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JP2014070233A - 成膜装置、ガスバリア性積層体および光学部材 - Google Patents

成膜装置、ガスバリア性積層体および光学部材 Download PDF

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Takayuki Tani
卓行 谷
Kyosuke Ueda
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Abstract

【課題】プラズマ密度と基材への引き込み電圧を自由に設定し、酸素バリア性および水蒸気バリア性に優れたガスバリア性積層体を生産すること。
【解決手段】成膜装置27は、フィルム基材をロール・ツー・ロールで搬送する搬送手段と、搬送手段によって搬送中のフィルム基材15が曝露される成膜室10と、を具備し、プラズマによる化学気相堆積法によってフィルム基材15に薄膜を形成する。成膜室10内にプラズマを発生させるプラズマ発生手段は、ホローカソード放電発生手段であるホローカソードガン17である。
【選択図】図1

Description

本発明は、基材上に薄膜積層体を製造する成膜装置、この成膜装置を用いて作製されたガスバリア性積層体および光学部材に関するものである。
食品の包装材料、例えばレトルト食品のパウチ材料としては、基材としてのプラスチックフィルムと酸素および水蒸気バリア層としてのアルミ箔およびヒートシールのための熱可塑性樹脂フィルムとが順次積層された積層包装材料からなる袋の全面に、装飾効果を高めるために印刷が施されているものが従来から広く用いられている。また、近年、家庭における電子レンジの普及に伴い、常温流通が可能で、包材ごと電子レンジに適用できるバリア性を有したフレキシブルプラスチックフィルムからなる包装用フィルムを用いた食品包材の市場が拡大している。
上記の特性を満たす材料として、フレキシブルプラスチックフィルムを基材とし、この表面に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等の金属酸化物を蒸着し、蒸着面に他のフィルムを積層した包装用フィルムが提案されている。この包装用フィルムは、優れた廃棄性と内容物を外から確認できるという特性を生かして、医薬品などの包装材料、電子部材、光学部材などの保護材料にも用いられている。
また、近年、次世代のFPDとして期待される電子ペーパー、有機EL、また広範囲での普及が進んでいるLCDに関し、これらFPDのフレキシブル化を達成するため、もしくは軽量化、コストダウン、ガラス基板の割れ等製造時のスループット向上のため、ガラス基板をプラスチックフィルムに置き換えたいという要求が高まっている。また、有機ELでは、蛍光灯に替わる代替照明方法としても注目されており、この場合、軽量化、安全確保などの理由からプラスチックフィルムを用いることが求められている。一方、FPDのフレキシブル化とは別に、太陽電池のバックシートなどの産業資材も軽量化や、薄型化、破損防止などの観点から、フィルムが採用されるケースが多くなっている。
ガラス基板は環境由来の酸素や水蒸気による内部素子の劣化を抑制するため必要とされるガスバリア性が備わっている。しかし、軟包装材料用のガスバリアフィルムはそのバリアレベルには達しておらず、プラスチックフィルムが適用され得る太陽電池バックシートなどの産業資材は食品包材用バリアフィルムの数倍以上、電子ペーパー、有機ELなどディスプレイ用封止フィルムでは10−2g/m/day以下の水蒸気バリア性が必要とも言われている。また、太陽電池も薄膜太陽電池は1g/m/day以下の水蒸気バリア性、薄膜の種類によっては更に高いバリア性を求められる場合もある。
誘導加熱法、抵抗加熱法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法などの物理成膜法(PVD法)は、大面積化やロール・ツー・ロールへの展開が容易であることから、これらの方式を用いて、高いガスバリア性の発現が期待できるものとして検討されている。PVD法は、大きく分けて誘導加熱法、抵抗加熱法、電子ビーム蒸着法などの蒸着法とスパッタリング法に分けられる。蒸着法は、成膜速度は速いが緻密でガスバリア性の高い膜を得ることが困難な手法であり、一方スパッタリング法は、成膜速度は遅いが緻密でガスバリア性の高い膜を得ることが可能である。このため、一般的に軟包装材料用のガスバリアフィルムは蒸着法を用いる場合が多く、スパッタリング法を用いた大面積成膜は精密な膜厚コントロールを求められる光学膜用途に用いられることが多い。スパッタリング法を用いたガスバリアフィルムのm当たりの価格は、蒸着法に比較して高くなる。
物理成膜法(PVD法)に対し、化学気相堆積法(CVD法)を用いてもガスバリア性を有するプラスチックフィルムを実現することは可能である。化学気相堆積法(CVD法)は、熱CVD法、プラズマCVD法、触媒CVD法など様々な種類があるが、大面積化やロール・ツー・ロール化を行う手法としては、プラズマCVD法が一般的である。プラズマCVD法において、プラズマ発生源として用いる電源は、交流電源が一般的であり、特に13.56MHzに代表される高周波電源が用いられることが多い。これは、一般的に周波数が高いほど発生するプラズマの密度が高く、用いるモノマーガス、反応性ガスの分解が進みやすい。一方で、周波数が高くなるほど定在波が発生しやすく、発生するプラズマの密度が空間で一様でなくなるなどのトラブルも発生する。このため、プラズマCVD法を用いて大面積での成膜を実施する場合、定在波を回避する対策が必要となり、煩雑となる。TFT(Thin Film Transistor)の大面積化などには、高い周波数を用いたプラズマCVD法が用いられているが、ロール・ツー・ロールのプロセスにおいては、13.56MHzなどの高周波電源を使う例は少ない。ロール・ツー・ロールのプロセスにおいて、プラズマCVD法を用いた例として、下記特許文献1が挙げられる。この場合、用いている周波数は、数十kHzであり、定在波の問題が発生しないため、空間においてプラズマ密度の偏りがなく、均一な薄膜を得ることが可能な方法である。
特許第4414781号公報
しかしながら、この手法ではコーティングドラムに交流電源を接続し、コーティングドラムをカソードとすることで、放電を発生させ成膜するが、陰極降下電圧と空間中のプラズマ密度が一義的に決定されてしまい、引き込み電圧とプラズマ密度を自由に設定できないという問題があった。また、定在波が成膜空間中で発生しない一方でプラズマ密度を高くすることが困難であり、モノマーガスや反応性ガスの分解が進行しにくいといった問題や空間中で反応したクラスターが膜中に取り込まれるなどの現象があり、結果生産性を優先すると高いバリア性が得辛いという問題があった。また、プラズマ密度を向上させるためには、別途磁石を空間中に設置するなどの構造をとる必要があり、装置が煩雑化、コストアップするという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑み、プラズマ密度と基材への引き込み電圧を自由に設定し、酸素バリア性および水蒸気バリア性に優れた、透明、もしくは半透明なガスバリア性積層体を生産することを可能とするプラズマCVD成膜装置を提供する。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、フィルム基材をロール・ツー・ロールで搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送中の前記フィルム基材が曝露される成膜室と、を具備し、プラズマによる化学気相堆積法によって前記フィルム基材に薄膜を形成する成膜装置であって、前記成膜室内に前記プラズマを発生させるプラズマ発生手段と、前記成膜室内にモノマーガスを導入するモノマーガス導入手段と、前記成膜室内に反応性ガスを導入する反応性ガス導入手段と、を備え、前記プラズマ発生手段は、ホローカソード放電発生手段であることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記ホローカソード放電発生手段は、円筒状のホローカソードと、2つのアノードとからなり、一方の前記アノードが前記ホローカソードの周囲に設置され、他方の前記アノードが前記成膜室を挟んで前記ホローカソードと対向する位置に設置されることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記ホローカソード放電発生手段は、円筒状のホローカソードと、前記ホローカソードの周囲に設置される円筒状のアノードとからなることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記ホローカソード放電発生手段は、円筒状のホローカソードとアノードとからなり、前記ホローカソードと前記アノードは、前記成膜室を挟んで互いに対向する位置に設置されることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記プラズマ中の荷電粒子を電界によって加速して前記フィルム基材に入射する荷電粒子入射手段を有することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記荷電粒子入射手段は、周波数1MHz以下の交流電源またはデューティーサイクルおよびパルス幅が可変のパルス電源であることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の成膜装置で製造されたガスバリア性積層体であって、水蒸気透過度が2g/m/day以下であることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の成膜装置で製造されたガスバリア性積層体であって、酸素透過度が3cc/m/day以下であることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の成膜装置で製造されたガスバリア性積層体を用いた光学部材であることを特徴とする。
本発明によれば、プラズマ密度と基材への引き込み電圧を自由に設定し、酸素バリア性および水蒸気バリア性に優れた、透明、もしくは半透明なガスバリア性積層体を生産することを可能とするプラズマCVD成膜装置と、当該成膜装置を用いて製造したガスバリア性積層体およびそれを用いた光学部材を提供することができる。
本発明の成膜装置の一実施形態を示した模式図である。 本発明のホローカソードガンの一実施形態を示した断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の成膜装置の一実施形態を示した模式図である。成膜装置27には、成膜室10および巻き取り室11があり、成膜装置27内にフィルム基材15をロール・ツー・ロールで搬送する搬送手段を具備している。フィルム基材をロール・ツー・ロールで搬送する手段は、巻き出しローラー12と巻き取りローラー13とコーティングドラム14とからなる。フィルム基材15は、巻き出しローラー12から巻き出され、コーティングドラム14を介し、巻き取りローラー13に巻き取られる。この際、コーティングドラム14にて、フィルム基材15へプラズマCVD法によって成膜を行う。すなわち、成膜装置27は、フィルム基材をロール・ツー・ロールで搬送する搬送手段と、搬送手段によって搬送中のフィルム基材が曝露される成膜室10と、を具備し、プラズマによる化学気相堆積法によってフィルム基材に薄膜を形成する。
フィルム基材15は、特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。例えばポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド系(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリエーテルスルホン、アクリル、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等)などが挙げられるが特に限定されない。実際的には、用途や要求物性によって適宜選定をすることが望ましく、限定をする例ではないが医療用品、薬品、食品等の包装には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン(登録商標)などがコスト的に用いやすく、電子部材、光学部材等の極端に水分を嫌う内容物を保護する包装には、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド類、ポリエーテルスルホンなどのそれ自体も高いガスバリア性を有する基材を用いることが望ましい。また、基材フィルム厚みは限定するものではないが、用途に応じて、6μmから200μm程度が使用しやすい。
プラズマCVD法による成膜を行うため、プラズマ16の発生源として、ホローカソード放電を用いたホローカソードガン17(プラズマ発生手段)が設置されており、アノードとして内部電極18、または外部電極19が設置されている。また、ホローカソードガン17には、ホローカソード放電発生用のホローカソード放電用直流電源22が接続されている。
ホローカソード放電とは、円筒状のホローカソード内にて、シース電圧によって加速された電子が、ホローカソード内を移動し、ホローカソードのシース電圧によって逆に減速するが、この減速した電子は、再度シース電圧によって加速され、ホローカソード内を移動することによって電離が繰り返され、発生する高密度プラズマを指す。ホローカソードから成膜室10へのガスの導入は、成膜室10とホローカソード内との間に圧力差があるため、発生した高密度のプラズマが成膜室10側に引き出されることによって行われる。ホローカソードから導入するガスは、Ar、He、Neなどの希ガスを含めNなどの不活性ガスが、電極内部の酸化等変質を起こさず、長時間の放電を安定して行うことが可能であるため好ましいが、これに限定されるものではない。
内部電極18は、ホローカソードに対するアノードであり、ホローカソードガン17の内部に設置され、ホローカソードガン17の内部でホローカソード放電を発生させる仕組となっている。
図2は、本発明のホローカソードガン17の一実施形態を示した断面図である。ホローカソードガン17は、ホローカソード28とホローカソード28の周囲に位置するアノード29からなり、このホローカソード28の内部で高密度プラズマが発生する。なお、内部電極18はアノード29に相当する。
また、内部電極18が、成膜材料によって汚染されると、放電が不安定になる場合があるため、必要に応じて汚染され辛いように防着板を設けるなどの構造があってもよい。
一方、外部電極19は、内部電極18と同様、ホローカソードに対するアノードであり、ホローカソードガン17の外部に位置すればよいが、図1のようにコーティングドラム14を挟んでホローカソードガン17と向かい合う位置に設置されることが好ましい。
外部電極19をアノードとして用いる場合、図1のようにプラズマ16は両極性拡散現象を満たし、ホローカソード28と外部電極19の間で放電が発生する。内部電極18を用いるか、あるいは外部電極19を用いるかは、スイッチ23およびスイッチ24で切り替え可能である。
すなわち、ホローカソード放電発生手段であるホローカソードガン17は、円筒状のホローカソード28と、2つのアノードとからなり、一方のアノード29(内部電極18)がホローカソード28の周囲に設置され、他方のアノード(外部電極19)が成膜室10を挟んでホローカソード28と対向する位置に設置される。なお、ホローカソード放電発生手段のアノードをいずれか1つのみ設けてもよい。すなわち、ホローカソード放電発生手段は、円筒状のホローカソード28と、ホローカソード28の周囲に設置される円筒状のアノード29とからなるようにしてもよいし、円筒状のホローカソード28とアノード(外部電極19)とからなり、ホローカソード28とアノード(外部電極19)は、成膜室10を挟んで互いに対向する位置に設置されるようにしてもよい。
プラズマCVD法による成膜を行うため、成膜室10にモノマーと反応性ガスを導入する必要がある。モノマーガス導入機構20(モノマーガス導入手段)と反応性ガス導入機構21(反応性ガス導入手段)をそれぞれ成膜室10に設置する。例えば水蒸気透過度や酸化透過度といった、必要とされる性能と、求めている成膜速度に応じて、導入機構は複数でなく単一源からの導入であっても構わない。モノマーガス導入機構20と反応性ガス導入機構21からそれぞれ導入されたガスは、成膜室10で発生しているプラズマ16によって、解離、電離、ラジカル化する。これによって、コーティングドラム14を搬送中のフィルム基材15上に、モノマーガス成分と反応性ガスが反応した膜が成膜される。
また、ホローカソードガン17は、フィルム基材15の幅方向の大きさによって成膜装置内に複数設置してもよく、アノードとして外部電極19を用いる場合、ホローカソードガン17の数に応じて複数設置してもよい。また、ホローカソードガン17、外部電極19に収束磁場などの磁場を設けてもよい。
プラズマ16の放電条件は、1つのホローカソードにつき数A〜数百Aと電流値が高いほどプラズマ密度が高く、解離、電離、ラジカル化を促進する点では好ましい。しかし、モノマーガスの未反応成分が膜中に残ることで、膜の応力が緩和されるなどの効果もあるため、求める効果によって、電流値の設定を行えばよい。また、これと同様に電流値が高い状態で、多くのモノマーガス、反応性ガスを導入し、成膜速度を上げることも適宜実施することが可能である。
また、本発明の成膜装置は、プラズマ16中の荷電粒子を電界によって加速してフィルム基材15に入射する手段(荷電粒子入射手段)を具備している。コーティングドラム14に電界加速用電源25を接続し、プラズマ中の荷電粒子を電界によって加速し、高い運動エネルギーを持ってフィルム基材15に入射させることができる。
この電界加速用電源25(荷電粒子入射手段)は、直流電源、パルス電源、交流電源のいずれであってもよいが、例えば周波数1MHz以下の交流電源またはデューティーサイクルおよびパルス幅が可変のパルス電源が望ましい。パルス電源を用いる場合は、パルス幅、デューティーサイクルを適宜決定する必要があり、交流電源を用いる場合、成膜速度と合わせて適宜周波数を決定する必要がある。フィルム基材としてプラスチック基材を用いるため、絶縁物の成膜を行う場合などは、帯電緩和を行う必要がある場合があるため、パルス電源、交流電源のどちらかであることが望ましい。交流電源を用いる場合、コーティングドラム14に負の電圧を印加するため、コンデンサ26をコーティングドラム14と電解加速用電源25の間に挿入し、コーティングドラム14に負の電圧を誘起させる。
本発明の成膜装置は、モノマーガス導入機構20、反応性ガス導入機構21から導入された膜構成粒子がプラズマ16中で解離、電離、励起されるのと同時に、ホローカソードガン17から導入された不活性ガスのイオンも電界によって加速してフィルム基材15に入射することができるため、アシスト効果が得られるため、より緻密な膜を成膜可能となる。
また、本発明の成膜装置で成膜されたガスバリア性積層体は、水蒸気透過度が2g/m/day以下であることが好ましい。本発明の成膜装置は、モノマーガス導入量、反応性ガス導入量、ホローカソードから導入するガスの流量とホローカソードの電流値を変更することによって、プラズマ密度を自由に設定し、成膜速度に対するガスバリア性を自由に設定することができるので、水蒸気透過度を特定の範囲にすることで、水蒸気バリア性に優れたガスバリア性積層体を作製することができる。
さらに、本発明の成膜装置で成膜されたガスバリア性積層体は、酸素透過度が1cc/m/day以下であることが好ましい。本発明の成膜装置は、モノマーガス導入量、反応性ガス導入量、ホローカソードから導入するガスの流量とホローカソードの電流値を変更することによって、プラズマ密度を自由に設定し、成膜速度に対するガスバリア性を自由に設定することができるので、水蒸気透過度を特定の範囲にすることで、水蒸気バリア性に優れたガスバリア性積層体を作製することができる。
以下に、本発明の具体的な実施例を示す。
<実施例1>
図1に示す成膜装置を用いて、モノマーガス導入機構20よりHMDSOを200sccm、反応性ガス導入機構21より酸素ガスを200sccm導入し、フィルム基材15として12μm厚のPETフィルムを、巻き出しローラー12から巻き取りローラー13に向かってを流し、物理膜厚20nmの酸化ケイ素膜をフィルム基材上に成膜した。この際、ホローカソードガン17にアルゴンガスを150sccm流し、ホローカソードと対向電極18との間にホローカソード放電用直流電源22を用いて27V、60Aの放電を発生させた。
<実施例2>
図1に示す成膜装置を用いて、モノマーガス導入機構20よりHMDSOを200sccm、反応性ガス導入機構21より酸素ガスを200sccm導入し、フィルム基材15として12μm厚のPETフィルムを、巻き出しローラー12から巻き取りローラー13に向かってを流し、物理膜厚20nmの酸化ケイ素膜をフィルム基材上に成膜した。この際、ホローカソードガン17にアルゴンガスを150sccm流し、ホローカソードと対向電極19との間にホローカソード放電用直流電源22を用いて40V、60Aの放電を発生させた。
<実施例3>
図1に示す成膜装置を用いて、モノマーガス導入機構20よりHMDSOを200sccm、反応性ガス導入機構21より酸素ガスを200sccm導入し、フィルム基材15として12μm厚のPETフィルムを、巻き出しローラー12から巻き取りローラー13に向かってを流し、物理膜厚20nmの酸化ケイ素膜をフィルム基材上に成膜した。この際、ホローカソードガン17にアルゴンガスを150sccm流し、ホローカソードと対向電極19との間にホローカソード放電用直流電源22を用いて38V、60Aの放電を発生させた。さらに、電界加速用電源25として周波数40kHzの交流電源を設置し、電圧150Vとし、プラズマ中の荷電粒子の引き込みを行った。
<比較例1>
図1に示す成膜装置を用いて、モノマーガス導入機構20よりHMDSOを200sccm、反応性ガス導入機構21より酸素ガスを200sccm導入し、フィルム基材15として12μm厚のPETフィルムを、巻き出しローラー12から巻き取りローラー13に向かってを流した。この際、周波数40kHzの交流電源である電界加速用電源25に10kWを印加して、プラズマを発生させた。これによって、物理膜厚20nmの酸化ケイ素膜をフィルム基材上に成膜した。
作成したサンプルについて、水蒸気透過度および酸素透過度を以下の方法で測定した。
(評価方法)
水蒸気透過度をMOCON法によって測定した。用いた測定器はMOCON PERMATRAN(登録商標)3/33によって、40℃、90%Rhにて測定し、酸素透過度はMOCON OX−TRAN(登録商標)2/20によって、23℃、0%Rhにて測定した。
表1に実施例1、実施例2、実施例3、比較例で作成したサンプルの水蒸気透過度と酸素透過度を示す。
Figure 2014070233
表1の結果より、本発明の成膜装置を用いた場合、高い水蒸気バリア性と酸素バリア性を示す結果が得られ、電界加速によるガスバリアが更に向上する結果が得られた。
本発明の成膜装置は、酸素および水蒸気バリア性積層体(ガスバリア性積層体)を製造するのに適しており、本発明の成膜装置を用いて製造された酸素および水蒸気バリア性積層体は、バリア部材の他に、光学フィルム、光学機能性フィルタ等の光学部材等にも利用される。
10・・・成膜室
11・・・巻き取り室
12・・・巻き出しローラー
13・・・巻き取りローラー
14・・・コーティングドラム
15・・・フィルム基材
16・・・プラズマ
17・・・ホローカソードガン(プラズマ発生手段)
18・・・内部電極
19・・・外部電極
20・・・モノマーガス導入機構(モノマーガス導入手段)
21・・・反応性ガス導入機構(反応性ガス導入手段)
22・・・ホローカソード放電用直流電源
23,24・・・スイッチ
25・・・電界加速用電源
26・・・コンデンサ
27・・・成膜装置
28・・・ホローカソード
29・・・アノード

Claims (9)

  1. フィルム基材をロール・ツー・ロールで搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送中の前記フィルム基材が曝露される成膜室と、を具備し、プラズマによる化学気相堆積法によって前記フィルム基材に薄膜を形成する成膜装置であって、
    前記成膜室内に前記プラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
    前記成膜室内にモノマーガスを導入するモノマーガス導入手段と、
    前記成膜室内に反応性ガスを導入する反応性ガス導入手段と、を備え、
    前記プラズマ発生手段は、ホローカソード放電発生手段であることを特徴とする成膜装置。
  2. 前記ホローカソード放電発生手段は、円筒状のホローカソードと、2つのアノードとからなり、一方の前記アノードが前記ホローカソードの周囲に設置され、他方の前記アノードが前記成膜室を挟んで前記ホローカソードと対向する位置に設置されることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記ホローカソード放電発生手段は、円筒状のホローカソードと、前記ホローカソードの周囲に設置される円筒状のアノードとからなることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  4. 前記ホローカソード放電発生手段は、円筒状のホローカソードとアノードとからなり、
    前記ホローカソードと前記アノードは、前記成膜室を挟んで互いに対向する位置に設置されることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  5. 前記プラズマ中の荷電粒子を電界によって加速して前記フィルム基材に入射する荷電粒子入射手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の成膜装置。
  6. 前記荷電粒子入射手段は、周波数1MHz以下の交流電源またはデューティーサイクルおよびパルス幅が可変のパルス電源であることを特徴とする請求項5に記載の成膜装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の成膜装置で製造されたガスバリア性積層体であって、水蒸気透過度が2g/m/day以下であることを特徴とするガスバリア性積層体。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載の成膜装置で製造されたガスバリア性積層体であって、酸素透過度が3cc/m/day以下であることを特徴とするガスバリア性積層体。
  9. 請求項1から6のいずれかに記載の成膜装置で製造されたガスバリア性積層体を用いた光学部材。
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