JP2015160366A - 繊維板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノンホルムアルデヒド系接着剤を使用して、加工性および安全性に優れた繊維板を量産できる方法を提供する。
【解決手段】木質繊維に接着剤を添加する工程、前記接着剤が添加された木質繊維をマットに成形する工程、および、前記マットを熱圧する工程を含む繊維板の製造方法であって、前記接着剤が、(a)多価カルボン酸、(b)単糖およびオリゴ糖からなる群より選択される糖、および、(c)縮合型タンニンを含む液状組成物であって、成分(a)1重量部に対して、成分(b)および成分(c)をそれぞれ2〜4重量部含むことを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】木質繊維に接着剤を添加する工程、前記接着剤が添加された木質繊維をマットに成形する工程、および、前記マットを熱圧する工程を含む繊維板の製造方法であって、前記接着剤が、(a)多価カルボン酸、(b)単糖およびオリゴ糖からなる群より選択される糖、および、(c)縮合型タンニンを含む液状組成物であって、成分(a)1重量部に対して、成分(b)および成分(c)をそれぞれ2〜4重量部含むことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、繊維板(ファイバーボード)に関し、より詳しくは天然系接着剤を用いて木質繊維板(特に、密度0.35g/cm3以上の木質繊維板)を製造する方法および当該方法によって製造された木質繊維板に関する。
木質繊維板(以下、単に繊維板と称する)はその密度により、密度0.35g/cm3未満のインシュレーションボード、密度0.35g/cm3以上のMDF(medium density fiberboard:中密度繊維板)、密度0.8g/cm3以上のハードボードに分類される。特にMDFは、品質安定性および加工性に優れており、近年ますます需要が高まっている。
繊維板の製造方法は乾式法と湿式法に分けられ、MDFは乾式法で製造される。また、ハードボードの一部も乾式法で製造される。
乾式法により繊維板を製造する一般的な方法を説明すると、木質チップを高温高圧蒸気で蒸煮し、解繊して繊維化した後、接着剤溶液を添加し、マットに成形(フォーミング)した後で、熱圧を行い、調湿し、仕上を行う方法が挙げられる。
乾式法により繊維板を製造する一般的な方法を説明すると、木質チップを高温高圧蒸気で蒸煮し、解繊して繊維化した後、接着剤溶液を添加し、マットに成形(フォーミング)した後で、熱圧を行い、調湿し、仕上を行う方法が挙げられる。
上述した製造工程において使用される接着剤溶液の多くは、ユリア樹脂(尿素/ホルムアルデヒド樹脂)、メラミン樹脂(メラミン/ホルムアルデヒド樹脂)、フェノール樹脂(フェノール類/ホルムアルデヒド樹脂)等のホルムアルデヒド系接着剤である。これらの接着剤を使用して繊維板を製造すると、繊維板に未反応のホルムアルデヒドがわずかに残留するため、繊維板からホルムアルデヒドが放出されるという問題がある。ホルムアルデヒドはシックハウスの原因となるため、低ホルムアルデヒド系接着剤やノンホルムアルデヒド系接着剤の開発が望まれている。
他方、ホルムアルデヒドを含まない接着剤として、イソシアネート系接着剤が注目されているが、石油を原料とする合成接着剤であるため、資源枯渇の問題がある。
他方、ホルムアルデヒドを含まない接着剤として、イソシアネート系接着剤が注目されているが、石油を原料とする合成接着剤であるため、資源枯渇の問題がある。
ホルムアルデヒドを含まない天然系接着剤を使用して木質ボードを製造する方法として、特許文献1に、クエン酸を含む溶液あるいは、クエン酸とスクロースを含む溶液を接着剤の代わりに使用して、パーティクルボードを製造する方法が開示されている(実施例12)。また、特許文献2には、ワットルタンニンとスクロースを含む溶液あるいは、ワットルタンニンとスクロースとクエン酸とを重量比1:6:1で含む溶液を接着剤の代わりに使用して、パーティクルボードを製造する方法が開示されている(実施例11)。
しかしながら、特許文献1の方法では、クエン酸の添加割合が高いため、製造された木質ボードのpH値が低くなる傾向がある。そのため、木質ボードの酸性化に起因する問題(木質ボードに打ち込んだ釘が錆びやすい等)が生じる可能性が有る。また、特許文献1および特許文献2は、ラボレベルでパーティクルボードを製造するのに適した条件を開示しているものの、工場において所望の物性(特に曲げ強さ25N/mm2以上)を有する繊維板を量産するのに適した製造条件については開示していない。
従って本発明は、ホルムアルデヒドを含まず、且つ天然由来物を利用する接着剤を使用して製造された曲げ強度の高い繊維板を提供すること、並びに、前記繊維板の量産に適した製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために検討を繰り返した結果、多価カルボン酸、単糖およびオリゴ糖からなる群より選択される糖、縮合型タンニンを、所定の重量比で含む混合溶液を接着剤として使用することにより、曲げ強度の高い繊維板を量産することに成功し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る製造方法は、木質繊維に接着剤を添加する工程、前記接着剤が添加された木質繊維をマットに成形する工程、および、前記マットを熱圧する工程を含む繊維板の製造方法であって、
前記接着剤が、(a)多価カルボン酸、(b)単糖およびオリゴ糖からなる群より選択される糖、および、(c)縮合型タンニンを含む液状組成物であって、成分(a)1重量部に対して、成分(b)および成分(c)をそれぞれ2〜4重量部含むことを特徴とする。
前記接着剤が、(a)多価カルボン酸、(b)単糖およびオリゴ糖からなる群より選択される糖、および、(c)縮合型タンニンを含む液状組成物であって、成分(a)1重量部に対して、成分(b)および成分(c)をそれぞれ2〜4重量部含むことを特徴とする。
本発明に係る接着剤は、糖(b)および縮合型タンニン(c)を、多価カルボン酸(a)より多量に含むため、製造された繊維板のpH値が低くなりすぎない。そのため、繊維板の酸性化に起因する問題が生じにくい。また、多価カルボン酸(a)に対し、上述の割合で糖(b)と縮合型タンニン(c)を含むことにより、曲げ強度に優れた繊維板を製造することができる。
本発明に係る方法は、特にMDFの製造に適している。
本発明に係る接着剤は、成分(a)1重量部に対し、成分(b)および成分(c)を合計で5〜7重量部含むことがより好ましい。
また、前記接着剤添加工程において、前記木質繊維の乾燥重量100部に対し、成分(a)〜(c)の合計重量(固形分重量)が10〜35部となる量で、前記接着剤を添加することが好ましい。
また、本発明に係る方法は、前記マットの含水率が6〜15重量%となるように乾燥する工程を含むことが好ましい。
また、本発明に係る方法では、前記接着剤が、成分(a)〜(c)を合計で30〜60重量%含む水溶液であり、前記接着剤を50℃以上に加温して前記木質繊維に添加することが好ましい。
また、本発明に係る接着剤において、特に、成分(a)が、クエン酸、イタコン酸、リンゴ酸、マレイン酸、およびそれらの無水物からなる群より選択され、成分(b)が、スクロース、グルコース、フルクトース、マルトース、キシロースおよびラクトースからなる群より選択され、成分(c)がワットルタンニンであることが好ましい。
本発明に係る製造方法では、前記熱圧工程において、プレス温度180〜250℃、プレス圧力20〜70kgf/cm2で熱圧することが好ましい。
また、前記熱圧工程により得られた繊維板を冷ました後、180〜250℃の温度にて再加熱してもよい。
上記本発明に係る方法によって製造された繊維板は、曲げ強度が高く、安全性が高い。
本発明にかかる製造方法によれば、ホルムアルデヒドを含まず、且つ天然由来物を利用する接着剤を使用して、曲げ強度の高い繊維板を商業生産ラインで量産することができる。また、本発明にかかる方法によって製造された繊維板は、曲げ強度が高いため加工性に優れており、ホルムアルデヒドを使用していないため、健康への安全・安心が期待できる。また、吸水厚さ膨張率も実用的範囲に抑えられ、pHの低さも緩和される。
本発明の製造方法で使用される接着剤は、前記3成分(a)〜(c)により十分に硬化するため、前記3成分以外の物質、特に石油に由来する物質やホルムアルデヒド系接着剤をさらに使用する必要がない。石油に由来する接着剤の代表的な例として、イソシアネート系接着剤が挙げられ、ホルムアルデヒドを含む接着剤の例として、ホルムアルデヒドとアミノ基含有化合物の重縮合またはホルムアルデヒドとフェノール類の重縮合によって作られる接着剤(尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等)が挙げられるが、本発明ではこれらを使用しなくても、十分に木質繊維を接着することができる。また、本発明の接着剤は、イソシアネート基含有化合物、ホルムアルデヒドの他、シランやシリコーン等のケイ素含有化合物、塩化アルミニウム、アンモニウム塩(多価カルボン酸のアンモニウム塩等)、アミン化合物、多糖類(デンプン等)、穀物粉末(小麦粉等)、液化剤、アンモニアおよび水酸化アンモニウム等の添加剤を使用しなくても、曲げ強度の高い繊維板を製造することができる。
また、本発明の接着剤は、多価カルボン酸、単糖・オリゴ糖、縮合型タンニンを水や温水に添加混合するだけで製造でき、重合処理等を行わなくても接着力を発揮する。
また、本発明の接着剤を使用して木質繊維を接着し、繊維板を製造する場合、木質繊維を液化する工程等は不要であり、木質繊維と接着剤を接触させ、必要に応じて混合、乾燥処理を行った後、マットに成形し、熱圧するだけで、曲げ強度に優れた繊維板を製造することができる。
また、本発明の接着剤は、多価カルボン酸、単糖・オリゴ糖、縮合型タンニンを水や温水に添加混合するだけで製造でき、重合処理等を行わなくても接着力を発揮する。
また、本発明の接着剤を使用して木質繊維を接着し、繊維板を製造する場合、木質繊維を液化する工程等は不要であり、木質繊維と接着剤を接触させ、必要に応じて混合、乾燥処理を行った後、マットに成形し、熱圧するだけで、曲げ強度に優れた繊維板を製造することができる。
本発明で使用される接着剤は、必須成分として、分子内に複数(特に2〜5個)のカルボキシル基を有する多価カルボン酸(a)を含む。多価カルボン酸は無水物や塩の形態であってもよい。好ましい多価カルボン酸として、ジカルボン酸、トリカルボン酸が挙げられ、例えばクエン酸、イタコン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、シュウ酸、マレイン酸や、これらの無水物あるいは塩が使用できる。より好ましい多価カルボン酸は、クエン酸、イタコン酸、リンゴ酸、マレイン酸、あるいはこれらの無水物であり、特に好ましい多価カルボン酸は、天然物質から得られる多価カルボン酸である、クエン酸、イタコン酸、あるいはこれらの無水物である。本発明で使用される接着剤は、前記多価カルボン酸を一種類のみ含んでも、二種類以上含んでも良い。
本発明で使用される接着剤は、必須成分として単糖およびオリゴ糖からなる群より選択される糖(b)を少なくとも1種含む。単糖としては、例えばグルコース、フルクトース、マンノース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、ラムノース、キシルロース、デオキシリボース、リボース等が挙げられ、オリゴ糖としては、例えばスクロース、マルトース、ラクトース、トレハロース、ツラノース等の二糖類や、ラフィノース等の三糖類が挙げられる。オリゴ糖の中では、二糖類が特に好ましい。本発明の好ましい糖として、スクロース、グルコース、フルクトース、マルトース、キシロースおよびラクトースが挙げられる。特に好ましい糖はスクロースである。本発明で使用される接着剤は、前記糖を一種類のみ含んでも、二種類以上含んでも良い。
本発明で使用される接着剤は、必須成分として縮合型タンニン(c)を含む。縮合型タンニンは、カテコール型タンニンとも呼ばれ、ポリフェノールの一種であるカテキン類が互いに分子間でC−C結合によって結ばれ、大きな分子となったものである。縮合型タンニンの例として、アカシア科樹皮部に多く含まれるワットルタンニン(Wattle Tannin)や、ケブラチョ木質部に多く含まれるケブラチョタンニン(Quebracho Tannin)が挙げられる。本発明において特に好ましい縮合型タンニンは、ワットルタンニンである。
本発明に係る接着剤は、成分(a)1重量部に対して、成分(b)および成分(c)をそれぞれ2〜4重量部含む。成分(b)および(c)の割合が少なすぎると、曲げ強度が低くなる。曲げ強度が低いと、繊維板が硬く、脆くなるため、加工性に劣るという問題がある。また、成分(b)および(c)の割合が少なすぎると、繊維板のpH値が低くなり、接合金物などが錆びやすくなる。他方、成分(b)の割合が高すぎると、曲げ強度が低くなり、成分(c)の割合が高すぎると、耐水性が悪くなる。本発明に係るより好ましい接着剤は、成分(a)1重量部に対して、成分(b)および成分(c)をそれぞれ2.5〜3.5重量部含む接着剤である。
また、成分(a)1重量部に対し、成分(b)および(c)の合計重量が5〜7重量部であることがより好ましく、5.5〜6.5重量部であることが特に好ましい。
また、成分(a)1重量部に対し、成分(b)および(c)の合計重量が5〜7重量部であることがより好ましく、5.5〜6.5重量部であることが特に好ましい。
本発明の接着剤は前記成分(a)〜(c)を含む液状の組成物である。前記液状組成物において、成分(a)〜(c)は溶解していても、分散していてもよい。溶媒に溶けきらない成分がある場合、使用時に撹拌処理等を行い、不溶成分を分散させた状態で使用することができる。液状組成物を噴霧により木質繊維に添加する場合は、スプレーの目詰まりを防ぐため、成分(a)〜(c)が溶解していることが好ましい。
本発明において、特に好ましい接着剤は、成分(a)〜(c)を水に溶解または分散した状態で含む液状組成物である。なお、通常、多価カルボン酸および糖は水への溶解度が高く、また、縮合型タンニンのうちワットルタンニンは水に溶解するため、溶媒として水を使用する場合、縮合型タンニンとしてワットルタンニンを使用すれば、各成分が溶解した接着剤を得ることが可能である。
本発明に係る方法では、通常、木質繊維に接着剤を接触させた後、マット成形前または後に乾燥処理を行い、その後に熱圧処理を行う。したがって、水は乾燥時または熱圧時に気化してしまうので、水の量は接着力に大きな影響を与えない。しかし、水の量が少なすぎると水中に各成分を十分に溶解または分散させることができず、木質繊維に各成分を均一に添加することが難しくなる。他方、水の量が多すぎると、乾燥時または熱圧時にエネルギーやコストがより多くかかる。したがって、水溶液または水分散液中に含まれる成分(a)〜(c)の合計重量は、水溶液または水分散液の全重量の30〜60重量%(特に、45〜55重量%)の範囲であることが好ましい。
本発明において特に好ましい接着剤は、成分(a)〜(c)を合計で30〜60重量%(より好ましくは、45〜55重量%)含む水溶液である。また、前記接着剤は、あらかじめ50℃以上(より好ましくは55℃以上、特に好ましくは57〜65℃程度)に加温しておくと、粘度が低下するため、商業生産スケールで製造する場合でも、木質繊維に添加しやすくなる。
本発明において特に好ましい接着剤は、成分(a)〜(c)を合計で30〜60重量%(より好ましくは、45〜55重量%)含む水溶液である。また、前記接着剤は、あらかじめ50℃以上(より好ましくは55℃以上、特に好ましくは57〜65℃程度)に加温しておくと、粘度が低下するため、商業生産スケールで製造する場合でも、木質繊維に添加しやすくなる。
本発明において、特に好ましい接着剤は、前記成分(a)〜(c)と水のみを含む。接着剤がその他の物質を含む場合、その他の物質の含有率は、接着剤の全重量(溶媒を含めた重量)または接着剤の固形分重量(溶媒を除いた重量)の15重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましく、5重量%以下であることが特に好ましい。
本発明の繊維板の原料となる木質繊維としては、従来の繊維板に使用されている木質繊維を使用することができ、針葉樹(例えば、スギ、ヒノキ、ヒバ、カラマツ、エゾマツ、トドマツ、アカマツ、クロマツ、ベイマツ、ラジアタパイン、スプルース、ベイツガ、レッドシーダーなど)、広葉樹(例えば、メランティ、カプール、クルイン、ユーカリ、アカシア、グメリナ、ファルカタ、ポプラ、ブナ、クリ、ケヤキ、ナラ、カシなど)や、草本植物(例えば、竹、ケナフ、サトウキビバガス、麦わら、亜麻、EFB(アブラヤシ空果房)等)に由来する繊維を使用することができる。
本発明に係る接着剤を、木質繊維に添加する場合、木質繊維の乾燥重量100部に対し、成分(a)〜(c)の合計重量(固形分重量)が10〜35部(より好ましくは15〜30部、特に好ましくは15〜25部)となるように、接着剤を添加することが好ましい。
本発明に係る繊維板の製造は、従来の石油系接着剤を使用する方法と同様の工程で行うことができる。図1に、好ましい製造方法の一例をフローチャートで示す。図1の製造方法を具体的に説明すると、まず、木材チップを水蒸気で蒸煮し、解繊して木質繊維とした後、本発明の接着剤を噴霧により添加して、木質繊維と接着剤を接触させる。接着剤はあらかじめ50℃以上に加温しておくことが好ましい。その後、接着剤が添加された木質繊維を乾燥し、必要に応じてブレンダーで混合しながら、必要に応じてさらに接着剤溶液を添加し、必要に応じてさらに乾燥する。その後、マット成形機により木質マットにフォーミングし、熱プレスを行う。なお、木質繊維への接着剤の噴霧と、ドライヤーによる乾燥は同時に行われてもよい。マット成形前の乾燥は、木質マットの含水率が6〜15%(より好ましくは7〜11%、特に好ましくは8〜10%)となるように行うことが好ましい。なお、木質マットの含水率は、木質マットの重量から接着剤の固形分重量と木質繊維乾燥重量を差し引くことにより水分重量を求め、「水分重量÷木質繊維乾燥重量×100」の式により計算できる。また、熱プレスにより製造した繊維板を室温まで冷ました後、再度加熱(2次加熱)を行ってもよい。前記2次加熱は、熱プレスした繊維板が室温まで冷めた後すぐ行ってもよく、あるいは、熱プレス後、1日〜数か月程度(例えば3日以上、特に1週間〜6ヶ月程度)経過してから行ってもよい。
熱プレス後または2次加熱後は、従来法通り、調湿・養生、仕上げ(サンダー、カット等)の処理を行えばよい。
熱プレス後または2次加熱後は、従来法通り、調湿・養生、仕上げ(サンダー、カット等)の処理を行えばよい。
繊維板の製造では、一般に熱板(熱盤)を用いた上下プレスによる熱圧が行われる。プレス機の設定圧力は、木質繊維と接着剤を含む木質マットが十分に圧縮される圧力以上とすればよい。具体的には、従来法による繊維板の製造圧力と同程度の圧力、例えば、約20〜70kgf/cm2[約2MPa〜7MPa]程度でよく、従来法と同様、成形するボードの厚みや目標密度等によって適宜調節すればよい。
本発明の熱圧工程における温度は、180〜250℃が好ましい。180℃未満の温度では、硬化に時間がかかる。一般に、温度が高いほど、より短い時間で十分に硬化するため、190℃以上がより好ましく、195℃以上が特に好ましい。他方、コスト抑制および炭化防止には、熱圧温度は低いほうが好ましいため、250℃以下が好ましく、220℃以下がより好ましく、210℃以下が特に好ましい。
また、上記熱圧工程により得られた繊維板を再加熱(2次加熱)する場合の温度も、上記と同様、180〜250℃が好ましく、190〜220℃がより好ましく、195〜210℃が特に好ましい。2次加熱の方法として、繊維板を乾燥器に入れて加熱する方法や、2枚の熱盤の間に繊維板を挟んで加熱する(圧力はかけない)方法が挙げられる。
本発明の熱圧工程における加圧時間は、木質繊維の量、接着剤の量、希望する繊維板の強度、熱圧時の温度・圧力等によって適切な時間が異なるため、これらを考慮し適宜調節すればよい。一般に、加圧時間を長くすることによって、より強度の高い製品が得られるが、加圧時間の増加による製品強度の増加には上限があるため、長すぎる加圧時間は製造コスト等の点から望ましくない。一般に加圧時間は、繊維板の厚みに応じて、10秒〜90秒/mm、より好ましくは20〜60秒/mmとすることが適切である。
例えば、汎用される厚みの繊維板(厚み2.7mm〜24mm)を製造する場合、熱圧時間は30秒〜25分とすることができる。
例えば、汎用される厚みの繊維板(厚み2.7mm〜24mm)を製造する場合、熱圧時間は30秒〜25分とすることができる。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例では、多価カルボン酸としてクエン酸(無水クエン酸)を使用し、縮合型タンニンとしてワットルタンニンを使用し、糖としてスクロースを使用した。
[実施例1]
木質繊維として、南洋材チップを加圧式リファイナーで解繊したものを用いた。接着剤として、多価カルボン酸(無水クエン酸)粉末、縮合型タンニン(ワットルタンニン)粉末、糖(スクロース)粉末を表1に示す割合で秤量し、これら3成分の合計重量と同じ重量の水を加えて混合し、濃度50重量%の水溶液を調製した。前記木質繊維の乾燥重量100部に対して、前記接着剤を、接着剤の固形分重量(すなわち、多価カルボン酸、縮合型タンニン、糖の合計重量)が20部となるように噴霧塗布(ブレンダー内で噴霧塗布)した。また、噴霧塗布と同時にドライヤー(熱気流式ドライヤー)による乾燥も行い、木質繊維の含水率を10%程度まで乾燥させた。この接着剤が付着した木質繊維を、マット成型機を用いて35cm×35cmのマットとし、プリプレスによって空気をある程度抜いた後、プレス機に投入し、厚さ10.4mmのディスタンスバーを用い、熱圧温度200℃、圧力30kgf/cm2で300秒間熱圧した。繊維板の設定密度は0.8g/cm3とした。得られた繊維板の表面をサンディングし、9mm厚の繊維板を得た。
木質繊維として、南洋材チップを加圧式リファイナーで解繊したものを用いた。接着剤として、多価カルボン酸(無水クエン酸)粉末、縮合型タンニン(ワットルタンニン)粉末、糖(スクロース)粉末を表1に示す割合で秤量し、これら3成分の合計重量と同じ重量の水を加えて混合し、濃度50重量%の水溶液を調製した。前記木質繊維の乾燥重量100部に対して、前記接着剤を、接着剤の固形分重量(すなわち、多価カルボン酸、縮合型タンニン、糖の合計重量)が20部となるように噴霧塗布(ブレンダー内で噴霧塗布)した。また、噴霧塗布と同時にドライヤー(熱気流式ドライヤー)による乾燥も行い、木質繊維の含水率を10%程度まで乾燥させた。この接着剤が付着した木質繊維を、マット成型機を用いて35cm×35cmのマットとし、プリプレスによって空気をある程度抜いた後、プレス機に投入し、厚さ10.4mmのディスタンスバーを用い、熱圧温度200℃、圧力30kgf/cm2で300秒間熱圧した。繊維板の設定密度は0.8g/cm3とした。得られた繊維板の表面をサンディングし、9mm厚の繊維板を得た。
このようにして製造した繊維板について、JIS A 5905に基づいて、曲げ強さ試験、はく離強さ試験、吸水厚さ膨張率試験を行い、曲げ強さ、剥離強さ、吸水厚さ膨張率を求めた。また、5cm×5cmにカットした繊維板を200gの精製水に48時間浸漬し、その抽出液をpHメータにて測定した(以下、当該方法で測定したpH値を繊維板のpHと称する)。結果を表1に示す。
これに対し試験番号2〜4の接着剤を用いた場合、製造された繊維板のpH値は3.5を上回り、酸性化の程度が緩和された。また、試験番号2〜4の接着剤を用いて製造した繊維板は、曲げ強度が35N/mm2を上回り、曲げ強度の点でも非常に優れていた。
この実験から、多価カルボン酸1重量部に対し、縮合型タンニンを2〜4重量部、糖を2〜4重量部含む接着剤組成物を用いることにより、曲げ強度が高く、酸性化の程度が低い繊維板を製造できることが分かった。各成分が、前記範囲から外れる場合は、曲げ強度が低下する傾向が見られた。また、縮合型タンニンを多価カルボン酸1重量部に対し、4重量部を超える量で使用した場合、耐水性が悪化する(吸水厚さ膨張率が高くなる)傾向が見られた。
[比較例1]
多価カルボン酸(無水クエン酸)、糖(スクロース)、リン酸二水素ナトリウムの混合水溶液、および前記混合溶液をあらかじめ加熱することにより反応させてプレポリマー化したものを、接着剤として使用して繊維板を製造した。製造方法は実施例1と同じである。結果を表2に示す。表2から明らかなように、多価カルボン酸と糖をリン酸二水素ナトリウムと併用しても所望の曲げ強度(25N/mm2以上)は得られなかった。
多価カルボン酸(無水クエン酸)、糖(スクロース)、リン酸二水素ナトリウムの混合水溶液、および前記混合溶液をあらかじめ加熱することにより反応させてプレポリマー化したものを、接着剤として使用して繊維板を製造した。製造方法は実施例1と同じである。結果を表2に示す。表2から明らかなように、多価カルボン酸と糖をリン酸二水素ナトリウムと併用しても所望の曲げ強度(25N/mm2以上)は得られなかった。
[比較例2]
多価カルボン酸(無水クエン酸)のみあるいは、多価カルボン酸と縮合型タンニン(ワットルタンニン)を水と混合し、この水溶液を接着剤として使用し、プレス時間を300秒から600秒に変更した以外は、実施例1と同じ方法で、繊維板を製造した。結果を表3に示す。表3から明らかなように、プレス時間600秒の場合、多価カルボン酸と縮合型タンニンを1:3の割合で含む接着剤(試験番号13)を使用して製造した繊維板の曲げ強度は25N/mm2に達した。しかしながら、プレス時間300秒の場合は、曲げ強度は25N/mm2未満となった。また、縮合型タンニンの配合比を増やすことにより、曲げ強度は向上するものの、剥離強さが低くなり、耐水性が悪化する(吸水厚さ膨張率が高くなる)といった問題が観察された。
多価カルボン酸(無水クエン酸)のみあるいは、多価カルボン酸と縮合型タンニン(ワットルタンニン)を水と混合し、この水溶液を接着剤として使用し、プレス時間を300秒から600秒に変更した以外は、実施例1と同じ方法で、繊維板を製造した。結果を表3に示す。表3から明らかなように、プレス時間600秒の場合、多価カルボン酸と縮合型タンニンを1:3の割合で含む接着剤(試験番号13)を使用して製造した繊維板の曲げ強度は25N/mm2に達した。しかしながら、プレス時間300秒の場合は、曲げ強度は25N/mm2未満となった。また、縮合型タンニンの配合比を増やすことにより、曲げ強度は向上するものの、剥離強さが低くなり、耐水性が悪化する(吸水厚さ膨張率が高くなる)といった問題が観察された。
[実施例2]
本発明に係る接着剤を商業生産ラインで製造した場合にも、所望の曲げ強度を有する繊維板が製造できるかどうかを確認するために、以下の方法により、約3.7トンの繊維板を生産した。
南洋材チップを加圧式リファイナーで解繊した後、リファイナーから出た繊維に、乾燥させる直前のブローラインにて、接着剤を噴霧塗布した。接着剤を塗布された木質繊維はそのまま連続してフラッシュドライヤーによる乾燥工程、マット成形工程、多段プレスによる熱圧工程にかけられた。マット含水率が9重量%程度になるように前記乾燥工程を設定し、多段プレスでの熱圧は、熱盤温度195℃、設定圧力30kgf/cm2(厚さ10.4mmのディスタンスバーを使用)、熱プレスの時間300秒、デガス(繊維板を熱盤の間に挟んだまま加圧を止めてガス抜きする)時間60秒で行った。調湿工程で含水率を調整した後、サンディング工程を経て、126×408cm、厚み9mmのボードを得た。繊維板の設定密度は0.8g/cm3とした。
前記接着剤としては、試験番号3と同様、多価カルボン酸(無水クエン酸)、縮合型タンニン(ワットルタンニン)、糖(スクロース)を1:3:3の重量比で含む50重量%水溶液を使用し、木質繊維の乾燥重量100部に対し、水溶液の固形分重量(多価カルボン酸、縮合型タンニン、糖の合計重量)が20部となるよう、接着剤を添加した。
本発明に係る接着剤を商業生産ラインで製造した場合にも、所望の曲げ強度を有する繊維板が製造できるかどうかを確認するために、以下の方法により、約3.7トンの繊維板を生産した。
南洋材チップを加圧式リファイナーで解繊した後、リファイナーから出た繊維に、乾燥させる直前のブローラインにて、接着剤を噴霧塗布した。接着剤を塗布された木質繊維はそのまま連続してフラッシュドライヤーによる乾燥工程、マット成形工程、多段プレスによる熱圧工程にかけられた。マット含水率が9重量%程度になるように前記乾燥工程を設定し、多段プレスでの熱圧は、熱盤温度195℃、設定圧力30kgf/cm2(厚さ10.4mmのディスタンスバーを使用)、熱プレスの時間300秒、デガス(繊維板を熱盤の間に挟んだまま加圧を止めてガス抜きする)時間60秒で行った。調湿工程で含水率を調整した後、サンディング工程を経て、126×408cm、厚み9mmのボードを得た。繊維板の設定密度は0.8g/cm3とした。
前記接着剤としては、試験番号3と同様、多価カルボン酸(無水クエン酸)、縮合型タンニン(ワットルタンニン)、糖(スクロース)を1:3:3の重量比で含む50重量%水溶液を使用し、木質繊維の乾燥重量100部に対し、水溶液の固形分重量(多価カルボン酸、縮合型タンニン、糖の合計重量)が20部となるよう、接着剤を添加した。
なお、接着剤の濃度が薄いと、木質繊維の乾燥に時間とコストがより多くかかるため、本実施例では、50重量%の水溶液を用いたが、常温のままでは接着剤の粘度が高く塗布しにくかった。前記接着剤の温度と粘度の関係を調べたところ、加温するほど粘度が下がり、50℃以上では粘度が約20cps以下(B型粘度計を用い、各測定温度にて、回転数60rpmで30秒間測定した際の粘度)となり、25℃の粘度(約40〜50cps)の半分以下となった。特に60℃程度に加温すると、粘度が約15cps以下となり、塗布しやすかった。
そのため、本実施例では、接着剤溶液はあらかじめ60℃程度まで加温して粘度を落としてから、木質繊維に噴霧した。
そのため、本実施例では、接着剤溶液はあらかじめ60℃程度まで加温して粘度を落としてから、木質繊維に噴霧した。
また、上述のように、本実施例ではマット含水率が約9%になるように乾燥を行った。本発明の接着剤溶液を使用する場合は、マット含水率が6〜15%(より好ましくは7〜11%、特に好ましくは8〜10%)となるように乾燥することが好ましかった。含水率が6%未満の場合、マットに割れが生じやすくなり、含水率が15%を超えると、マットを乗せたワイヤーにマットが付着しやすくなるため、マットがスムーズに流れなくなり、マスプロ化された生産工程では、良品を製造することが困難であった。
上述のようにして製造した繊維板の物性を測定した。結果を表4に示す。表4に示す物性は、JIS A 5905に準拠して測定した。表4の上段に示す試作品が、本発明の実施品であり、下段に示す25Mタイプの値は、JISに記載されている参考値である。また、繊維板のpH値を調べるため、200gの精製水に5cm×5cmにカットした繊維板を48時間浸漬し、その抽出液をpHメータで測定したところ、3.56であった。
表4に示すように、商業生産ラインで繊維板を大量生産(量産試作)した場合でも、製造された繊維板は、含水率が参考値(規格値)より低く、吸水厚さ膨張率が参考値(規格値)を若干上回った以外は、JIS A 5905の25Mタイプに要求される基準を満たした。このことから、本発明によれば、マスプロ化した製造工程で繊維板を製造した場合でも、十分な曲げ強度を有し、加工性に優れ、ホルムアルデヒドをほとんど放散しない繊維板を製造できることが分かった。
[実施例3]
商業生産ラインで製造した繊維板を、再加熱(2次加熱)することにより、繊維板の物性の向上を試みた。
具体的には、実施例2と同様の方法で繊維板を製造した後、室温で数か月放置し、40cm角にカットして試験片を作成し、200℃に熱した2枚の熱盤の間に前記試験片を配置することにより所定の時間加熱した(試験片の上面と下面を熱盤と接触させて加熱しただけで、加圧は行わなかった)。2次加熱した繊維板の含水率を6%程度に上昇させた後、曲げ強さ等を測定した。2次加熱を行わなかった繊維板(2次加熱時間0分)についても、含水率を6%程度に調整した後、測定を行った。
結果を表5に示す。
商業生産ラインで製造した繊維板を、再加熱(2次加熱)することにより、繊維板の物性の向上を試みた。
具体的には、実施例2と同様の方法で繊維板を製造した後、室温で数か月放置し、40cm角にカットして試験片を作成し、200℃に熱した2枚の熱盤の間に前記試験片を配置することにより所定の時間加熱した(試験片の上面と下面を熱盤と接触させて加熱しただけで、加圧は行わなかった)。2次加熱した繊維板の含水率を6%程度に上昇させた後、曲げ強さ等を測定した。2次加熱を行わなかった繊維板(2次加熱時間0分)についても、含水率を6%程度に調整した後、測定を行った。
結果を表5に示す。
表5に示すように、熱プレス後の繊維板をさらに2次加熱することにより、曲げ強さは2次加熱をしなかった場合(2次加熱時間0)と比べて増加した。しかしながら、2次加熱時間が長くなると、密度が低下する傾向が見られ、また、2次加熱時間を25分とすると、2次加熱時間20分の場合よりも、曲げ強さや剥離強さが低下した。このことから、熱プレスして繊維板を製造した後、再加熱して物性を向上させる場合、再加熱時間は5分〜20分とすることが好ましく、5〜15分がより好ましく、10〜15分が特に好ましいと考えられる。
本発明の製造方法では、熱プレス時間が長いほど繊維板の物性が向上する傾向が見られ、例えば熱プレス時間5分で製造した繊維板と10分で製造した繊維板を比べると、10分で製造した繊維板のほうが、曲げ強度や耐水性が高くなる。しかしながら、商業生産ラインで製造する場合、プレス時間を5分から10分に変更すると、生産ライン全体の速度が下がるため、製造コストが約1.5倍に増加する。本発明では、生産量を優先するために、短い熱プレス時間で一旦繊維板を製造し、その後、必要に応じて再加熱(2次加熱)を行うことにより、さらに物性を向上させることができるため、低コストで物性の高い繊維板を製造することが可能となる。
本発明の製造方法によれば、商業生産ラインで繊維板を製造した場合も、物性に優れた繊維板を製造できるため、大量生産を実現することができ、製造された繊維板は、加工性や安全性に優れるため、実用性が高い。
Claims (10)
- 木質繊維に接着剤を添加する工程、前記接着剤が添加された木質繊維をマットに成形する工程、および、前記マットを熱圧する工程を含む繊維板の製造方法であって、
前記接着剤が、(a)多価カルボン酸、(b)単糖およびオリゴ糖からなる群より選択される糖、および、(c)縮合型タンニンを含む液状組成物であって、成分(a)1重量部に対して、成分(b)および成分(c)をそれぞれ2〜4重量部含むこと、
を特徴とする繊維板の製造方法。 - 前記繊維板が、MDFであることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- 前記接着剤が、成分(a)1重量部に対し、成分(b)および成分(c)を合計で5〜7重量部含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記接着剤添加工程において、前記木質繊維の乾燥重量100部に対し、成分(a)〜(c)の合計重量が10〜35部となる量で前記接着剤を添加することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記マットの含水率が6〜15重量%となるように乾燥する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記接着剤が、成分(a)〜(c)を合計で30〜60重量%含む水溶液であり、前記接着剤を50℃以上に加温して前記木質繊維に添加することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 成分(a)が、クエン酸、イタコン酸、リンゴ酸、マレイン酸、およびそれらの無水物からなる群より選択され、
成分(b)が、スクロース、グルコース、フルクトース、マルトース、キシロースおよびラクトースからなる群より選択され、
成分(c)が、ワットルタンニンであること、
を特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。 - 前記熱圧工程において、プレス温度180〜250℃、プレス圧力20〜70kgf/cm2で熱圧することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記熱圧工程により得られた繊維板を冷ました後、180〜250℃の温度にて再加熱する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法によって製造された繊維板。
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