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JP2014058409A - 合わせガラス用中間膜および合わせガラス - Google Patents

合わせガラス用中間膜および合わせガラス Download PDF

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JP2014058409A JP2012202862A JP2012202862A JP2014058409A JP 2014058409 A JP2014058409 A JP 2014058409A JP 2012202862 A JP2012202862 A JP 2012202862A JP 2012202862 A JP2012202862 A JP 2012202862A JP 2014058409 A JP2014058409 A JP 2014058409A
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Abstract

【課題】透明性に優れ、ガラスシートとの間の接着性に優れた合わせガラス用中間膜および当該中間膜を使用した合わせガラスを提供する。
【解決手段】シランカップリング剤と、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のマグネシウムアイオノマーおよびエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のナトリウムアイオノマーの少なくとも一方と、を含む(A)層を有している。少なくとも2層の(A)層と少なくとも1層のエチレン系アイオノマーを含む(B)層とを有し、2層の(A)層の間に(B)層が配置された重層構造を含んでいることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、合わせガラス用中間膜および合わせガラスに関する。
合わせガラス用中間膜として、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを利用することが知られている。
特許文献1には、特定の組成割合からなるエチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体またはそのアイオノマーからなる合わせガラス用中間膜が記載されている。
特許文献2には、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和カルボン酸エステル共重合体あるいはこれらのアイオノマーを中芯層とし、その両側にガラスを積層した貼合わせガラスが記載されている。
特許文献3には、エチレン・メタクリル酸共重合体のアイオノマーに有機過酸化物およびシランカップリング剤を配合してガラス板間に介在させ、熱硬化して一体化した合わせガラスが記載されている。
特許文献4には、ポリアミンによって中和されたエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマーを中間接着層として2枚のガラスシートを貼合わせた合わせガラスが記載されている。
特許文献5には、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマーとエチレン・酢酸ビニル共重合体との積層シートからなる合わせガラス用中間膜が記載されている。
特開平8−295541号公報 特開平8−295543号公報 特開平9−30846号公報 特表2002−503627号公報 特開2009−298046号公報
上記のように従来から、アイオノマーは合わせガラスの中間膜の成分として使用されている。
しかしながら、合わせガラス用中間膜の成分として、ただ単にアイオノマーを用いるのみでは、例えば汎用の亜鉛アイオノマーなどでは必ずしも高い透明性は得られず、特に可視領域の中心である400nm近傍から600nm付近に至る領域では、ナトリウム(Na)やマグネシウム(Mg)を含むアイオノマーに比べると、光透過率が低下する傾向にある。
また、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸2元共重合体のNaアイオノマーやエチレン・α,β−不飽和カルボン酸2元共重合体のMgアイオノマーは、ガラスシートとの密着(接着性)が比較的弱く、経時で劣化(剥離等)する懸念がある。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、透明性、およびガラスシートとの間の接着性に優れた合わせガラス用中間膜、並びに従来に比べて長期での耐久性により優れた合わせガラスを提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明者は、アイオノマーの中でも、ナトリウム(Na)アイオノマーおよびマグネシウム(Mg)アイオノマーは透明性が良好ではあるものの、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸2元共重合体のNaアイオノマーやエチレン・α,β−不飽和カルボン酸2元共重合体のMgアイオノマーはガラスとの接着が弱く、経時で劣化し接着性が低下する傾向があるとの知見を得た。
更に検討したところ、これらのエチレン・α,β−不飽和カルボン酸2元共重合体のNaアイオノマーやエチレン・α,β−不飽和カルボン酸2元共重合体のMgアイオノマーは、シランカップリング剤と混合して用いても、ガラスとの接着性(経時における接着性を含む)がほとんど向上しないことがわかった。
これに対し、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のMgアイオノマーおよびエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のNaアイオノマーは、シランカップリング剤と混合して用いると、ガラスとの接着性(経時における接着性を含む)が顕著に向上することが明らかとなった。
本発明は、以上の知見に基づいて達成されたものである。
即ち、前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> シランカップリング剤と、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のマグネシウムアイオノマーおよびエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のナトリウムアイオノマーの少なくとも一方と、を含む(A)層を有する合わせガラス用中間膜である。
<2> 少なくとも2層の前記(A)層と少なくとも1層のエチレン系アイオノマーを含む(B)層とを有し、2層の前記(A)層の間に前記(B)層が配置された重層構造を含む前記<1>に記載の合わせガラス用中間膜である。
<3> 少なくとも2層の前記(A)層と少なくとも1層のエチレン系アイオノマーを含む(B)層とを有し、2層の前記(A)層の間に前記(B)層が配置された重層構造を含み、
前記(B)層は、シランカップリング剤の含有率が(B)層の固形分の0.1質量%以下である前記<1>または前記<2>に記載の合わせガラス用中間膜である。
<4> 前記(A)層は、前記マグネシウムアイオノマーおよび前記ナトリウムアイオノマーの合計量100質量部に対して3質量部以下の、アミノ基およびアルコキシ基を有するシランカップリング剤を含有する前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の合わせガラス用中間膜である。
<5> 総厚が0.1〜2mmである前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載の合わせガラス用中間膜である。
<6> 少なくとも2層の前記(A)層と少なくとも1層のエチレン系アイオノマーを含む(B)層とを有し、2層の前記(A)層の間に前記(B)層が配置された重層構造を含み、前記(A)層の厚みaと前記(B)層の厚みbとの比(a/b)が5/1〜1/20である前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載の合わせガラス用中間膜である。
<7> 少なくとも2層の前記(A)層と少なくとも1層のエチレン系アイオノマーを含む(B)層とを有し、2層の前記(A)層の間に前記(B)層が配置された重層構造を含み、前記(A)層中の前記マグネシウムアイオノマーおよび前記ナトリウムアイオノマーの少なくとも一方並びに前記(B)層中のエチレン系アイオノマーのメルトフローレート(MFR;JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重)が、0.1〜150g/10分である前記<1>〜前記<6>のいずれか1つに記載の合わせガラス用中間膜である。
<8> 2枚の3.2mm厚の青板フロートガラスの間に挟んだ状態で2重真空槽貼り合せ機にて150℃、8分間の条件で貼り合せ、23℃の大気圧で放冷したときの、JIS−K7105に準拠した全光線透過率が83%以上である前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載の合わせガラス用中間膜である。
<9> 前記<1>〜前記<8>のいずれか1つに記載の合わせガラス用中間膜を備えた合わせガラスである。
本発明によれば、透明性、およびガラスシートとの間の接着性に優れた合わせガラス用中間膜、並びに従来に比べて長期での耐久性により優れた合わせガラスを提供することができる。
以下、本発明の合わせガラス用中間膜およびこれを備えた合わせガラスについて詳細に説明する。
本発明の合わせガラス用中間膜は、シランカップリング剤と、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のマグネシウムアイオノマーおよびエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のナトリウムアイオノマーの少なくとも一方と、を含む(A)層を有する。
本発明の合わせガラス用中間膜は、単層構成であってもよいし、多層構成であってもよい。
より具体的には、本発明の合わせガラス用中間膜は、1層の(A)層のみからなる単層構成の膜であってもよいし、2層以上の(A)層のみからなる多層構成の膜であってもよいし、少なくとも1層の(A)層と少なくとも1層の(A)層以外の他の層(例えば、後述する(B)層)とを有する多層構成の膜であってもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜は、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、および酸化防止剤などの他の成分を含有していてもよい。更に、着色剤として、顔料(有機顔料、無機顔料)、染料等を含有していてもよい。
本発明においては、アイオノマーを用いることで耐熱性、柔軟性、成形性等を保持できると共に、この場合において、少なくともエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のマグネシウムアイオノマーおよびエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のナトリウムアイオノマーの少なくとも一方とシランカップリング剤とを併用することで、被接着体となるガラスシートとの間の接着性に優れながら、高い透明性を得ることができ、さらに遮音特性にも優れる。
また、特許文献3にあるような有機過酸化物や硬化助剤を用いた架橋工程が不要であり、従来に比べて簡易な方法で短時間に成形可能であると共に、合わせガラスの中間膜用途に好適なものとなる。
[(A)層]
本発明の合わせガラス用中間膜は、少なくとも1層の(A)層を有している。
(A)層は、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のマグネシウム(Mg)アイオノマーおよびエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のナトリウム(Na)アイオノマーの少なくとも一方を含む。
これにより、隣接材料(ガラスシート、または、必要に応じ用いられる他の層(例えば後述の(B)層))との接着性に優れ、かつ、透明性に優れる。
前記(A)層は、接着性および透明性の点から、前記マグネシウムアイオノマー(以下、「Mgアイオノマー」と略記することがある。)および前記ナトリウムアイオノマー(以下、「Naアイオノマー」と略記することがある。)の少なくとも一方を主成分として含む場合が好ましい。ここで、「主成分として含む」とは、前記Mgアイオノマーおよび前記Naアイオノマーの総量が、(A)層全体に対し、60質量%以上であることを指す。前記総量は、(A)層全体に対し、80質量%以上であることが好ましい。
前記(A)層に含まれるアイオノマー(前記Mgアイオノマーおよび前記Naアイオノマーの少なくとも一方。以下同じ。)は、エチレンから導かれる構成単位、α,β−不飽和カルボン酸から導かれる構造単位、およびα,β−不飽和カルボン酸エステルから導かれる構造単位を有するエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のアイオノマーである。
前記アイオノマーのベースポリマーであるエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体中のエチレンから導かれる構成単位の含有割合は、97〜60質量%が好ましく、より好ましくは95〜60質量%であり、さらに好ましくは94〜60質量%であり、特に好ましくは90〜60質量%である。
前記エチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体中のα,β−不飽和カルボン酸から導かれる構成単位の含有割合は、1.5〜25質量%が好ましく、3〜25質量%がより好ましく、5〜25質量%が特に好ましい。
前記エチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体中のα,β−不飽和カルボン酸エステルから導かれる構成単位の含有割合は、1.5〜25質量%が好ましく、3〜25質量%がより好ましく、5〜25質量%が特に好ましい。
前記(A)層に含まれるアイオノマーのベースポリマーは、エチレンから導かれる構成単位、α,β−不飽和カルボン酸から導かれる構造単位、およびα,β−不飽和カルボン酸エステルから導かれる構造単位からなるエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体であることが特に好ましい。
以下、α,β−不飽和カルボン酸およびα,β−不飽和カルボン酸エステルを、それぞれ、「不飽和カルボン酸」および「不飽和カルボン酸エステル」と略称することがある。
エチレンから導かれる構成単位の含有割合が60質量%以上であると、耐熱性、機械的強度等が良好である。一方、エチレンから導かれる構成単位の含有割合が97質量%以下であると、接着性等が良好である。
前記α,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸モノエステルなどであり、特にアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。
本発明におけるエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のMgアイオノマーの特に好ましい例として、エチレン・アクリル酸・アクリル酸エステル共重合体のMgアイオノマー、エチレン・アクリル酸・メタクリル酸エステル共重合体のMgアイオノマー、エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステル共重合体のMgアイオノマー、エチレン・メタクリル酸・メタクリル酸エステル共重合体のMgアイオノマー、が挙げられる。
本発明におけるエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のNaアイオノマーの特に好ましい例として、エチレン・アクリル酸・アクリル酸エステル共重合体のNaアイオノマー、エチレン・アクリル酸・メタクリル酸エステル共重合体のNaアイオノマー、エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステル共重合体のNaアイオノマー、エチレン・メタクリル酸・メタクリル酸エステル共重合体のNaアイオノマー、が挙げられる。
前記不飽和カルボン酸エステルにおけるエステルの種類としては、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、2−エチルヘキシルエステルなどである。
前記(A)層に含まれるアイオノマーのベースポリマー(エチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体)に含まれる、α,β−不飽和カルボン酸から導かれる構成単位およびα,β−不飽和カルボン酸エステルから導かれる構成単位は、ガラス等の基材との接着性に重要な役割を果たすものである。これらの構造単位は、主にガラス等の基材と接触させて設けられる(A)層に含まれる前記アイオノマーに接着性を与える。
かかる接着性の観点から、前記エチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体の全質量(または前記アイオノマーの全質量)に対する、前記α,β−不飽和カルボン酸から導かれる構成単位および前記α,β−不飽和カルボン酸エステルから導かれる構成単位の合計の含有割合は、3質量%以上であることが好ましい。また、前記含有割合が3質量%以上であると、透明性や柔軟性が良好である。
一方、べたつき抑制および加工性向上の観点からは、前記エチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体の全質量(または前記アイオノマーの全質量)に対する、前記α,β−不飽和カルボン酸から導かれる構成単位および前記α,β−不飽和カルボン酸エステルから導かれる構成単位の合計の含有割合は、40質量%以下であることが好ましい。
前記(A)層に含まれるアイオノマーの中和度は、80%以下が好ましい。前記中和度は、加工性、柔軟性の観点からは、5%以上80%以下が好ましい。
前記(A)層に含まれるアイオノマーのベースポリマーであるエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体は、例えば、各重合成分を、高温、高圧下にラジカル共重合させることによって得ることができる。
また、そのアイオノマーは、例えば、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体と、金属水酸化物、金属酸化物、金属酢酸塩などと、を反応させることによって得ることができる。
前記アイオノマーは、加工性および機械強度を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR;JIS K7210−1999に準拠)が0.1〜150g/10分であることが好ましく、特に0.1〜50g/10分であることがより好ましい。
前記(A)層に含まれる前記Mgアイオノマーおよび前記Naアイオノマーの総量は、(A)層の固形分の60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
前記Mgアイオノマーおよび前記Naアイオノマーの総量が上記範囲であると、透明性を高く保ちながら、良好な接着性および耐久性等が得られ、また遮音特性にも優れる。
前記(A)層は、前記アイオノマーとともに、前記アイオノマー以外の他の樹脂材料を含んでいてもよい。
前記他の樹脂材料としては、前記アイオノマーと相溶性がよく、前記(A)層の透明性や機械的物性を損なわないものであれば、いずれの樹脂材料も使用可能である。
前記他の樹脂材料としては、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・不飽和エステル・不飽和カルボン酸共重合体が好ましい。
また、前記他の樹脂材料が、前記アイオノマーよりも融点が高い樹脂材料であれば、(A)層の耐熱性や耐久性を向上することも可能である。
前記(A)層は、シランカップリング剤の少なくとも1種を含有する。
前記(A)層がシランカップリング剤を含まない場合には、ガラスとの接着性(経時における接着性を含む)が低下する傾向がある。
前記シランカップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどを例示することができる。
中でも、シランカップリング剤としては、接着性を高め、ガラス等の基材やバックシート等との接着加工を安定して行なう点で、アミノ基およびアルコキシ基を有するシランカップリング剤(例えばアミノ基を有するアルコキシシラン)が好ましい。
前記アミノ基およびアルコキシ基を有するシランカップリング剤としては、具体的には、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ−トリアルコキシシラン類、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−メチルジメトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、3−メチルジメトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンなどのアミノ−ジアルコキシシラン類などを挙げることができる。
これらの中でも、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどが好ましい。特に、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどの、アミノ基および2個のアルコキシ基を含むシランカップリング剤が好ましい。
このようなアミノ基および2個のアルコキシ基を含むシランカップリング剤(ジアルコキシシランと略称することがある)を用いた場合には、よりシート成形時の加工安定性を維持することができるのでより好ましい。
(A)層において、シランカップリング剤(例えばアミノ基およびアルコキシ基を含むシランカップリング剤)の量(2種以上である場合には総量)は、接着性の改良効果およびシート成形時の加工安定性の観点から、前記Mgアイオノマーおよび前記Naアイオノマーの合計量100質量部に対し、0質量部超3質量部以下が好ましく、より好ましくは0.03質量部以上3質量部以下であり、特には0.05質量部以上1.5質量部以下である。シランカップリング剤が上記範囲で含まれていると、ガラスシートとの接着性を向上させることができる。
(A)層には、本発明の目的を損なわない範囲内において、各種添加剤を含有させることができる。かかる添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、および酸化防止剤等が挙げられる。
紫外線に曝されることによる劣化を防ぐために、(A)層中に紫外線吸収剤、光安定剤、および酸化防止剤などを含有させることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−カルボキシベンゾフェノンおよび2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系;2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジt−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−(2’−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系;フェニルサリチレートおよびp−オクチルフェニルサリチレートなどのサリチル酸エステル系のものが用いられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系のものが用いられる。ヒンダードアミン系の光安定剤としては、例えば、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(o−クロロベンゾイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェノキシアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−2,4−ジオキソ−3−nオクチル−スピロ[4,5]デカン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−アセトキシプロパン−1,2,3−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリアジン−2,4,6−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)ホスファイト、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3−トリカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロパン−1,1,2,3−テトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレートなどを挙げることができる。
酸化防止剤としては、各種ヒンダードフェノール系やホスファイト系のものが用いられる。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、3−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4−sec−ブチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、トコフェロール、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオ)−1,3,5−トリアジンなどを挙げることができる。
また、前記ホスファイト系酸化防止剤の具体例としては、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファネートジメチルエステル、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファネートなどを挙げることができる。
酸化防止剤、光安定剤、および紫外線吸収剤は、前記Mgアイオノマーおよび前記Naアイオノマーの合計量100質量部に対し、各々、好ましくは5質量部以下、より好ましくは0.1〜3質量部の量で含有させることができる。
また、(A)層には、上述した添加剤以外に、必要に応じて、着色剤、光拡散剤、および難燃剤、金属不活性剤などの添加剤を含有させることができる。
着色剤としては、顔料(有機顔料、無機顔料)、染料等が挙げられる。これらの着色剤は公知の種々のものが使用可能である。
無機顔料としては、例えば酸化チタン、亜鉛華、鉛白、リトポン、バライト、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウム、せっこう、沈降性シリカ等の白色無機顔料、カーボンブラック、ランプブラック、チタンブラック、合成鉄黒等の黒色無機顔料、亜鉛末、亜酸化鉛、スレート粉等の灰色無機顔料、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、銀朱、べんがら、モリブテン赤、鉛丹等の赤色無機顔料、アンバー、酸化鉄茶等の褐色無機顔料、カドミウム黄、亜鉛黄、オーカ、シエナ、合成オーカ、黄鉛、チタン黄等の黄色無機顔料、酸化クロム緑、コバルト緑、クロム緑等の緑色無機顔料、群青、紺青、鉄青、コバルト青等の青色無機顔料、金属粉無機顔料が例示できる。
有機顔料としては、例えばパーマネント・レッド4R、パラ・レッド、ファースト・エローG、ファースト・エロー10G、ジスアゾ・エローG、ジスアゾ・エローGR、ジスアゾ・オレンジ、ピラゾロン・オレンジ、ブリリアント・カーミン3B、ブリリアント・カーミン6B、ブリリアント・スカーレットG、ブリリアント・ボルドー10B、ボルドー5B、パーマネント・レッドF5R、パーマネント・カーミンFB、リソール・レッドR、リソール・レッドB、レーキ・レッドC、レーキ・レッドD、ブリリアント・ファスト・スカーレット、ピラゾロン・レッド、ボン・マルーン・ライト、ボン・マルーン・メジアム、ファイア・レッド等のアゾ顔料、ナフトール・グリーンB等のニトロソ顔料、ナフトール・エローS等のニトロ顔料、ローダミンBレーキ、ローダミン6Gレーキ等の塩基性染料系レーキ、アリザリン・レーキ等の媒染染料系レーキ、インダンスレン・ブルー等の建染染料系顔料、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、ファスト・スカイ・ブルー等のフタロシアニン顔料、ジオキサジンバイオレット等のジオキサジン系顔料が提示できる。
このほかにも、有機蛍光顔料やパール顔料などが使用可能である。
光拡散剤としては、例えば、無機系の球状物質として、ガラスビーズ、シリカビーズ、シリコンアルコキシドビーズ、中空ガラスビーズなどが挙げられる。有機系の球状物質として、アクリル系やビニルベンゼン系などのプラスチックビーズなどが挙げられる。
難燃剤としては、例えば、臭素化物などのハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水和物などが挙げられる。
前記金属不活性剤としては、熱可塑性樹脂の金属害を抑制する化合物として周知のものを用いることができる。金属不活性剤は、二種以上を併用してもよい。金属不活性剤の好ましい例としては、ヒドラジド誘導体、またはトリアゾール誘導体を挙げることができる。具体的には、ヒドラジド誘導体として、デカメチレンジカルボキシル−ジサリチロイルヒドラジド、2’,3−ビス[3−[3,5−ジーtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]プロピオノヒドラジド、イソフタル酸ビス(2−フェノキシプロピオニル−ヒドラジド)が好適に挙げられ、またトリアゾール誘導体として、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールが好適に挙げられる。ヒドラジド誘導体、トリアゾール誘導体以外にも、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチル・ジフェニルメタン、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三−ブチルフェニル)ブタン、2−メルカプトベンズイミダゾールとフェノール縮合物との混合物などを挙げることができる。
[(B)層]
本発明の合わせガラス用中間膜は、多層の場合は、エチレン系アイオノマーを少なくとも1種含む(B)層を少なくとも1層有することが好ましい。
これにより、機械的強度および遮音特性をさらに向上させることができる。
前記(B)層は、エチレン系アイオノマーを主成分として含むことが好ましい。ここで、「主成分として含む」とは、前記エチレン系アイオノマーの総質量が、(B)層の全質量に対し、60質量%以上であることを指す。前記総質量は、80質量%以上であることが好ましい。
前記エチレン系アイオノマーは、合わせガラス用中間膜全体の透明性を向上させる観点から、エチレン系マグネシウムアイオノマー(以下、「エチレン系Mgアイオノマー」と略記することがある。)およびエチレン系ナトリウムアイオノマー(以下、「エチレン系Naアイオノマー」と略記することがある。)の少なくとも一方であることが好ましい。
前記(B)層に含まれるエチレン系アイオノマー(例えば、前記エチレン系Mgアイオノマーおよび前記エチレン系Naアイオノマーの少なくとも一方。以下同じ。)は、エチレンから導かれる構成単位およびα,β−不飽和カルボン酸から導かれる構造単位を有するエチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーであることが好ましい。前記共重合体(又は前記アイオノマー)は、α,β−不飽和カルボン酸エステルから導かれる構造単位を有していてもよい。
前記好ましいエチレン系アイオノマーのベースポリマーであるエチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体中のエチレンから導かれる構成単位の含有割合は、97〜75質量%が好ましく、より好ましくは95〜75質量%である。
前記好ましいエチレン系アイオノマーのベースポリマーであるエチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体中の不飽和カルボン酸から導かれる構成単位の含有割合は、3〜25質量%が好ましく、より好ましくは5〜25質量%である。
エチレンから導かれる構成単位の含有割合が75質量%以上であると、共重合体の耐熱性、機械的強度等が良好である。一方、エチレンから導かれる構成単位の含有割合が97質量%以下であると、接着性等が良好である。
前記α,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸モノエステルなどであり、特にアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。
前記エチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体のMgアイオノマーの特に好ましい例として、エチレン・アクリル酸共重合体のMgアイオノマー、エチレン・メタクリル酸共重合体のMgアイオノマー、が挙げられる。
前記エチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体のNaアイオノマーの特に好ましい例として、エチレン・アクリル酸共重合体のNaアイオノマー、エチレン・メタクリル酸共重合体のNaアイオノマー、が挙げられる。
前記エチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体に含まれる、不飽和カルボン酸から導かれる構成単位は、ガラス等の基材との接着性に重要な役割を果たすものである。ガラス等の基材と接着されないことがある(B)層中のエチレン系アイオノマーは比較的接着性が低いことがあるが、その接着性向上にも寄与する。
かかる接着性の観点から、前記エチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体の全質量(または前記エチレン系アイオノマーの全質量)に対する、前記不飽和カルボン酸から導かれる構成単位の含有割合は、3質量%以上であることが好ましい。また、前記含有割合が3質量%以上であると、透明性や柔軟性が良好である。
一方、べたつき抑制および加工性向上の観点からは、前記エチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体の全質量(または前記エチレン系アイオノマーの全質量)に対する、前記不飽和カルボン酸から導かれる構成単位の含有割合は、25質量%以下であることが好ましい。
前記エチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体には、エチレンおよびα,β−不飽和カルボン酸の合計100質量%に対し、0質量%超30質量%以下、好ましくは0質量%超25質量%以下のその他の共重合性モノマーから導かれる構成単位が含まれていてもよい。
その他の共重合性モノマーとしては、不飽和エステル、例えば、酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸イソブチル等の(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。その他の共重合体モノマーから導かれる構成単位が上記範囲で含まれていると、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の柔軟性が向上するので好ましい。
前記(B)層に含まれるエチレン系アイオノマーの中和度は、80%以下が好ましい。前記中和度は、加工性、柔軟性の観点からは、5%以上80%以下が好ましい。
前記(B)層に含まれるエチレン系アイオノマーのベースポリマーとして用いられることがある、前記エチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体は、例えば、各重合成分を、高温、高圧下にラジカル共重合させることによって得ることができる。また、そのアイオノマーは、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体と、金属水酸化物、金属酸化物、金属酢酸塩などと、を反応させることによって得ることができる。
前記(B)層に含まれるエチレン系アイオノマーは、加工性および機械強度を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR;JIS K7210−1999に準拠)が、0.1〜150g/10分であることが好ましく、特に0.1〜50g/10分であることがより好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜が前記(B)層を含む場合、加工性および機械強度の観点から、前記(A)層に含まれる前記アイオノマーおよび前記(B)層に含まれる前記エチレン系アイオノマーの両方の前記メルトフローレートが、0.1〜150g/10分であることが好ましく、特に0.1〜50g/10分であることがより好ましい。
前記(B)層がエチレン系Naアイオノマーおよびエチレン系Mgアイオノマーの少なくとも一方を含む場合、前記エチレン系Naアイオノマーおよび前記エチレン系Mgアイオノマーの総量は、(B)層の固形分の60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
前記エチレン系Naアイオノマーおよび前記エチレン系Mgアイオノマーの総量が上記範囲であると、合わせガラスとしての透明性が飛躍的に向上し、合わせガラスとしての視野認識性を従来より効果的に向上させることができる。
前記(B)層は、合わせガラス用中間膜の透明性をより効果的に向上させる観点から、前記エチレン系Mgアイオノマーを含有することが好ましく、更には、前記エチレン系Mgアイオノマーを、前記(B)層に含まれる樹脂材料の総量に対して80質量%以上含有することがより好ましい。
前記(B)層は、前記エチレン系アイオノマーとともに、前記エチレン系アイオノマー以外の他の樹脂材料を含んでいてもよい。
前記他の樹脂材料としては、前記エチレン系アイオノマーと相溶性がよく、前記(B)層の透明性や機械的物性を損なわないものであれば、いずれの樹脂材料も使用可能である。
前記他の樹脂材料としては、中でも、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・不飽和エステル・不飽和カルボン酸共重合体が好ましい。
また、前記他の樹脂材料が、前記エチレン系アイオノマーよりも融点が高い樹脂材料であれば、(B)層の耐熱性や耐久性を向上することも可能である。
(B)層には、本発明の目的を損なわない範囲内において、各種添加剤や着色剤を含有させることができる。かかる添加剤としては、前記(A)層に含有することができる添加剤として上述したものを全て挙げることができる。また、(B)層に前記添加剤を含有する場合、(A)層に前記添加剤を含ませる場合の量と同じ量の前記添加剤を含ませることができる。
本発明では、シランカップリング剤を(A)層に含有するが、(A)層と共に(B)層を用いる場合、(B)層にもシランカップリング剤を含有してもよい。
但し、例えば(A)層および(B)層を含む層構成を「(A)層/(B)層/(A)層」等とする場合など、(B)層は(A)層以外の材料との接着性が求められないことがあるため、(B)層はシランカップリング剤を実質的に含まないことが好ましい。具体的には、生産安定性の観点から、(B)層中のシランカップリング剤の含有率は(B)層の固形分の0.1質量%以下であることが好ましい。更には、(B)層中にシランカップリング剤が含まれない場合(0質量%)が特に好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜の総厚には特に限定はないが、該総厚は、5μm〜2000μm(0.005mm〜2mm)の範囲であることが好ましく、100μm〜2000μm(0.1mm〜2mm)の範囲であることがより好ましく、100μm〜1500μm(0.1mm〜1.5mm)の範囲であることが更に好ましい。
前記総厚が上記範囲にあると、経済性に優れ(すなわち製品としての適正なコストでありながら)、かつ、接着性および透明性に優れる。
本発明における(A)層の形態は、単一の層である形態が好ましい。但し、(A)層の形態は単一の層である形態には限定されず、例えば、含有されるアイオノマーの種類(例えば、ベースポリマーの共重合比、中和度、金属種、等)等が異なる複数の層からなる形態であってもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜が(B)層を含む場合、(A)層は、(B)層の片面または両面に重層して設けられることが好ましい。
中でも、ガラスシートとの接着性の観点から、少なくとも2層の(A)層と少なくとも1層の(B)層とを設け、2層の(A)層の間に(B)層が配置された「(A)層/(B)層/(A)層」の重層構造とすることが好ましい。
また、本発明の合わせガラス用中間膜は、3層以上の(A)層と2層以上の(B)層とを含んでもよく、この場合には、片側が露出する最外層をなす層が(A)層である層構造「(A)層/・・・(B)層・・・/(A)層」であれば、いずれの構造に構成されてもよい。
また、(B)層は、(A)層と同様に、単一の層である形態が好ましい。但し、(B)層の形態は単一の層である形態には限定されず、例えば、含有されるアイオノマーの種類(例えば、ベースポリマーの共重合比、中和度、金属種、等)等が異なる複数の層からなる形態であってもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜は、多層構成の膜である場合には、(B)層からなる中間層と該中間層を挟むようにその両側に形成された(A)層からなる2つの外層とを含む3層シートであるか、または、(A)層と(B)層とを含む2層シートであることが好ましい。透明性および接着性を両立する観点から前記3層シートが特に好ましい。
また、本発明の合わせガラス用中間膜が(A)層と(B)層とを含む場合、(A)層の厚みは任意であるが、(A)層の厚みaとしては、1μm〜500μmの範囲であることが好ましく、10μm〜500μmの範囲であることがより好ましく、20μm〜300μmの範囲であることが特に好ましい。
前記厚みaは、1μm以上であることで、接着強度をより向上させることができ、500μm以下であることで、透明性により優れる。
また、本発明の合わせガラス用中間膜が(A)層と(B)層とを含む場合、透明性の点では全層厚に占める(B)層の厚みは厚くてもよい。具体的には、(B)層の厚みbとしては、好ましい総厚である5μm〜2000μmの範囲から、上記(A)層の好ましい厚みaを差し引いた範囲内で自在に設定することができる。
また、本発明の合わせガラス用中間膜が(A)層と(B)層とを含む場合、(A)層(厚みa)と(B)層(厚みb)との厚みの比(a/b)は、5/1〜1/20が好ましく、より好ましくは3/1〜1/10であり、さらに好ましくは3/1〜1/8である。
(A)層および(B)層の厚みの比(a/b)が上記範囲内にあると、接着性および透明性がより向上する。
本発明の合わせガラス用中間膜の成形は、単層T−ダイ押出機、多層T−ダイ押出機、カレンダー成形機、単層インフレーション成形機、多層インフレーション成形機などを用いた公知の方法によって行なうことができる。
例えば、本発明の合わせガラス用中間膜は、原料であるアイオノマーに、必要に応じ、シランカップリング剤、酸化防止剤、光安定剤、および紫外線吸収剤等の添加剤を添加してドライブレンドし、T−ダイ押出機の主押出機および従押出機のホッパーから供給し、シート状に押出成形することにより得られる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、この合わせガラス用中間膜を2枚の3.2mm厚の青板フロートガラスの間に挟んだ状態で2重真空槽貼り合せ機にて貼り合せ(条件:150℃、8分間)、その後23℃の大気中で放冷(すなわち除冷)を行なったときに、JIS−K7105に準拠した全光線透過率を83%以上とすることができる。すなわち、一般的には貼り合せた後に除冷すると透明性は悪くなる傾向にあるため、貼り合せた後は急冷するのが通例であって急冷後の全光線透過率で評価されるが、本発明においては、除冷後の全光線透過率が83%以上と極めて良好な透明性を示す。
また、前記全光線透過率は、85%以上であることがより好ましい。
前記全光線透過率は、ヘイズメーター(スガ試験機社製)を用い、JIS−K7105に準じて測定される値である。なお、放冷(除冷)とは、15℃/min以下の降温速度で冷却することをいう(冷却開始から5分後の温度から算出)。
〔合わせガラス〕
本発明の合わせガラスは、2枚のガラスシートを前記合わせガラス用中間膜で固定することにより構成されるものである。
本発明の合わせガラスの構成としては、例えば、ガラスシート/合わせガラス用中間膜/ガラスシートの構成が挙げられる。
更に詳しくは、ガラスシート/前記(A)層/ガラスシート、ガラスシート/前記(A)層/前記(B)層/前記(A)層/ガラスシート、等の構成が挙げられる。更に、これらの構成の中で、少なくとも1層に着色剤が配合されている構成なども挙げられる。
ガラスシートの材質は特に限定されず、ソーダライムガラスが好適に使用されるが、なかでも高透過ガラス(いわゆる白板ガラス)が好ましく使用される。高透過ガラスは、鉄分の含有量の少ないソーダライムガラスであり、光線透過率の高いものである。また、表面にエンボス模様を施した型板ガラスも好適に使用される。また、鉄分含有量の多いソーダライムガラス(いわゆる青板ガラス)や、熱線反射ガラス、熱線吸収ガラスなども好ましく使用できる。
ガラスシート(板)の厚みは特に制限がないが、通常は4mm以下、好ましくは2.5mm以下である。下限は制限が無いものの、通常は0.1mm以上、好ましくは0.5mm以上である。
本発明の合わせガラスを製造するには、例えば、2枚のガラスシートの間に前記合わせガラス用中間膜を入れ、加熱、加圧下で熱圧着すればよい。加熱温度は、例えば100〜250℃程度であり、圧力は例えば0.1〜30kg/cm程度である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」および「ppm」は質量基準である。
なお、「エチレン含量」、「メタクリル酸含量」、および「アクリル酸イソブチル含量」は、それぞれ、樹脂中におけるエチレンから導かれる構造単位の含有比率、樹脂中におけるメタクリル酸から導かれる構造単位の含有比率、および、樹脂中におけるアクリル酸イソブチルから導かれる構造単位の含有比率を表す。
下記の実施例、比較例に用いた材料、各層の配合、基材、および評価方法は、次の通りである。
−(1)樹脂−
1.(A)層用の樹脂材料
・アイオノマー1:エチレン・メタクリル酸・アクリル酸イソブチルエステル共重合体(エチレン含量=75質量%、メタクリル酸含量=8質量%、アクリル酸イソブチルエステル含量=17質量%)のマグネシウムアイオノマー(中和度45%、MFR5.0g/10分)
・アイオノマー2:エチレン・メタクリル酸・アクリル酸イソブチルエステル共重合体(エチレン含量=75質量%、メタクリル酸含量=8質量%、アクリル酸イソブチルエステル含量=17質量%)のナトリウムアイオノマー(中和度55%、MFR2.5g/10分)
2.(B)層用の樹脂材料
・アイオノマー3:エチレン・メタクリル酸共重合体(エチレン含量=85質量%、メタクリル酸含量=15質量%)のマグネシウムアイオノマー(中和度37%、MFR5g/10分)
・アイオノマー4:エチレン・メタクリル酸共重合体(エチレン含量=81質量%、メタクリル酸含量=19質量%)のナトリウムアイオノマー(中和度45%、MFR4.5g/10分)
−(2)シランカップリング剤−
・N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン:信越化学工業(株)製「KBM602」
・N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン:信越化学工業(株)製「KBE603」
−(3)配合−
(A)層へのシランカップリング剤の配合は、成形前に、予め、アイオノマーとシランカップリング剤とを所定の比率で混合することにより行なった。
−(4)基材−
・3.2mm厚の青板強化ガラス(旭硝子(株)製)
[実施例1]
アイオノマー1にKBE603を、アイオノマー1の質量に対して1500ppm添加して得られた樹脂組成物(100質量部のアイオノマー1に対するKBE603の量が0.15質量部である樹脂組成物)を圧縮成形し、合わせガラス用中間膜として、(A)層のみからなる単層シートを作製した。
圧縮成形は、東邦マシナリー株式会社製の自動プレス成形機を用い、160℃で5分間加熱して樹脂組成物を溶解させ、23℃で3分間冷却する条件で行なった。
上記単層シートとしては、透明性評価用の厚み900μmの単層シートと、接着性評価用の厚み600μmの単層シートと、をそれぞれ作製した(後述の実施例2以降の実施例及び比較例も同様である)。
<評価>
得られた単層シートを用い、下記の各種評価を実施した。評価結果を下記表1に示す。
(透明性)
3.2mm厚の青板強化ガラス(75mm×120mm)と、上記で得られた厚み900μmの単層シートと、3.2mm厚の青板強化ガラス(75mm×120mm)と、を真空加熱貼合器(LM−50x50S、NPC社製の2重真空槽貼り合せ機)を用い、160℃、8分間の条件で貼り合せた後、短片側の一端を固定してガラス立てに立てた状態にして温度23℃の大気中に放置して除冷(降温速度=13℃/min、冷却開始5分後のガラス中央の表面温度85℃)し、青板強化ガラス/単層シート/青板強化ガラスからなる構成の試料を作製した。
この試料を用い、ヘイズメーター(スガ試験機社製)にてJIS−K7105に準じ、全光線透過率(%)、ヘイズ(%)を測定した。
(接着性)
3.2mm厚の青板強化ガラス(75mm×120mm)と、上記で得られた厚み600μmの単層シートと、を真空加熱貼合器(LM−50x50S、NPC社製)を用い、160℃、8分間の条件で貼り合わせ、青板強化ガラス/単層シートからなる構成の試料を作製した。この試料を用い、青板強化ガラス−単層シート間の接着強度(初期接着強度)(N)を測定した。測定は、15mm幅で引張速度100mm/分の条件で行なった。
また、上記と同様の試料を85℃、90%RH環境下で1週間エージングし、エージング後の試料についても同様に、接着強度(耐湿接着強度)(N)の測定を行なった。
[実施例2]
実施例1において、KBE603の添加量を5000ppmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、(A)層のみからなる単層シート(透明性評価用の厚み900μmの単層シート、および、接着性評価用の厚み600μmの単層シート)を作製し、各種評価を行なった。評価結果を下記表1に示す。
なお、本実施例2の樹脂組成物(単層シート)において、100質量部のアイオノマー1に対するKBE603の量は0.5質量部である。
[実施例3]
実施例1において、KBE603を同質量のKBM602に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、(A)層のみからなる単層シート(透明性評価用の厚み900μmの単層シート、および、接着性評価用の厚み600μmの単層シート)を作製し、各種評価を行なった。結果を下記表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、アイオノマー1を同質量のアイオノマー2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、(A)層のみからなる単層シート(透明性評価用の厚み900μmの単層シート、および、接着性評価用の厚み600μmの単層シート)を作製し、各種評価を行なった。結果を下記表1に示す。
[実施例5]
実施例2において、アイオノマー1を同質量のアイオノマー2に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、(A)層のみからなる単層シート(透明性評価用の厚み900μmの単層シート、および、接着性評価用の厚み600μmの単層シート)を作製し、各種評価を行なった。結果を下記表1に示す。
[実施例6]
実施例3において、アイオノマー1を同質量のアイオノマー2に変更したこと、および、KBM602の添加量を5000ppmに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、(A)層のみからなる単層シート(透明性評価用の厚み900μmの単層シート、および、接着性評価用の厚み600μmの単層シート)を作製し、各種評価を行なった。結果を下記表1に示す。
[実施例7]
アイオノマー1にKBE603を、アイオノマー1の質量に対して1500ppm(アイオノマー1(100質量部)に対してKBE603(0.15質量部))添加して得られた樹脂組成物をシート成形機によって成形し、(A)層用の単層シート(厚み300μm)を作製した。
また、アイオノマー3をシート成形機によって成形し、(B)層用の単層シート(厚み300μm)を作製した。
上記シート成形機としては、いずれも、ダイ幅40mmのダイスを装着した40mmφ単軸押出機(ナカタニ機械株式会社製)を用いた。
<評価>
上記の各単層シートを用い、以下のようにして評価を行なった。評価結果を下記表1に示す。
(透明性)
3.2mm厚の青板強化ガラス(75mm×120mm)と、上記(A)層用の単層シートと、上記(B)層用の単層シートと、上記(A)層用の単層シートと、3.2mm厚の青板強化ガラス(75mm×120mm)と、を真空加熱貼合器(LM−50x50S、NPC社製の2重真空槽貼り合せ機)を用い、160℃、8分間の条件でこの順に貼り合せた後、短片側の一端を固定してガラス立てに立てた状態にして温度23℃の大気中に放置して除冷(降温速度=13℃/min、冷却開始5分後のガラス中央の表面温度85℃)し、青板強化ガラス/(A)層/(B)層/(A)層/青板強化ガラスからなる構成の試料を作製した。
この試料を用い、実施例1と同様にして、全光線透過率(%)、ヘイズ(%)を測定した。
この透明性の評価は、「(A)層/(B)層/(A)層」の多層シート(合わせガラス用中間膜)を想定した評価である。
(接着性)
3.2mm厚の青板強化ガラス(75mm×120mm)と、(A)層用の単層シートと、(B)層用の単層シートと、を真空加熱貼合器(LM−50x50S、NPC社製)により、160℃、8分間の条件でこの順に貼り合わせ、青板強化ガラス/(A)層/(B)層からなる構成の接着性評価用試料を作製した。
得られた接着性評価用試料を用い、実施例1の同様の方法により、初期接着強度及び耐湿接着強度を測定した。
この接着性の評価は、「(A)層/(B)層/(A)層」の多層シート(合わせガラス用中間膜)を用いた場合における、(A)層とガラスとの接着性を想定した評価である。
[実施例8]
実施例7において、アイオノマー3をアイオノマー4に変更したこと以外は実施例7と同様にして各種評価を行なった。評価結果を下記表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、KBE603を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、各種評価を行なった。評価結果を下記表2に示す。
[比較例2]
実施例4において、KBE603を用いなかったこと以外は、実施例4と同様にして、各種評価を行なった。評価結果を下記表2に示す。
[比較例3]
実施例1において、アイオノマー1をアイオノマー3に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、各種評価を行なった。評価結果を下記表2に示す。
[比較例4]
実施例3において、アイオノマー1をアイオノマー3に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、各種評価を行なった。評価結果を下記表2に示す。
[比較例5]
実施例1において、アイオノマー1を、アクリル酸イソブチルから導かれる構造単位を含んでいないエチレン・メタクリル酸共重合体(エチレン含量=92質量%、メタクリル酸含量=8質量%)のマグネシウムアイオノマー(中和度45%)(以下、「アイオノマー5」とする。)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、各種評価を行なった。評価結果を下記表2に示す。
上記表2中の接着強度について、「測定不可」とは、接着力が弱すぎて接着強度を測定できなかったことを表す。
上記表1〜表2に示すように、実施例では、透明性を高く維持しながら、比較例に比べて優れた接着性を示した。実施例では、特に、比較例に比べて耐湿接着強度が高かった。
なお、本発明の合わせガラス用中間膜は、ガラスシートとの接着性が特に優れている発明であるが、アクリル樹脂シートやポリカーボネートシート或いはポリエステルシートのような、ガラスよりは透明性が劣るものの、プラスチックガラスとして市販されているものと組み合わせて合わせガラスとすることも可能である。

Claims (9)

  1. シランカップリング剤と、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のマグネシウムアイオノマーおよびエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のナトリウムアイオノマーの少なくとも一方と、を含む(A)層を有する合わせガラス用中間膜。
  2. 少なくとも2層の前記(A)層と少なくとも1層のエチレン系アイオノマーを含む(B)層とを有し、2層の前記(A)層の間に前記(B)層が配置された重層構造を含む請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。
  3. 少なくとも2層の前記(A)層と少なくとも1層のエチレン系アイオノマーを含む(B)層とを有し、2層の前記(A)層の間に前記(B)層が配置された重層構造を含み、
    前記(B)層は、シランカップリング剤の含有率が(B)層の固形分の0.1質量%以下である請求項1または請求項2に記載の合わせガラス用中間膜。
  4. 前記(A)層は、前記マグネシウムアイオノマーおよび前記ナトリウムアイオノマーの合計量100質量部に対して3質量部以下の、アミノ基およびアルコキシ基を有するシランカップリング剤を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  5. 総厚が0.1〜2mmである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  6. 少なくとも2層の前記(A)層と少なくとも1層のエチレン系アイオノマーを含む(B)層とを有し、2層の前記(A)層の間に前記(B)層が配置された重層構造を含み、
    前記(A)層の厚みaと前記(B)層の厚みbとの比(a/b)が5/1〜1/20である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  7. 少なくとも2層の前記(A)層と少なくとも1層のエチレン系アイオノマーを含む(B)層とを有し、2層の前記(A)層の間に前記(B)層が配置された重層構造を含み、
    前記(A)層中の前記マグネシウムアイオノマーおよび前記ナトリウムアイオノマーの少なくとも一方並びに前記(B)層中のエチレン系アイオノマーのメルトフローレート(MFR;JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重)が、0.1〜150g/10分である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  8. 2枚の3.2mm厚の青板フロートガラスの間に挟んだ状態で2重真空槽貼り合せ機にて150℃、8分間の条件で貼り合せ、23℃の大気圧で放冷したときの、JIS−K7105に準拠した全光線透過率が83%以上である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜を備えた合わせガラス。
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