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JP2013207098A - ウエーハの分割方法 - Google Patents

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JP2013207098A JP2012074796A JP2012074796A JP2013207098A JP 2013207098 A JP2013207098 A JP 2013207098A JP 2012074796 A JP2012074796 A JP 2012074796A JP 2012074796 A JP2012074796 A JP 2012074796A JP 2013207098 A JP2013207098 A JP 2013207098A
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Abstract

【課題】裏面に金属層を有し、結晶方位の影響で内部に改質層を形成しても割れにくい方向があるウエーハを確実に個々のデバイスチップに割断可能な方法を提供する。
【解決手段】割れ易い方向に伸長する第1の分割予定ライン17aと、第1の分割予定ライン17aに直交し割れにくい方向に伸長する第2の分割予定ライン17bとによって区画された各領域にデバイス19が形成され、裏面に金属層21が形成されたウエーハ11を分割する方法であって、第1の分割予定ライン17aに対応した領域の金属層21を除去する第1金属層除去ステップと、第2の分割予定ライン17bに対応した領域の金属層21を除去する第2金属層除去ステップと、金属層側21から金属層21が除去された領域にレーザービームを照射し、改質層を形成する改質層形成ステップと、ウエーハ11に外力を付与して個々のデバイスチップに割断する割断ステップと、含む。
【選択図】図9

Description

本発明は、分割予定ラインによって区画された表面の領域にそれぞれデバイスが形成され、裏面に金属層を有するウエーハを個々のデバイスチップに分割するウエーハの分割方法に関する。
表面に格子状に形成された複数の分割予定ラインで区画された各領域にそれぞれIC、LSI等のデバイスが形成された半導体ウエーハは、裏面が研削されて所望の厚みに加工された後、分割予定ラインに沿って個々の半導体デバイスチップに分割され、分割された半導体デバイスチップは携帯電話、パソコン等の各種電気機器に広く利用されている。
半導体ウエーハには数多くの種類があり、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等のディスクリートデバイスが複数表面に形成されたディスクリートウエーハの裏面には電極としての金属層が形成されている。
また、サファイア基板、SiC基板等の結晶成長用基板の表面に窒化ガリウム(GaN)等のエピタキシャル層(半導体層)を形成し、該エピタキシャル層にLED等の複数の光デバイスが格子状に形成された分割予定ラインによって区画されて形成された光デバイスウエーハは、LED等の光デバイスの輝度向上のため、結晶成長用基板の裏面側に反射膜として金属層が形成されている。
しかし、裏面に金属層を有するウエーハを切削ブレードで切削しようとすると、加工送り速度が低速になる上、切削ブレードには目詰まりが生じて切削不良が発生し、ひいてはウエーハの破損を引き起こす恐れがある。
そこで、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームをウエーハに照射してウエーハ内部に改質層を形成し、この改質層を分割起点にしてウエーハを個々のデバイスチップに分割する方法が考えられる(例えば、特許第3408805号公報参照)。
特許第3408805号公報 特開2006−196641号公報
しかし、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームを利用してウエーハ内部に改質層を形成する場合、金属層はレーザービームを遮断するため、金属層を特許文献2に開示されたようなアブレーション加工等により除去する必要がある。
この金属層の除去は切削ブレードによる切削によっても可能であるが、金属層を除去しすぎてはデバイスとしての性能が落ちてしまうが、ウエーハ内部に改質層を形成するのに十分なだけの金属層を除去する必要がある。
特にサファイア基板やSiC基板等の結晶成長用基板では結晶方位の影響で改質層を形成しても割れにくい方向がある。このような結晶成長用基板では、割れにくい方向の分割予定ラインにおいては特に太い改質層を形成しなくては個々のデバイスに割断できないという問題もある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、裏面に金属層を有し、結晶方位の影響で内部に改質層を形成しても割れにくい方向があるウエーハを確実に個々のデバイスチップに割断可能なウエーハの分割方法を提供することである。
本発明によると、表面に形成された第1の方向に伸長する複数の第1の分割予定ラインと、該第1の分割予定ラインに直交し該第1の分割予定ラインに比較して割れにくい第2の方向に伸長する複数の第2の分割予定ラインとによって区画された各領域に、それぞれデバイスが形成されるとともに裏面に金属層が形成されたウエーハを、該第1及び第2の分割予定ラインに沿って分割するウエーハの分割方法であって、該ウエーハを該金属層側を露出させてチャックテーブルで保持し、該ウエーハの該第1の分割予定ラインに対応した領域の該金属層を除去する第1金属層除去ステップと、該ウエーハを該金属層側を露出させてチャックテーブルで保持し、該ウエーハの該第2の分割予定ラインに対応した領域の該金属層を除去する第2金属層除去ステップと、該第1及び第2金属層除去ステップを実施した後、該ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームの集光点を該ウエーハ内部に位置付けるとともに、該ウエーハの該金属層側から該第1及び第2の分割予定ラインに沿って該金属層が除去された領域にレーザービームを照射し、該ウエーハの内部に改質層を形成する改質層形成ステップと、該改質層形成ステップを実施した後、該ウエーハに外力を付与して該ウエーハを個々のデバイスチップに割断する割断ステップと、を備え、該第1及び第2金属層除去ステップでは、該第2金属層除去ステップで除去する該金属層の幅の方が該第1金属層除去ステップで除去する該金属層の幅より広く、該改質層形成ステップでは、該ウエーハ内部に透過するレーザービームが該金属層によって遮断される量が少ないため、該金属層が幅広く除去された該第2の分割予定ラインに沿って該ウエーハ内部に該第1の分割予定ラインより該改質層が多く形成されることを特徴とするウエーハの分割方法が提供される。
好ましくは、ウエーハは、第2の分割予定ライン同士の間隔のほうが第1の分割予定ライン同士の間隔より狭く形成されている。好ましくは、金属層除去ステップは、ウエーハに対して吸収性を有する波長のレーザービームの集光点をウエーハの上面に位置付けるとともに、ウエーハの金属層側から第1及び第2の分割予定ラインに沿ってレーザービームを照射してアブレーション加工を施し、金属層を部分的に除去する。
本発明のウエーハの分割方法によると、割れにくい方向にある分割予定ラインに対しては太い改質層を形成するため、金属層を広く除去して十分な光量のレーザービームがウエーハ内部の改質層形成位置に到達できるようにする一方、割れ易い方向の分割予定ラインにおいては、金属層の除去幅を狭くしたため、デバイスとしての性能ダウンを極力抑えることができる。
また、割断されるデバイスの縦横サイズが異なる場合、長辺側となる分割予定ラインを割断するほうが、短辺側となる分割予定ラインを割断するときより曲げ応力が掛かりにくく割断が困難であるため、長辺側となる分割予定ラインの改質層を太く形成するため、金属層の除去幅を広く取ることも有効である。
本発明のウエーハの分割方法を実施するのに適したレーザー加工装置の斜視図である。 レーザービーム照射ユニットのブロック図である。 光デバイスウエーハの斜視図である。 光デバイスウエーハの縦断面図である。 ダイシングテープを介して環状フレームに支持された光デバイスウエーハの裏面側斜視図である。 チャックテーブルに保持された状態の光デバイスウエーハの断面図である。 第1金属層除去ステップを示す斜視図である。 第2金属層除去ステップを示す斜視図である。 図9(A)は第1金属層除去ステップ実施後の光デバイスウエーハの縦断面図、図9(B)は第2金属層除去ステップ実施後の光デバイスウエーハの縦断面図である。 改質層形成ステップを示す断面図である。 改質層形成ステップを示す斜視図である。 図12(A)は金属層の除去幅が狭い第1の分割予定ラインに照射されるレーザービームの光量を示す模式的断面図、図12(B)は図12(A)の12B−12B線断面図である。 図13(A)は金属層の除去幅が広い第2の分割予定ラインに照射されるレーザービームの光量を示す模式的断面図、図13(B)は図13(A)の13B−13B線断面図である。 長尺デバイスが形成されたウエーハの平面図である。 図15(A)は外周余剰領域に対応した裏面の領域に金属層を有しないウエーハの裏面側斜視図、図15(B)はその平面図である。 割断ステップを示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明のウエーハの分割方法を実施するのに適したレーザー加工装置2の概略斜視図が示されている。
レーザー加工装置2は、静止基台4上にX軸方向に移動可能に搭載された第1スライドブロック6を含んでいる。第1スライドブロック6は、ボールねじ8及びパルスモータ10から構成される加工送り手段12により一対のガイドレール14に沿って加工送り方向、すなわちX軸方向に移動される。
第1スライドブロック6上には第2スライドブロック16がY軸方向に移動可能に搭載されている。すなわち、第2スライドブロック16はボールねじ18及びパルスモータ20から構成される割り出し送り手段22により一対のガイドレール24に沿って割り出し方向、すなわちY軸方向に移動される。
第2スライドブロック16上には円筒支持部材26を介してチャックテーブル28が搭載されており、チャックテーブル28は加工送り手段12及び割り出し送り手段22によりX軸方向及びY軸方向に移動可能である。チャックテーブル28には、チャックテーブル28に吸引保持されたウエーハを支持する環状フレームをクランプするクランプ30が設けられている。
静止基台4にはコラム32が立設されており、このコラム32にはレーザービーム照射ユニット34を収容するケーシング35が取り付けられている。レーザービーム照射ユニット34は、図2に示すように、YAGレーザー又はYVO4レーザーを発振するレーザー発振器62と、繰り返し周波数設定手段64と、パルス幅調整手段66と、パワー調整手段68とを含んでいる。
レーザービーム照射ユニット34のパワー調整手段68により所定パワーに調整されたパルスレーザビームは、ケーシング35の先端に取り付けられた集光器36のミラー70で反射され、更に集光用対物レンズ72によって集光されてチャックテーブル28に保持されている光デバイスウエーハ11に照射される。
ケーシング35の先端部には、集光器36とX軸方向に整列してレーザー加工すべき加工領域を検出する撮像手段38が配設されている。撮像手段38は、可視光によって光デバイスウエーハ11の加工領域を撮像する通常のCCD等の撮像素子を含んでいる。
撮像手段38は更に、光デバイスウエーハ11に赤外線を照射する赤外線照射手段と、赤外線照射手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、この光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する赤外線CCD等の赤外線撮像素子から構成される赤外線撮像手段を含んでおり、撮像した画像信号はコントローラ(制御手段)40に送信される。
コントローラ40はコンピュータによって構成されており、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)42と、制御プログラム等を格納するリードオンリーメモリ(ROM)44と、演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)46と、カウンタ48と、入力インターフェイス50と、出力インターフェイス52とを備えている。
56は案内レール14に沿って配設されたリニアスケール54と、第1スライドブロック6に配設された図示しない読み取りヘッドとから構成される加工送り量検出手段であり、加工送り量検出手段56の検出信号はコントローラ40の入力エンターフェイス50に入力される。
60はガイドレール24に沿って配設されたリニアスケール58と第2スライドブロック16に配設された図示しない読み取りヘッドとから構成される割り出し送り量検出手段であり、割り出し送り量検出手段60の検出信号はコントローラ40の入力インターフェイス50に入力される。
撮像手段38で撮像した画像信号もコントローラ40の入力インターフェイス50に入力される。一方、コントローラ40の出力インターフェイス52からはパルスモータ10、パルスモータ20、レーザービーム照射ユニット34等に制御信号が出力される。
図3を参照すると、本発明の分割方法の加工対象となる光デバイスウエーハ11の表面側斜視図が示されている。図4は光デバイスウエーハ11の縦断面図である。光デバイスウエーハ11は、サファイア基板13上に窒化ガリウム(GaN)等のエピタキシャル層(半導体層)15が積層されて構成されている。光デバイスウエーハ11は、エピタキシャル層15が積層された表面11aと、反射膜としてのアルミニウム等の金属層21が形成された裏面11bとを有している。
サファイア基板13は例えば100μmの厚みを有しており、エピタキシャル層15は例えば5μmの厚みを有している。エピタキシャル層15に第1の方向に伸長する複数の第1の分割予定ライン17aと該第1の方向と直交する方向に伸長する複数の第2の分割予定ライン17bとが形成されており、第1の分割予定ライン17a及び第2の分割予定ライン17bとによって区画された各領域にLED等の光デバイス19が形成されている。
サファイア基板13の結晶方位の関係で、分割予定ライン17a,17bに沿って光デバイスウエーハ内部に改質層を形成し、光デバイスウエーハ11に外力を付与して個々のデバイスチップに割断する際、割れにくい方向が存在する。
何れの方向が割れにくいかは光デバイスウエーハの製造業者毎に相違する。同一の製造業者でも、同一ロットでは割れにくい方向が同一であるがロットが相違すると相違する場合がある。
よって、本発明のウエーハの分割方法を実施するのにあたり、あるロットの光デバイスウエーハに改質層を形成した後、光デバイスウエーハを改質層を分割起点として割断してみて、何れの方向の分割予定ラインが割れにくいかを検出しておき、以下この検出結果に基づいて本発明の分割方法を実施するようにする。ここでは、第2の分割予定ライン17bが割れにくい方向であるとする。
本発明のウエーハの分割方法では、改質層を形成するためのレーザービームを光デバイスウエーハ11の裏面側から入射するため、図5に示すように、光デバイスウエーハ11の表面側を粘着テープであるダイシングテープTに貼着し、ダイシングテープTの外周部を環状フレームFに貼着する。これにより、ダイシングテープTを介して環状フレームFに支持された光デバイスウエーハ11は、裏面に形成された金属層21が露出する形態となる。
本発明のウエーハの分割方法では、図6に示すように、光デバイスウエーハ11をダイシングテープTを介してチャックテーブル28で吸引保持し、環状フレームFをクランプ30でして固定する。この状態では、光デバイスウエーハ11の裏面に形成された金属層21が露出する。
このように金属層21が露出した状態で光デバイスウエーハ11はチャックテーブル28に吸引保持されるので、金属層21を通して撮像ユニット38での第1及び第2の分割予定ライン17a,17bの撮像ができない。
よって、本発明では特開2010−82644号公報又は特開2010−87141号公報に記載されたような撮像ユニット74により、光デバイスウエーハ11を下側から撮像して第1及び第2の分割予定ライン17a,17bを検出し、良く知られたパターンマッチング等の手法を利用して、集光器36を第1及び第2の分割予定ライン17a,17bに整列させるアライメントを実施する。
アライメント実施後、図7に示すように、集光器36から光デバイスウエーハ11に対して吸収性を有する波長のレーザービームを光デバイスウエーハ11の裏面側から、即ち金属層21側から照射して、第1の分割予定ライン17aに沿ってアブレーション加工により幅の狭い金属層除去溝23を形成する第1金属層除去ステップを実施する。
この第1金属層除去ステップでは、順次割り出し送りしながら光デバイスウエーハ11の第1の方向に伸長する全ての第1の分割予定ライン17aに沿ってアブレーション加工により幅の狭い金属層除去溝23を形成する。
次いで、チャックテーブル28を90度回転して、図8に示すように、集光器36から光デバイスウエーハ11に対して吸収性を有する波長のレーザービームを光デバイスウエーハ11の裏面側から、即ち金属層21側から照射して、第2の分割予定ライン17bに沿って幅の広い金属層除去溝25を形成する第2金属層除去ステップを実施する。
この第2金属層除去ステップでは、チャックテーブル28を順次割り出し送りしながら光デバイスウエーハ11の第2の方向に伸長する全ての第2の分割予定ライン17bに沿ってアブレーション加工により幅の広い金属層除去溝25を形成する。
図9(A)は第1金属層除去ステップにより、幅の狭い金属層除去溝23が形成された状態の光デバイスウエーハ11の縦断面図、図9(B)は第2金属層除去ステップにより、幅の広い金属層除去溝25が形成された状態の光デバイスウエーハ11の縦断面図をそれぞれ示している。
この第1及び第2金属層除去ステップの加工条件は、例えば次のように設定されている。
光源 :LD励起Qスイッチ Nd:YAGレーザー
波長 :355nm(YAGレーザの第3高調波)
平均出力 :1.5W
繰り返し周波数 :50kHz
加工送り速度 :100mm/s
上述したアブレーション加工による第1及び第2金属層除去ステップに替えて、切刃の幅の異なる2種類の切削ブレードを用いて、第1及び第2金属層除去ステップを実施するようにしてもよい。この場合には、第1金属層除去ステップは切刃の幅の狭い切削ブレードにより実施し、第2金属層除去ステップは切刃の幅の広い切削ブレードにより実施する。
第1及び第2金属層除去ステップを実施した後、図10に示すように、光デバイスウエーハ11に対して透過性を有する波長のレーザービームの集光点を光デバイスウエーハ11内部に位置付けるとともに、光デバイスウエーハ11の金属層21側から、第1の分割予定ライン17a又は第2の分割予定ライン17bに沿って金属層21が除去された領域にレーザービーム27を照射し、チャックテーブル28を矢印X1方向に加工送りすることにより、光デバイスウエーハ11の内部に改質層29を形成する改質層形成ステップを実施する。
図11を参照すると、改質層形成ステップを示す斜視図が示されており、この図では幅の広い金属層除去溝25を通して第2の分割予定ライン17bに沿ってレーザービームを照射し、光デバイスウエーハ11の内部に改質層を形成している状態を示している。
図12(A)に示すように、幅の狭い金属層除去溝23にレーザービーム27が照射されると、第1の分割予定ライン17aの幅方向のレーザービーム27の外周側は金属層21を透過できないため、光デバイスウエーハ11の内部に集光されるレーザービームの光量は小さいものとなり、その結果、図12(B)に示すように、比較的細い改質層29aが光デバイスウエーハ11の内部に形成される。
一方、図13(A)に示すように、幅の広い金属層除去溝25にレーザービーム27が照射されると、第2の分割予定ライン17bの幅方向のレーザービーム27の外周側は金属層21によって殆ど遮断されないか或いは遮断される光量が図12(A)に示す場合に比較して小さいため、大きな光量が光デバイスウエーハ11の内部に集光される。その結果、図13(B)に示すように、比較的幅の広い改質層29bが光デバイスウエーハ11の内部に形成される。
改質層形成工程の加工条件は、例えば以下のように設定されている。
光源 :LD励起Qスイッチ Nd:YAGレーザー
波長 :1064nm
平均出力 :0.3W
繰り返し周波数 :100kHz
加工送り速度 :400mm/s
改質層形成ステップ実施後、光デバイスウエーハ11に外力を付与して光デバイスウエーハ11を個々の光デバイスチップに割断する割断ステップを実施する。この割断ステップでは、例えば図16に示すように、円筒80の載置面上に環状フレームFを載置して、クランプ82で環状フレームFをクランプする。そして、バー形状の分割治具84を円筒80内に配設する。
分割治具84は上段保持面86aと下段保持面86bとを有しており、下段保持面86bに開口する真空吸引路88が形成されている。分割治具84の詳細構造は、特許第4361506号公報に開示されている。
分割治具84による割断ステップを実施するには、分割治具84の真空吸引路88を矢印90で示すように真空吸引しながら、分割治具84の上段保持面86a及び下段保持面86bを下側からダイシングテープTに接触させて、分割治具84を矢印A方向に移動する。即ち、分割治具84を分割しようとする第1の分割予定ライン17a又は第2の分割予定ライン17bと直交する方向に移動する。
これにより、分割起点となる改質層29a又は29bが分割治具84の上段保持面86aの内側エッジの真上に移動すると、改質層29a又は29bを有する分割予定ライン17a又は17bの部分に曲げ応力が集中して発生し、この曲げ応力で光デバイスウエーハ11が第1又は第2の分割予定ライン17a,17bに沿って割断される。
第1の方向に伸長する全ての第1の分割予定ライン17aに沿っての分割が終了すると、分割治具84を90度回転して、或いは円筒80を90度回転して、第1の方向と直交する方向に伸長する第2の分割予定ライン17bを同様に割断する。これにより、光デバイスウエーハ11が個々の光デバイスチップ19に分割される。
本実施形態のウエーハの分割方法では、割れにくい方向に伸長する第2の分割予定ライン17bに沿って太い改質層29bを形成しているため、割れにくい方向に伸長する第2の分割予定ライン17bに沿っての割断を容易に行うことができ、割れにくい方向での割れ残りが発生することを防止できる。
図14を参照すると、長尺サイズのデバイス19Aを有するウエーハ11Aの平面図が示されている。このような長尺サイズのデバイス19Aを有するウエーハ11Aでは、第2の分割予定ライン17b同士の間隔(ピッチ)が、第1の分割予定ライン17a同士の間隔(ピッチ)より狭く形成されており、第2の分割予定ライン17bに沿った方向が割断されにくい。
よって、割れにくさの方向が結晶方位に無関係な長尺デバイス19Aを有するウエーハ11Aの場合にも、本発明のウエーハの分割方法は同様に適用することができる。この場合には、ピッチが狭い第2の分割予定ライン17bに沿って太い改質層を形成し、第1の分割予定ライン17aに沿って比較的細い改質層を形成する。その後、図16に示すような分割治具84を使用した割断ステップを実施することにより、割れ残しを生ずることなくウエーハ11Aを個々のデバイスチップ19Aに割断することができる。
本発明のウエーハの分割方法は、図15に示すように、複数のデバイス19が形成されたデバイス領域31に対応するウエーハ11の裏面にのみ金属層21が形成され、デバイス領域31を囲繞する外周余剰領域33に対応する光デバイスウエーハ11の裏面には金属層21が形成されていない光デバイスウエーハ11にも同様に適用することができる。
光デバイスウエーハ11の外周部に形成される改質層は分割起点としてより効果的であるため、金属層21が外周余剰領域にない光デバイスウエーハ11を用いれば、本発明の分割方法はより効果的である。
上述した実施形態では、本発明の分割方法を光デバイスウエーハ11に適用した例について説明したが、被加工物は光デバイスウエーハ11に限定されるものではなく、割れにくい方向が存在するので他のウエーハにも本発明の分割方法は同様に適用することができる。
11 光デバイスウエーハ
13 サファイア基板
15 エピタキシャル層
17a 第1の分割予定ライン
17b 第2の分割予定ライン
19 光デバイス
21 金属層
23 幅の狭い金属層除去溝
25 幅の広い金属層除去溝
28 チャックテーブル
29,29a,29b 改質層
34 レーザービーム照射ユニット
36 集光器
84 分割治具

Claims (3)

  1. 表面に形成された第1の方向に伸長する複数の第1の分割予定ラインと、該第1の分割予定ラインに直交し該第1の分割予定ラインに比較して割れにくい第2の方向に伸長する複数の第2の分割予定ラインとによって区画された各領域に、それぞれデバイスが形成されるとともに裏面に金属層が形成されたウエーハを、該第1及び第2の分割予定ラインに沿って分割するウエーハの分割方法であって、
    該ウエーハを該金属層側を露出させてチャックテーブルで保持し、該ウエーハの該第1の分割予定ラインに対応した領域の該金属層を除去する第1金属層除去ステップと、
    該ウエーハを該金属層側を露出させてチャックテーブルで保持し、該ウエーハの該第2の分割予定ラインに対応した領域の該金属層を除去する第2金属層除去ステップと、
    該第1及び第2金属層除去ステップを実施した後、該ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザービームの集光点を該ウエーハ内部に位置付けるとともに、該ウエーハの該金属層側から該第1及び第2の分割予定ラインに沿って該金属層が除去された領域にレーザービームを照射し、該ウエーハの内部に改質層を形成する改質層形成ステップと、
    該改質層形成ステップを実施した後、該ウエーハに外力を付与して該ウエーハを個々のデバイスチップに割断する割断ステップと、を備え、
    該第1及び第2金属層除去ステップでは、該第2金属層除去ステップで除去する該金属層の幅の方が該第1金属層除去ステップで除去する該金属層の幅より広く、
    該改質層形成ステップでは、該ウエーハ内部に透過するレーザービームが該金属層によって遮断される量が少ないため、該金属層が幅広く除去された該第2の分割予定ラインに沿って該ウエーハ内部に該第1の分割予定ラインより該改質層が多く形成されることを特徴とするウエーハの分割方法。
  2. 前記ウエーハは、前記第2の分割予定ライン同士の間隔の方が前記第1の分割予定ライン同士の間隔より狭く形成されている請求項1記載のウエーハの分割方法。
  3. 前記第1及び第2金属層除去ステップは、前記ウエーハに対して吸収性を有する波長のレーザービームの集光点を該ウエーハの上面に位置付けるとともに、該ウエーハの前記金属層側から前記第1及び第2の分割予定ラインに沿ってレーザービームを照射してアブレーション加工を施し、該ウエーハの該金属層を除去する請求項1又は2記載のウエーハの分割方法。
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