JP2014021043A - 燃料性状センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電極部30は、燃料の燃料性状である燃料中のエタノール濃度に対応して変化する静電容量を検出する。第1サーミスタ45は、電極部30の内側であって、燃料が流通する領域に配置される。第2サーミスタ46は、燃料が流通しない領域に配置される。回路基板25は、電極部30により検出される静電容量、第1サーミスタ45により検出される第1の検出値、および、第2サーミスタ46により検出される第2の検出値に基づき、燃料中のエタノール濃度を算出する回路部60が設けられる。これにより、燃料の温度を適切に検出することができるので、ひいては燃料性状の検出精度を高めることができる。
【選択図】 図2
Description
混合ガソリン中のアルコール濃度などの燃料性状を精度よく測定するためには、変化比率の高い物理定数を用いることが望ましい。そのため、例えば混合ガソリン中のアルコール濃度を測定する場合、2つの電極および電極間の燃料により静電容量体を形成し、静電容量に基づいて混合ガソリン中のアルコール濃度を測定することが公知である。また、アルコールは、温度により静電容量が異なるため、燃料の温度を測定し、測定した燃料の温度に基づき、静電容量に対するアルコール濃度を補正することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料性状の検出精度の高い燃料性状センサを提供することにある。
電極部は、燃料中に浸漬され、燃料の性状に対応して変化する電気的特性値を検出する。第1の温度センサは、電極部の内側であって、燃料が流通する領域に配置される。第2の温度センサは、燃料が流通しない領域に配置される。回路部は、電極部により検出される電気的特性値、第1の温度センサにより検出される第1の検出値、および、第2の温度センサにより検出される第2の検出値に基づき、燃料の燃料性状を算出する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料性状センサを図1および図2に示す。
図1に示すように、燃料性状としての燃料中のエタノール濃度を検出する燃料性状センサ1は、車両の燃料供給系統70に設けられる。より詳細には、燃料性状センサ1は、燃料タンク72とデリバリパイプ75とを接続する燃料配管74に設けられる。
燃料タンク72内の燃料は、燃料ポンプ73により燃料配管74を通り、デリバリパイプ75へ圧送され、インジェクタ76から図示しない吸気管またはシリンダ内へ噴射される。インジェクタ76は、エンジンのECU77により駆動制御される。
第1ハウジング11は、例えばステンレス等の金属により、略筒状に形成される。第1ハウジング11の内部には、燃料室12が形成される。第1ハウジング11の径方向外側には、連結管部16、17が形成される。連結管部16、17は、例えばステンレス等の金属により筒状に形成される。本実施形態では、連結管部16、17は、第1ハウジング11と一体に形成されている。連結管部16の内部には通路18が形成され、連結管部17の内部には通路19が形成される。通路18、19は、燃料室12と連通する。また、連結管部16、17は、図示しないコネクタ等を介して燃料配管74(図1参照)と接続する。これにより、連結管部16、17の通路18、19、および、第1ハウジング11の燃料室12には、燃料が供給される。
円筒部22は、第1ハウジング11の一方の端部に形成される開口13から第1ハウジング11に挿入される。円筒部22の径方向内側には、樹脂等により略円筒状に形成されるホルダ29が設けられる。ホルダ29は、熱かしめ等により第2ハウジング21に固定されている。
また、基板収容部23には、端子27を有するコネクタ26が形成されている。端子27は、一方の端部が回路基板25に挿通されてはんだ等により電気的に接続され、中間部が第2ハウジング21に埋設され、他方の端部がコネクタ26の内部空間に設けられる。これにより、コネクタ26は、ECU77(図1参照)や図示しない電源等と回路部60とを電気的に接続可能である。
外側電極31および内側電極41は、いずれも薄板状の金属板プレス加工することにより、略円筒状に形成される。本実施形態では、外側電極31と内側電極41とは、略同心状に形成される。外側電極31の回路基板25側の端部は、図示しない端子等を介して回路基板25に接続される。また、内側電極41の回路基板25側の端部は、端子43を介して回路基板25と接続される。以下、回路基板25側を「基端側」といい、回路基板25と反対側を「先端側」という。
外側電極31は、径方向外側に突出する突出部32を有する。突出部32は、外側電極31と第1ハウジング11の間に設けられるOリング38の脱落を防止する。
これにより、第1ハウジング11と外側電極31とは、円筒部22およびOリング38により、所定の距離をもって絶縁しつつ保持される。
これにより、外側電極31と内側電極41とは、ホルダ29およびOリング39により、所定の距離をもって絶縁しつつ保持される。
なお、内側電極41は、先端側に底部42を有する有底円筒状に形成されているので、内側電極41の内部には燃料は流入しない。
Oリング39は、外側電極31と内側電極41との間であって、ホルダ29の先端側に配置され、外側電極31と内側電極41との間を絶縁しつつ封止する。
これにより、Oリング38、39は、燃料室12および空間35内の燃料が、Oリング38、39よりも基端側に流入することを防止する。なお、本実施形態では、Oリング38、39よりも先端側が「燃料が流通する領域」に対応し、Oリング38、39よりも基端側が「燃料が流通しない領域」に対応する。
接続部51、52は、回路基板25に形成されるスルーホール251、252に挿通され、はんだ等で固定される。また、接続部51、52には、スルーホール53、54が形成される。スルーホール53、54は、少なくとも一部がスルーホール251、252の内部となるように配置される。これにより、はんだづけの際の作業性が向上する。また、スルーホール53、54、251、252の縁部および内壁には、導電体が設けられる。これにより、サーミスタ基板50は、回路基板25に保持されるとともに、電気的に接続される。
電極部30は、燃料の燃料性状である燃料中のエタノール濃度に対応して変化する静電容量を検出する。第1サーミスタ45は、電極部30の内側であって、燃料が流通する領域に配置される。第2サーミスタ46は、燃料が流通しない領域に配置される。回路部60は、電極部30により検出される静電容量、第1サーミスタ45により検出される第1の検出値、および、第2サーミスタ46により検出される第2の検出値に基づき、燃料中のエタノール濃度を算出する。
本発明の第2実施形態による燃料性状センサを図4に基づいて説明する。
本実施形態の燃料性状センサ2は、基本的な構成は第1実施形態の燃料性状センサ1と同様であるので、説明を省略する。
第3サーミスタ47は、第1サーミスタ45および第2サーミスタ46と同様、温度に応じて抵抗値が変化する抵抗体として構成され、当該抵抗値を第3の検出値として検出する。第3サーミスタ47は、チップ型であり、サーミスタ基板50に実装され、図示しない配線により、回路部60と電気的に接続される。なお、第1サーミスタ45と回路部60とを接続する配線と、第3サーミスタ47と回路部60とを接続する配線とが混線しないように、サーミスタ基板50を積層構造とすることが好ましい。
これにより、上記実施形態と同様の効果を奏する他、サーミスタを3箇所に設けることにより、より正確な温度分布推定が可能となり、燃料の温度をより精度よく検出することができ、ひいては燃料中のエタノール濃度の検出精度をさらに高めることができる。
なお、サーミスタ45〜47に異常が生じていることが検出された場合、ECU77に異常が生じていることを通知し、エンジン制御をフェールモードに切り替えることが好ましい。
本発明の第3実施形態による燃料性状センサを図5に基づいて説明する。
本発明の燃料性状センサ3は、基本的な構成は第2実施形態の燃料性状センサ2と同様であるので、説明を省略する。
燃料性状センサ3は、第1サーミスタ45、第2サーミスタ46、および、第3サーミスタ47に加え、第3の温度センサとしての第4サーミスタ48を備える。
第4サーミスタ48は、第1サーミスタ45と第2サーミスタ46との間の領域であり、かつ、第1サーミスタ45と第3サーミスタ47との間の領域に配置される。
また、本実施形態では、第3の温度センサとして、第3サーミスタ47および第4サーミスタ48を備えている。すなわち、第3の温度センサは、複数である。
このように、第3の温度センサを複数とし、全体としてサーミスタを4箇所以上に設けることにより、より正確な温度分布推定が可能となり、燃料の温度をより精度よく検出することができ、ひいては燃料中のエタノール濃度の検出精度を高めることができる。
上記実施形態では、第2サーミスタ46は、回路基板25上であって、第1サーミスタ45と略同軸上に配置されていたが、他の実施形態では、燃料が流通しない領域であれば、どこに配置してもよい。例えば、回路基板25上のいずれの箇所に配置してもよいし、サーミスタ基板50上の燃料が流通しない領域に配置してもよい。なお、回路部60の自己発熱を鑑みると、回路基板25の近傍に設けることが好ましいので、例えば、サーミスタ基板50の回路基板25近傍に設けてもよい。
このとき、熱伝導部材59は、熱伝導部材49の如く、基端側の端部がOリング38、39近傍まであるように構成してもよい。また、熱伝導部材は、なくてもよい。
さらに、温度センサとして、サーミスタ以外のものを用いてもよい。
また、上記実施形態では、電極部は、略円筒状の外側電極および内側電極により構成されていたが、他の実施形態では、電極部はどのような形状であってもよい。また、他の実施形態では、燃料性状センサは、電極間の静電容量に限らず、例えば電極間の抵抗値等の他の電気的特性値に基づき、燃料性状を検出するものであってもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
25・・・回路基板
30・・・電極部
45・・・第1サーミスタ(第1の温度センサ)
46・・・第2サーミスタ(第2の温度センサ)
47・・・第3サーミスタ(第3の温度センサ)
48・・・第4サーミスタ(第3の温度センサ)
49、59・・・熱伝導部材
50・・・サーミスタ基板(保持部材)
60・・・回路部
Claims (6)
- 燃料中に浸漬され、前記燃料の燃料性状に対応して変化する電気的特性値を検出する電極部(30)と、
前記電極部の内側であって、前記燃料が流通する領域に配置される第1の温度センサ(45)と、
前記燃料が流通しない領域に配置される第2の温度センサ(46)と、
前記電極部により検出される前記電気的特性値、前記第1の温度センサにより検出される第1の検出値、および、前記第2の温度センサにより検出される第2の検出値に基づき、前記燃料の燃料性状を算出する回路部(60)と、
を備えることを特徴とする燃料性状センサ(1、2、3)。 - 前記第2の温度センサは、前記回路部が設けられる回路基板(25)に実装されることを特徴とする請求項1に記載の燃料性状センサ。
- 前記第1の温度センサと前記第2の温度センサとの間の領域に配置される第3の温度センサ(47、48)をさらに備え、
前記回路部は、前記電極部により検出される前記電気的特性値、前記第1の温度センサにより検出される第1の検出値、前記第2の温度センサにより検出される第2の検出値、および、前記第3の温度センサにより検出される第3の検出値に基づき、前記燃料の燃料性状を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料性状センサ(2、3)。 - 前記第3の温度センサ(47)は、前記燃料が流通しない領域に設けられることを特徴とする請求項3に記載の燃料性状センサ。
- 前記第1の温度センサを保持する保持部材(50)と前記電極部との間に配置される熱伝導部材(59)をさらに備え、
前記第3の温度センサ(48)は、前記燃料が流通する領域であって、前記熱伝導部材が設けられていない領域に配置されることを特徴とする請求項3に記載の燃料性状センサ。 - 前記第1の温度センサを保持する保持部材(50)と前記電極部との間に配置される熱伝導部材(59)をさらに備え、
前記第3の温度センサ(47、48)は、複数であり、
前記第3の温度センサの少なくとも1つ(47)は、前記燃料が流通しない領域に配置され、
前記第3の温度センサの少なくとも1つ(48)は、前記燃料が流通する領域であって、前記熱伝導部材が設けられていない領域に配置されることを特徴とする請求項3に記載の燃料性状センサ(3)。
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