JP2014191806A - タッチパネル用導電シートの製造方法、及びタッチパネル用導電シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タッチパネル用電極シートの製造方法であって、透明基材の少なくとも一面側に、最表面が凹凸形状を有してなり、当該凹凸の平均間隔をSmとし、当該凹凸の十点平均粗さをRzとしたときに、Smが1.0〜5.0μmであり、Rzが0.3〜2.0μmである、凹凸樹脂層を形成する工程と、前記凹凸樹脂層上に、気相法により導電性金属を堆積させて導電性金属層を形成する工程と、前記導電性金属層上にパターン状レジスト層を形成する工程と、前記パターン状レジスト層の開口部に存在する前記導電性金属層をエッチングすることにより導電性金属パターンを形成する工程と、前記導電性金属パターン側に透明樹脂を被覆する被覆工程とを有する、タッチパネル用電極シートの製造方法。
【選択図】図1
Description
非透明な金属材料を用いる場合には、表示される画像の視認性の点から、上記センサ電極は、開口部を有する導電性金属パターンにより形成されている(例えば特許文献1等)。
図3の12A(1)は個々のセンサ電極12Aであり、図3の12A(2)及び12A(3)はそれぞれセンサ電極12Aの一部拡大図である。図3の12A(1)に示すようにセンサ電極12Aは、X軸方向に離間して配列した複数のセンサ電極要素12Cが、その角部分を電極要素接続部12Dで電気的に接続された形状をしている。図3の例の場合、センサ電極要素12Cの形状は、周辺部を除く主要部分にて正方形形状で、X軸方向での両端は、それぞれY軸方向で半分に切断したような三角形形状をしている。そして、図3の12A(2)に示すように、個々の電極要素12Cは、形状が正方形の開口部12Eを有する格子状の導電性金属パターン12Fから形成されている。導電性金属パターン12Fは、開口部12Eを有することにより、非透明な金属材料を用いながら、タッチパネルを透してみる表示の視認性を損なわない程度に画像表示パネルの表示を目視できる透視性を確保している。
この問題に対して、従来、導電性金属パターンの観察者側表面を黒化処理する手法が知られている。
Smが1.0〜5.0μmであり、
Rzが0.3〜2.0μmである、凹凸樹脂層を形成する工程と、
前記凹凸樹脂層上に、気相法により導電性金属を堆積させて導電性金属層を形成する工程と、
前記導電性金属層上にパターン状レジスト層を形成する工程と、
前記パターン状レジスト層の開口部に存在する前記導電性金属層をエッチングすることにより導電性金属パターンを形成する工程と、
前記導電性金属パターン側に透明樹脂を被覆する被覆工程とを有することを特徴とする。
前記凹凸樹脂層と前記導電性金属パターンとの界面において、前記凹凸樹脂層の当該凹凸の平均間隔をSmとし、当該凹凸の十点平均粗さをRzとしたときに、
Smが1.0〜5.0μmであり、
Rzが0.3〜2.0μmであることを特徴とする。
本発明に係るタッチパネル用導電シートの製造方法は、透明基材の少なくとも一面側に、最表面が凹凸形状を有してなり、当該凹凸の平均間隔をSmとし、当該凹凸の十点平均粗さをRzとしたときに、
Smが1.0〜5.0μmであり、
Rzが0.3〜2.0μmである、凹凸樹脂層を形成する工程と、
前記凹凸樹脂層上に、気相法により導電性金属を堆積させて導電性金属層を形成する工程と、
前記導電性金属層上にパターン状レジスト層を形成する工程と、
前記パターン状レジスト層の開口部に存在する前記導電性金属層をエッチングすることにより導電性金属パターンを形成する工程と、
前記導電性金属パターン側に透明樹脂を被覆する被覆工程とを有することを特徴とする。
これらのことから、本発明の製造方法によれば、外光反射及びヘイズが低減され、表示画像の視認性に優れたタッチパネル用導電シートの製造が可能となる。また、本発明の製造方法によれば、導電性金属は黒化処理を行わなくてもよいため、この場合、導電性金属と黒化層とのエッチング速度が異なるという問題が無く、通常の製膜エッチングプロセスで導電性金属パターンの形成が可能となり、生産性にも優れている。
1)表面粗さ検出部の触針:
型番/SE2555N(2μm標準)(株)小坂研究所製
(先端曲率半径2μm/頂角:90度/材質:ダイヤモンド)
2)表面粗さ測定器の測定条件:
基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
触針の送り速さ:0.1mm/s
以下、本発明の製造方法の各工程について、順に詳細に説明する。
本工程は、透明基材上に凹凸樹脂層を形成する工程である。凹凸樹脂層は、通常、凹凸樹脂層形成用組成物を用いて形成する。以下、各構成について説明する。
本発明において透明基材は、透明性を有し、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではなく、タッチパネル用途に用いられる従来公知のものの中から適宜選択すればよい。
具体的には、例えば、ガラス、セラミックス等の透明無機材料や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;シクロオレフィン重合体等のポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリイミド系樹脂等の樹脂基材が挙げられる。中でも、取り扱い性や、軽量化の点から、樹脂基材を用いることが好ましく、光透過性の点から、ポリエステル系樹脂基材又はアクリル系樹脂基材を用いることがより好ましく、耐熱性や機械的強度の点から2軸延伸ポリエステル基材を用いることが更により好ましい。また、生産性に優れるロール・トゥ・ロール方式に適用可能な点からは、可橈性を有する樹脂基材が好ましい。
なお、2つのセンサ電極を異なる透明基材を用いて製造する場合には、当該2つの透明基材が同一の基材であってもよく、異なる基材であってもよい。
また、本発明において透明基材は、単一の層からなるものであってもよく、複数の層を有する積層体であってもよい。上記積層体としては、上記樹脂基材上に、公知のハードコート層、密着調整層、低屈折率層、高屈折率層等が積層したものが挙げられる。
凹凸樹脂形成用組成物には、少なくとも樹脂が含まれ、その他適宜添加剤等を含んでもよいものである。
凹凸樹脂層形成用に用いられる樹脂は、形成された凹凸形状が保持される樹脂の中から、適宜選択して用いることができる。本発明において、「樹脂」は、所謂狭義の樹脂である重合体高分子(ポリマー)の他、モノマー(単量体)、オリゴマー、プレポリマー等の樹脂成分を包含する概念である。上記樹脂の具体例としては、例えば、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられ、成形性及び機械的強度に優れる点から、電離放射線硬化性樹脂を含有することが好ましい。なお、電離放射線とは、分子を重合させて硬化させ得るエネルギーを有する電磁波または荷電粒子を意味し、例えば、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線等が挙げられる。
中でも、本発明に用いられる樹脂組成物は、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系の電離放射線硬化性樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、更に、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート系の電離放射線硬化性樹脂から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基及びメタアクリロイル基の各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタアクリレートの各々を表す。
蒸着アンカー用途に用いられる樹脂としては、耐熱性の高い樹脂が好ましく、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の混合物であることが好ましい。
上記熱硬化性樹脂としては、ポリイソシアネートを用いることが好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸アミド等のアクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ニトロセルロース、エチルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリエステル系樹脂;熱可塑性ウレタン系樹脂;塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の変性オレフィン系樹脂;酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂等のビニル系樹脂、ノルボルネン構造を有する非晶性ポリオレフィン等が好適なものとして挙げられる。また、熱可塑性樹脂は、上記熱硬化性樹脂と反応可能な反応性基を有するものであってもよい。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤の具体例としては、電離放射線硬化性樹脂がラジカル重合性官能基を有する場合には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、ベンゾイン類、ベンゾインメチルエーテル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、アシルホスフィンオキシド類、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、等が挙げられ、これらを単独で、又は混合して用いる。1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンは、例えば商品名イルガキュア184(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)として入手可能である。また、α−アミノアルキルフェノン類としては、例えば商品名イルガキュア907、369として入手可能である。
また、光増感剤を混合して用いてもよい。光増感剤の具体例としては、例えば、−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜8質量部であることがより好ましい。
凹凸樹脂層の形成方法は、従来公知の方法の中から適宜選択することができる。例えば、サンドブラスト法、賦型法の他、スピノーダル分解による相分離により凹凸形状を形成する方法等が挙げられる。
上記微粒子としては、金属粒子、シリカ、アルミナ、ガラス等の無機微粒子が好ましく用いられる。これらの粒子の平均粒径としては、50〜300μmであることが好ましい。
またサンドブラスト装置について、粒子のブラスト圧は0.1〜0.2MPaが好ましく、ブラスト量は10〜20g/cm2が好ましい。更に、凹凸樹脂層形成用層と微粒子の噴射口との距離は500から600mmが好ましい。
また、上記塗布方法としては、従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。例えば、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法、E型塗布方法などが挙げられる。凹凸樹脂層形成用層の膜厚は、適宜設定すればよい。
なお、凹凸樹脂層形成用原版の凹凸形状は、凹凸樹脂層が備える凹凸形状に対応する形状を有する原版である。
原版の凹凸形状は、サンドブラスト法、又は、ビーズショット法で形成してもよいし、アルミニウム層のような金属層を陽極酸化することによって形成してもよい。
前記ロール金型としては、例えば、母材として、円筒形状の金属材料を用い、当該母材の周側面に、直接に又は各種の中間層を介して設けられたアルミニウム層に、上述したように、陽極酸化処理、エッチング処理の繰り返しにより、凹凸形状が作製されたものが挙げられる。
前記凹凸樹脂層は、当該凹凸樹脂層の凹凸の平均間隔をSmとし、凹凸の十点平均粗さをRzとしたときに、Smが1.0〜5.0μmであり、Rzが0.3〜2.0μmであるという関係を有する。凹凸樹脂層の凹凸形状が上記関係を満たしているため、導電性金属パターンにおいて鏡面反射した外光は、正反射角近傍に適度に拡散反射する。そのため、必要な防眩性が得られる。Smは、明所でのコントラストの点から、中でも、1.0〜5.0μmであることが好ましく、1.0〜3.0μmであることがより好ましい。また、Rzは、明所でのコントラストの点から、中でも、0.3〜2.0μmであることが好ましく、0.3〜1.5μmであることがより好ましい。
凹凸樹脂層の厚さは、適宜設定すればよい。中でも1〜20μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。
本工程は、気相法により導電性金属を堆積させて導電性金属層を形成する工程である。本発明において用いられる気相法は、従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。気相法の具体例としては、蒸着法、スパッタリング法等の物理的気相法や、化学気相成長(CVD)法等の化学的気相法が挙げられる。
本発明の製造方法は、導電性金属を気相法により堆積させるため、凹凸形状を有する凹凸層表面に導電性金属が隙間なく堆積させることにより、導電性金属表面に当該所望の凹凸形状を付与して外光反射防止機能を付与することができる。更に、凹凸表面に、導電性金属を堆積させたことにより、密着性にも優れている。
本発明において導電性金属は、タッチパネル用途に用いられる従来公知のものの中から適宜選択して用いることができる。本発明においては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)等の透明導電性金属酸化物を用いてもよいが、不透明な導電性金属を用いた場合であっても、良好な細線パターンを形成でき、優れた透過率を有する導電シートが得られることから、表面抵抗の小さい金属を選択することが好ましい。このような金属の具体例としては、例えば、銅、銀、金、鉄、アルミニウム、ニッケル、コバルト、スズ、タングステン、クロム、チタン、パラジウム、マンガン、亜鉛、ロジウム等が挙げられ、1種単独で用いても2種以上を組み合わせてもよく、銀、パラジウムおよび銅を含んでなるAPC合金や、ステンレスのような合金を用いてもよい。導電性の点から、銅、アルミニウム、又はニッケルであることが好ましい。
また、磁場シールド性を付与する場合には、導電性金属として、常磁性金属を用いてもよい。
本工程は、前記導電性金属層上にパターン状レジスト層を形成する工程である。パターン状レジスト層の形成方法は、従来公知の方法の中から、用いるレジスト材料との組み合わせにより適宜選択される。
例えば、レジスト材料をパターン状に印刷可能な公知の印刷方法を用いて、導電性金属層上にパターン状に印刷する方法や、レジスト材料として光硬化性樹脂を用いて、当該光硬化性樹脂を導電性金属層上に全面印刷した後、任意のマスクパターンを介して露光し、現像することによりパターン状レジスト層を形成することができる。
レジスト材料としては、エッチング耐性、及び耐熱性を備えたものであればよく、従来公知のレジスト材料の中から適宜選択すればよい。
導電性金属パターンのメッシュ形状はこれら形状からなる複数の開口部を有し、開口部間は開口部を区画するライン部(線部又は線条部)となる。ライン部は通常均一の線幅を有する。
導電性金属パターンのライン部の線幅は、要求される光透過性及び表面抵抗率により適宜設定すればよい。例えば、線幅を50μm以下とすることができ、30μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることが更により好ましい。また、断線を回避し、導電性を確保する点からは、1μm以上とすることが好ましく、3μm以上とすることがより好ましい。
パターン状レジスト層の線幅は、1〜50μmであることが好ましく、3〜30μmであることがより好ましく、3〜10μmであることが更により好ましい。また、パターン状レジスト層が付着していない透明基材が露出された部分の幅は、100〜500μmであることが好ましく、200〜400μmであることがより好ましい。
本工程は、前記パターン状レジスト層の開口部に存在する前記導電性金属層をエッチングすることにより導電性金属パターンを形成する工程である。
エッチング方法は、従来公知のものの中から適宜選択すればよく、エッチング液によるウェットエッチング法であってもよく、ドライエッチング法であってもよい。
ウェットエッチングはシャワー方式であっても、浸漬方式であってもよい。
本工程は、前記導電性金属パターン側に透明樹脂を被覆する工程である。本工程により、導電性金属パターンが形成されていない開口部において、凹凸樹脂層表面の凹凸形状が透明樹脂により被覆されることにより、ヘイズが抑制される。
具体的には、例えば、透明基材として、屈折率が1.58のポリエチレンテレフタレート基材を用いる場合には、屈折率が1.44〜1.72の透明樹脂を選択して用いることが好ましい。
例えば、前記透明樹脂及び必要に応じて用いられる各成分を溶解乃至分散した塗工液を従来公知の塗布方法により塗布することにより、当該透明樹脂が被覆される。
塗布方法の具体例は、前記凹凸樹脂層形成用層における塗布方法と同様のものが挙げられる。
透明樹脂層の膜厚は、前記凹凸樹脂層の凹凸形状よりも厚ければよく、適宜設定すればよいものであるが、中でも、0.5〜100μmであることが好ましく、0.5〜50μmであることがより好ましい。
なお、本発明において、ヘイズの値は、JIS K−7136に準拠して測定される。ヘイズの値は、図1(G)のように導電性金属パターンが透明基材の一面側に形成された導電シートの場合、図5又は図6のように2枚を重ね合わせて測定する。一方、図2のように導電性電極パターンが透明基材の両面に形成された電極シートの場合、当該電極シート単体のヘイズを測定すればよい。
ヘイズメーターとしては、(株)村上色彩技術研究所製のHM−150等を用いることができる。
本発明に係るタッチパネル用導電シートは、透明基材の少なくとも一面側に、最表面が凹凸形状を有する凹凸樹脂層、導電性金属パターン、及び、透明樹脂層をこの順に有し、
前記凹凸樹脂層と前記導電性金属パターンとの界面において、前記凹凸樹脂層の当該凹凸の平均間隔をSmとし、当該凹凸の十点平均粗さをRzとしたときに、
Smが1.0〜5.0μmであり、
Rzが0.3〜2.0μmであることを特徴とする。
これらのことから、本発明のタッチパネル用導電シートを用いることにより、外光反射及びヘイズが低減され、表示画像の視認性に優れたタッチパネルの製造が可能となる。
本発明の導電シートを用いたタッチパネルを備える画像表示装置は、例えば、タブレットコンピュータ等の携帯情報端末、スマートフォン等の各種電話機、テレビジョン受像装置、パーソナルコンピュータ、電子書籍端末、モニターディスプレイ、デジタルカメラ、デジタルフォトフレーム、計測器、医療用機器、遊戯機器、事務用機器、現金自動支払機、電子黒板、自販機等の、位置入力手段を表示部等に備えた画像表示装置に広く適用できる。
(1)連続帯状で無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ100μm)の一面側に、ジルコニア微粒子(平均粒子径40nm)/アクリル系UV硬化樹脂=57/43の比率で20質量部、開始剤(イルガキュア184、BASF社製)5質量部、界面活性剤TF−1682 0.1質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に溶解した塗工液をバーコーターにより塗布し、80℃で乾燥した後、露光量100mjの紫外線を照射して厚さ7μmの凹凸樹脂層形成用層(屈折率が1.58)を形成した。当該凹凸樹脂層形成用層の表面をサンドブラスト法により、表面をRzが0.7μm、Smが1.0μmとなるよう処理した。
凹凸の平均間隔Sm及び十点平均粗さRzは、表面粗さ測定器(型番:SE−3400/小坂研究所製)を用いて、以下の条件で確認した。
1)表面粗さ検出部の触針:
型番/SE2555N(2μm標準)(株)小坂研究所製
(先端曲率半径2μm/頂角:90度/材質:ダイヤモンド)
2)表面粗さ測定器の測定条件:
基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
触針の送り速さ:0.1mm/s
次いで、上記銅の表面全体へカゼイン系の感光性ネガ型レジストをディッピング法で塗布し、フォトマスクを用いて水銀灯からの紫外線を照射して密着露光した。フォトマスクは、開口部の形状が正方形でメッシュパターンの幅が3μm、メッシュパターンのピッチが300μm、バイアス角度が49度のメッシュパターン部を有する、図2の12Aの形状のものを用いた。
次いで、密着露光した後の積層体を水現像し、硬膜処理し、さらに100℃でベーキングした。
次いで、エッチング液として50℃、42°ボーメの塩化第二鉄溶液をスプレー法で吹きかけてエッチングし、開口部を形成した。
次いで、水洗し、レジストを剥離し、洗浄し、さらに60℃で乾燥して、メッシュパターン部を有する第一の導電性金属パターンを形成した(Xフィルム)。
上記Xフィルム及び上記Yフィルムの導電性金属パターン側表面に、それぞれ屈折率が1.58の光学用粘着材を用いて微細凹凸層を被覆した後、上記Xフィルムの導電性金属パターン側表面と、上記Yフィルムの導電性金属パターン側表面を、当該光学用粘着材を介して貼り合わせることにより、タッチパネル用導電シートを製造した。
なお、Xフィルムの導電性金属パターンとYフィルムの導電性金属パターンは図6のように互いに重なり合わないように貼り合わせた。
実施例1において、凹凸樹脂層形成用層の表面のRzが1.5μm、Smが2.0μmとなるようサンドブラスト法の設定を変更し、銅の層(導電性金属層)の厚さを3.0μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のタッチパネル用導電シートを得た。
実施例1において、凹凸樹脂層形成用層の表面のRzが0.2μm、Smが0.8μmとなるようサンドブラスト法の設定を変更し、光学用粘着材を屈折率が1.58のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1のタッチパネル用導電シートを得た。
実施例1において、凹凸樹脂層形成用層の表面のRzが1.5μm、Smが5.2μmとなるようサンドブラスト法の設定を変更し、光学用粘着材を屈折率が1.58のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2のタッチパネル用導電シートを得た。
実施例1において、凹凸樹脂層形成用層の表面のRzが0.2μm、Smが3.0μmとなるようサンドブラスト法の設定を変更し、光学用粘着材を屈折率が1.58のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2のタッチパネル用導電シートを得た。
実施例及び比較例により得られた導電シートの波長380−780nmにおける分光透過率を、日本分光株式会社製、分光光度計V−7100によりを測定し、視感透過率(JIS Z 8701において規定されている刺激値Y)を算出した。結果を表1に示す。
[視感透過率評価基準]
○:視感透過率が70%以上であった。
×:視感透過率が70%未満であった。
実施例及び比較例により得られた導電シートのヘイズを、日本電色工業(株)製の商品名NDH2000型を用いて、JIS−K7105に準拠して測定した。結果を表1に示す。
[ヘイズ評価基準]
○:ヘイズが3%以下であった。
×:ヘイズが3%超過であった。
実施例及び比較例により得られた導電シートを、黒色表示された表示装置上に配置し、当該表示装置の導電シートが配置された面の正面から蛍光灯を写し込み、当該蛍光灯の映り込みを目視で観察した。結果を表1に示す。
[外光反射評価基準]
○:蛍光灯の映り込みが気にならなかった。
×:蛍光灯の映り込みが認識された。
本発明に係る製造方法により製造された、実施例1及び2の導電シートは、導電性金属パターンに、平均間隔Smが1.0〜5.0μmであり、十点平均粗さRzが0.3〜2.0μmの凹凸形状が付与され、且つ、開口部は当該凹凸形状が透明樹脂である粘着材により被覆されているため、低ヘイズと、外光反射の抑制を両立することができ、視感透過率にも優れ、表示画像の視認性に優れることが明らかとなった。
比較例1〜3の導電シートは、開口部の凹凸形状が粘着材により被覆されているため、ヘイズは良好であったが、Sm及びRzが上記の範囲外であったため、映り込みが認識され、表示画像のコントラストが低下するものであった。
2、2A、2B 凹凸樹脂層
3 導電性金属層
4 パターン状レジスト層
5、5A、5B 導電性金属パターン
6、6A、6B 透明樹脂
10 タッチパネル用電極シート
11、11A、11B 透明基材
12A X方向センサ電極
12B Y方向センサ電極
12C センサ電極要素
12D センサ電極要素接続部
12E 開口部
12F 導電性金属パターン
13 取り出し回路
14 接着層
20 タッチパネル
21 凹凸樹脂層
21’ 凹凸樹脂層形成用層
31 塗工装置
32 ロール金型
33 押圧ローラ
34 剥離ローラ
Claims (2)
- タッチパネル用電極シートの製造方法であって、
透明基材の少なくとも一面側に、最表面が凹凸形状を有してなり、当該凹凸の平均間隔をSmとし、当該凹凸の十点平均粗さをRzとしたときに、
Smが1.0〜5.0μmであり、
Rzが0.3〜2.0μmである、凹凸樹脂層を形成する工程と、
前記凹凸樹脂層上に、気相法により導電性金属を堆積させて導電性金属層を形成する工程と、
前記導電性金属層上にパターン状レジスト層を形成する工程と、
前記パターン状レジスト層の開口部に存在する前記導電性金属層をエッチングすることにより導電性金属パターンを形成する工程と、
前記導電性金属パターン側に透明樹脂を被覆する被覆工程とを有する、タッチパネル用電極シートの製造方法。 - 透明基材の少なくとも一面側に、最表面が凹凸形状を有する凹凸樹脂層、導電性金属パターン、及び、透明樹脂層をこの順に有し、
前記凹凸樹脂層と前記導電性金属パターンとの界面において、前記凹凸樹脂層の当該凹凸の平均間隔をSmとし、当該凹凸の十点平均粗さをRzとしたときに、
Smが1.0〜5.0μmであり、
Rzが0.3〜2.0μmである、タッチパネル用電極シート。
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