料ガス供給連通孔40aにそれぞれ近接し、且つそれぞれ矢印C方向両側の各長辺に振り分けられる。
第1金属セパレータ24の第1電解質膜・電極構造体26aに向かう面24aには、燃料ガス供給連通孔40aと燃料ガス排出連通孔40bとを連通する波形状(又は直線状)の第1燃料ガス流路44が形成される。第1燃料ガス流路44は、矢印A方向に延在し、その入口近傍及び出口近傍には、それぞれ複数のエンボスを有する入口バッファ部46a及び出口バッファ部46bが設けられる。
第1金属セパレータ24の面24bには、冷却媒体供給連通孔42aと冷却媒体排出連通孔42bとを連通する冷却媒体流路48の一部が形成される。冷却媒体流路48の一部は、第1燃料ガス流路44の裏面形状として形成される。冷却媒体流路48は、矢印A方向に沿って延在する。
第2金属セパレータ28の第1電解質膜・電極構造体26aに向かう面28aには、酸化剤ガス供給連通孔38aと酸化剤ガス排出連通孔38bとを連通する波形状(又は直線状)の第1酸化剤ガス流路50が形成される。第1酸化剤ガス流路50の入口近傍及び出口近傍には、入口バッファ部52a及び出口バッファ部52bが設けられる。
第2金属セパレータ28の第2電解質膜・電極構造体26bに向かう面28bには、燃料ガス供給連通孔40aと燃料ガス排出連通孔40bとを連通する波形状(又は直線状)の第2燃料ガス流路54が形成される。第2燃料ガス流路54の入口近傍及び出口近傍には、入口バッファ部56a及び出口バッファ部56bが設けられる。
第3金属セパレータ30の第2電解質膜・電極構造体26bに向かう面30aには、酸化剤ガス供給連通孔38aと酸化剤ガス排出連通孔38bとを連通する波形状(又は直線状)の第2酸化剤ガス流路58が形成される。第2酸化剤ガス流路58の入口近傍及び出口近傍には、入口バッファ部60a及び出口バッファ部60bが設けられる。
第3金属セパレータ30の面30bには、冷却媒体流路48の一部が形成される。冷却媒体流路48の入口側には、前記冷却媒体流路48を流路幅方向に挟んで一対の冷却媒体供給連通孔42aが設けられる。冷却媒体流路48の出口側には、前記冷却媒体流路48を流路幅方向に挟んで一対の冷却媒体排出連通孔42bが設けられる。
第1金属セパレータ24は、燃料ガス供給連通孔40aと第1燃料ガス流路44とを連通する複数の供給連結路62a、及び、燃料ガス排出連通孔40bと前記第1燃料ガス流路44とを連通する複数の排出連結路62bを有する。第2金属セパレータ28は、燃料ガス供給連通孔40aと第2燃料ガス流路54とを連通する複数の供給連結路64a、及び、燃料ガス排出連通孔40bと前記第2燃料ガス流路54とを連通する複数の排出連結路64bを有する。
供給連結路62a及び排出連結路62bには、蓋体66a、66bが配置される。供給連結路64a及び排出連結路64bには、蓋体68a、68bが配置される。
第1金属セパレータ24の面24a、24bには、この第1金属セパレータ24の外周端縁部を周回して第1シール部材(弾性シール部材)70が一体成形される。第2金属セパレータ28の面28a、28bには、この第2金属セパレータ28の外周端縁部を周回して第2シール部材(弾性シール部材)72が一体成形される。第3金属セパレータ30の面30a、30bには、この第3金属セパレータ30の外周端縁部を周回して第3シール部材(弾性シール部材)74が一体成形される。
第1シール部材70、第2シール部材72及び第3シール部材74としては、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するシール部材が用いられる。
図2及び図3に示すように、第1シール部材70は、第1金属セパレータ24のセパレータ面に沿って均一な厚さで延在するベースシール70aを有する。ベースシール70aには、第1金属セパレータ24の外周形状に沿って肉厚な外周凸部70bが一体成形される。ベースシール70aには、燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却媒体を気密及び液密にシールするためのシール凸部70cが一体成形される。
第2シール部材72は、第2金属セパレータ28のセパレータ面に沿って均一な厚さで延在するベースシール72aを有する。ベースシール72aには、第2金属セパレータ28の外周形状に沿って肉厚な外周凸部72bが一体成形される。ベースシール72aには、燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却媒体を気密及び液密にシールするためのシール凸部72cが一体成形される。
第3シール部材74は、第3金属セパレータ30のセパレータ面に沿って均一な厚さで延在するベースシール74aを有する。ベースシール74aには、第3金属セパレータ30の外周形状に沿って肉厚な外周凸部74bが一体成形される。ベースシール74aには、燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却媒体を気密及び液密にシールするためのシール凸部74cが一体成形される。
図1に示すように、第1エンドプレート18aには、酸化剤ガス供給連通孔38a、酸化剤ガス排出連通孔38b、燃料ガス供給連通孔40a及び燃料ガス排出連通孔40bが形成される。第2エンドプレート18bには、図示しないが、一対の冷却媒体供給連通孔42a及び一対の冷却媒体排出連通孔42bが設けられる。
第1の実施形態では、燃料電池10は、各発電ユニット12を構成する第1金属セパレータ24、第2金属セパレータ28及び第3金属セパレータ30の外周(単に、セパレータ外周ともいう)に沿って配置される荷重受け構造76を備える。荷重受け構造76は、第1金属セパレータ24、第2金属セパレータ28及び第3金属セパレータ30の辺毎に4分割して設けられ、電気絶縁性を有する樹脂で形成される。
具体的には、図4に示すように、荷重受け構造76は、セパレータ外周の上側長辺に沿って配設される複数個の上部荷重受け部材78aと、前記セパレータ外周の下側長辺に沿って配設される複数個の下部荷重受け部材78bとを設ける。荷重受け構造76は、さらにセパレータ外周の一方の側部短辺に沿って配設される複数個の側部荷重受け部材80aと、前記セパレータ外周の他方の側部短辺に沿って配設される複数個の側部荷重受け部材80bとを設ける。
上部荷重受け部材78aは、図2及び図4に示すように、下方に突出して第1金属セパレータ24の外周凸部70b、第2金属セパレータ28の外周凸部72b及び第3金属セパレータ30の外周凸部74bが挟持される4枚の櫛歯状の板状受け部82atを一体に備える。各板状受け部82at間には、空間部82aが形成され、前記空間部82aに外周凸部70b、72b及び74bが配置される。すなわち、互いに隣接する外周凸部70bと外周凸部72bとの間、及び外周凸部72bと外周凸部74bとの間に、それぞれ1枚の板状受け部82atが配置される(図2参照)。板状受け部82atは、第1金属セパレータ24の外周凸部70b、第2金属セパレータ28の外周凸部72b及び第3金属セパレータ30の外周凸部74bと範囲tに亘って重なり部位を有する。
上部荷重受け部材78aの一方の側部には、1以上、例えば、2つのピン部材(係止部材)84aが一体に、又は別部材を固着して設けられる。上部荷重受け部材78aの他方の側部には、ピン部材84aが挿入される穴部86aが、前記ピン部材84aと積層方向(矢印B方向)に同軸上に形成される。隣り合う上部荷重受け部材78aは、一方のピン部材84aが他方の穴部86aに挿入(嵌合)されることにより、互いに隣接する前記上部荷重受け部材78a同士が連結される。
下部荷重受け部材78bは、図4に示すように、上方に突出して第1金属セパレータ24の外周凸部70b、第2金属セパレータ28の外周凸部72b及び第3金属セパレータ30の外周凸部74bが挟持される4枚の櫛歯状の板状受け部82btを一体に備える。各板状受け部82bt間には、空間部82bが形成され、前記空間部82bに外周凸部70b、72b及び74bが配置される。
下部荷重受け部材78bの一方の側部には、1以上、例えば、2つのピン部材(係止部材)84bが一体に、又は別部材を固着して設けられる。下部荷重受け部材78bの他方の側部には、ピン部材84bが挿入される穴部86bが、前記ピン部材84bと積層方向(矢印B方向)に同軸上に形成される。隣り合う下部荷重受け部材78bは、一方のピン部材84bが他方の穴部86bに挿入(嵌合)されることにより、互いに隣接する前記下部荷重受け部材78b同士が連結される。
側部荷重受け部材80aは、側方に突出して第1金属セパレータ24の外周凸部70b、第2金属セパレータ28の外周凸部72b及び第3金属セパレータ30の外周凸部74bが挟持される4枚の櫛歯状の板状受け部88atを一体に備える。各板状受け部88at間には、空間部88aが形成され、前記空間部88aに外周凸部70b、72b及び74bが配置される。
側部荷重受け部材80aの一方の側部には、1以上、例えば、2つのピン部材(係止部材)90aが一体に、又は別部材を固着して設けられる。側部荷重受け部材80aの他方の側部には、ピン部材90aが挿入される穴部92aが、前記ピン部材90aと積層方向(矢印B方向)に同軸上に形成される。隣り合う側部荷重受け部材80aは、一方のピン部材90aが他方の穴部92aに挿入(嵌合)されることにより、互いに隣接する前記側部荷重受け部材80a同士が連結される。
側部荷重受け部材80bは、側方に突出して第1金属セパレータ24の外周凸部70b、第2金属セパレータ28の外周凸部72b及び第3金属セパレータ30の外周凸部74bが挟持される4枚の櫛歯状の板状受け部88btを一体に備える。各板状受け部88bt間には、空間部88bが形成され、前記空間部88bに外周凸部70b、72b及び74bが配置される。
側部荷重受け部材80bの一方の側部には、1以上、例えば、2つのピン部材(係止部材)90bが一体に、又は別部材を固着して設けられる。側部荷重受け部材80bの他方の側部には、ピン部材90bが挿入される穴部92bが、前記ピン部材90bと積層方向(矢印B方向)に同軸上に形成される。隣り合う側部荷重受け部材80bは、一方のピン部材90bが他方の穴部92bに挿入(嵌合)されることにより、互いに隣接する前記側部荷重受け部材80b同士が連結される。
複数個の上部荷重受け部材78a、下部荷重受け部材78b、側部荷重受け部材80a及び80bは、第1絶縁プレート16aと第2絶縁プレート16bとの間に、又は、第1エンドプレート18aと第2エンドプレート18bとの間に、挟持されて固定される。
このように構成される燃料電池10の動作について、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、第1エンドプレート18aの酸化剤ガス供給連通孔38aには、酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス供給連通孔40aには、水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。一方、図示しないが、第2エンドプレート18bの一対の冷却媒体供給連通孔42aには、純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
図3に示すように、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔38aから第2金属セパレータ28の第1酸化剤ガス流路50及び第3金属セパレータ30の第2酸化剤ガス流路58に導入される。酸化剤ガスは、第1酸化剤ガス流路50に沿って矢印A方向(水平方向)に移動し、第1電解質膜・電極構造体26aのカソード電極36に供給される。さらに、残余の酸化剤ガスは、第2酸化剤ガス流路58に沿って矢印A方向に移動し、第2電解質膜・電極構造体26bのカソード電極36に供給される。
一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔40aから第1金属セパレータ24の第1燃料ガス流路44に沿って水平方向(矢印A方向)に移動し、第1電解質膜・電極構造体26aのアノード電極34に供給される。また、残余の燃料ガスは、第2金属セパレータ28の第2燃料ガス流路54に沿って矢印A方向に移動し、第2電解質膜・電極構造体26bのアノード電極34に供給される。
従って、第1電解質膜・電極構造体26a及び第2電解質膜・電極構造体26bでは、カソード電極36に供給される酸化剤ガスと、アノード電極34に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、第1電解質膜・電極構造体26a及び第2電解質膜・電極構造体26bの各カソード電極36に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔38bに沿って矢印B方向に流通する。第1電解質膜・電極構造体26a及び第2電解質膜・電極構造体26bの各アノード電極34に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔40bに沿って矢印B方向に流通する。
一方、上下一対の冷却媒体供給連通孔42aに供給された冷却媒体は、一方の発電ユニット12を構成する第1金属セパレータ24と、他方の発電ユニット12を構成する第3金属セパレータ30との間に形成された冷却媒体流路48に導入される。
各冷却媒体供給連通孔42aから冷却媒体流路48に供給される冷却媒体は、一旦矢印C方向内方に沿って流動した後、矢印A方向に移動して第1電解質膜・電極構造体26a及び第2電解質膜・電極構造体26bを冷却する。この冷却媒体は、さらに矢印C方向外方に移動した後、一対の冷却媒体排出連通孔42bに排出される。
この場合、第1の実施形態では、荷重受け構造76は、図2及び図4に示すように、セパレータ外周の上側長辺に沿って配設される複数個の上部荷重受け部材78aを備えている。上部荷重受け部材78aは、互いに隣接する外周凸部70bと外周凸部72bとの間、及び外周凸部72bと外周凸部74bとの間に配置される櫛歯状の複数の板状受け部82atを有している。
荷重受け構造76は、さらにセパレータ外周の下側長辺に沿って配設される複数個の下部荷重受け部材78bと、セパレータ外周の両方の側部短辺に沿って配設される複数個の側部荷重受け部材80a、80bとを有している。そして、下部荷重受け部材78b及び側部荷重受け部材80a、80bは、上部荷重受け部材78aと同様に構成されている。
このため、燃料電池10に外部から衝撃等が付与された際、各発電ユニット12を構成する第1金属セパレータ24〜第3金属セパレータ30は、積層方向及び該積層方向に直交するセパレータ面方向にずれることを阻止することができる。しかも、上部荷重受け部材78a同士は、ピン部材84aと穴部86aとの嵌合作用下に、互いに積層方向に位置決め保持されている。一方、下部荷重受け部材78b同士及び側部荷重受け部材80a、80b同士は、同様に互いに位置決め保持されている。
従って、燃料電池10では、簡単な構成で、外部からの衝撃等による積層方向及び該積層方向に直交するセパレータ面方向へのずれを可及的に抑制することができる。これにより、燃料電池10全体として所望のシール機能を確保することが可能になるという効果が得られる。
なお、第1の実施形態では、荷重受け構造76は、単一の発電ユニット12毎に設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、2組又は3組以上の発電ユニット12を一体に位置決め保持する荷重受け構造を用いてもよい。また、以下に説明する第2以降の実施形態でも、同様である。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池100を構成する荷重受け構造102の一部分解斜視説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
荷重受け構造102は、セパレータ外周の上側長辺に沿って配設される複数個の上部荷重受け部材104を備える。上部荷重受け部材104は、下方に突出して第1金属セパレータ24の外周凸部70b、第2金属セパレータ28の外周凸部72b及び第3金属セパレータ30の外周凸部74bが挟持される3枚の櫛歯状の板状受け部106tを備える。上部荷重受け部材104は、水平方向に突出する板状部108を有する。板状部108は、実質的に、第1の実施形態の端部の板状受け部82atを削除することにより設けられる。
各板状受け部106t間には、空間部106が形成されるとともに、互いに隣接する上部荷重受け部材104間には、板状部108を介して空間部106が形成される。板状部108の先端には、1以上、例えば、2つのピン部材(係止部材)109aが一体に、又は別部材を固着して設けられる。上部荷重受け部材104の側部には、ピン部材109aが挿入される1以上、例えば、2つの穴部109bが形成される。
このように構成される第2の実施形態では、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、各上部荷重受け部材104同士の接合部位の厚さが薄肉化される。すなわち、1枚の板状受け部82atの厚さ分が削減される。従って、燃料電池100全体の積層方向の寸法が一層短尺化されるという効果がある。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池110の概略斜視説明図である。燃料電池110は、複数の発電ユニット112が電極面を立位姿勢にして水平方向(矢印B方向)に、又は、前記電極面を水平姿勢にして鉛直方向(矢印C方向)に積層される。
図8に示すように、発電ユニット112は、第1金属セパレータ114、電解質膜・電極構造体26及び第2金属セパレータ116が矢印B方向に積層される。発電ユニット112の長辺方向(矢印A方向)の一端縁部には、矢印B方向に互いに連通して酸化剤ガス供給連通孔38a、冷却媒体供給連通孔42a及び燃料ガス排出連通孔40bが設けられる。発電ユニット112の長辺方向の他端縁部には、矢印B方向に互い連通して燃料ガス供給連通孔40a、冷却媒体排出連通孔42b及び酸化剤ガス排出連通孔38bが設けられる。
第1金属セパレータ114の電解質膜・電極構造体26に向かう面114aには、燃料ガス流路44aが形成される。燃料ガス流路44aは、複数個の供給連通孔117aを介して燃料ガス供給連通孔40aに連通するとともに、複数個の排出連通孔117bを介して燃料ガス排出連通孔40bに連通する。第2金属セパレータ116の電解質膜・電極構造体26に向かう面116aには、酸化剤ガス流路50aが形成される。第1金属セパレータ114の面114bと第2金属セパレータ116の面116bとの間には、冷却媒体流路48が形成される。
第1金属セパレータ114には、第1シール部材(弾性シール部材)118が一体成形される。第2金属セパレータ116には、第2シール部材(弾性シール部材)120が一体成形される。第1シール部材118は、ベースシール118aを有するとともに、前記ベースシール118aには、外周凸部118b及びシール凸部118cが一体成形される。第2シール部材120は、ベースシール120aを有するとともに、前記ベースシール120aには、外周凸部120b及びシール凸部120cが一体成形される。
燃料電池110は、図7に示すように、各発電ユニット112を構成する第1金属セパレータ114及び第2金属セパレータ116の外周(単に、セパレータ外周ともいう)に沿って配置される荷重受け構造122を備える。
荷重受け構造122は、セパレータ外周の上側長辺に沿って配設される複数個の上部荷重受け部材124aと、前記セパレータ外周の下側長辺に沿って配設される複数個の下部荷重受け部材124bとを設ける。荷重受け構造122は、さらにセパレータ外周の一方の側部短辺に沿って配設される複数個の側部荷重受け部材126aと、前記セパレータ外周の他方の側部短辺に沿って配設される複数個の側部荷重受け部材126bとを設ける。
図7及び図9に示すように、上部荷重受け部材124aは、下方に突出して第1金属セパレータ114の外周凸部118b及び第2金属セパレータ116の外周凸部120bが挟持される3枚の櫛歯状の板状受け部128tを一体に備える。各板状受け部128t間には、空間部128が形成され、前記空間部128に外周凸部118b及び120bが配置される。すなわち、互いに隣接する外周凸部118bと外周凸部120bとの間に、1枚の板状受け部128tが配置される。
上部荷重受け部材124aの一方の側部には、例えば、2つのピン部材(係止部材)130aが一体に、又は別部材を固着して設けられる。上部荷重受け部材124aの他方の側部には、ピン部材130aが挿入される穴部130bが、例えば、2つ設けられる。
なお、下部荷重受け部材124b及び側部荷重受け部材126a、126bは、上部荷重受け部材124aと同様に構成されており、同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
燃料電池110では、外部から衝撃等が付与された際、各発電ユニット112を構成する第1金属セパレータ114及び第2金属セパレータ116が積層方向及び該積層方向に直交するセパレータ面方向にずれることを阻止することができる。これにより、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。なお、第3の実施形態では、上記の第2の実施形態と同様に構成することが可能である。
10、100、110…燃料電池 12、112…発電ユニット
18a、18b…エンドプレート
24、28、30、114、116…金属セパレータ
26、26a、26b…電解質膜・電極構造体
32…固体高分子電解質膜 34…アノード電極
36…カソード電極 38a…酸化剤ガス供給連通孔
38b…酸化剤ガス排出連通孔 40a…燃料ガス供給連通孔
40b…燃料ガス排出連通孔 42a…冷却媒体供給連通孔
42b…冷却媒体排出連通孔 44、44a、54…燃料ガス流路
48…冷却媒体流路 50、50a、58…酸化剤ガス流路
70、72、74、118、120…シール部材
76、102、122…荷重受け構造
78a、104、124a…上部荷重受け部材
78b、124b…下部荷重受け部材
80a、80b、126a、126b…側部荷重受け部材
82a、82b、88a、88b、106、128…空間部
82at、82bt、88at、88bt、106t、128t…板状受け部
84a、84b、90a、90b、109a、130a…ピン部材
86a、86b、92a、92b、109b、130b…穴部
18a、18b…エンドプレート
24、28、30、114、116…金属セパレータ
26、26a、26b…電解質膜・電極構造体
32…固体高分子電解質膜 34…アノード電極
36…カソード電極 38a…酸化剤ガス供給連通孔
38b…酸化剤ガス排出連通孔 40a…燃料ガス供給連通孔
40b…燃料ガス排出連通孔 42a…冷却媒体供給連通孔
42b…冷却媒体排出連通孔 44、44a、54…燃料ガス流路
48…冷却媒体流路 50、50a、58…酸化剤ガス流路
70、72、74、118、120…シール部材
76、102、122…荷重受け構造
78a、104、124a…上部荷重受け部材
78b、124b…下部荷重受け部材
80a、80b、126a、126b…側部荷重受け部材
82a、82b、88a、88b、106、128…空間部
82at、82bt、88at、88bt、106t、128t…板状受け部
84a、84b、90a、90b、109a、130a…ピン部材
86a、86b、92a、92b、109b、130b…穴部
Claims (3)
- 電解質膜の両側に一対の電極を設けた電解質膜・電極構造体と、前記電解質膜・電極構造体の外形寸法よりも大きな外形寸法を有する金属セパレータとが積層されるとともに、前記金属セパレータの外周には、弾性シール部材が一体に設けられる燃料電池であって、
複数の前記金属セパレータの外周に沿って配設される荷重受け部材を備え、
前記荷重受け部材は、互いに隣接する前記金属セパレータの各弾性シール部材間に配置される櫛歯状の板状受け部を備えることを特徴とする燃料電池。 - 請求項1記載の燃料電池において、前記金属セパレータは、多角形状を有するとともに、
前記荷重受け部材は、該金属セパレータの辺毎に分割して設けられることを特徴とする燃料電池。 - 請求項1又は2記載の燃料電池において、前記金属セパレータの積層方向に複数の前記荷重受け部材が配列されるとともに、
互いに隣接する前記荷重受け部材同士を位置決め保持するために係止部材を備えることを特徴とする燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013241442A JP2015103322A (ja) | 2013-11-22 | 2013-11-22 | 燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013241442A JP2015103322A (ja) | 2013-11-22 | 2013-11-22 | 燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015103322A true JP2015103322A (ja) | 2015-06-04 |
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ID=53378881
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2013241442A Pending JP2015103322A (ja) | 2013-11-22 | 2013-11-22 | 燃料電池 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2015103322A (ja) |
-
2013
- 2013-11-22 JP JP2013241442A patent/JP2015103322A/ja active Pending
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