JP2015039780A - ノズル面保湿装置、液体吐出装置およびノズル面保湿方法 - Google Patents
ノズル面保湿装置、液体吐出装置およびノズル面保湿方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015039780A JP2015039780A JP2013170349A JP2013170349A JP2015039780A JP 2015039780 A JP2015039780 A JP 2015039780A JP 2013170349 A JP2013170349 A JP 2013170349A JP 2013170349 A JP2013170349 A JP 2013170349A JP 2015039780 A JP2015039780 A JP 2015039780A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nozzle surface
- moisturizing
- liquid
- head
- liquid discharge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
Abstract
【課題】インクジェットヘッドのノズル面の保湿状態を一定に維持することができるノズル面保湿装置、液体吐出装置およびノズル面保湿方法を提供する。
【解決手段】液体吐出ヘッド120のノズル面122を保湿するノズル面保湿装置であって、保湿液144を溜める液溜部142と、液溜部142と液体吐出ヘッド120との間で、液体吐出ヘッド120の短手方向の密閉性を維持し、かつ長手方向の両端に開口部148a,148bを形成する密閉性部材146と、を有する保湿キャップ140と、一方の開口部148aから供給され、他方の開口部148bから排出される空気の流れを発生させる気流発生手段190と、空気を供給する一方の開口部側に設けられた平面部材126と、を備える。
【選択図】図7
【解決手段】液体吐出ヘッド120のノズル面122を保湿するノズル面保湿装置であって、保湿液144を溜める液溜部142と、液溜部142と液体吐出ヘッド120との間で、液体吐出ヘッド120の短手方向の密閉性を維持し、かつ長手方向の両端に開口部148a,148bを形成する密閉性部材146と、を有する保湿キャップ140と、一方の開口部148aから供給され、他方の開口部148bから排出される空気の流れを発生させる気流発生手段190と、空気を供給する一方の開口部側に設けられた平面部材126と、を備える。
【選択図】図7
Description
本発明は、ノズル面保湿装置、液体吐出装置およびノズル面保湿方法に係り、特に、液体吐出ヘッドの待機時のノズル面の乾燥を防止するノズル面保湿装置、液体吐出装置およびノズル面保湿方法に関する。
近年、印刷業界では、小部数印刷の需要が高まっている。オフセット印刷では、版を作成する必要があるため、小部数印刷を行う際には、時間およびコストの面で問題となっていた。そのため、シングルパス方式のインクジェット記録が好適に用いられている。
また、インクジェット記録装置では、ノズル内のインクの乾燥を防止しなければならない。このため、待機時には内部に保湿液が貯留された保湿キャップで吐出ヘッドのノズル面を覆い、この保湿液の蒸発作用により、ノズル近傍の湿度を所望の範囲に維持することが行われている。
例えば、下記の特許文献1には、複数の吐出口が形成された吐出面と対向する吐出空間を第1開口および第2開口を備えて覆うキャップ手段を備え、第1開口および第2開口から加湿空気を交互に供給し、吐出空間の湿度を短時間で均一にし、吐出面の保湿を行うことが記載されている。また、特許文献2には、保湿液を用いた第1保湿部と、液体吐出ヘッドから吐出される吐出用液体を用いた第2保湿部を備え、第1保湿部の保湿液を使い切った場合には、第2保湿部によりヘッドキャップ内を適切な保湿状態に維持する液体吐出装置が記載されている。
しかしながら、吐出空間内に供給された高湿度の空気と吐出口内の液体とは湿度差がある(空気と液体との間で水分の授受が発生する)ことが実情であり、この湿度差を利用して吐出口近傍の粘度が増加した液体に水分を供給し、吐出口の目詰まりの抑制をしたい場合もある。特許文献1に記載されている液体吐出装置では、吐出口の供給口付近の湿度は短時間で所望湿度となるが、排出口付近の湿度を所望湿度とするためには、吐出空間全体を均一に加湿する必要があり、時間がかかっていた。
また、特許文献2に記載されている液体吐出装置では、保湿液カートリッジの交換とインクカートリッジの交換を同時に行うことができなければ、交換頻度が高くなり、ユーザの負担が増えるという課題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、簡単な機構で、インクジェットヘッドのノズル面を保湿する際の保湿状態を一定に維持することができるノズル面保湿装置、液体吐出装置およびノズル面保湿方法を提供することを目的とする。
本発明は前記目的を達成するために、液体吐出ヘッドのノズル面を保湿するノズル面保湿装置であって、ノズル面に対向して設けられた保湿液を溜める液溜部と、液溜部と液体吐出ヘッドとの間で、液体吐出ヘッドの短手方向の密閉性を維持し、かつ長手方向の両端に開口部を形成する密閉性部材と、を有し、ノズル面を保湿する保湿キャップと、液体吐出ヘッドの長手方向の一方の開口部から供給され、他方の開口部から排出される空気の流れを発生させる気流発生手段と、気流発生手段により発生した空気を供給する一方の開口部側に、液溜部に対向して設けられた平面部材と、を備えるノズル面保湿装置を提供する。
本発明によれば、液体吐出ヘッドと保湿キャップとを装着させ、液体吐出ヘッドのノズル面と保湿キャップとの間に、一方向の空気の流れを発生させることで、液溜部の保湿液が蒸発した空気を流すことができ、ノズル面の湿度を一定に維持できる。また、空気を供給する一方の開口部側に、液溜部に対向して設けられた平面部材を有することで、ノズル面と保湿キャップの間の保湿分布で充分に保湿された空気に変わる位置からノズル面を設けることができるので、所望の湿度でノズル面の保湿をすることができる。
本発明の他の態様に係るノズル面保湿装置は、ノズル面および平面部材と、保湿キャップと、で形成される保湿空間の湿度分布が、ノズル面で保湿湿度になるように平面部材の長さが調整されていることが好ましい。
本発明の他の態様に係るノズル面保湿装置によれば、空気が供給される開口部付近は、空気が充分に保湿されていないが、平面部材の長さを調整することで、ノズル面が形成されている位置から保湿湿度の空気でノズル面の保湿を行うことができる。なお、「保湿湿度」とは、ノズル面の保湿を行うことができる湿度であり、装置構成、保湿液、液体吐出ヘッドから吐出される液体により、適宜決定される。
本発明の他の態様に係るノズル面保湿装置は、平面部材は、液体吐出ヘッドに設けられていることが好ましい。
本発明の他の態様に係るノズル面保湿装置によれば、平面部材が、液体吐出ヘッドに接合されていることで、保湿キャップと液体吐出ヘッドを装着させることで、保湿空間を形成することができ、ノズル面を所望の湿度で保湿することができる。
本発明の他の態様に係るノズル面保湿装置は、平面部材は、保湿キャップに設けられていることが好ましい。
本発明の他の態様に係るノズル面保湿装置によれば、平面部材が、保湿キャップに形成されているので、装置を小型化することができる。
本発明の他の態様に係るノズル面保湿装置は、ノズル面と保湿液とのクリアランスと、平面部材と保湿液とのクリアランスが等しいことが好ましい。
本発明の他の態様に係るノズル面保湿装置によれば、ノズル面と保湿液のクリアランス、および、平面部材と保湿液のクリアランスが等しいため、湿度分布を容易に求めることができる。
本発明の他の態様に係るノズル面保湿装置は、密閉性部材は、弾性部材であり、弾性部材を液体吐出ヘッドに当接することが好ましい。
本発明の他の態様に係るノズル面保湿装置によれば、液体吐出ヘッドと保護キャップとを弾性部材により当接することで、密閉性を向上させることができる。したがって、開口部以外の箇所から空気が漏れることを防止し、保湿空間内の湿度を維持することができる。
本発明の他の態様に係るノズル面保湿装置は、密閉性部材は、液体吐出ヘッドに設けられた第1の部材と、保湿キャップに設けられた第2の部材を組み合わせるラビリンス構造であることが好ましい。
本発明の他の態様に係るノズル面保湿装置によれば、液体吐出ヘッドに設けられた第1の部材と保湿キャップに設けられた第2の部材とを組み合わせたラビリンス構造とすることで、密閉性を保持している。ラビリンス構造とすることで、保湿空間内の空気が、外に漏れることを防止することができる。また、保湿空間内には、気流発生手段により、一方向に空気を流しているので、空気が漏れることなく、所望の湿度を維持することができる。
本発明は前記目的を達成するために、液体を吐出する複数のノズルが配置されたノズル面を有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドが液体を吐出して媒体に画像形成を行う画像形成位置と、前記液体吐出ヘッドが前記画像形成を行わない待機位置と、を前記液体吐出ヘッドを移動させる移動手段と、前記待機位置に設けられる上記記載のノズル面保湿装置と、を備える液体吐出装置を提供する。
本発明によれば、上記記載のノズル面保湿装置と同様の効果を得ることができ、液体吐出装置として好適に用いることができる。
本発明は前記目的を達成するために、液体吐出ヘッドのノズル面を保湿するノズル面保湿方法であって、前記ノズル面に対向して設けられた保湿液を溜める液溜部と、前記液溜部と前記液体吐出ヘッドとの間で、前記ヘッドの短手方向の密閉性を維持し、かつ長手方向の両端に開口部を形成する密閉性部材と、を有する保湿キャップと、を装着する装着工程と、前記液体吐出ヘッドの長手方向の一方の前記開口部から他方の前記開口部に空気を送風する送風工程と、を有し、前記送風工程により送風される空気を供給する一方の開口部側に、前記液溜部に対向して設けられた平面部材を有し、前記平面部材の長手方向の長さを調整することで、ノズル面の湿度を調整するノズル面保湿方法を提供する。
本発明の他の態様に係るノズル面保湿方法は、密閉性部材は、弾性部材であり、装着工程は、弾性部材を液体吐出ヘッドに当接することが好ましい。
本発明の他の態様に係るノズル面保湿方法は、装着工程は、液体吐出ヘッドに設けられた第1の部材と、保湿キャップに設けられた第2の部材と、からなるラビリンス構造を組み合わせることが好ましい。
本発明のノズル面保湿方法によれば、上記ノズル面保湿装置と同様の効果を得ることができる。
本発明のノズル面保湿装置、液体吐出装置およびノズル面保湿方法によれば、保湿キャップでノズル面を保湿する際に、空気の供給側に平面部材を設けているので、所望の湿度の空気となってからノズル面を保湿することができる。したがって、所望の湿度状態を維持し、ノズル面の保湿を行うことができる。
また、気流発生手段により一定の風向きの空気を供給しているので、例えば、液体吐出装置の給紙・圧胴・排紙部などのファンや熱に起因する乱流や対流などの外乱による保湿キャップ内の流路への影響を抑えることができる。したがって、ロバスト性の高い設計とすることができる。
また、このように、保湿液を溜めた保湿キャップのみでノズル面を所望の湿度に維持することができるので、機構を簡略化することができ、コスト面、組立性、メンテナンス性において効果的に実施することができる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。
<第1の実施形態>
〔インクジェット記録装置の概要〕
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置(液体吐出装置の一例)を示す側面図である。インクジェット記録装置100は、搬送部110により水平方向(Y方向)に搬送される用紙(媒体の一例)1の記録面に、インクジェットヘッド120(液体吐出ヘッドの一例)のノズル面122からインクを吐出して画像を形成するプリンタである。
〔インクジェット記録装置の概要〕
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置(液体吐出装置の一例)を示す側面図である。インクジェット記録装置100は、搬送部110により水平方向(Y方向)に搬送される用紙(媒体の一例)1の記録面に、インクジェットヘッド120(液体吐出ヘッドの一例)のノズル面122からインクを吐出して画像を形成するプリンタである。
図2は、インクジェット記録装置100の平面図である。インクジェット記録装置100は、搬送部110による用紙1の搬送方向(Y方向)に直交する方向(X方向)に、保湿キャップ140を備えている。
インクジェットヘッド120は、ヘッド保持部130により保持され、移動機構(移動手段の一例)(図6において符号160で示す)によりX方向に移動可能に構成されている。装置を長時間停止する場合などは、インクジェットヘッド120は、用紙1に画像を形成可能な位置(画像形成位置)から保湿キャップ140の位置(待機位置)に移動され、ノズル面122が保湿キャップ140で覆われる。これにより、乾燥による不吐出が防止される。
インクジェットヘッド120は、保湿キャップ140によりノズル面122を保湿する際に、ノズル面122のノズル(図3に符号51を付して図示する)を有するノズル領域(図7に符号124を付して図示する)を所望の保湿状態とするために、非ノズル領域(図7に符号126を付して図示する)(平面部材の一例)を設けている。第1の実施形態においては、ノズル領域と非ノズル領域は同一平面で形成されノズルの有無が異なっている。画像形成位置では、図2に示すように、用紙1上にノズル領域がくるように配置される。
〔インクジェットヘッドの構成〕
図3は、インクジェットヘッド120の構造例を示す図である。ここで、図3(a)はノズル面122側から見た平面透視図であり、図3(b)は、その一部の拡大図であり、図3(c)は、ヘッドモジュール120aから構成されるインクジェットヘッド120全体の平面透視図である。また、図4は、インク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3(a)、(b)中、4−4線に沿う断面図)であり、図5は、インクジェットヘッド120内部の流路構造を示す流路構成図(図4中、5方向から見た平面透視図)である。なお、図3〜図5においては、インクジェットヘッド120のノズル領域124を形成するヘッドモジュール120aについて図示して説明し、非ノズル領域126を形成するヘッドモジュールについては省略する。
図3は、インクジェットヘッド120の構造例を示す図である。ここで、図3(a)はノズル面122側から見た平面透視図であり、図3(b)は、その一部の拡大図であり、図3(c)は、ヘッドモジュール120aから構成されるインクジェットヘッド120全体の平面透視図である。また、図4は、インク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3(a)、(b)中、4−4線に沿う断面図)であり、図5は、インクジェットヘッド120内部の流路構造を示す流路構成図(図4中、5方向から見た平面透視図)である。なお、図3〜図5においては、インクジェットヘッド120のノズル領域124を形成するヘッドモジュール120aについて図示して説明し、非ノズル領域126を形成するヘッドモジュールについては省略する。
インクジェットヘッド120のノズル面122は、平面に形成されている。また、このノズル面122には、インク滴の吐出孔であるノズル51が複数配置されている。用紙1上に形成されるドットピッチを高密度化するためには、ノズルピッチを高密度化する必要がある。本実施形態のインクジェットヘッド120は、図3(a)、(b)に示すように、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を一定の配列パターンでマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有している。これにより、ヘッド長手方向(X方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
また、図3(c)に示すように、短尺のヘッドモジュール120aを千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで、用紙の全幅に対応する長さのノズル列を有する長尺のインクジェットヘッド120を構成してもよい。図示は省略するが、短尺のヘッドモジュールを一列に並べて長尺のインクジェットヘッドを構成してもよい。
なお、紙搬送方向と略直交する方向に用紙の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51とインク流入口54が設けられている。各圧力室52はインク流入口54を介して個別流路59と連通されており、各個別流路59は共通流路55と連通されている。また、各圧力室52に連通するノズル流路60は、個別循環流路62を介して循環共通流路64と連通されている。インクジェットヘッド120には供給口66および排出口68が設けられており、供給口66は共通流路55と連通され、排出口68は循環共通流路64と連通されている。
即ち、インクジェットヘッド120の供給口66および排出口68は、共通流路55、個別流路59、インク流入口54、圧力室52、ノズル流路60、個別循環流路62、および循環共通流路64を含むインク流路(内部流路)を介して連通された構成となっている。このため、インクジェットヘッド120の外部から供給口66に供給されたインクの一部は各ノズル51から吐出されるとともに、残りのインクは共通流路55、個別流路59、ノズル流路60、個別循環流路62、および循環共通流路64を順に経由して、排出口68からインクジェットヘッド120の外部に排出される。
図4に示すように、ノズル流路60のノズル51近傍に個別循環流路62が接続される構成が好ましく、ノズル51近傍をインクが循環するようになるので、ノズル51内部のインク増粘が防止され、安定吐出が可能となる。
圧力室52の天面を構成し共通電極と兼用される振動板56には個別電極57を備えた圧電素子58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによって圧電素子58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から個別流路59、インク流入口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
本例では、インクジェットヘッド120に設けられたノズル51から吐出させるインクの吐出力発生手段として圧電素子58を適用したが、圧力室52内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用することも可能である。
係る構造を有するインク室ユニット53を図3(b)に示す如く、ヘッド長手方向に沿う方向およびヘッド長手方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、ヘッド長手方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチPで複数配列する構造により、ヘッド長手方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPXはP×cosθとなり、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPXで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、本実施形態に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、ヘッド短手方向に1列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
〔インクジェット記録装置のシステム構成〕
図6は、インクジェット記録装置100のシステム構成を示すブロック図である。同図に示すように、インクジェット記録装置100は、上述の搬送部110、インクジェットヘッド120、保湿キャップ140の他、インク循環部150、移動機構160、ユーザインターフェース172、記録制御部174、インク循環制御部176、移動制御部178、保湿液制御部180、気流制御部182等を備えて構成される。
図6は、インクジェット記録装置100のシステム構成を示すブロック図である。同図に示すように、インクジェット記録装置100は、上述の搬送部110、インクジェットヘッド120、保湿キャップ140の他、インク循環部150、移動機構160、ユーザインターフェース172、記録制御部174、インク循環制御部176、移動制御部178、保湿液制御部180、気流制御部182等を備えて構成される。
インク循環部150は、図示しない配管、バルブ、インクタンクやポンプ等を含み、バルブを介してインクジェットヘッド120に接続されている。インク循環部150は、インクジェットヘッド120のノズル51から吐出するインクをインクジェットヘッド120の供給口66から供給する。また、ノズルから吐出されなかったノズルを排出口68から回収し、インクジェットヘッド120とインクタンクとの間でインクを循環させる。
インク循環部150は、ノズル51の背圧(インクジェットヘッド120の内部圧力)が負圧になるようにインクを循環させる。ここで、負圧とは大気圧より小さい圧力を指す。
移動機構160は、インクジェットヘッド120を画像形成位置又は待機位置へと移動させる。また、後述するように、移動機構160は、インクジェットヘッド120と保湿キャップ140との距離を変更可能に構成されている。
ユーザインターフェース172は、インクジェット記録装置100の電源をオン(導通)/オフ(遮断)するための電源スイッチの他、ユーザがインクジェット記録装置100を操作するための入力部(不図示)や警告表示等を表示する出力部(不図示)を有している。
記録制御部174は、搬送部110による用紙1の搬送、インクジェットヘッド120によるインクの吐出等を制御し、入力された画像データに基づいて用紙1の記録面に画像を形成する。
インク循環制御部176は、インク循環部150を制御し、インクジェットヘッド120へのインクの循環の有無や循環インク量を制御する。
移動制御部178は、移動機構160を制御し、インクジェットヘッド120の位置を制御する。
保湿液制御部180は、保湿キャップ140内の保湿液の供給・排出等を制御する。
気流制御部182は、ファン(図7に符号190を付して図示する)を用いて空気の流れを制御し、インクジェットヘッド120に保湿キャップ140が装着された装着状態において、ノズル面122と保湿キャップ140の保湿液との間の保湿空間の空気の流れを制御する。
<保湿キャップの構成>
図7は、保湿キャップ140と、待機位置(保湿位置)に移動したインクジェットヘッド120を模式的に示した図である。図8(a)は、インクジェットヘッド120を保湿キャップ140に装着した図、図8(b)は、図8(a)の空気の供給側の拡大図、図8(c)は図8(a)の空気の排出側の拡大図であり、図9は、長手方向からインクジェットヘッド120を見た図8の断面図である。
図7は、保湿キャップ140と、待機位置(保湿位置)に移動したインクジェットヘッド120を模式的に示した図である。図8(a)は、インクジェットヘッド120を保湿キャップ140に装着した図、図8(b)は、図8(a)の空気の供給側の拡大図、図8(c)は図8(a)の空気の排出側の拡大図であり、図9は、長手方向からインクジェットヘッド120を見た図8の断面図である。
保湿キャップ140の内部には、液溜部142が設けられており、液溜部142には、インクジェットヘッド120のノズル面122を保湿するための保湿液144が満たされている。この保湿液144は、インクジェットヘッド120のノズル51から吐出するインクの溶媒と同じ溶媒を含む液体であり、例えば水を主成分とした液体である。
図8(a)に示すように、インクジェットヘッド120を保湿キャップ140に装着すると、インクジェットヘッド120のノズル面122は、液溜部142に対向する位置に配置される。すなわち、ノズル領域124および非ノズル領域126と液溜部142は対向して配置される。
保湿キャップ140には、インクジェットヘッド120の長手方向に沿ってシール部材146(密閉性部材の一例)が設けられており、このシール部材146がインクジェットヘッド120と接触することで、インクジェットヘッド120の短手方向を(長手方向側面に沿って)保湿キャップ140で封止する。シール部材146としては、弾性部材を用いることができ、例えば、シリコーンゴムを使用することができる。
また、保湿キャップ140装着時には、インクジェットヘッド120の長手方向には開口部が設けられている。図8(b)は長手方向の一方の開口部148aであり、図8(c)は長手方向の他方の開口部148bである。本実施形態においては、図8(b)側の開口部148aから図8(c)側に開口部148bに向かって、ファン190(気流発生手段の一例)により風を送風する。なお、開口部148a、148bにおいては、特に、構造上異なる構造とする必要はなく、同様の構成とすることができる。
図9は、図8(a)の保湿キャップ140を装着した状態のインクジェットヘッド120の断面図である。保湿キャップ140の装着時は、シール部材146で封止されており、ノズル面122と保湿キャップ140内の保湿液144の間の保湿空間の保湿状態がインクジェットヘッド120の長手方向側面から漏れることを防止することができる。したがって、保湿状態は、長手方向の一方の開口部148aから空気を流すことで他方の開口部148bから空気を出すことができるので、保湿空間を一定の湿度に保つことができる。
保湿キャップ140の装着時のノズル面122と保湿液144とのクリアランスHは、特に限定されないが、2mm以下とすることが好ましい。クリアランスHの距離が長いと保湿空間の湿度が安定せず、クリアランスHの距離が短いとノズル面122と保湿液144が接触する可能性があるので、好ましくない。また、ノズル領域124と保湿液144のクリアランスHと、非ノズル領域126と保湿液144のクリアランスHは、同じ高さであることが好ましい。高さが異なると、空気が流れない箇所が発生するため、湿度が安定しない場合があるが、同じ高さとすることで、保湿空間内を空気が一方向に流れ、湿度を安定させることができる。
インクジェットヘッド120のノズル面122と保湿キャップ140、保湿液144とで構成される保湿空間に、開口部148aから空気を供給することで、保湿空間内の湿度を一定に保つ。空気を供給する気流発生手段としては、図6においては、ファン190を用いているが、一方の開口部148aから供給され、他方の開口部148bから排出される空気の流れを発生させることができれば特に限定されない。例えば、ポンプなどを用いて空気の流れを発生させることで、保湿キャップ140内の保湿空間に一方向の気流を発生させることができる。保湿キャップ140内に供給する空気の風速としては、ノズル領域124の湿度を所定の湿度以上に保持することができれば特に限定されないが、0.3m/s以上0.6m/s以下であることが好ましい。
インクジェット記録装置においては、給紙、搬送、排紙など、ファンや熱に起因し、装置付近において、乱流や対流といった外乱が発生するため、この外乱の影響によりインクジェットヘッド120の待機時の保湿状態を一定にすることが困難であった。本実施形態によれば、保湿キャップ140内に一定の空気を流すことにより、ノズル面122の湿度を一定に保持することができる。
ノズル面122および非ノズル領域126と、保湿キャップ140と、で形成される保湿空間の湿度分布が、ノズル面122で保湿湿度になるように非ノズル領域126の長さを次のように調整する。
図10は、実際に測定したノズル面の空気供給側の開口部からの位置と湿度の関係を示す図である。図10において開口部148aから開口部148bに向かって、ファンにより、風速0.3m/secで空気を供給した場合の湿度分布を図10(b)に示す。なお、この時のインクジェット記録装置100付近の空気の湿度は約40%Rhである。図10(b)に示すように、入口側から約300mmの点で湿度が80%Rhを超える。非ノズル領域126の長さは、このように、実際に測定することにより、保湿キャップ140装着時のノズル面122の湿度を求め、ノズル領域124が所望の湿度になるように、設計時に決定する。保湿時のノズル領域124の所望の湿度とは、80%Rh以上とすることが好ましい。なお、非ノズル領域126の長さは、実際に測定して求める他に、シミュレーションにより求めることもできる。
図11は、インクジェットヘッド120と保湿キャップと140とで形成された保湿空間の空気供給側の湿度分布を示す図である。図11の(1)の領域が湿度100%Rh、(1)の領域が湿度95%Rh、(3)の領域が湿度90%Rh、(4)の領域が湿度80%Rhである。空気供給側では、保湿空間の保湿液144との界面付近では、湿度が100%Rhであるが、湿度の低い空気が保湿空間内に供給されることで、保湿液144に対向する位置に設けられているノズル面122付近は湿度が低くなっている。空気が保湿空間内を進むにつれ、保湿液144から蒸発した水蒸気の拡散現象により、ノズル面122近傍においても、湿度80%Rh以上を保つことができる。この湿度80%Rhを維持できる位置からノズル面122のノズル領域124を設けることでノズル面122の湿度を保つことができる。
保湿空間の湿度分布を求める際には、クリアランスH、送風する風の風速などにより決定することができる。この中でも特に、クリアランスH、風の風速が重要なパラメータとなる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態においては、保湿空間が所望の湿度になるまでの平面部材として、インクジェットヘッド120にノズルが形成されていない非ノズル領域126を設けることで、ノズル領域124が所望の湿度となるようにしている。第2の実施形態においては、図12に示すように、保湿キャップ140の空気の供給側に、インクジェットヘッド320の装着時におけるノズル面322(ノズル領域324)と同じ高さとなるように平面部材328を設けている。この平面部材328を設けることで、第1の実施形態と同様に、ノズル面322とノズル面322に対向する保湿液144との保湿空間の保湿状態を所望の状態とすることができる。なお、第2の実施形態においては、平面部材328と保湿キャップ140とで一方の開口部348aが形成されており、他方の開口部は、第1の実施形態と同様に、インクジェットヘッド320と保湿キャップ140とで他方の開口部348bが形成される。
第1の実施形態においては、保湿空間が所望の湿度になるまでの平面部材として、インクジェットヘッド120にノズルが形成されていない非ノズル領域126を設けることで、ノズル領域124が所望の湿度となるようにしている。第2の実施形態においては、図12に示すように、保湿キャップ140の空気の供給側に、インクジェットヘッド320の装着時におけるノズル面322(ノズル領域324)と同じ高さとなるように平面部材328を設けている。この平面部材328を設けることで、第1の実施形態と同様に、ノズル面322とノズル面322に対向する保湿液144との保湿空間の保湿状態を所望の状態とすることができる。なお、第2の実施形態においては、平面部材328と保湿キャップ140とで一方の開口部348aが形成されており、他方の開口部は、第1の実施形態と同様に、インクジェットヘッド320と保湿キャップ140とで他方の開口部348bが形成される。
<第3の実施形態>
第3の実施形態は、インクジェットヘッド420と保湿キャップ440との短手方向の接合部が、封止されていない点が第1の実施形態と異なっている。図13は第3実施形態に係る保湿キャップ440で保湿されている状態を示すインクジェットヘッド420の断面図である。図13に示すように、完全に短手方向を密閉せず、インクジェットヘッド420に設けられた第1の部材448と、保湿キャップ440に設けられた第2の部材446とを組み合わせるラビリンス構造とし、保湿空間と外気とが接触しにくい構成とすることでも保湿空間内の空気が漏れることを防止することができる。第1の実施形態のように、インクジェットヘッドの短手方向を封止しなくても、開口部148aから空気を供給し、開口部148bから排出することで、空気の流れができるので、空気が漏れることを防止することができる。したがって、保湿空間の湿度を維持することができ、ノズル面422の湿度を保つことができる。
第3の実施形態は、インクジェットヘッド420と保湿キャップ440との短手方向の接合部が、封止されていない点が第1の実施形態と異なっている。図13は第3実施形態に係る保湿キャップ440で保湿されている状態を示すインクジェットヘッド420の断面図である。図13に示すように、完全に短手方向を密閉せず、インクジェットヘッド420に設けられた第1の部材448と、保湿キャップ440に設けられた第2の部材446とを組み合わせるラビリンス構造とし、保湿空間と外気とが接触しにくい構成とすることでも保湿空間内の空気が漏れることを防止することができる。第1の実施形態のように、インクジェットヘッドの短手方向を封止しなくても、開口部148aから空気を供給し、開口部148bから排出することで、空気の流れができるので、空気が漏れることを防止することができる。したがって、保湿空間の湿度を維持することができ、ノズル面422の湿度を保つことができる。
<第4の実施形態>
〔インクジェット記録装置の構成〕
次に、第4の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。
〔インクジェット記録装置の構成〕
次に、第4の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。
図14は、本実施形態に係るインクジェット記録装置の要部の構成を示す側面図であり、図15は上面図である。図14、図15に示すように、このインクジェット記録装置200は、シングルパス方式のラインプリンタであり、主として、記録媒体である用紙1を搬送する搬送ドラム210、搬送ドラム210によって搬送される用紙1に向けてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、クロ(K)の各色インク滴を吐出するヘッドユニット220、ヘッドユニット220に装着された各インクジェットヘッドの保湿を行う保湿ユニット240を備えて構成される。 搬送ドラム210は、モータ(不図示)に駆動されて回転する。搬送ドラム210の外周面には、グリッパ(不図示)が備えられており、用紙1は、このグリッパによって先端を把持されながら搬送される。また、この搬送ドラム210の外周面には、多数の吸引穴(不図示)が形成されており、この吸引穴から内部に向けてエアが吸引されている。用紙1は、この吸引穴に吸着保持されながら搬送される。
ヘッドユニット220は、シアン、マゼンタ、イエロおよびクロのインク滴をそれぞれ吐出するインクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kと、各インクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kが取り付けられるヘッド保持部230と、ヘッド保持部230を移動させる移動機構(不図示)とで構成される。
インクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kのノズル面は、画像形成対象とする用紙1の最大用紙幅(X方向の幅)に対応したラインヘッドで構成される。また、保湿ユニット240装着時に、保湿空間の湿度を制御するための、平面状の部材がインクジェットヘッドに設けられている。
各インクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kは、矩形のブロック状に形成され、その底部にノズル面222C,222M,222Y,222Kが形成されている。また、ノズル面222C,222M,222Y,222Kに形成されるノズルの個数およびその配列形態については、特に限定されない。インクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kは、ピエゾ方式やサーマル方式でノズルからインクを吐出させる。
ヘッド保持部230は、各インクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kを取り付けるためのヘッド取付部(不図示)を備えている。各インクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kは、このヘッド取付部に着脱自在に取り付けられる。
ヘッド保持部230に取り付けられた各インクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kは、用紙1の搬送方向(Y方向)に対して直交して配置される。また、
用紙1の搬送方向に沿って所定の順で一定の間隔をもって配置される。本実施形態では、シアン、マゼンタ、イエロ、クロの順で配置されている。
用紙1の搬送方向に沿って所定の順で一定の間隔をもって配置される。本実施形態では、シアン、マゼンタ、イエロ、クロの順で配置されている。
また、各インクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kは、それぞれのノズル面222C,222M,222Y,222Kが対向する搬送ドラム210の周面の接線に平行になるように、ヘッド保持部230に取り付けられている。
図16は、ヘッドユニット220の拡大図である。同図に示すように、各ノズル面222C,222M,222Y,222Kと水平面とが成す角を、それぞれθC、θM、θY、θKとする。
また、ヘッド取付部は、ヘッド保持部230に昇降自在に設けられており、図示しない昇降機構によって昇降する。ヘッド取付部に取り付けられた各インクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kは、この昇降機構によって、水平面に対して垂直に昇降する。
移動機構は、ヘッド保持部230をX方向に水平にスライド移動させる。この移動機構は、搬送ドラム210および保湿ユニット240を跨いで水平に設置される天井フレームと、その天井フレームに敷設されるガイドレールと、ガイドレール上をスライド移動する走行体と、その走行体をガイドレールに沿って移動させる駆動手段(例えば、送りねじ機構など)で構成される。ヘッド保持部230は、走行体に取り付けられて、水平にスライド移動する。
ヘッド保持部230は、この移動機構に駆動されて、「画像形成位置」と「待機位置」との間を移動可能に設けられる。
ヘッド保持部230、画像形成位置に位置すると、搬送ドラム210の上方に配置される。これにより、搬送ドラム210によって搬送される用紙1の記録面に、各色のインクを吐出して画像を記録することが可能となる。
一方、待機位置(保湿位置)に位置すると、保湿ユニット240の設置位置に配置される。
〔保湿キャップの構成〕
図17は、保湿ユニット240と、保湿位置に移動したヘッドユニット220を模式的に示した図である。
図17は、保湿ユニット240と、保湿位置に移動したヘッドユニット220を模式的に示した図である。
保湿ユニット240は、各インクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kのノズル面222C,222M,222Y,222Kをそれぞれ保湿するための保湿キャップ240C,240M,240Y,240Kを備えて構成される。
保湿キャップ240C,240M,240Y,240Kの内部(液溜部)には、インクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kのノズル面222C,222M,222Y,222Kを保湿するための保湿液242C,242M,242Y,242Kが満たされている。
各保湿キャップ240C,240M,240Y,240Kは、開口面が水平に設けられており、インクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kが、各保湿キャップ240C,240M,240Y,240Kの開口部に対して、斜めに挿入されることで、各保湿キャップの開口部に設けられたシール部材246C,246M,246Y,246Kとインクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kの側面で封止され、インクジェットヘッドヘッド220C,220M,220Y,220Kのノズル面222C,222M,222Y,222Kと保湿液242C,242M,242Y,242Kとの保湿空間が形成される。なお、インクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kと保湿キャップ240C,240M,240Y,240Kとの短手方向での装着は第1の実施形態のように、インクジェットヘッドの側面と保湿キャップとを接合させて封止させても良いし、第3の実施形態のように、隙間を狭くし、ラビリンス構造としてもよい。
また、各保湿キャップ240C,240M,240Y,240Kの内部の保湿液242C,242M,242Y,242Kの液面は水平となるため、保湿液242C,242M,242Y,242Kの液面とノズル面222C,222M,222Y,222Kとは、平行ではない。しかしながら、上述したように、各保湿キャップ240C,240M,240Y,240Kによりインクジェットヘッド220C,220M,220Y,220Kのノズル面222C,222M,222Y,222の密閉性が向上しているので、ノズル面の湿度を高く、維持することができる。また、設計する時点で、保湿液の液面とノズル面222C,222M,222Y,222Kとが、平行ではないことを考慮して、ノズル面222C,222M,222Y,222Kの湿度が所望の湿度になるように、ノズルを設けるノズル面222C,222M,222Y,222Kと、非ノズル面の位置を設計することで、ノズル面222C,222M,222Y,222Kを所望の湿度とすることができる。
本明細書では、グラフィック印刷の用途に適した着色インクを吐出するインクジェット記録装置を例に説明したが、プリント配線用のレジストインク(耐熱性被覆材料)、導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液、カラーフィルターの製造に用いるインク等を吐出する画像形成装置に適用することができる。
本発明の技術的範囲は、上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。各実施形態における構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態間で適宜組み合わせることができる。
1…用紙、51…ノズル、100,200…インクジェット記録装置、120,220C,220M,220Y,220K、320、420…インクジェットヘッド、122,222C,222M,222Y,222K…ノズル面、140,240C,240M,240Y,240K…保湿キャップ、142…液溜部、144,242C,242M,242Y,242K…保湿液、146,246C,246M,246Y,246K…シール部材、148a,148b,348a,348b…開口部、328…平面部材、446…第1の部材、448…第2の部材
Claims (11)
- 液体吐出ヘッドのノズル面を保湿するノズル面保湿装置であって、
前記ノズル面に対向して設けられた保湿液を溜める液溜部と、前記液溜部と前記液体吐出ヘッドとの間で、前記液体吐出ヘッドの短手方向の密閉性を維持し、かつ長手方向の両端に開口部を形成する密閉性部材と、を有することにより前記ノズル面を保湿する保湿キャップと、
前記液体吐出ヘッドの長手方向の一方の前記開口部から供給され、他方の前記開口部から排出される空気の流れを発生させる気流発生手段と、
前記気流発生手段により発生した前記空気を供給する一方の前記開口部側に、前記液溜部に対向して設けられた平面部材と、
を備えるノズル面保湿装置。 - 前記ノズル面および前記平面部材と、前記保湿キャップと、で形成される保湿空間の湿度分布が、前記ノズル面で保湿湿度になるように平面部材の長さが調整されている請求項1に記載のノズル面保湿装置。
- 前記平面部材は、前記液体吐出ヘッドに設けられている請求項1または2に記載のノズル面保湿装置。
- 前記平面部材は、前記保湿キャップに設けられている請求項1または2に記載のノズル面保湿装置。
- 前記ノズル面と前記保湿液とのクリアランスと、前記平面部材と前記保湿液とのクリアランスが等しい請求項1から4のいずれか1項に記載のノズル面保湿装置。
- 前記密閉性部材は、弾性部材であり、前記弾性部材を前記液体吐出ヘッドに当接する請求項1から5のいずれか1項に記載のノズル面保湿装置。
- 前記密閉性部材は、前記液体吐出ヘッドに設けられた第1の部材と、前記保湿キャップに設けられた第2の部材を組み合わせるラビリンス構造である請求項1から5のいずれか1項に記載のノズル面保湿装置。
- 液体を吐出する複数のノズルが配置されたノズル面を有する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドが液体を吐出して媒体に画像形成を行う画像形成位置と、前記液体吐出ヘッドが前記画像形成を行わない待機位置と、を前記液体吐出ヘッドを移動させる移動手段と、
前記待機位置に設けられる請求項1から7のいずれか1項に記載のノズル面保湿装置と、
を備える液体吐出装置。 - 液体吐出ヘッドのノズル面を保湿するノズル面保湿方法であって、
前記ノズル面に対向して設けられた保湿液を溜める液溜部と、前記液溜部と前記液体吐出ヘッドとの間で、前記ヘッドの短手方向の密閉性を維持し、かつ長手方向の両端に開口部を形成する密閉性部材と、を有する保湿キャップと、を装着する装着工程と、
前記液体吐出ヘッドの長手方向の一方の前記開口部から他方の前記開口部に空気を送風する送風工程と、を有し、
前記送風工程により送風される空気を供給する一方の開口部側に、前記液溜部に対向して設けられた平面部材を有し、前記平面部材の長手方向の長さを調整することで、ノズル面の湿度を調整するノズル面保湿方法。 - 前記密閉性部材は、弾性部材であり、前記装着工程は、前記弾性部材を前記液体吐出ヘッドに当接する請求項9に記載のノズル面保湿方法。
- 前記装着工程は、前記液体吐出ヘッドに設けられた第1の部材と、前記保湿キャップに設けられた第2の部材と、からなるラビリンス構造を組み合わせる請求項9に記載のノズル面保湿方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013170349A JP2015039780A (ja) | 2013-08-20 | 2013-08-20 | ノズル面保湿装置、液体吐出装置およびノズル面保湿方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013170349A JP2015039780A (ja) | 2013-08-20 | 2013-08-20 | ノズル面保湿装置、液体吐出装置およびノズル面保湿方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015039780A true JP2015039780A (ja) | 2015-03-02 |
Family
ID=52694225
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013170349A Pending JP2015039780A (ja) | 2013-08-20 | 2013-08-20 | ノズル面保湿装置、液体吐出装置およびノズル面保湿方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015039780A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017170876A (ja) * | 2016-03-16 | 2017-09-28 | 株式会社リコー | 液体吐出ヘッドの維持回復装置、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置 |
JP2017209942A (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | キヤノン株式会社 | 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、および液体吐出ヘッドの製造方法 |
JP2019147336A (ja) * | 2018-02-28 | 2019-09-05 | ブラザー工業株式会社 | 液体吐出ヘッド、及び、液体吐出装置 |
CN114750515A (zh) * | 2021-01-08 | 2022-07-15 | 上海楚球智能科技有限公司 | 一种数码纺织印花设备用喷头保湿系统 |
-
2013
- 2013-08-20 JP JP2013170349A patent/JP2015039780A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017170876A (ja) * | 2016-03-16 | 2017-09-28 | 株式会社リコー | 液体吐出ヘッドの維持回復装置、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置 |
JP2017209942A (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | キヤノン株式会社 | 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、および液体吐出ヘッドの製造方法 |
JP2019147336A (ja) * | 2018-02-28 | 2019-09-05 | ブラザー工業株式会社 | 液体吐出ヘッド、及び、液体吐出装置 |
JP7176199B2 (ja) | 2018-02-28 | 2022-11-22 | ブラザー工業株式会社 | 液体吐出ヘッド、及び、液体吐出装置 |
CN114750515A (zh) * | 2021-01-08 | 2022-07-15 | 上海楚球智能科技有限公司 | 一种数码纺织印花设备用喷头保湿系统 |
CN114750515B (zh) * | 2021-01-08 | 2023-07-04 | 上海楚球智能科技有限公司 | 一种数码纺织印花设备用喷头保湿系统 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7604332B2 (en) | Liquid ejection head and image forming apparatus comprising same | |
US9102163B2 (en) | Droplet ejection apparatus and maintenance method thereof | |
JP2010069635A (ja) | 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 | |
US9296206B2 (en) | Print group for an ink printing apparatus | |
JP2014177070A (ja) | 圧力センサの異常検知方法及び液体吐出装置 | |
JP2014141032A (ja) | 液体供給装置、液滴吐出装置、並びに液体充填方法 | |
JP2009241316A (ja) | 液滴吐出装置 | |
BR102017000226A2 (pt) | Head of eject of liquid, liquid and liquid supply method of liquid | |
JP2015039780A (ja) | ノズル面保湿装置、液体吐出装置およびノズル面保湿方法 | |
JP5922051B2 (ja) | 液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの保湿方法 | |
US11001063B2 (en) | Maintenance apparatus and liquid ejection apparatus | |
JP5948281B2 (ja) | 液体吐出装置、保湿キャップ、保湿キャップ内の洗浄方法 | |
JP6214208B2 (ja) | 画像形成装置 | |
US8955952B2 (en) | Ink circulation apparatus, ink circulation method and inkjet recording apparatus | |
US20120050402A1 (en) | Liquid ejecting apparatus | |
JP6243097B2 (ja) | 液体吐出装置 | |
US8240832B2 (en) | Head unit and printer | |
JP6064650B2 (ja) | 液滴吐出装置 | |
JP2015100924A (ja) | 液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの保湿方法 | |
US8944561B2 (en) | Liquid ejection apparatus | |
JP2016221742A (ja) | 液体を吐出する装置 | |
JP6028411B2 (ja) | 液体吐出装置 | |
US9738074B2 (en) | Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus | |
JP2011161885A (ja) | 液体噴射装置 | |
US8985731B2 (en) | Liquid ejection apparatuses |