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JP2014101489A - 接着用組成物及び成形板 - Google Patents

接着用組成物及び成形板 Download PDF

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JP2014101489A
JP2014101489A JP2013127914A JP2013127914A JP2014101489A JP 2014101489 A JP2014101489 A JP 2014101489A JP 2013127914 A JP2013127914 A JP 2013127914A JP 2013127914 A JP2013127914 A JP 2013127914A JP 2014101489 A JP2014101489 A JP 2014101489A
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亮 菅原
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Abstract

【課題】反応が速く、成形時間を短時間化することができ、接着性に優れた接着用組成物及び成形板を提供する。
【解決手段】加熱及び加圧により硬化する接着用組成物に関する。接着用組成物は、糖類及び有機スルホン酸を主成分として含有する。有機スルホン酸は、p−トルエンスルホン酸及び/又はベンゼンスルホン酸が好ましい。成形板は、前記接着用組成物により、植物片が接着されている。糖類と有機スルホン酸との反応により接着性を発揮する。
【選択図】なし

Description

本発明は、接着用組成物及びその接着用組成物を用いて形成した成形板に関する。
木質用の接着剤としては、古来より、バイオマス由来が中心でカゼインや大豆グルー、ニカワ等が知られている。しかしながら、これらは物性等が劣るため、近年、ユリア、メラミン、フェノール等の石油由来熱硬化性樹脂接着剤に置き換わっている。これらの接着剤により、木質もしくは草本植物の繊維、小片、単板などの要素片が接着され、合板、パーティクルボードや繊維板等の木質ボードが製造されている。また、無機繊維、小片などの要素片が接着され無機質ボードが製造されている。
上記の木質用接着剤(ユリア、メラミン、フェノール)は石油由来で、ホルムアルデヒドを硬化剤としている。水性であることが接着剤としての要件となっている。これらの接着剤は、通常、ホルムアルデヒドの添加により硬化する。ホルムアルデヒドを用いない石油由来のイソシアネート系の接着剤も開発されているが、水分との反応や金属との結合等が課題となっており広くは普及していない。石油由来原料は、資源上の問題、環境上の問題があるため、できるだけ使用料を削減することが望まれる。また、ホルムアルデヒドは、放散が問題となるため、使用量は少ない方がよい。
地球温暖化等の環境問題に対する関心が高まるにつれ、プラスチック分野においては、石油由来の材料に代替するものとして、低エミッションかつカーボンニュートラルな植物由来の分解物を重合して得られる樹脂に注目が集まってきている。中でも、植物由来の分解物の一種である乳酸を重合して得られたポリ乳酸は、結晶性を有し、他の植物由来樹脂と比較して物性の高い樹脂の一つであり、大量生産も可能で生産コストも比較的低い。しかし、ポリ乳酸は熱可塑性樹脂であり、汎用の石油由来の熱可塑性樹脂(PE、PP、ABS等)に比較すると、耐熱性と機械的特性が低いために、広く普及するには至っていない。また、ポリ乳酸は石油系の熱硬化性樹脂接着剤を代替できるような物性を有していない。
一方、木材や樹皮等に含まれるポリフェノール類であるタンニンやリグニンは、製材やパルプ利用において廃棄物となるため、これを有効利用しようという試みがなされている。例えば、タンニンやリグニンは化学構造がフェノール樹脂に類似していることから、フェノール樹脂と同様にタンニンやリグニンをホルムアルデヒドと反応させ縮合させて接着剤として用いることが検討されている(特許文献1参照)。しかしながら、タンニンやリグニン等を反応させるには、ホルムアルデヒドの添加が必要である。そのため、ホルムアルデヒドの放散の問題を伴う。また、タンニンやリグニンの反応性は、従来のフェノール樹脂よりも低いため、物性と生産性が劣る上、十分に接着性が発揮されず、上記の技術は広く実用化されていないのが現状である。
こうしたなか、多価カルボン酸のアンモニウム塩等のアミンと糖類等の炭水化物とのメイラード反応物を含む接着剤などが検討されている(特許文献2参照)。また、粉末化や小片化した植物由来物と多価カルボン酸、または粉末化や小片化した植物由来物と多価カルボン酸、糖類を必須成分とした組成物を成形用組成物や木材接着用組成物とすることなどが検討されている(特許文献3参照)。
特許3796604号公報 特表2009−503193号公報 WO2010/001988号公報
上記のように、バイオマス由来原料をできるだけ利用した技術が開発されているが、反応が遅く、成形用組成物として高い物性を得るには成形時間を長くする必要があり、短時間で成形を行うことができず、接着性も十分に発揮されにくかった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、反応が速く、成形時間を短時間化することができ、接着性に優れた接着用組成物及び成形板を提供することを課題としている。
本発明に係る接着用組成物は、加熱及び加圧により硬化する接着用組成物であって、糖類及び有機スルホン酸を主成分として含有することを特徴とする。
前記有機スルホン酸は、p−トルエンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸から選ばれる1種以上であることが好ましい。
前記糖類は、単糖及び二糖から選ばれる1種以上であることが好ましい。
前記二糖は、スクロース、マルトース、及びセロビオースから選ばれる1種以上であることが好ましい。
前記単糖は、グルコース及びフルクトースから選ばれる1種以上であることが好ましい。
前記有機スルホン酸は、前記糖類100質量部に対して、0.1〜75質量部で含有されていることが好ましい。
多価カルボン酸を含有しないことが好ましい一態様である。
さらにカルボン酸を含有し、前記カルボン酸は、前記糖類100質量部に対して、0.1〜600質量部で含有されていることが好ましい一態様である。
前記カルボン酸は、クエン酸及びイタコン酸から選ばれる1種以上であることが好ましい一態様である。
本発明に係る成形板は、上記の接着用組成物により、植物片が接着されたことを特徴とする。
前記植物片の乾燥質量100質量部に対し、前記接着用組成物の固形分量が5〜30質量部の比率であることが好ましい。
本発明によれば、糖類と有機スルホン酸とを用いて加熱及び加圧条件で接着することにより、反応速度を高めることができるため、成形時間を短時間化することができ、接着性に優れた接着用組成物及び成形板を得ることができる。
(a)は製剤例1の写真を示し、(b)は製剤例2の写真を示す。 (a)は製剤例1を加熱処理した後に水に入れた様子を示す写真であり、(b)は製剤例2を加熱処理した後に水に入れた様子を示す写真である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本発明に係る接着用組成物は、加熱及び加圧により硬化する接着用組成物である。この接着用組成物は、糖類及び有機スルホン酸を主成分として含有する。
糖類は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類または多糖類のいずれか1種以上であってよい。単糖としては、例えばグルコース、フルクトース、リボース、アラビノース、ラムノース、キシルロース、デオキシリボース等が挙げられる。二糖としては、例えば、スクロース、マルトース、セロビオース、トレハロース、ツラノース等が挙げられる。オリゴ糖類としては、例えば、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、スタキオース等が挙げられる。オリゴ糖は、例えば、糖鎖が10個以下で連結した糖類であってよい。多糖類としては、例えばデンプン、アガロース、アルギン酸、グルコマンナン、イヌリン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、グリコーゲン、セルロース等が挙げられる。糖類としては、上記の化合物を一種又は複数を組み合わせて用いることができる。糖類としては、単糖及び二糖から選ばれる1種以上を好ましく用いることができる。単糖としては、グルコース及びフルクトースから選ばれる1種以上であることが好ましい。二糖としては、スクロース、マルトース、及びセロビオースから選ばれる1種以上であることが好ましい。さらに、好ましくは、スクロースをより好ましく用いることができる。
有機スルホン酸としては、例えば、アルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸などを用いることができる。有機スルホン酸としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸などが挙げられる。このうち、芳香族スルホン酸が好ましく、さらにベンゼン環を有するスルホン酸が好ましい。この中でも特にp−トルエンスルホン酸は、効果が高く、低分子変性物同士の反応が進行し、高分子化して接着に寄与するため、好適である。また、ベンゼンスルホン酸も、効果が高く、低分子変性物同士の反応が進行し、高分子化して接着に寄与するため、好適である。よって、p−トルエンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。また、有機スルホン酸は、分子量が500以下、好ましくは300以下であってよい。分子量が小さいと触媒効率を高めることができる。特に、p−トルエンスルホン酸が好ましく用いられる。
接着用組成物においては、有機スルホン酸は、糖類100質量部に対して、0.1〜75質量部で含有されていることが好ましい。糖類を100質量部としたときに、有機スルホン酸の含有量が0.1質量部以上であると、反応触媒としての効果が得やすくなる。また、糖類を100質量部としたときに、有機スルホン酸の含有量が75質量部以下であると、糖類の加水分解反応が過度に促進されにくく、高分子化が阻害されることが少なくなる。また、酸が残留しにくくなって成形体の強度を低下させにくくなり、さらに、加圧時にプレス機等との接触時に金属腐食が進行しにくくなる。より好ましくは、糖類を100質量部としたときに、有機スルホン酸の含有量が0.15質量部〜70質量部となるようにする。さらに好ましくは、糖類を100質量部としたときに、有機スルホン酸の含有量が0.2質量部〜60質量部となるようにする。
糖類は、有機スルホン酸の存在により、加水分解され、一時的に低分子化して変性した後、さらに有機スルホン酸が触媒となり、低分子化合物同士の反応が促進され高分子化される。このため、高分子化された化合物が接着に寄与するものである。また、有機スルホン酸は、金属との反応性が無機酸より低いため、成形の際に金属設備等による悪影響を与えにくい。さらに反応系内に有機溶剤やホルムアルデヒドを含まず、また、分解によってホルムアルデヒドが発生する第3級アミン等を含んでいない。そのため、有機溶剤やホルムアルデヒドの放散を抑制しやすくなる。この作用は、糖類と、カルボン酸などの酸との反応によっても生じ得るが、糖類と有機スルホン酸とを併用したときの方が、高分子化の反応性が高いため、作用が大きい。そこで、糖類と有機スルホン酸とを必須成分としている。
糖類はカルボン酸によっても加水分解による低分子化とその後の高分子化の反応が生じ得る。しかしながら、糖類とカルボン酸との反応においては、フルクトース残基を含む糖では反応が速いが、グルコース残基を含む糖は反応が遅い傾向にある。一方、糖類と有機スルホン酸との反応においては、フルクトース残基を含まない糖でも反応が速いことが見出された。フルクトース残基を含まない糖は、例えば、トウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモ、タピオカなどから産出されるデンプンを酵素により糖化して得られる。具体的には、アミラーゼの作用により二糖としてマルトースが得られ、さらにグルコアミラーゼによりグルコースが得られる。グルコースはブドウ糖液糖とも呼ばれる。また、セルロースを糖化することにより、セロビオースが得られる。これらの糖は、そのままではフルクトース残基を含んでおらず、カルボン酸との反応では反応が遅いため、接着剤としては使用しにくい。しかしながら、糖類と有機スルホン酸との反応では、フルクトース残基の有無に関わらず、反応速度を速くすることができる。そのため、糖類の選択の幅を広げることができ、多種多様な糖類を使用することが可能になるので、天然資源を活用した優れた接着用組成物を得ることができる。
接着用組成物では、糖類及び有機スルホン酸が主成分となる。主成分とは、接着用組成物中の成分において、接着性に寄与する成分のことである。主成分とは、好ましくは、接着用組成物の固形分のうち、糖類及び有機スルホン酸の合計量が、50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上を占めることを意味する。
接着用組成物においては、糖類と有機スルホン酸に加えて、さらにカルボン酸を含有していることが好ましい一態様である。カルボン酸を含有することにより、糖類とカルボン酸との反応も共存させることができるので、反応性を高めることができ、接着性を向上することができる。また、カルボン酸を含有すると、硬化物の結合性が高まるため、耐水性を向上することができる。
カルボン酸は、糖類100質量部に対して、0.1〜600質量部で含有されていることが好ましい。糖類を100質量部としたときに、カルボン酸の含有量が0.1質量部以上であると、カルボン酸の効果がより高まる。また、糖類を100質量部としたときに、カルボン酸の含有量が600質量部以下であると、未反応のカルボン酸が残存しにくくなり、硬化性を高めることができる。より好ましくは、糖類を100質量部としたときに、カルボン酸の含有量が0.2質量部〜200質量部となるようにする。さらに好ましくは、糖類を100質量部としたときに、カルボン酸の含有量が0.3質量部〜100質量部となるようにする。カルボン酸の含有量は、有機スルホン酸の含有量よりも少なくてもよい。例えば、カルボン酸の含有量は、有機スルホン酸の含有量の半分以下になってもよい。
カルボン酸としては、1価のカルボン酸及び多価のカルボン酸から選ばれる1種以上を用いることができる。多価カルボン酸は、カルボキシル基(COOH)を1分子内に複数有する有機カルボン酸が好ましい。多価カルボン酸としては、二価のカルボン酸、三価のカルボン酸、四価のカルボン酸、さらには五価以上のカルボン酸などを使用することができる。このうち、二価から四価のカルボン酸が利用しやすいため好ましい。1価のカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、乳酸、安息香酸などが挙げられる。これらは無水物であってもよい。また、多価カルボン酸としては、例えば、クエン酸、イタコン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、マロン酸、フタル酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸ペンタン二酸、グルコン酸、グルタコン酸、ペンテン二酸などが挙げられる。これらは無水物であってもよい。これらの中でも、多価カルボン酸としては、クエン酸及びイタコン酸から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。クエン酸及びイタコン酸から選ばれる1つもしくは複数を用いる場合、これらは植物を原料として製造することが可能である。そして、この場合、化石資源の使用が抑制できるため、環境への負担が小さくなり、好ましい。
多価カルボン酸は、水酸基を有するものであってもよい。その場合、接着性を高めることができる。また、多価カルボン酸は、分子量が500以下、好ましくは300以下であってよい。分子量が小さいと触媒効率を高めることができる。また、多価カルボン酸としては、無水物を使用してもよい。
接着用組成物においては、多価カルボン酸を含有していないことが好ましい一態様である。上記のように、多価カルボン酸は、糖類との反応が遅い場合がある。多価カルボン酸が含まれていると、糖類と有機スルホン酸との反応の進行を妨げるおそれがある。そのため、多価カルボン酸は反応系に存在していなくてもよい。なお、1価カルボン酸は含まれていてもよい。あるいは、1価カルボン酸は含まれていなくてもよい。この場合、接着用組成物は、カルボン酸を含有していなくてもよい。
接着用組成物がカルボン酸を含有する場合、糖類とカルボン酸との反応は、糖類と有機スルホン酸との反応よりも遅いので、カルボン酸は反応に取り残された未反応物として残留する可能性がある。硬化後にカルボン酸が残留すると、硬化反応が十分に進行していないおそれがある。そのため、硬化後にはカルボン酸が残留しないことが好ましい。硬化後にカルボン酸が残留しないためには、接着用組成物は、硬化によってカルボン酸が残留しない程度でカルボン酸を含有していればよい。特に、多価カルボン酸は、糖類との反応が期待されるものの、残留すると接着性が十分に発揮されないおそれがある。そのため、硬化後には多価カルボン酸が残留しないことが好ましい。
硬化後に未反応のカルボン酸は、接着用組成物が硬化した硬化物を分析することにより確認することができる。例えば、硬化物の熱水抽出物を核磁気共鳴(H NMR)で分析したり、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)で分析したりすることにより、カルボン酸が含有されているか否かを検出することができる。このとき、多価カルボン酸の検出も可能である。機器の精度、積算回数、抽出量、濃縮の有無などによって差があるものの、熱水抽出溶液での濃度として100ppm程度が検出の下限値であり得る。よって、濃度が100ppm以上であれば、カルボン酸の検出は可能である。このことから、1gの硬化物を10mLの熱水で抽出した場合、1mg程度まで、つまり硬化物の0.1質量%程度の含有率まで検出が可能である。残留するカルボン酸の濃度で、接着用組成物に積極的にカルボン酸を添加したか否かの判別をすることができる。
接着用組成物は、添加物を含有していてもよい。添加物としては、例えば、安定化剤、着色剤、増粘剤、反応促進剤などが例示される。
接着用組成物は、粉体であってもよいし、液体であってもよい。上記の成分は、概ね固体であるため、粉体混合することにより粉末状の接着用組成物が得られる。また、液体の接着用組成物は、上記の成分を、溶媒に溶解又は分散させることにより得られる。溶媒としては、水、アルコールなどが例示される。
接着用組成物は、糖類と有機スルホン酸が水に溶解された水溶液であることが好ましい。それにより、容易に接着用組成物を調製することができるとともに、取り扱いが容易になる。また、水を使用すると環境に優しい。糖類及び有機スルホン酸の一方又は両方が水に完全に溶解しない場合は、接着用組成物は水に糖類と有機スルホン酸とが分散された水分散液であってよい。糖類と有機スルホン酸はともに水への溶解性が高いため、容易に水溶液を得ることができる。また、糖類と有機スルホン酸とを飽和濃度以上の濃度で水と混合した際には水分散液となり得る。接着用組成物を水溶液又は水分散液とすることで、被着材への塗布又は散布が容易になる。また、有機溶剤を用いないことから人体の安全性が高い。糖類と有機スルホン酸が相溶状態にあることで、加熱及び加圧した際には、糖類と有機スルホン酸の変性が促進され、高分子の硬化物を形成し、優れた接着性を発現することができる。
接着用組成物を水溶液又は水分散液とする場合、水の配合量は、被着材の形状や表面性状などにより適宜設定されるものであり、特に限定されない。水溶液又は水分散液の接着用組成物は、好ましくは、糖類と有機スルホン酸との合計100質量部に対して、水が15質量部以上500質量部以下で含有される。水の含有量が15質量部以上になると、水が少なくなりすぎることがなく、混合が容易となるため、より均一な接着用組成物を得ることができる。接着用組成物をより均一にするためには、糖類と有機スルホン酸の合計を100質量部としたときの水の含有量が25質量部以上であることが、より好ましい。一方、水の含有量が500質量部以下になると、水が多くなりすぎることがなく、接着用組成物の接着性をより良好に発揮させることができる。接着用組成物の過浸透が生じにくくなるとともに、加熱硬化の際に蒸発により温度上昇が遅くなることが抑制されて、硬化性が高まるからである。その観点からは、糖類と有機スルホン酸の合計を100質量部としたときの水の含有量が400質量部以下であることが、より好ましい。
接着用組成物が水溶液又は水分散液であって、カルボン酸を含有する場合には、水の配合量は、糖類と有機スルホン酸とカルボン酸との合計量を基準にしてもよい。水の配合量は、糖類と有機スルホン酸とカルボン酸との合計量100質量部としたときに、15質量部以上が好ましく、25質量部以上がより好ましい。また、水の配合量は、糖類と有機スルホン酸とカルボン酸との合計量100質量部としたときに、500質量部以下が好ましく、400質量部以下がより好ましい。
接着用組成物が水溶液又は水分散液であって、カルボン酸を含有しない場合には、水の配合量は、さらに少なくてもよい。例えば、この場合、水の配合量は、糖類と有機スルホン酸との合計量100質量部としたときに、300質量部以下となってもよく、250質量部以下となってもよい。
接着用組成物においては、糖類及び有機スルホン酸が接着の主成分となる。カルボン酸が添加されたときには、カルボン酸は接着を補助する成分となる。
接着用組成物は、石油系熱硬化性樹脂接着剤を含有していてもよい。それにより、成形体の接着性及び耐水性を高めることができる。パーティクルボードや繊維板といった木質系ボードには接着剤として、主としてフェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂等のアミノ系樹脂やイソシアネート樹脂系接着剤が使用されることが一般的である。上記の接着用組成物においても、糖類と有機スルホン酸とにより接着性を発揮させる限りにおいて、物性の更なる向上のため、石油系熱硬化性樹脂接着剤を添加することができる。
石油系熱硬化性樹脂接着剤としては、フェノール樹脂接着剤、ユリア・メラミン樹脂接着剤、及び、イソシアネート系接着剤などが適しているが、特に限定されない。接着剤の種類、添加量は成形体の用途によって選択することが好ましい。強度が求められる場合は添加量を増加させることができる。耐水性が求められる場合は、フェノール樹脂接着剤や、イソシアネート樹脂系接着剤など、耐水性が高い接着剤が適している。石油系熱硬化性樹脂接着剤は水溶性のものが好ましい。その場合、糖類及び有機スルホン酸との混合性が高まる。
石油系熱硬化性樹脂接着剤は、配合する場合には、その固形分が、糖類と有機スルホン酸との合計量を100質量部としたときに、1質量部以上200質量部以下となるように配合するのが好ましい。その場合、接着性を高めることができる。ただし、石油系熱硬化性樹脂接着剤を含有すると、ホルムアルデヒドが発生しやすくなるおそれがある。そのため、ホルムアルデヒド抑制の観点からは、石油系熱硬化性樹脂接着剤は含有しない方が好ましい。また、石油系熱硬化性樹脂接着剤を配合する場合であっても、その量は少ない方が好ましい。例えば、石油系熱硬化性樹脂接着剤の固形分が、糖類と有機スルホン酸との合計量を100質量部としたときに、100質量部以下となることがより好ましく、50質量部以下となることがさらに好ましく、10質量部以下となることがさらにより好ましい。上記の接着用組成物では、石油系熱硬化性樹脂接着剤を用いた場合でも、その量を減らすことができるので、ホルムアルデヒドの発生を抑制することができる。また、石油系熱硬化性樹脂接着剤は、廃棄のときの燃焼の際に有害なガスの発生原因となるおそれがあるが、この接着剤を使用しなかったり、接着剤の使用量を減らしたりすることで、有害ガスの発生を抑制することができる。よって、接着用組成物は、石油系熱硬化性樹脂接着剤を含有していないことがさらに好ましい。
接着用組成物は、糖類及び有機スルホン酸のみからなるものであってもよい。あるいは、接着用組成物は、糖類、有機スルホン酸及び水のみからなるものであってもよい。あるいは、接着用組成物は、糖類、有機スルホン酸及びカルボン酸のみからなるものであってもよい。あるいは、接着用組成物は、糖類、有機スルホン酸、カルボン酸及び水のみからなるものであってもよい。
接着用組成物は、上記の糖類及び有機スルホン酸を混合し、さらに場合によってはカルボン酸を混合し、そして必要に応じて他の添加物と混合することにより得ることができる。このとき、溶媒下で混合を行えば、液体の接着用組成物を得ることができる。
接着用組成物は、被着材と被着材との間に存在させて加熱及び加圧することにより、接着性を発現し、被着材を接着することができる。加熱及び加圧は、プレスであることが好ましい。プレスによれば、容易に接着性を発現させることができる。被着材としては、接着面を有する二つ以上の固体の部材であってもよいし、接着用組成物によって成形される複数の固片であってもよい。二つ固体の部材を接着させる場合、例えば、部材と部材との間に、接着用組成物を塗布や散布などにより配置して、部材同士を近づく方向に押圧して加熱及び加圧することにより、接着用組成物の硬化反応が進行し、部材を接着することができる。複数の固片を接着用組成物で接着して成形する場合、例えば、複数の固片を接着用組成物と混合し、この混合物を成形型に配置して、加熱及び加圧することにより、接着用組成物の硬化反応が進行し、固片を接着させて成形体を形成することができる。
接着用組成物は、種々の部材や固片の接着に用いることができる。接着用組成物は、金属の接着に用いることができる。例えば、ステンレスブロックを接着することができる。また、接着用組成物は、木材の接着に用いることができる。また、接着用組成物は、ガラスの接着に用いることができる。
接着用組成物を用いることにより成形体を形成することができる。成形体は、複数の固片と接着用組成物とによって形成される。固片は、成形体中の要素となるため、要素片といってもよい。上記の接着用組成物では、加熱及び加圧によって接着性が発揮されるため、成形体の形成に好適に用いることができる。成形体としては成形板であることが好ましい。成形板(ボード)は、建築をはじめとする各種の材料への適用が可能であり応用範囲が広い。
成形体の好ましい一例としては、ガラス繊維含有成形体が挙げられる。ガラス繊維は、種々の材料への応用が可能であり、上記の接着用組成物を用いれば、良好なガラス繊維含有成形体を得ることができる。成形体の好ましい他の一例としては、エアロゲル含有成形体が挙げられる。エアロゲルは、高空隙性を有し、軽量で断熱性が高いため、断熱材や断熱ボードなどへの展開が可能である。
また、接着用組成物は無機質の固片の成形体を形成することができる。この場合、無機質ボードを得ることができる。例えば、ロックウールと接着用組成物とからロックウールボードを得ることができる。また、例えば、グラスウールと接着用組成物とからグラスウールボードを得ることができる。無機質の固片を固める接着剤として、上記の接着用組成物を用いると、接着用組成物が高分子の硬化物を形成するため、優れた接着性と成形性を発現することができる。
上記の接着用組成物では、反応系に有機溶剤やホルムアルデヒドを含まなくてよく、また、分解によってホルムアルデヒドが発生する第3級アミン等を含まなくてよい。そのため、接着剤を由来とする有機溶剤の放散やホルムアルデヒドの放散を抑制することができる。
接着用組成物は植物片の接着に用いることが好ましい。植物片の接着により植物片が接着用組成物によって接着されて成形された成形体を得ることができる。成形体は成形板であり得る。よって、成形板は、上記の接着用組成物により、植物片が接着されたものとして得られる。
植物片の原料となる植物としては、針葉樹や広葉樹などの木本植物や、一年生又は二年生草本類の植物や、あるいは穀物、植物油、植物糖などを採取した後の農産廃棄物などが挙げられる。農産廃棄物としては、具体的には、ケナフ、イネ、竹、亜麻などの草本類、バガス、ビートパルプ、イネワラ、ムギワラ、油ヤシ繊維などが挙げられる。これらを用いることによって資源の有効利用を図ることができる。特に、一年生又は二年生草本類の植物や農産廃棄物などを利用すると、資源の有効利用を促進することができる。
針葉樹や広葉樹などの木本植物は、セルロース、ヘミセルロース、リグニンを多く含んでいる。また、草本植物は、木本植物と同じ、セルロース、ヘミセルロース、リグニンを主要な構成成分としている。さらに、草本植物は、木本植物に比べて、ヘミセルロース成分や熱水可溶成分などの低分子成分の含有率が高く、加熱加圧下で接着成分に変性する成分に富んでいるという特徴がある。そのため、成形板の材料に適している。
ヘミセルロース成分としては、具体的には、アラビノグルクルロノキシラン、グルコマンナン、及び、グルクルロノキシランなどを例示することができる。アラビノグルクルロノキシラン及びグルコマンナンは主に針葉樹によく含まれる成分である。グルクルロノキシラン及びグルコマンナンは主に広葉樹によく含まれる成分である。植物片にはこれらの成分あるいはこれらに類似する成分が含まれていてよい。
植物片は、植物を裁断するなどして得られたものであればよく、小片であってもよいし、繊維であってもよいし、単板であってもよいし、粉末であってもよい。植物片は、成形体に含まれ、その一部を構成する要素片となる。植物片と接着用組成物とにより得られる成形体は、木質成形体となり得る。植物片と接着用組成物とにより得られる成形板は、木質ボードとなり得る。ここで、木質の成形体とは、木のような質感をもった成形物のことであり、木以外の植物から得られるものであっても、木質成形体や木質ボードに含まれる。
植物片は、セルロース成分、ヘミセルロース成分、及び、リグニンから選ばれる1種以上を含有することが好ましい。その場合、植物片由来の成分によって接着性を発現させることができるため、接着性を高めることができる。また、植物片は、糖類を含有していてもよい。その場合、植物片由来の糖類が有機スルホン酸と反応することによって接着性を発現するため、接着性を高めることができる。
植物片としては、木材を切削して得られる木質片を用いることができる。木質片は、挽き板、単板、木質ストランド、木質チップ、木質繊維などが挙げられる。木質片を接着剤により接着して成形したものは、集成材、合板、パーティクルボード、繊維板、MDFなどの木質ボードとなり得る。接着剤として、上記の接着用組成物を用いると、接着用組成物が高分子の硬化物を形成するため、優れた接着性と成形性を発現することができる。木材としては、特に限定されるものではないが、スギ、ヒノキ、ヒバ、マツ、ツガ、キリなどの適宜の材料であってよい。
植物片として、草本植物を用いることもできる。草本植物としては、サトウキビ、サトウダイコンから選ばれる1種又は2種を用いることができる。これらは、残留糖の利用が図れて、物性が向上する。また、成形体においては残留する糖を少なくすることができるため、物性を向上させることができる。特に、サトウキビの搾りかすであるバガスを有効に利用することができる。
植物片に含まれるヘミセルロース成分や糖類、熱水可溶成分などの低分子成分は、加熱加圧下で接着成分に変性するが、有機スルホン酸の共存により、反応が促進され、強固な接着成分となる。ヘミセルロース成分や糖などは、有機スルホン酸の存在により、加水分解され、一時的に低分子化した後、さらに有機スルホン酸が触媒となり、低分子化合物同士の反応が促進されるからである。そのため、植物片にこれらの成分が含まれると接着性が高まる。また、有機スルホン酸は、ヘミセルロース成分や糖の変性に寄与するとともに、植物片に含まれるセルロース、ヘミセルロース、リグニンや熱水可溶成分中の水酸基とエステル結合し、吸水、吸湿性を悪化させる水酸基を減少させる。このため、成形体の耐水性、耐熱水性、耐湿性が向上する。また、ヘミセルロースや糖などの低分子成分が成形体中に残留すると、この成分がカビの発生を引き起こすおそれがあるが、有機スルホン酸の添加により、ヘミセルロースや糖などの低分子成分の成形体中の残留量を少なくすることができる。そのため、カビの発生を抑制した成形体を得ることができる。
有機スルホン酸を植物片と共存させると、成形体を短時間で成形することができる。有機スルホン酸が存在しないと、変性した低分子化合物同士の反応が遅くなり、物性の低下を招くおそれがある。また、有機スルホン酸は、金属との反応性が無機酸より低いため、成形の際に金属設備等による悪影響を与えにくい。さらに反応系内に有機溶剤やホルムアルデヒドを含まず、また、分解によってホルムアルデヒドが発生する第3級アミン等を含んでいない。そのため、成形物由来の有機溶剤やホルムアルデヒドの放散を抑制しやすくなる。
植物片は、90℃熱水3時間抽出による可溶成分比率が乾燥分中の3質量%以上であってもよい。それにより、優れた接着性を得ることができる。熱水可溶成分は、接着成分に変性し得る物質を含む可能性があるため、接着性を向上させることができるのである。90℃熱水3時間抽出による可溶成分比率の上限は特に限定されないが、好ましくは10質量%以下である。10質量%を上回る場合は、物性の低下を招くおそれがある。また、熱水可溶成分内の反応性物質が多くなりすぎると、全ての熱水可溶成分が反応するのに時間がかかると共に、相対的にセルロース等の成分が少なくなり、成形体としての物性が低下するおそれがある。植物片の90℃熱水3時間抽出による可溶成分比率は、より好ましくは、乾燥分中の5質量%以上10質量%以下である。
植物片中の熱水可溶成分としては、具体的には、単糖、オリゴ糖などの低分子の糖類、ペクチンなどの多糖類、タンニン、リグナンなどを例示することができる。植物片においては、熱水可溶成分である単糖、オリゴ糖などの低分子の糖類、ペクチンなどの多糖類、タンニン、リグナンなどが、接着に寄与する。これらの熱水可溶成分は、有機スルホン酸が触媒となり、変性物同士の反応や変性物とカルボン酸との反応を進行させて、高分子化するためである。
成形体の原料となる植物は、粉砕処理によって、径が数百μm〜数cmの粒状のパーティクルに加工することができる。また、成形体の原料となる植物は、靭皮部や茎芯部などを解繊処理することによって、直径(繊維径)が50μm〜2mm程度で長さ(繊維長)が100μm〜20mm程度の微細繊維に加工することができる。これらのパーティクルや微細繊維を植物片(細片)として用いて、成形体を製造することができる。
糖類を含有する植物片を用いる場合、植物片においては、90℃熱水3時間抽出による糖類の含有比率が乾燥分中の3質量%以上であってもよい。それにより、植物片中の糖類を接着に利用することができるため、接着性を高めることができる。植物片中の糖類含有比率の上限は、特に限定されないが、好ましくは10質量%以下である。
なお、糖類を含有する植物片を用いる場合、植物片中の糖類は接着性に寄与する。植物片中の糖類と有機スルホン酸とが反応するからである。そのため、接着用組成物においては、有機スルホン酸は、接着用組成物中の糖類100質量部に対して、75質量部よりも多くなっても十分に接着性が発現され得る。例えば、有機スルホン酸は、接着用組成物中の糖類100質量部に対して、100質量部以上となってもよく、200質量部以上となってもよい。この場合の有機スルホン酸の含有量の上限は特に限定されるものではないが、有機スルホン酸は、接着用組成物中の糖類100質量部に対して、10000質量部以下となることが好ましく、1000質量部以下となることがより好ましい。
植物片を接着させる場合、接着用組成物は、カルボン酸を含有することが好ましい一態様である。カルボン酸を用いると、カルボン酸が有機スルホン酸の触媒反応を補って触媒作用を発揮することができ、接着性を高めることができる。また、有機スルホン酸の反応とカルボン酸の反応とが混在すると、より強固な硬化物を形成することができ、強度の高い成形体を得ることができる。カルボン酸は、特に多価カルボン酸が好ましい。カルボン酸の添加が物性を向上させるのである。
成形体は、被着材である固片と上記の接着用組成物とを混合し、これらの混合物を加熱加圧成形することにより製造することができる。植物片を用いる場合、原料として使用する植物片は、乾燥原料であってよい。それにより、取扱いが容易になる。また、植物片として、植物片を用いた成形体を粉砕した粉砕物を使用することもできる。その場合、植物片の再利用が可能になる。成形においては、糖類と有機スルホン酸とを併用することで、加熱加圧成形を効率よく行うことができる。このため、より短時間で加熱加圧成形を行うことができる。
成形体は、上記に示した植物片に、接着用組成物を付着させ、この付着物が付着した植物片を加熱加圧成形することにより得ることが好ましい。このとき、例えば、植物片に、水溶液又は水分散液の接着用組成物を付着させ、この混合物を加熱加圧成形することにより得ることが好ましい。水を用いることにより、接着用組成物を植物片の表面に効率よく付着させることができる。もちろん、水の代わりに有機溶剤が用いられてもよいが、製造性の観点から水の方が有利である。接着用組成物には、必要に応じて、上記で説明したカルボン酸及び石油系熱硬化性樹脂接着剤の一方又は両方が添加されてもよい。
加熱加圧成形により、接着用組成物が反応して成形体を得ることができる。植物片を用いる場合には、植物片自体に含まれる成分が変性して生じる接着成分も加わって、植物片が接着される。
植物片に接着用組成物を付着させる方法としては、適宜の付着方法を用いることができる。例えば、水溶液をスプレー等で植物片に向けて散布することにより付着させることができる。また、植物片を水溶液中に浸漬することにより付着させることができる。また、ロールや刷毛等で塗布することにより付着させることができる。また、水溶液や水分散液ではなく、粉体の接着用組成物を用い、この粉体を直接植物片に散布することにより付着させることもできる。なお、石油系熱硬化性樹脂接着剤が、原料として水に溶解されているものであれば、その水分を利用してもよい。
植物片と接着用組成物との混合比は、使用する原料、成形条件や成形体の性状などによって適宜に設定されるものであり、特に限定されるものではない。植物片の乾燥質量100質量部に対し、接着用組成物の固形分量が5〜30質量部の比率であることが好ましい。接着用組成物の量が少なすぎると接着力が低下するおそれがあり、接着用組成物の量が多すぎても接着層が多く形成されて界面接着性の低下を招くおそれがあるため、前記の比率で接着用組成物を配合することが好ましいのである。接着用組成物の固形分量は、植物片の乾燥質量100質量部に対して8質量部以上であることがより好ましい。この場合、接着性がより高まる。接着用組成物の固形分量は、植物片の乾燥質量100質量部に対して25質量部以下であることがより好ましい。この場合、界面接着性の低下をより抑制することができる。
加熱加圧成形の条件、例えば、成形圧力、成形温度、成形時間などは、植物片の種類や形状、その表面状態、成形体の厚さなどにより適宜設定され得る。成形温度に関しては140℃以上220℃以下であることが好ましい。成形温度が220℃以下では成分の劣化が進行しにくいため、成形体としての物性が低下しにくい。また、成形温度が140℃以上であれば、反応速度が低下しにくく、硬化が充分となりやすい。成形温度は200℃以下であることがより好ましい。この場合、被着材の劣化を抑制することができる。成形温度は160℃以上であることが好ましい。この場合、反応速度がより低下しにくくなり、硬化がさらに充分となりやすい。
成形圧力に関しては成形体の厚さ、比重などにより適宜設定されるが、0.5MPa以上4MPa以下であることが好ましい。成形圧力が0.5MPa以上であれば、充分に圧着することができて成形体の強度を向上させやすい。成形圧力が4MPa以下であれば、成形圧力が大きすぎず、成形体の破壊が起こりにくい。成形圧力は3MPa以下であることがより好ましい。この場合、ボードの破壊をより起こりにくくさせることができる。成形圧力は0.7Mpa以上であることがより好ましい。この場合、接着用組成物と被着材とを十分に圧着することができ、成形体の強度をより高めることができる。
成形時間に関しては、例えば、1分以上60分以下の範囲にすることができ、2分以上30分以下が好ましく、3分以上15分以下がより好ましい。それにより、良好な成形体を効率よく製造することができる。
成形体には糖類ができるだけ残存しない方がよい。それにより、接着性を高めるとともに、耐水性を向上することができる。また、糖類が残存しないと、カビの発生を抑制することができる。接着用組成物中の糖類は、有機スルホン酸によって変性するが、その糖類の全量が変性することが好ましいのである。また、植物片が糖類を含む場合には、植物片中の糖類も変性することが好ましいのである。例えば、成形体は、90℃熱水3時間抽出による糖類の比率が乾燥分中の5質量%未満であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましく、0.1質量%以下であることがよりさらに好ましい。
成形体には接着用組成物由来のカルボン酸ができるだけ含まれていない方がよい。それにより、接着性を高めるとともに、耐水性を向上することができる。接着用組成物中のカルボン酸は、糖類の反応に用いられるが、そのカルボン酸の全量が反応に用いられて残存しないことが好ましいのである。例えば、成形体は、90℃熱水3時間抽出によるカルボン酸の比率が乾燥分中の5質量%未満であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましく、0.1質量%以下であることがよりさらに好ましい。
なお、成形体は、その一面又は両面に表面材が設けられてもよい。表面材を設けることにより、成形体の強度を高めることができる。表面材は、ボード状、シート状などであってよい。この場合、成形体は、複合材料で構成される複合成形体の一部となる。表面材は、成形後の成形体に接着されて設けられてもよいし、成形体の成形の際に重ねられ、接着用組成物中の成分により接着されて設けられてもよい。表面材としては、木材、パーティクルボード、繊維板のようなボード状のもの、木材を薄くスライスしてなる突き板、プラスチックや紙からなる化粧シート、防湿シートのようなシート状のもの等、上記で説明した適宜のものを使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。尚、「部」は質量部を示す。
[製剤の変性]
<製剤例1(実施例)>
糖類としてスクロース(和光純薬工業株式会社製、以下同様)を用いた。有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸(和光純薬工業株式会社製、以下同様)を用いた。スクロース171.1mg(0.5mmol)、及びp−トルエンスルホン酸95.1mg(0.5mmol)を水1mLに溶解させた。この水溶液を、乾燥機内で100℃にて3時間加熱し、水を蒸発させた。蒸発残渣物により、製剤例1の組成物を得た。
<製剤例2(比較例)>
糖類としてスクロースを用いた。多価カルボン酸としてクエン酸(和光純薬工業株式会社製、以下同様)を用いた。有機スルホン酸は用いなかった。スクロース171.1mg(0.5mmol)、及びクエン酸96.0mg(0.5mmol)を水1mLに溶解させた。この水溶液を、乾燥機内で100℃にて3時間加熱し、水を蒸発させた。蒸発残渣物により、製剤例2の組成物を得た。
<評価>
製剤例1及び製剤例2の組成物について、200℃にて加熱した。加熱時間は、1分、5分、10分の3条件で行った。加熱後の各試料(組成物の加熱物)1mgを水1mL中に入れて、溶解性を確認した。溶解性の確認は目視により行った。
図1は、加熱処理前の組成物の様子を示す写真である。組成物は試験管内で得られている。図1(a)は、製剤例1の組成物を示している。図1(b)は、製剤例2の組成物を示している。図2は、加熱処理後の組成物を水に入れた後の様子を示す写真である。溶解性の試験はビーカー内で行った。図2(a)は、製剤例1の組成物の加熱物を示している。図2(b)は、製剤例2の組成物の加熱物を示している。
図1から、100℃で加熱して水分を蒸発させた段階での変性状態が確認される。図1(b)に示すように、製剤例2では、糖を加熱したときに見られる薄いあめ色(薄茶色)に着色していたが、色は薄かった。一方、製剤例1では、褐色に変色していた。したがって、製剤例1は、製剤例2よりも変性が進行していることが確認された。
図2から、200℃で加熱した後の硬化状態が確認される。図2(b)に示すように、製剤例2では、加熱時間が1分及び5分の場合は、全て水に溶解しており硬化していないことが確認された。また、製剤例2では、加熱時間が10分の場合でも、一部が不溶となったものの、一部は溶解しており、水はあめ色(薄茶色)に着色した。一方、製剤例1では、加熱時間が1分、5分、10分のいずれの場合においても、大部分が不溶となり、水も透明であった。
表1に、溶解性をまとめた結果を示す。
以上より、糖を水不溶性に変性させる反応は、多価カルボン酸に比べて有機スルホン酸の方が速いことが分かった。よって、有機スルホン酸を用いることの有用性が確認された。
製剤例1及び製剤例2の加熱物の水溶解分について、下記の条件で核磁気共鳴(H−NMR)分析を行った。
装置:AVANCE500 (Bruker社製)
共鳴周波数:500MHz (H)
溶媒:D
測定温度:25℃ 。
対照として、クエン酸水溶液について、同じ条件で核磁気共鳴(H−NMR)分析を行った。
製剤例2の加熱物の水溶解分、及び、クエン酸水溶液では、クエン酸の固有のピークが3ppm前後に観測された。一方、製剤例1の加熱物の水溶解分は、クエン酸及びその他の多価カルボン酸に由来するピークが観測されなかった。
[接着用組成物]
<実施例1>
糖類としてスクロース75部と、有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸25部とを混合し、粉末の接着用組成物を調製した。
<比較例1>
糖類としてスクロース100部の粉末を用いた。なお、有機スルホン酸及び多価カルボン酸はいずれも使用しなかった。
<比較例2>
糖類としてスクロース75部と、多価カルボン酸としてクエン酸25部とを混合し、粉末の接着用組成物を調製した。
<評価>
実施例1、及び比較例1、2の粉末について、ステンレスブロックの接着性の評価を行った。
JIS A 5905の剥離強さ試験に用いる鋼(ステンレス)ブロックを用意した。このステンレスブロックの1つの面(50mm×50mm)に、各粉末を0.32g散布した。このステンレスブロックに、対となる他のステンレスブロックを粉末の散布面に重ねて置き、盤面温度200℃の熱圧プレスにて3分間又は5分間、加熱及び加圧(プレス)を行った。接着面にかかる圧力は0.5MPaとした。加熱加圧処理後の接着された2個のステンレスブロックを、水に浸漬させ、接着状態を保持しているか否か判定した。水の浸漬条件は、25℃の水に24時間浸漬する条件(水浸漬)、及び、80℃の水に1時間浸漬する条件(熱水浸漬)の2条件で行った。また、80℃の水に1時間浸漬した後の各組成物(加熱物)の重量残存率を測定した。
表2に、各組成物の配合比率、プレス条件、及び、結果を示す。
表2に示すように、実施例1では、ステンレスブロックを接着しており、水浸漬後、及び熱水浸漬後においても、ステンレスブロックの接着は保持されていた。また、熱水浸漬後の重量残存率は、プレス加熱5分の場合では95%を示し、プレス加熱3分の場合でも90%と高い値を示しており、硬化が促進されていることが確認された。
一方、比較例1では、プレス後にステンレスブロックを接着し、水浸漬後も接着が維持されていたが、熱水浸漬後は、ステンレスブロックに剥がれが生じ、接着が維持されなかった。また、熱水浸漬後の重量残存率は、プレス加熱3分の場合では15%を示し、プレス加熱5分の場合でも32%と低い値で3割程度しか残存していなかった。
比較例2では、プレス後に組成物が硬化しておらず、ステンレスブロックが接着面で剥がれた。また、熱水浸漬後の重量残存率は、プレス加熱3分の場合では0%を示し、プレス加熱5分の場合では45%を示し、硬化の速度が遅いことが確認された。
[実施例A1〜A6、比較例A1〜A8]
ケナフ茎芯チップボード(厚さ5mm)を製造した。
<実施例A1>
草本類であるケナフ茎の外皮部分となる靭皮繊維を取り除いた後のケナフ茎芯部を植物材料として用いた。ケナフ茎芯部を長さ5cm程度に切断し、これを粉砕機(リングフレーカー)を用いて粉砕することによって、ケナフ茎芯のチップを得た。このチップの寸法は、平均長さ15mm、平均幅5mm、平均厚さ2mmであった。ケナフ茎芯チップの90℃熱水3時間抽出による可溶成分比率は、乾燥分中の5.8質量%であった。
糖類としてスクロース、有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸を用いた。これらと水を混合して、混合比率が質量比でスクロース:p−トルエンスルホン酸:水=10:5:15となった接着用組成物を調製した。
上記のケナフ茎芯チップ100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が15部となるようスプレーで噴霧した。その後、ケナフ茎芯チップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで10分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ5mm、気乾密度0.6g/cmのケナフ茎芯チップボードを得た。
<実施例A2>
糖類としてグルコース(和光純薬工業株式会社製、以下同様)、有機スルホン酸としてベンゼンスルホン酸(和光純薬工業株式会社製、以下同様)を用いた。これらと水を混合して、混合比率が質量比でグルコース:ベンゼンスルホン酸:水=18:0.02:20となった接着用組成物を調製した。
実施例A1で使用したケナフ茎芯チップ100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が18.02部となるようスプレーで噴霧した。その後、ケナフ茎芯チップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで10分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ5mm、気乾密度0.6g/cmのケナフ茎芯チップボードを得た。
<実施例A3>
糖類としてマルトース(和光純薬工業株式会社製)、有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸を用いた。これらと水を混合して、混合比率が質量比でマルトース:p−トルエンスルホン酸:水=16:4:20となった接着用組成物を調製した。
実施例A1で使用したケナフ茎芯チップ100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、ケナフ茎芯チップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで5分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ5mm、気乾密度0.6g/cmのケナフ茎芯チップボードを得た。
<実施例A4>
糖類としてスクロース、有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸、多価カルボン酸としてクエン酸を用いた。これらと水を混合して、混合比率が質量比でスクロース:p−トルエンスルホン酸:クエン酸:水=4.7:0.3:15:20となった接着用組成物を調製した。
実施例A1で使用したケナフ茎芯チップ100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、ケナフ茎芯チップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで10分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ5mm、気乾密度0.6g/cmのケナフ茎芯チップボードを得た。
<実施例A5>
糖類としてグルコース、有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸、多価カルボン酸としてクエン酸、石油系熱硬化性樹脂接着剤としてフェノール樹脂接着剤(アイカ工業株式会社製「アイカPX−431」、水溶液にて市販)を用いた。これらと水を混合して、混合比率が実質的な質量比でグルコース:p−トルエンスルホン酸:クエン酸:フェノール樹脂接着剤:水=7:0.3:2.7:10:20となった接着用組成物を調製した。
実施例A1で使用したケナフ茎芯チップ100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、ケナフ茎芯チップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで10分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ5mm、気乾密度0.6g/cmのケナフ茎芯チップボードを得た。
<実施例A6>
糖類としてスクロース、有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸、多価カルボン酸としてクエン酸、石油系熱硬化性樹脂接着剤としてフェノール樹脂接着剤(アイカ工業株式会社製「アイカPX−431」、水溶液にて市販)を用いた。これらと水を混合して、混合比率が実質的な質量比でスクロース:p−トルエンスルホン酸:クエン酸:フェノール樹脂接着剤:水=1:3:6:10:20となった接着用組成物を調製した。
実施例A1で使用したケナフ茎芯チップ100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、ケナフ茎芯チップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで10分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ5mm、気乾密度0.6g/cmのケナフ茎芯チップボードを得た。
<比較例A1>
実施例A1で使用したケナフ茎芯チップ100部に対して、水を添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、ケナフ茎芯チップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで10分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ5mm、気乾密度0.6g/cmのケナフ茎芯チップボードを得た。ただし、ボードの強度が非常に弱かったので、比較的強度のある部分を試験に供した。
なお、実施例A1で使用したケナフ茎芯チップ100部をそのまま積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで10〜60分間まで圧締して成形体を形成することを試みた。しかしながら、手ですぐに割れてしまうものしかできなかった。
<比較例A2>
実施例A1で使用したケナフ茎芯チップ100部に対して、水を添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、ケナフチップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、250℃に加熱しながら面圧2MPaで20分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ5mm、気乾密度0.6g/cmのケナフ茎芯チップボードを得た。
<比較例A3>
有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸を用い、これと水を混合して、混合比率が質量比でp−トルエンスルホン酸:水=0.3:0.5となった接着用組成物を調製した。
実施例A1で使用したケナフ茎芯チップ100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が0.3部となるようスプレーで噴霧した。その後、ケナフ茎芯チップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで10分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ5mm、気乾密度0.6g/cmのケナフ茎芯チップボードを得た。
<比較例A4>
有機スルホン酸としてベンゼンスルホン酸を用い、これと水を混合して、混合比率が質量比でベンゼンスルホン酸:水=18:30となった接着用組成物を調製した。
実施例A1で使用したケナフ茎芯チップ100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が18部となるようスプレーで噴霧した。その後、ケナフ茎芯チップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで10分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ5mm、気乾密度0.6g/cmのケナフ茎芯チップボードを得た。
<比較例A5>
有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸、1価カルボン酸として乳酸(和光純薬工業株式会社製、水溶液にて市販)を用いた。これらと水を混合して、混合比率が実質的な質量比でp−トルエンスルホン酸:乳酸:水=2:5:7となった接着用組成物を調製した。
実施例A1で使用したケナフ茎芯チップ100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が7部となるようスプレーで噴霧した。その後、ケナフ茎芯チップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで10分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ5mm、気乾密度0.6g/cmのケナフ茎芯チップボードを得た。
<比較例A6>
有機スルホン酸としてベンゼンスルホン酸、多価カルボン酸としてイタコン酸(磐田化学工業株式会社製)を用いた。これらと水を混合して、混合比率が質量比でベンゼンスルホン酸:イタコン酸:水=0.1:19.9:20となった接着用組成物を調製した。
実施例A1で使用したケナフ茎芯チップ100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、ケナフ茎芯チップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで10分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ5mm、気乾密度0.6g/cmのケナフ茎芯チップボードを得た。
<比較例A7>
有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸、多価カルボン酸としてリンゴ酸(扶桑化学工業株式会社製)を用いた。これらと水を混合して、混合比率が質量比でp−トルエンスルホン酸:リンゴ酸:水=3:12:15となった接着用組成物を調製した。
実施例A1で使用したケナフ茎芯チップ100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が15部となるようスプレーで噴霧した。その後、ケナフ茎芯チップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで10分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ5mm、気乾密度0.6g/cmのケナフ茎芯チップボードを得た。
<比較例A8>
石油系熱硬化性樹脂接着剤としてフェノール樹脂接着剤(アイカ工業株式会社製「アイカPX−431」、水溶液にて市販)を用いた。これと水を混合して、混合比率が実質的な質量比でフェノール樹脂接着剤:水=20:20となった接着用組成物を調製した。
実施例A1で使用したケナフ茎芯チップ100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、ケナフ茎芯チップを積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで10分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ5mm、気乾密度0.6g/cmのケナフ茎芯チップボードを得た。
<評価>
上記の実施例、比較例で得られた成形体(ボード)について、JIS A 5905に準じて剥離試験(強度試験)、吸水試験(耐水性試験)を行い、剥離強さと吸水厚さ膨張率を測定した。
また、耐熱水性試験として、200mm角のサンプルを80℃温水中に5分浸漬時の熱水吸水厚さ膨張率を測定した。
表3に、ボード構成、接着条件、ボード成形条件、および、評価の結果を示す。
比較例A1では、物性の低いボードしか得られなかった。比較例A2では、比較例A1よりも高温度、長時間にて成形したが、耐水性、耐熱水性は低かった。比較例A3、A4では、有機スルホン酸を添加することで、ボードが作製可能であったが、耐水性、耐熱水性は低かった。比較例A5では、有機スルホン酸と1価カルボン酸とを添加することで、ボードが作製可能で、耐水性及び耐熱水性が向上したが、強度は低かった。比較例A6、A7では、有機スルホン酸と多価カルボン酸とを添加することで、ボードが作製可能で、耐水性及び耐熱水性がさらに向上したが、強度はあまり増加せず、1N/mmを下回り低かった。比較例A8では、石油系熱硬化性樹脂接着剤で接着させるものであり、耐水性及び耐熱水性は高かったが、強度は低く、1N/mmを下回った。
これに対して、実施例A1〜A6では糖類と有機スルホン酸とを添加することで、高物性のボードが作製可能であった。
実施例A1〜A3では、糖類と有機スルホン酸とを、種類及び量を変えて添加したところ、いずれも物性が向上した。実施例A1と比較例A7とを比較すると、実施例A1における有機スルホン酸と糖類の合計量は、比較例A7における有機スルホン酸と多価カルボン酸の合計量と同じであったが、実施例A1の方が比較例A7よりも物性が高く、特に強度が向上した。実施例A2では、有機スルホン酸の添加量が少なくなると物性が低下する傾向が見られたものの、強度は1N/mm以上となり高かった。実施例A3では成形時間を短くしたにも関わらず、強度は1N/mm以上となり高かった。実施例A4では、多価カルボン酸をさらに添加することで物性の向上が見られた。実施例A5、A6では、石油系熱硬化性樹脂接着剤の量を比較例A8の半分にし、糖類と有機スルホン酸と多価カルボン酸とを添加したところ、実施例A5、A6の方が比較例A8よりも物性が高く、特に強度が向上した。
[実施例B1〜B6、比較例B1〜B7]
スギ繊維ボード(厚さ2mm)を製造した。
<実施例B1>
木本類の針葉樹であるスギから得たスギ材を粉砕機(ハンマーミル)を用いて粉砕することによって、チップを得た。このチップを解繊機(リファイナー)で解繊処理し、繊維径20〜200μm、長さ2〜5mmのスギ繊維を得た。
糖類としてセロビオース(和光純薬工業株式会社製)、有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸を用いた。これらと水を混合して、混合比率が質量比でセロビオース:p−トルエンスルホン酸:水=18:0.05:20となった接着用組成物を調製した。
上記のスギ繊維100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が18.05部となるようスプレーで噴霧した。その後、スギ繊維を積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで6分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ2mm、気乾密度0.8g/cmのスギ繊維ボードを得た。
<実施例B2>
糖類としてグルコース、有機スルホン酸としてベンゼンスルホン酸を用いた。これらと水を混合して、混合比率が質量比でグルコース:ベンゼンスルホン酸:水=18:5:20となった接着用組成物を調製した。
実施例B1で使用したスギ繊維100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が23部となるようスプレーで噴霧した。その後、スギ繊維を積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで2分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ2mm、気乾密度0.8g/cmのスギ繊維ボードを得た。
<実施例B3>
糖類としてスクロース、有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸を用いた。これらと水を混合して、混合比率が質量比でスクロース:p−トルエンスルホン酸:水=18:2:20となった接着用組成物を調製した。
実施例B1で使用したスギ繊維100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、スギ繊維を積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで3分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ2mm、気乾密度0.8g/cmのスギ繊維ボードを得た。
<実施例B4>
糖類としてスクロース、有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸、多価カルボン酸としてクエン酸を用いた。これらと水を混合して、混合比率が質量比でスクロース:p−トルエンスルホン酸:クエン酸:水=9.8:0.4:9.8:20となった接着用組成物を調製した。
実施例B1で使用したスギ繊維100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、スギ繊維を積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで3分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ2mm、気乾密度0.8g/cmのスギ繊維ボードを得た。
<実施例B5>
糖類としてスクロース、有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸、石油系熱硬化性樹脂接着剤としてフェノール樹脂接着剤(アイカ工業株式会社製「アイカPX−431」、水溶液にて市販)を用いた。これらと水を混合して、混合比率が実質的な質量比でスクロース:p−トルエンスルホン酸:フェノール樹脂接着剤:水=7:3:10:20となった接着用組成物を調製した。
実施例B1で使用したスギ繊維100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、スギ繊維を積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで3分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ2mm、気乾密度0.8g/cmのスギ繊維ボードを得た。
<実施例B6>
糖類としてグルコース、有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸、多価カルボン酸としてクエン酸、石油系熱硬化性樹脂接着剤としてフェノール樹脂接着剤(アイカ工業株式会社製「アイカPX−431」、水溶液にて市販)を用いた。これらと水を混合して、混合比率が質量比でグルコース:p−トルエンスルホン酸:クエン酸::フェノール樹脂接着剤:水=4.9:0.2:4.9:10:20となった接着用組成物を調製した。
実施例B1で使用したスギ繊維100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、スギ繊維を積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで3分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ2mm、気乾密度0.8g/cmのスギ繊維ボードを得た。
<比較例B1>
実施例B1で使用したスギ繊維100部に対して、水を添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、スギ繊維を積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで20分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ2mm、気乾密度0.8g/cmのスギ繊維ボードを得た。
なお、上記の水が添加されたスギ繊維を積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで3〜6分間まで圧締して成形体を形成することを試みたが、強度が弱いものしかできなかった。
<比較例B2>
糖類としてスクロースを用い、これと水を混合して、混合比率が質量比でスクロース:水=20:20となった接着用組成物を調製した。
実施例B1で使用したスギ繊維100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、スギ繊維を積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで3分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ2mm、気乾密度0.8g/cmのスギ繊維ボードを得た。
<比較例B3>
多価カルボン酸としてクエン酸を用い、これと水を混合して、混合比率が質量比でクエン酸:水=20:20となった接着用組成物を調製した。
実施例B1で使用したスギ繊維100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、スギ繊維を積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで3分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ2mm、気乾密度0.8g/cmのスギ繊維ボードを得た。
<比較例B4>
糖類としてスクロース、多価カルボン酸としてクエン酸を用いた。これらと水を混合して、混合比率が質量比でスクロース:クエン酸:水=10:10:20となった接着用組成物を調製した。
実施例B1で使用したスギ繊維100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、スギ繊維を積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで3分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ2mm、気乾密度0.8g/cmのスギ繊維ボードを得た。
<比較例B5>
有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸を用い、これと水を混合して、混合比率が質量比でp−トルエンスルホン酸:水=18:30となった接着用組成物を調製した。
実施例B1で使用したスギ繊維100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が18部となるようスプレーで噴霧した。その後、スギ繊維を積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで6分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ2mm、気乾密度0.8g/cmのスギ繊維ボードを得た。
<比較例B6>
有機スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸を用い、多価カルボン酸としてクエン酸を用いた。これらと水を混合して、混合比率が質量比でp−トルエンスルホン酸:クエン酸:水=0.2:19.8:20となった接着用組成物を調製した。
実施例B1で使用したスギ繊維100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、スギ繊維を積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで3分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ2mm、気乾密度0.8g/cmのスギ繊維ボードを得た。
<比較例B7>
石油系熱硬化性樹脂接着剤としてフェノール樹脂接着剤(アイカ工業株式会社製「アイカPX−431」、水溶液にて市販)を用いた。これと水を混合して、混合比率が実質的な質量比でフェノール樹脂接着剤:水=20:20となった接着用組成物を調製した。
実施例B1で使用したスギ繊維100部に対して、上記の接着用組成物を、固形分添加率が20部となるようスプレーで噴霧した。その後、スギ繊維を積層して積層マットとし、この積層マットを、加熱プレス装置で、200℃に加熱しながら面圧2MPaで3分間圧締して成形体を形成した。
これにより、厚さ2mm、気乾密度0.8g/cmのスギ繊維ボードを得た。
<評価>
上記の実施例、比較例で得られた成形体(ボード)について、JIS A 5905に準じて剥離試験(強度試験)、吸水試験(耐水性試験)を行い、剥離強さと吸水厚さ膨張率を測定した。
また、耐熱水性試験として、75mm角のサンプルを70℃温水中に4時間浸漬時の熱水吸水厚さ膨張率を測定した。
表4に、ボード構成、接着条件、ボード成形条件、および、評価の結果を示す。
比較例B1では、物性の低いボードしか得られなかった。比較例B2では、糖類を添加したが、物性はあまり向上しなかった。比較例B3、B4では、カルボン酸を添加することで、耐水性及び耐熱水性が向上したが、強度は低かった。比較例B5では、有機スルホン酸を添加したが、強度は低かった。比較例B6では、有機スルホン酸と多価カルボン酸とを添加したが、強度は低かった。比較例B7は、物性が高かったが、ホルムアルデヒドの放散や石油資源の消費等が懸念される。
これに対して、実施例B1〜B6では糖類と有機スルホン酸とを添加することで、高物性のボードが作製可能であった。
実施例B1〜B3では、糖類と有機スルホン酸とを、種類及び量を変えて添加したところ、いずれも物性が向上し、特に強度において高い値を得た。特に、実施例B2では、成形時間を短くしたにも関わらず、高い物性を確保した。実施例B4では、多価カルボン酸の添加により物性が向上した。実施例B5、B6では、石油系熱硬化性樹脂接着剤の量を比較例B7の半分にし、糖類と有機スルホン酸と多価カルボン酸とを添加したところ、実施例B5、B6の方が比較例B7よりも物性が高く、特に強度が向上した。
各実施例において強度が高くなったのは、糖類と有機スルホン酸との併用により、植物片中の成分の変性が進行したためと考えられる。変性は、植物片中の水酸基がエステル化されるとともに架橋されることにより生じると考えられる。
以上の結果から、糖類と有機スルホン酸とを用いて、簡単な工程で高品質な接着用組成物及びボードを得ることができることが分かった。

Claims (11)

  1. 加熱及び加圧により硬化する接着用組成物であって、糖類及び有機スルホン酸を主成分として含有することを特徴とする、接着用組成物。
  2. 前記有機スルホン酸は、p−トルエンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸から選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の接着用組成物。
  3. 前記糖類は、単糖及び二糖から選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の接着用組成物。
  4. 前記二糖は、スクロース、マルトース、及びセロビオースから選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項3に記載の接着用組成物。
  5. 前記単糖は、グルコース及びフルクトースから選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項3に記載の接着用組成物。
  6. 前記有機スルホン酸は、前記糖類100質量部に対して、0.1〜75質量部で含有されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着用組成物。
  7. 多価カルボン酸を含有しないことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着用組成物。
  8. さらにカルボン酸を含有し、
    前記カルボン酸は、前記糖類100質量部に対して、0.1〜600質量部で含有されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の接着用組成物。
  9. 前記カルボン酸は、クエン酸及びイタコン酸から選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項8に記載の接着用組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の接着用組成物により、植物片が接着されたことを特徴とする、成形板。
  11. 前記植物片の乾燥質量100質量部に対し、前記接着用組成物の固形分量が5〜30質量部の比率であることを特徴とする、請求項10に記載の成形板。
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