JP2011027469A - X線検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】散乱X線除去用グリッドを設置しなくても、コントラストが改善されたX線画像を取得できるX線検出器を提供する。
【解決手段】蛍光を電気信号に変換する複数の光電変換素子21を有する基板12と、複数の光電変換素子21上に形成され、放射線を前記蛍光に変換するシンチレータ層13と、シンチレータ層13を覆うように頂上面30を有するハット状に設けられ、X線吸収材料による仕切りによりX線透過材料からなる複数の区画部がマトリックス状に整列された保護・グリッド層15と、を設ける。
【選択図】図2
【解決手段】蛍光を電気信号に変換する複数の光電変換素子21を有する基板12と、複数の光電変換素子21上に形成され、放射線を前記蛍光に変換するシンチレータ層13と、シンチレータ層13を覆うように頂上面30を有するハット状に設けられ、X線吸収材料による仕切りによりX線透過材料からなる複数の区画部がマトリックス状に整列された保護・グリッド層15と、を設ける。
【選択図】図2
Description
本発明は、X線が被写体を透過する際に発生する散乱X線を除去し、コントラストが良好な画像を出力できるX線検出器に関する。
新世代のX線診断用検出器として、アクティブマトリクスを用いた平面型のX線検出器が開発されている。このX線検出器に照射されたX線を検出することにより、X線撮影像若しくはリアルタイムのX線画像がデジタル信号として出力される。このX線検出器では、X線をシンチレータ層により可視光すなわち蛍光に変換させ、この蛍光をアモルファスシリコン(a−Si)フォトダイオード、又はCCD(Charge Coupled Device)などの光電変換素子で信号電荷に変換することで画像を取得する。或いは、X線をa−Se等の光導電膜により直接電荷に変換させ、この電荷を信号電荷として読み出すことで画像を取得する。
しかし、上記X線検出器では、X線が被写体を透過する時に発生する散乱X線の影響で、取得されるX線画像はコントラストが悪いものとなってしまう。そこで、X線画像を取得する際、X線が被写体を透過する時に発生する散乱X線を除去し、X線画像のコントラストを改善するために、X線検出器の上方に散乱X線除去用グリッドを設置することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、散乱X線除去用グリッドをX線検出器の上方に設けるのは手間が掛かる上、散乱X線除去用グリッド自体が衝撃に弱いため取扱を慎重に行う必要があった。
本発明は、このような課題に鑑みたもので、散乱X線除去用グリッドを設置しなくても、コントラストが改善されたX線画像を取得できるX線検出器を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明のX線検出器は、蛍光を電気信号に変換する複数の光電変換素子を有する基板と、前記複数の光電変換素子上に形成され、放射線を前記蛍光に変換するシンチレータ層と、所定の厚さを有するシートで前記シンチレータ層を覆うように頂上面を有するハット状に設けられ、かつ前記頂上面がX線透過材料とX線吸収材料の2種類の材料で形成され、前記X線吸収材料による前記厚さ方向の仕切りにより、前記X線透過材料からなる複数の区画部が前記シートの面方向にマトリックス状に整列された保護・グリッド層と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のX線検出器は、蛍光を電気信号に変換する複数の光電変換素子を有する基板と、前記複数の光電変換素子上に形成され、放射線を前記蛍光に変換するシンチレータ層と、所定の厚さを有するシートで前記シンチレータ層を覆うように頂上面を有するハット状に設けられた保護層と、前記保護層の上に、X線透過材料とX線吸収材料の2種類の材料で形成され、前記X線吸収材料による厚さ方向の仕切りにより、前記X線透過材料からなる複数の区画部が前記シートの面方向にマトリックス状に整列されたグリッド層と、を備えることを特徴とする。
更に、本発明のX線検出器は、画素単位の電極素子が配列してなる電極基板と、前記電極基板の前記電極素子上に設けられ、入射するX線を電気信号に変換するX線変換層と、前記X線変換層上の画素電極に対向した位置に設けられた上部電極と、所定の厚さを有するシートで前記X線変換層及び前記上部電極を覆うように頂上面を有するハット状に設けられ、かつ前記頂上面がX線透過材料とX線吸収材料の2種類の材料で形成され、前記X線吸収材料による前記厚さ方向の仕切りにより、前記X線透過材料からなる複数の区画部が前記シートの面方向にマトリックス状に整列された保護・グリッド層と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、散乱X線除去用グリッドを設置しなくても、コントラストが改善されたX線画像を取得することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
(X線検出器の全体構造)
図1は第1の実施の形態に係るX線検出器の斜視図、図2はそのX線検出器の断面図を示すものである。
(X線検出器の全体構造)
図1は第1の実施の形態に係るX線検出器の斜視図、図2はそのX線検出器の断面図を示すものである。
X線検出器11は、放射線像であるX線像を検出するX線平面センサであり、例えば、一般医療用途などに用いられている。
このX線検出器11は、図1及び図2に示すように、蛍光を電気信号に変換する光電変換部としてのアレイ基板12、このアレイ基板12の一主面である表面上に設けられ入射するX線を蛍光に変換するX線変換部であるシンチレータ層13、このシンチレータ層13上に設けられシンチレータ層13からの蛍光をアレイ基板12側へ反射させる反射膜14、シンチレータ層13および反射膜14上に設けられ外気や湿度から保護するとともにグリッド作用を有する保護・グリッド層15を備えている。
(アレイ基板12)
アレイ基板12は、シンチレータ層13によりX線から可視光に変換された蛍光を電気信号に変換するもので、ガラス基板16、このガラス基板16上にマトリクス状に形成された画素17、行方向に沿って配設された複数の制御ライン(又はゲートライン)18、列方向に沿って配設された複数のデータライン(又はシグナルライン)19、各制御ライン18が電気的に接続された図示しない制御回路と、各データライン19が電気的に接続された図示しない増幅/変換部を備えている。
アレイ基板12は、シンチレータ層13によりX線から可視光に変換された蛍光を電気信号に変換するもので、ガラス基板16、このガラス基板16上にマトリクス状に形成された画素17、行方向に沿って配設された複数の制御ライン(又はゲートライン)18、列方向に沿って配設された複数のデータライン(又はシグナルライン)19、各制御ライン18が電気的に接続された図示しない制御回路と、各データライン19が電気的に接続された図示しない増幅/変換部を備えている。
また、各画素17内には、それぞれ光電変換素子としてのフォトダイオード21が配設されている。これらフォトダイオード21はシンチレータ層13の下部に配設されている。
更に、各画素17は、フォトダイオード21に電気的に接続されたスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)22、フォトダイオード21にて変換した信号電荷を蓄積する電荷蓄積部としての図示しない蓄積キャパシタを具備している。但し、蓄積キャパシタは、フォトダイオード21の容量が兼ねる場合もあり、必ずしも必要ではない。
各薄膜トランジスタ22は、フォトダイオード21への蛍光の入射にて発生した電荷を蓄積および放出させるスイッチング機能を担う。薄膜トランジスタ22は、非晶質半導体としてのアモルファスシリコン(a−Si)、あるいは多結晶半導体であるポリシリコン(P−Si)などの半導体材料にて少なくとも一部が構成されている。
また、薄膜トランジスタ22は、図2に示すように、ゲート電極23、ソース電極24およびドレイン電極25のそれぞれを有している。このドレイン電極25は、光電変換素子(フォトダイオード)21および蓄積キャパシタに電気的に接続されている。
蓄積キャパシタは、矩形平板状に形成され、各フォトダイオード21の下部に対向して設けられている。
図1に示す制御ライン18は、各画素17間に行方向に沿って配設され、図2に示すように、同じ行の薄膜トランジスタ22のゲート電極23に電気的に接続されている。
図1に示すデータライン(シグナルライン)19は、各画素17間に列方向に沿って配設され、図2に示すように、同じ列の薄膜トランジスタ22のソース電極24に電気的に接続されている。
制御回路は、各薄膜トランジスタ22の動作状態、即ちオンおよびオフを制御するもので、ガラス基板16の表面における行方向に沿った側縁に実装されている。
増幅/変換部は、例えば各データライン19に対応してそれぞれ配設された複数の電荷増幅器、これら電荷増幅器が電気的に接続された並列/直列変換器、この並列/直列変換器が電気的に接続されたアナログ−デジタル変換器を有している。
アレイ基板12の最上部には、光電変換素子(フォトダイオード)21及び薄膜トランジスタ22等を保護するため、図2に示すように、樹脂製の保護層26が形成される。
(シンチレータ層13)
シンチレータ層13は、入射するX線を可視光すなわち蛍光に変換するもので、例えばヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、若しくはヨウ化ナトリウム(NaI):タリウム(Tl)等により真空蒸着法で柱状構造に形成したもの、又は酸硫化ガドリニウム(Gd2O2S)蛍光体粒子をバインダ材と混合し、アレイ基板12上に塗布して焼成および硬化し、ダイサによりダイシングするなどで溝部を形成して四角状に形成したものなどがある。
シンチレータ層13は、入射するX線を可視光すなわち蛍光に変換するもので、例えばヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、若しくはヨウ化ナトリウム(NaI):タリウム(Tl)等により真空蒸着法で柱状構造に形成したもの、又は酸硫化ガドリニウム(Gd2O2S)蛍光体粒子をバインダ材と混合し、アレイ基板12上に塗布して焼成および硬化し、ダイサによりダイシングするなどで溝部を形成して四角状に形成したものなどがある。
これら柱間には、大気、あるいは酸化防止用の窒素(N2)などの不活性ガスを封入し、あるいは真空状態とすることも可能である。
例えば、シンチレータ層13にCsI:Tlの蒸着膜を用い、膜厚は約600μm、CsI:Tlの柱状構造結晶の柱(ピラー)の太さが最表面で8〜12μm程度のものを用いることができる。
(反射層14)
シンチレータ層13上に形成される反射層14は、フォトダイオードと反対側に発せられた蛍光を反射して、フォトダイオードに到達する蛍光光量を増大させるものである。
シンチレータ層13上に形成される反射層14は、フォトダイオードと反対側に発せられた蛍光を反射して、フォトダイオードに到達する蛍光光量を増大させるものである。
反射層14としては、銀合金やアルミニウムなど蛍光反射率の高い金属をシンチレータ層13上に成膜したもの、アルミなどの金属表面を持つ反射板をシンチレータ層13に密着させたもの、TiO2などの光散乱性物質とバインダ樹脂とから成る拡散反射性の反射層を塗布形成したものなどがある。
反射層14は、放射線検出器11に求められる解像度、輝度などの特性により、必ずしも必要ではない。
(保護・グリッド層15)
保護・グリッド層15は、シンチレータ層13や反射層14を外部雰囲気から保護して、湿度などによる特性劣化を抑えるとともに、X線が被写体を透過する際に発生する散乱X線を除去するグリッドの役割を果たすものである。図2に示すように、保護・グリッド層15は、頂上面30を有するハット状に形成される。
保護・グリッド層15は、シンチレータ層13や反射層14を外部雰囲気から保護して、湿度などによる特性劣化を抑えるとともに、X線が被写体を透過する際に発生する散乱X線を除去するグリッドの役割を果たすものである。図2に示すように、保護・グリッド層15は、頂上面30を有するハット状に形成される。
また、保護・グリッド層15は、図3に示すように、X線透過材料からなる区画部27とX線吸収材料からなる仕切り28とが交互に配列され、仕切り28により、複数の区画部27がマトリックス状に整列された構造を有している。また、厚み方向において区画部27と仕切り28が共に、X線入射方向と平行になるように配列されている。
区画部27は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金(A1N30−O材)で形成し、幅W1を0.1mm〜0.25mmとすることが好ましい。また、区画部27としてアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いることにより、ハット状に加工する場合の加工性に優れている。一方、仕切り28は、例えば、鉛等で形成し、幅W2を20μm〜50μmとすることが好ましい。
また、保護・グリッド層15の厚みは、層の加工性及び強度を考慮して0.1〜2mmとすることが好ましい。
保護・グリッド層15は、先ず、X線透過材料からなるシートとX線吸収材料からなるシートとを所定の間隔で貼り合わせて切断することにより、区画部27と仕切り28とを所望の配置とした1枚のシート体に形成する。ここで、X線透過材料からなるシート上にX線吸収材料を蒸着やスパッタリングによって形成して、切断、貼り合わせによって区画部27と仕切り28とを所望の配置とした1枚のシート体に形成することもできる。その後、このシート体を周辺部に5mm幅の鍔部33を持つ構造にプレス成型してハット状に形成する。次に、保護・グリッド層15の鍔部33にディスペンサーにより接着剤を塗布して接着層35を形成し、シンチレータ層13および反射膜14の形成されたアレイ基板12と張り合わせる(図2参照)。
なお、接着剤は、一般に市販されている加熱硬化型または紫外線硬化型のエポキシ系の接着材を用いることができる。
更に、保護・グリッド層15のアレイ基板12への接着を減圧雰囲気にて行う事で、飛行機輸送を想定した減圧下での機械的強度に優れた防湿構造を形成できる。
アレイ基板12上に保護・グリッド層15を形成して、X線検出器11のパネルが完成する。更に制御ライン、信号ラインの各電極パッド部にTAB接続により配線を繋いで、アンプ以降の回路に接続し、更に筐体構造に組み込んでX線検出器11が完成する。
(本実施の形態に係るX線検出器11の作用・効果)
図4のように、入射X線36を被写体37に照射してX線画像を取得する際、X線が被写体37を透過する時に透過X線38だけでなく散乱X線39が発生する。この散乱X線39がそのままX線検出器11に入射してしまうと、取得されるX線画像は、コントラストが悪くなってしまう。しかし、保護・グリッド層15の仕切り28により散乱X線39が吸収され、X線検出器11のシンチレータ層13には散乱X線39が入射せずに、透過X線38のみが区画部27を介して入射する。このため、取得されるX線画像はコントラストが良好なものとなる。
図4のように、入射X線36を被写体37に照射してX線画像を取得する際、X線が被写体37を透過する時に透過X線38だけでなく散乱X線39が発生する。この散乱X線39がそのままX線検出器11に入射してしまうと、取得されるX線画像は、コントラストが悪くなってしまう。しかし、保護・グリッド層15の仕切り28により散乱X線39が吸収され、X線検出器11のシンチレータ層13には散乱X線39が入射せずに、透過X線38のみが区画部27を介して入射する。このため、取得されるX線画像はコントラストが良好なものとなる。
以上、本実施の形態の構成によれば、X線検出器11にてX線画像を取得する際、散乱X線除去用グリッドを設置しなくても、コントラストが改善されたX線画像を取得できる。
また、保護・グリッド層15が保護層とグリッド層との役割を兼ねているため、従来の散乱X線除去用グリッドを用いたX線検出器と比較して厚みを低減することが可能となる。
[第2の実施の形態]
図5は第2の実施の形態に係るX線検出器の断面図を示すものである。
図5は第2の実施の形態に係るX線検出器の断面図を示すものである。
このX線検出器31では、アレイ基板12、シンチレータ層13、反射膜14が第1の実施の形態に係るX線検出器11と同様に形成されている。
しかし、X線検出器31では、シンチレータ層13および反射膜14上に、これらを外気や湿度から保護する防湿層32が形成され、更にその上にグリッド層34が設けられている点が第1の実施の形態に係るX線検出器11とは異なっている。
防湿層32は、例えば、厚み0.1mmのアルミニウム合金箔(A1N30−O材)を、周辺部に5mm幅の鍔部33を持つ構造にプレス成型して図5に示すようにハット状に形成される。次に、防湿層32の鍔部33にディスペンサーにより接着剤を塗布して接着層35を形成し、シンチレータ層13および反射膜14の形成されたアレイ基板12と張り合わせる(図5参照)。
なお、接着剤は、第1の実施の形態と同様に、一般に市販されている加熱硬化型または紫外線硬化型のエポキシ系の接着材を用いることができる。
グリッド層34は、図6に示すように、X線透過材料からなる区画部41とX線吸収材料からなる仕切り43とが交互に配列され、仕切り43により、複数の区画部41がマトリックス状に整列された構造を有している。区画部41は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金(A1N30−O材)で形成し、幅W1を0.1mm〜0.25mmとすることが好ましい。一方、仕切り43は、例えば、鉛等で形成し、幅W2を20μm〜50μmとすることが好ましい。
また、グリッド層34の厚みは、0.1〜2mmとすることが好ましい。
X線検出器31では、防湿層32上にグリッド層34を形成しているので、グリッド層34に形成されている仕切り43により、散乱X線が吸収され、X線検出器31のシンチレータ層13には、散乱X線が入射せずに、透過X線のみが区画部41を介して入射する。これらの作用にて、取得されるX線画像はコントラストが良好なものとなる。
よって、本実施の形態の構成によれば、第1の実施の形態と同様に、X線検出器31にてX線画像を取得する際、散乱X線除去用グリッドを設置しなくても、コントラストが改善されたX線画像を取得できる。
また、グリッド層34は保護層としての役割も果たすため、防湿層32の厚さを従来よりも薄くすることができる。
[第3の実施の形態]
図7(a)、(b)に、本発明の第3の実施の形態に係るX線検出器の保護・グリッド層を示す。
図7(a)、(b)に、本発明の第3の実施の形態に係るX線検出器の保護・グリッド層を示す。
この保護・グリッド層15’は、図3と同様にX線透過材料からなる区画部とX線吸収材料からなる仕切りとが交互に配列された構造を有しているが、第1区画部27aと第1仕切り28aとが交互に配列された第1層15aと、第2区画部27bと第2仕切り28bとが交互に配列された第2層15bと2層構造からなっている。また、図7(b)に示すように、第1仕切り28aの延在方向と第2仕切り28bの延在方向とは直交している。
このような構造を有する保護・グリッド層15’を備えたX線検出器においては、図3の左右方向に広がった散乱X線39は、第1層15aの第1仕切り28aで吸収除去され、同図の紙面手前と奥方向に広がった散乱X線は第2仕切り28bで吸収除去することができる。
従って、この実施の形態の構成によれば、よりコントラストが改善されたX線画像を取得できる。
なお、上記例では、第1区画部27aと第2区画部27b、第1仕切り28aと第2仕切り28bを異なる層に形成したが、これらを全て同一層に形成することもできる。
[第4の実施の形態]
図8に、第4の実施の形態に係るX線検出器の保護・グリッド層の断面図を示す。
図8に、第4の実施の形態に係るX線検出器の保護・グリッド層の断面図を示す。
この保護・グリッド層20は、X線透過材料からなる区画部45とX線吸収材料からなる仕切り47とが交互に配列された構造を有している点は第1の実施の形態と同様であるが、保護・グリッド層20の厚み方向において、仕切り47がX線源から放射状に延びる入射X線の方向と平行になるように形成されている点が異なっている。
ここで、区画部45の幅W3を0.1mm〜0.25mmとすることが好ましい。また、仕切り47の幅W4を20μm〜50μmとすることが好ましい。
図8に示すように、X線はX線源から放射状に出力するため、入射X線は中心部分だと保護・グリッド層20に垂直に入射するが、横に広がるほど、斜めに入射する。従って、この斜めに入射した入射X線と平行に仕切り47を形成することにより、放射状に広がったX線を効率良く吸収することができる。
なお、上記例では、保護・グリッド層20を区画部45と仕切り47とからなる1層構造に形成したが、第3の実施の形態のように、第1区画部及び第1仕切りを交互に配列した第1層と、第2区画部及び第2仕切りを交互に配列した第2層との2層構造に分けて、第1仕切りの延在方向と第2仕切りの延在方向とを直交させることもできる。また、これらの第1区画部、第1仕切り、第2区画部と第2仕切りを全て同一層に形成することもできる。
[その他の実施の形態]
上記実施の形態においては、シンチレータ層によりX線を受けて一旦可視光に変換し、可視光をフォトダイオード等により信号電荷に変換する間接方式に、保護・グリッド層やグリッド層を適用した例を示したが、X線をa−Se等の光導電膜により直接電荷信号に変換し、電荷蓄積用のキャパシタに導く直接方式にもこれらの保護・グリッド層やグリッド層が適用できることは明らかである。
上記実施の形態においては、シンチレータ層によりX線を受けて一旦可視光に変換し、可視光をフォトダイオード等により信号電荷に変換する間接方式に、保護・グリッド層やグリッド層を適用した例を示したが、X線をa−Se等の光導電膜により直接電荷信号に変換し、電荷蓄積用のキャパシタに導く直接方式にもこれらの保護・グリッド層やグリッド層が適用できることは明らかである。
この直接方式に適用する場合には、X線を蛍光に変換するシンチレータ層13及び蛍光を反射させる反射層14は不要である。また、湿度等の外部雰囲気に弱いシンチレータ層が不要なため、保護・グリッド層における保護膜機能を省略することも可能である。
11:X線検出器、12:アレイ基板、13:シンチレータ層、14:反射膜、15、15’:保護・グリッド層、17:画素、20:保護・グリッド層、27:区画部、27a:第1区画部、27b:第2区画部、28:仕切り、28a:第1仕切り、28b:第2仕切り、30:頂上面、31:X線検出器、32:防湿層、33:鍔部、34:グリッド層、35:接着層、36:照射X線、37:被写体、38:透過X線、39:散乱X線、41:区画部、43:仕切り、45:区画部、47:仕切り
Claims (8)
- 蛍光を電気信号に変換する複数の光電変換素子を有する基板と、
前記複数の光電変換素子上に形成され、放射線を前記蛍光に変換するシンチレータ層と、
所定の厚さを有するシートで前記シンチレータ層を覆うように頂上面を有するハット状に設けられ、かつ前記頂上面がX線透過材料とX線吸収材料の2種類の材料で形成され、前記X線吸収材料による前記厚さ方向の仕切りにより、前記X線透過材料からなる複数の区画部が前記シートの面方向にマトリックス状に整列された保護・グリッド層と、
を備えることを特徴とするX線検出器。 - 蛍光を電気信号に変換する複数の光電変換素子を有する基板と、
前記複数の光電変換素子上に形成され、放射線を前記蛍光に変換するシンチレータ層と、
所定の厚さを有するシートで前記シンチレータ層を覆うように頂上面を有するハット状に設けられた保護層と、
前記保護層の上に、X線透過材料とX線吸収材料の2種類の材料で形成され、前記X線吸収材料による厚さ方向の仕切りにより、前記X線透過材料からなる複数の区画部が前記シートの面方向にマトリックス状に整列されたグリッド層と、
を備えることを特徴とするX線検出器。 - 前記仕切りは、前記シート面の所定方向に一定間隔置きに帯状に延在して形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のX線検出器。
- 前記仕切りは、更に、前記所定方向と直交する方向にも一定間隔置きに帯状に延在して形成されていることを特徴とする請求項3記載のX線検出器。
- 前記仕切りは、前記厚さ方向において、X線源から放射状に延びる入射X線の方向と平行になるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のX線検出器。
- 前記仕切りは鉛からなり、前記区画部はアルミニウム又はアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のX線検出器。
- 前記シンチレータ層と前記保護・グリッド層又は保護層との間に、反射層を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のX線検出器。
- 画素単位の電極素子が配列してなる電極基板と、
前記電極基板の前記電極素子上に設けられ、入射するX線を電気信号に変換するX線変換層と、
前記X線変換層上の画素電極に対向した位置に設けられた上部電極と、
所定の厚さを有するシートで前記X線変換層及び前記上部電極を覆うように頂上面を有するハット状に設けられ、かつ前記頂上面がX線透過材料とX線吸収材料の2種類の材料で形成され、前記X線吸収材料による前記厚さ方向の仕切りにより、前記X線透過材料からなる複数の区画部が前記シートの面方向にマトリックス状に整列された保護・グリッド層と、
を備えることを特徴とするX線検出器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009171341A JP2011027469A (ja) | 2009-07-22 | 2009-07-22 | X線検出器 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009171341A JP2011027469A (ja) | 2009-07-22 | 2009-07-22 | X線検出器 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2011027469A true JP2011027469A (ja) | 2011-02-10 |
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ID=43636398
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JP2009171341A Withdrawn JP2011027469A (ja) | 2009-07-22 | 2009-07-22 | X線検出器 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2011027469A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110236587A (zh) * | 2019-07-11 | 2019-09-17 | 上海联影医疗科技有限公司 | 防散射栅格及其制备方法、探测器装置及医疗影像设备 |
-
2009
- 2009-07-22 JP JP2009171341A patent/JP2011027469A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110236587A (zh) * | 2019-07-11 | 2019-09-17 | 上海联影医疗科技有限公司 | 防散射栅格及其制备方法、探测器装置及医疗影像设备 |
CN110236587B (zh) * | 2019-07-11 | 2024-03-01 | 上海联影医疗科技股份有限公司 | 防散射栅格制备方法、探测器装置及医疗影像设备 |
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