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JP2015178995A - 色調校正装置、撮像装置及び色調検査装置 - Google Patents

色調校正装置、撮像装置及び色調検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像データの正確な補正が可能な補正係数を、撮像装置毎に簡単に取得することができる色調校正装置を提供する。【解決手段】補正係数取得部151が、均一光生成部110の積分球111から混色光Pmを出力させ、カメラ410の二次元光センサの各画素で測定して、中央付近の所定の画素領域の受光光量を他の画素領域の受光光量と比較することにより、レンズ歪み等を補正するためのシェーディング補正係数を画素領域毎に算出する。次に、変換行列取得部152が、波長が異なる複数種類の単色均一光を積分球111から順次出力させ、カメラ410の二次元光センサを用いてRGB値を取得すると共に、それら単色均一光の受光光量を分光装置130で測定してXYZ値を取得し、該RGB値と該XYZ値とを比較することにより、画素領域毎の分光感度特性バラツキを補正できるRGB−XYZ変換行列を算出する。【選択図】図1

Description

この発明は、撮像装置の色調校正に使用する補正情報を測定するための色調校正装置と、該補正情報を用いて色調校正を行う撮像装置とに関する。
従来より、レンズ系や色フィルタ等を介して被写体から入射した光を、二次元光センサで撮像してRGB値(RGB表色系の三刺激値)を取得し、このRGB値をXYZ値(XYZ表色系の三刺激値)に変換する撮像装置が知られている(下記特許文献1の段落[0076]−[0079]等参照)。
この種の撮像装置は、例えば、照明器具用照明光源の色調を検査する検査装置に使用することができる。
特許第4692872号
上述のような従来の撮像装置では、レンズ系の受光面全域に均一な光が入射された場合であっても、このレンズ系の収差等のために、その中央部分と周辺部分とで入射光の光束密度が異なり、従って、画像データの全域にわたって正確な色調検出を行うことが困難である。このため、従来の撮像装置を、照明器具の色調検査等に使用する場合、色調の均一性についての正確な検査を行うこと等が困難であるという欠点があった。
また、従来の撮像装置では、カメラに装着している色フィルタや二次元光センサの特性に部品間バラツキ等があるために、同一の被写体を撮像した場合であっても、画像データの色調が撮像装置毎に異なるという欠点も生じる。このため、従来の撮像装置を照明器具等の色調検査に使用する場合、複数台の検査装置で同一の検査結果を得ることができないという欠点があった。
このような欠点を解消するためには、撮像装置毎に作成した補正係数を用いて、該撮像装置が取得した画像データを正確に補正することが望まれる。
この発明の課題は、画像データの正確な補正が可能な補正係数を撮像装置毎に簡単且つ安価に取得することができる色調校正装置と、この補正係数を用いて簡単な処理で画像データを補正することができる撮像装置と、この撮像装置を用いて正確な色調検査を行う色調検査装置とを提供する点にある。
かかる課題を解決するために、請求項1の発明に係る色調校正装置は、レンズ系及び色フィルタを介して入射した光を二次元光センサに撮像させて得たRGB値をXYZ値に変換する撮像装置の校正情報を取得する色調校正装置であって、光源からの出力光を均一化する積分球を用いて、混色均一光又は単色均一光を択一的に生成する均一光生成部と、前記混色均一光の受光光量を前記二次元光センサの各画素で測定して、中央付近の所定の画素領域の該受光光量を他の画素領域の該受光光量と比較することにより、該画素領域毎のシェーディング補正係数を算出する補正係数取得部と、波長が異なる複数種類の前記単色均一光のそれぞれについて、前記二次元光センサを用いてRGB値を取得すると共に、それぞれの該単色均一光の受光光量を分光装置で測定することでXYZ値を取得し、該RGB値と該XYZ値とを比較することにより、前記画素領域毎の分光感度特性バラツキを補正するRGB−XYZ変換行列を算出する変換行列取得部と、を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記均一光生成部は、前記光源として、ピーク波長が互いに異なる複数のLEDを備え、複数種類の該LEDを同時に点灯させることで前記混色均一光を生成し、且つ、何れか一種類の該LEDを点灯させることで前記単色均一光を生成する、ことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の何れかに記載の構成に加え、前記変換行列取得部は、前記RGB−XYZ変換行列を用いて算出した前記XYZ値と前記分光装置で測定した前記XYZ値との差を、全ての前記画素領域の全ての前記単色均一光について演算したときに、これら差の合計が最小になるように、該RGB−XYZ変換行列の各行列要素を求めることを特徴とする。
更に、請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の色調校正装置で取得された前記シェーディング補正係数と前記RGB−XYZ変換行列を用いて校正処理を行う撮像装置であって、前記二次元光センサから出力された画素信号を、該シェーディング補正係数を用いて補正する、シェーディング校正処理部と、該補正係数取得部から出力された画素信号を、前記RGB−XYZ変換行列とを用いてXYZ値に変換する三刺激値校正処理部と、を備えることを特徴とする。
加えて、請求項5の発明は、請求項4の撮像装置を用いて照明光源の色調検査を行うことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、補正係数取得部を用いて、混色均一光の受光光量のバラツキを補正するシェーディング補正係数を取得するので、レンズ系の収差等を簡単且つ正確に補正できるシェーディング補正係数を得ることができる。
また、請求項1の色調校正装置によれば、変換行列取得部を用いて、複数種類の単色均一光のRGB値とXYZ値を測定し、これらの測定結果からRGB−XYZ変換行列を算出するので、RGB値からXYZ値への変換と同時に色フィルタや二次元光センサの特性バラツキを補正できるようなRGB−XYZ変換行列を取得することができる。したがって、請求項1の色調校正装置によれば、撮像装置は、色フィルタや二次元光センサの特性バラツキを補正する処理のみを目的とする演算を行わずに、これらバラツキの補正を行うことができる。
請求項2の発明によれば、ピーク波長が互いに異なる複数のLED光源を設けたので、フィルタ等を用いること無しに、1台の均一光生成部によって、所望の混色均一光や単色均一光を択一的に生成することが可能となり、従って、正確な補正やRGB−XYZ変換を、簡単且つ安価に行うことが可能な、RGB−XYZ変換行列を取得できる。
請求項3の発明によれば、全ての波長にわたって正確な補正やRGB−XYZ変換を行うことが可能で、且つ、演算処理が簡単な、RGB−XYZ変換行列を取得できる。
請求項4の発明によれば、この発明のシェーディング補正係数及びRGB−XYZ変換行列を用いて、二次元光センサで取得した画像信号の校正を行うので、簡単な処理で正確な補正を行うことができる。
請求項5の発明によれば、請求項4の撮像装置を用いて照明光源の色調を検査するので、信頼性の高い検査を行うことができる。
この発明の実施の形態1に係る色調校正装置の概略構成を示す概念図である。 同実施の形態1の色調校正装置に係る均一光生成部の一構成例を示す概念図である。 同実施の形態1に係る光源の相対分光分布を示すグラフである。 同実施の形態1に係る色調検査装置の要部構成を示すブロック図である。 同実施の形態1に係る二次元光センサの分光感度特性を示すグラフである。 XYZ表色系における等色関数を示すグラフである。
[発明の実施の形態1]
以下、この発明の実施の形態1について、図1乃至図6を用いて説明する。
図1は、この実施の形態1に係る色調校正装置100の構成例を概念的に示している。また、図2は、均一光生成部110の構成例を概念的に示している。
この色調校正装置100は、カメラ410の画像データ処理に使用されるシェーディング補正係数及びRGB−XYZ変換行列を取得する。
図1及び図2において、均一光生成部110は、積分球111を用いて、光源112,112からの出力光を均一化して出力する。後述するように、この実施の形態1の均一光生成部110は、混色均一光又は複数種類の単色均一光から、いずれかを択一的に生成して出力することができる。
このために、積分球111には、2個の光源112,112と、光ファイバープローブ113と、遮光プレート114とが取り付けられている。そして、光源112,112には光源点灯電源120が、光ファイバープローブ113には分光装置130が、それぞれ接続されている。
積分球111は、内面で光の散乱を繰り返すことによって、均一光(すなわち、光束密度が均一な光)を生成するための、球状中空体である。生成された均一光は、光出力口111aから、外部に出力される。積分球111としては、公知のものを使用することができる。
なお、この積分球111に代えて、いわゆる二重積分球を使用することの可能である。二重積分球を使用することにより、出力される均一光の均一性を更に高めることができる。
光源112,112は、積分球111で均一化される光を生成する。光源112,112としては、例えば、タングステンランプ、ハロゲンランプ、白色LED等を使用してもよいし、ピーク波長が互いに異なる複数のLEDを使用しても良い。
光源112,112として、タングステンランプやハロゲンランプ、白色LED等を使用する場合、これら光源の光を積分球111で均一化することにより、連続スペクトル又は輝線スペクトルの混色均一光Pmが得られる。そして、フィルタ115(反射型フィルタでも良い)を用いて、混色均一光Pmから所定波長成分を抽出することにより、所望波長の単色均一光Psを得ることができる。
また、光源112,112として、ピーク波長が互いに異なる複数のLEDを使用する場合、複数個のLEDを同時点灯して積分球111で均一化することにより、輝線スペクトルの混色均一光Pmが得られる。一方、1個のLEDのみを点灯して積分球111で均一化することにより、一種類のピーク波長のみを有する単色均一光Psを得ることができる。
この実施の形態1では、光源112,112として、ピーク波長が互いに異なる12個のLED(図示せず)を備えた光源を使用する場合を例に採って説明する。図3に、この実施の形態1に係る光源112,112の分光分布を示す。図3から分かるように、これらの電源112,112により、360nm−900nmの範囲で、5nm間隔のピーク波長L1−L12を得ることができる。これら12個のLEDを全て同時に点灯した場合、色温度が3000K−6500Kの白色光源となる。
後述するように、この実施の形態1では、シェーディング補正係数を取得する際には、全てのLEDを点灯して、輝線スペクトルの混色均一光Pmを使用する。一方、RGB−XYZ変換行列を取得する際には、これらLEDを一個ずつ点灯して、12種類のピーク波長L1−L12を有する単色均一光Psをそれぞれ出力する。なお、これら12個のLEDの一部のみを使用して混色均一光Pmを生成することや、2個以上のLEDを同時に点灯して実質的な単色均一光Psを生成することも可能である。
図2において、光ファイバープローブ113は、積分球111で生成された単色均一光Psを取り込んで、分光装置130(後述)に送る。
遮光プレート114は、略円錐筒形状を有しており、積分球111の底部付近や天井部付近で反射した光を遮って、光出力口111aから出力されないようにする。これにより、積分球111で散乱される光のうち、光出力口111aに対向する領域以外で反射した光の出力が抑制されて、出力口の均一性を高めることができる。
光源点灯電源120は、光源112,112に電力を供給するための電源である。この光源点灯電源120は、カメラ410や分光装置130に同期させて、光源112,112の点灯を制御することができる。更には、システム制御装置150の制御に基づいて、点灯及び消灯のタイミングや、各LEDの供給電極、電圧、電流を制御、測定することもできる。
分光装置130は、光ファイバープローブ113から各ピーク波長の単色均一光Psをそれぞれ入力して分光分布を測定し、この分光分布からXYZ値(XYZ表色系の三刺激値)を測定する。分光装置130としては、JISのZ8724(色の測定方法−光源色)に従う、高精度のものを使用することが望ましい。
可動機構140は、可動ステージ141と、可動台142と、可動制御部143とを備える。そして、可動ステージ141上の可動台142にカメラ410をセットして、可動制御装置142の制御で移動させることにより、このカメラ410と均一光生成部110の積分球111との距離を調節する。
システム制御装置150は、色調校正装置100で各種測定を行う際の全体制御を行う。また、このシステム制御装置150は、シェーディング補正係数を算出する補正係数取得部151と、RGB−XYZ変換行列を算出する変換行列取得部152とを備える。これらの取得部151,152は、システム制御装置150内に、例えばソフトウエア的に構築される。シェーディング補正係数及びRGB−XYZ変換行列の算出方法については、後述する。
図4は、この実施の形態1に係る色調検査装置400の要部構成を示すブロック図である。この色調検査装置400は、例えば照明器具用光源の色調検査等に使用される。
図4に示したように、この色調検査装置400は、カメラ410と、シェーディング校正処理部420と、三刺激値校正処理部430と、画像データ保存部440と、色情報演算部450とを備えている。このうち、カメラ410、シェーディング校正処理部420及び三刺激値校正処理部430が、この発明の「撮像装置」に対応する。
カメラ410は、検査対象を撮像して、RGB値の画像データを取得するために使用される。すなわち、色調検査装置400にセットされて色調検査を行う場合、このカメラ410は、照明器具用光源等の出力光を入力して、RGB値の画像データに変換する。
一方、上述の色調校正装置100を用いて、この画像データを校正するためのシェーディング補正係数やRGB−XYZ変換行列を取得する際には、このカメラ410は、色調検査装置400から取り外されて、色調校正装置100にセットされる(図1参照)。そして、このカメラ410には、上述の均一光生成部110から出力された混色均一光が、入力される(後述)。
このカメラ410において、レンズ系411は、外部の光P(照明器具用光源の出力光又は均一光生成部110の混色均一光Pm)を入力して、プリズム412に導く。
プリズム412は、レンズ系411から入力された光Pを、三分岐して、赤色フィルタ413R、緑色フィルタ413G及び青色フィルタ413Bに導く。
赤色フィルタ413R、緑色フィルタ413G及び青色フィルタ413Bは、それぞれプリズム412から入射された分岐光Pから、赤、緑、青の成分を抽出して、対応する二次元光センサ414R,414G,414Bに受光させる。
二次元光センサ414R,414G,414Bの各画素は、受光した光Pの光量に応じたアナログ信号を出力する。これにより、RGB値のアナログ画像データが得られる。これらのアナログ画像データは、電流増幅器415R,415G,415Bで増幅された後、アナログ/デジタル変換器416R,416G,416Bでデジタル信号に変換され、RGB値のデジタル画像データR0,G0,B0として、カメラ410から出力される。
シェーディング校正処理部420は、カメラ410から画像データR0,G0,B0を入力すると共に、システム制御装置150(図1参照)からシェーディング補正係数を入力する。そして、このシェーディング校正処理部410は、このシェーディング補正係数を用いて、画像データR0,G0,B0のシェーディング校正処理を行う。この処理により、レンズ系411の収差等に起因する、画像データR0,G0,B0の誤差を補正することができる。このシェーディング校正処理によって得られた画像データR1,G1,B1は、三刺激値校正処理部430に送られる。シェーディング校正処理の具体的方法については、後述する。
三刺激値校正処理部430は、シェーディング校正処理部420から画像データR1,G1,B1を入力すると共に、システム制御装置150からRGB−XYZ変換行列を入力する。そして、この三刺激値校正処理部430は、RGB−XYZ変換行列を用いて、画像データR1,G1,B1の各画素のRGB値を、XYZ値に変換する。この変換処理により、色フィルタ413R,413G,413Bや二次元光センサ414R,414G,414Bの特性バラツキが補正された、XYZ値を得ることができる。三刺激値校正処理の具体的方法については、後述する。
画像データ保存部440は、これらのXYZ値を三刺激値校正処理部430から入力して、一時的に保存する。
色情報演算部450は、画像データ保存部440に保存されたXYZ値を読み出して、画素毎の色情報を生成する。このために、色情報演算部450は、光原色演算部451と、測光量演算部452とを備える。光原色演算部451は、このXYZ値を用いて、色度座標、相関色温度、演色評価指数等を、画素毎に演算する。また、測光量演算部452は、このXYZ値を用いて、光束、光度、輝度、照度等を、画素毎に演算する。これらの演算結果は、色情報として、色情報演算部450から出力され、検査対象(照明器具用光源等)の評価に使用される。
次に、この実施の形態1に係る色調校正装置100(図1及び図2参照)の動作について説明する。
まず、この色調校正装置100を用いてシェーディング補正係数を取得する方法を説明する。
最初に、カメラ410を色調検査装置400(図4参照)から取り外して、色調校正装置100の可動台142にセットし、このカメラ410と均一光生成部110の積分球111との距離を調節する。
そして、システム制御装置150の補正係数取得部151が、均一光生成部110を制御して、光源112,112に設けられたLED(図示せず)を全て点灯させる。これにより、図3に示したような相対分光感度特性の混色均一光Pmが、積分球111から出力される。
この混色均一光Pmは、カメラ410の光学系411(図4参照)に入力され、プリズム412で三分岐され、赤色フィルタ413R、緑色フィルタ413G及び青色フィルタ413Bを透過して、二次元光センサ414R,414G,414Bに受光される。
図5は、このカメラ410の分光感度特性を示すグラフであり、‘R’は二次元光センサ414R、‘G’は二次元光センサ414G、‘B’は二次元光センサ414Bに対応する。
図5から分かるように、各二次元光センサ414R,414G,414Bの分光特性は、一定の波長幅を有している。このため、シェーディング補正係数を求める測定では、所定周波数領域(例えば可視光領域)の全域にわたる波長成分を多く含んだ均一光を使用することが要求される。
この実施の形態1では、シェーディング補正係数を求める測定に、12種類のピーク波長L1−L12を含む混色均一光Pm(図3参照)を使用するので、正確なシェーディング補正係数を求めることが容易になる。
二次元光センサ414R,414G,414Bの各画素は、混色均一光Pmを受光すると、受光光量に応じたアナログ信号を出力する。そして、これらのアナログ信号は、上述のようにして、デジタル信号に変換される。これにより、二次元光センサ414R,414G,414Bについて、RGB値のデジタル画像データが得られる。これらの画像データは、システム制御装置150の補正係数取得部151に送られる。
そして、補正係数取得部151は、これらの画像データを用い、以下のようにしてシェーディング補正係数を算出する。
均一光生成部110から出力される混色均一光Pmが十分な均一性を有する場合、レンズ系411に歪みや、フィルタ413Rの特性ムラ、二次元光センサ414Rの特性ムラ等が無ければ、この混色均一光Pmを二次元光センサ414Rが受光したときに、全ての画素の受光光量が一致する。しかしながら、実際には、このレンズ系411に歪み等があるために、各画素の受光光量には、バラツキが生じる。
これに対して、二次元光センサ414Rのいずれか1個の画素を基準画素として、全ての画素の受光光量との比αをそれぞれ求め、各画素の受光光量に、対応する比の値を乗算することとすれば、上述のようなレンズ系411の歪み等の影響を除去できる。
この実施の形態1では、中央部分の画素と基準として、他の各画素の受光光量の比αを、二次元光センサ414R,414G,414Bの各画素について求めた。そして、これらの比αを、シェーディング補正係数とした。
他の二次元光センサ414G,414Bの各画素についても、同様である。
なお、シェーディング補正係数は、一画素毎では無く、複数画素毎に決定しても良い。すなわち、画像データを、複数個の画素から成る画素領域に分割して、各画素領域の総受光光量を求め、何れかの画素領域を基準として、他の画素領域のシェーディング補正係数を算出することもできる。これにより、シェーディング補正係数のデータ量を減らせると共に、補正演算が容易になる。
すなわち、「画素領域」の画素数は、1個でも良いし、複数個でも良い。
システム制御装置150が算出したシェーディング補正係数は、色調検査装置400内のメモリ等に保存され、シェーディング校正処理部420の校正処理に使用される。
次に、色調校正装置100を用いてRGB−XYZ変換行列を取得する方法を説明する。
この処理も、カメラ410を、色調校正装置100の可動台142にセットした状態で、行われる。
最初に、システム制御装置150の変換行列取得部152は、均一光生成部110を制御して、光源112,112に設けられたLED(図示せず)を1個ずつ、順次点灯させる。これにより、単色均一光Psが、積分球111から出力される。
この単色均一光Psは、カメラ410の光学系411に入力され、プリズム412で三分岐され、赤色フィルタ413R、緑色フィルタ413G及び青色フィルタ413Bを透過して、二次元光センサ414R,414G,414Bに受光される。そして、二次元光センサ414R,414G,414Bの画素毎の受光光量に対応したデジタルの画像データが、変換行列取得部152に送信される。
また、このとき、各単色均一光Psは、光ファイバープローブ113に入力されて、分光装置130にも送られる(図2参照)。分光装置130は、単色均一光Psをそれぞれ入力して分光分布を測定し、この分光分布からXYZ値を測定する。この測定で得られたXYZ値も、それぞれ、システム制御装置150の変換行列取得部152に送信される。
変換行列取得部152は、こられRGB値とXYZ値とを用いて、RGB−XYZ変換行列の各行列要素を算出する。
周知のように、RGB値をXYZ値に変換するためには、下式(1)で示すような行列式を用いる。
すなわち、RGB値を示す1行3列の行列と3行3列のRGB−XYZ変換行列とを掛け合わせることによって、1行3列のXYZ値を得ることができる。RGB−XYZ変換行列の各行列要素M11−M33の値としては、例えば、CIE(国際照明委員会)で規定したものが知られている。
ここで、色フィルタ413R,413G,413Bや、二次元光センサ414R,414G,414Bの分光特性には、部品間のバラツキがある。このため、同一の被写体を撮像した場合であっても、画像データのXYZ値がカメラ410毎に異なることになる。
これに対して、この実施の形態1では、変換行列取得部152が、RGB値の測定結果とXYZ値の測定結果とを用いて、RGB−XYZ変換行列を演算する。そして、色調検査装置400でRGB−XYZ変換を行う際に、CIE等で規定されたRGB−XYZ変換行列を用いるのでは無く、この変換行列取得部152で算出したRGB−XYZ変換行列を用いる。このため、この実施の形態1によれば、RGB値からXYZ値へ変換する演算を行うことで、分光特性のバラツキを補正できる。
この実施の形態1では、変換行列取得部152は、まず、RGB値及びXYZ値の測定値を用いて、RGB−XYZ変換行列の各行列要素を、波長L1−L12の各単色均一光について、それぞれ演算する。RGB値及びXYZ値の測定結果からRGB−XYZ変換行列を演算する方法については、一般の行列演算を用いることができるので、説明を省略する。
そして、変換行列取得部152は、最小自乗法を用いて、波長L1−L12の各単色均一光についての、RGB−XYZ変換行列を用いて算出したXYZ値と分光装置130で測定した前記XYZ値との差が各画素について最小になるように、RGB−XYZ変換行列の各行列要素を求める。
なお、このとき、RGB値としては、上述のシェーディング補正係数を用いて補正したものを使用することが望ましい。これにより、変換行列取得部152による補正の精度を高めることができる。
周知のように、RGB値(すなわち二次元光センサで得た画像データ)をXYZ値に変換することで、等色関数(すなわち人間の目に対応する分光感度)に対応した画像データを得ることができる。しかし、等色関数は、図6に示したように、色フィルタの分光特性と、大きく異なる波形を有している。このため、RGB−XYZ変換行列の補正精度を十分に高くするためには、RGB値及びXYZ値の測定に、波長幅が十分に狭い単色均一光を使用することが望まれる。この実施の形態では、電源112,112に、5nm間隔のピーク波長L1−L12を有する12個のLEDを用いたので(図3参照)、この補正精度を十分に高くすることができる。
次に、この実施の形態1に係る色調検査装置400(図4参照)の動作について説明する。
カメラ410のレンズ系411が、照明器具用光源等の光Pを入力すると、この光Pが、プリズム412によって三分岐され、赤色フィルタ413R、緑色フィルタ413G及び青色フィルタ413Bを介して、二次元光センサ414R,414G,414Bに受光される。
そして、これら二次元光センサ414R,414G,414Bの各画素から出力されたアナログ信号が、増幅器415R,415G,415Bで増幅されて、アナログ/デジタル変換器416R,416G,416Bでデジタル信号に変換されることで、デジタル値の画像データR0,G0,B0が生成される。
シェーディング校正処理部420は、この画像データR0,G0,B0を入力すると、各画素のRGB値に、上述のシェーディング補正係数を乗算する。これにより、、画像データR0,G0,B0の、レンズ系411の収差等に起因する光量バラツキを補正することができる。
次に、三刺激値校正処理部430が、シェーディング校正された画像データR1,G1,B1を入力し、上述のRGB−XYZ変換行列を用いた演算により、XYZ値に変換する。上述のように、この実施の形態1によれば、このRGB−XYZ変換演算により、色フィルタ413R,413G,413Bや二次元光センサ414R,414G,414Bの特性バラツキが補正される。
このXYZ値は、画像データ保存部440に一時保存される。そして、色情報演算部450が、このXYZ値を画像データ保存部440から読み出して、上述のような色情報を画素毎に生成する。これらの色情報は、検査対象(照明器具用光源等)の評価に使用される。
以上説明したように、この実施の形態1の色調校正装置100によれば、補正係数取得部151を用いて、混色均一光の受光光量のバラツキを補正するシェーディング補正係数を取得するので、レンズ系の収差等を簡単且つ正確に補正できるシェーディング補正係数を得ることができる。
また、この実施の形態1の色調校正装置100によれば、変換行列取得部152を用いて、複数種類の単色均一光のRGB値とXYZ値を測定し、これらの測定結果からRGB−XYZ変換行列を算出するので、RGB値からXYZ値への変換と同時に色フィルタや二次元光センサの特性バラツキを補正できるようなRGB−XYZ変換行列を取得することができる。したがって、この実施の形態1によれば、カメラ410は、色フィルタフィルタ413R,413G,413Bや二次元光センサ414R,414G,414Bの特性バラツキを補正することのみを目的とした演算を行うこと無しに、これらバラツキの補正を行うことができる。
更には、この実施の形態1の色調校正装置100において、RGB値の測定結果として、上述のシェーディング補正係数を用いて補正したものを使用することにより、正確な補正が可能になる。
また、この実施の形態1の色調校正装置100によれば、ピーク波長が互いに異なる複数のLED光源を設けたので、フィルタ等を用いること無しに、1台の均一光生成部110によって、所望の混色均一光や単色均一光を択一的に生成することが可能となり、従って、正確な補正やRGB−XYZ変換を行うことが可能なRGB−XYZ変換行列を取得できる。
また、この実施の形態1の色調校正装置100によれば、全ての波長にわたって正確な補正やRGB−XYZ変換を行うことが可能なRGB−XYZ変換行列を取得できる。
また、この実施の形態1に係る撮像装置によれば、簡単な処理で高精度の補正を行うことができる。
また、この実施の形態1に係る色調検査装置400によれば、信頼性の高い検査を行うことができる。
100 色調校正装置
110 均一光生成部
111 積分球
111a 光出力口
112 光源
113 光ファイバープローブ
114 遮光プレート
115 フィルタ
120 光源点灯電源
130 分光装置
140 可動機構
141 可動ステージ
142 可動台
143 可動制御部
150 システム制御装置
151 補正係数取得部
152 変換行列取得部
400 色調検査装置
410 カメラ
411 レンズ系
412 プリズム
413R 赤色フィルタ
413G 緑色フィルタ
413B 青色フィルタ
414R,414G,414R 二次元光センサ
415R,415G,415R 電流増幅器
416R,416G,416R アナログ/デジタル変換器
420 シェーディング校正処理部
430 三刺激値校正処理部
440 画像データ保存部
450 色情報演算部
451 光原色演算部
452 測光量演算部

Claims (5)

  1. レンズ系及び色フィルタを介して入射した光を二次元光センサに撮像させて得たRGB値をXYZ値に変換する撮像装置の校正情報を取得する色調校正装置であって、
    光源からの出力光を均一化する積分球を用いて、混色均一光又は単色均一光を択一的に生成する均一光生成部と、
    前記混色均一光の受光光量を前記二次元光センサの各画素で測定して、中央付近の所定の画素領域の該受光光量を他の画素領域の該受光光量と比較することにより、該画素領域毎のシェーディング補正係数を算出する補正係数取得部と、
    波長が異なる複数種類の前記単色均一光のそれぞれについて、前記二次元光センサを用いてRGB値を取得すると共に、それぞれの該単色均一光の受光光量を分光装置で測定することでXYZ値を取得し、該RGB値と該XYZ値とを比較することにより、前記画素領域毎の分光感度特性バラツキを補正するRGB−XYZ変換行列を算出する変換行列取得部と、
    を備えることを特徴とする色調校正装置。
  2. 前記均一光生成部は、前記光源として、ピーク波長が互いに異なる複数のLEDを備え、
    複数種類の該LEDを同時に点灯させることで前記混色均一光を生成し、且つ、何れか一種類の該LEDを点灯させることで前記単色均一光を生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の色調校正装置。
  3. 前記変換行列取得部は、前記RGB−XYZ変換行列を用いて算出した前記XYZ値と前記分光装置で測定した前記XYZ値との差を、全ての前記画素領域の全ての前記単色均一光について演算したときに、これら差の合計が最小になるように、該RGB−XYZ変換行列の各行列要素を求めることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の色調校正装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の色調校正装置を用いて取得された前記シェーディング補正係数と前記RGB−XYZ変換行列とを用いて校正処理を行う撮像装置であって、
    前記二次元光センサから出力された画素信号を、該シェーディング補正係数を用いて補正する、シェーディング校正処理部と、
    該補正係数取得部から出力された画素信号を、前記RGB−XYZ変換行列を用いてXYZ値に変換する三刺激値校正処理部と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  5. 請求項4の撮像装置を用いて照明光源の色調検査を行うことを特徴とする色調検査装置。
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