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JP2016125165A - 水解性清浄用物品 - Google Patents

水解性清浄用物品 Download PDF

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JP2016125165A JP2015000572A JP2015000572A JP2016125165A JP 2016125165 A JP2016125165 A JP 2016125165A JP 2015000572 A JP2015000572 A JP 2015000572A JP 2015000572 A JP2015000572 A JP 2015000572A JP 2016125165 A JP2016125165 A JP 2016125165A
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Abstract

【課題】水解性に優れるとともに、嵩高構造ではないため嵩張らず、コンパクトに収容可能で持ち運び時の利便性にも優れ、使用時には充分な強度を有し柔らかな肌触り感にも優れ、かつ、効率的に製造可能な水解性清浄用物品の提供。
【解決手段】バインダー及び薬液が含浸された水分解可能な繊維シートを含み、少なくとも当該繊維シートの一方の表面に、複数の凹部又は凸部が形成されてなる水解性清浄用物品。前記バインダーが、水溶性バインダーである態様、更に、架橋剤を含む態様等が好ましい水解性清浄用物品。
【選択図】なし

Description

本発明は、人や物の清浄に用いる水解性の清浄用物品に関し、より詳しくは、人間の肌等の清浄において好適に用いられる水解性の清浄用物品に関する。
従来、人間の肌を拭く清浄作業や、床やトイレ周辺の清掃等用途に、広く清浄用物品が用いられている。この清浄用物品は、一般に、不織布で形成されたシートに薬液等の洗浄剤を含浸させて構成されている。例えば特許文献1には、親水性繊維、又は親水性繊維と非親水性繊維とから抄紙された不織布に薬液を吸収させて構成しているウェットティッシュが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のウェットティッシュや清掃用シートのように、シートとして一般的な不織布を用いた場合、使用者が清掃後に簡単に廃棄することができず、煩わしさを感じることがあった。特に、ウェットティッシュ等は屋外で使用されることも多く、屋外での使用の後にそのまま屋外で廃棄されると、土中で分解されずに残存してしまうことがあり、環境への配慮という観点からは問題があった。
近年、特にトイレ周辺の清掃等用途において、水解性のトイレクリーナーが開発されている。一般にかかる水解性清浄物品は、複数の薄葉紙を重ねて相互に水溶性バインダーを介して接着するとともに、エンボス加工を施して多数の凹凸形態により嵩高構造を形成し、水性薬剤を含浸させてなるものである。このような基本的構成を備えたトイレ掃除用ペーパータオルは例えば下記特許文献2に示されている。
特許文献2に記載の水解性清浄用物品は、トイレクリーナー用途が主な用途であり、水溶性の紙を複数枚重ねて、その各紙間を水溶性接着剤で接着するとともに、全体に凹凸状のエンボス加工を施してタオル体を成形し、タオル体に消毒液を含浸させてなるものである。
しかし、特に人間の肌等を拭く用途に用いられる清浄用物品の場合、パッケージ毎に、屋外に携帯されて使用されることが想定される。よって、特許文献2のような嵩高構造である場合には、一パッケージに収容される清浄用物品の枚数が少なくなり、使用者において複数のパッケージを持参しなければならない等の配慮が必要となるなど、かえって煩わしいという問題があった。また特許文献2のようにエンボス加工によって嵩高構造が形成されている場合には、エンボスに起因する凹凸形状により、人間の肌を拭いた際には肌触りが悪く感じられることもあり、特に幼児や肌の弱い人が用いる場合には、肌に触れた際に痛みを感じる等、人の清浄に用いる清浄用物品として好ましくないという問題があった。さらに、嵩高構造を形成する場合には、エンボス加工の際のエンボスロールに剥離剤を適用する必要がある、また水添加する工程も必要となるなど、工程も煩雑となり、効率が良くないという問題があった。
特開2003−079530号公報 実開平2−103397号公報
本発明は、前記背景技術における従来の諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、水解性に優れるとともに、嵩高構造ではないため嵩張らず、コンパクトに収容可能で持ち運び時の利便性にも優れ、使用時には充分な強度を有し柔らかな肌触り感にも優れ、かつ、効率的に製造可能な水解性清浄用物品を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、この発明にあっては、水解性清浄用物品を、バイ ンダー及び薬液が含浸された水分解可能な繊維シートを含み、少なくとも当該繊維シー トの一方の表面に、複数の凹部又は凸部が形成されてなるものとした。
前記バインダーを、水溶性バインダーとしておくことが、好ましい態様の一つとされる。また、前記水解性清浄用物品が、さらに、架橋剤を含むものとしておくことが、好ましい態様の一つとされる。また、前記バインダーが、カルボキシル基を有する化合物を含むものとしておくことが、好ましい態様の一つとされる。また、前記バインダーを、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩とすることが、好ましい態様の一つとされる。また、前記バインダーを、ポリビニルアルコールとすることが、好ましい態様の一つとされる。
本発明によれば、水解性に優れるとともに、嵩高構造ではないため嵩張らず、コンパク トに収容可能で、保存や持ち運びの利便性にも優れ、使用時には充分な強度を有し、柔 らかな肌触り感にも優れ、かつ、効率的に製造可能な水解性清浄用物品を提供すること ができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水解性清浄用物品は、バインダー及び薬液が含浸された水分解可能な繊維シートを含み、必要に応じてその他の構成を含む。また当該繊維シートの少なくとも一方の表面には、複数の凹部又は凸部が形成されている。
[繊維シートの材質、構成、等]
前記繊維シートとしては、水分解可能であれば特に制限はないが、例えば、水解性を有する原料シート等が好ましい。原紙シートの材料としては、種々の原料パルプを用いることができる。前記原料パルプとして例えば、木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなどが挙げられる。またパルプなどの天然繊維に限られず、レーヨンなどの半合成繊維なども用いることができる。更に、本発明は原料パルプとして、トイレットペーパー材料を用いることができ、この場合、針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプを配合してなるものを用いることが好ましい。また本発明における原紙シートの材料として、ケナフ、竹繊維、藁、綿、繭糸などを用いることができる。
前記繊維シートは、バインダー及び薬液を含浸し、必要に応じてその他の成分を含む。
前記バインダーとしては、水溶性バインダーが好適であり、所定の接着力を有し、かつ清浄用物品に所定の強度を付与できるものであればよく、種々のものを用いることができる。
前記水溶性バインダーとしては、例えば、多糖誘導体、天然多糖類、合成高分子などが挙げられる。多糖誘導体として、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチル化デンプン又はその塩、デンプン、メチルセルロース、エチルセルロースなどが挙げられる。天然多糖類として、グアーガム、トラントガム、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、アラビアゴム、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。また、合成高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、不飽和カルボン酸の重合体又は共重合体の塩などが挙げられ、該不飽和カルボン酸としてアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸などが挙げられる。上記のうち、特にカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(CMC)を用いることが好ましい。
前記薬剤としては、水性薬剤が好ましい。水性薬剤は、清掃機能を付与する薬剤が含まれるが、これ以外に他の目的のために配合される薬剤を含ませることもできる。水性薬剤としては、水、架橋剤、水溶性有機溶剤を配合してなる水系組成のものが用いられ、これらに必要に応じて界面活性剤、殺菌剤、防腐剤、消臭剤、漂白剤、キレート剤、香料などを配合することができる。
前記架橋剤は水溶性バインダーと架橋反応を起こして、水溶性バインダーを架橋構造とし、それにより物理的強度を向上させるものである。水溶性バインダーとしてカルボキシメチルセルロースなどのカルボキシル基を有する化合物を含む水溶性バインダーを用いるのが好ましい。この場合、架橋剤としては、多価金属イオンを用いることが好ましく、この多価金属イオンとしては、亜鉛、アルカリ土類金属、マンガン、ニッケル、コバルトなどの金属イオンが挙げられる。具体的には、亜鉛、カルシウム、バリウム、コバルト、ニッケルのイオンが好適に用いられ、これらは十分な湿潤強度を付与する上で好ましい。
前記多価金属イオンは、硫酸塩、塩化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩などの水溶性金属塩の形で用いられる。架橋剤は水性薬剤を構成する配合成分の1つであるが、水性薬剤と分離して単独で用いてもよい。
前記水溶性有機溶剤としては、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコールなどの一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類、これらグリコール類とメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコールとのモノエーテル又はジエーテル、前記グリコール類と低級脂肪酸とのエステル、グリセリンやソルビトールなどの多価アルコールなどを用いることができる。
水性薬剤中に必要に応じて配合される界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられ、特に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルグリコシド、ソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤を用いることが好ましい。
本発明の水解性清浄用物品においては、実質的に、全体として嵩高構造ではなく、本発明の目的及び効果を好適に達成し得る限り、前記繊維シート以外にも、例えば、粉砕パルプを含む層等、種々の層等が設けられていてもよい。同様に、実質的に、全体として嵩高構造ではなく、本発明の目的及び効果を好適に達成し得る限りにおいて、1枚又は複数枚の繊維シートが重ねられて、1の清浄用物品を構成していてもよい。
[繊維シートの形状等]
本発明の清浄用物品において、前記繊維シートは、少なくとも一方の表面には、複数の凹部又は凸部が形成されている。
本発明の清浄用物品において、「少なくとも、繊維シートの一方の表面に形成された複数の凹部又は凸部」とは、「繊維シートに形成された複数の凹凸」等とは異なり、実質的に、繊維シートの一方の表面において、当該表面の全体的に、又は、部分的に、凹部を有する押圧手段、又は凸部を有する押圧手段によって押圧処理がなされたことにより、当該一方の表面において、全体的に又は部分的に形成された、複数の凹部又は複数の凸部を指す。本発明においては、実質的には、前記繊維シートの一方の表面にのみ、凹部又は凸部が積極的に形成されている態様を含む趣旨である。ここで、「少なくとも」とあるが、これは、前記繊維シートの一方の表面に押圧処理によって、凹部又は凸部が形成されたことに伴って、その裏面等においても凸部や凹部が実際上、形成されてしまうような態様であっても、本発明の目的及び効果を好適に発揮しえる限りにおいて、本発明に含む趣旨である。また例えば、繊維シートの一方の表面が、凹部又は凸部を有する押圧ロール等により押圧処理され、他方の面が、平滑面ロール(弾性体等による押圧ロール)等により押圧処理がなされ、実質的に、当該他方の面にも緩やかな凸形状又は凹形状が形成されてしまうような態様をも、本発明に含む趣旨である。
前記複数の凹部又は凸部を形成する押圧処理としては、例えば、複数枚の繊維シートの押圧処理による点止め、線止め、等が挙げられる。かかる押圧処理によって繊維シートの一方の表面に複数の凹部又は凸部を形成する場合には、従来のような、嵩高な繊維シートを作製することを目的として行う、所謂エンボス加工等による凹凸形成とは異なり、繊維シート自体にかかる負荷も小さく、使用時にも破けにくく、充分な強度を有する清浄用物品が得られる。
従来の対物の水解性清浄用物品においては、基本的に、エンボスロールによるエンボス加工等により、多数の凹凸体による嵩高構造が形成され、全体としてタオル体のような構造となっている。このように嵩高のタオル体のような構造としたことにより、例えばイレや床等を清掃する使用者において、直接トイレや床等に触れてしまうと感じることを防止し、使用者が気持ちよく清掃できるという点等にメリットがあった。
しかし、特に人間等の肌の清浄等を主目的とする場合、上記のような点において、特に大きな利点はない。特に、人の肌の清浄目的の場合には、屋外での何らかのイベント等において用いられる場合も多く、ある程度纏まった枚数を都合良く携帯できるのが望ましい。この点、従来のような凹凸体を有する嵩高なタオル体の構成では、一パッケージに収容される枚数が少なく、使用者において複数のパッケージを持参しなければならない等の配慮が必要となるなど、かえって煩わしい。また従来一般になされているようなエンボス加工によって嵩高構造が形成されている場合には、エンボス加工に起因する凹凸形状により、人間の肌を拭いた際にはごわつき感があり、肌触りが悪く感じられることもあった。特に幼児や肌の弱い人に用いる場合、肌に触れた際に痛みを感じる等、好ましくないという問題があった。更に、従来のようなエンボス加工によれば、押圧された箇所から切れ等が生じ、使用時の強度にも改善の余地があった。さらに、嵩高構造を形成する場合には、エンボス加工の際のエンボスロールに剥離剤を適用する必要があり、また水添加する工程も必要となるなど、工程も煩雑となり、効率が良くないという問題があった。更に、このようにエンボス加工を施す際には、剥離剤を付与したり、嵩高構造であるため水を添加する等の必要があり、製造過程においても複数の工程や配慮が必要であり煩雑であった。
この点、本発明の清浄用物品においては、含まれる繊維シートの一方の表面において、複数の凹部又は凸部が形成されている。本発明においては、かかる構成を有することにより、水解性に優れるとともに、嵩高構造ではないため嵩張らず、コンパクトに収容可能で持ち運び時の利便性にも優れ、使用時には充分強度を有し、柔らかな肌触り感にも優れ、かつ、効率的に製造可能な水解性清浄用物品が提供される。
[清浄用物品の製造方法]
次に、本発明の清浄用物品を好適に製造する方法の一例を以下に説明するが、本発明の清浄用物品は、下記に記載の製造方法に限定されるものではない。
本発明の清浄用物品は、例えば、非湿潤状態にある繊維シートの一方の表面に、前記押圧処理によって複数の凹部又は複数の凸部を形成する押圧工程、当該押圧工程後に、バインダーを供給し当該バインダーを前記繊維シートに含浸させるバインダー含浸工程、当該バインダー含浸工程後に、前記繊維シートを乾燥させる乾燥工程、当該乾燥工程の後、前記繊維シートを折り畳む折り畳み工程、当該折り畳み工程の後、前記繊維シートに対し薬剤を供給し、当該薬剤を前記繊維シートに含浸させる薬剤含浸工程と、を備える製造方法により、好適に製造することができる。
また本発明の清浄用物品は、例えば、非湿潤状態にある繊維シートの一方の表面に、バインダーを供給し当該バインダーを前記繊維シートに含浸させるバインダー含浸工程、当該バインダー含浸工程後に、前記繊維シートの一方の表面に、前記押圧処理によって複数の凹部又は複数の凸部を形成する押圧工程、前記繊維シートを乾燥させる乾燥工程、当該乾燥工程の後、前記繊維シートを折り畳む折り畳み工程、当該折り畳み工程の後、前記繊維シートに対し薬剤を供給し、当該薬剤を前記繊維シートに含浸させる薬剤含浸工程と、を備える製造方法により、好適に製造することができる。
前記押圧工程においては、例えば、押圧手段を、60℃〜150℃程度に加温してもよい。
前記バインダーを供給する方法としては、特に制限はなく、公知の溶液供給方法がいずれも好適にあげられる。例えば、スプレー塗布による供給、散布による供給、塗工による供給、等の方法がいずれも好適である。
前記バインダーを供給する際に用いられる装置としても、特に制限はなく、公知のスプレー噴霧器、ロール状塗工装置、等がいずれも好適に用いられる。特にスプレー噴霧の場合、例えば、水溶性バインダー溶液を、繊維シートの片面にのみ噴霧しても或いは表裏両面に噴霧してもよい。噴霧器に用いる噴霧ノズルとしては、加圧した水溶性バインダー溶液を単独で噴射させる一流体方式のノズル、或いは圧搾空気と水溶性バインダー溶液を混合し、圧搾空気の圧力を利用して水溶性バインダー溶液を霧状に噴射させる二流体方式のノズルのいずれのノズルも用いることができる。
また、前記バインダーの供給手段としては、上記のほか、例えば、バインダー溶液を繊維シートの表面に滴下する方法などを採用してもよい。
また、前記薬剤含浸工程においては、薬剤溶液を、繊維シートに供給するものであり、薬剤溶液の供給手段としては、前述のバインダー溶液の供給手段と同様、噴霧方法、滴下方法、塗布方法など任意の手段が採用される。
前記バインダーの、繊維シートへの供給量(添加量)は、繊維シートの重量に対して50重量%〜100重量%(原紙シート100重量部当り50重量部〜100重量部)となる量が好ましく、またバインダー溶液の濃度は1%〜20%が好ましい。
前記乾燥工程においては、前記繊維シートは、乾燥機に送られ、ここで乾燥が行われる。乾燥手段としては、電磁波乾燥、通気乾燥(熱風乾燥)、赤外線乾燥、熱ロール乾燥などが挙げられるが、電磁波乾燥が好ましい。電磁波乾燥は、電磁波を利用して乾燥を行うもので、これに用いる電磁波乾燥機としては電子レンジと同様の機構、構造を備えた装置を用いることができる。本発明による電磁波乾燥はマイクロ波加熱により乾燥を行うもので、マイクロ波を照射すると、極性を持つ水分子を繋ぐ振動子がマイクロ波を吸収して振動、回転し、温度が上がり、この温度上昇により水を蒸発して乾燥を行うという原理に基づくものである。
電磁波乾燥は短時間で乾燥を行える利点があり、また電磁波の透過能力は高く、繊維シートの内部にまで透過して加熱することにより均一に加熱でき、従って均一に乾燥を行うことができる。更に電磁波乾燥においては、電磁波エネルギーが直接負荷され、エネルギーの二次消耗はないので、赤外線加熱に比べてエネルギーを少なくとも30%節約することができ、エネルギー消費量を減少できるので製造コストの低減に寄与できる。本発明に用いる電磁波乾燥機として例えば、電力1kW当り、1kgの水を1時間で乾燥できる能力を持つものが好ましい。また、連続製造設備に設置する電磁波乾燥機としては、乾燥機内部に連続して繊維シートを通すことができるトンネル式電磁波乾燥機を用いることが、連続生産に適していて好ましい。
前記乾燥工程においては、赤外線乾燥も好適に用いることができる。赤外線は、波長帯が0.75μm〜1000μmにあり、マイクロ波より短い波長の電磁波である。赤外線は波長によって、近赤外線(波長0.7μm〜2.5μm)と遠赤外線(波長4μm〜1000μm)に分けられるが、近赤外線は物体に吸収されにくく加熱効率が低いことから、本発明においては、物体に吸収されやすく加熱効率が高い遠赤外線を用いることが好ましい。本発明において、遠赤外線の波長帯4μm〜1000μmのうち、波長4μm〜50μmの遠赤外線を用いることが好ましい。波長4μm〜50μmの遠赤外線は、水に対する吸光度が高く、水分を多く含んだ物体の場合、その表面から内部への深さが比較的浅い部分で遠赤外線の多くが吸収される。そのため、遠赤外線乾燥を本発明に適用した場合、エンボスの型崩れを防止できるという作用効果を生じる。即ち、バインダーが含浸された繊維シートに遠赤外線が放射されたとき、遠赤外線は上記繊維シートの表面から比較的浅い内部領域に多く吸収され、そのため表面付近を速やかに加温し、乾燥する。それによりエンボス表面の乾燥が短時間で進行し、その結果、水分を含むことによるエンボスの型崩れを防止できるものである。また、このエンボスの型崩れ防止により、エンボスの高低差が減少するエンボス戻りをも防止できる。このように遠赤外線乾燥によれば、エンボス表面の速やかな乾燥を行なえるので、確実にエンボス戻りを防止でき、従って、乾燥工程に要する時間を短縮できる利点がある。
遠赤外線乾燥は、空気を暖めて被乾燥体を乾燥する方式ではなく、遠赤外線による熱線により直接、被乾燥体に熱を伝えて乾燥する方式であり、いわゆる輻射熱による乾燥である。従って、被乾燥体を効率よく加温できるので乾燥時間も短くて済む。また、反射板などにより特定の方向に熱線を反射させて、所定の位置に集中させて加熱乾燥を行なうことも可能であり、このような乾燥方法を採用すれば、乾燥のためのエネルギー効率を向上でき、乾燥工程コストを低減できる。
遠赤外線乾燥機としては、遠赤外線を発生する発熱体を備えたものであればどのような構造のものでも使用でき、この場合、発熱体の温度を200℃以上に保持できるものが好ましい。発熱体の温度を200℃以上に保持することにより、遠赤外線を効率よく発生することができる。また、サーモスタットなどにより間欠的に通電させれば、省電力運転が可能となる。
前記バインダーが含浸された繊維シートを乾燥機により乾燥するに当り、本発明は1つの乾燥機により乾燥する場合に限定されず、複数の乾燥機を設置して順次、各乾燥機に前記繊維シートを送りながら乾燥するようにしてもよい。即ち、例えばベルトコンベアにより移送される前記繊維シートを第1の乾燥機に送って乾燥を行なった後、第2の乾燥機に送り、ここで2回目の乾燥を行うようにしてもよい。この場合、第1段乾燥と第2段乾燥とで乾燥の度合いを異ならせることもできる。このような多段乾燥は特に、電磁波乾燥や赤外線乾燥において有益である。本発明は電磁波乾燥と赤外線乾燥を組み合わせることもできる。即ち、電磁波乾燥機と赤外線乾燥機をそれぞれ設置し、例えば最初に前記原紙シート2を電磁波乾燥機に送って電磁波乾燥を行い、次いで前記繊維シートを赤外線乾燥機に送って赤外線乾燥を行うようにしてもよく、或いはその順番を逆にして最初に赤外線乾燥を行い、次いで電磁波乾燥を行うようにしてもよい。更には、第1段乾燥の電磁波乾燥(又は赤外線乾燥)と第2段乾燥の赤外線乾燥(又は電磁波乾燥)とを交互に何回か繰り返し行うようにしてもよい。また、1つの乾燥機内に電磁波加熱機構と赤外線加熱機構を設け、かかる構造の乾燥機に前記繊維シートを送り、ここで電磁波による加熱を施すとともに同時に赤外線による加熱を施し、電磁波による乾燥と赤外線による乾燥とを同時に行なうようにすることもできる。
乾燥機によって乾燥された繊維シートは、折り畳み工程、切断工程、水性薬剤含浸工程に順次送られる。
以上の製造方法によれば、水解性に優れるとともに、嵩高構造ではないため嵩張らず、コンパクトに収容可能で持ち運び時の利便性にも優れ、使用時には充分強度を有し、柔らかな肌触り感にも優れる、本発明の水解性清浄用物品を、効率的に製造可能である。
本発明の水解性清浄用物品は、製造効率が良く、水解性に優れるとともに、嵩高構造ではないため嵩張らず、コンパクトに収容可能で持ち運び時の利便性にも優れ、使用時には充分強度を有し、柔らかな肌触り感にも優れる。

Claims (6)

  1. バインダー及び薬液が含浸された水分解可能な繊維シートを含み、少なくとも当該繊維シートの一方の表面に、複数の凹部又は凸部が形成されてなることを特徴とする、水解性清浄用物品。
  2. 前記バインダーが、水溶性バインダーである、請求項1に記載の水解性清浄用物品。
  3. 更に、架橋剤を含む、請求項1又は2に記載の水解性清浄用物品。
  4. 前記バインダーが、カルボキシル基を有する化合物を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の水解性清浄用物品。
  5. 前記バインダーが、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩である、請求項1乃至4のいずれかに記載の水解性清浄用物品。
  6. 前記バインダーが、ポリビニルアルコールである、請求項1乃至3のいずれかに記載の水解性清浄用物品。
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