JP2014059530A - 調光制御装置、画像表示装置、調光制御方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源から射出された光を遮断する遮光板により形成される開口部の開口率が変更されることにより光量を変更する調光素子を制御する調光制御装置として、画像信号の画像特徴量に基づいて、画像信号に基づく画像が調光補正対象であるか否かについて判定し、画像信号に基づく画像が調光補正対象であると判定した場合には、画像信号に基づく画像が調光補正対象ではないと判定した場合に応じて設定する基礎の開口率を補正した開口率を設定する。そして、調光制御装置は、設定された開口率に基づいて調光素子を制御することにより、画像表示のために光源から射出された光の光量を変更する。
【選択図】図4
Description
しかし、このような投射型表示装置は、光学系を構成する各種の光学要素で生じる光漏れや迷光のために充分なコントラストが得られにくいという問題を有している。このような問題を解決するには、例えば画像信号に応じて液晶ライトバルブに入射させる光量を変更すればよい。しかし、現状において投射型表示装置に使用される光源としては、高圧水銀ランプが主流であり、この高圧水銀ランプ自体の光出力強度を制御するのは極めて困難な状況にある。
また、このように光源の明るさが固定されていることにより、例えば暗めの鑑賞環境においては画面が明るくなりすぎたり、ズーミングなどにより投射映像のサイズを変化させたりした場合に画面の明るさが変化してしまうという問題も生じている。
液晶プロジェクタにおいては、光源から射出された光の光軸に直交する面に沿うようにフライアレイレンズが設けられる。このフライアレイレンズによって光源から射出された光が複数の光束に分割され、これにより、液晶ライトバルブに入射する光の照度分布が均一化される。
遮光板を備えた調光素子により減光量を多くしていくことによっては、フライアレイレンズにおいて光が透過するレンズのセルが少なくなるのであるが、これがスクリーンに表示される画像における色むらを生じさせる要因となっている。
[画像表示装置:光学系の構成例]
図1は、本発明の実施形態に係る投射型の画像表示装置における光学系部の構造例を示している。本実施形態の光学系部は、画像表示装置に入力された画像信号を投射画像として表示する。
本実施形態の画像表示装置は、R(赤)、G(緑)、B(青)の異なる色ごとに透過型の液晶ライトバルブを備えた3板式の投射型カラー液晶表示装置である。
図1に示す光学系部は、照明装置1、ダイクロイックミラー41,42、反射ミラー43,44,45、液晶ライトバルブ51,52,53、及びクロスダイクロイックプリズム60を備える。
第1のフライアイレンズ21は光源10から射出された光を複数の光束Rに分割し、第2のフライアイレンズ22はライトバルブ位置においてそれらを重畳する重畳レンズとしての機能を有する。場合によっては2次光源像を重畳するためのコンデンサーレンズを第2のフライアイレンズ22の位置、もしくはその後段に配しても良い。以下では重畳レンズとして第2のフライアイレンズ22が用いられた場合について説明を行う。
本実施形態の場合、光源10から射出された光の光量を調節する調光素子として、遮光板31,32が第1のフライアイレンズ21と第2のフライアイレンズ22との間に回動可能に設置されている。
青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー41は、光源10からの光束のうちの赤色光LRを透過させるとともに、青色光LBと緑色光LGとを反射させる。ダイクロイックミラー41を透過した赤色光LRは反射ミラー45で反射されて赤色光用の液晶ライトバルブ51に入射される。一方、ダイクロイックミラー41で反射した色光のうち、緑色光LGは緑色光反射用のダイクロイックミラー42によって反射され、緑色光用の液晶ライトバルブ52に入射される。一方、青色光LBはダイクロイックミラー42も透過し、リレーレンズ46、反射ミラー43、リレーレンズ47、反射ミラー44、リレーレンズ48からなるリレー系49を経て青色光用の液晶ライトバルブ53に入射される。
次に、図4を参照して、本実施形態の画像表示装置における調光制御系(調光制御装置)の構成例について説明する。
この図に示す画像表示装置は、画像特徴量算出部101、伸張率設定部102、伸張率テーブル記憶部103、伸張処理部104、開口率設定部105、開口率テーブル記憶部106、画像判定部107及び調光制御部108を備える。
また、この図においては、輝度伸張処理が施された画像信号により光変調を行う液晶ライトバルブ51,52,53と、調光制御部108により駆動される調光素子30が示されている。
画像特徴量算出部101は、1フレームの画像信号を形成する画素が有する輝度値の平均値を算出し、この平均値をAPLとする。
S = {Max(R,G,B) - Min(R,G,B)} / Max(R,G,B)・・・(式1)
上記の(式1)は、彩度を「0」〜「1」の範囲となるように正規化する場合の式であるが、正規化を行わない場合、彩度Sは、以下の式により求めることもできる。
S = Max(R,G,B) - Min(R,G,B)・・・(式2)
図5に示す伸張率テーブルは、白ピーク値とAPLの値の組み合わせごとに対応する伸張率の値を格納する二次元テーブルとしての構造を有する。この図の例では、白ピーク値として、0,n1,n2,n3,n4,n5,n6,n7,1023の値が設定されている。ここで、n1,n2,n3,n4,n5,n6,n7は、予め定められた定数である。同様に、APLとしては、0,m1,m2,m3,m4,m5,m6,m7,1023の値が設定されている。m1,m2,m3,m4,m5,m6,m7も予め定められた定数である。なお、n1とm1、n2とm2、n3とm3、n4とm4、n5とm5、n6とm6、n7とm7、n8とm8は、互いに同じ値である必要はない。
なお、入力した白ピーク値の値が0,n1,n2,n3,n4,n5,n6,n7,1023のいずれの定数にも該当しない場合がある。また、入力したAPLの値が0,m1,m2,m3,m4,m5,m6,m7,1023のいずれの定数にも該当しない場合がある。この場合、伸張率設定部102は、例えば入力した白ピーク値またはAPLの近傍の定数の組み合わせに対応して伸張率テーブルに格納されている値を利用して補間処理を行うことによって伸張率Gtを取得すればよい。
伸張率設定部102は、上記のように伸張率テーブルから取得した値を伸張率Gtとして設定する。
本実施形態における画像信号は、例えば、R,G,Bの各色に対応する色信号を有する形式である。この場合、伸張処理部104は、R,G,Bの色信号ごとに、伸張率Gtにしたがって輝度範囲を拡大させる。具体的に、伸張率設定部102が入力するR,G,Bの各色に対応する色信号をそれぞれrin、gin、binとし、伸張率設定部102が出力するR,G,Bの各色に対応する色信号をそれぞれr,g,bとする。そのうえで伸張率設定部102は、輝度伸張処理として、例えば以下の(式3)、(式4)、(式5)により色信号r,g,bを求める。
r=rin・Gt・・・(式3)
g=gin・Gt・・・(式4)
b=bin・Gt・・・(式5)
伸張処理部104は、上記のように求めた色信号r,g,bを、それぞれ、液晶ライトバルブ51,52,53に対して出力する。
第1の実施形態において、開口率設定部105は、画像特徴量算出部101により算出された画像信号の画像特徴量に基づいて開口率(基礎開口率A、補正開口率Ac)を設定する。なお、調光素子30の開口部は、調光素子30における遮光板31,32により形成される。開口率は、この開口部についての開口の度合いを示す。開口率が小さくなるほど遮光板31,32により形成される開口部は狭くなり、光源10から射出された光に対する遮光量も増加し、表示される画像が暗くなる。
基礎開口率設定部105Aは、基礎開口率Aを設定する。基礎開口率Aは、補正が行われる前の基礎的な開口率であり、画像信号に基づく画像が調光補正対象ではないと画像判定部107により判定された場合の調光制御に利用されるべき開口率である。
第1の実施形態において、基礎開口率設定部105Aは、基礎開口率Aを設定するにあたり、開口率テーブル記憶部106に記憶される開口率テーブルを参照する。開口率テーブルの構造としては、例えば図5と同様でよい。
基礎開口率設定部105Aは、画像特徴量として白ピーク値とAPLを入力する。基礎開口率設定部105Aは、入力した白ピーク値とAPLの組み合わせに対応する開口率の値を開口率テーブルから取得する。なお、入力した白ピーク値またはAPLの値が開口率テーブルにおいて設定された定数に該当しない場合には、伸張率の場合と同様に補間処理を行って開口率を取得すればよい。基礎開口率設定部105Aは、このように開口率テーブルから取得した値を基礎開口率Aとして設定する。
なお、開口率補正部105Bについては後述する。
ここで、調光補正対象の画像とは、色むらなどのように光源10からの光量の減少に起因する画質劣化が生じている場合に、その画質劣化がカラーによる自然画像よりも目立ちやすい内容の画像をいう。本実施形態において調光補正対象に該当する画像としては、例えばラスター画像とモノクローム画像である。また、ここでの調光補正とは、このようなラスター画像やモノクローム画像などが表示されるのに対応して、ラスター画像やモノクローム画像が表示されてないときに設定される光量とは異なる光量となるように調光制御を行うことをいう。
また、モノクローム画像は色彩の無い輝度のみにより表現される画像である。このような画像も、色ずれが生じた場合には本来色彩の無い画像に色が現れることになるために、その色ずれが目立つ。
画像判定部107は、画像信号に基づく画像がラスター画像とモノクローム画像のいずれか一方であると判定した場合に調光補正対象であると判定する。
画像判定部107は、画像特徴量として白ピーク値とAPLを入力する。そして、画像判定部107は、入力した白ピーク値とAPLとを比較し、白ピーク値とAPLとが同じ値であるか否かについて判定する。
白ピーク値とAPLが同じ値であるということは、全体において輝度が一様に分布した画像、つまり、ラスター画像であることになる。そこで、画像判定部107は、白ピーク値とAPLとが同じ値である場合にラスター画像であると判定する。
このような観点から、画像判定部107は、白ピーク値とAPLとが同じ値とみなせる一定のマージン値を設定し、この白ピーク値とAPLの値の差分値がマージン値以内であればラスター画像であると判定する。つまり、画像判定部107は、白ピーク値とAPLとの差分が一定値以内 (マージン以内)である場合に、白ピーク値とAPLとが同じ値であるとみなして、ラスター画像であると判定する。
画像判定部107は、画像特徴量としての彩度ヒストグラムを入力し、彩度ヒストグラムを解析する。画像判定部107は、彩度が「0(ゼロ)」の階級にすべてのデータが存在しているとの解析結果が得られた場合にモノクローム画像であると判定する。
モノクローム画像は、輝度成分のみによる画像であるために、フレームにおけるどの画素についても彩度は「0」である。したがって、モノクローム画像の彩度ヒストグラムは、彩度の値が「0」の階級にすべてのデータが存在しているというものになる。
例えば、開口率補正部105Bは、調光補正対象の画像ではないと画像判定部107により判定された場合には、基礎開口率設定部105Aにより設定された基礎開口率Aをそのまま補正開口率Acとして設定する。つまり、この場合の開口率補正部105Bは、基礎開口率Aについての補正は行わない。
開口率補正部105Bは、基礎開口率Aを補正するにあたり、例えば、予め定められた補正係数kにより基礎開口率Aを乗算し、乗算により求められた値を補正開口率Acとして設定すればよい。なお、この場合の補正係数kは、1より大きい値である。これにより、補正開口率Acは、補正前の基礎開口率Aよりも大きくなる。このように、補正開口率Acが基礎開口率Aよりも大きい値に補正されることで、補正開口率Acに基づく調光制御では、遮光板31,32により形成される開口部が拡げられることになって光量が増加し、画像の色むらが軽減される。
例えば、開口率補正部105Bは、予め定めた補正加算値k1を基礎開口率Aに加算し、加算により求められた値を補正開口率Acとして設定してもよい。
また、開口率補正部105Bは、例えば、開口率についての下限許容値を補正開口率Acとして設定してもよい。この下限許容値は、例えばラスター画像やモノクローム画像などの画像において色むらが視覚的に許容できる開口率の限度値に一定のマージンとしての値を加算することにより設定できる。
具体的に、調光制御部108は、補正開口率Acの状態が得られる回動量θを算出し、調光素子30における遮光板31,32の平面部31a,32aが回動量θに応じた位置状態となるように回動装置33を駆動する。
図6のフローチャートは、第1の実施形態における画像表示装置が調光素子30を利用して調光制御を実行するための処理手順例を示している。なお、この図に示す処理は、例えば画像信号のフレームごとのタイミングに応じて実行される。
次に、基礎開口率設定部105Aは、開口率テーブル記憶部106に記憶されている開口率テーブルを参照して、入力した白ピーク値とAPLの組み合わせに応じた開口率の値を取得し、この取得した値を基礎開口率Aとして設定する(ステップS102)。
次に、画像判定部107は、ステップS103による画像についての判定結果に応じて、現フレームの画像信号に基づく画像が調光補正対象であるか否かについて判定する(ステップS104)
この場合、開口率補正部105Bは、ステップS102により設定された基礎開口率Aについて補正(変更)を行い、補正により求められた値を補正開口率Acとして設定する(ステップS105)。
この場合、開口率補正部105Bは、補正開口率Acに対して、ステップS102により設定された基礎開口率Aを代入するようにして補正開口率Acを設定する(ステップS106)。つまり、この場合の開口率補正部105Bは基礎開口率Aについて補正を行わない。
図7におけるステップS201〜S204は、ラスター画像についての判定に関連する処理である。画像判定部107は、画像特徴量算出部101が算出した現フレームの画像信号の画像特徴量として白ピーク値、APL及び彩度ヒストグラムを入力する(ステップS201)。
次に、画像判定部107は、入力した白ピーク値とAPLとを比較し(ステップS202)、両者の差分が一定値以内であるか否かについて判定する(ステップS203)。
白ピーク値とAPLとの差分が一定値以内である場合(ステップS203−YES)、画像判定部107は、現フレームの画像信号に基づく画像はラスター画像であると判定する(ステップS204)。
画像判定部107は、画像特徴量として入力した彩度ヒストグラムを解析する(ステップS205)。次に、画像判定部107は、解析結果から、彩度ヒストグラムにおいて彩度がゼロの階級を含む一定範囲の階級に全データのうちの一定比率以上のデータが存在するか否かについて判定する(ステップS206)。
一方、画像判定部107は、図7のステップS208によりラスター画像及びモノクローム画像以外の画像であると判定した場合に、図6のステップS104において調光補正対象ではないと判定する(ステップS104−NO)。
しかし、例えば、開口率設定部105は、次のように調光制御部108に与える開口率を設定してもよい。
つまり、開口率テーブルについて、白ピーク値やAPLなどの画像特徴量によるパラメータと、画像判定部107による調光補正対象の画像であるか否かの判定結果に応じたパラメータとの組み合わせに開口率の値を対応付けた3次元以上のテーブルとして構成する。
そのうえで、開口率設定部105は、画像特徴量算出部101により算出された画像特徴量と、画像判定部107による判定結果との組み合わせに応じて格納されている開口率の値を開口率テーブルから取得する。そして、開口率設定部105は、このように開口率テーブルから取得した値を、調光制御部108に与える開口率(図4の補正開口率Acに相当する)として設定するものである。このように開口率を設定する場合、開口率設定部105は、基礎開口率設定部105Aと開口率補正部105Bの各機能部を特に個別に備える構成でなくともよい。
[概要]
続いて、第2の実施形態について説明する。
なお、第2の実施形態に係る画像表示装置における調光制御系の構成は、図4と同様でよい。
輝度ヒストグラムにおいて特定の1つの階級にすべてのデータが存在しているということは、フレームにおけるすべての画素がその特定の階級に対応する同じ輝度値を有しているということである。つまり、この輝度ヒストグラムは、画面において輝度が一様のラスター画像としての特徴を反映している。
ただし、この場合にも、画像信号のノイズや、画面において輝度にある程度のむらが有る画像であってもラスター画像として判定されるようにすることを考慮して、判定基準に一定のマージンを与えることが好ましい。つまり、画像判定部107は、輝度ヒストグラムにおいてデータ数が最大の階級を含む一定範囲の階級に全データのうちの一定比率以上のデータが存在する場合に、特定の1つの階級にすべてのデータが存在しているものとみなして、ラスター画像であると判定する。
第2の実施形態において画像表示装置が調光素子30を利用した調光制御のために実行する処理手順としては、例えば図6と同様でよい。ただし、図6のステップS103としての画像判定においてラスター画像を判定するための処理手順が第1の実施形態と異なる。
画像判定部107は、画像特徴量算出部101が算出した現フレームの画像信号の画像特徴量として輝度ヒストグラムと彩度ヒストグラムを入力する(ステップS201A)。
次に、画像判定部107は、輝度ヒストグラムを解析し(ステップS202A)、その解析結果から、輝度ヒストグラムにおいてデータ数が最大の階級を含む一定範囲の階級に全データのうちの一定比率以上のデータが存在するか否かについて判定する(ステップS203A)。
データ数が最大の階級を含む一定範囲の階級に全データのうちの一定比率以上のデータが存在すると判定した場合(ステップS203A−YES)、画像判定部107は、現フレームの画像信号に基づく画像はラスター画像であると判定する(ステップS204)。
一方、データ数が最大の階級を含む一定範囲の階級に全データのうちの一定比率以上のデータが存在していないと判定した場合(ステップS203A−NO)、現フレームの画像は、一定範囲外の階級にもデータが離散して存在しており、ラスター画像ではない。そこで、この場合の画像判定部107は、ステップS205以降の処理に移行する。なお、ステップS205〜S208の処理は、図7と同様である。
[画像表示装置:調光制御系の構成例]
次に、第3の実施形態について説明する。
図9は、第3の実施形態に係る画像表示装置における調光制御系の構成例を示している。なお、この図において図4と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図9に示す基礎開口率設定部105Aは、伸張率設定部102により設定された伸張率Gtを入力する。基礎開口率設定部105Aは、伸張率Gtに基づいて基礎開口率Aを設定する。このように基礎開口率設定部105Aが伸張率Gtに基づいて基礎開口率Aを設定するのに伴い、図9においては、図4に示されていた開口率テーブル記憶部106が省略されている。
A=Gt −γ・・・(式6)
なお、伸張率Gtが高くなるのに応じて小さくなるように基礎開口率Aを求めるための手法としては、(式6)による演算に限定されるものではない。
図10のフローチャートは、第3の実施形態における画像表示装置が調光素子30を利用して調光制御を実行するための処理手順例を示している。なお、図10において図6と同様の処理となるステップについては同一符号を付して説明を省略する。
次に、基礎開口率設定部105Aは、入力した伸張率Gtに基づいて基礎開口率Aを設定する(ステップS102A)。例えば、基礎開口率設定部105Aは、(式6)の演算によって算出した値を基礎開口率Aとして設定する。
また、第3の実施形態における画像判定部107がラスター画像を判定するにあたっては、第1の実施形態のように白ピーク値とAPLとを比較してもよいし、第2の実施形態のように輝度ヒストグラムを解析した結果に基づいてもよい。
つまり、開口率設定部105は、例えば(式6)に代えて、伸張率Gtと画像判定部107による調光補正対象の画像であるか否かの判定結果に応じた変数とを含む所定の演算式について演算することより開口率(図4の補正開口率Acに相当する)を求める。このように開口率を設定する場合も、開口率設定部105は、基礎開口率設定部105Aと開口率補正部105Bの各機能部を特に個別に備える構成でなくともよい。
[第1の変形例]
次に、本実施形態における変形例について説明する。
まず、第1の変形例として、画像判定部107がラスター画像を判定するにあたっては、画像特徴量としての白ピーク値とAPLとを比較する処理と、画像特徴量としての輝度ヒストグラムを解析する処理とを組み合わせてもよい。
一例として、画像判定部107は、白ピーク値とAPLとを比較することによってラスター画像であると判定し、かつ、輝度ヒストグラムを解析した結果によりラスター画像であると判定した場合にのみ、最終的にラスター画像であると判定するようにしてよい。
また、調光補正対象に該当する画像として、ラスター画像とモノクローム画像の他に、グラデーション画像を含めてもよい。グラデーション画像は、例えば明るさや色が徐々に変化するグラデーションが表現された画像である。このグラデーション画像は、特に単色のグラデーションや少ない色の間でのグラデーションが表現されている場合に、色むらなどの光源からの光量減少に起因する画質劣化が目立ちやすい。
グラデーション画像では、例えば輝度や色相などが画面における一定の方向に沿って滑らかな変化を示す。そこで、例えば画像判定部107は、画像特徴量算出部101が算出した画像特徴量としての画素の位置ごとの輝度や画素の位置ごとの色相の情報などを入力し、これらの輝度や色相などについての画面上での方向に応じた変化を解析する。そして、画像判定部107は、この解析の結果、輝度や色相などが画面の特定方向に沿って緩慢な変化を示していると判断したのであれば、グラデーション画像であると判定すればよい。なお、緩慢な変化を示しているか否かについては、所定の画面方向ごとにおける輝度や色相の変化量あるいは変化率が予め定めた閾値以下であるか否かについて判定すればよい。
あるいは、より簡易に、色相ヒストグラムが色の数が一定以下に少ないことを示し、かつ、輝度ヒストグラムが全体あるいは一部の区間の階級で度数が一様に分布している状態のときに、グラデーション画像であると判定してよい。
色相については、Cr、Cbなどによる色差信号に基づいて求めることができる。あるいは、R,G,B信号であれば、色相は、R,G,B信号の大小関係に基づいて求めることができる。R,G,B信号に基づく場合には、下記の式により色相Hを求めることができる。なお、下記の式は、色相Hが「0」〜「359」の範囲での値を採る場合の例に対応する。
つまり、R,G,Bの画素値のうちの最大値がRである場合には、
H=60*(G-B)/{Max(R,G,B)-Min(R,G,B)}・・・(式7)
により色相Hを求めることができる。
また、R,G,Bの画素値のうちの最大値がGである場合には、
H=60*(B-R)/{Max(R,G,B)-Min(R,G,B)}+120・・・(式8)
により色相Hを求めることができる。
また、R,G,Bの画素値のうちの最大値がBである場合には、
H=60*(R-G)/{Max(R,G,B)-Min(R,G,B)}+240・・・(式9)
により色相Hを求めることができる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
Claims (9)
- 画像信号の画像特徴量に基づいて、前記画像信号に基づく画像が調光補正対象であるか否かについて判定する画像判定部と、
画像表示のために光源から射出された光を遮断する調光素子の開口部の開口率を画像信号に基づいて設定するにあたり、前記画像信号に基づく画像が調光補正対象であると判定された場合には、前記画像信号に基づく画像が調光補正対象ではないと判定された場合に応じて設定する基礎の開口率を補正した開口率を設定する開口率設定部と、
前記開口率設定部により設定された開口率に基づいて前記調光素子を制御することにより、画像表示のために光源から射出された光の光量を変更する調光制御部と
を備える調光制御装置。 - 前記画像判定部は、
前記画像信号に基づく画像が画面において同じ輝度が一様に分布するラスター画像であると判定した場合に調光補正対象であると判定する
請求項1に記載の調光制御装置。 - 前記画像判定部は、
前記画像特徴量の1つであるフレームにおける各画素の輝度値のうちの最大値である白ピーク値と、前記画像特徴量の1つであるフレームにおける輝度の平均値との差分が一定値以内である場合に、前記画像信号に基づく画像がラスター画像であると判定する
請求項2に記載の調光制御装置。 - 前記画像判定部は、
前記画像特徴量の1つである輝度ヒストグラムにおいてデータ数が最大の階級を含む一定範囲の階級に全データのうちの一定比率以上のデータが存在する場合に、前記画像信号に基づく画像がラスター画像であると判定する
請求項2または3に記載の調光制御装置。 - 前記画像判定部は、
前記画像信号に基づく画像がモノクローム画像であると判定した場合に調光補正対象であると判定する
請求項1から4のいずれか一項に記載の調光制御装置。 - 前記画像判定部は、
前記画像特徴量の1つである彩度ヒストグラムにおいて彩度がゼロの階級を含む一定範囲の階級に全データのうちの一定比率以上のデータが存在する場合に、前記画像信号に基づく画像がモノクローム画像であると判定する
請求項5に記載の調光制御装置。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の調光制御装置と、
前記調光素子を含み、前記調光制御装置により光量が変更された光により画像信号を投射画像として表示する光学系部と
を備える画像表示装置。 - 画像信号の画像特徴量に基づいて、前記画像信号に基づく画像が調光補正対象であるか否かについて判定する画像判定ステップと、
画像表示のために光源から射出された光を遮断する調光素子の開口部の開口率を画像信号に基づいて設定するにあたり、前記画像信号に基づく画像が調光補正対象であると判定された場合には、前記画像信号に基づく画像が調光補正対象ではないと判定された場合に応じて設定する基礎の開口率を補正した開口率を設定する開口率設定ステップと、
前記開口率設定ステップにより設定された開口率に基づいて前記調光素子を制御することにより、画像表示のために光源から射出された光の光量を変更する調光制御ステップと
を備える調光制御方法。 - コンピュータに、
画像信号の画像特徴量に基づいて、前記画像信号に基づく画像が調光補正対象であるか否かについて判定する画像判定ステップと、
画像表示のために光源から射出された光を遮断する調光素子の開口部の開口率を画像信号に基づいて設定するにあたり、前記画像信号に基づく画像が調光補正対象であると判定された場合には、前記画像信号に基づく画像が調光補正対象ではないと判定された場合に応じて設定する基礎の開口率を補正した開口率を設定する開口率設定ステップと、
前記開口率設定ステップにより設定された開口率に基づいて前記調光素子を制御することにより、画像表示のために光源から射出された光の光量を変更する調光制御ステップと
を実行させるためのプログラム。
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