JP2015090484A - レンズユニットおよび撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、光学素子間嵌合法を用いたレンズユニットにおいて、有害光や迷光をより低減できるレンズユニットおよび撮像装置を提供する。【解決手段】本発明のレンズユニットLUaおよび撮像装置IDaは、複数の第1ないし第5レンズ21、22a、23〜25を備える撮像光学系2aと、撮像光学系2aを保持する撮像光学系保持部1とを備え、第2レンズ22aは、物体からの光束を通過させる有効領域部と、光軸と直交する直交方向において前記有効領域部を囲むように設けられた非有効領域部と、前記直交方向における前記有効領域部と前記非有効領域部との間に設けられ、互いの光軸を一致させるように、隣接する光学素子と嵌合する嵌合凹部および嵌合凸部と、前記非有効領域部の外周側面に設けられ、光を散乱する散乱部221aとを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、物体の光学像を結像する撮像光学系を備えたレンズユニットおよび前記レンズユニットを用いた撮像装置に関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の固体撮像素子は、その高性能化や小型化が進展し、これに伴って、このような撮像素子を用いた撮像装置は、様々な分野に利用されている。例えば、この撮像装置は、携帯電話機や携帯情報端末等のデジタル機器に好適に搭載され、また例えば、車両等に好適に搭載されつつある。特に、車載用撮像装置は、例えば車両の走行を支援する走行支援システムや、車両の駐車を支援する駐車支援システム等に好適に利用される。
このような撮像装置において、画像の高精度化や機器の小型化を達成するためには、撮像素子の高性能化や小型化だけでなく、この撮像素子の受光面(撮像面)に物体(被写体)の光学像を結像する撮像光学系における光学性能の高度化や小型化が必要とされる。撮像光学系における光学性能の高度化には、諸収差を良好に補正することも必要であるが、それだけでなく、フレアやゴーストの発生を抑制することも必要である。このフレアやゴーストの発生抑制には、光学素子の有効領域外や光学素子の外周面に、被写体の撮像に不必要な有害光が入射した場合や、複数の光学素子における各面間での内部反射で迷光が生じた場合に、これら有害光や迷光を撮像素子の有効画素領域に到達させないように対策することが、重要である。
このような対策として、例えば、特許文献1および特許文献2に開示された技術がある。この特許文献1に開示された光学素子は、撮影光学系に組み込まれ、撮影光軸を中心として撮影に寄与する有効光束を通過させる有効径エリアと、この有効径エリアを囲む有効径外エリアと、この有効径外エリアを囲む外周面とを備えた光学素子であって、物体側の面から入射し、像面側の面で反射して前記外周面に入射し、その外周面で反射した光線が像面に入射しないように、前記外周面の厚み方向の少なくとも一部、または周方向の少なくとも一部を、撮影光軸に対して傾きをもつ非平行面にしたものである。前記特許文献1によれば、「撮影光学系を構成しているレンズの有効径外あるいはコバ面に内面側から有害光が入射したとき、その入射面に墨塗りし、あるいは粗面化処理しておいたとしても、有害光の入射角が小さくしかも十分な強度をもっている場合には、その正反射光を実用上問題のない程度まで減衰させることは難しい」(特許文献1の[0005]段落参照)と認識されている一方、このような前記特許文献1に開示された光学素子は、「撮影に寄与する光線よりも大きな角度で入射してくる有害光が外周面に入射してそこで内面反射されるときに、反射される有害光の反射の方向が非平行面によって変えられるため、撮像素子に向かうことがなくなる。この結果、たとえ外周面に粗面化処理や墨塗り処理のような低反射処理を施さない場合であっても、外周面で内面反射された有害光によるゴーストやフレアを、実用上問題にならない程度にまで低減させることが可能となる」(特許文献1の[0013]段落参照)と認識されている。
前記特許文献2に開示された光学素子は、上側の光学面と下側の光学面の外形間に、入射光が内部で乱反射する側面を有し、少なくとも該側面と下側の光学面との間に、該側面からの乱反射光を全反射する傾斜面が形成されているものである。このような光学素子は、前記特許文献2によれば、少なくとも側面と下側の光学面との間に、側面からの乱反射光を全反射する傾斜面が形成されているので、レンズ側面で反射した迷光が撮像素子の撮像領域に到達しないようにすることによりゴーストやフレアの原因を防止することが可能となる(特許文献2の[0033]段落参照)。
ところで、撮像光学系は、一般に、複数の光学素子と、これら複数の光学素子を保持する鏡胴(レンズバレル)とを備えて構成され、このような撮像光学系では、各光学素子に所期の光学性能を発揮させることによって撮像光学系全体で所期の光学性能を達成させるために、各光学素子の各光軸を互いに一致させる光軸合わせが必要である。この光軸合わせは、従前、前記鏡胴の内径を順次に階段状に各光学素子の外径に略一致させ、各光学素子を前記鏡胴に押し入れて嵌め込むことによって実施されていた。しかしながら、近年の小型化によって各光学素子を前記鏡胴に押し入れて嵌め込むことが難しく、さらに、前記小型化に伴って偏芯感度もスケールダウンする結果、偏芯感度が相対的に高くなり、このため、所期の精度で各光学素子の各光軸を互いに一致させ難くなって来ている。特に、例えば携帯電話機や携帯情報端末等のデジタル機器に搭載される撮像光学系は、最大外径が数mm(例えば約6〜3mm程度)であって光軸方向の最小厚さがサブmm(例えば約0.3〜0.1mm)であり、上記各難点は、重大な問題となる。なお、偏芯感度(平行偏芯感度)は、2つの部材において、光軸に直交する直交方向における一方の部材の光軸と他方の部材の光軸との位置ズレ量が光学性能に与える影響度(光学性能を変化させる割合)であり、位置ズレ量が大きくても光学性能に与える影響度が小さいほど(光学性能があまり変化しないほど)、偏芯感度は、低く、一方、位置ズレ量が小さくても光学性能に与える影響度が大きいほど(光学性能が大きく変化するほど)、偏芯感度は、高い。
そのため、保持および光軸合わせを鏡胴で実現する従前の方法に代わる方法として、光軸方向で互いに隣接する光学素子同士で前記保持および光軸合わせを実現する光学素子間嵌合法がある。この光学素子間嵌合法では、一方の光学素子に他方の光学素子を押し入れる距離(行程長)は、鏡胴に光学素子を押し入れる従前の場合における距離に較べて短いため、前記嵌め込みに伴う難点が軽減される。光軸合わせを鏡胴で実現する従前の場合では、順次に階段状に変化する各内径を全て各光学素子の各偏芯感度内で実現するように鏡胴を製作し、そして、鏡胴に歪みを生じさせないように各光学素子を押し入れて嵌め込む必要があるが、この光学素子間嵌合法では、一方の光学素子は、他方の光学素子に対し偏芯感度内になるように製作されれば良く、前記偏芯感度の難点が軽減される。
ところが、この光学素子間嵌合法では、上述の有害光や迷光を撮像素子の有効画素領域に到達させないように遮光板によって対策することが難しい。より詳しくは、上述の有害光や迷光に対する対策として遮光板が用いられる場合、遮光板は、従前、互いに隣接する光学素子の各外径のうちの大きい方の外径以上の外径で製作され、これら光学素子間に配置される。すなわち、遮光板は、従前、光学素子の外周端まで存在し、上述の有害光や迷光を遮光するように機能している。しかしながら、この光学素子間嵌合法では、遮光板を光学素子間に配設する場合、嵌合のための段差によって遮光板は、光学素子の外周端まで届かず、これら光学素子間に遮光板の無い領域が存在してしまう。このため、上述の有害光や迷光の全てを遮光板によって遮光することが難しい。
前記特許文献1および特許文献2に開示された対策は、保持および光軸合わせを鏡胴で実現する従前のレンズユニットに適用されたものであり、光学素子間嵌合法を用いたレンズユニットに対する適用を想定していない。そして、前記特許文献1および特許文献2に開示された対策は、撮像素子の有効画素領域に向かわないように、反射によって有害光や迷光の伝播経路を制御するものであり、撮像素子の有効画素領域に向かう有害光や迷光における光量を制御する技術思想は、前記特許文献1および特許文献2には開示も示唆もされていない。特に、前記特許文献1は、その[0005]段落や[0013]段落に記載されているように、粗面化処理が排除されている。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、光学素子間嵌合法を用いたレンズユニットにおいて、有害光や迷光をより低減できるレンズユニットおよび前記レンズユニットを用いた撮像装置を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかるレンズユニットは、複数の光学素子を備え、物体の光学像を結像する撮像光学系と、前記撮像光学系を保持する撮像光学系保持部とを備え、前記複数の光学素子のうちの少なくとも1つは、物体からの光束を通過させる有効領域部と、光軸と直交する直交方向において前記有効領域部を囲むように設けられた非有効領域部と、前記直交方向における前記有効領域部と前記非有効領域部との間に設けられ、互いの光軸を一致させるように、隣接する光学素子と嵌合する嵌合凹部または嵌合凸部と、前記非有効領域部の外周側面に設けられ、光を散乱する散乱部とを備えたことを特徴とする。
このようなレンズユニットは、光学素子間嵌合法の構造を持つ光学素子における前記非有効領域部の外周側面に散乱部を設けたので、外周側面に入射した光を散乱部で散乱できるから、撮像素子の有効画素領域に向かう有害光や迷光を低減でき、物体の光学像の画像を形成する上で問題とならない程度に低減することが可能となる。このため、このようなレンズユニットは、光学素子間嵌合法を用いたレンズユニットであっても、有害光や迷光をより低減できる。
また、他の一態様では、上述のレンズユニットにおいて、前記散乱部は、前記非有効領域部の前記外周側面を粗面化したシボ層であることを特徴とする。
このようなレンズユニットは、粗面化によって簡単に前記散乱部を実現できる。
また、他の一態様では、上述のレンズユニットにおいて、前記散乱部の表面は、光軸に対し傾斜した傾斜面であることを特徴とする。
このようなレンズユニットは、傾斜面とすることで、さらに、撮像素子の有効画素領域に向かう有害光や迷光を低減でき、金型による成形で前記散乱部を形成する場合でも、表面の傾斜した前記散乱部がいわゆる抜きテーパとなり、容易に型抜き(離型)できる。
そして、本発明の他の一態様にかかる撮像装置は、光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、物体の光学像を前記撮像素子の受光面上に前記撮像光学系によって結像するこれら上述のいずれかのレンズユニットとを備えることを特徴とする。
このような撮像装置は、これら上述のいずれかのレンズユニットを備えるので、光学素子間嵌合法が用いられている場合であっても、有害光や迷光をより低減できる。
本発明にかかるレンズユニットおよびこれを用いた撮像装置は、光学素子間嵌合法が用いられている場合でも、有害光や迷光をより低減できる。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における撮像装置の構成を示す断面図である。図2は、図1に示す撮像装置の一部拡大図である。
図1は、第1実施形態における撮像装置の構成を示す断面図である。図2は、図1に示す撮像装置の一部拡大図である。
第1実施形態における撮像装置は、物体(被写体)の光学像を撮像し、前記光学像に応じた電気的な画像データを生成する装置である。第1実施形態における撮像装置は、静止画の画像データを生成して良く、および/または、動画の画像データを生成して良い。なお、Aおよび/またはBは、AおよびBのうちの少なくとも一方を意味する。このような第1実施形態の撮像装置IDaは、例えば、図1に示すように、レンズユニットLUaと、平行平板FTと、撮像素子ISとを備える。
レンズユニットLUaは、撮像光学系保持部1と、撮像光学系2aと、遮光板3を備え、物体(被写体)の光学像を撮像素子ISの受光面上にその撮像光学系2によって結像するものである。
撮像光学系保持部1は、撮像光学系2aを収容し、撮像光学系2aを保持する部材である。撮像光学系保持部1は、撮像光学系2aの全部(全体)を収容して良く、また、本実施形態のレンズユニットLUaは、光学素子間嵌合法を用いていることから、撮像光学系2aの一部を収容してよい(すなわち、撮像光学系2の一部が撮像光学系保持部1の外部に露出しても良い)。撮像光学系保持部1は、撮像素子ISで光電変換される波長帯の光を遮光する材料で形成される。
撮像光学系保持部1は、例えば、本実施形態では、図1および図2に示すように、大略、撮像光学系2aにおける各光学素子の外形形状に応じた円筒形状の部材である。円筒形状の撮像光学系保持部1は、外周側面の物体側端部から、光軸AXに直交する直交方向で径方向内側に所定の長さだけ延設されたフランジ部を有している。すなわち、円筒形状の撮像光学系保持部1における物体側端部には、円形に貫通開口するように形成された貫通孔を持つ環状円板が接続されている。前記貫通孔は、撮像光学系2の開口絞りであり、レンズユニットLUaの撮像光学系2aは、前絞りである。なお、本実施形態では、前絞りであるが、撮像光学系2aの絞りは、撮像光学系2aの光学特性に応じた適宜な位置に配置されて良く、例えば、撮像光学系2aにおける光学素子間に配置される中絞りであっても良い。
そして、撮像光学系保持部1の内径(内直径)は、物体側から像側へ順次に階段状に大きくなっている。より具体的には、撮像光学系2aにおける後述の第1レンズ21が配置される位置では、撮像光学系保持部1の内径(内直径)は、前記第1レンズ21の外周側面と当接するように、前記第1レンズ21の外径(外直径)に略等しい。撮像光学系2aにおける後述の第2ないし第4レンズ22a、23、24が配置される各位置では、撮像光学系保持部1の各内径(各内直径)は、それぞれ、前記第2ないし第4レンズ22a、23、24の外周側面から離間するように、前記第2ないし第4レンズ22a、23、24の各外径(外直径)より大きい。そして、撮像光学系2aにおける後述の第5レンズ25が配置される位置では、撮像光学系保持部1の内径(内直径)は、前記第5レンズ25の外周側面と当接するように、前記第5レンズ25の外径(外直径)に略等しい。なお、上述のように第2ないし第4レンズ22a、23、24は、撮像光学系保持部1の内周側面から離間するので、これら第2ないし第4レンズ22a、23、24が配置される範囲では、撮像光学系保持部1の内径(内直径)は、物体側から像側へ順次に連続的に大きくなっていてもよい。
撮像光学系2aは、複数の光学素子を備え、物体の光学像を所定の結像面に結像するものである。光学素子は、本実施形態では、所定の屈折力(焦点距離の逆数、光学的パワー)を持つ光学レンズである。撮像光学系2aにおけるこれら複数の光学素子は、それぞれ、光軸AXを中心として設けられ、撮像素子ISで撮像するために物体からの光束を通過させる有効領域部と、光軸AXと直交する直交方向において前記有効領域部を囲むように設けられた非有効領域部とを備える。そして、本実施形態では、撮像光学系2におけるこれら複数の光学素子のうちの少なくとも1つは、さらに、前記直交方向における前記有効領域部と前記非有効領域部との間に設けられ、互いの光軸を一致させるように、隣接する光学素子と嵌合する嵌合凹部または嵌合凸部と、前記非有効領域部の外周側面に設けられ、光を散乱する散乱部とを備えている。
より具体的には、撮像光学系2aは、図1および図2に示す例では、5枚の第1ないし第5レンズ21、22a、23、24、25を備える。
第1レンズ21は、物体側に凸面を向けた形状の有効領域部と、前記直交方向において前記有効領域部を囲むように設けられた非有効領域部と、前記直交方向における前記有効領域部と前記非有効領域部との間に設けられ、第2レンズ22aに対し互いの光軸を一致させるように、第2レンズ22aと嵌合する嵌合凹部とを備える。前記嵌合凹部は、第1レンズ21の像側面に設けられる。すなわち、第1レンズ21の像側面において、前記有効領域部と前記非有効領域部との間で光軸方向に段差が設けられることで、光軸方向で物体側に窪む前記嵌合凹部が形成される。前記段差は、光軸方向において、前記有効領域部における像側面の高さ位置と前記非有効領域部における像側面の高さ位置とを異ならせることで形成される。言い換えれば、前記嵌合凹部の前記段差は、前記有効領域部における像側面の高さ位置を前記非有効領域部における像側面の高さ位置に対し相対的に物体側に寄せることで形成される。前記段差の面は、光軸に対し傾斜した傾斜面(テーパ面)となっており、前記嵌合凹部の内径は、前記段差部分で物体側から像側に向けて順次に滑らかに大きくなる。
第2レンズ22aは、像側に凹面を向けた形状の有効領域部と、前記直交方向において前記有効領域部を囲むように設けられた非有効領域部と、前記直交方向における前記有効領域部と前記非有効領域部との間に設けられ、第1レンズ21に対し互いの光軸を一致させるように、第1レンズ21と嵌合する嵌合凸部と、前記直交方向における前記有効領域部と前記非有効領域部との間に設けられ、第3レンズ23に対し互いの光軸を一致させるように、第3レンズ23と嵌合する嵌合凹部とを備える。前記嵌合凸部は、第2レンズ22aの物体面に設けられる。すなわち、第2レンズ22aの物体面において、前記有効領域部と前記非有効領域部との間で光軸方向に段差が設けられることで、光軸方向で物体側に突出する前記嵌合凸部が形成される。前記段差は、光軸方向において、前記有効領域部における物体側面の高さ位置と前記非有効領域部における物体側面の高さ位置とを異ならせることで形成される。言い換えれば、前記嵌合凸部の前記段差は、前記有効領域部における物体側面の高さ位置を前記非有効領域部における物体側面の高さ位置に対し相対的に物体側に寄せることで形成される。前記段差の面は、光軸に対し傾斜した傾斜面となっており、第1レンズ21の前記段差の面に応じて前記嵌合凸部の外径は、前記段差部分で物体側から像側に向けて順次に滑らかに大きくなる。そして、前記嵌合凹部は、第2レンズ22aの像側面に設けられる。すなわち、第2レンズ22aの像側面において、前記有効領域部と前記非有効領域部との間で光軸方向に段差が設けられることで、光軸方向で物体側に窪む前記嵌合凹部が形成される。前記段差の面は、光軸に対し傾斜した傾斜面となっており、前記嵌合凹部の内径は、前記段差部分で物体側から像側に向けて順次に滑らかに大きくなる。
そして、第2レンズ22aは、さらに、前記非有効領域部の外周側面に設けられ、光を散乱する散乱部221aを備える。この散乱部221aは、前記非有効領域部の前記外周側面を粗面化したシボ層である。このシボ層における表面は、表面粗さが十点平均粗さで約10μm以下であり、好ましくは、約4〜6μmである。このような表面粗さの表面は、例えば、粗面の押し型としてアヤマダイ株式会社の#1003等を用いることで形成される。そして、このシボ層の散乱部221aにおける表面は、光軸AXに対し傾斜した傾斜面であり、前記非有効領域部の外径は、物体側から像側へ向けて順次に滑らかに大きくなっている。
第3レンズ23は、像側に凸面を向けた形状の有効領域部と、前記直交方向において前記有効領域部を囲むように設けられた非有効領域部と、前記直交方向における前記有効領域部と前記非有効領域部との間に設けられ、第2レンズ22aに対し互いの光軸を一致させるように、第2レンズ22aと嵌合する嵌合凸部と、前記直交方向における前記有効領域部と前記非有効領域部との間に設けられ、第4レンズ24に対し互いの光軸を一致させるように、第4レンズ24と嵌合する嵌合凹部とを備える。前記嵌合凸部は、第3レンズ23の物体面に設けられる。すなわち、第3レンズ23の物体面において、前記有効領域部と前記非有効領域部との間で光軸方向に段差が設けられることで、光軸方向で物体側に突出する前記嵌合凸部が形成される。前記段差の面は、光軸に対し傾斜した傾斜面となっており、第2レンズ22aの前記段差の面に応じて前記嵌合凸部の外径は、前記段差部分で物体側から像側に向けて順次に滑らかに大きくなる。そして、前記嵌合凹部は、第3レンズ23の像側面に設けられる。すなわち、第3レンズ23の像側面において、前記有効領域部と前記非有効領域部との間で光軸方向に段差が設けられることで、光軸方向で物体側に窪む前記嵌合凹部が形成される。前記段差の面は、光軸に対し傾斜した傾斜面となっており、前記嵌合凹部の内径は、前記段差部分で物体側から像側に向けて順次に滑らかに大きくなる。
第4レンズ24は、像側に凸面を向けた形状の有効領域部と、前記直交方向において前記有効領域部を囲むように設けられた非有効領域部と、前記直交方向における前記有効領域部と前記非有効領域部との間に設けられ、第3レンズ23に対し互いの光軸を一致させるように、第3レンズ23と嵌合する嵌合凸部とを備える。前記嵌合凸部は、第4レンズ24の物体面に設けられる。すなわち、第4レンズ24の物体面において、前記有効領域部と前記非有効領域部との間で光軸方向に段差が設けられることで、光軸方向で物体側に突出する前記嵌合凸部が形成される。前記段差の面は、光軸に対し傾斜した傾斜面となっており、第3レンズ23の前記段差の面に応じて前記嵌合凸部の外径は、前記段差部分で物体側から像側に向けて順次に滑らかに大きくなる。
第5レンズ25は、両側に凹面を向けた形状の有効領域部と、前記直交方向において前記有効領域部を囲むように設けられた非有効領域部とを備える。
なお、撮像光学系2aにおけるレンズの枚数およびその有効領域部の形状は、撮像光学系2aの光学特性(諸収差)に応じて適宜に設計され、図1および図2に示す第1ないし第5レンズ21、22a、23、24、25は、その一例に過ぎない。
これら第1ないし第5レンズ21、22a、23、24、25は、例えばガラス材料で形成されたガラス製レンズであって良く、また例えば樹脂材料(例えばプラスチック等)で形成された樹脂材料製レンズであって良い。なお、軽量化の観点から、好ましくは、これら第1ないし第5レンズ21、22a、23、24、25は、樹脂材料製レンズである。そして、これら第1ないし第5レンズ21、22a、23、24、25は、例えば、金型による成形で形成される。このような金型成形において、第2レンズ22aのシボ層の散乱部221aは、散乱部221aに対応する金型の表面を粗面化することによって、金型によって成形可能である。
遮光板3は、撮像素子ISで撮像するために物体からの光束を通過させ、そして、撮像素子ISへ向かう有害光や迷光を妨げるための部材である。遮光板3は、例えば、撮像素子ISで光電変換される波長帯の光を遮光する材料で形成され、円形に貫通開口するように形成された貫通孔を持つ環状円板である。このような遮光板3は、撮像素子ISへ向かう有害光や迷光を妨げるために、撮像光学系2aにおける適宜な光学素子間に配置される。
図1および図2に示す例では、遮光板3は、3枚の第1ないし第3遮光板31、32、33を備える。第1遮光板31は、第2レンズ22aと第3レンズ23との間に配置され、第2遮光板32は、第3レンズ23と第4レンズ24との間に配置され、そして、第3遮光板33は、第4レンズ24と第5レンズ25との間に配置される。これら第1ないし第3遮光板31〜33における各貫通孔の各径(直径)は、それぞれ、撮像素子ISで撮像するために物体からの光束における、撮像光学系2aの設計に応じた当該各配置位置での各径(直径)に相当した径(直径)である。第1遮光板31の外径(外直径)は、第2レンズ22aにおける嵌合凹部の内径(内直径)に略相当する径(直径)であり、第1遮光板31は、第2レンズ22aの嵌合凹部に嵌め込まれて配設される。したがって、図1および図2に示すように、第3レンズ23における物体側面に設けられた嵌合凸部の端面は、第2レンズ22aにおける像側面に設けられた嵌合凹部の端面に第1遮光板31を介して当接する。第2遮光板32の外径(外直径)は、第3レンズ23における嵌合凹部の内径(内直径)に略相当する径(直径)であり、第2遮光板32は、第3レンズ23の嵌合凹部に嵌め込まれて配設される。したがって、図1および図2に示すように、第4レンズ24における物体側面に設けられた嵌合凸部の端面は、第3レンズ23における像側面に設けられた嵌合凹部の端面に第2遮光板32を介して当接する。そして、第3遮光板33の外径(外直径)は、第4レンズ24の像側面の配置位置(または第5レンズ25の物体側面の配置位置)での撮像光学系保持部1の内径(内直径)に略相当する径(直径)であり、第3遮光板33は、撮像光学系保持部1に嵌め込まれて配設される。したがって、図1および図2に示すように、第5レンズ25における非有効領域部の物体側面は、第4レンズ24における非有効領域部の像側面に第3遮光板33を介して当接する。
このようなレンズユニットLUaは、大略、次のように作製される。まず、金型による成型によって撮像光学系保持部1、第1ないし第5レンズ21、22a、23〜25、および、第1ないし第3遮光板31〜33がそれぞれ作製される。
次に、第1レンズ21が撮像光学系保持部1内に入れられ、第1レンズ21の配置位置まで撮像光学系保持部1の内周側面を摺動し、撮像光学系保持部1内における第1レンズ21の配置位置に嵌め込まれる。これによって第1レンズ21は、撮像光学系保持部1と光軸合わせが行われ、撮像光学系保持部1に保持される。次に、第2レンズ22aが撮像光学系保持部1内に入れられ、第2レンズ22aの嵌合凸部が第1レンズ21の嵌合凹部に嵌め込まれる。これによって第2レンズ22aは、第1レンズ21と光軸合わせが行われ、第1レンズ21に保持される。次に、第1遮光板31が撮像光学系保持部1内に入れられ、第2レンズ22aの嵌合凹部に嵌め込まれる。次に、第3レンズ23が撮像光学系保持部1内に入れられ、第3レンズ23の嵌合凸部が第1遮光板31を介して第2レンズ22aの嵌合凹部に嵌め込まれる。これによって第3レンズ23は、第2レンズ22aと光軸合わせが行われ、第2レンズ22aに保持される。次に、第2遮光板32が撮像光学系保持部1内に入れられ、第3レンズ23の嵌合凹部に嵌め込まれる。次に、第4レンズ24が撮像光学系保持部1内に入れられ、第4レンズ24の嵌合凸部が第2遮光板32を介して第3レンズ23の嵌合凹部に嵌め込まれる。これによって第4レンズ24は、第3レンズ23と光軸合わせが行われ、第3レンズ23に保持される。次に、第3遮光板33が撮像光学系保持部1内に入れられ、嵌め込まれる。
なお、上述では、第1レンズ21、第2レンズ22a、第1遮光板31、第3レンズ23、第2遮光板32および第4レンズ24は、順次に撮像光学系保持部1内に入れられて組み付けられ、配設されたが、先に、第1レンズ21、第2レンズ22a、第1遮光板31、第3レンズ23、第2遮光板32および第4レンズ24が組み付けられ、これが撮像光学系保持部1内に入れられて配設されてもよい。
次に、第5レンズ25が撮像光学系保持部1内に入れられ、第5レンズ25の配置位置まで撮像光学系保持部1の内周側面を摺動し、撮像光学系保持部1内における第5レンズ25の配置位置に嵌め込まれる。これによって第5レンズ25は、撮像光学系保持部1と光軸合わせが行われ、撮像光学系保持部1に保持される。第5レンズ25は、偏芯感度が第1ないし第4レンズ21、22a、23、24に較べて相対的低いため、本実施形態では、第5レンズ25は、レンズレンズ嵌合法ではなく、撮像光学系保持部1の内周側面に当接し、保持および光軸合わせが実現されている。
そして、図1および図2に示すように、第5レンズ25の非有効領域部における像側面の周縁部と撮像光学系保持部1の内周側面との間に、例えば紫外線硬化型接着剤等の接着剤4が盛られ、第5レンズ25が撮像光学系保持部1に接着固定される。これによって撮像光学系2aが撮像光学系保持部1に接着固定される。このようにレンズユニットLUaは、大略、作製される。このレンズユニットLUaは、撮像光学系2aにおける光軸方向の両端に位置する第1および第5レンズ21、25が撮像光学系保持部1の内周側面に当接し、撮像光学系保持部1に保持されているので、撮像光学系2aを安定的に保持できる。
平行平板FTは、例えば赤外線カットフィルタ等の各種光学フィルタや、撮像素子ISのカバーガラス(シールガラス)等である。
撮像素子ISは、レンズユニットLUaの像側(図1に示す例では第5レンズ25の像側)に平行平板FTを介して配置され、レンズユニットLUaによって結像された物体(被写体)の光学像における光量に応じてR(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分の電気的な画像信号に光電変換して、所定の画像処理を行う画像処理回路(不図示)へ出力する素子である。撮像素子ISは、例えば、CCD型のイメージセンサや、CMOS型のイメージセンサ等である。前記図略の画像処理回路は、撮像素子ISで得られたR(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分の画像信号に対し、所定の画像処理を行って画像データを生成する回路であり、例えば、DSP(Digital Signal Processor)およびその周辺回路を備える。前記所定の画像処理は、例えば、撮像素子ISからのアナログ出力信号に対して行う増幅処理およびデジタル変換処理、画像全体に対して適正な黒レベルの決定処理、γ補正処理、ホワイトバランス調整(WB調整)処理、輪郭補正処理および色ムラ補正処理等の周知の画像処理である。
レンズユニットLUaと撮像素子ISとは、レンズユニットLUaにおける撮像光学系2の結像面の位置に、撮像素子ISの受光面の位置が一致するように互いに配置される(結像面=受光面)。すなわち、レンズユニットLUaの撮像光学系2が撮像素子ISの受光面上に物体の光学像を形成可能とされている。
このような撮像装置IDaでは、物体(被写体)の光学像は、レンズユニットLUaの撮像光学系2によりその光軸AXに沿って平行平板FTを介して撮像素子ISの受光面まで導かれ、撮像素子ISによって前記被写体の光学像が撮像される。
このような本実施形態におけるレンズユニットLUaおよび撮像装置IDaは、光学素子間嵌合法の構造を持つ第2レンズ22aにおける前記非有効領域部の外周側面に散乱部221aを設けたので、外周側面に入射した光を散乱部221aで散乱できるから、撮像素子ISの有効画素領域に向かう有害光や迷光を低減でき、物体の光学像の画像を形成する上で問題とならない程度に低減することが可能となる。
本実施形態におけるレンズユニットLUaおよび撮像装置IDaの作用効果を比較例のレンズユニットLUcと対比して説明する。図3は、比較例におけるレンズユニットの構成を示す断面図である。この比較例のレンズユニットLUcは、図3に示すように、第1実施形態のレンズユニットLUaにおける第2レンズ22aに代え、散乱部221aを備えない第2レンズ22cを備える点で、第1実施形態のレンズユニットLUaと相違し、他の点(他の構成)は、第1実施形態のレンズユニットLUaと同様である。
このような比較例のレンズユニットLUcでは、図3に破線で示すように、有害光は、第2レンズ22cにおける非有効領域部の外周側面で反射し、第1および第2遮光板が第2および第3レンズ22c、23における外周端まで届いていないため、第3レンズ23の非有効領域部、第4レンズ24および第5レンズ25を介して、撮像素子ISの有効画素領域へ向かう。このため、撮像素子ISは、有害光も受光し、撮像素子ISによって生成された画像データは、有害光によるノイズを含み、その画像は、劣化したものとなる。一方、本実施形態のレンズユニットLUaでは、有害光は、第2レンズ22aにおける非有効領域部の外周側面に設けられた散乱部221aで散乱され、撮像素子ISの有効画素領域へ向かう有害光は、低減される。物体の光学像の画像を形成する上で問題とならない程度に有害光を散乱部221aで低減することによって、上述の画像の劣化を防止できる。迷光も有害光と同様である。
したがって、本実施形態におけるレンズユニットLUaおよび撮像装置IDaは、光学素子間嵌合法を用いた場合でも、有害光や迷光をより低減できる。
また、本実施形態におけるレンズユニットLUaおよび撮像装置IDaは、散乱部221aがシボ層であるので、粗面化によって簡単に前記散乱部221aを実現できる。
また、本実施形態におけるレンズユニットLUaおよび撮像装置IDaは、散乱部221aの表面が傾斜面であるので、撮像素子ISの有効画素領域に向かう有害光や迷光をより低減でき、さらに、金型による成形で前記散乱部221aを形成する場合でも、表面の傾斜した前記散乱部221aがいわゆる抜きテーパとなり、容易に型抜き(離型)できる。
次に、別の実施形態について説明する。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態における撮像装置の構成を示す断面図である。図5は、図4に示す撮像装置の一部拡大図である。
図4は、第2実施形態における撮像装置の構成を示す断面図である。図5は、図4に示す撮像装置の一部拡大図である。
第2実施形態における撮像装置IDbは、そのレンズユニットLUbにおける第2レンズ22bの散乱部221bが第1実施形態におけるレンズユニットLUaにおける第2レンズ22aの散乱部221aと異なるものである。
この第2実施形態における撮像装置IDbは、図4に示すように、レンズユニットLUbと、平行平板FTと、撮像素子ISとを備え、第1実施形態における撮像装置IDaと同様に、物体(被写体)の光学像を撮像し、前記光学像に応じた電気的な画像データを生成する装置である。これら第2実施形態の撮像装置IDbにおける平行平板FTおよび撮像素子ISは、それぞれ、第1実施形態の撮像装置IDaにおける平行平板FTおよび撮像素子ISと同様であるので、その説明を省略する。
第2実施形態のレンズユニットLUbは、撮像光学系保持部1と、撮像光学系2bと、遮光板3を備え、第1実施形態のレンズユニットLUaと同様に、物体(被写体)の光学像を撮像素子ISの受光面上にその撮像光学系2bによって結像するものである。これら第2実施形態のレンズユニットLUbにおける撮像光学系保持部1および遮光板3は、それぞれ、第1実施形態のレンズユニットLUaにおける撮像光学系保持部1および遮光板3と同様であるので、その説明を省略する。
第2実施形態の撮像光学系2bは、第1実施形態の撮像光学系2aと同様に、複数の光学素子を備え、物体の光学像を所定の結像面に結像するものである。この撮像光学系2bは、図4および図5に示す例では、5枚の第1ないし第5レンズ21、22b、23、24、25を備える。これら第2実施形態の撮像光学系2bにおける第1および第3ないし第5レンズ21、23、24、25は、それぞれ、第1実施形態の撮像光学系2aにおける第1および第3ないし第5レンズ21、23、24、25と同様であるので、その説明を省略する。
この第2実施形態の第2レンズ22bは、第1実施形態の第2レンズ22aと同様に、像側に凹面を向けた形状の有効領域部と、前記直交方向において前記有効領域部を囲むように設けられた非有効領域部と、前記直交方向における前記有効領域部と前記非有効領域部との間に設けられ、第1レンズ21に対し互いの光軸を一致させるように、第1レンズ21と嵌合する嵌合凸部と、前記直交方向における前記有効領域部と前記非有効領域部との間に設けられ、第3レンズ23に対し互いの光軸を一致させるように、第3レンズ23と嵌合する嵌合凹部とを備える。
そして、第2レンズ22bは、さらに、前記非有効領域部の外周側面に設けられ、光を散乱する例えばシボ層の散乱部221bを備える。ここで、第1実施形態の撮像装置IDaのレンズユニットLUaにおける第2レンズ22aでは、図1および図2に示すように、第2レンズ22aにおける非有効領域部の外径は、物体側から像側へ向かうに従って順次に滑らかに大きくなり、散乱部221aの表面は、物体側から像側へ向かうに従って直交方向外側(径方向外側)に上がる第1傾斜面であるが、第2実施形態の撮像装置IDbのレンズユニットLUbにおける第2レンズ22bでは、図4および図5に示すように、第2レンズ22bにおける非有効領域部の外径は、物体側から像側へ向かうに従って順次に滑らかに小さくなり、散乱部221bの表面は、物体側から像側へ向かうに従って直交方向内側(径方向内側)に下がる第2傾斜面である。言い換えれば、第2実施形態の第2レンズ22bにおける非有効領域部の外径は、像側から物体側へ向かうに従って順次に滑らかに大きくなり、散乱部221bの表面は、像側から物体側へ向かうに従って直交方向外側(径方向外側)に上がる第2傾斜面である。このように第1実施形態における第2レンズ22aと第2実施形態における第2レンズ22bとは、これら散乱部221a、22bの傾斜の仕方の点で異なり、他の点は、同様である。
このような第2実施形態におけるレンズユニットLUbおよび撮像装置IDbは、第1実施形態におけるレンズユニットLUaおよび撮像装置IDaと同様に作用効果を奏し、撮像素子ISの有効画素領域に向かう有害光や迷光を低減でき、物体の光学像の画像を形成する上で問題とならない程度に低減することが可能となる。
なお、上述の第1および第2実施形態のレンズユニットLUa、LUbおよび撮像装置IDa、IDbでは、第2レンズ22a、22bの第1および第2外周側面に散乱部221a、221bがそれぞれ設けられたが、第3および第4レンズ23、24のうちの少なくとも一方における外周側面に、散乱部221a、221bと同様の散乱部が設けられても良い。第4レンズ24と第5レンズ25との間に設けられた遮光板33は、それらの外周端まで延設されている一方で、第3レンズ23と第4レンズ24との間に設けられた遮光板32は、第3レンズ23における嵌合凹部の段差までで、それらの外周端まで延設されていない。このため、特に、第3レンズ23の外周面に前記散乱部が設けられることが好ましい。
また、上述の第1および第2実施形態のレンズユニットLUa、LUbおよび撮像装置IDa、IDbにおいて、第2レンズ22a、22bの散乱部221a、221bの表面は、平面であるが、湾曲面であってもよい。前記湾曲面は、径方向外側に向けて突出する凸湾曲面であって良く、また逆に、径方向内側に向けて窪む凹湾曲面であって良い。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
IDa、IDb 撮像装置
LUa、LUb、LUc レンズユニット
IS 撮像素
1 撮像光学系保持部子
2a、2b、2c 撮像光学系
21 第1レンズ
22a、22b、22c 第2レンズ
23 第3レンズ
24 第4レンズ
25 第5レンズ
LUa、LUb、LUc レンズユニット
IS 撮像素
1 撮像光学系保持部子
2a、2b、2c 撮像光学系
21 第1レンズ
22a、22b、22c 第2レンズ
23 第3レンズ
24 第4レンズ
25 第5レンズ
Claims (4)
- 複数の光学素子を備え、物体の光学像を結像する撮像光学系と、
前記撮像光学系を保持する撮像光学系保持部とを備え、
前記複数の光学素子のうちの少なくとも1つは、
物体からの光束を通過させる有効領域部と、
光軸と直交する直交方向において前記有効領域部を囲むように設けられた非有効領域部と、
前記直交方向における前記有効領域部と前記非有効領域部との間に設けられ、互いの光軸を一致させるように、隣接する光学素子と嵌合する嵌合凹部または嵌合凸部と、
前記非有効領域部の外周側面に設けられ、光を散乱する散乱部とを備えたこと
を特徴とするレンズユニット。 - 前記散乱部は、前記非有効領域部の前記外周側面を粗面化したシボ層であること
を特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。 - 前記散乱部の表面は、光軸に対し傾斜した傾斜面であること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンズユニット。 - 光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、
物体の光学像を前記撮像素子の受光面上に前記撮像光学系によって結像する請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のレンズユニットとを備えること
を特徴とする撮像装置。
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2013
- 2013-11-07 JP JP2013231379A patent/JP2015090484A/ja active Pending
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