JP2015059274A - 複合繊維およびその製造方法 - Google Patents
複合繊維およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015059274A JP2015059274A JP2013191650A JP2013191650A JP2015059274A JP 2015059274 A JP2015059274 A JP 2015059274A JP 2013191650 A JP2013191650 A JP 2013191650A JP 2013191650 A JP2013191650 A JP 2013191650A JP 2015059274 A JP2015059274 A JP 2015059274A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- core
- sheath
- thermoplastic
- composite fiber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Abstract
Description
また、高強力高弾性繊維を成形加工する際にバインダー樹脂も必要になってくる。そこで、高強力高弾性繊維と他の繊維との複合繊維が数多く開発されてきた。
例えば、特開2008−240170号公報(特許文献1)には、高強力高弾性繊維である炭素繊維を芯部に、融点が80〜200℃のポリプロピレンなどからなる有機繊維を鞘部に配した芯鞘型の熱可塑性樹脂補強用複合糸が開示されている。この得られる補強用複合糸は、有機繊維の融点以上に加熱された熱可塑性樹脂浴中に浸漬され、鞘部の有機繊維を溶融しつつ、芯部の炭素繊維間に熱可塑性樹脂を含浸させて、樹脂含有ストランドを得ている。このときの芯部と鞘部の両繊維の重量比率は、炭素繊維100重量部に対し有機繊維が5〜100重量部としている。
維を含む鞘部とからなる芯鞘複合繊維と、該芯鞘複合繊維の周囲に配される熱可塑性繊維とを備えた複合繊維により達成される。また上記目的は、第2発明である熱可塑性樹脂を含む芯部と高強力高弾性繊維を含む鞘部とからなる芯鞘複合繊維の周囲に、熱可塑性繊維を巻き付ける複合繊維の製造方法によっても達成される。
(芯鞘繊維)
本発明の複合繊維5は、熱可塑性樹脂(繊維)2を含む芯部と高強力高弾性繊維3を含む鞘部とからなる芯鞘繊維1を用いることが必要である。このような構造の芯鞘繊維1の外周面を熱可塑性繊維からなるカバリング糸4にて包み込むようにすることで、従来のような高強力高弾性繊維の周囲に単に熱可塑性繊維を配した複合繊維と比べて、芯鞘繊維1の外側だけでなく、芯鞘繊維1の芯部からも高強力高弾性繊維3間に熱可塑性樹脂を含浸することが可能となり、熱処理時に、熱可塑性樹脂の含浸性を著しく向上させることができる。
本発明の複合繊維5に用いることができる高強力高弾性繊維としては、アラミド繊維、超高分子ポリエチレン繊維、フッ素繊維、炭素繊維、ガラス繊維等が挙げられるが、特にこれらに限定するものではない。
本発明の複合繊維5に用いることができる熱可塑性繊維と、本発明の複合繊維5に用いることができる芯鞘繊維1の芯部に含まれる熱可塑性樹脂とは、同一の樹脂組成物であっても、異なる樹脂組成物であってもかまわず、いずれも、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等から任意に選択できるが、なかでも耐薬品性が良好な点で、ポリプロピレン樹脂を用いることが好ましい。
ヒンダードアミン系化合物等からなる耐光安定剤、酸化防止剤、流動性改良剤、マイカ、タルク、ワラスナイト、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、シリカ、ゴム成分などの有機、無機充填剤やその他の機能剤、製糸性を悪化させない範囲で着色顔料を含んでいてもよい。
溶融押出機内で加熱することにより溶融させた熱可塑性樹脂を紡糸ノズルから押し出し、紡出糸の表面に紡糸油剤を給油し、紡出糸を巻き取ることにより未延伸糸を得る。この未延伸糸は、そのまま連続工程で延伸し更に捲縮加工を行ってもよいし、一旦巻き取った後、さらに延伸・捲縮加工を施してもよい。延伸は、1段あるいは2段以上の多段で行ってもよく、多段延伸における延伸倍率比の設定も特に限定されない。また、延伸工程では熱源が接触型または非接触型であってもよい。延伸倍率は、1.7〜7.0倍とすることが好ましく、延伸倍率が1.7倍未満では、得られる熱可塑性繊維の強度が低くなり、7.0倍を超えると、糸切れ等発生の危険性が高くなる。また、延伸温度は、50〜150℃であることが好ましく、延伸温度が50℃未満では、延伸倍率が低くなり得られるフィラメント糸の繊維強度が低くなると共に延伸斑が発生する。また、150℃を超えると、糸切れが発生するなど製糸安定性が悪化する。
本発明の複合繊維5に用いることができる芯鞘繊維1は、公知の方法で得ることができ、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂からなる繊維を芯部に、高強力高弾性繊維を含むテープ状物を鞘部に配置して、熱可塑性樹脂からなる繊維をテープ状物で包み込んで形成する方法が好ましい。こうすることで高強力高弾性繊維を均一に熱可塑性樹脂からなる繊維の周囲に配置できるので、熱可塑性樹脂が満遍なく行き渡るため好ましい。
本発明の複合繊維5に用いることができる高強力高弾性繊維を含むテープ状物は、高強力高弾性繊維を開繊し、熱可塑性樹脂を含浸させて形成したものであることがより好ましい。テープ状物が熱可塑性樹脂を含むものであると、芯鞘繊維1の製造工程での毛羽立ちを抑制できる。テープ状物に含まれる熱可塑性樹脂としては、芯鞘繊維1の芯部に含まれる熱可塑性樹脂と相溶性があるものであればよいが、特にポリプロピレン樹脂が好ましい。また、テープ状物の厚みは、20〜100μm、幅は、1〜120mmであることが好ましい。
なお、本発明は以下に述べる実施例に限定されるものでなく、特許請求の範囲内で様々な変更が可能である。
各繊維物性の測定は以下の方法で求めた。
(繊維強伸度)
JIS L1013.8.5.1(標準時試験)に準拠し、引張試験機(オリエンテック社製、製品名:テンシロンRTC−1210A)にて繊維の引張り強度及び伸度を測定した。
(収縮率)
JIS L1013.18.1(標準時試験)に準拠し測定した。
複合繊維5に用いる熱可塑性樹脂からなる繊維として、ポリプロピレンホモポリマー((株)プライムポリマー社製、製品名:Y−2000GV(MFR=17g/10分)を、押出温度240℃、紡糸頭温度230℃で、孔形状が丸形状(直径1.0mm、孔数160ヶ)の紡糸口金を用いて、吐出させ、紡糸速度530m/分で紡糸し、引き続いて、一段延伸(速度1800m/分、延伸倍率3.257倍、延伸温度120℃)を施し、引き続いて二段延伸(速度2000m/分、延伸倍率1.15倍、延伸温度140℃)を施し、1520dTex160フィラメントのマルチフィラメント繊維(MFF1)を得た。得られた繊維は、強度:4.11cN/dTex、繊維伸度:37.4%であった。
炭素繊維(三菱レイヨン社製、製品名:TR50S12L、フィラメント数:12000本)を開繊して、前記ポリプロピレンホモポリマーを含浸したテープ状物(厚さ:30μm、幅:20mm)を鞘糸として配し、テープ状物の中央部に前記熱可塑性繊維(MFF1)を1本配して、重ね合わせたものをガイドへ通過させることで、熱可塑性繊維(MFF1)をテープ状物で包み芯鞘繊維1として、一旦ボビンに巻き取った。この芯鞘繊維1を、カバリング撚糸機(機台 M−1)にてスピンドル回転数=3000rpm、撚り方向=Z、撚り数=200T/Mの加工条件で前記熱可塑性繊維(MFF1)を用いてカバリング加工することで本発明の複合繊維5を得た。
得られた複合繊維5の側面図を図1、断面写真を図2に示した。
得られた複合繊維5を3Gの横編機で製編し編地とした。引き続いて、プレス機を用いて、270℃・5.0MPaの圧力で5分間プレスした。接着性も良好な成形品が得られた。
パラ系アラミド繊維(繊度:6000tex)を開繊して、前記ポリプロピレンホモポリマーを含浸したテープ状物(厚さ:30μm、幅:10mm)を鞘糸として配し、テープ状物の中央部に760dTex120フィラメントのポリプロピレン製マルチフィラメント繊維(MFF2)を1本配して、重ね合わせたものをガイドへ通過させることで、熱可塑性繊維をテープ状物で包み芯鞘繊維1を構成しつつ、カバリング撚糸機(機台 M−1)にてスピンドル回転数=3000rpm、撚り方向=Z、撚り数=200T/Mの加工条件で、実施例1と同様、熱可塑性繊維(MFF2)を芯鞘繊維1にカバリング加工することで本発明の複合繊維5を得た。
得られた複合繊維5の断面写真は、図2と同様であることを確認した。
得られた複合繊維5を20Gの筒編機で製編し編地とした。引き続いて、プレス機を用いて、270℃・5.0MPaの圧力で5分間プレスした。接着性も良好な成形品であった。
実施例1の前記テープ状物の中央部に配する熱可塑性繊維(MMF1)を2本とし、重ね合わせたものをガイドへ通過させることで、熱可塑性繊維をテープ状物で包み、芯鞘繊維1を得て、一旦ボビンに巻き取った。こうして得られた芯鞘繊維1を実施例1と同条件で熱プレスし、成形品を得ようとしたが成形品は得られなかった。
実施例1の前記テープ状物に、熱可塑性繊維(MMF1)を2本合糸したものを、カバリング撚糸機(機台 M−1)にてスピンドル回転数=3000rpm、撚り方向=Z、撚り数=200T/Mの加工条件で撚り加工を行い、撚り加工複合糸を得た。引き続き、この撚り加工複合糸に対して、実施例1と同条件で熱プレスし、成形品を得ようとしたが
、得られた成形品は未接着箇所のある成形品しか得られなかった。
2・・・熱可塑性樹脂(繊維)
3・・・高強力高弾性繊維
4・・・カバリング糸(熱可塑性繊維)
5・・・複合繊維
Claims (5)
- 熱可塑性樹脂を含む芯部と高強力高弾性繊維を含む鞘部とからなる芯鞘複合繊維と、該芯鞘複合繊維の周囲に配される熱可塑性繊維とを備えた複合繊維。
- 前記芯鞘複合繊維の周囲に前記熱可塑性繊維が配された前記複合繊維に含まれる前記高強力高弾性繊維の含有量が、前記複合繊維の全量に対して20〜80質量%である請求項1記載の複合繊維。
- 前記高強力高弾性繊維は、引張り強度が10cN/dtex以上、熱変形温度が300℃以上である請求項1または2に記載の複合繊維。
- 前記熱可塑性繊維が、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、またはポリオレフィン繊維のいずれかである請求項1〜3のいずれかに記載の複合繊維。
- 熱可塑性樹脂を含む芯部と高強力高弾性繊維を含む鞘部とからなる芯鞘複合繊維の周囲に、熱可塑性繊維を巻き付ける複合繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013191650A JP2015059274A (ja) | 2013-09-17 | 2013-09-17 | 複合繊維およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013191650A JP2015059274A (ja) | 2013-09-17 | 2013-09-17 | 複合繊維およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015059274A true JP2015059274A (ja) | 2015-03-30 |
Family
ID=52817047
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013191650A Pending JP2015059274A (ja) | 2013-09-17 | 2013-09-17 | 複合繊維およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015059274A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107385594A (zh) * | 2016-04-05 | 2017-11-24 | 旭化成株式会社 | 复合纱线和布帛以及它们的制造方法 |
JP2018076617A (ja) * | 2016-11-09 | 2018-05-17 | 富士通株式会社 | 複合糸、複合糸の製造方法、複合体、複合体の製造方法及び電子機器 |
KR20190017580A (ko) * | 2017-08-11 | 2019-02-20 | 삼일방 (주) | 커버링 방법을 적용한 고강신도 합연사의 제조방법 |
CN110331482A (zh) * | 2019-07-12 | 2019-10-15 | 武汉纺织大学 | 一种提高涤棉混纺纱线强力的处理方法 |
CN110528134A (zh) * | 2019-08-22 | 2019-12-03 | 张家港市华益纺织有限公司 | 一种钛锗导电纱线及其制作方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012207328A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-10-25 | Du Pont-Toray Co Ltd | 接触冷感と耐切創性に優れた防護布帛 |
-
2013
- 2013-09-17 JP JP2013191650A patent/JP2015059274A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012207328A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-10-25 | Du Pont-Toray Co Ltd | 接触冷感と耐切創性に優れた防護布帛 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107385594A (zh) * | 2016-04-05 | 2017-11-24 | 旭化成株式会社 | 复合纱线和布帛以及它们的制造方法 |
JP2018076617A (ja) * | 2016-11-09 | 2018-05-17 | 富士通株式会社 | 複合糸、複合糸の製造方法、複合体、複合体の製造方法及び電子機器 |
KR20190017580A (ko) * | 2017-08-11 | 2019-02-20 | 삼일방 (주) | 커버링 방법을 적용한 고강신도 합연사의 제조방법 |
KR101986363B1 (ko) * | 2017-08-11 | 2019-06-07 | 삼일방 (주) | 커버링 방법을 적용한 고강신도 합연사의 제조방법 |
CN110331482A (zh) * | 2019-07-12 | 2019-10-15 | 武汉纺织大学 | 一种提高涤棉混纺纱线强力的处理方法 |
CN110528134A (zh) * | 2019-08-22 | 2019-12-03 | 张家港市华益纺织有限公司 | 一种钛锗导电纱线及其制作方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2002320481B2 (en) | Elastic, heat and moisture resistant bicomponent and biconstituent fibers | |
US8728619B2 (en) | Highly functional polyethylene fiber excellent in forming processability | |
JP2015059274A (ja) | 複合繊維およびその製造方法 | |
AU2002320481A1 (en) | Elastic, heat and moisture resistant bicomponent and biconstituent fibers | |
JP6812674B2 (ja) | 織編物及びポリアミド芯鞘型混繊糸の元糸 | |
JP5301806B2 (ja) | 繊維製品 | |
JP3178562B2 (ja) | 熱可塑性コンポジット用ヤーン | |
JP6282903B2 (ja) | モノフィラメント | |
EP4155443A1 (en) | Filamentary core, elastic composite yarn comprising the filamentary core, fabric comprising the filamentary core or the elastic composite yarn and method for manufacturing the filamentary core or the elastic composite yarn | |
JP3345661B2 (ja) | 熱可塑性コンポジット用ヤーン | |
JP2002060502A (ja) | 繊維強化熱可塑性樹脂ペレットおよびその製法 | |
JP6308127B2 (ja) | ポリメチルペンテン繊維を含有してなる紡績糸およびそれからなる繊維構造体 | |
US20220018044A1 (en) | Drawn composite fiber, non-woven fabric, and method of producing drawn composite fiber | |
JP6744627B2 (ja) | ガット用ストリング | |
JP2011202289A (ja) | ポリマーアロイ繊維並びに繊維構造体 | |
KR102219084B1 (ko) | 강도 및 신장률이 높은 인터레이스 복합사 및 그 제조방법 | |
CN217479648U (zh) | 一种凉感防切割包覆纱、五级防切割针织面料和手套 | |
JPH04327214A (ja) | 複合繊維 | |
JP4081338B2 (ja) | ポリプロピレン系流体撹乱加工繊維及びその製造方法 | |
TWI397621B (zh) | 成型加工性優異的高機能聚乙烯纖維 | |
KR100595756B1 (ko) | 고강력 폴리비닐알코올 섬유 | |
JPH06294033A (ja) | 熱可塑性コンポジット用ハイブリッド成形材料 | |
KR102144201B1 (ko) | 폴리프로필렌 필라멘트 탄성사와 그를 이용한 섬유원단 및 그의 제조방법 | |
JPH04333618A (ja) | ポリフェニレンサルファイド複合繊維 | |
JP2020050992A (ja) | 複合型モノフィラメント |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160817 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20160817 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20160817 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170327 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170411 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20171010 |