JP2015020549A - センサー付きプロテクター - Google Patents
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センサー付きプロテクター10は、図12及び図13に示すように、スライドドア1の前端面に取付けられる、車内側壁11a,車外側壁11b及び連結壁11cからなる断面略U字状の取付基部11とそれに一体成形された中空部12を備え、中空部12には、スライドドア1とボディ側開口部(フロントドア(サイドドア)の場合もある)との間に人体の一部(指や手足)などの異物が挟まった場合にその挟み込みを検知して対応する電気信号を出力するセンサー(感圧センサー)Sが取付けられている(例えば、特許文献1乃至特許文献4参照)。
なお、センサー付きプロテクター10の下部では、取付基部11の車内側壁11a側に断面C字形状のチャンネル部13が一体成形されていて、感圧センサーSに接続されるワイヤーハーネスWを保持している。また、取付基部11の内側には複数の保持リップ14,14が設けられ、また取付基部11には剛性をアップさせるために断面略U字形状の芯材15が埋設されている。さらに取付基部11の車外側壁11bには装飾用リップ16が設けられている。
また、センサー付きプロテクター10の上側端末部分でも、図16に示すように、長手方向(図16では右方向)に引き出された2本の芯線31,32に対して、抵抗器39の足が重ね合わされ抵抗溶接やハンダ付によって結線されるとともに、インサート26で空間部33を塞いた後、型成形することによって結線部M,インサート26及び抵抗器39を型成形内部に埋めて露出しないようにしている。
なお、図15及び図16では型成形の部位を点線で示した。
このため接着工程が新たに必要になるとともに接着剤の使用が多くなると接着不良の原因になるという不具合があった。また、接着剤の使用にはバラツキが生じ易く、結線部Mや抵抗器39を安定した状態で固定することが難しい。さらに接着剤による固定では、一旦取付けられると補修や交換などの際に容易に取り外すことはできないといった問題がある。
また、2本の芯線31,32とリード線36との結線作業や、同じく2本の芯線31,32と抵抗器39の足との結線作業にバラツキが生じた場合、リード線36や抵抗器39の足が端末部の表面から飛び出すといった問題もある。
また、特許文献2には、コードの接続部をかしめ固定できる金属片を使用するものが記載されているが溶接により固着されるので手間がかかり構造も複雑であるのに加え、インサートを含め、型成形の際に型成形材料が中空部に流れ込むことを防止する点については記載されていない。
さらに、特許文献3には、自動化しやすい工程により簡便に端末部を成型する方法が記載されているが、一回で型成形するものではなく複数回に分けて成形するものである。
また、特許文献4には、挟み込みセンサと電線端末とをコネクタにより導通接続するものが記載されているが、コネクタには挟み込みセンサの中空部に差し込まれる挿入連結部とは別に2本の端子が挟み込みセンサ側に突出するものであるので構造が複雑であるのに加え、2本の端子を挟み込みセンサ側に設けられた金属電極の下縁に接触するように上手に位置決めしつつ挿入させる必要があるため組付けに手間がかかるといった問題がある。
前記インサート(50)は、その一端側を、非導電材からなる中央板(50C)を導電材からなる上下板(50A,50B)で挟み込んだ構造として、前記インサート(50)が圧入された状態では前記上下板(50A,50B)を、前記2本の芯線(31,32)を覆う導電材(34,35)にそれぞれ接触させるとともに、前記上下板(50A,50B)には前記リード線(36,39a,39b)がそれぞれ固定されてなることを特徴とする。
なお、ここで、「電気信号の変化」には、2本の芯線が短絡することによる変化や、静電容量の変化が含まれる。
前記インサート(50)は、その一端側を、非導電材からなる板状の構造として、その上下面からそれぞれ突出するように前記リード線(36,39a,39b)を固定し、前記インサート(50)が圧入された状態では前記固定したリード線(36,39a,39b)を、前記2本の芯線(31,32)を覆う導電材(34,35)にそれぞれ接触させてなることを特徴とする。
よって、従来例で示したように特に接着剤を使用することはなくまた抵抗溶接やハンダ付による結線も不要である。その結果、余分な工程が不要で接着不良となることもなく、一旦取付けられた後でも補修や交換などの際にはインサートを引き抜くだけで容易に取外すことができる。
本発明の実施形態に係るセンサー付きプロテクター10は、図9で示したようなスライドドア1によって車体の開口部を開閉する自動車におけるそのスライドドア1の前端面に車体前側に向けて突出するように取付けられ、スライドドア1とボディ側開口部(フロントドア(サイドドア)の場合もある)との間に人体の一部(指や手足)などの異物が挟まった場合にその挟み込みを検知して対応する電気信号を出力するセンサー(感圧センサー)Sが取付けられたものであり、図11乃至図13で示した部分では、従来例で示したものと同一の構成であるが、インサート50の構成が従来例で示したインサート25とは相違するとともに、図1乃至図3に示すように、芯線(電極線)31,32と抵抗器39の足39a,39bとを電気的に接続する部分の構造が相違するものであり、又は図4に示すように、芯線(電極線)31,32と電気信号の変化から異物存在の判定を行う制御装置40に接続されたリード線36とを電気的に接続する部分の構造が相違するものである。従来例と同一部分には同一符号を付した。なお、ここで、「電気信号の変化」には、2本の芯線31,32が短絡することによる変化や、静電容量の変化が含まれる。
そして、センサー付きプロテクター10の上側端末部分では、図1に示すようにインサート50によって上側端末部分において開口した中空部12の空間部33が塞がれる。
特に限定されるわけではないが、ここでは、挿入部51の横幅よりも突出部52の横幅を小さくして段部51Sを設け、これらを覆う型成形材料に対する接触部分を多くしている。
挿入部51は、中空部12の空間部33に圧入されるように空間部33とほぼ同じ又は少し大きな断面形状により、空間部33を隙間なく塞ぐことで、その後の型成形時に型成形材料が空間部33に流れ込みセンサー機能が損なわれることを防止している。
その後、センサー付きプロテクター10の上側端末部分は型成形され、インサート50及び抵抗器39が型成形内部に埋められ露出しないようにされる。
よって、従来例で示したように特に接着剤を使用することはなくまた抵抗溶接やハンダ付による結線も不要である。その結果、余分な工程が不要で接着不良となることもなく、一旦取付けられた後でも補修や交換などの際にはインサート50を引き抜くだけで容易に取外すことができる。
このとき、制御装置40に接続された2本のリード線36が被覆部37から剥き出しにされた状態で上下板50A,50Bに形成された配線溝部53a,53bに納められ、押さえ部材54a,54bが当接することによって固定される。そして、インサート50の圧入によって上下板50A,50Bの表面から突出したリード線36が直接、2本の芯線31,32を覆う導電材34,35にそれぞれ接触する。
これにより、芯線31,32の先端とリード線36の先端同士を直接結線しなくてもさらには重ね合わせなくても両者は電気的に接続される。
このとき、抵抗器39の足39a,39bは表面に突出していないので、インサート50の圧入によって抵抗器39の足39a,39bが直接、2本の芯線31,32を覆う導電材34,35にそれぞれ接触するものではないが、上下板50A,50Bの部位が導電材34,35にそれぞれ接触することで抵抗器39と2本の芯線31,32は電気的に接続されるようになっている。また、抵抗器39がインサート50に良く固定される。そして中空部12の空間部33に圧入する際にも、抵抗器39の足39a,39bの端部が2本の芯線31,32を覆う導電材34,35に引っかかったり、これらを傷付けたりすることが無い。なお穴55a,55bは予めに成形してあってもよいが、抵抗器39の足39a,39bを上下板50A,50Bに差し込んで埋めることで成形されるものでもよい。
また、図6に示すように、インサート50の全体(挿入部51側だけであってもよい)を非導電材からなる板状の構造として、その上下面からそれぞれ突出するように抵抗器39の足39a,39bを固定し、インサート50が圧入された状態では固定した抵抗器39の足39a,39bを、直接、2本の芯線31,32を覆う導電材34,35にそれぞれ接触させるようにしてもよい。インサート50の上下面に配線溝部53a,53bを形成してそれら配線溝部53a,53bに抵抗器39の足39a,39bの一部分が突出するように抵抗器39の足39a,39bを納めてもよいが、ここでは配線溝部53a,53bを形成することなくインサート50の上下面に抵抗器39の足39a,39bをそのまま固定している。
このようにすると、返し部材56が2本の芯線31,32を覆う導電材34,35に食い込み、インサート50が中空部12の空間部33に固定されるとともに、電気的な接触も良くなる。
また、端末部分の型成形についても、図8に示すように、インサート50の突出部52と抵抗器39の本体及び足39a,39bの外側を覆うように型成形材料によって1次シールXを施した後に、その1次シールXが施された部分と端末部分のさらに外側を覆うように同じく型成形材料によって2次シールYを施すようにしてもよい。なお、図8(a)は、2次シールYを中空部12の端末断面だけでなく端末周縁に重なるように接着させるように型成形(オーバーモールディング)したものであり、図8(b)は、2次シールYを中空部12の端末断面のみに接着させるように型成形したものであり、図1及び図4で示した型成形についても種々な方法を採ることができる。
また、センサー付きプロテクター10をバックドアやサンルーフ2(図10)に適用することもできる。
2 サンルーフ
10 センサー付きプロテクター
11 取付基部
11a 車内側壁
11b 車外側壁
11c 連結壁
12 中空部
13 チャンネル部
14 保持リップ
15 芯材
16 装飾用リップ
20 センサー付きプロテクター
25 インサート
31,32 芯線
33 空間部
34,35 ゴム様弾性体
36 リード線
37 被覆部
39 抵抗器
39a,39b 抵抗器の足
40 制御装置
50 インサート
50A 上板
50B 下板
50C 中央板
51 挿入部
51S 段部
52 突出部
52a 凹部
53a,53b 配線溝部
54a,54b 押さえ部材
55a,55b 穴
56 返し部材
60 インサート
61 挿入部
62 突出部
63,64 リップ部
65 凹部
M 結線部
S センサー(感圧センサー)
W ワイヤーハーネス
X 1次シール
Y 2次シール
Claims (5)
- 自動車のドアやサンルーフなどのように、車体の開口部を開閉する開閉物の周縁や、前記開口部の周縁に取付けられる取付基部と、その取付基部に一体成形され、それぞれ導電材で覆われた2本の芯線が空間部を介して設けられた中空部を備え、前記開閉物の閉時に前記開閉物と前記開口部との間に挟み込まれた異物により前記中空部が押圧されて潰れると、それに対応した電気信号の変化によって前記異物の存在を検知し、端末部分では前記芯線が、制御装置又は電気部品に接続されたリード線に電気的に接続されるとともに、前記空間部を塞ぐように、インサートの一端側が圧入された状態で型成形されてなるセンサー付きプロテクターであって、
前記インサートは、その一端側を、非導電材からなる中央板を導電材からなる上下板で挟み込んだ構造として、前記インサートが圧入された状態では前記上下板を、前記2本の芯線を覆う導電材にそれぞれ接触させるとともに、前記上下板には前記リード線がそれぞれ固定されてなることを特徴とするセンサー付きプロテクター。 - 前記上下板の表面には、前記リード線がそれぞれ納められる配線溝部が形成されるとともに、前記配線溝部に納められた前記リード線が前記上下板の表面から浮き上がることを前記リード線に当接して規制する押さえ部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のセンサー付きプロテクター。
- 前記上下板の表面には、前記リード線がそれぞれ差し込まれる穴が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサー付きプロテクター。
- 自動車のドアやサンルーフなどのように、車体の開口部を開閉する開閉物の周縁や、前記開口部の周縁に取付けられる取付基部と、その取付基部に一体成形され、それぞれ導電材で覆われた2本の芯線が空間部を介して設けられた中空部を備え、前記開閉物の閉時に前記開閉物と前記開口部との間に挟み込まれた異物により前記中空部が押圧されて潰れると、それに対応した電気信号の変化によって前記異物の存在を検知し、端末部分では前記芯線が、制御装置又は電気部品に接続されたリード線に電気的に接続されるとともに、前記空間部を塞ぐように、インサートの一端側が圧入された状態で型成形されてなるセンサー付きプロテクターであって、
前記インサートは、その一端側を、非導電材からなる板状の構造として、その上下面からそれぞれ突出するように前記リード線を固定し、
前記インサートが圧入された状態では前記固定したリード線を、前記2本の芯線を覆う導電材にそれぞれ接触させてなることを特徴とするセンサー付きプロテクター。 - 前記インサートの一端側の表面には、前記インサートが圧入された状態を保持する返し部材が設けられたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載のセンサー付きプロテクター。
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