JP2013204187A - 繊維強化プラスチック成型用基材 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱可塑性樹脂と強化繊維との接着性が改善され、機械物性に優れた繊維強化プラスチックが得られる、繊維強化プラスチック成型用基材を提供する。
【解決手段】強化繊維と熱可塑性樹脂からなる熱可塑性繊維とを含む繊維構造体からなる基材であり、これを加熱、又は、加熱及び加圧することによって、該強化繊維と該熱可塑性樹脂とからなる繊維強化プラスチックを成型するための基材であって、以下(1)および(2)を同時に満たしていることを特徴とする繊維強化プラスチック成型用基材とする。
(1)該強化繊維の、融点、軟化点又は熱分解開始温度が250℃以上である
(2)該熱可塑性繊維が、芯部がポリオレフィン(A)、鞘部が酸変性されたポリオレフィン(B)からなり、ポリオレフィン(A):ポリオレフィン(B)の重量比が10:90〜40:60である芯鞘型複合繊維である
【選択図】なし
【解決手段】強化繊維と熱可塑性樹脂からなる熱可塑性繊維とを含む繊維構造体からなる基材であり、これを加熱、又は、加熱及び加圧することによって、該強化繊維と該熱可塑性樹脂とからなる繊維強化プラスチックを成型するための基材であって、以下(1)および(2)を同時に満たしていることを特徴とする繊維強化プラスチック成型用基材とする。
(1)該強化繊維の、融点、軟化点又は熱分解開始温度が250℃以上である
(2)該熱可塑性繊維が、芯部がポリオレフィン(A)、鞘部が酸変性されたポリオレフィン(B)からなり、ポリオレフィン(A):ポリオレフィン(B)の重量比が10:90〜40:60である芯鞘型複合繊維である
【選択図】なし
Description
本発明は、優れた機械物性を有する繊維強化プラスチックを成型するための安価な繊維強化プラスチック成型用基材を提供するものである。
炭素繊維、アラミド繊維などを強化材として使用した複合材料は、引張強度・引張弾性率が高く、線膨張係数が小さいので寸法安定性に優れることおよび、耐熱性、耐薬品性、耐疲労特性、耐摩耗性、電磁波シールド性、X線透過性にも優れることから、自動車、スポーツ・レジャー、航空・宇宙、一般産業用途に幅広く適用されている。
特にマトリックス樹脂としてポリオレフィンを用いた繊維強化プラスチックは、成型温度が低く、材料コストも安価であることから特に射出成形品として、一般に広く用いられている。射出成型を採用した場合、ポリオレフィンと強化繊維を均一に混合するための前工程として二軸ルーダーなどを用いた混練工程において、強化繊維の一部が破損、折れなどを生じるため繊維長を長く保持することが出来ず、目標とする機械物性を得られないことがある。
また、繊維複合材料の強度・弾性率等の機械的特性は、強化繊維とマトリックス樹脂との親和性・接着性により大きな影響を受ける。マトリックス樹脂として多く用いられるポリオレフィン樹脂は安価で、成型性、耐水性、耐薬品性(耐油性、耐溶剤性)、電気絶縁性などに優れた性質を有している。しかしながら、結晶性を有し、且つ、極性基を持たないため、強化繊維との親和性が低い。このため、強化繊維の本来持つ性能を活かし、複合材料の機械的特性を向上させることは難しい。
上記問題を解決するため、ストランド状に引き揃えた強化繊維にポリオレフィンへの親和剤を付与した後、複合材料を形成する方法などが提案されている。(特許文献1、2)
しかしながら、上記方法では、親和剤を均一にかつ有意に多量付与することは難しく、また多量に付与した場合には、親和剤により繊維束が集束し樹脂中での繊維の分散が妨げられるため、有効な機械物性を到達できない可能性がある。
しかしながら、上記方法では、親和剤を均一にかつ有意に多量付与することは難しく、また多量に付与した場合には、親和剤により繊維束が集束し樹脂中での繊維の分散が妨げられるため、有効な機械物性を到達できない可能性がある。
一方、発明者は強化繊維を特定の形態でプラスチック中に配した繊維強化複合材料において、剛性や耐衝撃性が著しく向上することを既に見出している。つまり、一定長さ以上の強化繊維と熱可塑繊維を含む構造体として成型した後、該構造体を基材とし、熱可塑性繊維の融点または軟化点以上で加熱しかつ加圧する方法である。(特願2011−046534号)
マトリックス樹脂として繊維状物を用いることにより、強化繊維の繊維長が長くかつマトリックスと均一混合された基材を作成可能であり、溶融時の粘度が高い樹脂であっても、強化繊維近傍にマトリックスが存在することになるため、強化繊維と容易に密着することが可能である。
しかしながら、上記発明においても、ポリオレフィン繊維をマトリックスとして用いた場合は、強化繊維との接着性が悪く、成型後の複合材料の機械物性にはまだ改善の余地があった。
しかしながら、上記発明においても、ポリオレフィン繊維をマトリックスとして用いた場合は、強化繊維との接着性が悪く、成型後の複合材料の機械物性にはまだ改善の余地があった。
本発明の目的は、熱可塑性樹脂と強化繊維との接着性が改善され、機械物性に優れた繊維強化プラスチックが得られる、繊維強化プラスチック成型用基材を提供することにある。
本発明者が検討した結果、強化繊維とポリオレフィン繊維とを含む基材を、ポリオレフィン繊維の融点または軟化点以上の温度で、加熱等して繊維強化プラスチックを製造するに際し、マトリックス樹脂となるポリオレフィン繊維の一部を変性ポリオレフィンに改質したところ強化繊維とマトリック樹脂との接着性が格段に向上し、上記課題を達成できることを見出した。
かくして本発明によれば、強化繊維と熱可塑性樹脂からなる熱可塑性繊維とを含む繊維構造体からなる基材であり、これを加熱、または、加熱および加圧することによって、該強化繊維と該熱可塑性樹脂とからなる繊維強化プラスチックを成型するための基材であって、以下(1)および(2)を同時に満たしていることを特徴とする繊維強化プラスチック成型用基材。
(1)該強化繊維の、融点、軟化点又は熱分解開始温度が250℃以上である
(2)該熱可塑性繊維が、芯部がポリオレフィン(A)、鞘部が酸変性ポリオレフィン(B)からなり、ポリオレフィン(A):ポリオレフィン(B)の重量比が10:90〜40:60である芯鞘型複合繊維である
(1)該強化繊維の、融点、軟化点又は熱分解開始温度が250℃以上である
(2)該熱可塑性繊維が、芯部がポリオレフィン(A)、鞘部が酸変性ポリオレフィン(B)からなり、ポリオレフィン(A):ポリオレフィン(B)の重量比が10:90〜40:60である芯鞘型複合繊維である
本発明の繊維強化プラスチック用基材からは、強化繊維とオレフィン樹脂との接着性が向上し、高い機械物性を有する高性能な繊維強化プラスチックを安価に製造することができる。
前記目的を達成する本発明は、該強化繊維と該熱可塑性樹脂からなる熱可塑性繊維とを含む繊維構造体からなる基材であり、これを加熱、または、加熱および加圧することによって、該強化繊維と該熱可塑性樹脂とからなる繊維強化プラスチックを成型するための基材であって、以下(1)および(2)を同時に満たしていることを特徴とする繊維強化プラスチック成型用基材(以下、単に基材と称することがある)である。
(1)該強化繊維の、融点、軟化点又は熱分解開始温度が250℃以上である
(2)該熱可塑性繊維が、芯部がポリオレフィン(A)、鞘部が酸変性ポリオレフィン(B)からなり、ポリオレフィン(A):ポリオレフィン(B)の重量比が10:90〜40:60である芯鞘型複合繊維である
(1)該強化繊維の、融点、軟化点又は熱分解開始温度が250℃以上である
(2)該熱可塑性繊維が、芯部がポリオレフィン(A)、鞘部が酸変性ポリオレフィン(B)からなり、ポリオレフィン(A):ポリオレフィン(B)の重量比が10:90〜40:60である芯鞘型複合繊維である
本発明で用いる強化繊維は、融点、軟化点又は熱分解開始温度が250℃以上の繊維であり、例えば、炭素繊維、アラミド繊維に代表される有機系耐熱繊維、ガラス繊維などであり、強度、剛性が高いものが好ましい。なかでも昨今の繊維強化プラスチックの軽量化、および易廃棄性の観点から、炭素繊維、有機系耐熱繊維などの比重の軽いものが好まれる。
上記炭素繊維としては、引張強度3000MPa以上、弾性率200GPa以上のものが好ましい。炭素繊維の原料としては特に限定するものではないが、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等が例示できる。これらの炭素繊維のうち、取扱性能、製造工程通過性能に適したPAN系炭素繊維が特に好ましい。また、炭素繊維の形態は、加工性の観点から、カットファイバーの状態が好ましく、なかでも高い剛性を保持するために好ましくは20mm以上、より好ましくは20〜100mm、さらに好ましくは20〜60mmの長さを持った短繊維であることが望ましい。
上記有機系耐熱繊維としては、例えば、芳香族ポリアミド(アラミド)、芳香族ポリエーテルアミド、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミドなどが好ましく使用できる。なかでも耐衝撃性、生産性、価格などからアラミド繊維が好ましく使用できる。また、有機系耐熱繊維の形態としては、カットファイバーの状態が好ましく、なかでも高い耐衝撃性を保持するために好ましくは20mm以上、より好ましくは20〜100mm、さらに好ましくは20〜60mmの長さを持った短繊維であることが望ましい。
上記アラミド繊維としては、芳香族ジカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分、もしくは芳香族アミノカルボン酸成分から構成される芳香族ポリアミド、又はこれらの芳香族共重合ポリアミドからなるポリマーであり、例えばポリパラフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレン・3,4‘−オキシジフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミドなどが例示できる。
本発明で用いる熱可塑性繊維は、芯部がポリオレフィン(A)、鞘部が酸変性ポリオレフィン(B)からなり、ポリオレフィン(A):ポリオレフィン(B)の重量比が10:90〜40:60である芯鞘型複合繊維である。
本発明は、鞘部が酸変性ポリオレフィンであることにより、基材をポリオレフィン(A)およびポリオレフィン(B)の融点または軟化点以上の温度で、加熱、または加熱および加圧処理を行うことで、強化繊維と、マトリック樹脂となるポリオレフィン(A)およびポリオレフィン(B)との接着性が格段に向上した繊維強化プラスチックを得られることを見出したのである。
上記の酸変性ポリオレフィンとは、分子中にカルボキシル基などの酸基を有するポリオレフィンのことをいい、例えば、不飽和カルボン酸や無水カルボン酸などの酸基を有する化合物を用いてポリオレフィンをグラフト変性したものや、オレフィン系単量体と不飽和カルボン酸とを共重合させたものが例示される。このようなカルボン酸変性ポリオレフィンを用いることによって、酸変性ポリオレフィンの使用量が少なくても、強化繊維とポリオレフィン樹脂との良好な、接着強度を得ることができる。
ポリオレフィンを酸変性するための不飽和酸としては、不飽和カルボン酸又はその無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩などが使用でき、例えば、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などの不飽和酸、また、その無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが例示される。このうち無水マレイン酸が好適である。
配合されるべき酸の量はとくには限定されないが、一般にはポリオレフィン樹脂100重量部に対して好ましくは0.02〜2.0重量部、より好ましくは0.1〜2.0重量部、さらに0.5〜1.5重量部である。
上記酸変性ポリオレフィン樹脂を一般的な溶融紡糸法により紡糸し、繊維状物とした場合、接着性向上のためにグラフト量を増加させた酸変性ポリオレフィンは、重合度が下がり、顕著なメルトフローレートの増加、つまり、分子量の著しい低下を伴う。これらは、強化繊維との接着性改善には非常に有意に働くが、逆に紡糸安定性の面からは非常に不安定となり、本発明において必要なマトリックス樹脂となる熱可塑性繊維を得ることができない。また、酸変性ポリオレフィンのみをマトリックス樹脂とした場合、その分子量の低さゆえに繊維強化プラスチックとしたとき目的とする強度、剛性等を達成することが難しくなる。
そのため、本発明においては、ポリオレフィン、好ましくは酸変性されていない、無変性の(ホモ)ポリオレフィンを芯部、接着性改善のための酸変性ポリオレフィンを鞘部とした芯鞘型複合繊維を熱可塑性繊維に用いることを提案する。芯部にホモポリオレフィンを用いることにより、紡糸安定性を確保するとともに、鞘成分に酸変性ポリオレフィンを用いることにより強化繊維との接着を向上することができる。
芯部のポリオレフィンは紡糸安定性の観点から、JIS K 7210に基づき、230℃、荷重2.16kgfにて測定されたメルトフローレートが5〜60g/10分であることが好ましく、20〜60g/10分であることがより好ましい。鞘部の酸変性ポリオレフィンは、同様に紡糸安定性の観点から、メルトフローレートは低いほうが好ましい。
上記芯鞘型複合繊維の芯部と鞘部の重量比(芯部:鞘部)は接着性と機械物性のバランスの観点から、10:90〜40:60であり、好ましくは10:90〜30:70、より好ましくは15:85〜25:75である。鞘部の比率が10重量%未満であると、接着性改善に効果が見られず、40%重量%を超えると紡糸性が不安定化するとともに、複合材料としての機械物性が低下する。
上記複合繊維の製造方法としては、一般的に公知の複合繊維の紡糸方法を採用することができる。また、芯鞘型複合繊維の形態としては、カットファイバーの状態が好ましく、強化繊維との混合などの加工性から好ましくは20mm以上、より好ましくは20〜100mm、さらに好ましくは20〜60mmの長さを持った短繊維であることが望ましい。
上記複合繊維の製造方法としては、一般的に公知の複合繊維の紡糸方法を採用することができる。また、芯鞘型複合繊維の形態としては、カットファイバーの状態が好ましく、強化繊維との混合などの加工性から好ましくは20mm以上、より好ましくは20〜100mm、さらに好ましくは20〜60mmの長さを持った短繊維であることが望ましい。
本発明の基材となる繊維構造物としては、織物、編物、不織布などを例示できるが、特に不織布が好ましい。織物、編物の作成方法としては公知の方法を用いればよい。また、不織布の作成方法としては、一般的な乾式不織布、湿式不織布のいずれもが使用可能であるが、剛性、耐衝撃性を特に要求される製品においては、繊維長の長いことが有益であるため、乾式不織布法にて作成することがより好ましい。また、繊維は開繊機、カードなどの工程により一方向に引き揃えられることが剛性、耐衝撃性をより向上させる。強化繊維と熱可塑性繊維との混合重量比率(強化繊維:熱可塑性繊維)は、好ましくは10:50〜50:50であり、より好ましくは20:80〜40:60であり、両繊維は公知の方法により混綿することができる。繊維強化プラスチックの成型方法としては、プレス成型、スタンパブル成型などが好適例として示されるが、一般的な熱圧成型法は全て適用可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(1)繊維長、繊度
JIS L 1015に準拠して測定した。
(2)繊径
キーエンス社製光学顕微鏡DEGITAL MICROSCOPE VHX−1000を用い1000倍で繊維断面の直径を10本測定し、その平均値とした。
(3)繊維の引張強度、弾性率
ASTM D885に準拠して測定した。
(4)ポリオレフィン樹脂のメルトボリュームフローレイト
JIS K 7210により、230℃、荷重2.16kgfにて測定した。
(5)繊維の融点、軟化点、熱分解開始温度
株式会社リガク社製示差熱分析装置TAS200にて窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分にて測定し算出した。
(6)繊維強化プラスチックの曲げ強度、弾性率
JIS K 7171に準拠し、厚さ1mm、長さ100mm、幅10mmの試験片を用いて、支点間距離80mmでの3点曲げにて測定した。
(7)繊維強化プラスチックの衝撃強度
JIS K 7111に準拠し、厚さ1mm、長さ100mm、幅10mmの試験片を用いて測定した。
(1)繊維長、繊度
JIS L 1015に準拠して測定した。
(2)繊径
キーエンス社製光学顕微鏡DEGITAL MICROSCOPE VHX−1000を用い1000倍で繊維断面の直径を10本測定し、その平均値とした。
(3)繊維の引張強度、弾性率
ASTM D885に準拠して測定した。
(4)ポリオレフィン樹脂のメルトボリュームフローレイト
JIS K 7210により、230℃、荷重2.16kgfにて測定した。
(5)繊維の融点、軟化点、熱分解開始温度
株式会社リガク社製示差熱分析装置TAS200にて窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分にて測定し算出した。
(6)繊維強化プラスチックの曲げ強度、弾性率
JIS K 7171に準拠し、厚さ1mm、長さ100mm、幅10mmの試験片を用いて、支点間距離80mmでの3点曲げにて測定した。
(7)繊維強化プラスチックの衝撃強度
JIS K 7111に準拠し、厚さ1mm、長さ100mm、幅10mmの試験片を用いて測定した。
[実施例1]
繊維径12μmの炭素繊維(東邦テナックス製、引張強度4200MPa、500℃で熱分解せず)を35mmにカットした繊維と、芯鞘型ポリプロピレン繊維(芯部がメルトフローレート50g/10分のホモポリマー、鞘部が無水マレイン酸をホモポリプロピレンに対して1.0重量%グラフト重合した無水マレイン酸変性ポリプロピレンであり、芯部と鞘部の重量比が20:80)を51mmにカットした繊維とを、重量比で40:60になるように開繊機にて混合した後、カード機にて目付200g/m2の不織布を作成した。カード工程を通過させることにより、繊維の引き揃え性を向上させた。上記で得られた不織布を8枚積層し1600g/m2の繊維積層物を得た。上記積層物を、ニードルパンチ機により38番針にて針深度10mm、500本/cm2の密度で打ち込みをしてニーパン不織布を得た。次いで、予め離型処理を施したステンレス板で挟み、ホットプレス熱盤上にセットした後、同じく予め離型処理を施した鋼製スペーサーを使用して、1mm厚の繊維強化プラスチックを作成した。このときの成型条件は、成型圧力が5MPa、成型温度が220℃であった。
繊維径12μmの炭素繊維(東邦テナックス製、引張強度4200MPa、500℃で熱分解せず)を35mmにカットした繊維と、芯鞘型ポリプロピレン繊維(芯部がメルトフローレート50g/10分のホモポリマー、鞘部が無水マレイン酸をホモポリプロピレンに対して1.0重量%グラフト重合した無水マレイン酸変性ポリプロピレンであり、芯部と鞘部の重量比が20:80)を51mmにカットした繊維とを、重量比で40:60になるように開繊機にて混合した後、カード機にて目付200g/m2の不織布を作成した。カード工程を通過させることにより、繊維の引き揃え性を向上させた。上記で得られた不織布を8枚積層し1600g/m2の繊維積層物を得た。上記積層物を、ニードルパンチ機により38番針にて針深度10mm、500本/cm2の密度で打ち込みをしてニーパン不織布を得た。次いで、予め離型処理を施したステンレス板で挟み、ホットプレス熱盤上にセットした後、同じく予め離型処理を施した鋼製スペーサーを使用して、1mm厚の繊維強化プラスチックを作成した。このときの成型条件は、成型圧力が5MPa、成型温度が220℃であった。
[実施例2]
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を10:90に変更した以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を10:90に変更した以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
[実施例3]
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を40:60に変更した以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を40:60に変更した以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
[実施例4]
炭素繊維を繊維径12μmのアラミド繊維(コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維、帝人テクノプロダクツ製 テクノーラ(商標)、引張強度3400MPa、熱分解開始温度500℃)に変更した以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
炭素繊維を繊維径12μmのアラミド繊維(コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維、帝人テクノプロダクツ製 テクノーラ(商標)、引張強度3400MPa、熱分解開始温度500℃)に変更した以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
[実施例5]
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を10:90に変更した以外は実施例4と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を10:90に変更した以外は実施例4と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
[実施例6]
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を40:60に変更した以外は実施例4と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を40:60に変更した以外は実施例4と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
[比較例1]
芯鞘型ポリプロピレン繊維を、ポリプロピレンホモポリマー100%からなる芯鞘構造を有しない繊維に変更した以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
芯鞘型ポリプロピレン繊維を、ポリプロピレンホモポリマー100%からなる芯鞘構造を有しない繊維に変更した以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
[比較例2]
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を5:95に変更した以外は実施例1と同様にして、繊維強化プラスチックを作成した。
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を5:95に変更した以外は実施例1と同様にして、繊維強化プラスチックを作成した。
[比較例3]
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を50:50に変更した以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を50:50に変更した以外は実施例1と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
[比較例4]
芯鞘型ポリプロピレン繊維を、ポリプロピレンホモポリマー100%からなる芯鞘構造を有しない繊維に変更した以外は実施例4と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
芯鞘型ポリプロピレン繊維を、ポリプロピレンホモポリマー100%からなる芯鞘構造を有しない繊維に変更した以外は実施例4と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
[比較例5]
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を5:95に変更した以外は実施例4と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を5:95に変更した以外は実施例4と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
[比較例6]
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を50:50に変更した以外は実施例4と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
以上の結果を表1に示す。
芯鞘型ポリプロピレン繊維の芯部、鞘部の比率を50:50に変更した以外は実施例4と同様にして繊維強化プラスチックを作成した。
以上の結果を表1に示す。
本発明の繊維強化プラスチック成型用基材によれば、強化繊維と熱可塑性マトリックス樹脂との間に優れた接着性を発現し、高い機械物性を有する軽量な繊維強化プラスチックを提供することができる。よって、本発明の基材から得られる繊維強化プラスチックは、補強用、摩擦・摺動用、自動車、船舶などの産業用部品、電気・電子機器、AV機器、OA機器、建築用の部品・部材、建材、建具、パッキン類又はシール類などに好適に用いることができる。
Claims (7)
- 強化繊維と熱可塑性樹脂からなる熱可塑性繊維とを含む繊維構造体からなる基材であり、これを加熱、又は、加熱及び加圧することによって、該強化繊維と該熱可塑性樹脂とからなる繊維強化プラスチックを成型するための基材であって、以下(1)および(2)を同時に満たしていることを特徴とする繊維強化プラスチック成型用基材。
(1)該強化繊維の、融点、軟化点又は熱分解開始温度が250℃以上である
(2)該熱可塑性繊維が、芯部がポリオレフィン(A)、鞘部が酸変性されたポリオレフィン(B)からなり、ポリオレフィン(A):ポリオレフィン(B)の重量比が10:90〜40:60である芯鞘型複合繊維である - ポリオレフィン(B)が、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、またそれら酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩から選ばれた少なくとも1種の酸で変性されたポリオレフィンである請求項1に記載の繊維強化プラスチック成型用基材。
- ポリオレフィン(B)が、無水マレイン酸で変性されたポリオレフィンである請求項1または2に記載の繊維強化プレスチック成型用基材。
- ポリオレフィン(A)のJIS K 7210(温度230℃、荷重2.16kgf)により測定したメルトフローレートが5〜60g/10分である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成型用基材。
- ポリオレフィン(B)が、酸変性されていないポリオレフィンである請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成型用基材。
- 基材が、強化繊維と熱可塑性繊維とが少なくとも一部で交絡した不織布である請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成型用基材。
- 強化繊維が、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維の少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成型用基材。
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Cited By (8)
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