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JP2013237957A - 水解紙含浸用水性薬剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】水溶性バインダーを含浸させた原紙シートに、水溶性バインダーの架橋剤や、清掃剤、殺菌剤等を含有する水性薬剤を含浸させた水解紙は、トイレクリーナー等として使用されているが、トイレ回りの汚れを払拭した際に、被清掃部分光沢が低下して白濁して見えることがあった。水解紙に含浸させることで、トイレ回りを払拭した際の白濁を防止し、清掃機能を向上することができる水解紙含浸用水性薬剤を提供する。
【解決手段】水解紙含浸用水性薬剤10は、水と、水溶性有機溶剤と、水解紙に含浸される水溶性バインダー5を架橋させるための、水溶性亜鉛化合物よりなる架橋剤と、被清掃部の白濁を防止するための、水溶性カルシウム化合物よりなる白濁防止剤とを含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、トイレクリーナー等に用いられる水解紙に含浸させて、水解紙に清掃機能等の機能を付与するための水解紙含浸用水性薬剤に関する。
従来より水解紙はトイレクリーナーに広く用いられているが、一般にトイレクリーナーに用いられる水解紙は、複数の薄葉紙を重ねて相互に水溶性バインダーを介して接着するとともに、エンボス加工を施して多数の凹凸形態により嵩高構造に形成し、水性薬剤を含浸させてなるものである。特許文献1には、水溶性の紙を複数枚重ねて、その各紙間を水溶性接着剤で接着するとともに、全体に凹凸状のエンボス加工を施してタオル体を成形し、このタオル体に消毒液を含浸させたトイレ掃除用ペーパータオルが記載されている。
実開平2−103397号公報
しかしながら、各紙間に施した接着剤を介して接着一体化するのは作業的に手間を要し、製造コストも高いものとなる。一方、原紙に水溶性バインダーを含浸させ、エンボス加工、折り畳み加工等を施した後、殺菌剤等の薬剤とともに、水溶性バインダーの架橋剤を含む水性薬剤を噴霧含浸させた水解紙も知られている。この水解紙は、特許文献1に記載されているペーパータオルに比べ、各紙間に接着剤を介して接着一体化するという煩雑な作業が不要であるため、製造効率が良いという利点がある。しかしながら、水溶性バインダーを含浸させた原紙に、水溶性バインダーの架橋剤を含む水性薬剤を噴霧含浸させて得た水解紙よりなるトイレクリーナーは、便器や床等のトイレ回りの汚れを払拭した際に、被清掃部分の光沢が低下して白濁して見える(以下、“白残り”と呼ぶ。)ことがあった。このような“白残り”が生じる理由は定かではないが、水解紙に含浸されている薬液中の成分等が析出して被清掃部分に付着残存することによるものと考えられる。
本発明者は“白残り”の問題を解決すべく鋭意研究した結果、水溶性亜鉛化合物という特定の架橋剤を水溶性バインダーを架橋させるために用いるとともに、水解紙により被清掃部を払拭した際の被清掃部の白濁を防止するために水溶性カルシウム化合物よりなる白濁防止剤を併用することにより、“白残り”が防止され、清掃機能が向上することを見出し本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(1)水解紙に含浸させて清掃機能を付与するための水性薬剤であって、水と、水溶性有機溶剤と、水解紙に含浸される水溶性バインダーを架橋させるための、水溶性亜鉛化合物よりなる架橋剤と、被清掃部の白濁を防止するための、水溶性カルシウム化合物よりなる白濁防止剤とを含有することを特徴とする水解紙含浸用水性薬剤、
(2)水、水溶性有機溶剤、架橋剤、白濁防止剤の合計量に対し、水溶性有機溶剤1〜60重量%、架橋剤0.1〜30.0重量%、白濁防止剤0.1〜30.0重量%(但し、水、水溶性有機溶剤、架橋剤、白濁防止剤の割合の合計は100重量%)を含有する上記(1)の水解紙含浸用水性薬剤、
を要旨とするものである。
本発明の水解紙含浸用水性薬剤は、水溶性バインダーが含浸された水解紙に含浸させることにより、水溶性バインダーを架橋させて水解紙の引張り強度を向上することができるとともに、水解紙に清掃機能を付与できる。本発明の水性薬剤を含浸させた水解紙は、トイレ回り等を払拭した際の被清掃部における“白残り”を防止することができ、効果的な清掃を行うことができる。
水解紙を製造する工程の一例を示す工程図である。 水解紙の一例を示す部分平面図である。 図2におけるA−A線に沿う縦断面図である。
本発明の水解紙含浸用水性薬剤は、水と、水溶性有機溶剤と、水解紙に含浸された水溶性バインダーを架橋させるための、水溶性亜鉛化合物よりなる架橋剤、被清掃部の白濁を防止するための、水溶性カルシウム化合物よりなる白濁防止剤を必須成分とし、更に必要に応じて界面活性剤、殺菌剤、防腐剤、消臭剤、漂白剤、キレート剤、香料等の任意成分を含有する。
水性薬剤に用いる水溶性有機溶剤としては、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコールなどの一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類、これらグリコール類とメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコールとのモノエーテル又はジエーテル、前記グリコール類と低級脂肪酸とのエステル、グリセリンやソルビトール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いることができる。水溶性有機溶剤は一種または二種以上を併用することができる。水性薬剤中の水溶性有機溶剤の割合は、水、水溶性有機溶剤、架橋剤、白濁防止剤の合計量に対し、1〜60重量%が好ましいが、15〜40重量%がより好ましい。
水溶性バインダーの架橋剤としての水溶性亜鉛化合物は、例えば硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛等を用いることができるが、硫酸塩、塩酸塩が好ましい。架橋剤の水性薬剤中の割合は、水、水溶性有機溶剤、架橋剤、白濁防止剤の合計量に対し0.1〜30.0重量%が好ましいが、1〜15重量%がより好ましい。
白濁防止剤としての水溶性カルシウム化合物は、例えば硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等が挙げられるが、塩化カルシウムが好ましい。白濁防止剤の水性薬剤中の割合は、水、水溶性有機溶剤、架橋剤、白濁防止剤の合計量に対し、0.1〜30.0重量%が好ましいが、1〜5重量%がより好ましい。
本発明の水性薬剤に必要に応じて配合される界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられ、これらの界面活性剤は単独で使用しても、二種以上を併用しても良いが、特に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルグリコシド、ソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤の一種又は二種以上を用いることが好ましい。界面活性剤等の任意成分は、必要に応じた適宜量を水性薬剤に配合する。
次に本発明の水性薬剤を用いた水解紙を製造する方法の一例を図面に基づき説明する。本発明の水性薬剤は、水溶性バインダーを含浸させた水解紙を折り畳んだ後に、噴霧する等により含浸させることが好ましい。また水解紙にエンボス加工を施す場合、水溶性バインダーを含浸させてからエンボス加工(ウェットエンボス加工)を施しても、非湿潤状態にある原紙シートにエンボス加工(ドライエンボス加工)を施した後に水溶性バインダーを含浸させても良いが、エンボス後の原紙シートのエンボスロールからの離型性が良く、製造が容易な後者の方法が好ましい。以下、非湿潤状態の原紙シートにエンボス加工を施した後、水溶性バインダーを含浸させ、折り畳んで本発明水性薬剤を含浸させて水解紙を製造する方法について説明する。
図1において、1は長尺な原紙シート2を巻回した送りロールで、原紙シート2はピンチロール3により矢印Y方向に送り出される。原紙シート2としては、トイレットペーパーなどの薄葉紙1枚からなる単層構造のものを用いても或いは薄葉紙を2枚以上の複数枚重ねて多層構造としたものを用いてもよい。原紙シートの材料としては、種々の原料パルプを用いることができる。本発明において用いることができる原料パルプとして例えば、木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなどが挙げられる。またパルプなどの天然繊維に限られず、レーヨンなどの半合成繊維なども用いることができる。更に、本発明は原料パルプとして、トイレットペーパー材料を用いることができ、この場合、針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプを配合してなるものを用いることが好ましい。また本発明における原紙シートの材料として、ケナフ、竹繊維、藁、綿、繭糸などを用いることができる。
連続して送り出される原紙シート2は、上下一対のエンボスロール4、4に通されて、ここでエンボス加工が施される。エンボスロール4、4はロール周面にエンボス加工用の多数の突起を突設してなるもので、従来公知のエンボスロールを用いることができる。エンボス加工による凹凸賦形は、原紙シート2の片面のみに形成しても或いはその表裏両面に形成してもよい。原紙シート2の表裏両面にエンボスを施す場合は、ロール周面にエンボス加工用の多数の突起を突設してなる上下一対の金属製ロールからなるエンボスロールが用いられる。また原紙シート2の片面のみにエンボスを施す場合は、周面にエンボス加工用の多数の突起を突設してなる金属製ロールと、このロールと上下一対をなすゴム製の抑えロールとからなるエンボスロールが用いられる。エンボス加工は、原紙シート2に多数の凹凸を賦形して嵩高構造とすることにより、強度を高めると共に、清掃機能(特に拭き取り機能)を高める意味を持つものである。
上記のエンボス加工は非湿潤状態にある原紙シート2に施される。ここにおいて、非湿潤状態とは、原紙シート2に水を吹き付けるなどして原紙シート2に水分を供給した態様を含まないという意味である。通常、紙材料は気温、湿度条件に相応した湿気(水分)を含んでいるが、この湿気(水分)は外部から積極的に供給した水分ではないから、かかる湿気(水分)を含んでいても本発明にいう非湿潤状態に相当する。従って、気温、湿度条件によって原紙シート2に含まれる湿気(水分)の含有率も変化するが、その含有率がどのような数値であろうとも、非湿潤状態に相当するものといえる。非湿潤状態にある原紙シートにエンボス加工を施すことは、水溶性バインダーが含浸されている状態でエンボス加工を施すものではないから、原紙シート2がエンボスロール4、4に付着する虞はなく、そのためエンボスロール4、4に剥離剤を塗布したり或いは原紙シート2に剥離剤を塗布したりする必要はない。エンボス加工の際、エンボスロール4、4を加熱せずに行なうこともできるが、エンボスロール4、4を所定温度に加熱した状態でエンボス加工を行なってもよい。後者の場合、エンボスロール4、4の加熱温度は、60℃〜150℃が好ましい。エンボス加工により図2、図3に示すように、原紙シート2に多数の凸部13と凹部14とからなる凹凸体12が形成され、多数の凹凸体12により嵩高部17が形成される。凹凸体12における凸部13と凹部14の形状は任意であり、図2に示すような円形に限定されず、楕円形、三角形、四角形、菱形などであってもよく、また不定形図柄や花柄模様などの模様図柄であってもよい。
多数の凹凸体12による嵩高部17が形成された原紙シート2には次工程において、水溶性バインダーが供給される。水溶性バインダーとしては、所定の接着力を有し且つ水解紙に所定の強度を付与できるものであればよく、種々のものを用いることができる。水溶性バインダーとしては、例えば多糖誘導体、天然多糖類、合成高分子などが挙げられる。多糖誘導体として、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチル化デンプン又はその塩、デンプン、メチルセルロース、エチルセルロースなどが挙げられる。天然多糖類として、グアーガム、トラントガム、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、アラビアゴム、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。また、合成高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、不飽和カルボン酸の重合体又は共重合体の塩などが挙げられ、該不飽和カルボン酸としてアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸などが挙げられる。上記のうち、特にカルボキシメチルセルロースを用いることが好ましい。この水溶性バインダーの供給手段としては、噴霧装置のノズルから水溶性バインダー溶液5を原紙シート2の表面に噴霧することにより行なわれる。このように原紙シート2には、原紙シート2の外面側から水溶性バインダーが供給され、含浸される。この場合、水溶性バインダー溶液5を原紙シート2の片面にのみ噴霧しても或いは表裏両面に噴霧してもよい。噴霧に用いる噴霧ノズルとして、加圧した水溶性バインダー溶液5を単独で噴射させる一流体方式のノズル、或いは圧搾空気と水溶性バインダー溶液5を混合し、圧搾空気の圧力を利用して水溶性バインダー溶液5を霧状に噴射させる二流体方式のノズルのいずれのノズルも用いることができる。水溶性バインダー溶液5の供給手段としては、上記した噴霧に限定されるものではなく、例えば、水溶性バインダー溶液5を原紙シート2の表面に滴下する方法や、塗布する方法などを採用してもよい。
水溶性バインダーの原紙シート2への供給量(添加量)は、原紙シート2の重量に対して50重量%〜100重量%となる量が好ましく、また水溶性バインダー溶液5の濃度は1重量%〜20重量%が好ましい。
上記した水溶性バインダーの供給によって、原紙シート2に水溶性バインダーが含浸される。エンボス加工は非湿潤状態にある原紙シート2に施すので、加工時の延び性が乏しいため、エンボス深さによっては加工負荷力に追従できず、繊維間結合の一部に破壊が生じる。エンボス深さが小さい場合にはこのような繊維間結合破壊は生じないが、エンボス深さが大きいと繊維間結合破壊が生じる。例えば、エンボス深さが1mm〜5mmの場合には繊維間結合破壊が生じ易い。しかしながら、繊維間結合破壊が生じると、その破壊箇所が水溶性バインダーの浸透し易い部分となり、それにより全体的に水溶性バインダーの浸透速度が大きくなり、従って、繊維間結合破壊が生じていない場合に比べて水溶性バインダーの浸透速度が大きく、水溶性バインダーを効率よく浸透させることができる。また繊維間結合破壊箇所に水溶性バインダーが入り込むことにより、繊維同士は水溶性バインダーを介して結合される形となり、繊維間の結合は強固となる。即ち、水溶性バインダーが乾燥して膜化したときに、このバインダー膜の強度は繊維の持つ強度よりも大きいものであり、それ故、水解紙の強度向上を図れるため、非湿潤状態にある原紙シートにエンボス加工を施して繊維間結合破壊が形成した方がむしろ好ましい。更に、後述する架橋が行われたときは、バインダー膜の強度は一段と大きくなる。
上記したように原紙シート2の外面側から水溶性バインダーを供給すると、原紙シート2の表面にも水溶性バインダーが含浸される。従ってまた、最終的に製造される水解紙において、水解紙の表面に水溶性バインダーが含浸されている状態となる。水溶性バインダーは原紙シート2の一方の面(供給面)から厚み方向反対面に亘って(即ち、厚み方向全層に亘って)含浸される場合と、前記反対面にまで至らず途中まで(即ち、厚み方向の途中まで)含浸される場合があるが、前者のように厚み方向全層に亘って含浸した場合には、水解紙の一方の面と厚み方向反対面において、それらの表面に水溶性バインダーが含浸されている状態となる。
水溶性バインダーが含浸された原紙シート2は、乾燥機6に送られ、ここで乾燥が行われる。乾燥手段としては、電磁波乾燥、通気乾燥、赤外線乾燥、熱ロール乾燥などが挙げられるが、電磁波乾燥が好ましい。電磁波乾燥は、電磁波を利用して乾燥を行うもので、これに用いる電磁波乾燥機としては電子レンジと同様の機構、構造を備えた装置を用いることができる。本発明による電磁波乾燥はマイクロ波加熱により乾燥を行うもので、マイクロ波を照射すると、極性を持つ水分子を繋ぐ振動子がマイクロ波を吸収して振動、回転し、温度が上がり、この温度上昇により水を蒸発して乾燥を行うという原理に基づくものである。
電磁波乾燥は短時間で乾燥を行える利点があり、また電磁波の透過能力は高く、原紙シート2の内部にまで透過して加熱することにより均一に加熱でき、従って均一に乾燥を行うことができる。更に電磁波乾燥においては、電磁波エネルギーが直接負荷され、エネルギーの二次消耗はないので、赤外線加熱に比べてエネルギーを少なくとも30%節約することができ、エネルギー消費量を減少できるので製造コストの低減に寄与できる。本発明に用いる電磁波乾燥機として例えば、電力1kW当り、1kgの水を1時間で乾燥できる能力を持つものが好ましい。また、連続製造設備に設置する電磁波乾燥機としては、乾燥機内部に連続して原紙シート2を通すことができるトンネル式電磁波乾燥機を用いることが、連続生産に適していて好ましい。
電磁波乾燥は通気乾燥と異なり、風の圧力でエンボスによる凹凸体12の凹凸形態が潰れる虞がなく、また熱ロール乾燥と異なり機械的圧力により前記凹凸形態が潰れる虞がない。更に電磁波乾燥は通気乾燥、赤外線乾燥、熱ロール乾燥に比べて乾燥効率が優れ、短時間で乾燥できるため、エンボス戻りの虞がないという利点がある。このエンボス戻りの防止は、エンボス加工後に原紙シート2に水溶性バインダーを供給して含浸させる方法において重要な意味を持つ。即ち、非湿潤状態の原紙シート2にエンボス加工を施した後、水溶性バインダーを含浸させると、エンボスによる歪がとれて凹凸体12の凹凸形態が崩れるいわゆるエンボス戻りが生じ易いという問題がある。この問題の解決のためには乾燥手段の選択が重要である。乾燥手段として電磁波乾燥を採用すれば、他の乾燥手段に比べて乾燥時間を大幅に短縮できるので、前記エンボス戻りの原因となる水分を速やかに除去でき、その結果、前記歪解除による凹凸形態の崩れを抑制し、凹凸形態の形状保持を維持できるものであり、エンボス戻りを抑制できる効果がある。電磁波乾燥においては前記したように、電磁波が原紙シート2の内部にまで透過して加熱するので、原紙シート2は表面のみならず内部まで均一に且つ短時間で加熱乾燥されるのであり、このことが上記したエンボス戻りの抑制効果に大きく作用しているものである。
乾燥機6によって乾燥された原紙シート2は、折り畳み工程、切断工程、水性薬剤含浸工程に順次送られる。乾燥された原紙シート2は、折り機8に案内され、所定の折回数で折り畳まれる。例えば、中心から2つ折りし、所定間隔毎にミシン目を入れ、この2つ折り体をミシン目を中心にして更に2つ折りして4つ折り体とし、この4つ折り体を更に中心から2つ折りして8つ折り体とする。別の折り方法として、原紙シート2を長手方向に沿って連続して折り線が形成されるように、互い違いに連続して折り畳み且つ所定間隔毎にミシン目を入れるようにしてもよい。折り畳み工程、切断工程、水性薬剤含浸工程に順次送られる。
折り畳み工程後、所定寸法に切断され、原紙シート2の折り畳み体9が得られる。次いで、折り畳み体9に本発明の水性薬剤10が噴霧され、折り畳み体9に水性薬剤が含浸される。水性薬剤10は、水性バインダー溶液と同様、噴霧や滴下、塗布などの方法で供給することができる。架橋剤を含む水性薬剤10は、折り畳み体9の上方から噴霧等により供給し、次いで折り畳み体9を反転させて逆向きの姿勢に並べ、この状態で再び上方から前記水性薬剤溶液を噴霧等により供給方法を採用することが好ましい。また他の供給方法として、起立姿勢にある折り畳み体9の左右両方向から前記水性薬剤溶液を噴霧するようにしてもよい。これらの供給方法によれば、架橋剤を含む水性薬剤を均一に含浸することができ、架橋ばらつきを防止することができる。
水性薬剤10の原紙シート2への供給量(添加量)は、水性薬剤中の架橋剤が、原紙シート2中に含浸されている水溶性バインダーと十分な架橋反応を起こすために必要な量であるが、カルボキシメチルセルロースのようにカルボキシル基を有する水性バインダーの場合、水溶性バインダーのカルボキシル基1モルに対し、亜鉛イオンが1/3モル以上となるように水性薬剤を添加量とすることが好ましく、亜鉛イオンが1/2モル以上となるように添加量とすることが更に好ましい。水性薬剤10を原紙シート2へ噴霧等により含浸させることにより、原紙シート2中の水溶性バインダーが水性薬剤中の亜鉛イオンと反応して架橋反応が起こり、水溶性バインダーが架橋構造となることにより原紙シート2の強度が向上する。水性薬剤10は、水溶性バインダーに十分な架橋を生じさせるとともに、水解紙に清掃機能等の必要な機能を付与するうえで、原紙シート2の重量に対して50重量%〜200重量%含浸されるように供給することが好ましく、130重量%〜150重量%含浸されるように供給することがより好ましい。
上記の如くして製造された水解紙は、図2、図3に示す如く、その全面に亘ってエンボス加工による多数の凸部13と凹部14とからなる凹凸体12が均一に形成されており、そしてこの凹凸体12により嵩高部17が形成されており、これにより水解紙は嵩高紙として構成されている。多数の凸部13は製造工程における原紙シート2の搬送方向(図2においてZ方向)に沿って直線的に並んでおり、これにより凸部列15が形成されており、また多数の凹部14は前記Z方向に沿って直線的に並んでおり、これによって凹部列16が形成されている。そして、これらの凸部列15と凹部列16は、Z方向と直交する方向に沿って交互に繰り返し配置されるパターンで構成されている。
折り畳まれた水解紙はその複数束が密封袋に袋詰めされ、かくしてトイレクリーナーやおしり拭きなどに用いられる製品11が得られる。
尚、上記した例では、水解紙を折り畳まれた形状のもの(折り畳み体)とした場合を示したが、折り畳み体に限らず水解紙は展開状態の平らなシート体であってもよい。また、折り畳み体9を袋詰めする前の段階で水性薬剤10を含浸させることに限定されず、折り畳み体9を一旦密封袋に収納し、この収納状態において袋入口の開口部を通して水性薬剤を供給し、折り畳み体9に水性薬剤を含浸するようにしてもよい。
本発明の水解紙含浸用水性薬剤は、トイレにおける便器やトイレ周りの清掃を行うための清掃用品のほか、おしり拭き用品など、使用後に便器に流すことにより速やかに水解して下水管を詰まらせる虞のない水解紙用に用いることができる。
2 原紙シート
5 水溶性バインダー溶液
10 水性薬剤溶液

Claims (2)

  1. 水解紙に含浸させて清掃機能を付与するための水性薬剤であって、水と、水溶性有機溶剤と、水解紙に含浸される水溶性バインダーを架橋させるための、水溶性亜鉛化合物よりなる架橋剤と、被清掃部の白濁を防止するための、水溶性カルシウム化合物よりなる白濁防止剤とを含有することを特徴とする水解紙含浸用水性薬剤。
  2. 水、水溶性有機溶剤、架橋剤、白濁防止剤の合計量に対し、水溶性有機溶剤1〜60重量%、架橋剤0.1〜30.0重量%、白濁防止剤0.1〜30.0重量%(但し、水、水溶性有機溶剤、架橋剤、白濁防止剤の割合の合計は100重量%)を含有する請求項1記載の水解紙含浸用水性薬剤。
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