JP2014162425A - 鞍乗り型車両の車体フレーム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動二輪車10の車体フレーム11は、ヘッドパイプ21から後方へ延びるメインフレーム43と、メインフレーム43から後方へ延びるシートレール44とを備える。メインフレーム43は、車両後方へ延びた後に屈曲部51を介して下方へ延ばされ、この下方へ延びる部位がスイングアーム33の前端を支えるピボット部31とされる。シートレール44は、左右のガセット部材52L、52Rを介して屈曲部51に連結され、左右のガセット部材52L、52Rに、車幅方向へ延びるクロスメンバ53が渡され、クロスメンバ53とスイングアーム33とにリヤサスペンション61が渡される。
【選択図】図3
Description
図1に示すように、自動二輪車10は、車体フレーム11と、この車体フレーム11の前部に設けられ前輪13を操向自在に支持する前輪操舵部15と、車体フレーム11の長手方向中間部で高さ方向下部から車両後方へ延びるように設けられ後輪14を揺動自在に支持する後輪懸架装置16と、前輪13と後輪14の間に設けられ車体フレーム11に懸架される駆動源としてのエンジン17と、このエンジン17の上方にて車体フレーム11に取付けられる燃料タンク18と、この燃料タンク18の後方に配置されると共に車体フレーム11に取付けられ乗員が座るシート19とを主要素とし、このシート19に乗員が跨って乗車する形態の鞍乗り型車両である。
エンジン17は、クランクケース71とこのクランクケース71の上面71aに取付けられるシリンダ部72とを備え、このシリンダ部72の後壁74に吸気系77を構成するコネクテイングチューブ104が接続され、シリンダ部72の前壁73から排気系76を構成する排気管106が延びている。エンジン17は、ダウンフレーム46とピボット部31とに懸架されている。エンジン17の懸架構造の詳細については後述する。
連結部としてのガセット部材52に連結され車両後方へ延びているシートレール44は、上向きに曲がる第1曲部91を有し、この第1曲部91の車両後方位置に、第1曲部91の曲げ方向とは異なる下向きに曲がる第2曲部92を有する。なお、第1曲部を下向きに曲げ、第2曲部を上向きに曲げることは差し支えない。
図3に示すように、メインフレーム43は、車幅方向左側に設けられる左のメインフレーム43Lと、車幅方向右側に設けられる右のメインフレーム43Rを有する。これらの左右のメインフレーム43L、43Rの屈曲部51L、51Rに、各々、左右のガセット部材52L、52Rが接合され、これらの左右のガセット部材52L、52Rから左右のシートレール44L、44Rが車両後方へ延びている。すなわち、シートレール44L、44Rは、左右のガセット部材52L、52Rを介して屈曲部51L、51Rに連結される。左右のガセット部材52L、52Rに、車幅方向へ延びるクロスメンバ53が渡されている。左右の屈曲部51L、51Rには、左右のガセット部材52L、52Rを介して左右のシートレール44L、44Rが連結されている。
図2を併せて参照し、吸気系77は、エアクリーナ101と、このエアクリーナ101から車両前方に延びる吸気ダクト102と、この吸気ダクト102の車両前方で、吸気ダクト102の先が接続されるスロットルボデイ103と、このスロットルボデイ103から車両前方に延びシリンダ部72の後壁74に接続されるコネクテイングチューブ104とを主要素とする。
図5に示すように、メインフレーム43を構成する断面円形筒状のパイプ部材112は、下向きに屈曲する屈曲部51と、この屈曲部51から下方に延出するピボット部31とを有する。屈曲部51には、シートレール44が連結されるガセット部材52が溶接される。
図4及び図5にて、メインフレーム43L、43Rに、パイプ部材を屈曲することにより形成したピボット部31L、31Rが一体的に設けられている。ピボット部31L、31Rをメインフレーム43L、43Rのパイプ材を曲げて形成したので、部品点数が削減できる。加えて、連結に係る加工コストを削減することができる。
図6(a)の実施例において、シートレール44は、左のシートレール44Lと右のシートレール44Rとからなり、左右のシートレール44L、44Rは、各々、左右の第1曲部91L、91Rを有する。左右の第1曲部91L、91Rにて左右のシートレール44L、44Rの間に、乗員が座るシート19(図2参照)を受けるシート受部94が渡されている。シート受部94でシート19を受けると共に、左右の第1曲部91L、91Rの間の補強を兼ねるようにしたので、部品点数の増加を抑えつつ、車体フレーム11の捩れ剛性を高めることができる。
図6(b)のように、断面が上に開放されるコ字状を呈し、左右のシートレール44L、44Rの間に渡される構造に比べ、図6(a)の断面が下に開放されるコ字状を呈し、左右のシートレール44L、44Rの間に渡される構造は、左右のシートレール44L、44Rに異なる大きさの力が掛かったときに、第1曲部91L、91Rに撓みの発生を許容し易い。従って、シート受部94の材料及び板厚等を適切に設定することで、車体フレーム11に、第1曲部91L、91Rで撓み特性をもたせつつ所定の捩れ剛性をもたせることが可能になる。
図7(a)は、スイングアーム33が、路面から衝撃を受け、ピボット軸32を中心に図反時計回りに揺動したときの作用図であり、図7(b)は、スイングアーム33が、路面からの荷重が開放され、ピボット軸32を中心に図時計回りに揺動したときの作用図である。
図8(a)は、実施例に係るクロスメンバの構造と配置を説明する図であり、図8(b)は、比較例1に係るクロスメンバの構造と配置を説明する図であり、図8(c)は、比較例2に係るクロスメンバの構造と配置を説明する図である。
本発明の構造では、クロスメンバ53の中心53Cとリヤサスペンションの軸線Aとの間は、距離δだけ離間している。このため、クロスメンバ53の中心53C周りに、捩りモーメントが掛かる。仮に、リヤサスペンションの軸線Aが、クロスメンバ53の中心53Cから離れ、されに、長円形のパイプ上から外れるに伴って、ブラケット114の長さが長くなり、ブラケット114にはより大きなモーメントが掛かり易くなる。
スイングアームとリヤサスペンションの間にリンク機構を備えていないタイプの鞍乗り型車両では、リヤサスペンションのストロークを稼ぐために、クロスメンバの高さは小さく抑えたいところである。
図9に示すように、クロスメンバを非円形の断面長円パイプとし、クロスメンバの長径軸をリヤサスペンションの軸線に沿わせるようにクロスメンバを配置する。詳細には、車両が静止状態にあるときに、クロスメンバ53の長径軸122とリヤサスペンション61の軸線Aとが平行になるようにクロスメンバ53を配置した。
図10(a)は比較例に係るシートレールを含む車体フレーム後部の側面図であり、図10(b)は実施例1に係る曲部を有するシートレールを含む車体フレーム後部の側面図であり、図10(c)は実施例2に係る曲部を有するシートレールを含む車体フレーム後部の側面図である。以下の説明では、車幅方向右側のシートレールの作用について説明したが、車幅方向左側のシートレールの作用も同様なものであり、説明を省略する。
図10(b)の実施例1に示すように、シートレール44BRは、上に曲がる第1曲部91BRを有する。高さ方向上に曲がる第1曲部91BRを有するシートレール44BRは、第1曲部91BRで曲り易い構造になる。具体的には、リヤサスペンション61(図9参照)の入力がクロスメンバ53とガセット部材52Rを介してシートレール44BRに伝達されたときに、第1曲部を設けない場合に比べ、シートレール44BRは、上下に撓み易くなる。結果、後輪の揺動をシートレール44BRでも吸収させることが可能になる。
図11(a)は、実施例に係るエンジンのマウント構造を説明する図であり、図11(b)は、比較例に係るエンジンのマウント構造を説明する図である。
Claims (6)
- ヘッドパイプ(21)と、このヘッドパイプ(21)から車両後方へ延びるメインフレーム(43L、43R)と、このメインフレーム(43L、43R)から車両後方へ延びてシート(19)を支えるシートレール(44L、44R)とを備える鞍乗り型車両の車体フレームにおいて、
前記メインフレーム(43L、43R)は、パイプ部材からなり、このパイプ部材は、前記車両後方へ延びた後に屈曲部(51L、51R)を介して下方へ延ばされ、この下方へ延びる部位がスイングアーム(33)の前端を支えるピボット部(31L、31R)とされ、
前記シートレール(44L、44R)は、左右のガセット部材(52L、52R)を介して前記屈曲部(51L、51R)に連結され、
前記左右のガセット部材(52L、52R)に、車幅方向へ延びるクロスメンバ(53)が渡され、
このクロスメンバ(53)と前記スイングアーム(33)とにリヤサスペンション(34)が渡されていることを特徴とする鞍乗り型車両の車体フレーム。 - 前記シートレール(44L、44R)は、上又は下に曲がる第1曲部(91L、91R)を有することを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の車体フレーム。
- 前記ガセット部材(52L、52R)が前記メインフレーム(43L、43R)に当接する部分のうち、前記ガセット部材(52L、52R)と前記メインフレーム(43L、43R)の間に、前記ガセット部材(52L、52R)が前記メインフレーム(43L、43R)に溶接される溶接部(124L、124R)と、溶接されない非溶接部(123L、123R)とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鞍乗り型車両の車体フレーム。
- 前記シートレール(44L、44R)は、前記第1曲部(91L、91R)の曲げ方向とは異なる上又は下向きに曲がる第2曲部(92L、92R)を有することを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両の車体フレーム。
- 前記シートレール(44L、44R)は、左のシートレール(44L、44R)と右のシートレール(44L、44R)とからなり、
前記左右のシートレール(44L、44R)は、各々、左右の第1曲部(91L、91R)を有し、
前記左右の第1曲部(91L、91R)の間に、乗員が座るシート(19)を受けるシート受部(94)が渡されていることを特徴とする請求項2、請求項3又は請求項4記載の鞍乗り型車両の車体フレーム。 - 前記車体フレーム(11)は、更に、前記メインフレーム(43L、43R)の下方にて前記ヘッドパイプ(21)から斜め後下方に延出するダウンフレーム(46L、46R)を有し、
このダウンフレーム(46L、46R)と前記ピボット部(31L、31R)とに、駆動源としてのエンジン(17)が懸架されていることを特徴とする請求項5記載の鞍乗り型車両の車体フレーム。
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